説明

自動分析装置

【課題】検量線の管理を容易に行うことができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】各検査項目の標準試料を含む混合液を測定して標準データを生成する分析部25と、分析部25で生成された標準データから、この標準データと前記標準試料の標準値との関係を表す検量線を作成する演算部31と、演算部31で作成された検量線を保存するデータ記憶部32と、演算部31で作成される検量線の管理を行う管理部40とを備え、管理部40は、分析部25で標準データが生成されたとき、データ記憶部32に保存されたその標準データの検査項目に対応する検量線に基づいて、その標準データから作成される検量線の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトから採取した血清などの試料を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、被検体から採取された被検試料と各検査項目の試薬との混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を、分光光度計や比濁計等の測光部で光学的に測定することにより、被検試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素の活性等で表される分析データを生成する。また、生化学検査項目の内、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素等の電解質を、この電解質に選択的に応答するイオンセンサと一定の電位を発生する参照電極間を電解質測定ユニットで測定することにより、濃度で表される分析データを生成する。
【0003】
この自動分析装置では、検査を行う被検試料中の検査項目成分の分析を行うために、各検査項目の標準試料に予め値付けされた標準値を設定し、その標準試料及び試薬の混合液を測光部や電解質測定ユニットで測定する。そして、測光部では吸光度やこの吸光度から算出される吸光度変化量等で表される標準データを生成し、電解質測定ユニットでは起電力で表される標準データを生成する。この生成した標準データから、標準データと標準値との関係を表す検量線を作成し、作成した検量線を用いて被検試料と検査対象の試薬の混合液の測定結果から分析データを生成することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、検量線の管理は、例えば前回得られた良好な検量線との傾きの比較や、濃度値や活性値が知られている管理試料の測定により行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−122333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、管理試料の測定により管理を行う場合、標準試料を測定した後に更に管理試料を測定する必要があり、手間がかかる問題がある。また、検量線は複数の標準試料の測定により作成されるため、検量線が不良であると、不良な標準データを特定するのが困難である。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、検量線の管理を容易に行うことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、試料及びこの試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、前記検査項目の標準試料を含む前記混合液を測定して標準データを生成する測定手段と、前記測定手段により生成された標準データと前記標準試料の予め設定された標準値との関係を表す検量線を作成する演算手段と、前記演算手段により作成された検量線を保存するデータ記憶手段と、前記記憶手段に保存された検量線を用いて前記測定手段により生成された標準データから算出される管理値により、その標準データから作成される検量線の管理を行う管理手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前回得られた良好な検量線を用いて標準試料の測定により生成された標準データから算出される管理値により、その標準データから作成される検量線の管理を行うことができる。これにより、検量線を容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る管理値記憶部に保存された標準データ及び管理値の一例を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る表示部に表示された標準試料設定画面の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例に係る表示部に表示されたグラフの一例を示す。
【図7】本発明の実施例に係る表示部に表示されたグラフ表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
以下、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図7を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検体から採取された被検試料と検査項目に該当する試薬との混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部25と、分析部25の測定に関る各分析ユニットの駆動及び制御を行う分析制御部26と、分析部25で生成された標準データや被検データを処理して検量線の作成や分析データの生成を行うデータ処理部30とを備えている。
