説明

自動分析装置

【課題】容器内に収容した液体を光学的手法で測定する検出手段を備えた分析装置において、測定誤差の原因となる漏れ光や侵入光を遮断する機能を有した分析装置を提供する。
【解決手段】開口部を有した容器20と、前記容器開口部と嵌合可能な遮光性を有する蓋体10と、前記容器を載置し保持可能な容器保持部31と、前記容器に収容した液体を測定可能な検出器32と、を備え、かつ前記蓋体の周縁部から垂下した位置に、遮光性を有する円筒状のスカート壁13をさらに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置には、装置自体の小型化や軽量化、操作の簡便性や安全性、結果出力の迅速性、ならびに得られた結果の信頼性が求められている。このような分析装置は一般に、試料や試薬を供給する手段、容器を供給する手段、試料や試薬を分注する手段、容器を搬送する手段、反応手段、ならびに検出手段を備えており、試料中の特定成分を自動的に多数分析することができる。なお、異なる色素や酵素を標識した物質を試薬に含有させ、かつ複数の波長をモニター可能な検出装置を備えることで、自動的に試料中の複数の特定成分を同時に分析することができる。
【0003】
前述した分析装置に備える検出手段には、試料中の特定成分を短時間で多数処理するため、複数の容器をそれぞれ載置保持可能な保持穴(ホルダ)を有したブロックを設けており、前記ホルダに載置した容器に収容した反応液を、共通の、または各ホルダに対応した検出器を用いて測定する。検出器が光学検出器の場合、検出手段に設けたブロックは外部からの妨害光を排除するため、光源や受光部と前記ホルダとを光学的に連通する箇所を除き、遮光性を有する必要がある。また、前記ホルダへの容器の載置、および前記ホルダに載置した容器の搬出の際、外部から検出器への光の侵入を防止するために、前記載置または前記搬出時に、遮光性を有したシャッターをさらに設けることもある。
【0004】
また前述した分析装置では、分析操作の簡便性と安全性のため、試料を前処理するための試薬、反応試薬、検出試薬等を封入したカートリッジ型容器が広く採用されている。しかしながら、カートリッジ型容器を採用した場合、前記容器開口部を密閉するシールを破開する手段等をさらに分析装置に備える必要があるため、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【0005】
さらに前述した分析装置のうち、遺伝子分析を行なう分析装置では、通常、核酸を増幅する反応を行なうため、増幅反応物による試料や試薬への汚染(コンタミネーション)に特に注意を払う必要があり、ディスポーザブル容器を用いる、前記容器に蓋体を設ける、試料や試薬を分注する手段としてディスポーザブルチップを用いる、等の汚染防止策を施す必要がある(特許文献1)。そのため、容器と蓋体とを嵌合させる手段等をさらに分析装置に備える必要があり、結果として、構成部品が増大し、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−077639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、光学的手法を用いて試料中の特定成分を分析する場合、検出手段に設けるブロックやシャッターによる遮光処理を行なう。容器を前記ブロックのホルダに載置する際、ホルダからの容器の搬出を容易にするため、容器開口部周辺がブロック上に突き出るよう載置する構成がある。この場合、前記開口部周辺から漏れ出た光が、隣接した容器の開口部周辺より侵入する恐れがあった。具体的には、二つの容器を、検出手段に設けたブロックが有するホルダへ、互いに隣接するよう載置し、かつ、一方の容器に照射する励起光の波長が他方の容器に収容した反応液の蛍光を測定する波長と重なる場合、一方の容器に収容した反応液を測定するために照射した励起光が前記容器の開口部周辺より漏れ出て、漏れ出た光が他方の容器の開口部周辺より侵入することで他方の容器による蛍光測定に誤差を与えるおそれがあった。
【0008】
本発明は前記課題を解決することを目的とする。すなわち、容器内に収容した液体を光学的手法で測定する検出手段を備えた分析装置において、測定誤差の原因となる漏れ光や侵入光を遮断する機能を有した分析装置を提供することを目的とする。また本発明は、構成部品点数の削減に寄与する機能部品を用いて、製造コスト、装置重量および装置体積を抑えた分析装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の第一の態様は、
開口部を有した容器と、
前記容器開口部と嵌合可能な、遮光性を有する蓋体と、
前記容器を載置し保持可能な、遮光性を有する容器保持部と、
前記容器に収容した液体を測定可能な検出器と、
を備えた分析装置であって、
前記蓋体の周縁部から垂下した位置に、遮光性を有する円筒状のスカート壁をさらに設けた、前記分析装置である。
【0011】
また本発明の第二の態様は、棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段をさらに備え、かつ前記蓋体の上面に前記棒状または管状部材先端部と嵌合可能な嵌合部をさらに設けた、前記第一の態様に記載の分析装置である。
【0012】
