説明

自動包装機の位置変動する装置に駆動力を伝達する機構

【課題】例えば、上押えベルト装置や逆ピロー包装機のセンタシール装置のような自動包装機を構成している位置が上下変動する装置への駆動力伝達する場合に、駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合でも別の伝達機構が必要とせず簡易な構成のまま対処できる自動包装機を構成する位置が変動する装置への駆動力伝達する機構の提供。
【解決手段】無端ベルト23を、機械フレームに配設された入力軸プーリ21及び第一のアイドルプーリ20aと昇降自在なベース板13に配設された出力軸プーリ22に内接し、昇降自在なベース板13に配設された第二のアイドルプーリ20b,第三のアイドルプーリ20cに外接するように掛け回して構成した、自動包装機の位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、上押えベルト装置や逆ピロー包装機のセンタシール装置のような自動包装機の位置変動する装置に駆動力を伝達する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装物の周囲を、紙または合成樹脂製のフィルムで周囲を覆い内部に被包装物を有する包装体を製造する自動包装機には、裁断された包装材で被包装物の周囲を折り込み、包装体を製造する上包み包装機や、帯状包装材を製筒器により湾曲させ、帯状包装材の長手方向の両縁部を重ねあわせてセンタシールを施し筒状包装材に成形し、内部に被包装品を搬入し、被包装品の前後の位置にエンドシールを施すとともに、該エンドシール部の中間付近を切断して、内部に被包装物を有するピロー包装体を製造する製袋充填包装機などがある。
【0003】
これらの自動包装機は、被包装品の搬送装置、包装材の搬送装置、シール装置、折込み装置、包装体の搬出装置等の各種装置を組み合わせて構成されている。これらの装置の中には、製造する製品の大きさや形状に応じて位置調整を行う必要のある装置がある。例えば、特許文献1に示される製品抑えベルト装置や、特許文献2や特許文献3に示されるような逆ピロー包装機のセンタシール装置である。特許文献1に示される製品抑えベルト装置は、筒状包装材の搬送路の上方に配置され、筒状包装材に内包した被包装物が持ち上がるのを抑制する装置である。被包装物を内包した筒状包装材を上方から抑えるのであるから、被包装物の高さにより、装置の高さを調整する必要があるので昇降装置を備えている。また、押えベルトを筒状包装材と等速で動かす必要があるため駆動源を必要とする。装置のユニット内にベルトを動かすための駆動源を持たない場合は、伝達機構を通じて包装材の搬送装置の駆動を用いるための駆動装置を備えている(特許文献1の段落24参照のこと)。
【0004】
特許文献2や特許文献3に示される逆ピロー包装機のセンタシール装置は、筒状包装材を搬送する紙引きローラとセンタシール(縦シール)を施すためのヒートシーラが1つのユニットとして筒状包装材の搬送路の上方に配置される(特許文献2の段落21から段落22を参照のこと)。センタシール装置は、被包装品の高さに合わせて上下に移動可能に構成される(特許文献3の段落22参照のこと)。また、紙引きローラは駆動源を必要とするが、装置内に駆動源を持たない場合は、伝達機構を通じて機械本体から駆動を必要とする。
【0005】
このような、製造する製品の大きさや形状に応じて位置調整を行う必要がある自動包装機を構成する装置で、その装置自体が独自の駆動源を持たず外部から駆動源から駆動力を伝達しなければならない場合、その伝達機構として、特許文献1に示されるようなリンク機構を応用したものや、特許文献4に示されるような位置固定シャフトと位置変動シャフトによるタイミングベルト巻掛けたシャトル式タイミングベルト巻掛け機構(以後、シャトル機構と称する)を応用したものが用いられる。
【0006】
リンク機構を用いた場合、リンクを構成する各アームが装置の高さの変動に応じて姿勢を変化させて対応する。特許文献1の製品抑えベルト装置の場合、ベルト装置はベルト支持ブラケット60に設置され、ハンドル44を回転させることで上下に位置移動する。ベルトの駆動は機械の本体フレームに配設された図示省略の駆動モータであり、該モータが回転すると、その回転力が、歯車71a→歯車71b→第1プーリ72→タイミングベルト75→第2プーリ73→第3プーリ77→タイミングベルト80→第4プーリ78→駆動軸82と伝達され、駆動プーリ67が回転する。よって、抑えベルト25が回転する。この駆動装置38の動力伝達機構は、第1アーム74と第2アーム79との連結部分(第2回転軸91)が関節となるリンク機構を構成する。従って、第1プーリ72と、第2プーリ73(第3プーリ77)と、第4プーリ78の位置関係は、そのリンク機構の移動範囲内において適宜位置を採ることができる。よって、ベルト支持ブラケット60が大きく上下移動した場合には、両アーム74,79の姿勢は大きく変化して対応する(特許文献1の段落40から段落42及び図7を参照のこと)。このため各アームの可動域を確保するためのスペースが必要になる。
