自動力率制御装置および自動力率制御方法
【課題】常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定すること。
【解決手段】電力系統1の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサC1〜Cnを投入し、または遮断して電力系統1の力率を制御する自動力率制御装置10であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部13と、複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部15とを備える。
【解決手段】電力系統1の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサC1〜Cnを投入し、または遮断して電力系統1の力率を制御する自動力率制御装置10であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部13と、複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部15とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統の力率を自動的に改善する自動力率制御装置および自動力率制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統における無効電力は、一般に遅れ力率であり、この無効電力が所定限度より遅れたときに進相コンデンサを投入し、所定限度より進んだときに進相コンデンサを遮断することによって、この電力系統の力率を改善することができる。
【0003】
ここで、特許文献1には、電力系統の電圧、電流から無効電力、力率を検出する検出部、目標力率などの各種動作条件を整定する動作条件整定部、この動作条件をもとに進相コンデンサ容量の投入/遮断レベルを算出する演算部、複数の異なる容量の進相コンデンサの中から選択した進相コンデンサを電力系統に対して投入、遮断する出力部などを備え、電力系統からの検出情報をもとに異なる容量の進相コンデンサを選択的に投入もしくは遮断して電力系統の力率改善を図る自動力率調整装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3114279号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、異なる容量を含む複数の進相コンデンサの組合せパターンを作成して力率制御を行う場合、予め投入する進相コンデンサの組合せパターンを決定しておく必要があるとともに、進相コンデンサの容量変更や進相コンデンサの追加などを行う場合、その都度、進相コンデンサの組合せパターンを作成し直す必要があり、手間がかかるという問題点があった。特に、進相コンデンサの数が増大するに従って指数関数的に組合せパターンが増大する。
【0006】
一方、進相コンデンサの組合せパターンを用いずに、進相コンデンサの容量の小さい順に投入し、進相コンデンサの容量の大きい順に遮断する制御を行う場合、投入、遮断が繰り返すハンチング状態となり、所望範囲の力率に制御することができない場合が発生するという問題点があった。
【0007】
たとえば、4つの進相コンデンサがあり、それぞれ50kvar、50kvar、75kvar、100kvarの容量で、現在、50kvar、50kvar、75kvarの進相コンデンサが投入済みで、100kvarの進相コンデンサが未投入である場合であって、図15に示すような状態で進相コンデンサの投入が必要になった場合、図16に示すように、100kvarの進相コンデンサの投入と遮断とが繰り返され、いずれの状態であっても、所定範囲内の力率に収まることがない。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる自動力率制御装置および自動力率制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる自動力率制御装置は、電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御装置であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部と、前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部と、前記最適化演算部から出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記最適化演算部は、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定部を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記判定部は、各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成回路と、現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算するEXOR回路と、判定対象のビットパターンを反転するNOT回路と、前記EXOR回路の出力と前記NOT回路との出力の論理積をとるAND回路と、該AND回路の出力ビットパターンのビットをカウントするビットカウンタとを有して遮断数を算出するパターン比較回路と、を備え、前記パターン比較回路の出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御方法であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出ステップと、前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算ステップと、前記最適化演算ステップから出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記最適化演算ステップは、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記判定ステップは、各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成ステップと、現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算し、判定対象のビットパターンを反転した値と前記排他的論理和の出力値と論理積をとり、該論理積の出力ビットパターンのビットをカウントして遮断数を算出するパターン比較ステップと、を含み、前記パターン比較ステップの出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、最適化演算部が、複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力するようにしているので、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明の実施の形態である自動力率制御装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】図2は、この発明の実施の形態である自動力率制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図4】図4は、ペナルティ関数の場合分けに対応する領域を示す図である。