【0014】
また、自動分析装置100は、分析部25で生成された標準データから作成される検量線の管理を行う管理部40と、データ処理部30で作成された検量線や生成された分析データを印刷出力や表示出力する出力部50と、各種コマンド信号の入力等を行う操作部60と、分析制御部26、データ処理部30、管理部40、及び出力部50を統括して制御するシステム制御部70とを備えている。
【0015】
図2は、分析部25の構成を示した斜視図である。この分析部25は、標準試料や被検試料等の各試料を収容する試料容器17と、この試料容器17を保持するサンプルディスク5と、各試料に含まれる検査項目の成分と反応する1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容する試薬容器6と、この試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを有する試薬庫1と、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器7と、この試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを有する試薬庫2と、円周上に配置された複数の反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
【0016】
また、ディスクサンプラ5に収納された試料容器17内の各試料をサンプル分注プローブ16から吸引して反応容器3内へ吐出するサンプル分注ポンプ16aと、各試料の分注終了毎にサンプル分注プローブ16を洗浄する洗浄槽16bと、各試料の試料容器17から反応容器3への分注を行うために、サンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。
【0017】
なお、各検査項目の標準試料の測定が行われるとき、サンプル分注ポンプ16aは、検査項目の標準試料の1つである検査項目成分を含有しない例えば純水等のブランク試料をサンプル分注プローブ16に供給する。これにより、サンプル分注プローブ16は、サンプル分注ポンプ16aから供給されたブランク試料を反応容器3内に吐出する。
【0018】
また、試薬庫1に収納された試薬容器6内の第1試薬を第1試薬分注プローブ14から吸引して、ブランク試料、ブランク試料以外の標準試料、被検試料等の各試料を収容する反応容器3内に吐出する第1試薬分注ポンプ14aと、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を洗浄する洗浄槽14bと、第1試薬の試薬容器6から反応容器3への分注を行うために、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8とを備えている。
【0019】
また、反応容器3内に吐出された各試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子18と、第1混合液の撹拌終了毎に第1撹拌子18を洗浄する洗浄槽18aと、第1撹拌子18を回動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム20とを備えている。
【0020】
また、試薬庫2に収納された試薬容器7内の第2試薬を第2試薬分注プローブ15から吸引して、各試料及び第1試薬を収容する反応容器3内に吐出する第2試薬分注ポンプ15aと、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を洗浄する洗浄槽15bと、第2試薬の試薬容器7から反応容器3への分注を行うために、第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9とを備えている。
【0021】
また、反応容器3内に吐出された各試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子19と、混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子19を洗浄する洗浄槽19aと、第2撹拌子19を回動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム21とを備えている。
【0022】
また、校正液を収容した校正液ポット22aと、反応容器3内の混合液及び校正液ポット22a内の校正液を吸引する吸引プローブ22と、吸引プローブ22により吸引された混合液及び校正液に含まれる例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及び塩素イオン等の各検査項目成分を測定する電解質測定ユニット23と、吸引プローブ22及び電解質測定ユニット23を回動及び上下移動可能に保持する吸引アーム24とを備えている。
【0023】
また、反応容器3内の混合液を光学的に測定する測光部13と、反応容器3内の測定を終えた混合液を吸引した後に、反応容器3内を洗浄する洗浄ユニット12とを備えている。
【0024】
そして、電解質測定ユニット23は、例えば第1試薬により希釈された標準試料を含む混合液と校正液中の各検査項目成分に選択的に応答するイオンセンサと一定の電位を発生する参照電極間を測定することにより例えば起電力データで表される標準データを生成し、生成した標準データをデータ処理部30及び管理部40に出力する。
【0025】
また、電解質測定ユニット23は、第1試薬により希釈された被検試料を含む混合液と校正液中の各検査項目成分に選択的に応答するイオンセンサと一定の電位を発生する参照電極間を測定することにより起電力データで表される被検データを生成し、生成した被検データをデータ処理部30に出力する。