【0007】
シャトル機構を用いた場合、リンク機構を用いた方式に比べて構成が容易で可動域のための余分なスペースを確保する必要がない。代表的なシャトル機構の例を図6に示す。このシャトル機構は、無端ベルト23、駆動力が入力される入力軸24に取り付けられた入力軸プーリ21、駆動力が出力される出力軸55に取り付けられた出力軸プーリ22、無端ベルト23を支持する3つのアイドルプーリ20a,20b,20cから構成され、出力軸プーリ22が機械本体に対して上下するユニット30に配設され、アイドルプーリ20cが取付け板31を介してユニット30に取り付けられている。入力軸プーリ21とアイドルプーリ20a,20bが機械本体に配設され、無端ベルト23に対してアイドルプーリ20cが外接し、入力軸プーリ21、出力軸プーリ22、アイドルプーリ20a,20bが内接する形に無端ベルト23が駆けまわされている。ユニット30が上下すると、アイドルプーリ20cと出力軸プーリ22もそれに応じて上下し、無端ベルト23の第二のアイドルプーリと第三のアイドルプーリ間の部分35と、無端ベルト23の入力軸プーリと出力軸プーリ間の部分36が互いに反対方向に伸縮することでユニット30の移動量を吸収する構造となっている。しかしながら、機構上、入力軸プーリ21が、出力軸プーリ22と同一中心線37上に位置していなければならない。
【0008】
このため、駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合、図7に示すように、駆動源の駆動軸34と入力軸24との間に別の伝達機構が必要となる。図7の場合、入力軸24と駆動軸34にそれぞれ伝導プーリ32a、32bを設けその間に伝導ベルト33を掛け回すことにより駆動力を伝達している。このように、駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合は、構成が複雑化するとともに、部品点数が増えるためコストが増えることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−96484号公報
【特許文献2】特開平11−171109号公報
【特許文献3】特開2008−100730号公報
【特許文献4】特開平6−171603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば、上押えベルト装置や逆ピロー包装機のセンタシール装置のような、自動包装機を構成している位置が変動する装置への駆動力伝達する場合に、駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合でも、別の伝達機構も必要とせず簡易な構成のまま対処できる自動包装機の位置変動する装置に駆動力を伝達する機構の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、入力軸プーリ又はスプロケット、出力軸プーリ又はスプロケット、第一から第三のアイドルプーリ又はスプロケットと、該プーリ又はスプロケットに掛け回された無端ベルト又は無端チェーンから構成される自動包装機の位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構であって、
自動包装機の本体フレーム上には、前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一のアイドルプーリ又はスプロケットとが、それぞれの縁部が同一鉛直線上に位置するように上下に配設され、
位置が変動する装置上には、同径の前記第二のアイドルプーリ又はスプロケットと前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットとを軸中心が同一線上となるように上下に配設され、さらに、前記出力軸プーリ又はスプロケットが前記第二のアイドルプーリ又はスプロケットと前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットから側方に離れた位置に配設され、
前記無端ベルト又は無端チェーンは、前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一のアイドルプーリ又はスプロケットと前記出力軸プーリ又はスプロケットと内接し、前記第二のアイドルプーリ又はスプロケット及び前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットと外接するように掛け回されており、