【図5】図5は、ペナルティ関数を導入した場合としない場合とを比較する図である。
【図6】図6は、遮断数の少ない組合せパターンを選択する場合の投入済み組合せパターンの一例を示す図である。
【図7】図7は、遮断数の少ない組合せパターンを選択する場合の力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図8】図8は、比較対象となる組合せパターンのバイナリ変換を説明する図である。
【図9】図9は、パターン比較回路の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図11】図11は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図12】図12は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図13】図13は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図14】図14は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図15】図15は、従来の組合せパターンを用いないで力率制御を行う場合の力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図16】図16は、図15による力率制御を行った場合に生じるハンチング状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態である自動力率制御装置および自動力率制御方法について説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態である自動力率制御装置の概要構成を示す模式図である。図1に示すように、この自動力率制御装置10は、電圧検出部11、電流検出部12、算出部13、制御部14,最適化演算部15、判定部16、および切替出力部17を有する。自動力率制御装置10は、電力系統1の力率をモニタし、この力率が所定範囲となるように、開閉器20を制御して、異なる容量を含む複数の進相コンデンサC1〜Cnの電力系統1への投入あるいは遮断を行うようにしている。
【0021】
電圧検出部11および電流検出部12は、それぞれ電力系統1から電圧変成器2および電流変成器3を介して電力系統1の電圧および電流を検出する。算出部13は、電圧検出部11が検出した電圧と電流検出部12が検出した電流とをもとに、力率、有効電力を求め、この力率と有効電力を用いて無効電力を算出する。具体的には、目標力率と現在の有効電力とをもとに目標無効電力を算出する。また、現在の力率と現在の有効電力とをもとに現在の無効電力を算出する。最適化演算部15は、目標無効電力と、投入すべき任意数の進相コンデンサC1〜Cnの合計容量との偏差が最小となるときの進相コンデンサC1〜Cnの組合せを探索する最適化演算を行う。判定部16は、同じ容量の進相コンデンサC1〜Cnの組合せが複数ある場合に、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せパターンを選択出力する。制御部14は、最適化演算部15あるいは判定部16から出力された進相コンデンサの組合せに対応する進相コンデンサを投入する指示を切替出力部17を介して開閉器20に出力する。この場合、既に投入済みの進相コンデンサと新たに投入する進相コンデンサとが同じである場合、そのまま投入状態を維持させる。
【0022】
ここで、図2に示したフローチャートを参照して、制御部14による自動力率制御処理手順について説明する。まず、制御部14は、算出部13に対して目標無効電力および無効電力現在値を算出させる(ステップS101)。その後、最適化演算部15によって目標無効電力との偏差が最も小さくなるときの進相コンデンサの組合せを探索する最適化演算処理を行う(ステップS102)。その後、同じ容量をもつ進相コンデンサの組合せが複数あるか否かを判断し(ステップS103)、組合せが複数ある場合(ステップS103,Yes)には、判定部16によって、遮断数が最も少ない組合せを選択する選択処理を行わせる(ステップS104)。そして、同じ組合せが複数ない場合(ステップS103,No)における進相コンデンサの1つの組合せ、あるいはステップS104によって選択された1つの組合せを開閉器20側に出力する切替処理を行う(ステップS105)。その後、本処理に対する終了指示があったか否かを判断し(ステップS106)、終了指示があった場合(ステップS106,Yes)には、本処理を終了し、終了指示がない場合(ステップS106,No)には、ステップS101に移行して上述した処理を繰り返す。
【0023】
ここで、最適化演算処理についてさらに説明する。図3は、力率と無効電力との関係を示す図である。最適化演算部15は、次式(1)を、次式(2)の制約条件のもとに演算する。
Min{|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|} …(1)
進み側無効電力制限値<ΣSCA+PV−ΣSC−SUM≦遅れ側無効電力制限値
…(2)
ここで、ΣSCAは、自動投入済進相コンデンサの合計容量であり、PVは、現在の力率と現在の有効電力とから算出される無効電力現在値であり、Q0は、目標力率θ0と現在の有効電力とから算出される目標無効電力であり、ΣSC−SUMは、進相コンデンサの組合せによる合計容量である。ここで、ΣSC−SUMは、変数であり、式(1)が最小となるときの変数ΣSC−SUMの進相コンデンサの組合せが最適解となって出力される。なお、図3に示すように、無効電力現在値PVの符号は、遅れでプラス(+)となり、進みでマイナス(−)となる。同様に、目標無効電力Q0の符号も、遅れでプラス(+)となり、進みでマイナス(−)となる。
【0024】
