説明

自動分析装置

【課題】装置で用いる水を貯水するためのタンクのメンテナンスを費用を抑制しつつ容易に行うことができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】
水を用いる機能を有する自動分析装置100の外部に設けられた外部給水設備1(給水手段)から供給される水を自動分析装置100の内部に貯水するタンク2と、給水手段からタンク2への水の供給状態を制御する給水調整弁4と、タンク2の水を使用する動作を行う1つ以上の水使用箇所5にタンク2の水を供給するポンプ6と、ポンプ6から水使用箇所5への水の供給状態をそれぞれ制御する水使用調整弁8と、給水調整弁4を閉じるとともに、水使用調整弁8のうちの少なくとも1つの開閉動作を制御してタンク2内の水量を減少させる減水処理を行う制御部9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの生体サンプルの定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、検体や試薬などの希釈、検体分注器や試薬分注器などの洗浄、或いは、反応槽の恒温水供給など、水を使用する湿式の自動分析装置においては、水の成分が分析結果に影響を与えることがないよう、脱イオン水などの純水を使用することが多い。このような場合には、装置外部の脱イオン水生成設備(以下、外部給水設備と称する)で生成した脱イオン水を自動分析装置内部に供給し、使用水量の変化による供給圧変化を抑制するバッファ機能のための装置内部のタンクに一時的に貯水され、ポンプ等の給水系によって装置各部に送水される。
【0003】
タンクに貯水されるのは脱イオン水であり、バクテリア残存数の極めて少ない高純度で清潔な水ではあるが、水自体に殺菌作用があるわけではないこと、タンク内は完全密閉ではなくバクテリア等の混入を完全に防ぐことはできないこと、などの理由から、長期間使用しているうちにバクテリアが繁殖し、また、タンク内面に水垢や汚れが生ずる場合がある。従来、そのような問題点の改善について各種の提案がなされており、その例として、特許文献1(特開昭61−25685号公報)、特許文献2(特開2001−38317号公報)に開示されたものがある。
【0004】
<特許文献1(特開昭61−25685号公報)>
特許文献1に記載の装置は、給水タンク内に紫外線殺菌ランプを設け、紫外線の照射により水を殺菌する装置において、給水タンク内への給水及び給水停止によって動作するスイッチと、スイッチと関連して給水停止後一定時間動作するタイマーとを有する制御回路を設け、給水タンク内への給水と同時に殺菌ランプを点灯させ且つ給水停止後一定時間経過後に殺菌ランプを消灯することにより、給水タンク内に殺菌されない水が供給されるのを抑制するものである。
【0005】
<特許文献2(特開2001−38317号公報)>
特許文献2に記載の装置は、貯水タンク内部に配設されモータ等の駆動手段により回転駆動される回転軸と、回転軸に固定された保持体と、保持体に取り付けられた表面清掃具とからなり、回転軸により回転される保持体に伴って表面清掃具が貯水タンクの内壁表面を摺動することにより、上水を大量に貯蔵する貯水タンクの内壁表面を常に清潔に保ち、上水の滞留時間が長くなっても無機物や有機物の不純物の団塊を貯水タンクの内壁表面に形成させず、それを培地として雑菌が貯水タンク内で繁殖することを抑制するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−25685号公報
【特許文献2】特開2001−38317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述のように、タンク内に貯水される水はバクテリア等の不純物が少ないので、タンク内の清掃頻度は少なくてよく、また、清掃の難度は比較的低いので、タンク内の清掃のために上記従来技術のような構成を特別に設けることは、費用対効果が低く現実的ではなかった。
【0008】
また、タンクの容量は、急激な使用水量の変化にも対応できるように比較的大きな容量を持たせてあるので、通常使用時のタンク重量は相当な重さになる。したがって、清掃のためのタンクの持ち運び時には、別途、手動や電動などの排水ポンプを用いてタンク内の水を汲み出すなどの事前準備が必要であり、手作業でタンク清掃を行うことは容易ではなかった。