【0026】
更に、測光部13は、反応容器3内のブランク試料を含む混合液及び反応容器3内のブランク試料以外の標準試料を含む混合液に光を照射し、各混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して電気信号に変換する。そして、その変換した電気信号を処理して吸光度や吸光度変化量で表される標準データを生成し、生成した標準データをデータ処理部30及び管理部40に出力する。
【0027】
更にまた、反応容器3内の被検試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して電気信号に変換する。そして、その変換した電気信号を処理して吸光度や吸光度変化量で表される被検データを生成し、生成した被検データをデータ処理部30に出力する。
【0028】
分析制御部26は、分析部25の各分析ユニットを駆動する機構を有する機構部27、及びこの機構部27を制御して分析部25の各分析ユニットを作動させる機構制御部28を備えている。そして、機構部27は、分析部25のディスクサンプラ5、試薬庫1の試薬ラック1a、及び試薬庫2の試薬ラック2aを夫々回動する機構、並びに反応ディスク4を回転する機構を備えている。また、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌アーム20、第2撹拌アーム21、及び吸引アーム24を夫々回動及び上下移動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構、並びにサンプル分注ポンプ16a、第1試薬分注ポンプ14a、及び第2試薬分注ポンプ15aを夫々吸引及び吐出駆動する機構等を備えている。
【0029】
図1に示したデータ処理部30は、システム制御部70から供給される予め設定された標準試料に値付けされた標準値に基づいて、分析部25の電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量線の作成や分析データの生成を行う演算部31と、演算部31で作成された検量線や生成された分析データを保存するデータ記憶部32とを備えている。
【0030】
演算部31は、電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データとこの標準データに対応する標準試料の標準値との関係を表す検量線を作成し、作成した検量線の内の良好な検量線をデータ記憶部32に保存する。また、作成した検量線及びこの検量線の作成に用いた標準データを出力部50に出力する。
【0031】
また、電解質測定ユニット23や測光部13から出力された被検データに対応する検査項目の検量線をデータ記憶部32から読み出す。次いで、読み出した検量線を用いてその被検データから濃度値や活性値として表される分析データを生成し、生成した分析データを出力部50に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。
【0032】
データ記憶部32は、ハードディスクなどを備え、演算部31から出力された良好な検量線を検査項目毎に保存する。また、演算部31から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
【0033】
管理部40は、データ処理部30のデータ記憶部32に保存された検量線及びシステム制御部70から供給される標準試料の標準値を含む標準試料情報に基づいて、分析部25の電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データから作成される検量線を管理するための管理値を算出する算出部41を備えている。
【0034】
また、算出部41で算出された管理値に基づいて電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データから作成される検量線の良否を判定する判定部42と、電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データや算出部41で算出された管理値を保存する管理値記憶部43と、管理値記憶部43に保存された管理値のグラフを作成するグラフ作成部44とを備えている。
【0035】
算出部41は、電解質測定ユニット23や測光部13から出力された標準データに対応する最新の良好な検量線をデータ処理部30のデータ記憶部32から読み出す。次いで、読み出した検量線を用いてその標準データから、分析データと同じ単位で表される濃度値や活性値に換算した管理値である分析データ換算値を算出し、算出した分析データ換算値を判定部42に出力すると共に管理値記憶部43に保存する。
【0036】
このように、標準データを分析データと同じ単位で表される分析データ換算値で表すことにより、各標準データの良否を容易に判断することができる。
【0037】
また、算出した分析データ換算値から、この分析データ換算値に対応する標準試料の標準値を差し引いてバイアス値を算出し、算出したバイアス値を管理値記憶部43に保存する。次いで、算出したバイアス値を、管理値記憶部43に保存された全てのバイアス値を累積した値に加算した管理値であるバイアス累積値を算出し、算出したバイアス累積値を判定部42に出力すると共に管理値記憶部43に保存する。
【0038】
このように、標準データを分析データと同じ単位で表されるバイアス累積値で表すことにより、そのバイアス累積値に対応する各標準データの良否を容易に判断することができる。
【0039】
