自動券売機、及び自動券売機における媒体の排出方法
【課題】本発明により、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)を排出口から重ねて排出する際に、カードの抜き取りを検知してから乗車券(あるいは明細票)を搬送することにより、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)の取り忘れ防止と取りやすさを両立させる。
【解決手段】印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くする。
【解決手段】印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駅などに設置される自動券売機、及び自動券売機における媒体の排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駅などに設置され、乗車券などの発券を行う自動券売機は、利用者が操作するためのタッチパネルを備えている。利用者は、タッチパネルに表示された乗車券の情報と金額から希望する乗車券をタッチ操作により選択後、硬貨及び紙幣を投入口に投入する。硬貨及び紙幣の投入後、乗車券の印字、乗車券の排出及び釣銭の排出を行うことにより、一連の発券処理を終了する。また、硬貨及び紙幣を投入口に投入する代わりに、クレジットカードをカード挿入口に挿入しても良いが、この場合、上記の処理の他に、クレジットカードの利用明細が記載された明細票の印字と、明細票及びクレジットカードの排出とを行う。
【0003】
クレジットカードを用いた乗車券の発券処理において、印字された乗車券(あるいは明細票)とクレジットカードとを排出する方法として、特許文献1には、乗車券(あるいは明細票)の排出口と、クレジットカードの排出口を別の物として、それぞれの排出口から乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードを排出する方法が記載されている。また、特許文献2には、装置内部で乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードを重ね合わせ、単一の排出口より排出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−334284号公報
【特許文献2】特開平1−173277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された自動券売機では、乗車券(あるいは明細票)の排出口とクレジットカードの排出口が離れた場所に設けられている。そのため、乗車券(あるいは明細票)とクレジットカードの両方を排出するとき、乗車券(あるいは明細票)またはクレジットカードを取り忘れることがある。
【0006】
また、特許文献2に記載された自動券売機を用いてクレジットカードより長い乗車券(あるいは明細票)を排出する場合、クレジットカードを下にして排出するときは、クレジットカードが乗車券(あるいは明細票)に隠れ、クレジットカードが返却されたことを確認できない。また、クレジットカードを上にして排出したとしても、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)の先端を揃えて排出すると、乗車券(あるいは明細票)の大部分が自動券売機内部の搬送路に保持されたままとなり、乗車券(あるいは明細票)の抜き取りを阻害する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くすることを特徴とする。
【0008】
上記の構成を採用することにより、印字部で印字した乗車券(あるいは明細票)を搬送路において一時的に保持し、クレジットカードと重ね合わせて排出することができる。また、乗車券(あるいは明細票)よりクレジットカードが先に抜き取られた場合、乗車券(あるいは明細票)を挟持する搬送路ローラを回転させることにより、利用者は乗車券(あるいは明細票)を忘れずに受け取ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)を排出口から重ねて排出する際に、カードの抜き取りを検知してから乗車券(あるいは明細票)を搬送することにより、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)の取り忘れ防止と取りやすさを両立することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動券売機の正面図である。
【図2】自動券売機の構成を示す概略図である。
【図3】自動券売機の機能ブロック図である。
【図4】明細票及びクレジットカードの排出フローである。
【図5】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の断面を示す図である。
【図6】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の断面を示す図である。
【図7】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の上面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜7を参照して、本実施形態における自動券売機について詳細にを説明する。