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、装置で用いる水を貯水するためのタンクのメンテナンスを費用を抑制しつつ容易に行うことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、水を用いる機能を有する自動分析装置であって、該自動分析装置の外部に設けられた給水手段から供給される水を前記自動分析装置の内部に貯水するタンクと、前記給水手段から前記タンクへの水の供給状態を制御する給水調整弁と、前記タンクの水を使用する動作を行う1つ以上の水使用箇所に前記タンクの水を供給するポンプと、前記ポンプから前記水使用箇所への水の供給状態をそれぞれ制御する水使用調整弁と、前記給水調整弁を閉じるとともに、前記水使用調整弁のうちの少なくとも1つの開閉動作を制御して前記タンク内の水量を減少させる処理を行う制御部とを備えたものとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置で用いる水を貯水するためのタンクのメンテナンスを費用を抑制しつつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るタンクの構成を概略的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る減水処理の処理フローを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る減水処理の処理フローを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るメンテナンス処理を設定する設定画面を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るタンクの構成を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る減水処理の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図であり、図2はタンクの詳細をその周辺構成とともに示す図である。
【0015】
図1において、自動分析装置100は、その外部に設けられた外部給水設備1(給水手段)から供給される水を自動分析装置100の内部に貯水するタンク2と、タンク2内に貯水された水の水位を検出する水位センサ3と、外部給水設備1からタンク2への水の供給状態を制御する給水調整弁4と、タンク2の水を使用して分析処理に関する各種動作を行う1つ以上の水使用箇所5と、水使用箇所5のそれぞれにタンク2に貯水された水を供給するポンプ6と、ポンプ6から各水使用箇所5への水の供給状態をそれぞれ制御する水使用調整弁8と、自動分析装置100全体の動作を制御する制御装置9と、制御装置9からの各種情報を表示する表示手段でありオペレータに報知する報知手段である表示装置10と、ブザー音や音声などを出力してオペレータに報知するための報知手段であるスピーカ95とを概略備えている。
【0016】
外部給水設備1(給水手段)は、自動分析装置100における検体や試薬などの希釈、検体分注器や試薬分注器などの洗浄、或いは、反応槽の恒温水供給などに用いる水を供給するものであり、水の成分が分析結果に影響を与えることがないように純水を生成し供給する。外部給水設備1(給水手段)としては、例えば、純水として脱イオン水を生成する脱イオン水生成設備などがある。
【0017】
水位センサ3は、タンク2の水位を検出するためのものであり、検出結果を制御装置9に送る。本実施の形態の水位センサ3は、その設置位置における水圧を検出し、その水圧情報を制御装置9に送る。水位センサ3の高さ方向(水深方向)の設置位置は、タンク2からのポンプ6への送出口位置2aよりも下側になるよう配置されている。本実施の形態の自動分析装置におけるタンク2の水位としては、使用水量の変化による供給圧変化を抑制するのに十分な水位とする位置A(最高水位)と、タンク2の取り外しが容易にできる十分な軽さとなる水位である位置B(最低水位)とが設定されている(図2参照)。通常時にタンク2内の水位を位置B以上に保つことにより、ポンプ6に水が供給されない空運転を防止することができ、通常より付加がかからない状態で回転する異常回転を防止することができる。
【0018】
水使用箇所5は、ポンプ6を介して供給されるタンク2の水を用いて種々の機能を実現するものであり、例えば、検体や試薬などの希釈を行う機構、検体分注器や試薬分注器などの洗浄を行う機構、或いは、反応槽の恒温水を供給する機構などである。
【0019】
制御装置9は、水位センサ3からの水圧情報を基にタンク2の水位を演算する水位演算部93と、給水調整弁4や水使用調整弁8などの調整弁を制御する調整弁制御部94と、各種情報や演算式、プログラム、減水処理履歴などを記憶する記憶部92と、制御装置9の各種機能を制御する制御部91とを備えている。制御装置9は、入力装置(図示せず)により入力される情報や指令に基づき、制御制御シーケンス(自動制御における予め定められた動作の順序)に従って、各種駆動手段や、各調整弁4,8など、自動分析装置100の各部の動作を制御することにより、検体の分析処理、装置のメンテナンス処理、タンク2の洗浄のためにタンク2内の水量を減少させる減水処理などを行う。メンテナンス処理としては、例えば、検体分注器や試薬分注器等のより高度な洗浄(メンテナンス処理仕様の洗浄)を行う洗浄処理、反応槽などの恒温水の交換や気泡除去を行う処理などがある。