判定部42は、算出部41から出力された分析データ換算値に基づいて、その分析換算値に対応する標準データから作成される検量線の良否を判定する。そして、分析データ換算値が予め設定された許容範囲(換算値許容範囲)内である場合、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定する。また、分析データ換算値が換算値許容範囲から外れている場合、その分析データ換算値に不良であることを示すエラーコードEを付加して管理値記憶部43に保存すると共に、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定して、その不良情報をシステム制御部70に出力する。システム制御部70では、管理部40から出力された検量線の不良情報を出力部50に出力する。
【0040】
このように、分析データ換算値からこの分析データ換算値に対応する標準データの良否を判断することができる。この標準データの良否の判断により、その検量線から作成される検量線の良否を判定することができる。
【0041】
なお、算出部41で算出した分析データ換算値を出力部50に出力するように実施してもよい。これにより、自動分析装置100の操作者は、出力部50に出力された分析データ換算値から標準データの良否を容易に判断することができ、その標準データから作成される検量線の良否を判定することができる。
【0042】
また、算出部41から出力されたバイアス累積値に基づいて、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線の良否を判定する。そして、バイアス累積値が予め設定された許容範囲(バイアス値許容範囲)内である場合、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定する。また、バイアス累積値がバイアス値許容範囲から外れている場合、そのバイアス累積値に不良であることを示すエラーコードEを付加して管理値記憶部43に保存すると共に、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定し、その不良情報をシステム制御部70に出力する。
【0043】
このように、バイアス累積値からこのバイアス累積値に対応する標準データの良否を判断することができる。この標準データの良否の判断により、その標準データから作成される検量線の良否を判定することができる。
【0044】
なお、算出部41で算出したバイアス累積値を出力部50に出力するように実施してもよい。これにより、自動分析装置100の操作者は、出力部50に出力されたバイアス累積値から標準データの良否を容易に判断することができ、その標準データから作成される検量線の良否を判定することができる。
【0045】
図3は、管理値記憶部43に保存された標準データ及び管理値の一例を示した図である。ここでは、2009年4月1日から保存が開始され、2009年4月30日までの休日を除く日に、検査項目である例えば「項目A」の分析部25の測光部13における測定により生成された標準データが保存されている。また、2009年4月2日から保存が開始され、2009年4月30日までの休日を除く日に、前記標準データからに算出された分析データ換算値及びこの分析データ換算値から算出されるバイアス値から算出されたバイアス累積値が保存されている。
【0046】
そして、前記標準データの内、ブランク試料BLKの吸光度である「0.001」、「0.000」、・・・、「0.001」が保存されている。また、ブランク試料BLK以外の標準試料ST1の吸光度である「1.011」、「1.021」、・・・、「1.051」が保存されている。
【0047】
また、分析データ換算値の内、ブランク試料BLKの換算値である「―0.1」、「0.1」、・・・、「―0.1」が保存されている。また、標準試料ST1の換算値である「101.0」、「98.0」、・・・、「100.2」が保存されている。
【0048】
更に、バイアス累積値の内、ブランク試料BLKの累積値である「―0.1」、「0.0」、・・・、「0.0」が保存されている。また、標準試料ST1の累積値である「1.0」、「−1.0」、・・・、「4.1」が保存されている。
【0049】
そして、不良である分析データ換算値及びバイアス累積値には「E」が付加され、その分析データ換算値及びバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定される。検量線が不良であると判定された場合、良好な検量線が得られるまで標準試料の測定が繰り返される。
【0050】
なお、標準試料や試薬のロットが変わることによって標準データが変化する検査項目においては、新しいロットになったとき、旧ロットのときに算出された管理値を管理値記憶部43から消去してから、新ロットで算出された管理値を管理値記憶部43に保存する。
【0051】
出力部50は、データ処理部30の演算部31から出力された検量線や分析データを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えている。そして、印刷部51は、プリンタなどを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
【0052】
表示部52は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを表示する。また、システム制御部70から供給される検量線の不良情報を表示する。更に、自動分析装置100で検査可能な各検査項目の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面、この分析パラメータ設定画面から設定された検査項目の標準試料に関する標準値等の標準試料情報を設定するための標準試料設定画面、検量線を表示するための検量線出力画面、被検試料毎にこの被検試料を識別する氏名やID等の識別情報及び検査項目を設定するための被検試料情報設定画面等を表示する。