前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一から第三のアイドルプーリ又はプロケット間の前記無端ベルト又は無端チェーンが、同一鉛直線上に位置していることを特徴とする自動包装機の位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構である。
【0012】
本発明の自動包装機の位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構は、横型製袋充填包装機の製品抑えベルト装置に適用することができる。
【0013】
本発明の自動包装機の位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構は、逆ピロー包装機のセンタシール装置に適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の、例えば、上押えベルト装置や逆ピロー包装機のセンタシール装置のような、自動包装機を構成している位置が変動する装置へ駆動力を伝達する機構は、駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合でも別の伝達機構が必要とせず簡易な構成のまま対処できる自動包装機を構成する位置が変動する装置へ駆動力を伝達することができる。さらに、機械の仕様により駆動の伝達距離が変更された場合でも、図5に示す第三のアイドルプーリ及び第二のアイドルプーリの中心線と出力軸プーリの中心線の距離45を変更し、無端ベルト23の長さを長くするだけで対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】上抑えベルト装置を備えた横型製袋充填包装機の概略図である。
【図2】上抑えベルト装置の斜視図である。
【図3】上抑えベルト装置の機構を説明する斜視図である。
【図4】上抑えベルト装置の機構を説明する図である。
【図5】本発明の機構の動作を説明する図である。
【図6】従来の機構の構成及び動作を説明する図である。
【図7】駆動源と駆動の出力軸の水平方向の位置が離れている場合の従来の機構の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例として、横型製袋充填包装機の製品抑えベルト装置8への適用例について図を用いて説明する。図1は、製品抑えベルト装置8を備えた横型製袋充填包装機の概略図である。巻取り軸1に装着されたフィルムロールFrから引き出された帯状包装材Fwは、紙送りローラ2によって下流に搬送され、製筒器3により湾曲され長手方向の縁部を重合され、筒状包装材Ftが成形される。筒状包装材Ftは、被包装品Pが供給コンベヤ7により筒内に搬送されるとともに筒状包装材Ftの重合部を挟持する一対のロールから構成された紙引きローラ4が回転することにより、さらに下流へと搬送される。紙引きローラ4の下流にあるセンタシール装置5は、筒状包装材Ftの重合面にセンタシールを施す。その後、被包装品Pを内蔵した筒状包装材Ftは、エンドシーラ6により筒状包装材Ft内部の被包装品Pを挟む前後に夫々エンドシール・切断を施して、ピロー包装体Bpを製造する。エンドシール装置は内部に図示しないカッタを内蔵しており、これにより切断を行う。
【0017】
紙送りローラ2、紙引きローラ4、センタシール装置5から構成されるフィルム搬送装置、供給コンベヤ7からなる供給装置、エンドシール装置6はそれぞれサーボモータによって駆動され制御装置により互いに同期して動作するように制御されている。フィルムの搬送、供給、エンドシール装置を別々のサーボモータで駆動し同期させる技術は公知のことなので詳細を省略する。
【0018】
帯状包装材Fw及び筒状包装材Ftの搬送は、紙送りローラ2、紙引きローラ4、センタシール装置5、製品抑えベルト装置8の協働により行われる。これらのロールは、同期して所定の速度で包装材を下流へと搬送する。
【0019】