【0020】
図4は、減水処理の処理フローを示す図である。
【0021】
減水処理は、タンク2の洗浄のためにタンク2内の水量を減少させるタンク洗浄準備処理であり、水使用箇所5により水を使用することによりタンク内の水位を減少させるものである。制御装置9は、減水処理が指示されると、まず、給水調整弁4を閉じ(ステップS10)、ポンプ6の運転を開始して(ステップS20)、水使用箇所5の水使用調整弁8開く(ステップS30)。そして、水位センサ3からの検出信号が示す水位(水面位置)が予め定めた位置(位置B)よりも高いかどうかを判定し(ステップS40)、判定結果がYESの場合は引き続きステップS40の判定を行い、判定結果がNOの場合は、ポンプ6の運転を停止して(ステップS50)、水使用箇所5の使用制御弁8を閉じ(ステップS60)、処理を終了する。
【0022】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
【0023】
通常時、制御装置9は、図示しない入力装置により入力される情報や指令に基づき、制御シーケンスに従って自動分析装置100の各部の動作を制御することにより、検体の分析処理を行う。
【0024】
ここで、制御装置9は、減水処理が指示されると、まず、給水調整弁4を閉じ、ポンプ6の運転を開始して、水使用箇所5の水使用調整弁8開く(図4のステップS10〜30)。そして、水位センサ3からの検出信号が示す水位(水面位置)が予め定めた位置(位置B)よりも高いかどうかを判定し、判定結果がYESの場合は引き続き判定を行い、判定結果がNOの場合は、ポンプ6の運転を停止して、水使用箇所5の水使用調整弁8を閉じ(図4のステップS40〜60)、減水処理を終了する。この状態で、オペレータは、タンク2を自動分析装置100から取り外し、タンク2内部の清掃を行い、その後、清掃済みのタンク2を自動分析装置100の元の位置に装着し、図示しない入力装置により、タンク2の清掃が終了したことを入力すると、タンク2内が空であることが確認され、供給調整弁4が制御されて、タンク2に外部供給設備1からの水が最高水位(位置A)になるまで給水される。タンク2内の最高水位まで水が供給されると、検体の分析処理など通常時の動作が可能となる。また、清掃の終了を入力すると、清掃履歴が記憶部92に記憶される。
【0025】
以上のように構成した本実施の形態における効果を説明する。
【0026】
水を使用する湿式の自動分析装置においては、タンクに貯水されるのは脱イオン水であり、バクテリア残存数の極めて少ない高純度で清潔な水ではあるが、水自体に殺菌作用があるわけではないこと、タンク内は完全密閉ではなくバクテリア等の混入を完全に防ぐことはできないこと、などの理由から、長期間使用しているうちにバクテリアが繁殖し、また、タンク内面に水垢や汚れが生ずる場合があり、定期的な清掃は必要である。その一方で、タンク内に貯水される水はバクテリア等の不純物が少ないので、タンク内の清掃の頻度は少なく、また、清掃の難度は比較的低いので、従来技術のように、給水タンク内に紫外線殺菌ランプを設けたり、貯水タンクの内壁表面を摺動する表面清掃具を設けたりすることは、費用対効果が低く現実的ではなかった。また、タンクの容量は、急激な使用水量の変化にも対応できるように比較的大きな容量を持たせてあるので、通常使用時のタンク重量は相当な重さになり清掃のためのタンクの持ち運び時には、別途、手動や電動などの排水ポンプを用いてタンク内の水を汲み出すなどの事前準備が必要であった。
【0027】
これに対し、本実施の形態においては、水を用いる機能を有する動分析装置の外部に設けられた給水手段から供給される水を自動分析装置の内部に貯水するタンクと、給水手段からタンクへの水の供給状態を制御する給水調整弁と、タンクの水を使用する動作を行う1つ以上の水使用箇所にタンクの水を供給するポンプと、ポンプから水使用箇所への水の供給状態をそれぞれ制御する水使用調整弁と、給水調整弁を閉じるとともに、水使用調整弁のうちの少なくとも1つの開閉動作を制御して前記タンク内の水量を減少させる処理を行う制御装置とを備えたので、装置で用いる水を貯水するためのタンクのメンテナンスを費用を抑制しつつ容易に行うことができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、減水処理終了後に自動分析装置の電源を落とさないように構成したが、減水処理終了後に自動分析装置の電源を落とす(遮断する)構成としても良い。これにより、タンク2の取り外し中に自動分析装置が異常終了してしまってスタンバイ状態となり、水位センサ3の水不足検出によりタンク2の無い状態で給水されてしまうことを防止することができる。また、減水処理終了後に自動分析装置の電源を落とす(遮断する)かどうかを選択できるように構成してもよい。
