説明

自動分析装置

【課題】 分析ユニットを介して以前の測定試料が次の測定に持ち込まれるのを未然に防
ぎ、精度よく測定することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】 サンプルを分注するサンプル分注プローブ16、第1及び第2の試薬を分
注する第1及び第2試薬分注プローブ14,15、及び第1及び第2の混合液を撹拌する
第1及び第2撹拌子11a1,11b1を洗浄する各洗浄部(80,90,100,11
0,120)と、各洗浄部を制御する洗浄ユニット制御部32bとを備え、洗浄ユニット
制御部32bは、各洗浄部に設けた各計測部(81d,82c,91d,92c,101
d,102c,111d,121d)からの計測データに基づいて、各分析ユニット(1
6,14,15,11a1,11b1)の動作を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトの血清
や尿などの体液に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置としては、被検試料と試薬とを反応容器に分注して混合した混合液の反応
によって生ずる色調の変化を、光の透過量を測定する吸光度法により、被検試料中の蛋白
・窒素成分、酵素、脂質など生化学的検査項目成分の濃度や活性などを測定する装置が知
られている。
【0003】
また、被検試料と例えば化学発光物質を標識した試薬との反応によって発する光の強度
を測定する化学発光法により、腫瘍マーカ、ウイルスマーカなど免疫学的検査項目の濃度
などを測定する装置が知られている。更に、最近では吸光度法で生化学的検査項目などを
測定する第1の分析部、及び免疫学検査項目などを測定する第2の分析部を組み合わせて
多数の項目の測定を行う複合型の装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
これらの自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数
の項目の中から、検査に応じて選択された項目(測定項目)の測定が行われる。そして、
サンプル分注プローブを用いて被検試料が試料容器から反応容器に分注され、試薬分注プ
ローブを用いて測定項目に該当する試薬が試薬ボトルから反応容器に分注される。次いで
、撹拌子を用いて反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液が撹拌された後、その
混合液が測光部で測定されて分析データが生成される。
【0005】
そして、複合型装置の第1及び第2の分析部で被検試料が測定される場合、被検試料を
収容した試料容器が一方の分析部に搬送され、試料容器から一方の分析部内に被検試料が
分注される。分注の後、その試料容器は他方の分析部に搬送され、試料容器から他方の分
析部内に被検試料が分注される。測定終了後、サンプル分注プローブ、試薬分注プローブ
、撹拌子などの各分析ユニットに付着した以前の被検試料、試薬、混合液などの測定試料
が次の測定試料に持ち込まれて、次の測定試料の分析データが悪化するのを防ぐために、
各洗浄槽で各分析ユニットの洗浄が行われる。
【0006】
サンプル分注プローブは、次に分注する被検試料を収容した試料容器内に以前に分注し
た被検試料を持ち込むのを防ぐために、同一被検試料の分注終了後毎に洗浄される。また
、試薬分注プローブは、次に分注する試薬を収容した試薬ボトル内や反応容器内に以前に
分注した試薬を持ち込むのを防ぐために、試薬分注終了後毎に洗浄される。更に、撹拌子
は、次に撹拌する混合液を収容した反応容器内に以前に撹拌した混合液を持ち込むのを防
ぐために、撹拌終了後毎に洗浄される。
【0007】
ところで、被検試料や試薬の分注では、吸引及び吐出動作を行う分注ポンプと分注プロ
ーブの間がチューブで接続され、このチューブ内に封入された水などを介して、分注プロ
ーブから被検試料や試薬の吸引及び吐出が行われる。
【0008】
また、各分析ユニットの洗浄では、サンプル分注プローブ及び試薬分注プローブ内から
その水を吐出させて各分注プローブ内面を洗浄する。また、各分析ユニットの洗浄槽に供
給される水を用いて、サンプル分注プローブ、試薬分注プローブ、及び撹拌子の外面を洗
浄する。そして、短時間で強力に洗浄できるように、装置の据付時や定期点検時に各分析
ユニットに供給する洗浄水量が所定の範囲に入るように調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−251797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、長期間にわたる使用や周囲環境の悪化などにより、洗浄液を供給するチ
ューブ内に水垢やカビなどの不用物が堆積してチューブ内の容積が減少し、測定中に各分
注ユニットに供給する洗浄水量が減少することがある。このように洗浄水量が減少すると
、各分析ユニットを介して以前の測定試料の持込量が増加し、次の測定試料の分析データ
が悪影響を受けることがある。
【0011】
また、複合型装置においては、第1の分析部による被検試料の分注の後に、第2の分析
部で免疫学的検査項目の微量成分の測定を行うための被検試料の分注が行われる場合、第
1の分析部のサンプル分注プローブを介して以前の被検試料の持込量が増加し、第2の分
析部で測定される次の試料容器内の被検試料の分析データが悪影響を受けることがある。
【0012】
このように、各分析ユニットの洗浄不足により分析データが悪影響を受けた場合、その
分析データに気付かずに誤診してしまう恐れがある。また、気付いたときには再度測定を
行う必要が生じ、被検試料、試薬、時間等を浪費する問題がある。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、分析ユニットを介して以前の
測定試料が次の測定試料に持ち込まれるのを未然に防ぎ、精度よく測定することができる
自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料及び
試薬を容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料を前記
容器に分注するサンプル分注プローブと、前記試薬を前記容器に分注する試薬分注プロー
ブと、前記サンプル分注プローブの内面を洗浄するための洗浄液を供給する第1の供給手
段と、前記第1の供給手段により供給される洗浄液の量について、第1の供給量と、当該
第1の供給量よりも多い第2の供給量とを設定し、当該第1の供給量より多い範囲を許容
範囲とする設定手段と、前記第1の供給手段により供給される洗浄液の量を計測する計測
手段と、前記計測手段による計測量と、前記許容範囲とに基づいて、前記サンプル分注プ
ローブの動作を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料及び試薬を容器に分注して
その混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料を前記容器に分注するサンプ
ル分注プローブと、前記試薬を前記容器に分注する試薬分注プローブと、前記試薬分注プ
ローブの内面を洗浄するための洗浄液を供給する第2の供給手段と、前記第2の供給手段
により供給される洗浄液の量について、第1の供給量と、当該第1の供給量よりも多い第
2の供給量とを設定し、当該第1の供給量より多い範囲を許容範囲とする設定手段と、前
記第2の供給手段により供給される洗浄液の量を計測する計測手段と、前記計測手段によ
る計測量と、前記許容範囲とに基づいて、前記試薬分注プローブの動作を制御する制御手
段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、分析ユニットに供給する洗浄液の供給量を計測し、計測した供給量が
警告範囲を外れた場合にはその情報を出力し、更に計測した供給量が許容範囲を外れた場
合にはその分析ユニットの動作を停止させることにより、分析ユニットを介して以前の測
定試料が次の測定試料に持ち込まれるのを未然に防ぎ、精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る第1の分析部における分析部の構成の詳細を示す図。
【図3】本発明の実施例に係るサンプル部におけるサンプル分注動作を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る洗浄部の構成の詳細を示すブロック図。
【図5】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図6】本発明の実施例に係る洗浄槽の構造を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る第1試薬分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る第2試薬分注プローブ洗浄部の構成を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る第1撹拌子洗浄部の構成を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る第2撹拌子洗浄部の構成を示す図。
【図11】本発明の実施例に係る洗浄ユニット制御部におけるサンプル分注プローブ洗浄部の外面洗浄部の制御の詳細を説明するための図。
【図12】本発明の実施例に係る洗浄ユニット制御部におけるサンプル分注プローブ洗浄部の内面洗浄部の制御の詳細を説明するための図。
【図13】本発明の実施例に係る第1の分析部で測定される測定項目のサンプル分注動作の一例を示すフローチャート。
【図14】本発明の実施例に係る第1の分析部で測定される測定項目の第1試薬分注動作の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例に係る第1の分析部で測定される測定項目の第1撹拌動作の一例を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施例に係る第1の分析部で測定される測定項目の第2試薬分注及び第2撹拌動作と、第2の分析部で測定される測定項目の測定動作の一例を示すフローチャート。