本実施例のエンドシール装置6は、ボックスモーションタイプと称されるもので、筒状フィルムFtを挟んで上下に配置された一対のヒーターブロック6a,6bが、互いのシール面を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動する。つまり、両ヒーターブロック6a,6bは、基準位置から互いに接近移動して筒状フィルムFtを上下から挟み込むことで、そのシール面に接触したフィルム部位を所定の圧力で加圧すると共に加熱する。そして、両ヒーターブロック6a,6bは、上記のように互いに接近して筒状フィルムFtを挟持した状態を維持したまま互いに筒状フィルムFtの移動方向に沿って前進移動する。このときの移動速度は、筒状フィルムFtの移動速度と等しくしている。一対のヒーターブロック6a,6bは、所定距離だけ移動すると、両ヒーターブロック6a,6bは互いに離反移動すると共に、筒状フィルムFtの移動方向と逆方向に移動して基準位置に至る。ボックスモーション動作は、従来公知の技術なので(例えば特開2001−114203の段落16から段落17を参照のこと)、詳しい説明は省略するが、ヒーターブロック6a,6bはそれぞれ取付け台(図示せず)に装着され、その取付け台に設けられたカムホロア(図示せず)が、カム板(図示せず)に設けられた溝カム(図示せず)に符合し、その溝カムの形状に従って上述した公転移動する。カム板(図示せず)はサーボモータ図示せず)により、筒状フィルムFtの搬送速度と同期するように回転される。また、このようにカムを用いるのではなく、ヒーターブロック6a,6bを上下移動させるための駆動モータと、前後進移動させるための駆動モータというように複数の駆動モータを設け、それら各駆動モータを適宜のタイミングで動作させることでヒーターブロック6a,6bを公転移動させることもできる。
【0020】
供給コンベヤ7は、被包装物Pの後部を支持して搬送するプッシャアタッチメント7aが所定の間隔で取り付けられている無端チェーン7b、無端チェーン7bを支持し駆動するスプロケット7c,7d、スプロケット7cを駆動する図示しないサーボモータから構成されている。供給コンベヤ7は、包装能力のデ−タ入力に基づいた速度で駆動され、供給コンベヤ7に取り付けられたそれぞれのプッシャアタッチメント7aは、被包装物Pを製筒器3により筒状形成されたフィルムFtに受け渡す位置で下方向に倒れた状態になって移動されたあと、再び上向き状態になって各被包装物を支持する。
【0021】
製品抑えベルト装置8は、筒状包装材Ftの搬送路の上方に配置され、筒状包装材Ftに内包した被包装物Pが持ち上がるのを抑制する装置である。ベルトコンベヤ装置により被包装物Pを内包した筒状包装材Ftを上方から抑えるものであり、被包装物の高さにより、装置の高さを調整する必要があるので昇降装置を備えている。また、上述のように紙送りローラ2、紙引きローラ4、センタシール装置5と協働して筒状包装材Ftを搬送するため、抑えベルトを筒状包装材Ftと等速で動かす必要があり、紙引きローラ4の駆動を伝達する駆動力伝達装置を備えている。
【0022】
製品抑えベルト装置8について、図2から図4を用いて説明する。図2は上抑えベルト装置の斜視図である。図2では、ベルト部分は省略して描いてあるが、図1に示したようにベルトには複数のスポンジブロック42が配設されている。製品抑えベルト装置8は、コンベヤ支持シャフト9a,9bによりコンベヤ取付け板40に固定される。コンベヤ取付け板40は取付けシャフト41を介してブラケット12a,12bに連結され、上方への旋回が可能になっている。これは、包装材の交換作業や機械のメンテナンス作業時に製品抑えベルト装置8が障害とならないように、取付けシャフト41を回動軸として上方へ旋回させて固定しておくことを可能にするためである。ブラケット12a,12bはベース板13に取り付けられている。また、製品抑えベルト装置8は、ベルトを駆動するためのコンベヤ駆動シャフト10を備えており、コンベヤ駆動シャフト10の端部には駆動を伝達する伝導ギア11bが取り付けられている。伝導ギア11bは伝導ギア11aと噛み合うことで駆動力の伝達を受ける。伝導ギア11aは、出力軸55の端部に取り付けられている。出力軸55はブラケット12cに回転自在に支持されており、ブラケット12cはブラケット12bの側部に取り付けられている。以上のように、製品抑えベルト装置8は、ブラケット12a,12b,12cなどを介してベース板13に取り付けられている。
【0023】
図3及び図4は、製品抑えベルト装置8の概略図であり、ベルトコンベヤ部分を省略して描画しており、製品抑えベルト装置8の昇降と駆動力の伝達を説明するものである。また、図4はベース板13を透過して描画している。図3、図4で示すようにベース板13は、背部にスライダ15a,15b,15c,15dが配設され、スライドレール14a,14bと連結され、スライドレール14a,14b上を摺動自在となっている。スライドレール14a,14bは、機械フレームに固定されている。また、図4に示すようにベース板13には昇降ブロック16が固定されており、昇降ブロック16の上下に伴い、スライダ15a,15b,15c,15dを介して、スライドレール14a,14b上を摺動する。昇降ブロック16は、ネジシャフト17上を螺同するように構成されている。ネジシャフト17は、固定ブロック19に回転自在に固定され、固定ブロック19は、機械フレームに固定されている。また、ネジシャフト17の上方端部には、ネジシャフト17を回転させる操作ハンドル18が取り付けられている。以上の構成により、ベース板13は、操作ハンドル18を動かすことにより機械フレームに対しての上下の位置を動かすことができる。