また本発明の第三の態様は、棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段が、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段である、前記第二の態様に記載の分析装置である。
【0013】
また本発明の第四の態様は、前記蓋体の底面に、容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、前記第二または第三の態様に記載の分析装置である。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明において開口部を有した容器には、試薬を収容してもよいし、試薬および試料の混合物を収容してもよい。また収容する試薬は、液状試薬であってもよく、凍結乾燥試薬であってもよい。なお、凍結乾燥試薬を収容する場合は、水分の入り込みを防ぐため、開口部を不透水性材料からなるシールで覆い、開口部を密閉すると好ましい。
【0016】
本発明の分析装置で用いる容器開口部と嵌合可能な蓋体は、遮光性を有しており、かつ、その周縁部から垂下した位置(すなわち底部外周)にスカート壁を設けていることを特徴としている。前記蓋体の材質として、適度な弾性を有するゴムまたはプラスチックが利用できる。具体的には、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱硬化性樹脂等の中から、嵌合させる容器の材質および形状に応じて適宜選択すればよい。スカート壁を設けた蓋体を製造するには、機械強度上一体成形で製造するのが好ましいが、蓋体とスカート壁を別体成型後嵌合させることで製造してもよい。
【0017】
本発明の分析装置が、棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段をさらに備えており、かつ本発明の分析装置で使用する蓋体上面に前記棒状または管状部材先端部と嵌合可能な嵌合部をさらに設けていると、前記先端部と前記嵌合部との嵌合による蓋体の保持および搬送、前記保持した蓋体による容器開口部の密閉、および蓋体により開口部が密閉された容器の搬送および載置を、棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段が受け持つことができるため、構成部品点数の削減に寄与できる点で好ましい。棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段は、少なくとも前述した操作を行なえる手段であればよい。具体的には、上下軌道上を移動自在であり、かつ左右前後軌道上または円軌道上を移動自在となるよう、ステッピングモータ等で制御可能な手段であればよい。なお前記手段に、装着(嵌合)した蓋体を取り外すリムーバをさらに設けると好ましい。嵌合部の形状は、前記先端部と嵌合可能であり、かつ前記先端部の移動により前記嵌合状態を維持したまま蓋体を搬送可能な形状であれば特に制限はなく、一例として、円筒状凹部、多角柱状凹部、すり鉢状凹部および円錐状凹部があげられる。なお、蓋体の材質が弾力性を有している場合は、前記先端部と嵌合可能なスリットを放射状に設けた態様としてもよい。さらに、蓋体により開口部が密閉された容器の、容器保持部への搬送を行なうために、前記密閉状態を維持するための係止手段を、本発明の分析装置で使用する蓋体にさらに設けてもよい。
【0018】
棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段の好ましい例として、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段があげられる。その理由として、前記分注手段が制御量の試料や試薬を所定位置で分注する機能を有しており構成部品点数のさらなる削減に寄与できること、および、前記分注の際ディスポーザブルタイプの分注チップを用いることができるためコンタミネーションリスクを低減できること、があげられる。なお本発明の分析装置に備える分注手段に、分注量を精密に制御可能なピストンや、ノズルを移動自在かつ正確に位置決めする制御手段を、さらに設けると好ましい。また、分注チップまたは本発明の分析装置で使用する蓋体をノズル先端部に装着(嵌合)させる押圧手段や、装着(嵌合)した分注チップまたは蓋体を外すリムーバを備えると好ましい。さらに、分注手段に設けるノズルの基端部に、真空ポンプなどの真空手段を接続することにより、本発明の分析装置で使用する蓋体上面に設けた嵌合部との嵌合による保持搬送を真空吸着によって補助することもできる。なお本発明の分析装置で使用する蓋体に設ける、前記ノズル先端部を嵌合可能な嵌合部の内壁形状を、分注チップの内壁形状を模した形状とすると、分注チップと同様な着脱が可能となるため好ましい。
【0019】