式(1)は、図3に示すように、目標無効電力Q0と、進相コンデンサ組合せの合計容量であるΣSC−SUMとの偏差εを最小にすることを意味する。その際、式(2)に示す制約条件を満足する必要がある。式(2)は、図3に示すように、進み側の制限力率θLEADと、遅れ側の制限力率θLAGとの範囲内収まる力率の無効電力となることを条件としている。なお、図3において、ΣSCMは、手動により投入済みの進相コンデンサの合計容量である。
【0025】
(ペナルティ関数の導入)
ここで、この実施の形態では、式(1)の最適解を求める際に、ペナルティ関数Pxを導入している。このペナルティ関数Pxは、式(2)に示した制約条件と同じである(ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)の値が、進み側無効電力制限値未満の場合に、Px=α1を与え、それ以外、すなわち、(ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)の値が、進み側無効電力制限値以上の場合に、Px=0とする関数である(図4参照)。すなわち、
Px=α1 ((ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)<進み側無効電力制限値 のとき)
Px=0 ((ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)≧進み側無効電力制限値 のとき)
となる。
【0026】
そして、式(1)に示した演算式にペナルティ関数Pxを加算して演算する。すなわち、式(1)に替えて次式(3)を満足する最適解ΣSC−SUMを探索する。
Min{|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px} …(3)
ここで、たとえばα1=(進相コンデンサの最大容量)×(制御対象進相コンデンサの現在数)としている。
【0027】
このペナルティ関数Pxを加えて最適解を求めると、進み側無効電力制限値を越えた進相コンデンサの組合せを選択する可能性を低くすることができる。たとえば、図5に示すように、進相コンデンサが1つも投入されていない状態で、かつ投入できる進相コンデンサが、100kvarが1つと、150kvarが1つの2つである場合を考える。なお、進み側制限力率θLEAD=0(すなわち進み側無効電力制限値=0)で、無効電力現在値PV=140kvar、目標無効電力Q0=10kvarとすると、ペナルティ関数Pxを用いず式(1)を用いた演算を行うと、偏差εの無効電力絶対値Q1は、100kvarの進相コンデンサが投入される場合には、
Q1=|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|
=|0+140―10−100|
=30(kvar)
となり、150kvarの進相コンデンサが投入された場合の偏差εの無効電力絶対値Q2は、
Q2=|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|
=|0+140―10−150|
=20(kvar)
となり、Q1>Q2であるので、Q2を最小値として算出する。この場合、Q2=20(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差は、進み側無効電力制限値=0(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差よりも大きく、進み側無効電力制限値=0(kvar)を越えてしまう。
【0028】
これに対し、ペナルティ関数Pxを用いると、
α1=150×2
=300
である。
100kvarの進相コンデンサがと投入される場合には、
Q1P=(|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px)
=(|0+140―10−100|+0)
=30(kvar)
となり、150kvarの進相コンデンサが投入された場合、
Q2P=(|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px)
=(|0+140―10−150|+(150×2))
=320(kvar)
となり、Q1P<Q2Pであるので、Q1Pを最小値として算出する。この場合、Q1P=30(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差は、進み側無効電力制限値=0(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差を越えるが、進み側無効電力制限値=0(kvar)を越えない(図5参照)。したがって、ペナルティ関数Pxを導入することによって、高い確率で、改善後の無効電力値を制約条件内とすることができ、安定した力率改善を行うことができる。
【0029】
この実施の形態では、式(1)あるいは式(3)に示した関数を用いて、制約条件下で、改善後の無効電力に対応した力率と目標力率θ0に対応した目標無効電力P0との無効電力偏差εが最小となる最適な進相コンデンサの組合せを探索して、この探索した組合せの進相コンデンサを投入するようにしているので、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる。
【0030】
(判定部の導入)
ところで、最適解として、組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる複数の解が出力される場合がある。この場合、判定部16は、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する。この判定部16の具体的な動作について説明する。
【0031】
まず、前提として、現在図7に示すように、75kvar×2、10kvar×1、50kvar×3の6つの進相コンデンサがあり、現在投入済みの進相コンデンサが2つで、50kvar×2=100kvarの容量である場合(図6参照)に、負荷の増大によって、合計150kvarの進相コンデンサの容量を投入する必要がある場合を考える(図6参照)。
【0032】
この場合、上述した式(1)または式(3)によって得られた進相コンデンサの組合せは、図8に示すように、150kvarの容量を実現する5つの組合せパターンが最適解として得られる(図8(a)参照)。そこで、判定部16は、この5つの組合せパターンを各進相コンデンサの識別値(名称)に対応してビット配置した6ビットのバイナリ値に変換する(図8(b)参照)。この変換に際して、進相コンデンサが投入される場合にはビット「1」を立て、投入されない場合には、ビット「0」としている。たとえば、各進相コンデンサの名称が、「1号SC」(50kvar)、「2号SC」(50kvar)、「3号SC」(50kvar)、「4号SC」(100kvar)、「5号SC」(75kvar)、「6号SC」(75kvar)である場合で、ビットパターン生成回路によって、低ビット側から「1号SC」、「2号SC」、「3号SC」、「4号SC」、「5号SC」、「6号SC」をビット配置する(図8(c)参照)。この場合、現在投入済みの組合せパターンは、「000110」と変換される。