【0053】
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータの設定、標準試料に関する標準試料情報の設定、被検試料の識別情報及び検査項目の設定等を行うための入力操作を行う。
システム制御部70は、CPU及び記憶回路を備え、操作部60からの操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータの情報、標準試料情報、被検試料の識別情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部26、データ処理部30、管理部40、及び出力部50を統括してシステム全体を制御する。
【0054】
以下、図1乃至図7を参照して、検量線の管理を行う自動分析装置100の動作の一例を説明する。図4は、表示部52に表示された標準試料設定画面の一例を示す図である。図5、自動分析装置100の動作を示すフローチャートである。図6は、表示部52に表示された検量線出力画面の一例を示す図である。図7は、表示部52に表示されたグラフ表示画面の一例を示す図である。
【0055】
表示部52の分析パラメータ設定画面から設定された検査項目の標準試料を設定するために、操作部60から標準試料設定画面を表示する操作が行われると、表示部52に標準試料設定画面が表示される。
【0056】
図4は、表示部52に表示された標準試料設定画面の一例を示した図である。この標準試料設定画面53は、「項目」、「標準試料」、「値」、「範囲」、及び「位置」の欄により構成される。そして、操作部60からの入力操作により各欄に設定された標準試料情報は、システム制御部70の記憶回路に保存されると共に表示部52に表示される。
【0057】
「項目」の欄には検査項目を設定する。そして、表示部52の分析パラメータ設定画面で設定された例えば分析部25の測光部13で測定が行われる検査項目である例えば「項目A」を選択設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス531内に「項目A」が表示される。
【0058】
「標準試料」の欄には、上から順に「ST―0」乃至「ST―n」が表示され、「項目」の欄に設定された検査項目の標準試料を、ブランク試料を含めて最大で(n+1)個まで設定できるようになっている。
【0059】
「値」の欄には、「標準試料」の欄の各「ST―0」乃至「ST―n」に対応する標準試料に値付けされた標準値を、上から小さい順に設定する。そして、「標準試料」の欄の「ST0」に対してはブランク試料BLKの標準値である「0」がダイアログボックス5320内に設定表示されている。また、「項目」の欄に設定された検査項目のブランク試料以外の標準試料が1個である場合の「ST―1」に対応する例えば標準試料ST1の標準値を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス5321内に例えば「100.0」が表示される。なお、標準値の設定が行われない「ST―2」乃至「ST―n」に対応するダイアログボックス5322乃至532n内は空白になる。
【0060】
「範囲」の欄には、「値」の欄に設定された標準値の領域において許容される分析データの誤差範囲を、管理部40の判定部42でバイアス累積値の良否の判定を行うためのバイアス値許容範囲として設定する。そして、ブランク試料BLKのバイアス値許容範囲を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス5330内に例えば「±3.0」が表示される。これにより、「値」の欄に設定された標準値及び「範囲」の欄に設定された誤差範囲から、判定部42で分析データ換算値の良否の判定を行うためのブランク試料BLKの換算値許容範囲が「0±3.0」として設定されることになる。
【0061】
また、標準試料ST1のバイアス値許容範囲を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス5331内に例えば「±5.0」が表示される。これにより、「値」の欄に設定された標準値及び「範囲」の欄に設定された誤差範囲から、判定部42で分析データ換算値の良否の判定を行うための標準試料ST1の換算値許容範囲が「100.0±3.0」として設定されることになる。
【0062】
なお、バイアス値許容範囲の設定が行われない「ST2」乃至「STn」に対応するダイアログボックス5332乃至533n内は空白になる。
【0063】
このように、日常の検査で馴染みのある分析データに許容される誤差範囲を設定することにより、標準データから算出される管理値の良否を判定することができる。これにより、その標準データから作成される検量線の良否を判定するためのバイアス値許容範囲を容易に設定することができる。
【0064】
「位置」の欄には、「標準試料」の欄の各「ST―1」乃至「ST―n」に対応する標準試料を収容した試料容器17を収納するディスクサンプラ5の収納位置を設定する。そして、「項目」の欄に設定された標準試料ST1の収納位置を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス5341内に収納位置である「1ST1」が表示される。なお、収納位置の設定が行われない「ST―2」乃至「ST―n」に対応するダイアログボックス5342乃至534n内は空白になる。
【0065】