【0029】
<第1の実施の形態の変形例>
本発明の第1の実施の形態の変形例を図4及び図5を参照しつつ説明する。本変形例は、第1の実施の形態における減水処理の工程にメンテナンス処理を行う工程を加えたものである。
【0030】
図4は、本変形例に係る減水処理の詳細を示すフローチャートであり、図5はる行うメンテナンス処理を設定する設定画面を示す図である。図中、第1の実施の形態で説明したものと同一の部材・工程には同じ符号を付し説明を省略する。
【0031】
通常時、制御装置9は、図示しない入力装置により入力される情報や指令に基づき、制御シーケンスに従って自動分析装置100の各部の動作を制御することにより、検体の分析処理を行う。
【0032】
ここで、本変形例における減水処理では、制御装置9は、減水処理が指示されると、まず、給水調整弁4を閉じ(ステップS10)、メンテナンス処理の設定画面(後述の図5参照)で設定された項目に基づくメンテナンス処理が行う(ステップS15)。その後、ポンプ6の運転を開始して(ステップS20)、水使用箇所5の水使用調整弁8開く(ステップS30)。そして、水位センサ3からの検出信号が示す水位(水面位置)が予め定めた位置(位置B)よりも高いかどうかを判定し(ステップS40)、判定結果がYESの場合は引き続きステップS40の判定を行い、判定結果がNOの場合は、ポンプ6の運転を停止して(ステップS50)、水使用箇所5の使用制御弁8を閉じ(ステップS60)、処理を終了する。
【0033】
図5において、設定画面10aには、水を使用するメンテナンス処理のうち実行可能なメンテナンス処理の項目が表示されている。本実施の形態では、メンテナンスA〜Cの3つのメンテナンス処理項目10b〜10dからメンテナンスA10bおよびメンテナンスB10cを選択する場合を例にとり説明する。
【0034】
メンテナンス処理項目10b〜10dには、各メンテナンスのメンテナンス名(メンテナンスA,B,C)と、各メンテナンス処理項目の実行で使用される水量(XA,XB,XC[L])と、選択したメンテナンス処理での使用水量の合計水量(XAll[L])と、タンク2内の水位を位置B(最低水位)にするのに必要な使用水量(ターゲット量:X[L])と、選択したメンテナンス処理項目を確定する実行ボタン10gと、メンテナンス処理項目の設定を取りやめて設定画面10aを閉じるキャンセルボタン10hとを備えている。
【0035】
オペレータは、図示しない入力装置により、メンテナンス処理項目10b〜10dの所望のチェックボックスにチェックを入れることにより、実行するメンテナンス処理項目を選択する。メンテナンス処理項目10b〜10dが選択される毎に、それぞれの処理で使用される水量が合計されて合計水量(XAll[L])として表示される。合計水量がターゲット水量よりも多くなった場合には、聴覚(スピーカ95によるブザー音や音声)又は視覚(表示装置10への警告メッセージの表示)に訴えてオペレータに報知する。
【0036】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0037】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、減水処理時にメンテナンス処理を行うことができるので、タンク2内の水を有効に用いることができる。
【0038】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6及び図7を参照しつつ説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における水位センサ3に替えて水位センサ3Aを備え、減水処理の工程にタイマー処理工程を加えたものである。
【0039】
図6は、本実施の形態におけるタンク2をその周辺構成とともに抜き出して示す図であり、図7は減水処理の詳細を示すフローチャートである。図中、第1の実施の形態で説明したものと同一の部材には同じ符号を付し説明を省略する。
【0040】
図6において、水位センサ3Aは、タンク2の水位を検出するためのものであり、検出結果を制御装置9に送る。本実施の形態の水位センサ3Aは、使用水量の変化による供給圧変化を抑制するのに十分な水位とする位置A(最高水位)に設置されたリミットスイッチ30と、供給圧変化を抑制する効果が得られる限界の水位とする位置C(限界水位)に設置されたリミットスイッチ31と、リミットスイッチ30,31のそれぞれを開閉するフロート30a,31aとを備えている。リミットスイッチ30,31は、フロート30a,31が上側にあるときには、各リミットスイッチ30,31よりも上側に水面があることを検出し、逆の場合には、各リミットスイッチ30,31よりも下側に水面があることを検出して、検出信号を制御装置9に送る。