【0033】
ここで、5つの組合せパターンが、それぞれ図8に示すように、「110000」、「001100」、「001010」、「001001」、「000111」であり、上述したように、現在投入済みの組合せパターンが、「000110」である場合、図9に示したパターン比較回路を用いて、遮断数の少ない組合せを最適組合せとして選択する。このパターン比較回路は、現在投入済みの組合せパターンのバイナリ値B1と、各比較対象の組合せパターンの各バイナリ値B1〜B5(Bx)とを比較し、出力値が最小値となる組合せパターンを最適組合せパターンとして選択する。
【0034】
このパターン比較回路は、図9に示すように、まずEXOR回路31によって、バイナリ値B0とバイナリ値Bxとの排他的論理和を演算するとともに、NOT回路32によってバイナリ値Bxの反転を演算する。その後、AND回路33が、排他的論理和の値と反転値との論理積をとり、ビットカウンタ34がこの論理積を示すビットの「1」の数をカウントして出力する。この出力値は、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数を示すことなる。
【0035】
具体的に、5つの組合せパターン「1」〜「5」(バイナリ値B1〜B5)は、図10〜図14に示すように、現在投入済みの組合せパターン(バイナリ値B0)と比較される。その結果、5つの組合せパターン「1」〜「5」の出力値は、それぞれ「2」、「1」、「1」、「2」、「0」となり、値が最も小さい組合せパターン5が、最適組合せパターンとして選択される。この場合、現在投入されている「3号SC」と「2号SC」とは投入状態が維持され、新たに「1号SC」を投入することになり、遮断数が0となる。
【0036】
なお、パターン比較回路を用いても、同一の遮断数となる組合せが複数ある場合には、予め設定された優先条件にしたがって選択すればよい。たとえば、進相コンデンサに割り当てられた名称である号機の番号の小さい方を有する組合せを優先的に選択するとよい。その他、複数の優先条件をもちいて選択することが好ましい。いずれにしても、選択された組合せは、同一の遮断数を有するので、いずれが選択されてもよい。
【0037】
また、上述した実施の形態では、進相コンデンサの投入・遮断による自動力率制御を行うものであったが、同様な構成および処理によって、進相コンデンサの投入・遮断による自動無効電力制御を行うことができる。すなわち、制御対象を力率を基準にするか、無効電力を基準にするかの違いである。
【符号の説明】
【0038】
1 電力系統
2 電圧変成器
3 電流変成器
10 自動力率制御装置
11 電圧検出部
12 電流検出部
13 算出部
14 制御部
15 最適化演算部
16 判定部
17 切替出力部
20 開閉器
C1〜Cn 進相コンデンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統の力率を自動的に改善する自動力率制御装置および自動力率制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統における無効電力は、一般に遅れ力率であり、この無効電力が所定限度より遅れたときに進相コンデンサを投入し、所定限度より進んだときに進相コンデンサを遮断することによって、この電力系統の力率を改善することができる。
【0003】
ここで、特許文献1には、電力系統の電圧、電流から無効電力、力率を検出する検出部、目標力率などの各種動作条件を整定する動作条件整定部、この動作条件をもとに進相コンデンサ容量の投入/遮断レベルを算出する演算部、複数の異なる容量の進相コンデンサの中から選択した進相コンデンサを電力系統に対して投入、遮断する出力部などを備え、電力系統からの検出情報をもとに異なる容量の進相コンデンサを選択的に投入もしくは遮断して電力系統の力率改善を図る自動力率調整装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3114279号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、異なる容量を含む複数の進相コンデンサの組合せパターンを作成して力率制御を行う場合、予め投入する進相コンデンサの組合せパターンを決定しておく必要があるとともに、進相コンデンサの容量変更や進相コンデンサの追加などを行う場合、その都度、進相コンデンサの組合せパターンを作成し直す必要があり、手間がかかるという問題点があった。特に、進相コンデンサの数が増大するに従って指数関数的に組合せパターンが増大する。
【0006】
一方、進相コンデンサの組合せパターンを用いずに、進相コンデンサの容量の小さい順に投入し、進相コンデンサの容量の大きい順に遮断する制御を行う場合、投入、遮断が繰り返すハンチング状態となり、所望範囲の力率に制御することができない場合が発生するという問題点があった。
【0007】
たとえば、4つの進相コンデンサがあり、それぞれ50kvar、50kvar、75kvar、100kvarの容量で、現在、50kvar、50kvar、75kvarの進相コンデンサが投入済みで、100kvarの進相コンデンサが未投入である場合であって、図15に示すような状態で進相コンデンサの投入が必要になった場合、図16に示すように、100kvarの進相コンデンサの投入と遮断とが繰り返され、いずれの状態であっても、所定範囲内の力率に収まることがない。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる自動力率制御装置および自動力率制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる自動力率制御装置は、電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御装置であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部と、前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部と、前記最適化演算部から出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記最適化演算部は、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定部を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる自動力率制御