図5は、自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。データ処理部30のデータ記憶部32には、例えば昨日作成された「項目A」の最新の検量線が保存されている。そして、図4に示した標準試料設定画面53の「標準試料」の欄に表示された「ST1」に対応する標準試料ST1を収容した試料容器17を、「位置」の欄に設定したディスクサンプラ5の収納位置へ収納した後、操作部60から標準試料ST1の測定を開始する操作が行われると、自動分析装置100は動作を開始する(ステップS1)。
【0066】
システム制御部70は、分析制御部26、データ処理部30、管理部40、及び出力部50に標準試料ST1の測定を指示する。分析制御部26の機構制御部28は、表示部52の分析パラメータ設定画面で設定された分析パラメータ及び標準試料設定画面53で設定された標準試料情報に基づいて、機構部27を制御して分析部25の各分析ユニットを作動させる。
【0067】
分析部25のサンプル分注プローブ16は、サンプル分注ポンプ16aから供給されるブランク試料BLKを反応容器3内に吐出する。また、ディスクサンプラ5に収納された試料容器17から標準試料ST1を吸引して反応容器3内に吐出する。第1試薬分注プローブ14は、試薬庫1に収納された試薬容器6から第1試薬を吸引してブランク試料BLK及び標準試料ST1が吐出された各反応容器3内に吐出する。第1撹拌子18は、反応容器3内のブランク試料BLKを含む混合液及び標準試料ST1を含む混合液を撹拌する。第2試薬分注プローブ15は、試薬庫2に収納された試薬容器7から第2試薬を吸引して、第1撹拌子18で撹拌された各反応容器3内に吐出する。第2撹拌子19は、第2試薬が吐出された各反応容器3に収容された混合液を撹拌する。測光部13は、各反応容器3内の混合液を測定して標準データを生成し、生成した標準データをデータ処理部30の演算部31及び管理部40の算出部41に出力する。
【0068】
算出部41は、分析部25の測光部13から出力されたブランク試料BLK及び標準試料ST1の標準データに対応する検査項目の検量線をデータ処理部30のデータ記憶部32から読み出す。次いで、読み出した検量線を用いて標準データからブランク試料BLK及び標準試料ST1の分析データ換算値を算出し、算出した分析データ換算値を判定部42に出力すると共に管理値記憶部43に保存する(ステップS2)。
【0069】
判定部42は、算出部41から出力された分析データ換算値及び標準試料設定画面53の「範囲」の欄に設定されたバイアス値許容範囲に基づいて、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線の良否を判定する。
【0070】
そして、分析データ換算値が換算値許容範囲内である場合(ステップS3のはい)、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定する。また、分析データ換算値が換算値許容範囲から外れている場合(ステップS3のいいえ)、その分析データ換算値に不良であることを示すエラーコードEを付加して管理値記憶部43に保存すると共に、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定して、その不良情報をシステム制御部70に出力する。
【0071】
このように、ブランク試料BLK及び標準試料ST1の分析データ換算値から各標準データの良否を判断することができる。
【0072】
ステップS3の「はい」の後に、算出部41は、算出した分析データ換算値からこの分析データ換算値に対応する標準試料ST1の標準値を差し引いてバイアス値を算出し、算出したバイアス値を管理値記憶部43に保存する。次いで、算出したバイアス値を、管理値記憶部43に保存された全てのバイアス値を累積した値に加算した管理値であるバイアス累積値を算出し、算出したバイアス累積値を判定部42に出力すると共に管理値記憶部43に保存する(ステップS4)。
【0073】
なお、算出したバイアス値がバイアス値許容範囲から外れている場合、そのバイアス値はバイアス累積値を算出するための加算の対象としない。
【0074】
ステップS3の「いいえ」の後に、システム制御部70は、判定部42から出力された検量線の不良情報を出力部50の表示部52に表示する(ステップS5)。その後、ステップS8へ移行する。
【0075】
ステップS4の後に、判定部42は、算出部41から出力されたバイアス累積値及び標準試料設定画面53の「範囲」の欄に設定されたバイアス値許容範囲に基づいて、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線の良否を判定する。
【0076】
そして、バイアス累積値がバイアス値許容範囲内である場合(ステップS6のはい)、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定する。また、バイアス累積値がバイアス値許容範囲から外れている場合(ステップS6のいいえ)、そのバイアス累積値に不良であることを示すエラーコードEを付加して管理値記憶部43に保存すると共に、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定し、その不良情報をシステム制御部70に出力する。その後、ステップS5へ移行する。
【0077】
このように、ブランク試料BLK及び標準試料ST1のバイアス累積値から各標準データの良否を判断することができる。
【0078】
ステップS6の「はい」の後に、演算部31は、標準値と、測光部13から出力されたそのブランク試料BLK及び標準試料ST1の標準データとの関係を表す検量線を作成し、作成した検量線をデータ記憶部32に保存すると共に、検量線及びこの検量線の作成に用いた標準データを表示部52に出力する(ステップS7)。