【図17】本発明の実施例に係る測定項目設定画面の一例を示す図。
【図18】本発明の実施例に係る図13のフローチャートに対応するサンプル分注動作タイミングの一例を示す図。
【図19】本発明の実施例に係る図14及び図15のフローチャートに対応する第1試薬分注及び第1撹拌動作タイミングの一例を示す図。
【図20】本発明の実施例に係る図16のフローチャートに対応する第1の分析部で測定される測定項目の第2試薬分注及び第2撹拌動作タイミングの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図20を参照して説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自
動分析装置300は、生化学的検査項目などの標準試料や、被検試料毎に生化学的検査項
目などの中から選択入力された測定項目の測定を行う第1の分析部200aと、免疫学的
検査項目などの標準試料や、被検試料毎に免疫学的検査項目などの中から選択入力された
測定項目の測定を行う第2の分析部200bとを備えている。
【0020】
また、自動分析装置300は、被検試料を第1及び第2の分析部200a,200bに
搬送する搬送部250と、第1及び第2の分析部200a,200bから出力される標準
試料の測定により生成された標準データや、被検試料の測定により生成された被検データ
を処理してキャリブレーションテーブルの作成や分析データの生成を行うデータ処理部4
0とを備えている。
【0021】
更に、自動分析装置300は、データ処理部40からのキャリブレーションテーブルや
分析データを出力する出力部50と、第1及び第2の分析部200a,200bで測定す
る測定項目毎の分析条件の設定や被検試料毎の測定項目の選択入力、各種コマンド信号を
入力する操作部60と、上述した各ユニットを統括して制御するシステム制御部70とを
備えている。
【0022】
第1の分析部200aは、生化学的検査項目などの標準試料や、被検試料毎に生化学的
検査項目の中から選択入力された測定項目の測定を行う分析部19aと、分析部19aの
測定動作の制御を行う分析制御部30aとを備えている。
【0023】
分析部19aは、標準試料や搬送部250により搬送された被検試料などのサンプルを
分注するサンプル部20と、サンプル中の測定項目の成分と反応する試薬を分注する試薬
部21と、サンプル部20及び試薬部21から分注されたサンプル及び試薬の混合液を測
定する反応部22と、サンプル部20、試薬部21、及び反応部22の分注及び測定など
に使用される各分析ユニットを洗浄する洗浄部23とを備えている。そして、反応部22
は、標準試料や被検試料の測定により標準データや被検データを生成してデータ処理部4
0に出力する。なお、免疫学的検査項目の一部を、ラテックス比濁法による試薬を用いて
測定できるようになっている。
【0024】
分析制御部30aは、分析部19aのサンプル部20、試薬部21、及び反応部22の
測定に使用される分析ユニットを夫々駆動する機構を備えた機構部31と、機構部31及
び分析部19aの洗浄部23を制御する制御部32とを備えている。
【0025】
制御部32は、機構部31の各機構を制御する機構制御部32aと、分析部19aの各
分析ユニットを洗浄する洗浄部23の洗浄動作を制御する洗浄ユニット制御部32bとを
備えている。そして、洗浄ユニット制御部32bは、洗浄部23の洗浄動作を制御すると
共に、その動作時に生じた情報を出力部50に出力する。
【0026】
第2の分析部200bは、免疫学的検査項目などの標準試料や、被検試料毎に免疫学的
検査項目の中から選択入力された測定項目の測定を行う分析部19bと、分析部19bの
測定動作などの制御を行う制御部30bとを備えている。
【0027】
分析部19bは、分析部19aと同様にサンプル及び試薬を分注して測定するための各
分析ユニットを備えている。そして、内部に配置された各測定項目の標準試料や搬送部2
50により搬送された被検試料、及び各測定項目に対応する例えば化学発光物質で標識さ
れた免疫試薬の分注により混合された混合液内の免疫反応により発する光の強度を測定す
る。この測定により、標準試料や被検試料の標準データや被検データを生成してデータ処
理部40に出力する。
【0028】
制御部30bは、分析部19bの各分析ユニットを夫々駆動する機構を備えた機構部と
、この機構部を制御する制御部とを備えている。
【0029】
搬送部250は、被検試料の選択入力された測定項目が第1及び第2の分析部200a
で測定される場合、待機位置に配置されたその被検試料を収容した試料容器17を、第1
の分析部200aのサンプル部20近傍に搬送して一旦停止させる。第1の分析部200
aのサンプル部20で被検試料を分注した後、その試料容器17を第2の分析部200b
の分析部19b近傍に搬送する。そして、第2の分析部200bの分析部19bで被検試
料を分注した後、その試料容器17を測定終了位置に搬送する。なお、第1の分析部20
0aは、第2の分析部200bよりも高速で測定を行い、通常は第2の分析部200bよ
りも多くの被検試料及び測定項目の測定を行う。
【0030】
また、被検試料の選択入力された測定項目が第2の分析部200aだけで測定される場
合、待機位置に配置された試料容器17を第2の分析部200bの分析部19b近傍に搬
送する。そして、第2の分析部200bの分析部19bが被検試料を分注した後、その試
料容器17を測定終了位置に搬送する。
【0031】
データ処理部40は、第1の分析部200aの反応部22や第2の分析部200bの分
析部19bから出力された標準データや被検データからキャリブレーションテーブルを作
成したり分析データを生成する演算部41と、演算部41で作成されたキャリブレーショ
ンテーブルや生成された分析データなどを保存する記憶部42とを備えている。
【0032】
演算部41は、第1の分析部200aの反応部22及び第2の分析部200bの分析部
19bから出力された各測定項目の標準データから各測定項目のキャリブレーションテー
ブルを作成して、出力部50に出力すると共に記憶部42に保存する。また、反応部22
や分析部19bから出力された各被検試料の各測定項目における被検データに対して、そ
の測定項目のキャリブレーションテーブルを記憶部42から読み出した後、この読み出し
たキャリブレーションテーブルを用いて分析データを算出して、出力部50に出力すると
共に記憶部42に保存する。
【0033】
記憶部42は、ハードディスクなどを備え、演算部41から出力されたキャリブレーシ
ョンテーブルや分析データなどを被検試料毎に保存する。
【0034】
出力部50は、データ処理部40の演算部41から出力されたキャリブレーションテー
ブルや分析データなどを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えてい
る。
【0035】
印刷部51は、プリンタなどを備え、データ処理部40の演算部41から出力されたキ
ャリブレーションテーブルや分析データなどを予め設定されたフォーマットに従って、プ
リンタ用紙に印刷出力する。
【0036】
表示部52は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、データ処理部40の演算部4
1から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データ、被検体のID及び氏名など
を入力する被検体情報入力画面、測定項目毎の分析条件を設定するための分析条件設定画
面、被検試料毎に測定項目を選択設定するための測定項目設定画面、第1の分析部200
aの洗浄ユニット制御部32bから出力された情報などの表示を行う。なお、音声部を設
け、洗浄ユニット制御部32bから出力された情報を音声出力するようにしてもよい。
【0037】
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを
備え、測定項目毎の分析条件の設定、被検体の被検体IDや被検体名などの被検体情報の
入力、被検試料毎の測定項目の選択入力、各測定項目のキャリブレーションテーブルを作
成するための標準試料測定操作、分析データを生成するための被検試料測定操作などの様
々な操作が行われる。
システム制御部70は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作部60から供給され
るコマンド信号、測定項目の分析条件、被検体情報、被検試料毎の測定項目などの情報を
記憶した後、これらの情報に基づいてシステム全体の制御を行う。
【0038】
そして、搬送部250に配置された試料容器17を、第1の分析部200aのサンプル
部20近傍や第2の分析部200bの分析部19b近傍に搬送させる。また、第1及び第
2の分析部200a,200bにおける分析部19a,19bの各分析ユニットを夫々一
定の分析サイクルで動作させて、標準試料や搬送部250の被検試料などを測定させる。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、第1の分析部200aの分析部19aにおけるサンプ
ル部20、試薬部21、及び反応部22の構成の詳細を説明する。
【0040】
図2は、分析部19aの構成の詳細を示した斜視図である。分析部19aのサンプル部
20は、キャリブレータや被検試料などのサンプルを収容した試料容器17を回動可能に
保持するディスクサンプラ6と、搬送部250により近傍に搬送された試料容器17内の
被検試料やディスクサンプラ6に保持された試料容器17内のサンプルを吸引して、反応
部22に吐出させるためのサンプル分注プローブ16とを備えている。
【0041】
また、サンプル部20は、サンプル分注プローブ16を介してサンプルの吸引及び吐出