装置は、上記の発明において、前記判定部は、各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成回路と、現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算するEXOR回路と、判定対象のビットパターンを反転するNOT回路と、前記EXOR回路の出力と前記NOT回路との出力の論理積をとるAND回路と、該AND回路の出力ビットパターンのビットをカウントするビットカウンタとを有して遮断数を算出するパターン比較回路と、を備え、前記パターン比較回路の出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御方法であって、設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出ステップと、前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算ステップと、前記最適化演算ステップから出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記最適化演算ステップは、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定ステップを含むことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる自動力率制御方法は、上記の発明において、前記判定ステップは、各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成ステップと、現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算し、判定対象のビットパターンを反転した値と前記排他的論理和の出力値と論理積をとり、該論理積の出力ビットパターンのビットをカウントして遮断数を算出するパターン比較ステップと、を含み、前記パターン比較ステップの出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、最適化演算部が、複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力するようにしているので、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明の実施の形態である自動力率制御装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】図2は、この発明の実施の形態である自動力率制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図4】図4は、ペナルティ関数の場合分けに対応する領域を示す図である。
【図5】図5は、ペナルティ関数を導入した場合としない場合とを比較する図である。
【図6】図6は、遮断数の少ない組合せパターンを選択する場合の投入済み組合せパターンの一例を示す図である。
【図7】図7は、遮断数の少ない組合せパターンを選択する場合の力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図8】図8は、比較対象となる組合せパターンのバイナリ変換を説明する図である。
【図9】図9は、パターン比較回路の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図11】図11は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図12】図12は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図13】図13は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図14】図14は、パターン比較回路による比較結果の一例を示す図である。
【図15】図15は、従来の組合せパターンを用いないで力率制御を行う場合の力率と無効電力と進相コンデンサの容量との関係を示す図である。
【図16】図16は、図15による力率制御を行った場合に生じるハンチング状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態である自動力率制御装置および自動力率制御方法について説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態である自動力率制御装置の概要構成を示す模式図である。図1に示すように、この自動力率制御装置10は、電圧検出部11、電流検出部12、算出部13、制御部14,最適化演算部15、判定部16、および切替出力部17を有する。自動力率制御装置10は、電力系統1の力率をモニタし、この力率が所定範囲となるように、開閉器20を制御して、異なる容量を含む複数の進相コンデンサC1〜Cnの電力系統1への投入あるいは遮断を行うようにしている。
【0021】
電圧検出部11および電流検出部12は、それぞれ電力系統1から電圧変成器2および電流変成器3を介して電力系統1の電圧および電流を検出する。算出部13は、電圧検出部11が検出した電圧と電流検出部12が検出した電流とをもとに、力率、有効電力を求め、この力率と有効電力を用いて無効電力を算出する。具体的には、目標力率と現在の有効電力とをもとに目標無効電力を算出する。また、現在の力率と現在の有効電力とをもとに現在の無効電力を算出する。最適化演算部15は、目標無効電力と、投入すべき任意数の進相コンデンサC1〜Cnの合計容量との偏差が最小となるときの進相コンデンサC1〜Cnの組合せを探索する最適化演算を行う。判定部16は、同じ容量の進相コンデンサC1〜Cnの組合せが複数ある場合に、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せパターンを選択出力する。制御部14は、最適化演算部15あるいは判定部16から出力された進相コンデンサの組合せに対応する進相コンデンサを投入する指示を切替出力部17を介して開閉器20に出力する。この場合、既に投入済みの進相コンデンサと新たに投入する進相コンデンサとが同じである場合、そのまま投入状態を維持させる。
【0022】