図1は、自動券売機1の正面図である。自動券売機1は、主に駅などに設置され、利用者の操作により乗車券などの発券を行うための装置である。自動券売機1は、利用者に対して、販売する乗車券の情報や金額など各種の情報を表示する表示装置2、硬貨が投入される硬貨投入口3、紙幣が投入される紙幣投入口4、硬貨が排出される硬貨排出口5、紙幣が排出される紙幣排出口6、クレジットカードの投入及び排出が行われるカード出入口と乗車券(あるいは明細票)の排出がされる券出口とを備えるカード・券出入口7、クレジットカードの暗証番号等を入力するテンキーボード13、などから構成される。
【0012】
表示装置2は、例えば利用者によるタッチ操作が可能なタッチパネルなどが用いられ、利用者は表示される画面の情報に従ってタッチ操作を行うことで乗車券を購入する。また、カード・券出入口7は上部から乗車券(あるいは明細票)を排出し、下部よりクレジットカードの投入及び排出をすることが可能な構造である。なお、本実施例では、取り扱うカードをクレジットカードとして説明するが、他のカードであっても磁気カードであれば利用できる。
【0013】
図2は、自動券売機1の構成を示す概略図である。自動券売機1の内部には、クレジットカード101の処理を行うカードリーダ9、ロール状に巻かれたロール紙102Aなどの印字用の媒体に印字を行う印字部10、乗車券(あるいは明細票)102B(印字済の媒体)を装置内部に一時保留するため、あるいは装置外部に搬送する搬送路12、乗車券(あるいは明細票)102Bを搬送する搬送路ローラ12A(12A−1、12A−2)、ロール紙102Aを切断し、ロール紙102Aと乗車券(あるいは明細票)102Bとを分離するカッタ12B、などから構成される。
【0014】
搬送路ローラ12Aは、搬送路12を挟んで上下1対となるように設けられており、乗車券(あるいは明細票)102Bを挟持することを可能としている。また、搬送路ローラ12Aは、バネなどの弾性体12C(12C−1、12C−2)と接続されており、ソレノイドなどを用いることにより、乗車券(あるいは明細票)102Bの狭持力を調整することを可能としている。
【0015】
図3は、自動券売機1の機能ブロック図である。自動券売機1には、表示装置2、装置全体を制御する制御部8、カードリーダ9、印字部10、乗車券(あるいは明細票)の搬送を制御する搬送路制御部11、などから構成される。制御部8は、CPU8Aやメモリ8B等から構成され、メモリ8Bには装置全体を制御するためのプログラム等各種データが記録されている。
【0016】
カードリーダ9は、利用者のクレジットカードの投入及び排出機能、クレジットカードの磁気ストライプやICチップのリードまたはライト機能、利用者によるクレジットカードの抜き取りを検知するカード抜き取り検知機能などを有している。印字部10は、利用者が選択した乗車券に関する情報やクレジットカードの利用明細をロール紙等に印字する印字機能、印字した乗車券(あるいは明細票)を排出する機能などを有している。また、搬送路制御部11は、搬送路ローラ12A及びカッタ12Bの制御することにより、乗車券(あるいは明細票)の搬送処理全体の制御を行う。
【0017】
以下、乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードの排出処理について詳細に説明する。なお、以下の説明では、クレジットカードの利用明細が記録された明細票とクレジットカードを重ねて排出する場合を説明するが、乗車券とクレジットカードを重ねて排出する場合も同様の処理を行う。
【0018】
図4は、明細票及びクレジットカードの排出フローを示した図である。最初に、印字部10は、利用者が選択したクレジットカードの利用明細をロール紙102Aに印字する(201)。印字されたロール紙102Aは、印字部10から排出されるとともに、搬送路ローラ12Aの駆動により、搬送路12に搬送される(202)。その後、カッタ12Bによりロール紙102Aを切断することにより、明細票102Bが分離される(203)。分離された明細票102Bは、搬送路ローラ12Aが上下方向から挟持することにより、搬送路12上に一時的に保持される(204)。カードリーダ9によってクレジットカードの処理が完了した後、クレジットカード101及び明細票102Bが一部排出された状態を保持する(205)。なお、明細票102Bが一部排出された状態を保持する際の弾性体12C−1、12C−2の挟持力をFとする。
【0019】
図5〜図7に示すように、クレジットカード101及び明細票102Bを一部排出する際に、明細票102Bを上側、クレジットカード101を下側とする。また、明細票102Bの先端は、カード・券出入口7より長さL2だけ出るように排出され、クレジットカード101の先端は、明細票102Bの先端よりさらに長さL3だけ出るように排出される。これにより、利用者は、クレジットカード101及び明細票102Bの両方の存在を視認できる。
【0020】
なお、本実施例では、クレジットカード101を下側として排出しているが、明細票102Bを上側にして排出しても良い。このとき、クレジットカード101の先端は、カード・券出入口7より長さL2だけ出るように排出され、明細票102Bの先端は、クレジットカード101の先端よりさらに長さL3だけ出るように排出することにより、クレジットカード101及び明細票102Bの両方の存在を視認できるようにする。
【0021】