を行うサンプル分注ポンプ10aと、搬送部250の試料容器17、ディスクサンプラ6
の試料容器17、反応部22、及び洗浄部23の各停止位置へのサンプル分注プローブ1
6の水平移動と各停止位置における上下移動とを可能に保持するサンプル分注アーム10
と、各試料容器17内のサンプルの液面を検出する液面検出器18aとを備えている。
【0042】
そして、液面検出器18aによって検出されたサンプルの検出信号は、分析制御部30
aにおける制御部32の機構制御部32aに出力される。機構制御部32aは、液面検出
器18aからの検出信号に基づいて、サンプル分注プローブ16の先端部がサンプルの液
面から所定の深さに達した時に、サンプル分注アーム10を停止させる。
【0043】
試薬部21は、サンプルに対して選択的に反応する複数の第1試薬やこの第1試薬と対
をなす第2試薬が入った試薬ボトル7a,7bと、試薬ボトル7aを収納する試薬ラック
1aと、試薬ボトル7aを収納した試薬ラック1aを回動可能に保持する試薬庫2と、試
薬ボトル7bを収納した試薬ラック1bを回動可能に保持する試薬庫3と、試薬庫2,3
の試薬ボトル7a,7bから第1及び第2試薬を吸引して、反応部22に吐出させるため
の第1及び第2試薬分注プローブ14,15とを備えている。
【0044】
また、試薬部21は、第1及び第2試薬分注プローブ14,15を介して第1及び第2
試薬を吸引及び吐出する試薬分注ポンプ8a,9aと、試薬庫2,3の試薬ボトル7a,
7b、反応部22、及び洗浄部23の各停止位置への第1及び第2試薬分注プローブ14
,15の水平移動、及び各停止位置における上下移動を可能に保持する第1及び第2試薬
分注アーム8,9と、試薬ボトル7a,7b内の第1及び第2試薬の液面を検出する液面
検出器18b,18cを備えている。
【0045】
そして、液面検出器18b,18cにより検出された第1及び第2試薬の検出信号は、
機構制御部32aに出力される。機構制御部32aでは、液面検出器18b,18cから
の検出信号に基づいて、第1及び第2試薬分注プローブ14,15の先端部が第1及び第
2試薬の液面から所定の深さに達した時に、第1及び第2試薬分注アーム8,9を停止さ
せる。
【0046】
反応部22は、サンプル部20のサンプル分注プローブ16から吐出されたサンプル、
試薬部21の第1試薬分注プローブ14から吐出された第1試薬及び第2試薬分注プロー
ブ15から吐出された第2試薬を収容する円周上に複数配置された反応容器4と、この反
応容器4を回転可能に保持する反応ディスク5と、反応容器4内のサンプル及び第1試薬
からなる第1の混合液を撹拌する第1撹拌子11a1と、第1の混合液を収容した反応容
器4及び洗浄部23の各停止位置への第1撹拌子11a1の水平移動、及び各停止位置に
おける上下移動を可能に保持する第1撹拌ユニット11aとを備えている。
【0047】
また、反応部22は、反応容器4内のサンプル、第1試薬、及び第2試薬からなる第2
の混合液を撹拌する第2撹拌子11b1と、第2の混合液を収容した反応容器4及び洗浄
部23の各停止位置への第2撹拌子11b1の水平移動、及び各停止位置における上下移
動を可能に保持する第2撹拌ユニット11bとを備えている。
【0048】
更に、反応部22は、撹拌後における第1の混合液又は第2の混合液を収容した反応容
器4に光を照射して、透過した光から設定波長における吸光度を測定する測光ユニット1
3と、測定を終えた反応容器4内の混合液を吸引すると共に、その反応容器4内を洗浄・
乾燥する吸引ノズル、洗浄ノズル、及び乾燥ノズルを上下移動可能に保持する洗浄ユニッ
ト12とを備えている。
【0049】
そして、反応容器4は、第1及び第2の混合液の測定終了毎に、洗浄ユニット12によ
りその反応容器4の内面が洗浄・乾燥され、再び測定に使用される。また、測光ユニット
13は、吸光度測定により生成した各測定項目の標準試料や被検試料の標準データや被検
データをデータ処理部40に出力する。
【0050】
図3は、サンプル部20におけるサンプルの分注動作を示した図である。サンプル分注
プローブ16は、サンプル分注ポンプ10a及び洗浄部23とチューブで接続されている
。このチューブは、内圧の変動により内容積が変動しない硬質の例えばポリテトラフルオ
ロエチレンからなり、以下の説明でチューブといえばすべてこれと同じものが用いられる

【0051】
そして、チューブ内にはサンプル分注ポンプ10aのサンプル吸引及び吐出動作に応じ
て、サンプル分注プローブ16からサンプルを吸引及び吐出するための圧力伝達媒体とし
て水などの洗浄液が封入されている。この洗浄液は、サンプル分注プローブ16の洗浄に
も用いられる。
【0052】
ここで、被検試料を測定するために例えばN個(N≧3)の測定項目が選択入力される
。そして、第1の分析部200aで測定される測定項目が(N−1)個である場合、1乃
至(N−1)分析サイクルで1乃至(N−1)の測定項目に対応するサンプル分注動作が
行われる。まず、1番目の測定項目に対応する被検試料のサンプル分注動作を説明する。
【0053】
1分析サイクルでは、図3(a)に示したように、サンプル分注プローブ16は、サン
プル分注ポンプ10aの吸引動作により、後から吸引する被検試料にチューブ内の洗浄液
が混入するのを避けるためにエアを吸引する。このエアを吸引した後、サンプル分注プロ
ーブ16の先端部が、搬送部250の試料容器17内やディスクサンプラ6の試料容器1
7内の被検試料の液面から、所定の深さに達する位置まで移動する。移動の後、サンプル
分注ポンプ10aの吸引動作により、測定用の被検試料への洗浄液の混入を防ぐためのダ
ミー用の被検試料、及び1番目の測定項目に対応する測定用の被検試料を吸引する。この
被検試料を吸引した後、反応部22の反応容器4内に移動する。
【0054】
そして、図3(b)に示したように、サンプル分注プローブ16は、この先端部が例え
ば反応容器4内の底面に接した状態で、測定用の被検試料だけを吐出する。
【0055】
2分析サイクル以降では、サンプル分注プローブ16内にエア及びダミー用被検試料を
保持した状態で、2番目以降の測定項目に対応する測定用被検試料だけを吸引及び吐出す
る。
【0056】
(N−1)分析サイクルでは、(N−1)番目の測定項目に対応する測定用被検試料を
反応容器4に吐出した後、洗浄部23に移動する。そして、洗浄部23でサンプル分注プ
ローブ16内のダミー用被検試料及びエアを洗浄液で押し出すと共に、サンプル分注プロ
ーブ16内外の被検試料と接触した面を洗浄する。この洗浄により、同一被検試料におけ
るサンプル分注動作が終了する。
【0057】
なお、第1及び第2試薬分注プローブ14,15は、試薬分注ポンプ8a,9a及び洗
浄部23とチューブで接続されており、サンプル分注プローブ16の場合と同様にして第
1試薬及び第2試薬の吸引及び吐出を行う。そして、吐出終了毎に、洗浄部23で第1及
び第2試薬分注プローブ14,15内のダミー用試薬及びエアを洗浄液で押し出すと共に
、第1及び第2試薬分注プローブ14,15内外の第1及び第2試薬と接触した面の洗浄
が行われる。この吸引、吐出、及び洗浄による第1及び第2試薬分注動作は、1分析サイ
クルで行われる。
【0058】
また、第1及び第2撹拌子11a1,11b1は、第1及び第2の混合液撹拌終了毎に
、洗浄部23で第1及び第2撹拌子11a1,11b1の第1及び第2の混合液と接触し
た面を洗浄する。この撹拌及び洗浄による第1及び第2撹拌動作は、1分析サイクルで行
われる。
【0059】
次に、図2乃至図10を参照して、分析部19aにおける洗浄部23の構成の詳細を説
明する。図4は、洗浄部23の構成を示す図である。図5乃至図10は、図4に示した洗
浄部23の各分析ユニットの洗浄部の構成を示す図である。
【0060】
図4は、洗浄部23の構成を示したブロック図である。この洗浄部23は、同一サンプ
ルの分注終了毎にサンプル部20のサンプル分注プローブ16を洗浄するサンプル分注プ
ローブ洗浄部80と、第1試薬の分注終了毎に試薬部21の第1試薬分注プローブ14を
洗浄する第1試薬分注プローブ洗浄部90と、第2試薬の分注終了毎に試薬部21の第2
試薬分注プローブ15を洗浄する第2試薬分注プローブ洗浄部100とを備えている。
【0061】
また、洗浄部23は、第1の混合液撹拌終了毎に、反応部22の第1撹拌子11a1を
洗浄する第1撹拌子洗浄部110と、第2の混合液撹拌終了毎に、反応部22の第2撹拌
子11b1を洗浄する第2撹拌子洗浄部120と、上述した各洗浄部に供給する洗浄液を
保存する洗浄液保存部130とを備えている。
【0062】
図5は、洗浄部23におけるサンプル分注プローブ洗浄部80の構成を示した図である
。このサンプル分注プローブ洗浄部80は、サンプル分注プローブ16のサンプルと接触
する面(接触面)の外側の面(接触外面)を洗浄する洗浄液を供給するための外面洗浄部
81と、サンプル分注プローブ16の接触面の内側の面(接触内面)を洗浄する洗浄液を
供給するための内面洗浄部82と、外面洗浄部81及び内面洗浄部82から供給される洗
浄液を用いてサンプル分注プローブ16の洗浄が行われる洗浄槽83とにより構成される
。そして、サンプル分注プローブ洗浄部80内の各洗浄ユニット間はチューブで接続され
、各チューブ内には洗浄液が封入されている。
【0063】
外面洗浄部81は、サンプル分注プローブ16の接触外面に洗浄液を供給するための供
給ポンプ81aと、この供給ポンプ81aからの洗浄液を一方及び洗浄液保存部130側
である他方に開放する三方弁81bと、一方に開放された三方弁81bからの洗浄液の流
量を調整するための流量調整部81cと、流量調整部81cからの洗浄液の流量を供給量
として計測する計測部81dとにより構成される。そして、外面洗浄部81内の各洗浄ユ
ニット間はチューブで接続され、各チューブ内には洗浄液が封入されている。
【0064】
供給ポンプ81aは、洗浄液保存部130からの洗浄液を例えば連続して三方弁81b
に供給するマグネットポンプなどが用いられる。そして、サンプル分注プローブ16を洗
浄するときには、一方に開いた三方弁81bを介して洗浄液保存部130からの洗浄液を