【0024】
次に、駆動力伝達について図1から図5を用いて説明する。製品抑えベルト装置8は、図1に示す紙引きローラ4の駆動の伝達を受けてコンベヤ駆動シャフトが回転することで駆動される。図3から図5を用いて駆動伝達の構成を説明する。なお、図3及び図4においては、製品抑えベルト装置8及びブラケット12a,12b,12cなどを省略して描画してある。駆動力は、紙引きローラ4を駆動する入力軸24の端部に取り付けられた入力軸プーリ21から無端ベルト23により出力軸プーリ22に伝達され、出力軸プーリ22が取り付けられている出力軸55が回転することにより、伝導ギア11a,11bを介して図2に示すコンベヤ駆動シャフト10を回転させる。無端ベルト23は、入力軸プーリ21、出力軸プーリ22の間を第一から第三のアイドルプーリ20a,20b,20cにより支持されている。入力軸プーリ21が固定された入力軸24は図示しない機械フレームに回転自在に固定されている。無端ベルト23は、入力軸プーリ21が内接する形で掛け回される。第一のアイドルプーリ20aは入力軸プーリ21の上方に配設され、固定ブロック19を介して機械フレームに回転自在に固定される。無端ベルト23は、第一のアイドルプーリ20aが内接する形で掛け回される。第二のアイドルプーリ20b,第三のアイドルプーリ20cは、同径のプーリで機械フレームに対して上下に昇降自在なベース板13に上下に軸中心が、図5に示す同一直線39aの上に位置するように配設され、無端ベルト23が側方に展開するのを外接する形で支持する。出力軸プーリ22が固定された出力軸55は図2に示すようにブラケット12cに回転自在に固定され、ブラケット12cはブラケット12bを介して、機械フレームに対して上下に昇降自在なベース板13に配設されている。無端ベルト23は、出力軸プーリ22が内接する形で掛け回される。なお、図5に示すように第一のアイドルプーリ20aと第二のアイドルプーリ20b間が変動区間43a、第三のアイドルプーリ20cと入力軸プーリ21間が変動区間43bとなるため、この間の無端ベルト23が図5に示す同一鉛直線39bの上に位置することとなるように第一から第三のアイドルプーリ20a,20b,20cは、配設されている。
【0025】
製品抑えベルト装置8の位置が、機械フレームに対して上下した場合、即ちベース板13が昇降した場合に駆動力の伝達がどのように対応するかについて図5を用いて説明する。第一のアイドルプーリ20b,第三のアイドルプーリ20c及び出力軸プーリ22はベース板13に回転自在に取り付けられており、ベース板13の昇降とともに昇降する。一方、第一のアイドルプーリ20a及び入力軸プーリ21は機械フレームに回転自在に固定されており、ベース板13の昇降に係わらず一定の位置を保っている。よって、ベース板13が昇降して位置を変化させた場合、第一のアイドルプーリ20aと第二のアイドルプーリ20b間と、第三のアイドルプーリ20cと入力軸プーリ21間が、距離が変化する変動区間43a、43bとなる。変動区間43a,43bは互いに反する変化をすることで、変化量を相殺し無端ベルト23のテンションを一定に保つ。例えばベース板13が上方に移動した場合、第二のアイドルプーリ20b,第三のアイドルプーリ20c及び出力軸プーリ22も上方に移動する。この移動により、機械フレームに固定されている第一のアイドルプーリ20aとベース板13上の第二のアイドルプーリ20bの距離、即ち変動区間43aは、ベース板13の移動量分だけ短縮される。一方、機械フレームに固定されている入力軸プーリ21とベース板13上の第三のアイドルプーリ20cの距離、即ち変動区間43bはベース板13の移動量分だけ延長される。これにより、ベース板13の昇降に係わらず、無端ベルト23のテンションは変化せず、安定して駆動力の伝達が行われる。また、ベース板13が下方に移動した場合、ベース板13の移動量分だけ変動区間43aが延長し、変動区間43bが短縮することで、無端ベルト23のテンションを一定に保つ。
【0026】
以上のように、本発明を適用した上押えベルト装置8は、駆動源である紙引きローラ4の駆動軸とベルトの駆動軸であるコンベヤ駆動シャフト10との水平方向の位置が離れている場合であっても、従来のシャトル機構(位置固定シャフトと位置変動シャフトによるタイミングベルト巻掛け機構)のように別の伝達機構を必要とせず、シャトル機構のみで構成することができる。また、機械仕様が変更となり、図1に示す製筒器3とエンドシール装置6間の距離が伸びて、上押えベルト装置のコンベヤ長が延伸され、駆動源である紙引きローラ4の駆動軸とベルトの駆動軸であるコンベヤ駆動シャフト10との水平方向の位置がさらに離れてしまった場合でも、無端ベルト23の長さを長くするだけで対応することができる。即ち、図5に示す第三のアイドルプーリ及び第二のアイドルプーリの中心線と出力軸プーリの中心線の距離45が延伸した分だけ長い無端ベルト23を用いることで対応できる。