図4に戻り、クレジットカード101及び明細票102Bの一部排出後、搬送路ローラ12Aに接続されている弾性体12Cにより、明細票102Bを挟持する力を弱め、明細票102Bにかかる負荷を低減させる。具体的には、図5に示すように明細票102Bの全長LがL1より長い場合(206:Yes)、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aが2つある(12A−1、12A−2)。そのため、弾性体12C−1、12C−2各々の挟持力をF1(F1<F)とする(207A)。一方、図6に示すように明細票102Bの全長がL1より短い場合(206:No)、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aは1つのみである(12A−1)。弾性体12C−1の挟持力をF2(F1<F2<F)とする(207B)。
【0022】
なお、上記206〜207Aまたは207Bは、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aが2つある場合の処理であるが、搬送路ローラ12Aが3つ以上ある場合についても、同様の処理を行う。すなわち、明細票102Bの全長L及び搬送路ローラ12Aの間隔から、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aの数を算出し、その数に応じて各弾性体12Cの挟持力を制御する構成としても良い。
【0023】
以上のように、弾性体12Cの挟持力を弱めることにより、利用者の明細票102を抜き取りに合わせて、搬送路ローラ12Aが自然回転する。これにより、利用者は負荷を感じることなく、明細票102Bを抜き取ることが可能となる。
【0024】
また、明細票102Bよりクレジットカード101を先に抜き取られたことを検知した場合(208:Y)、搬送路ローラ12Aに接続されている弾性体12Cの挟持力を再度Fとする(209)。その後、搬送路ローラ12Aを回転させることにより、搬送路12に一時保留している明細票102Bを搬送し(210)、カード・券出入口7から排出させる。
【0025】
なお、上記実施例では、カード・券出入口7のうち、乗車券(明細票)102Bの出口とクレジットカードの出入口を別々に設けている構成について説明したが、乗車券(明細票)102Bの出口である券出口とクレジットカード101の出入口であるカード出入口とを同一とすることにより、更に取り忘れを防止することが可能になる。この場合、自動券売機1の内部にクレジットカード101の搬送路を儲け、乗車券(明細票)102Bの搬送路12Aに合流させることにより、同一の口からクレジットカード101と乗車券(明細票)102Bを排出させる。
【符号の説明】
【0026】
1:自動券売機、2:表示装置、3:硬貨投入口、4:紙幣投入口、5:硬貨放出口、6:紙幣放出口、7:カード・券出入口、8:制御部、9:カードリーダ、10:印字部、11:搬送路制御部、12:搬送路、12A:搬送路ローラ、12B:カッタ、12C:弾性体、101:クレジットカード、102A:ロール紙、102B:乗車券(明細票)
【技術分野】
【0001】
本発明は、駅などに設置される自動券売機、及び自動券売機における媒体の排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駅などに設置され、乗車券などの発券を行う自動券売機は、利用者が操作するためのタッチパネルを備えている。利用者は、タッチパネルに表示された乗車券の情報と金額から希望する乗車券をタッチ操作により選択後、硬貨及び紙幣を投入口に投入する。硬貨及び紙幣の投入後、乗車券の印字、乗車券の排出及び釣銭の排出を行うことにより、一連の発券処理を終了する。また、硬貨及び紙幣を投入口に投入する代わりに、クレジットカードをカード挿入口に挿入しても良いが、この場合、上記の処理の他に、クレジットカードの利用明細が記載された明細票の印字と、明細票及びクレジットカードの排出とを行う。
【0003】
クレジットカードを用いた乗車券の発券処理において、印字された乗車券(あるいは明細票)とクレジットカードとを排出する方法として、特許文献1には、乗車券(あるいは明細票)の排出口と、クレジットカードの排出口を別の物として、それぞれの排出口から乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードを排出する方法が記載されている。また、特許文献2には、装置内部で乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードを重ね合わせ、単一の排出口より排出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−334284号公報
【特許文献2】特開平1−173277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された自動券売機では、乗車券(あるいは明細票)の排出口とクレジットカードの排出口が離れた場所に設けられている。そのため、乗車券(あるいは明細票)とクレジットカードの両方を排出するとき、乗車券(あるいは明細票)またはクレジットカードを取り忘れることがある。
【0006】