ここで、図2に示したフローチャートを参照して、制御部14による自動力率制御処理手順について説明する。まず、制御部14は、算出部13に対して目標無効電力および無効電力現在値を算出させる(ステップS101)。その後、最適化演算部15によって目標無効電力との偏差が最も小さくなるときの進相コンデンサの組合せを探索する最適化演算処理を行う(ステップS102)。その後、同じ容量をもつ進相コンデンサの組合せが複数あるか否かを判断し(ステップS103)、組合せが複数ある場合(ステップS103,Yes)には、判定部16によって、遮断数が最も少ない組合せを選択する選択処理を行わせる(ステップS104)。そして、同じ組合せが複数ない場合(ステップS103,No)における進相コンデンサの1つの組合せ、あるいはステップS104によって選択された1つの組合せを開閉器20側に出力する切替処理を行う(ステップS105)。その後、本処理に対する終了指示があったか否かを判断し(ステップS106)、終了指示があった場合(ステップS106,Yes)には、本処理を終了し、終了指示がない場合(ステップS106,No)には、ステップS101に移行して上述した処理を繰り返す。
【0023】
ここで、最適化演算処理についてさらに説明する。図3は、力率と無効電力との関係を示す図である。最適化演算部15は、次式(1)を、次式(2)の制約条件のもとに演算する。
Min{|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|} …(1)
進み側無効電力制限値<ΣSCA+PV−ΣSC−SUM≦遅れ側無効電力制限値
…(2)
ここで、ΣSCAは、自動投入済進相コンデンサの合計容量であり、PVは、現在の力率と現在の有効電力とから算出される無効電力現在値であり、Q0は、目標力率θ0と現在の有効電力とから算出される目標無効電力であり、ΣSC−SUMは、進相コンデンサの組合せによる合計容量である。ここで、ΣSC−SUMは、変数であり、式(1)が最小となるときの変数ΣSC−SUMの進相コンデンサの組合せが最適解となって出力される。なお、図3に示すように、無効電力現在値PVの符号は、遅れでプラス(+)となり、進みでマイナス(−)となる。同様に、目標無効電力Q0の符号も、遅れでプラス(+)となり、進みでマイナス(−)となる。
【0024】
式(1)は、図3に示すように、目標無効電力Q0と、進相コンデンサ組合せの合計容量であるΣSC−SUMとの偏差εを最小にすることを意味する。その際、式(2)に示す制約条件を満足する必要がある。式(2)は、図3に示すように、進み側の制限力率θLEADと、遅れ側の制限力率θLAGとの範囲内収まる力率の無効電力となることを条件としている。なお、図3において、ΣSCMは、手動により投入済みの進相コンデンサの合計容量である。
【0025】
(ペナルティ関数の導入)
ここで、この実施の形態では、式(1)の最適解を求める際に、ペナルティ関数Pxを導入している。このペナルティ関数Pxは、式(2)に示した制約条件と同じである(ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)の値が、進み側無効電力制限値未満の場合に、Px=α1を与え、それ以外、すなわち、(ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)の値が、進み側無効電力制限値以上の場合に、Px=0とする関数である(図4参照)。すなわち、
Px=α1 ((ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)<進み側無効電力制限値 のとき)
Px=0 ((ΣSCA+PV−ΣSC−SUM)≧進み側無効電力制限値 のとき)
となる。
【0026】
そして、式(1)に示した演算式にペナルティ関数Pxを加算して演算する。すなわち、式(1)に替えて次式(3)を満足する最適解ΣSC−SUMを探索する。
Min{|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px} …(3)
ここで、たとえばα1=(進相コンデンサの最大容量)×(制御対象進相コンデンサの現在数)としている。
【0027】
このペナルティ関数Pxを加えて最適解を求めると、進み側無効電力制限値を越えた進相コンデンサの組合せを選択する可能性を低くすることができる。たとえば、図5に示すように、進相コンデンサが1つも投入されていない状態で、かつ投入できる進相コンデンサが、100kvarが1つと、150kvarが1つの2つである場合を考える。なお、進み側制限力率θLEAD=0(すなわち進み側無効電力制限値=0)で、無効電力現在値PV=140kvar、目標無効電力Q0=10kvarとすると、ペナルティ関数Pxを用いず式(1)を用いた演算を行うと、偏差εの無効電力絶対値Q1は、100kvarの進相コンデンサが投入される場合には、
Q1=|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|
=|0+140―10−100|
=30(kvar)
となり、150kvarの進相コンデンサが投入された場合の偏差εの無効電力絶対値Q2は、
Q2=|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|
=|0+140―10−150|
=20(kvar)
となり、Q1>Q2であるので、Q2を最小値として算出する。この場合、Q2=20(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差は、進み側無効電力制限値=0(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差よりも大きく、進み側無効電力制限値=0(kvar)を越えてしまう。
【0028】
これに対し、ペナルティ関数Pxを用いると、
α1=150×2
=300
である。
100kvarの進相コンデンサがと投入される場合には、
Q1P=(|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px)
=(|0+140―10−100|+0)
=30(kvar)
となり、150kvarの進相コンデンサが投入された場合、
Q2P=(|ΣSCA+PV−Q0−ΣSC−SUM|+Px)
=(|0+140―10−150|+(150×2))
=320(kvar)
となり、Q1P<Q2Pであるので、Q1Pを最小値として算出する。この場合、Q1P=30(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差は、進み側無効電力制限値=0(kvar)と目標無効電力Q0=10(kvar)との間の偏差を越えるが、進み側無効電力制限値=0(kvar)を越えない(図5参照)。したがって、ペナルティ関数Pxを導入することによって、高い確率で、改善後の無効電力値を制約条件内とすることができ、安定した力率改善を行うことができる。
【0029】
この実施の形態では、式(1)あるいは式(3)に示した関数を用いて、制約条件下で、改善後の無効電力に対応した力率と目標力率θ0に対応した目標無効電力P0との無効電力偏差εが最小となる最適な進相コンデンサの組合せを探索して、この探索した組合せの進相コンデンサを投入するようにしているので、常に最適な進相コンデンサの容量を簡易かつ短時間に安定設定することができる。