流量調整部81cに供給する。また、サンプルを分注するときには、他方に開いた三方弁
81bを介して洗浄液保存部130からの洗浄液を洗浄液保存部130に戻す。
【0065】
三方弁81bは、例えば三方電磁弁が用いられる。そして、サンプル分注プローブ16
の接触外面を洗浄するときには、供給ポンプ81aと流量調整部81cの間を開放し、他
方を閉じている。また、サンプルを分注するときには、供給ポンプ81aと洗浄液保存部
130の間を開放し、一方を閉じている。
【0066】
流量調整部81cは、三方弁81bから計測部81dに供給される洗浄液の流量を調整
する例えばバルブ及びこのバルブを駆動するモータを有する。そして、サンプル分注プロ
ーブ16を洗浄するときに、三方弁81bからの洗浄液の流量が所定の範囲内に入るよう
にバルブを調整する。
【0067】
計測部81dは、流量調整部81cからの洗浄液の流量を検出する例えば羽根車式の流
量センサ、及びこの流量センサからの検出信号を処理する信号処理部により構成される。
この信号処理部は、流量センサから出力された検出信号に基づいて、供給ポンプ81aか
ら1分析サイクルの内の外面洗浄時間内に供給される洗浄液の供給量を算出し、算出した
供給量を第1の計測データとして洗浄ユニット制御部32bに出力する。
【0068】
内面洗浄部82は、サンプル分注プローブ16の接触内面に洗浄液を供給するための供
給ポンプ82aと、この供給ポンプ82a側である一方及びサンプル部20のサンプル分
注ポンプ10a側である他方に開放する三方弁82bと、一方に開放された三方弁82b
を介して供給される供給ポンプ82aからの洗浄液及び他方に開放された三方弁82bを
介して伝達されるサンプル分注ポンプ10aからの圧力を計測する計測部82cとにより
構成される。そして、内面洗浄部82内の各洗浄ユニット間はチューブで接続され、各チ
ューブ内には洗浄液が封入されている。
【0069】
供給ポンプ82aは、洗浄液保存部130からの洗浄液をサンプル分注プローブ16の
接触内面に供給するための例えばベローズポンプなどが用いられる。そして、サンプル分
注プローブ16の接触内面を洗浄するときには、一方に開放した三方弁82bを介して洗
浄液保存部130からの洗浄液をサンプル分注プローブ16内に供給する。また、サンプ
ルを分注するときには、停止している。
【0070】
なお、サンプル分注プローブ16先端部は、微量のサンプル分注が可能なように、例え
ば約0.3mmの微小な内径になっている。このため、外面洗浄部81よりも高圧でサン
プル分注プローブ16内に洗浄液の供給が可能なポンプを用いている。
【0071】
三方弁82bは、例えば三方電磁弁が用いられる。そして、サンプル分注プローブ16
の接触内面を洗浄するときには、供給ポンプ81aとサンプル分注プローブ16の間を開
放し、他方を閉じている。また、サンプルを分注するときには、サンプル分注ポンプ10
aとサンプル分注プローブ16の間を開放し、一方を閉じている。
【0072】
計測部82cは、三方弁82bからの洗浄液の圧力を検出するための例えば半導体式の
圧力センサ、及びこの圧力センサからの検出信号を処理する信号処理部により構成される
。この信号処理部は、圧力センサからの検出信号から圧力値を算出し、更に算出した圧力
値に基づいて供給ポンプ82aから1分析サイクルの内面洗浄時間内に供給される洗浄液
の供給量を算出する。そして、算出した圧力値及び供給量を第2の計測データとして洗浄
ユニット制御部32bに出力する。
【0073】
また、サンプル分注プローブ16を用いてサンプルを分注するときには、サンプルを吸
引又は吐出した時に、例えば血清に含まれるフィブリンなどの成分によるサンプル分注プ
ローブ16の詰まりを検出するための第2の計測データを洗浄ユニット制御部32bに出
力する。
【0074】
このように、計測部82cに圧力センサを設けることにより、サンプル分注プローブ1
6の接触内面を洗浄するための洗浄液の供給量を計測すると共に、サンプルを吸引又は吐
出した時のサンプル分注プローブ16の詰まりを検出することができる。
【0075】
洗浄槽83は、図6に示すように、外面洗浄部81からの洗浄液を吐出する吐出口83
aと、吐出口83a及びサンプル分注プローブ16内から吐出された洗浄液を外部に排出
する排液口83bとを有する。そして、同一サンプルの分注終了後に、サンプル分注プロ
ーブ16の接触外面は、吐出口83aから吐出される図6(a)に示した放物線状の矢印
で示した洗浄液で洗浄される。また、サンプル分注プローブ16内に残存するダミー用サ
ンプルや接触内面に付着したサンプルは、サンプル分注プローブ16の先端部から吐出さ
れる図6(b)の矢印で示した洗浄液で洗浄される。
【0076】
ここで、各洗浄ユニットに接続された各チューブの内径及び長さは所定の寸法からなり
、自動分析装置300の据付時には、洗浄液の供給量は正常範囲に入るように設定されて
いる。その後、外面洗浄部81及び洗浄槽83では、供給ポンプ81aと洗浄槽83の間
の各チューブ内に例えば水垢などの不用物が付着又は堆積すると、洗浄液の供給量が正常
範囲よりも減少する。また、供給ポンプ81aと計測部81dの間で例えば洗浄液が漏洩
しても、洗浄液の供給量が正常範囲よりも減少する。
【0077】
また、内面洗浄部82及びサンプル分注プローブ16では、供給ポンプ82aとサンプ
ル分注プローブ16の間の各チューブ内に例えば水垢などの不用物が付着又は堆積すると
、第2の計測データにおける圧力値が高くなり洗浄液の供給量が正常範囲よりも減少する
。また、供給ポンプ82aとサンプル分注プローブ16の間で例えば洗浄液が漏洩すると
、圧力値が低下し洗浄液の供給量が正常範囲よりも減少する。
【0078】
そして、外面洗浄部81から洗浄槽83に供給される洗浄液の供給量が正常範囲から外
れても許容範囲内であると、吐出口83aから吐出された洗浄液は、図6(a)の放物線
を描いて落下し、サンプル分注プローブ16の接触外面の近傍から接触外面全体に亘って
当たるようになっている。これにより、サンプル分注プローブ16の接触外面に付着した
サンプルのほぼすべてを、1分析サイクル内の外面洗浄時間内に洗い落とすことができる

【0079】
また、外面洗浄部81からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも少量であると、吐出口8
3aから吐出された洗浄液は、勢いが不足してサンプル分注プローブ16の接触外面の一
部に到達するだけである。
【0080】
更に、据付時に外面洗浄部81からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも過剰量であると
、吐出口83aから吐出された洗浄液は、図6(a)の破線の矢印で示した放物線を描い
て落下し、勢い余ってサンプル分注プローブ16の接触外面の一部や上方に当たるだけで
ある。
【0081】
このように、外面洗浄部81からの洗浄液の供給量が許容範囲から外れると、サンプル
分注プローブ16の接触外面に以前のサンプルの一部が残存し、次のサンプルを収容した
ディスクサンプラ6の試料容器17内や、次の被検試料を収容した搬送部250の試料容
器17内に、次の被検試料の分析データに悪影響を与える許容限界量以上の以前のサンプ
ルが持ち込まれることになる。
【0082】
一方、内面洗浄部82からの洗浄液の供給量が許容範囲内であると、図3(b)に示し
たサンプル分注プローブ16内のダミー用サンプルは外に押し出され、接触内面に付着し
たサンプルのほぼすべてを洗い落とすことができる。
【0083】
また、内面洗浄部82からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも少量であると、サンプル
分注プローブ16内にダミー用サンプルが残存する。仮に、ダミー用サンプルがサンプル
分注プローブ16から押し出されたとしても、接触内面に付着したサンプルの一部が残存
する。
【0084】
これにより、次のサンプルを反応容器4内に吐出したときに、次の被検試料の分析デー
タに悪影響を与える許容限界量以上の以前のサンプルがその反応容器4内に持ち込まれる
ことになる。
【0085】
図7は、洗浄部23における第1試薬分注プローブ洗浄部90の構成を示した図である
。また、図8は、洗浄部23における第2試薬分注プローブ洗浄部100の構成の詳細を
示した図である。この第1及び第2試薬分注プローブ洗浄部90,100は、図5のサン
プル分注プローブ洗浄部80と同様に構成されている。
【0086】
第1及び第2試薬分注プローブ洗浄部90,100は、試薬部21の第1及び第2試薬
分注プローブ14,15の接触外面を洗浄する洗浄液を供給するための外面洗浄部91,
101と、第1及び第2試薬分注プローブ14,15の接触内面を洗浄する洗浄液を供給
するための内面洗浄部92,102と、外面洗浄部91,101及び内面洗浄部92,1
02から供給される洗浄液を用いて第1及び第2試薬分注プローブ14,15の洗浄が行
われる洗浄槽93,103とにより構成される。そして、各洗浄ユニット間はチューブで
接続され、各チューブ内には洗浄液が封入されている。
【0087】
外面洗浄部91,101は、第1及び第2試薬分注プローブ14,15に洗浄液を供給
するための供給ポンプ91a,101aと、この供給ポンプ91a,101aからの洗浄
液を一方及び洗浄液保存部130側である他方に開放する三方弁91b,101bと、一
方に開放された三方弁91b,101bからの洗浄液の流量を調整する流量調整部91c
,101cと、流量調整部91c,101cからの洗浄液の流量を供給量として計測して
第1の計測データを生成する計測部91d,101dとにより構成される。そして、各外
面洗浄部91,101内の各洗浄ユニット間はチューブで接続され、各チューブ内には洗
浄液が封入されている。
【0088】
内面洗浄部92,102は、第1及び第2試薬分注プローブ14,15内に洗浄液を供
給するための供給ポンプ92a,102aと、この供給ポンプ92a,102a側である
一方及び試薬部21の試薬分注ポンプ8a,9a側である他方に開放する三方弁92b,