【0079】
図6は、表示部52に表示された検量線出力画面の一例を示した図である。この検量線出力画面54は、「標準試料」、「値」、及び「データ」の欄と、データ処理部30の演算部31で作成された検量線が表示されるグラフ表示エリア55とにより構成される。
【0080】
「標準試料」の欄には、標準試料設定画面53の「標準試料」の欄に表示された「ST―0」乃至「ST―n」が表示されている。また、「値」の欄には、標準試料設定画面53の「値」の欄に設定された「ST―0」に対応する標準値である「0」及び「ST―1」に対応する標準値である「100.0」が表示されている。
【0081】
「データ」の欄には、図3に示した管理値記憶部43に保存された例えば2009年4月30日に分析部25の測光部13で生成されたブランク試料BLKの標準データである「0.001」が表示されている。また、標準試料ST1の標準データである「1.051」が表示されている。
【0082】
グラフ表示エリア55には、検量線551が表示されている。この検量線551は、「値」の欄に表示された各「ST―0」及び「ST―1」の標準値をグラフ表示エリア55の横軸の座標とし、「データ」の欄に表示された各「ST―0」及び「ST―1」の標準データをグラフ表示エリア55の縦軸の座標とする各座標(標準値,標準データ)を通る一次関数により形成されている。
【0083】
ここで、表示部52の検量線出力画面54に表示された検量線551の検査項目における管理値のグラフを表示する操作が操作部60から行われると、管理部40のグラフ作成部44は、管理値記憶部43に保存される図3に示した全ての管理値の時系列的変化を示すグラフを作成し、作成したグラフを表示部52に出力する。
【0084】
図7は、表示部52に表示されたグラフ表示画面の一例を示した図である。このグラフ表示画面56には、ブランク試料BLKにおける分析データ換算値の時系列的変化を表すグラフ561及び標準試料ST1における分析データ換算値の時系列的変化を表すグラフ562が表示されている。そして、グラフ561は、図3に示した「年月日」を横軸の座標とし、ブランク試料BLKの分析データ換算値を縦軸の座標とする各座標(年月日,分析データ換算値)を補間した関数により形成されている。また、グラフ562は、図3に示した「年月日」を横軸の座標とし、標準試料ST1の分析データ換算値を縦軸の座標とする各座標(年月日,分析データ換算値)を補間した関数により形成されている。
【0085】
また、ブランク試料BLKにおけるバイアス累積値の時系列的変化を表すグラフ563及び標準試料ST1におけるバイアス累積値の時系列的変化を表すグラフ564が表示されている。そして、グラフ563は、図3に示した「年月日」を横軸の座標とし、ブランク試料BLKのバイアス累積値を縦軸の座標とする各座標(年月日,バイアス累積値)を補間した関数により形成されている。また、グラフ564は、図3に示した「年月日」を横軸の座標とし、標準試料ST1のバイアス累積値を縦軸の座標とする各座標(年月日,バイアス累積値)を補間した関数により形成されている。
【0086】
ここで、グラフ561,562,5563からは、所々でばらつく部分があるものの、バイアス値許容範囲に入っているので憂慮すべき事態でないことが分かる。しかしながら、グラフ564では、バイアス値許容範囲の上限値に向かってほぼ単調に上昇していることから、やがて上限値を超えることが予測される。
【0087】
このように、バイアス累積値の時系列的変化をグラフにして可視化することにより、いずれ不良の検量線が得られることを予測することができる。このため、不良の検量線が得られる前に対処することができる。
【0088】
ステップS5又はステップS7の後に、表示部52に検量線の不良情報又は検量線が表示されたとき、システム制御部70が分析制御部26、データ処理部30、管理部40、及び出力部50を停止させることにより、自動分析装置100は動作を終了する(図5のステップS8)。
【0089】
以上述べた本発明の実施例によれば、標準試料の測定により生成された標準データから分析データと同じ単位で表される管理値である分析データ換算値を算出することができる。また、算出した分析データ換算値からこの分析データ換算値に対応する標準試料の予め設定された標準値を差し引いてバイアス値を算出し、更に算出したバイアス値を管理値記憶部43に保存された全てのバイアス値を累積した値に加算した管理値であるバイアス累積値を算出することができる。更に、日常の検査で馴染みのある分析データに許容される誤差範囲を設定することにより、標準データから算出される管理値の良否を判定することができる。これにより、その標準データから作成される検量線の良否を判定するための判定基準となるバイアス値許容範囲を容易に設定することができる。
【0090】
そして、算出した分析データ換算値が換算値許容範囲内である場合、算出した分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定することができる。また、算出した分析データ換算値が換算値許容範囲から外れている場合、算出した分析データ換算値に対応する標準データが不良であることを判断すると共に、その標準データから作成される検量線が不良であると判定することができる。そして、その不良情報を表示部52に表示することができる。
【0091】
また、算出したバイアス累積値がバイアス値許容範囲内である場合、算出したバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定することができる。また、算出したバイアス累積値がバイアス値許容範囲から外れている場合、算出したバイアス累積値に対応する標準データが不良であることを判断すると共に、その標準データから作成される検量線が不良であると判定することができる。そして、その不良情報を表示部52に表示することができる。