【0030】
(判定部の導入)
ところで、最適解として、組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる複数の解が出力される場合がある。この場合、判定部16は、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する。この判定部16の具体的な動作について説明する。
【0031】
まず、前提として、現在図7に示すように、75kvar×2、10kvar×1、50kvar×3の6つの進相コンデンサがあり、現在投入済みの進相コンデンサが2つで、50kvar×2=100kvarの容量である場合(図6参照)に、負荷の増大によって、合計150kvarの進相コンデンサの容量を投入する必要がある場合を考える(図6参照)。
【0032】
この場合、上述した式(1)または式(3)によって得られた進相コンデンサの組合せは、図8に示すように、150kvarの容量を実現する5つの組合せパターンが最適解として得られる(図8(a)参照)。そこで、判定部16は、この5つの組合せパターンを各進相コンデンサの識別値(名称)に対応してビット配置した6ビットのバイナリ値に変換する(図8(b)参照)。この変換に際して、進相コンデンサが投入される場合にはビット「1」を立て、投入されない場合には、ビット「0」としている。たとえば、各進相コンデンサの名称が、「1号SC」(50kvar)、「2号SC」(50kvar)、「3号SC」(50kvar)、「4号SC」(100kvar)、「5号SC」(75kvar)、「6号SC」(75kvar)である場合で、ビットパターン生成回路によって、低ビット側から「1号SC」、「2号SC」、「3号SC」、「4号SC」、「5号SC」、「6号SC」をビット配置する(図8(c)参照)。この場合、現在投入済みの組合せパターンは、「000110」と変換される。
【0033】
ここで、5つの組合せパターンが、それぞれ図8に示すように、「110000」、「001100」、「001010」、「001001」、「000111」であり、上述したように、現在投入済みの組合せパターンが、「000110」である場合、図9に示したパターン比較回路を用いて、遮断数の少ない組合せを最適組合せとして選択する。このパターン比較回路は、現在投入済みの組合せパターンのバイナリ値B1と、各比較対象の組合せパターンの各バイナリ値B1〜B5(Bx)とを比較し、出力値が最小値となる組合せパターンを最適組合せパターンとして選択する。
【0034】
このパターン比較回路は、図9に示すように、まずEXOR回路31によって、バイナリ値B0とバイナリ値Bxとの排他的論理和を演算するとともに、NOT回路32によってバイナリ値Bxの反転を演算する。その後、AND回路33が、排他的論理和の値と反転値との論理積をとり、ビットカウンタ34がこの論理積を示すビットの「1」の数をカウントして出力する。この出力値は、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数を示すことなる。
【0035】
具体的に、5つの組合せパターン「1」〜「5」(バイナリ値B1〜B5)は、図10〜図14に示すように、現在投入済みの組合せパターン(バイナリ値B0)と比較される。その結果、5つの組合せパターン「1」〜「5」の出力値は、それぞれ「2」、「1」、「1」、「2」、「0」となり、値が最も小さい組合せパターン5が、最適組合せパターンとして選択される。この場合、現在投入されている「3号SC」と「2号SC」とは投入状態が維持され、新たに「1号SC」を投入することになり、遮断数が0となる。
【0036】
なお、パターン比較回路を用いても、同一の遮断数となる組合せが複数ある場合には、予め設定された優先条件にしたがって選択すればよい。たとえば、進相コンデンサに割り当てられた名称である号機の番号の小さい方を有する組合せを優先的に選択するとよい。その他、複数の優先条件をもちいて選択することが好ましい。いずれにしても、選択された組合せは、同一の遮断数を有するので、いずれが選択されてもよい。
【0037】
また、上述した実施の形態では、進相コンデンサの投入・遮断による自動力率制御を行うものであったが、同様な構成および処理によって、進相コンデンサの投入・遮断による自動無効電力制御を行うことができる。すなわち、制御対象を力率を基準にするか、無効電力を基準にするかの違いである。
【符号の説明】
【0038】
1 電力系統
2 電圧変成器
3 電流変成器
10 自動力率制御装置
11 電圧検出部
12 電流検出部
13 算出部
14 制御部
15 最適化演算部
16 判定部
17 切替出力部
20 開閉器
C1〜Cn 進相コンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御装置であって、
設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部と、
前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部と、
前記最適化演算部から出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力部と、
を備えたことを特徴とする自動力率制御装置。
【請求項2】
前記最適化演算部は、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動力率制御装置。
【請求項3】
前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動力率制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、
各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成回路と、
現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算するEXOR回路と、判定対象のビットパターンを反転するNOT回路と、前記EXOR回路の出力と前記NOT回路との出力の論理積をとるAND回路と、該AND回路の出力ビットパターンのビットをカウントするビットカウンタとを有して遮断数を算出するパターン比較回路と、
を備え、前記パターン比較回路の出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする請求項3に記載の自動力率制御装置。
【請求項5】
電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御方法であって、