102bと、一方に開放された三方弁92b,102bを介して供給ポンプ92a,10
2aから第1及び第2試薬分注プローブ14,15に供給される洗浄液、及び他方に開放
された三方弁92b,102bを介して試薬分注ポンプ8a,9aから第1及び第2試薬
分注プローブ14,15に伝達される洗浄液の圧力を供給量及び圧力値として計測して第
2の計測データを生成する計測部92c,102cとにより構成される。そして、各内面
洗浄部92,102内の各洗浄ユニット間はチューブで接続され、各チューブ内には洗浄
液が封入されている。
【0089】
洗浄槽93,103は、外面洗浄部91,101からの洗浄液を吐出する吐出口93a
,103aと、吐出口93a,103a及び第1及び第2試薬分注プローブ14,15内
からの洗浄液を外部に排出するための排液口93b,103bとを有する。
【0090】
ここで、外面洗浄部91,101から洗浄槽93,103に供給される洗浄液の供給量
が許容範囲内であると、吐出口93a,103aから吐出された洗浄液は、第1及び第2
試薬分注プローブ14,15の接触外面の近傍から接触外面全体に亘って当たるようにな
っている。これにより、第1及び第2試薬分注プローブ14,15の接触外面に付着した
第1及び第2試薬のほぼすべてを洗い落とすことができる。
【0091】
また、外面洗浄部91,101からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも少量であると、
吐出口93a,103aから吐出された洗浄液は、勢いが不足して接触外面の一部に当た
るだけである。
【0092】
更に、据付時に外面洗浄部91,101からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも過剰量
であると、吐出口93a,103aから吐出された洗浄液は、勢い余って接触外面の上端
部や上方に当たるだけである。
【0093】
このように、外面洗浄部91,101からの洗浄液の供給量が許容範囲から外れると、
第1及び第2試薬分注プローブ14,15の接触外面に付着した以前の第1及び第2試薬
の一部が残存し、次の第1及び第2試薬を収容した試薬ボトル7a,7b内に、次の測定
項目の分析データに悪影響を与える許容限界量以上の以前の第1及び第2試薬が持ち込ま
れることになる。
【0094】
一方、内面洗浄部92,102からの洗浄液の供給量が許容量範囲内であると、ダミー
用第1及び第2試薬は第1及び第2試薬分注プローブ14,15から押し出され、接触内
面に付着した第1及び第2試薬のほぼすべてを洗い落とすことができる。
【0095】
また、内面洗浄部92,102からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも少量であると、
第1及び第2試薬分注プローブ14,15内にダミー用第1及び第2試薬が残存する。仮
に、第1及び第2試薬分注プローブ14,15からダミー用第1及び第2試薬が押し出さ
れたとしても、接触内面に付着した以前の第1及び第2試薬の一部が残存する。
【0096】
これにより、次の第1及び第2試薬を反応容器4内に吐出したときに、次の測定項目の
分析データに悪影響を与える許容限界量以上の以前の第1及び第2試薬が持ち込まれるこ
とになる。
【0097】
図9は、洗浄部23における第1撹拌子洗浄部110の構成の詳細を示した図である。
また図10は、洗浄部23における第2撹拌子洗浄部120の構成の詳細を示した図であ
る。この第1及び第2撹拌子洗浄部110,120は、図5のサンプル分注プローブ洗浄
部80の外面洗浄部81及び洗浄槽83と同様に構成されている。
【0098】
第1及び第2撹拌子洗浄部110,120は、反応部22の反応容器4内の第1及び第
2の混合液に接触した第1及び第2撹拌子11a1,11b1の面(接触外面)を洗浄す
る洗浄液を供給するための外面洗浄部111,121と、外面洗浄部111,121から
供給される洗浄液を用いて第1及び第2撹拌子11a1,11b1の洗浄が行われる洗浄
槽113,123とにより構成される。そして、各洗浄ユニット間はチューブで接続され
、各チューブ内には洗浄液が封入されている。
【0099】
外面洗浄部111,121は、第1及び第2撹拌子11a1,11b1に洗浄液を供給
するための供給ポンプ111a,121aと、この供給ポンプ111a,121aからの
洗浄液を一方及び洗浄液保存部130側である他方に開放する三方弁111b,121b
と、一方に開放された三方弁111b,121bからの洗浄液の流量を調整する流量調整
部111c,121cと、流量調整部111c,121cからの洗浄液の流量を供給量と
して計測して第1の計測データを生成する計測部111d,121dとにより構成される
。そして、各外面洗浄部111,121内の各洗浄ユニット間はチューブで接続され、各
チューブ内には洗浄液が封入されている。
【0100】
洗浄槽113,123は、外面洗浄部111,121からの洗浄液を吐出する吐出口1
13a,123aと、この吐出口113a,123aからの洗浄液を外部に排出するため
の排液口113b,123bとを有する。そして、第1及び第2の混合液の撹拌終了後に
、第1及び第2撹拌子11a1,11b1の接触外面は、吐出口113a,123aから
吐出される外部洗浄部111,121からの洗浄液によって洗浄される。
【0101】
ここで、外面洗浄部111,121からの洗浄液の供給量が許容範囲内であると、吐出
口113a,123aから吐出された洗浄液は、第1及び第2撹拌子11a1,11b1
の接触外面の近傍から接触外面全体に亘って当たるようになっている。これにより、第1
及び第2撹拌子11a1,11b1の接触外面に付着した第1及び第2の混合液のほぼす
べてを洗い落とすことができる。
【0102】
また、外面洗浄部111,121からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも少量であると
、吐出口113a,123aから吐出された洗浄液は、勢いが不足して第1及び第2撹拌
子11a1,11b1の接触外面の一部に到達するだけである。
【0103】
更に、据付時に外面洗浄部111,121からの洗浄液の供給量が許容範囲よりも過剰
量であると、吐出口113a,123aから吐出された洗浄液は、勢い余って接触外面の
上方や上端部に当たるだけである。
【0104】
このように、外面洗浄部111,121からの洗浄液の供給量が許容範囲から外れると
、第1及び第2撹拌子11a1,11b1の接触外面に付着した以前の第1及び第2の混
合液の一部が残存し、次の第1及び第2の混合液を収容した反応容器4内に、次の第1及
び第2の混合液の分析データに悪影響を与える許容限界量以上の以前の第1及び第2の混
合液が持ち込まれることになる。
【0105】
次に、図2乃至図12を参照して、分析制御部30aの構成を詳細に説明する。
図2の分析制御部30aの機構部31は、分析部19aのディスクサンプラ6、試薬庫
2、及び試薬庫3を夫々回動する機構、反応ディスク5を回転する機構、サンプル分注ア
ーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌ユニット11a、及
び第2撹拌ユニット11bを夫々回動及び上下移動する機構、洗浄ユニット12を上下移
動する機構、サンプル分注ポンプ10a、試薬分注ポンプ8a、及び試薬分注ポンプ9a
を夫々駆動する機構を備えている。
【0106】
また、機構部31は、第1及び第2撹拌ユニット11a,11bの第1及び第2撹拌子
11a1,11b1を夫々撹拌駆動する機構、洗浄ユニット12の洗浄ノズル及び乾燥ノ
ズルを介して反応容器4内の混合液の吸引、洗浄、及び乾燥を行う洗浄ポンプ及び乾燥ポ
ンプを夫々駆動する機構等を備えている。
【0107】
制御部32の機構制御部32aは、機構部31のディスクサンプラ6、試薬庫2,3、
反応ディスク5、サンプル分注アーム10、第1及び第2試薬分注アーム8,9、第1及
び第2撹拌ユニット11a,11b、第1及び第2撹拌子11a1,11b1、洗浄ユニ
ット12、サンプル分注ポンプ10a、試薬分注ポンプ8a,9a、及び洗浄ユニット1
2の洗浄ポンプ及び乾燥ポンプなどを駆動する機構を夫々制御する。
【0108】
洗浄ユニット制御部32bは、分析部19aの洗浄部23における各洗浄ユニットの動
作を夫々制御する。
【0109】
図11及び図12は、洗浄ユニット制御部32bにおけるサンプル分注プローブ洗浄部
80の外面洗浄部81及び内面洗浄部82の制御の詳細を説明するための図である。
【0110】
図11のx、y軸に表された曲線Aは、外面洗浄部81から洗浄槽83を介してサンプ
ル分注プローブ16に供給される洗浄液の供給量と、次のサンプルを収容した試料容器1
7内に持ち込まれる以前のサンプルの持込量との関係を表している。
【0111】
この曲線Aは、洗浄液を様々な供給量に設定し、設定した供給量でサンプル分注プロー
ブ16を洗浄したときに、次のサンプルを収容した試料容器17内に持ち込まれる以前の
サンプルの持込量を測定することによって得られる。
【0112】
ここで、供給量NLとこの供給量NLよりも多い供給量NHの間を正常範囲とする。供
給量NLよりも少ない供給量LiLと供給量NHよりも多い供給量LiHの間を許容範囲
とする。供給量LiLと供給量NLの間及び供給量NHと供給量LiHの間を警告範囲と
する。
【0113】
洗浄ユニット制御部32bは、洗浄の時に外面洗浄部81の計測部81dから出力され
る第1の計測データに基づいて、供給量を正常範囲内に入れるために外面洗浄部81の流
量調整部81cを制御する。また、供給量が正常範囲を外れた場合の判断をする。
【0114】
そして、供給量が正常範囲を外れ、警告範囲内である場合、例えば第1又は第2の分析
部200a,200bの分析部19a又は19bで測定される所定の測定項目の成分が所
定の濃度に調整された以前のサンプルの持込量が許容限界量以下であり、次のサンプルに
おける前記所定の測定項目の分析データは許容誤差範囲内に入ると判断する。また、外面