また、特許文献2に記載された自動券売機を用いてクレジットカードより長い乗車券(あるいは明細票)を排出する場合、クレジットカードを下にして排出するときは、クレジットカードが乗車券(あるいは明細票)に隠れ、クレジットカードが返却されたことを確認できない。また、クレジットカードを上にして排出したとしても、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)の先端を揃えて排出すると、乗車券(あるいは明細票)の大部分が自動券売機内部の搬送路に保持されたままとなり、乗車券(あるいは明細票)の抜き取りを阻害する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くすることを特徴とする。
【0008】
上記の構成を採用することにより、印字部で印字した乗車券(あるいは明細票)を搬送路において一時的に保持し、クレジットカードと重ね合わせて排出することができる。また、乗車券(あるいは明細票)よりクレジットカードが先に抜き取られた場合、乗車券(あるいは明細票)を挟持する搬送路ローラを回転させることにより、利用者は乗車券(あるいは明細票)を忘れずに受け取ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)を排出口から重ねて排出する際に、カードの抜き取りを検知してから乗車券(あるいは明細票)を搬送することにより、クレジットカードと乗車券(あるいは明細票)の取り忘れ防止と取りやすさを両立することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動券売機の正面図である。
【図2】自動券売機の構成を示す概略図である。
【図3】自動券売機の機能ブロック図である。
【図4】明細票及びクレジットカードの排出フローである。
【図5】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の断面を示す図である。
【図6】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の断面を示す図である。
【図7】明細票及びクレジットカードの排出時の自動券売機の上面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜7を参照して、本実施形態における自動券売機について詳細にを説明する。
図1は、自動券売機1の正面図である。自動券売機1は、主に駅などに設置され、利用者の操作により乗車券などの発券を行うための装置である。自動券売機1は、利用者に対して、販売する乗車券の情報や金額など各種の情報を表示する表示装置2、硬貨が投入される硬貨投入口3、紙幣が投入される紙幣投入口4、硬貨が排出される硬貨排出口5、紙幣が排出される紙幣排出口6、クレジットカードの投入及び排出が行われるカード出入口と乗車券(あるいは明細票)の排出がされる券出口とを備えるカード・券出入口7、クレジットカードの暗証番号等を入力するテンキーボード13、などから構成される。
【0012】
表示装置2は、例えば利用者によるタッチ操作が可能なタッチパネルなどが用いられ、利用者は表示される画面の情報に従ってタッチ操作を行うことで乗車券を購入する。また、カード・券出入口7は上部から乗車券(あるいは明細票)を排出し、下部よりクレジットカードの投入及び排出をすることが可能な構造である。なお、本実施例では、取り扱うカードをクレジットカードとして説明するが、他のカードであっても磁気カードであれば利用できる。
【0013】
図2は、自動券売機1の構成を示す概略図である。自動券売機1の内部には、クレジットカード101の処理を行うカードリーダ9、ロール状に巻かれたロール紙102Aなどの印字用の媒体に印字を行う印字部10、乗車券(あるいは明細票)102B(印字済の媒体)を装置内部に一時保留するため、あるいは装置外部に搬送する搬送路12、乗車券(あるいは明細票)102Bを搬送する搬送路ローラ12A(12A−1、12A−2)、ロール紙102Aを切断し、ロール紙102Aと乗車券(あるいは明細票)102Bとを分離するカッタ12B、などから構成される。
【0014】
搬送路ローラ12Aは、搬送路12を挟んで上下1対となるように設けられており、乗車券(あるいは明細票)102Bを挟持することを可能としている。また、搬送路ローラ12Aは、バネなどの弾性体12C(12C−1、12C−2)と接続されており、ソレノイドなどを用いることにより、乗車券(あるいは明細票)102Bの狭持力を調整することを可能としている。
【0015】
図3は、自動券売機1の機能ブロック図である。自動券売機1には、表示装置2、装置全体を制御する制御部8、カードリーダ9、印字部10、乗車券(あるいは明細票)の搬送を制御する搬送路制御部11、などから構成される。制御部8は、CPU8Aやメモリ8B等から構成され、メモリ8Bには装置全体を制御するためのプログラム等各種データが記録されている。
【0016】
カードリーダ9は、利用者のクレジットカードの投入及び排出機能、クレジットカードの磁気ストライプやICチップのリードまたはライト機能、利用者によるクレジットカードの抜き取りを検知するカード抜き取り検知機能などを有している。印字部10は、利用者が選択した乗車券に関する情報やクレジットカードの利用明細をロール紙等に印字する印字機能、印字した乗車券(あるいは明細票)を排出する機能などを有している。また、搬送路制御部11は、搬送路ローラ12A及びカッタ12Bの制御することにより、乗車券(あるいは明細票)の搬送処理全体の制御を行う。