設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出ステップと、
前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算ステップと、
前記最適化演算ステップから出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力ステップと、
を含むことを特徴とする自動力率制御方法。
【請求項6】
前記最適化演算ステップは、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする請求項5に記載の自動力率制御方法。
【請求項7】
前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の自動力率制御方法。
【請求項8】
前記判定ステップは、
各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成ステップと、
現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算し、判定対象のビットパターンを反転した値と前記排他的論理和の出力値と論理積をとり、該論理積の出力ビットパターンのビットをカウントして遮断数を算出するパターン比較ステップと、
を含み、前記パターン比較ステップの出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする請求項7に記載の自動力率制御方法。
【請求項1】
電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御装置であって、
設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出部と、
前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算部と、
前記最適化演算部から出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力部と、
を備えたことを特徴とする自動力率制御装置。
【請求項2】
前記最適化演算部は、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動力率制御装置。
【請求項3】
前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動力率制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、
各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成回路と、
現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算するEXOR回路と、判定対象のビットパターンを反転するNOT回路と、前記EXOR回路の出力と前記NOT回路との出力の論理積をとるAND回路と、該AND回路の出力ビットパターンのビットをカウントするビットカウンタとを有して遮断数を算出するパターン比較回路と、
を備え、前記パターン比較回路の出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする請求項3に記載の自動力率制御装置。
【請求項5】
電力系統の力率と有効電力とを検出し、異なる容量を含む複数の進相コンデンサを投入し、または遮断することによって前記電力系統の力率を制御する自動力率制御方法であって、
設定された目標力率と現在の有効電力とから目標無効電力を算出するとともに、現在の力率と現在の有効電力とから現在の無効電力を算出する算出ステップと、
前記複数の進相コンデンサの任意数の組合せ容量を変数とし、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が所定の力率進み側無効電力制限値を超え、所定の力率遅れ側無効電力制限値以下となる制約下で、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値が最小となる最適化演算を行い、このときの前記進相コンデンサの組合せを出力する最適化演算ステップと、
前記最適化演算ステップから出力された組合せの進相コンデンサを前記投入済みの進相コンデンサに替えて投入させる切替出力を行う切替出力ステップと、
を含むことを特徴とする自動力率制御方法。
【請求項6】
前記最適化演算ステップは、現在の無効電力に現在投入済みの進相コンデンサ容量を加算した加算値から前記組合せ容量を減算した値が前記所定の力率進み側無効電力制限値未満の場合、前記加算値から前記目標無効電力および前記組合せ容量を減算した値の絶対値に、所定の重みを加算した値が最小となる最適化演算を行うことを特徴とする請求項5に記載の自動力率制御方法。
【請求項7】
前記組合せ容量が同じで進相コンデンサの組合せが異なる場合、現在投入済みの進相コンデンサの遮断数の少ない組合せを選択出力する判定ステップを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の自動力率制御方法。
【請求項8】
前記判定ステップは、
各進相コンデンサの識別値に対応し、進相コンデンサが投入される場合にビット1を立てたビットパターンを生成するビットパターン生成ステップと、
現在投入済みのビットパターンと判定対象のビットパターンとの排他的論路和を演算し、判定対象のビットパターンを反転した値と前記排他的論理和の出力値と論理積をとり、該論理積の出力ビットパターンのビットをカウントして遮断数を算出するパターン比較ステップと、
を含み、前記パターン比較ステップの出力値が最も小さい判定対象のビットパターンをもつ組合せを、進相コンデンサの遮断数が最も少ない組合せとして選択出力することを特徴とする請求項7に記載の自動力率制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−233410(P2010−233410A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80642(P2009−80642)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(507214083)メタウォーター株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(507214083)メタウォーター株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
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