本発明の分析装置で使用する蓋体の底面に、穿孔用突起等の破開手段をさらに設けると、シールにより開口部が密閉された容器に前記蓋体を挿入することで、破開手段によるシールの破開が行なえる。すなわち、分注手段といった、棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段が有する位置決め制御手段を利用することで、試薬を封入した容器開口部を密閉するシール(例えばカートリッジ封止部)を破開するシールブレーカの機能を、前記蓋体が兼ねることができる。破開手段は、容器開口部を密閉するシールにその先端部を押圧することで破開できる手段であればよく、特定の形状に限定するものではない。一例として、シール破開により、分注手段のノズル先端部に装着した分注チップを挿入し試料を吸引できる程度の大きさの穴を開けることが可能な、三角錐、四角錘等の角錐状をなした破開手段があげられる。本発明の分析装置で使用する蓋体のうち、穿孔用突起等の破開手段をさらに設けた蓋体を製造する場合、嵌合部を設けた蓋体と破開手段とを一体成形する製造方法が、経済上、また取り扱い上好ましいが、前記蓋体の弾力性や破開手段の尖鋭性を生かすために、破開手段を前記蓋体とは異なる材質の部材で製造し、その前記蓋体と嵌合させることで製造する方法も有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の分析装置は、開口部を有した容器と、前記容器開口部と嵌合可能な遮光性を有する蓋体と、前記容器を載置し保持可能な遮光性を有する容器保持部と、前記容器に収容した液体を測定可能な検出器と、を備えており、かつ前記蓋体の周縁部から垂下した位置に遮光性を有する円筒状のスカート壁をさらに設けていることを特徴としている。前記スカート壁を設けることにより、遮光性を有した容器保持部と相まって、容器開口部周辺からの漏れ光および侵入光を遮断することができる。すなわち、容器保持部に載置した容器のうち、前記保持部から突き出た部分(容器開口部周辺)から漏れ出た光が、隣接した容器に侵入する現象を防止することができる。
【0021】
なお、分析装置が棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段をさらに備えており、かつ本発明の分析装置で使用する蓋体に前記棒状または管状部材先端部と嵌合可能な嵌合部をさらに設けると、前記手段を、蓋体の搬送、前記蓋体の容器への装着、前記容器の搬送にも利用することができる。また、前記蓋体の底部に穿孔用突起をさらに設けることにより、前記手段が有する位置決め制御手段を利用して、試薬を封入した容器シール(例えばカートリッジ封止部)を破開するシールブレーカの機能も兼ねることができる。
【0022】
特に遺伝子分析においては、通常核酸試料を準備する前に生体試料からの抽出工程が必要であり、また核酸増幅のためのプライマー試薬や酵素試薬を温調する工程を別途追加する場合もある。そのため、試薬の分注工程や容器の搬送工程がさらに複雑化するのであるが、本発明の分析装置により、製造コスト、装置重量等の抑制に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の分析装置の一例を示した図。
【図2】本発明の分析装置で用いる蓋体の一例を示した図。
【図3】本発明の分析装置で用いる蓋体の別の例を示した図。
【図4】本発明の分析装置の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
従来の分析装置の一例を図1に示す。図1の分析装置は、
開口部を有した容器20と、
容器20の開口部と嵌合可能な嵌合部11を設けた蓋体10と、
容器20を載置し保持可能な容器ホルダ31aを設けた温調ブロック31と、励起光源32aと受光センサ32bを設けた検出器32と、検出器を搬送可能にする検出器搬送レール33と、を有した反応・検出装置30と、
を備えている。開口部を有した容器20には、試薬と試料の混合物を収容しており、反応・検出装置30により、前記混合物の反応(例えば、図1の分析装置が遺伝子分析装置の場合は核酸の増幅反応)および蛍光を利用した反応液の測定を行なう。蓋体10は、嵌合部11が容器20の開口部と嵌合することで容器20の開口部を密閉し、容器20に収容した反応液の外部への飛散(コンタミネーション)を防止している。反応・検出手段30のうち、温調ブロック31には8つの容器ホルダ31aを設けており、容器20に収容した試薬と試料の混合物を最大8つまで同時に反応させることができる。また温調ブロック31は、各容器ホルダ31a底部に設けた測光位置(励起光源32aおよび受光センサ32bと光学的に連通する位置)を除き遮光されており、外部からの光を遮断している。検出器33は、一つの励起光源32aと検出波長の異なる二つの受光センサ32bからなる蛍光検出系を4組有しており、前記蛍光検出系の配置間隔は容器ホルダ31aの配置間隔と等間隔である。また検出器32は検出器搬送レール33経路上を自在に移動可能である。容器20に収容した反応液を測光する際、前記蛍光検出系は、前記測光位置で所定時間(たとえば数秒)停止する。励起光源32aで前記測光位置に載置した容器20に対し励起光を照射し、反応液から発せられた蛍光を、検出波長の異なる二つの受光センサ32bを用いて二波長の蛍光測定を同時に行なうことができる。引き続き、隣接する容器ホルダ31aに載置した容器20の測光位置に移動して励起光照射および蛍光測定するというサイクルを繰り返すことで、反応液の二波長蛍光測定を前記混合物の反応と同時に最大8つまで行なうことができる。
【0026】
図1の分析装置では、容器ホルダ31aからの容器20の搬出を容易にするため、容器20開口部周辺が容器ホルダ31aから突き出るよう載置する。そのため、たとえ蓋体10に遮光性を持たせたり、反応・検出装置30全体を遮光性を有したハウジング(不図示)で覆い暗室状態とすることで外部からの光の影響を遮断したとしても、前記開口部周辺の光の漏れおよび流入の影響が無視できない。具体的には、二つの容器が互いに隣接した容器ホルダ31aに載置されており、かつ各容器に収容した反応液の検出に用いる励起光の波長と測定波長(蛍光波長)とが重なる場合、励起光源32aにより一方の容器に照射した励起光が前記容器の開口部周辺から漏れ出し、漏れ出した励起光が他方の容器の開口部周辺から侵入することで、他方の容器に収容した反応液の受光センサ32bによる蛍光測定に誤差を与える。図1では、容器20開口部周辺の光の漏れおよび侵入を矢印50で示している。