【0092】
更に、管理値記憶部43に保存された分析データ換算値及びバイアス累積値の時系列的変化を表すグラフを作成して表示部52に表示することができる。
【0093】
以上により、不良の検量線が得られる前に対処することができる。また、管理試料を測定することなく、検量線の良否を判定することができるため、管理試料に要する浪費を削減することができる。更に、検量線が不良である場合には、その不良原因である標準データを容易に特定することができる。これにより、検量線の管理を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0094】
25 分析部
26 分析制御部
27 機構部
28 機構制御部
30 データ処理部
31 演算部
32 データ記憶部
40 管理部
41 算出部
42 判定部
43 管理値記憶部
44 グラフ作成部
50 出力部
51 印刷部
52 表示部
60 操作部
70 システム制御部
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料及びこの試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、
前記検査項目の標準試料を含む前記混合液を測定して標準データを生成する測定手段と、
前記測定手段により生成された標準データと前記標準試料の予め設定された標準値との関係を表す検量線を作成する演算手段と、
前記演算手段により作成された検量線を保存するデータ記憶手段と、
前記記憶手段に保存された検量線を用いて前記測定手段により生成された標準データから算出される管理値により、その標準データから作成される検量線の管理を行う管理手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記測定手段により生成された標準データから管理値を算出する算出手段及びこの算出手段により算出された管理値を判定する判定手段を有し、
前記算出手段は、前記測定手段により生成された標準データに対応する最新の検量線を前記データ記憶手段から読み出し、読み出した検量線を用いてその標準データから管理値である分析データ換算値を算出し、
前記判定手段は、前記算出手段により算出された分析データ換算値に基づいて、前記測定手段により生成された標準データから作成される検量線の良否を判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記算出手段により算出される管理値の許容範囲を設定する範囲設定手段を有し、
前記判定手段は、前記算出手段により算出された分析データ換算値が前記範囲設定手段により設定された換算値許容範囲内である場合、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定し、前記算出手段により算出された分析データ換算値が前記換算値許容範囲から外れている場合、その分析データ換算値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記管理手段は、前記算出手段により算出された管理値を保存する管理値記憶手段を有し、
前記算出手段は、算出した分析データ換算値から前記標準値を差し引いてバイアス値を算出し、算出したバイアス値を前記管理値記憶手段に保存するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記算出手段は、算出したバイアス値を前記管理値記憶手段に保存された全てのバイアス値を累積した値に加算した管理値であるバイアス累積値を算出し、
前記判定手段は、前記算出部により算出されたバイアス累積値に基づいて、前記測定手段により生成された標準データから作成される検量線の良否を判定するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記算出手段により算出される管理値の許容範囲を設定する範囲設定手段を有し、
前記判定手段は、前記算出部により算出されたバイアス累積値が前記範囲設定手段により設定されたバイアス値許容範囲内である場合、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が良好であると判定し、前記算出部により算出されたバイアス累積値が前記バイアス値許容範囲から外れている場合、そのバイアス累積値に対応する標準データから作成される検量線が不良であると判定するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記測定手段により生成された標準データ又は前記演算手段により作成された検量線を出力する出力手段を有し、
前記判定手段は、判定した検量線の不良情報を前記出力手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記管理値記憶手段に保存された管理値の時系列的変化を表すグラフを作成するグラフ作成手段を有し、
前記グラフ作成手段は、作成したグラフを前記出力手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−2342(P2011−2342A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145845(P2009−145845)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】