洗浄部81と洗浄槽83の間のチューブに例えば少量の不用物が堆積していると判断し、
チューブ内の洗浄を促すためのSプローブ外面洗浄警告情報をシステム制御部70を介し
て出力部50に出力する。
【0115】
また、供給量が許容範囲から外れた場合、持込量が許容限界量を超えて、次のサンプル
における前記所定の測定項目の分析データは許容誤差範囲から外れると判断する。また、
外面洗浄部81と洗浄槽83の間のチューブに例えば多量の不用物が堆積して、流量調整
部81cによる流量の調整を不可能と判断する。
【0116】
そして、Sプローブ外面洗浄エラー情報を機構制御部32aに出力すると共に、システ
ム制御部70を介して出力部50に出力する。機構制御部32aでは、このエラー情報に
基づいて、サンプル分注プローブ16による次のサンプル分注動作を停止させる。
【0117】
なお、洗浄ユニット制御部32bは、第1及び第2試薬分注プローブ洗浄部90,10
0の外面洗浄部91,101、及び第1及び第2撹拌子洗浄部110,120に応じて設
定された正常範囲、警告範囲、及び許容範囲に基づいて、外面洗浄部81の場合と同様に
各洗浄部や各分析ユニットを制御する。また、各情報を出力部50に出力する。
【0118】
図12のx、y軸に表された曲線Bは、サンプル分注プローブ洗浄部80の内面洗浄部
82からサンプル分注プローブ16に供給される洗浄液の供給量と、次のサンプルに持ち
込まれる以前のサンプルの持込量との関係を表している。
【0119】
この曲線Bは、例えば供給ポンプ82aとサンプル分注プローブ16の間の各チューブ
を様々な寸法に設定したときの洗浄液の供給量でサンプル分注プローブ16を洗浄した後
に、次のサンプルへの以前のサンプルの持込量を実測することによって得られる。ここで
、洗浄液の供給量NL1以上を正常範囲とする。供給量NL1よりも少ない供給量LiL
1以上を許容範囲とする。供給量LiL1と供給量NL1の間を警告範囲とする。
【0120】
洗浄ユニット制御部32bは、洗浄の時に内面洗浄部82の計測部82cから出力され
る第2の計測データに基づいて、供給量が正常範囲を外れた場合の判断をする。
【0121】
そして、供給量が正常範囲を外れ、許容範囲内である場合、例えば第1又は第2の分析
部200a,200bの分析部19a又は19bで測定される所定の測定項目の成分が所
定の濃度に調整された以前のサンプルの持込量が許容限界量以下であり、次のサンプルに
おける前記所定の測定項目の分析デーは許容誤差範囲内に入ると判断する。また、内面洗
浄部82とサンプル分注プローブ16の間のチューブに例えば少量の不用物が堆積してい
ると判断し、チューブ内の洗浄を促すためのSプローブ内面洗浄警告情報を、システム制
御部70を介して出力部50に出力する。
【0122】
また、供給量が許容範囲から外れた場合、持込量が許容限界量を超えて、次のサンプル
の分析データは許容誤差範囲から外れると判断する。そして、Sプローブ内面洗浄エラー
情報を機構制御部32aに出力すると共に、システム制御部70を介して出力部50に出
力する。このエラー情報に基づいて、機構制御部32aはサンプル分注プローブ16によ
る次のサンプルを分注するサンプル分注動作を停止させる。
【0123】
なお、洗浄ユニット制御部32bは、内面洗浄部82の場合と同様に、第1及び第2試
薬分注プローブ洗浄部90,100の内面洗浄部92,102に応じて設定された正常範
囲、警告範囲、及び許容範囲に基づいて、内面洗浄部82の場合と同様に内面洗浄部92
,102や分析部19aの各分析ユニットを制御する。また、各情報を出力部50に出力
する。
【0124】
また、サンプル吸引及び吐出時に計測部82cから出力された第2の計測データに基づ
いて、圧力値が許容限界値よりも高い場合には、サンプル分注プローブ16先端部におけ
る例えば血清に含まれるフィブリンなどによる詰まりと判断して、この詰まり情報を機構
制御部32a及び出力部50に出力する。詰まり情報に基づいて、機構制御部32aでは
サンプル分注プローブ16による次のサンプルを分注するサンプル分注動作を停止させる

【0125】
以下、図1乃至図20を参照して、自動分析装置300の動作の一例を説明する。
図13乃至図16は、自動分析装置300の動作を示したフローチャートである。図1
3は、測定項目設定画面から選択入力された測定項目の内の第1の分析部200aで測定
される測定項目に対応するサンプル分注動作を示す。図14は、第1の分析部200aで
測定される測定項目に対応する第1試薬分注動作を示す。図15は、第1の分析部200
aで測定される測定項目に対応する第1撹拌動作を示す。図16は、第1の分析部200
aで測定される測定項目に対応する第2試薬分注動作及び第2撹拌動作と、第2の分析部
200bで測定される測定項目の測定動作とを示す。
また、図17は、表示部52に表示される測定項目設定画面の一例を示す。
更に、図18は、図13のフローチャートに対応するサンプル分注動作のタイミングを
示す。図19は、図14及び図15のフローチャートに対応する第1試薬分注動作及び第
1撹拌動作のタイミングを示す。図20は、図16のフローチャートに対応する第1の分
析部200aで測定される測定項目の第2試薬分注及び第2撹拌動作のタイミングを示す

【0126】
図13は、図17の測定項目設定画面から選択入力された測定項目の内の第1の分析部
200aで測定される測定項目に対応するサンプル分注動作を示したフローチャートであ
る。
【0127】
操作部60からのキャリブレーション操作により、データ処理部40の記憶部42には
予め各測定項目のキャリブレーションテーブルが保存されている。また、操作部60から
の測定項目選択入力により、システム制御部70の内部記憶回路には、被検試料毎に選択
入力された測定項目が保存されている。
【0128】
図17は、表示部52に表示される選択入力された測定項目設定画面の一例を示した図
である。この測定項目設定画面53は、被検体情報入力画面で入力された被検体のIDを
表示する「ID」の欄と、項目名を略称で表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示
された被検体のID毎に「項目」の欄に表示された項目名の測定項目を設定するための測
定項目設定エリア53aから構成される。
【0129】
「ID」の欄には、予め入力された例えば「1」及び「2」の被検体のIDが表示され
ている。「項目」の欄には、第1の分析部200aで測定される例えば「GOT」、「G
PT」、「Ca」や、第2の分析部200bで測定される「HBsAg」などの項目名が
表示されている。
【0130】
測定項目設定エリア53aには、「ID」の欄の各被検体のIDに対応した「項目」の
欄の項目名が設定された場合には「○」が表示され、設定されない場合には「・」が表示
される。そして、操作部60から例えば「ID」の欄に表示された「1」に対して、「G
OT」及び「Ca」が設定されると、測定項目設定エリア53aに「GOT」に対応する
1テスト及び「Ca」に対応する2テストの「○」が表示される。また、「ID」の欄に
表示された「2」に対して「GPT」及び「HBsAg」が設定されると、「GPT」に
対応する3テスト及び「HBSAg」に対応する4テストの「○」が表示される。
【0131】
測定項目設定画面53から選択入力された測定項目設定情報は、システム制御部70の
内部記憶回路に保存される。そして、被検試料の測定は、その入力情報に基づいて行われ
、「ID」の最上段の「1」に対応した被検試料から順に、各被検体のIDの左の選択さ
れた測定項目「GOT」から順に測定されることになる。
【0132】
まず、搬送部250に、被検体ID「1」及び「2」の被検試料を収容した試料容器1
7が配置される。そして、操作部60から被検試料の測定開始操作が行われると、自動分
析装置300は動作を開始する(図13のステップS1)。
【0133】
システム制御部70は、第1及び第2の分析部200a,200b、搬送部250、デ
ータ処理部40、及び出力部50に、内部記憶回路に保存されている被検試料毎の測定項
目の測定を指示する。第1及び第2の分析部200a,200bの分析制御部30a、3
0bは、分析部19a,19bの各分析ユニットを一旦ホームポジションに移動させる。
また、搬送部250は、被検体ID「m」(m=1)の被検試料を収容した試料容器17
を、分析部19aのサンプル部20近傍に搬送する(図13のステップS2)。
【0134】
サンプル部20のサンプル分注プローブ16は、図18に示したm分析サイクルにて測
定項目設定画面53で選択入力された被検体ID「m」のmテストの測定項目と、(m+
1)分析サイクルにて(m+1)テストの測定項目とを測定するための被検試料を分注す
る(図13のステップS3)。なお、このサンプル分注動作により、mテストの被検試料
が反応容器4Tmに収容されるものとする。
【0135】
そして、分析部19aの洗浄部23におけるサンプル分注プローブ洗浄部80の外面洗
浄部81及び内面洗浄部82は、図18の(m+1)分析サイクルにて洗浄槽83に移動
したサンプル分注プローブ16内の被検体ID「m」のダミー用被検試料及びエアを押し
出すと共に、サンプル分注プローブ16の接触外面及び接触内面に付着した被検試料を洗
い落とすための洗浄を行う(図13のステップS4)。
【0136】
この洗浄動作で、外面洗浄部81の計測部81d及び内面洗浄部82の計測部82cは
、サンプル分注プローブ16に供給するための洗浄液の供給量を計測して生成した第1及
び第2の計測データを、分析制御部30aの洗浄ユニット制御部32bに出力する。
【0137】
そして、洗浄槽83に供給した洗浄液の供給量が正常範囲内である場合(図13のステ
ップS5のはい)、洗浄は正常に行われていると判断して、ステップS6に移行する。ま
た、正常範囲を外れる場合(図13のステップS5のいいえ)、ステップS7に移行する

【0138】
次いで、洗浄槽83に供給した洗浄液の供給量が警告範囲内である場合(図13のステ
ップS7のはい)、チューブ内の洗浄を促すためのSプローブ外面警告情報を出力部50