【0017】
以下、乗車券(あるいは明細票)及びクレジットカードの排出処理について詳細に説明する。なお、以下の説明では、クレジットカードの利用明細が記録された明細票とクレジットカードを重ねて排出する場合を説明するが、乗車券とクレジットカードを重ねて排出する場合も同様の処理を行う。
【0018】
図4は、明細票及びクレジットカードの排出フローを示した図である。最初に、印字部10は、利用者が選択したクレジットカードの利用明細をロール紙102Aに印字する(201)。印字されたロール紙102Aは、印字部10から排出されるとともに、搬送路ローラ12Aの駆動により、搬送路12に搬送される(202)。その後、カッタ12Bによりロール紙102Aを切断することにより、明細票102Bが分離される(203)。分離された明細票102Bは、搬送路ローラ12Aが上下方向から挟持することにより、搬送路12上に一時的に保持される(204)。カードリーダ9によってクレジットカードの処理が完了した後、クレジットカード101及び明細票102Bが一部排出された状態を保持する(205)。なお、明細票102Bが一部排出された状態を保持する際の弾性体12C−1、12C−2の挟持力をFとする。
【0019】
図5〜図7に示すように、クレジットカード101及び明細票102Bを一部排出する際に、明細票102Bを上側、クレジットカード101を下側とする。また、明細票102Bの先端は、カード・券出入口7より長さL2だけ出るように排出され、クレジットカード101の先端は、明細票102Bの先端よりさらに長さL3だけ出るように排出される。これにより、利用者は、クレジットカード101及び明細票102Bの両方の存在を視認できる。
【0020】
なお、本実施例では、クレジットカード101を下側として排出しているが、明細票102Bを上側にして排出しても良い。このとき、クレジットカード101の先端は、カード・券出入口7より長さL2だけ出るように排出され、明細票102Bの先端は、クレジットカード101の先端よりさらに長さL3だけ出るように排出することにより、クレジットカード101及び明細票102Bの両方の存在を視認できるようにする。
【0021】
図4に戻り、クレジットカード101及び明細票102Bの一部排出後、搬送路ローラ12Aに接続されている弾性体12Cにより、明細票102Bを挟持する力を弱め、明細票102Bにかかる負荷を低減させる。具体的には、図5に示すように明細票102Bの全長LがL1より長い場合(206:Yes)、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aが2つある(12A−1、12A−2)。そのため、弾性体12C−1、12C−2各々の挟持力をF1(F1<F)とする(207A)。一方、図6に示すように明細票102Bの全長がL1より短い場合(206:No)、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aは1つのみである(12A−1)。弾性体12C−1の挟持力をF2(F1<F2<F)とする(207B)。
【0022】
なお、上記206〜207Aまたは207Bは、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aが2つある場合の処理であるが、搬送路ローラ12Aが3つ以上ある場合についても、同様の処理を行う。すなわち、明細票102Bの全長L及び搬送路ローラ12Aの間隔から、明細票102Bを挟持する搬送路ローラ12Aの数を算出し、その数に応じて各弾性体12Cの挟持力を制御する構成としても良い。
【0023】
以上のように、弾性体12Cの挟持力を弱めることにより、利用者の明細票102を抜き取りに合わせて、搬送路ローラ12Aが自然回転する。これにより、利用者は負荷を感じることなく、明細票102Bを抜き取ることが可能となる。
【0024】
また、明細票102Bよりクレジットカード101を先に抜き取られたことを検知した場合(208:Y)、搬送路ローラ12Aに接続されている弾性体12Cの挟持力を再度Fとする(209)。その後、搬送路ローラ12Aを回転させることにより、搬送路12に一時保留している明細票102Bを搬送し(210)、カード・券出入口7から排出させる。
【0025】
なお、上記実施例では、カード・券出入口7のうち、乗車券(明細票)102Bの出口とクレジットカードの出入口を別々に設けている構成について説明したが、乗車券(明細票)102Bの出口である券出口とクレジットカード101の出入口であるカード出入口とを同一とすることにより、更に取り忘れを防止することが可能になる。この場合、自動券売機1の内部にクレジットカード101の搬送路を儲け、乗車券(明細票)102Bの搬送路12Aに合流させることにより、同一の口からクレジットカード101と乗車券(明細票)102Bを排出させる。
【符号の説明】
【0026】
1:自動券売機、2:表示装置、3:硬貨投入口、4:紙幣投入口、5:硬貨放出口、6:紙幣放出口、7:カード・券出入口、8:制御部、9:カードリーダ、10:印字部、11:搬送路制御部、12:搬送路、12A:搬送路ローラ、12B:カッタ、12C:弾性体、101:クレジットカード、102A:ロール紙、102B:乗車券(明細票)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、