【0041】
図7に示すように、制御装置9は、減水処理が指示されると、まず、給水調整弁4を閉じ(ステップS10)、ポンプ6の運転を開始して(ステップS20)、水使用箇所5の水使用調整弁8開く(ステップS30)。そして、水位センサ3Aからの検出信号が示す水位(水面位置)が位置Aから位置Cに変わるまでの時間から水面の下がる速さを算出して、水面が位置Bになる時間まで待つタイマー処理を行い(ステップS400)、その後、ポンプ6の運転を停止して(ステップS50)、水使用箇所5の使用制御弁8を閉じ(ステップS60)、処理を終了する。
【0042】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0043】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、リミットスイッチを用いた構成としたので、より安価で、より信頼性の高い減水処理を行うことができる。
【0044】
なお、第2の実施の形態では、タンク2内の水面が位置Aから位置Cに変わるまでの時間から水面の下がる速さを算出して、水面が位置Bになる時間まで待つタイマー処理を行うように構成したが、これに限られず、例えば、水使用調整弁5を開状態とした場合の水面位置の時間変化量を予め計測して記憶部92に記憶しておき、水位が位置Aから位置Bになる時間まで待つようにタイマー処理を行うよう構成しても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 外部給水設備
2 タンク
3,3A 水位センサ
4 給水調整弁
5 水使用箇所
6 ポンプ
8 水使用調整弁
9 制御装置
10 表示装置
91 制御部
92 記憶部
93 水位演算部
94 調整弁制御部
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を用いる機能を有する自動分析装置であって、
該自動分析装置の外部に設けられた給水手段から供給される水を前記自動分析装置の内部に貯水するタンクと、
前記給水手段から前記タンクへの水の供給状態を制御する給水調整弁と、
前記タンクの水を使用する動作を行う1つ以上の水使用箇所に前記タンクの水を供給するポンプと、
前記ポンプから前記水使用箇所への水の供給状態をそれぞれ制御する水使用調整弁と、
前記給水調整弁を閉じるとともに、前記水使用調整弁のうちの少なくとも1つの開閉動作を制御して前記タンク内の水量を減少させる減水処理を行う制御部と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記タンク内の水位を検出する水位センサを備え、
前記制御部は、前記水位センサからの検出信号に基づいて前記減水処理を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御部が前記タンク内の水位が所定の水位になったと判定した場合にオペレータに報知する報知手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記タンク内の水位が所定の水位になったと判定した場合に、電源を遮断することを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御部は、前記タンク内の水位が所定の水位になったと判定した場合に、電源を遮断するかどうかを予め設定できることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記減水処理の実施情報を記憶する記憶手段を備え、予め定めた期間内に再度減水処理を実施しない場合は、オペレータに報知することを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記減水処理を行う前工程として、自動分析装置のメンテナンスのために用意された制御シーケンスをもつメンテナンス処理を行うことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項7記載の自動分析装置において、
前記メンテナンス処理として行う制御シーケンスを設定する設定手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−2589(P2012−2589A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136266(P2010−136266)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】