の例えば表示部52に表示する(図13のステップS8)。
【0139】
また、警告範囲を外れる場合(図13のステップS7のいいえ)、その時点で次の被検
試料の分注を停止させるためのSプローブ外面洗浄エラー情報を、分析制御部30aの機
構制御部32a及び出力部50に出力する。機構制御部32aは、洗浄ユニット制御部3
2bからのSプローブ外面洗浄エラー情報に基づいて、サンプル分注動作を停止させる(
図13のステップ9)。その後、図14及び図16のステップに移行する。
【0140】
ステップS5の「はい」の後に、サンプル分注プローブ16内に供給した洗浄液の供給
量が正常範囲内である場合(図13のステップS6のはい)、洗浄は正常に行われている
と判断して、ステップS13に移行する。また、正常範囲を外れる場合(図13のステッ
プS6のいいえ)、ステップS10に移行する。
【0141】
そして、洗浄液の供給量が警告範囲内である場合(図13のステップS10のはい)、
チューブ内の洗浄を促すためのSプローブ内面警告情報を、出力部50に出力する(図1
3のステップS11)。また、洗浄液の供給量が警告範囲を外れている場合(図13のス
テップS10のいいえ)、その時点で次の被検試料の分注を停止させるためのSプローブ
内面洗浄エラー情報を機構制御部32a及び出力部50に出力する。機構制御部32aは
、洗浄ユニット制御部32bからのSプローブ内面洗浄エラー情報に基づいて、サンプル
分注動作を停止させる(図13のステップ12)。その後、図14及び図16のステップ
に移行する。
【0142】
ステップS6の「はい」、又はステップS8、又はステップS11の後に、mが2であ
る場合(図13のステップS13のはい)、図14及び図16のステップに移行する。ま
た、mが1である場合(図13のステップS13のいいえ)、ステップS2に戻る。
【0143】
ここで、1テスト乃至3テストに対応する被検試料のサンプル分注動作で、ステップS
9及びS12のSプローブ外面及びSプローブ内面洗浄エラーが発生しなかった場合の動
作の例を、以下に説明する。
【0144】
図14は、第1の分析部200aで測定される測定項目に対応する第1試薬分注動作を
示したフローチャートである。
分析部19aの試薬部21における第1試薬分注プローブ14は、図19(a)に示し
た例えばn分析サイクル(n=6)にて(n−5)テストの測定項目の第1試薬を分注す
る(図14のステップS21)。
【0145】
なお、図13のサンプル分注動作でステップS9及びS12のSプローブ外面及び内面
洗浄エラーが発生したテストの反応容器4Ti(1≦i≦3)には、第1試薬は分注され
ないようになっている。
【0146】
そして、洗浄部23における第1試薬分注プローブ洗浄部90の外面洗浄部91及び内
面洗浄部92は、n分析サイクルにて洗浄槽93に移動した第1試薬分注プローブ14内
のエア及びダミー用第1試薬を押し出すと共に、第1試薬分注プローブ14の接触外面及
び接触内面に付着した被検試料を洗い落とすための洗浄を行う(図14のステップS22
)。
【0147】
この洗浄動作で、外面洗浄部91の計測部91d及び内面洗浄部92の計測部92cは
、第1試薬分注プローブ14を洗浄するために供給した洗浄液の供給量を計測して生成し
た第1及び第2の計測データを、洗浄ユニット制御部32bに出力する。
【0148】
そして、洗浄槽93に供給した洗浄液の供給量が正常範囲内である場合(図14のステ
ップS23のはい)、洗浄は正常に行われていると判断して、ステップS24に移行する
。また、正常範囲を外れている場合(図14のステップS23のいいえ)、ステップS2
5に移行する。
【0149】
次いで、洗浄液の供給量が警告範囲内である場合(図14のステップS25のはい)、
チューブ内の洗浄を促すためのR1プローブ外面警告情報を、出力部50に出力する(図
14のステップS26)。その後、ステップS31に移行する。
【0150】
また、洗浄液の供給量が警告範囲を外れている場合(図14のステップS25のいいえ
)、その時点で(n−4)テストの測定項目の第1試薬の分注を停止させるためのR1プ
ローブ外面洗浄エラー情報を機構制御部32a及び出力部50に出力する。機構制御部3
2aは、洗浄ユニット制御部32bからのR1プローブ外面洗浄エラー情報に基づいて、
第1試薬分注動作を停止させる(図14のステップ27)。その後、図15のステップに
移行する。
【0151】
ステップS23の「はい」の後に、第1試薬分注プローブ14内に供給される洗浄液の
供給量が正常範囲内である場合(図14のステップS24のはい)、供給量は正常である
と判断して、ステップS31に移行する。また、正常範囲を外れている場合(図14のス
テップS24のいいえ)、ステップS28に移行する。
【0152】
そして、洗浄液の供給量が警告範囲内である場合(図14のステップS28のはい)、
チューブ内の洗浄を促すためのR1プローブ内面警告情報を、出力部50に出力する(図
14のステップS29)。その後、ステップS31に移行する。
【0153】
また、洗浄液の供給量が警告範囲を外れている場合(図14のステップS28のいいえ
)、その時点で(n−4)テストの測定項目の第1試薬の分注を停止させるためのR1プ
ローブ内面洗浄エラー情報を機構制御部32a及び出力部50に出力する。機構制御部3
2aは、洗浄ユニット制御部32bからのR1プローブ内面洗浄エラー情報に基づいて、
第1試薬分注動作を停止させる(図14のステップ30)。その後、図15のステップに
移行する。
【0154】
ステップS24の「はい」、又はステップS26、又はステップS29の後に、nが8
である場合(図14のステップS31のはい)、図15のステップに移行する。また、n
が8未満である場合(図14のステップS31のいいえ)、ステップS21に戻る。
【0155】
ここで、1テスト乃至3テストに対応する第1試薬分注動作で、ステップS27及びS
30のR1プローブ外面及び内面洗浄エラーが発生しない場合の動作の例を、以下に説明
する。
【0156】
図15は、第1の分析部200aで測定される測定項目に対応する第1撹拌動作を示し
たフローチャートである。
分析部19aの反応部22における第1撹拌子11a1は、図19(b)に示した例え
ばp分析サイクル(p=7)にて反応容器4T(p−6)に収容された(p−6)テスト
の被検試料及び第1試薬からなる第1の混合液を撹拌する(図15のステップS41)。
【0157】
なお、図13のサンプル分注動作でステップS9及びS12のSプローブ外面及び内面
洗浄エラーが発生したテスト、及び図14の第1試薬分注動作でステップS27及びS3
0のR1プローブ外面及び内面洗浄エラーが発生したテストの反応容器4Ti(1≦i≦
3)内では、第1撹拌は行われないようになっている。
【0158】
そして、洗浄部23における第1撹拌子洗浄部110の外面洗浄部111は、p分析サ
イクルにて洗浄槽113に移動した第1撹拌子11a1の接触外面に付着した第1の混合
液を洗い落とすための洗浄を行う(図15のステップS42)。
【0159】
この洗浄動作で、外面洗浄部111の計測部111dは、第1撹拌子11a1に供給し
た洗浄液の供給量を計測して生成した第1の計測データを、洗浄ユニット制御部32bに
出力する。
【0160】
そして、洗浄槽113に供給した洗浄液の供給量が正常範囲内である場合(図15のス
テップS43のはい)、ステップS47に移行する。また、正常範囲を外れる場合(図1
5のステップS43のいいえ)、ステップS44に移行する。
【0161】
次いで、洗浄液の供給量が警告範囲内である場合(図15のステップS44のはい)、
チューブ内の洗浄を促すための第1撹拌子面警告情報を、出力部50に出力する(図15
のステップS45)。その後、ステップS47に移行する。
【0162】
また、洗浄液の供給量が警告範囲を外れている場合(図15のステップS44のいいえ
)、(p−5)テストの反応容器4T(p−5)へ第1撹拌子11a1を移動させて第1
の混合液を撹拌させる第1撹拌撹拌動作を、停止させるための第1撹拌子面洗浄エラー情
報を機構制御部32a及び出力部50に出力する。機構制御部32aは、洗浄ユニット制
御部32bからの第1撹拌子面洗浄エラー情報に基づいて、(p−5)テストの第1撹拌
動作を停止させる(図15のステップ46)。その後、図16のステップに移行する。
【0163】
ステップS43の「はい」又はステップS45の後に、pが9である場合(図15のス
テップS47のはい)、図16のステップに移行する。また、pが9未満である場合(図
15のステップS47のいいえ)、ステップS41に戻る。
【0164】
ここで、1テスト乃至3テストに対応する第1撹拌動作で、ステップS46の第1撹拌
子面洗浄エラーが発生しなかった動作の例を、以下に説明する。
【0165】
図16は、第1の分析部200aで測定される測定項目に対応する第2試薬分注及び第
2撹拌動作と、第2の分析部200bで測定される測定項目の測定動作とを示したフロー
チャートである。
【0166】
ステップS51では、試薬部21の第2試薬分注プローブ15は、図20(a)に示し
た例えばk分析サイクル(9<k)にて1テストの測定項目の第2試薬を分注する。
【0167】
なお、図13のサンプル分注動作でステップS9及びS12のSプローブ外面及び内面
洗浄エラーが発生したテスト、図14の第1試薬分注動作でステップS27及びS30の
R1プローブ外面及び内面洗浄エラーが発生したテスト、及び図15の第1撹拌動作でス
テップS46の第1撹拌子面洗浄エラーが発生したテストの反応容器4Tiには、第2試
薬分注動作は行われないようになっている。
【0168】
そして、洗浄部23における第2試薬分注プローブ洗浄部100は、k分析サイクルに
て洗浄槽103に移動した第2試薬分注プローブ15の接触面に付着した第2試薬を洗い
落とすための洗浄を行う。
【0169】
洗浄ユニット制御部32bは、この洗浄動作で第2試薬分注プローブ洗浄部100から
出力された第1及び第2の計測データに基づいて、第1試薬分注動作におけるステップS