前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を重ね合わせ、前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、
重ね合わせた前記印字済みの媒体と前記カードのうち、下側にある前記印字済みの媒体又は前記カードの排出した長さを、上側にある前記カード又は前記印字済みの媒体の排出した長さよりも長くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自動券売機において、
前記制御部は、前記印字済みの媒体の長さから前記印字済みの媒体を挟持する前記搬送路ローラの数を算出し、算出された前記搬送路ローラの数に応じて、前記印字済みの媒体を挟持する力を可変とすることを特徴とする自動券売機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の自動券売機において、
前記印字済みの媒体よりも前記カードが先に抜き取られた場合、前記制御部は、ことをを先に抜き取ったことが検知された場合、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を強くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項5】
印字用の媒体に各種の情報を印字するステップと、
印字済みの媒体を搬送するステップと、
前記印字済みの媒体と前記カードの一部を重ね合わせ、前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するステップと、
前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くするステップと、
を有することを特徴とする自動券売機における媒体の排出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の自動券売機における媒体の排出方法において、
前記印字済みの媒体よりも前記カードが先に抜き取られた場合、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を強くするステップをさらに有することを特徴とする自動券売機における媒体の排出方法。
【請求項1】
印字用の媒体に各種の情報を印字する印字部と、印字済みの媒体を搬送する搬送路と、前記印字済みの媒体を搬送する搬送路ローラと、前記印字済みの媒体が排出される券出口と、カードの処理を行うカードリーダと、該カードの投入及び排出がされるカード出入口と、装置全体を制御する制御部とを備えた自動券売機において、
前記制御部は、前記印字済みの媒体と前記カードの一部を重ね合わせ、前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するともに、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、
重ね合わせた前記印字済みの媒体と前記カードのうち、下側にある前記印字済みの媒体又は前記カードの排出した長さを、上側にある前記カード又は前記印字済みの媒体の排出した長さよりも長くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自動券売機において、
前記制御部は、前記印字済みの媒体の長さから前記印字済みの媒体を挟持する前記搬送路ローラの数を算出し、算出された前記搬送路ローラの数に応じて、前記印字済みの媒体を挟持する力を可変とすることを特徴とする自動券売機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の自動券売機において、
前記印字済みの媒体よりも前記カードが先に抜き取られた場合、前記制御部は、ことをを先に抜き取ったことが検知された場合、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を強くすることを特徴とする自動券売機。
【請求項5】
印字用の媒体に各種の情報を印字するステップと、
印字済みの媒体を搬送するステップと、
前記印字済みの媒体と前記カードの一部を重ね合わせ、前記券出口及び前記カード出入口から排出させた状態を保持するステップと、
前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を弱くするステップと、
を有することを特徴とする自動券売機における媒体の排出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の自動券売機における媒体の排出方法において、
前記印字済みの媒体よりも前記カードが先に抜き取られた場合、前記搬送路ローラによる前記印字済みの媒体を挟持する力を強くするステップをさらに有することを特徴とする自動券売機における媒体の排出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−190091(P2012−190091A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50970(P2011−50970)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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