【0027】
本発明の分析装置で使用する蓋体の一例を図2に示す。図2の蓋体10は、底面に嵌合部11を設けており、開口部を有した容器20と嵌合部11とが嵌合することで前記開口部を密閉可能にしている。また蓋体周縁部から垂下した位置(蓋体底部外周)には、遮光性を有した円筒状のスカート壁13を設けている。前記スカート壁13により、容器ホルダ32から突き出た部分(容器20開口部周辺)を遮光することができる。よって、隣接した容器間の光の漏れおよび侵入を遮断することができ、図1の分析装置における懸念事項を解消することができる。さらに図2の蓋体10は、上面に凹部(嵌合部12)を設けている。分析装置が、嵌合部12と嵌合可能な棒状または管状部材を有した搬送手段をさらに備えている場合、前記棒状または管状部材の先端部と嵌合部12とを嵌合させることで蓋体10を保持し、容器20開口部を密閉することができる。なお、図2では、嵌合部12と嵌合可能な棒状または管状部材として、試料や試薬を分注するための分注手段に設けた、分注チップを着脱可能なノズル41を用いている。
【0028】
本発明の分析装置で使用する蓋体の別の例を図3に示す。図3の蓋体10と図2の蓋体との違いは、嵌合部12の対向端(蓋体10の底面)に、容器20の開口部を密閉するシール21を破開するための突起部14をさらに設けていることである。あらかじめ嵌合部12を利用して蓋体10とノズル41先端部とを嵌合させておき、ノズル41先端部と嵌合した状態で突起部14をシール21に刺す(押圧する)ことでシール21を破開し、容器20開口部を開いた状態にすることができる。すなわち図3の蓋体は、反応および測定を行なう容器20開口部を密閉する役割の他に、シールにより試薬が封入された容器のシールブレークの役割も有している。
【0029】
本発明の分析装置の一例を図4に示す。図4の分析装置と図1の分析装置との違いは、(1)分注チップを着脱可能なノズル41を設けた分注装置40をさらに備えていること、および、
(2)蓋体10の上面にノズル41先端部と嵌合可能な嵌合部12を、蓋体10周縁部から底部外周に遮光性を有した円筒状のスカート壁13を、底面に容器開口部を密閉するシールを破開するための突起部14を、さらに設けていること(すなわち図3の蓋体を使用していること)、
である。図4の分析装置では、蓋体10に設けた遮光性のスカート壁13と、温調ブロック31に設けた遮光性の容器ホルダ31aとが相まって、容器20開口部周辺からの漏れ光および侵入光を遮断することができる。すなわち、隣接した容器20間において、容器ホルダ31aから突き出た、容器20開口部周辺から漏れ出た光が、隣接した容器20内に侵入する現象を防止することができる。また、嵌合部11による蓋体10と容器20開口部との嵌合(容器20開口部の密閉)、および嵌合部11と容器20開口部とが嵌合した状態での容器ホルダ31aへの容器20載置を、通常は試薬や試料を分注するのに用いる分注装置40が受け持つことができる。よって、装置の構成部品点数が削減され、製造コスト、装置重量等を抑制することができる。
【符号の説明】
【0030】
10:蓋体
11・12:嵌合部
13:スカート壁
14:突起部
20:(開口部を有した)容器
21:シール
30:反応・検出装置
31:温調ブロック
31a:容器ホルダ
32:検出器
32a:励起光源
32b:受光センサ
33:検出器搬送手段
40:分注装置
41:ノズル
50:励起光の漏れおよび侵入

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有した容器と、
前記容器開口部と嵌合可能な、遮光性を有する蓋体と、
前記容器を載置し保持可能な、遮光性を有する容器保持部と、
前記容器に収容した液体を測定可能な検出器と、
を備えた分析装置であって、
前記蓋体の周縁部から垂下した位置に、遮光性を有する円筒状のスカート壁をさらに設けた、前記分析装置。
【請求項2】
棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段をさらに備え、かつ前記蓋体の上面に前記棒状または管状部材先端部と嵌合可能な嵌合部をさらに設けた、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
棒状または管状部材を移動自在に垂下保持する手段が、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段である、請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記蓋体の底面に、容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、請求項2または3に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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