23乃至S30と同様に動作する。
【0170】
そして、k分析サイクルでの第2試薬分注動作でR2プローブ外面及び内面洗浄エラー
が発生しなかった場合には、(k+1)分析サイクルにて2テストの測定項目の第2試薬
を分注する。更に、(k+1)分析サイクルでの第2試薬分注動作でR2プローブ外面及
び内面洗浄エラーが発生しなかった場合には、(k+2)分析サイクルにて3テストの測
定項目の第2試薬を分注する。
【0171】
ここで、1テスト乃至3テストに対応する第2試薬分注動作で、R2プローブ外面及び
内面洗浄エラーが発生しない場合の動作の例を、以下に説明する。
【0172】
ステップS52では、反応部22の第2撹拌子11b1は、図20(b)に示した例え
ば(k+1)分析サイクルにて反応容器4T1に収容された1テストの被検試料、第1試
薬、及び第2試薬からなる第2の混合液を撹拌する。
【0173】
なお、図13のサンプル分注動作でステップS9及びS12のSプローブ外面及び内面
洗浄エラーが発生したテスト、図14の第1試薬分注動作でステップS27及びS30の
R1プローブ外面及び内面洗浄エラーが発生したテスト、図15の第1撹拌動作でステッ
プS46の第1撹拌子面洗浄エラーが発生したテスト、及びステップS51における第2
試薬分注動作でR2プローブ外面及び内面洗浄エラーが発生したテストの反応容器4Ti
には、第2撹拌は行われないようになっている。
【0174】
そして、洗浄部23における第2撹拌子洗浄部120の外面洗浄部121は、(k+1
)分析サイクルにて洗浄槽123に移動した第2撹拌子11b1の接触外面に付着した第
2の混合液を洗い落とすための洗浄を行う。
【0175】
洗浄ユニット制御部32bは、この洗浄動作で第2撹拌子洗浄部120から出力された
第1の計測データに基づいて、第1撹拌動作におけるステップS43乃至S46と同様に
動作する。
【0176】
そして、(k+1)分析サイクルでの第2撹拌動作で第2撹拌子面洗浄エラーが発生し
なかった場合には、(k+2)分析サイクルにて2テストの測定項目の第2の混合液を撹
拌する。更に、(k+2)分析サイクルでの第2撹拌動作で第2撹拌子面洗浄エラーが発
生しなかった場合には、(k+3)分析サイクルにて3テストの測定項目の第2の混合液
を撹拌する。
【0177】
ここで、1テスト乃至3テストに対応する第2撹拌動作で、第2撹拌子面洗浄エラーが
発生しなかった場合の動作の例を、以下に説明する。
【0178】
ステップS52の後に、反応部22の測光ユニット13は、第2の混合液を収容した反
応容器4Tiに光を照射して、透過した光から設定波長の吸光度を測定する。そして、被
検体ID「1」及び「2」の被検試料の各測定項目の被検データを生成してデータ処理部
40の演算部41に出力する(図16のステップS53)。
【0179】
演算部41は、測光ユニット13から出力された被検データから各被検試料の各測定項
目の分析データを生成して記憶部42に保存すると共に、出力部50に出力する(図16
のステップS54)。
【0180】
ステップS15の「はい」の後に、搬送部250は、被検体ID「2」の被検試料を収
容した試料容器17を、第2の分析部200bの分析部19b近傍に搬送する(図13の
ステップS61)。
【0181】
分析部19bは、被検体ID「2」の被検試料、及び3テストに対応する「HBsAg
」の免疫試薬の分注により混合された混合液を、免疫反応により発する光の強度を測定す
る。この測定により生成した被検データを演算部41に出力する(図16のステップS6
2)。
【0182】
なお、図13のサンプル分注動作でステップS9及びS12のSプローブ外面及び内面
洗浄エラーが発生したテストの被検試料は、第2の分析部200bでは分注されないよう
になっている。
【0183】
演算部41は、分析部19bから出力された被検データから分析データを生成して記憶
部42に保存すると共に、出力部50に出力する(図16のステップS63)。
【0184】
そして、分析部19a,19bのすべての分析ユニットの洗浄が終了し、被検体ID「
1」及び「2」の全ての測定項目の分析データが出力された時点で、自動分析装置300
は、測定動作を終了する(図16のステップS71)。
【0185】
以上述べた本発明の実施例によれば、サンプル分注プローブ16、第1及び第2試薬分
注プローブ14,15、及び第1及び第2撹拌子11a1,11b1の接触外面に供給す
る洗浄液の供給量を夫々計測して生成した第1の計測データに基づいて、各分析ユニット
に供給する洗浄液の供給量を正常範囲に調整することができる。また、各分析ユニットに
供給する洗浄液の供給量が正常範囲を外れ、警告範囲内であるときには、その警告情報を
出力部50に出力させることができる。
【0186】
そして、サンプル分注プローブ16の接触内面に供給する洗浄液の供給量を計測して生
成した第2の計測データ、及び第1の計測データに基づいて、サンプル分注プローブ16
の接触内面及び/又は接触外面に供給した洗浄液の供給量が許容範囲を外れたときに、次
の被検試料を分注するための分析部19a、19bにおけるサンプル分注動作を停止させ
ることができる。
【0187】
また、第1試薬分注プローブ14の接触内面に供給する洗浄液の供給量を計測して生成
した第2の計測データ、及び第1の計測データに基づいて、第1試薬分注プローブ14の
接触内面及び/又は接触外面に供給した洗浄液の供給量が許容範囲を外れたときに、次の
第1試薬を分注するための分析部19aにおける第1試薬分注動作を停止させることがで
きる。また、第2試薬分注プローブ15の接触内面に供給する洗浄液の供給量を計測して
生成した第2の計測データ、及び第1の計測データに基づいて、第2試薬分注プローブ1
5の接触内面及び/又は接触外面に供給した洗浄液の供給量が許容範囲を外れたときに、
次の第2試薬を分注するための分析部19aにおける第2試薬分注動作を停止させること
ができる。
【0188】
更に、第1撹拌子11a1の第1の計測データに基づいて、第1撹拌子11a1の接触
外面に供給した洗浄液の供給量が許容範囲を外れたときに、次の第1の混合液を撹拌する
ための分析部19aにおける第1撹拌動作を停止させることができる。また、第2撹拌子
11b1の第1の計測データに基づいて、第2撹拌子11b1の接触外面に供給した洗浄
液の供給量が許容範囲を外れたときに、次の第2の混合液を撹拌するための分析部19a
における第2撹拌動作を停止させることができる。
【0189】
これにより、各分析ユニットを介して以前の被検試料、試薬、混合液などの測定試料が
次の測定試料に持ち込まれるのを未然に防ぎ、精度よく測定することができる。
【符号の説明】
【0190】
19a,19b 分析部
20 サンプル部
21 試薬部
22 反応部
23 洗浄部
30a,30b 分析制御部
31 機構部
32 制御部
32a 機構制御部
32b 洗浄ユニット制御部
40 データ処理部
41 演算部
42 記憶部
50 出力部
51 印刷部
52 表示部
60 操作部
70 システム制御部
200a 第1の分析部
200b 第2の分析部
250 搬送部
300 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料及び試薬を容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料を前記容器に分注するサンプル分注プローブと、
前記試薬を前記容器に分注する試薬分注プローブと、
前記サンプル分注プローブの内面を洗浄するための洗浄液を供給する第1の供給手段と

前記第1の供給手段により供給される洗浄液の量について、第1の供給量と、当該第1
の供給量よりも多い第2の供給量とを設定し、当該第1の供給量より多い範囲を許容範囲
とする設定手段と、
前記第1の供給手段により供給される洗浄液の量を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測量と、前記許容範囲とに基づいて、前記サンプル分注プローブ
の動作を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
被検試料及び試薬を容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料を前記容器に分注するサンプル分注プローブと、
前記試薬を前記容器に分注する試薬分注プローブと、
前記試薬分注プローブの内面を洗浄するための洗浄液を供給する第2の供給手段と、
前記第2の供給手段により供給される洗浄液の量について、第1の供給量と、当該第1
の供給量よりも多い第2の供給量とを設定し、当該第1の供給量より多い範囲を許容範囲
とする設定手段と、
前記第2の供給手段により供給される洗浄液の量を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測量と、前記許容範囲とに基づいて、前記試薬分注プローブの動
作を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
前記設定手段は、当該第1の供給量より多く且つ当該第2の供給量よりも少ない供給量
の範囲を警告範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記計測手段による計測量が前記警告範囲に含まれる場合、前記サンプル分注プローブ
又は前記試薬分注プローブのうち少なくとも一つの洗浄を促すための報知を行う報知手段
を更に備える請求項3記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−61356(P2013−61356A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−944(P2013−944)
【出願日】平成25年1月8日(2013.1.8)
【分割の表示】特願2011−243995(P2011−243995)の分割
【原出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】