【0027】
本実施例においては、横型製袋充填包装機の製品抑えベルト装置8への適用を説明したが、適用できるのはこれに限らず、逆ピロー包装機のセンタシール装置のような自動包装機を構成している位置が上下変動する装置にも適用できることは言うまでもない。また、製袋充填包装機のみならず、上包み包装機などの他の自動包装機についても適用可能である。
【0028】
また、本実施例では、無端ベルトとプーリを用いたが、無端チェーンとスプロケットを用いてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 巻取り軸 2 紙送りローラ
3 製筒器 4 紙引きローラ
5 センタシール装置 6 エンドシール装置
6a 上側ヒーターブロック 6b 下側ヒーターブロック
7 供給コンベヤ 7a プッシャアタッチメント
7b 無端チェーン 7c,7d スプロケット
8 上押えベルト装置
9a,9b コンベヤ支持シャフト 10 コンベヤ駆動シャフト
11a,11b 伝導ギア 12a,12b,12c ブラケット
13 ベース板 14a,14b スライドレール
15a,15b,15c,15d スライダ
16 昇降ブロック 17 ネジシャフト
18 操作ハンドル 19 固定ブロック
20a 第一のアイドルプーリ 20b 第二のアイドルプーリ
20c 第三のアイドルプーリ 21 入力軸プーリ
22 出力軸プーリ 23 無端ベルト
24 入力軸
30 ユニット 31 取付け板
32a、32b 伝導プーリ 33 伝導ベルト
34 駆動軸
35 第二のアイドルプーリと第三のアイドルプーリ間の部分
36 入力軸プーリと出力軸プーリ間の部分
37 同一中心線
39a 同一中心線 39b 同一鉛直線
40 コンベヤ取付け板 41 取付けシャフト
42 スポンジブロック 43a,43b 変動区間
45 第三のアイドルプーリ及び第二のアイドルプーリの中心線と出力軸プーリの中心線の距離
55 出力軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸プーリ又はスプロケット、出力軸プーリ又はスプロケット、第一から第三のアイドルプーリ又はスプロケットと、該プーリ又はスプロケットに掛け回された無端ベルト又は無端チェーンから構成される自動包装機の位置変動する装置へ駆動力を伝達する機構であって、
自動包装機の本体フレーム上には、前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一のアイドルプーリ又はスプロケットとが、それぞれの縁部が同一鉛直線上に位置するように上下に配設され、
位置が変動する装置上には、同径の前記第二のアイドルプーリ又はスプロケットと前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットとを軸中心が同一線上となるように上下に配設され、さらに、前記出力軸プーリ又はスプロケットが前記第二のアイドルプーリ又はスプロケットと前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットから側方に離れた位置に配設され、
前記無端ベルト又は無端チェーンは、前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一のアイドルプーリ又はスプロケットと前記出力軸プーリ又はスプロケットと内接し、前記第二のアイドルプーリ又はスプロケット及び前記第三のアイドルプーリ又はスプロケットと外接するように掛け回されており、
前記入力軸プーリ又はスプロケットと前記第一から第三のアイドルプーリ又はプロケット間の前記無端ベルト又は無端チェーンが、同一鉛直線上に位置していることを特徴とする自動包装機の位置変動する装置へ駆動力を伝達する機構。
【請求項2】
前記自動包装機の位置変動する装置が、横型製袋充填包装機の製品抑えベルト装置であることを特徴とする請求項1に記載の自動包装機の位置変動する装置へ駆動力を伝達する機構。
【請求項3】
前記自動包装機の位置変動する装置が、逆ピロー包装機のセンタシール装置であることを特徴とする請求項1に記載の自動包装機を構成している位置変動する装置へ駆動力を伝達する機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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