説明

自動包装機の内部滅菌機構

【課題】包材の無駄を抑え、且つ自動包装機の内部の滅菌を簡単確実に行って、無菌環境の信頼性を高めることができる自動包装機の滅菌機構を提供する。
【解決手段】自動包装機の内部滅菌機構において、包材を所定方向に案内する複数のローラ6には、この複数のローラの周りを周回するガイド棒部材22が備えられており、内容物の充填作業の開始前準備作業として包材及び自動包装機内部を滅菌する場合に、包材の搬送動作を停止した状態でローラ6付近に滅菌剤を供給すると共に、ガイド棒モータ24を回転させてガイド棒部材22を周回駆動させ、ローラ6とこれに接触している包材FXとの間に滅菌剤が回り込む隙間を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材(包装フィルム)を用いて内容物(原料)を自動的に充填包装する自動包装機の技術分野に属するものであって、具体的には、自動包装機の内部を滅菌処理するための機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体等の内容物(原料)を袋に無菌環境で充填する装置として、包材(包装フィルム)を走行させつつこれを略半分に折り、合わせ面を縦シールして包材を筒状に成形し、この包材を折り目と直交する横断方向に横シールして所定容量の袋を成形しつつその内部に内容物を充填する自動包装機が開発されている。このような自動包装機による無菌包装においては、内容物と包材とが滅菌・無菌化され、その後、無菌雰囲気下で袋状の包材に内容物が充填されてこの充填口がシール封止される。
【0003】
このような従来の自動包装機において、無菌包装を行うためには、内容物の充填を開始するに先立って自動包装機の内部を滅菌する必要があった。このような自動包装機の内部を滅菌する方法としては、自動包装機から包材を取り外し、滅菌剤として例えば過酸化水素水(H)を自動包装機内部にスプレーし、あるいは過酸化水素ガスを機内に送り込んで自動包装機内部を滅菌し、その後、包材を掛け直して再度包材を含む自動包装機内部を滅菌するようにしていた。
【0004】
しかし、包材を取り外してから自動包装機の内部を滅菌する方法では、滅菌作業の前後に包材を外して掛け直すという作業が必要となり、取り外した包材単体の滅菌作業や包材掛け直し後の再度の滅菌作業含めて滅菌作業の工数が増えて手間がかかるという問題があった。
【0005】
また、別の滅菌方法として包材を自動包装機に装着したまま自動包装機の運転を停止させた状態で過酸化水素水をスプレーし、あるいは過酸化水素ガスを自動包装機内に送り込んで自動包装機内部を滅菌していた。
【0006】
しかし、包材を装着したまま自動包装機の内部を滅菌する方法では、包材の取り外し若しくは包材の取り付け等の手間は省けるものの自動包装機内部に繰出された包材とこれを保持する部材(ローラ等)との間で滅菌剤が遮られる部分が生じ、滅菌が十分に行えない可能性があった。
【0007】
そこで、包材を自動包装機に装着したまま自動包装機の包材搬送機構の運転を継続しつつ過酸化水素水をスプレーし、あるいは過酸化水素ガスを自動包装機内に送り込んで自動包装機内部を滅菌する方法が考案された。
【0008】
この包材搬送機構の運転を継続しつつ自動包装機の内部を滅菌する方法では、滅菌に先立って包材を取り外し、滅菌後に包材を装着する手間を要しない上に包材を搬送しながら滅菌剤を供給することにより、包材とこれを保持する部材(ローラ等)間の遮られた部分にも滅菌剤が回り込むようになり、十分な滅菌効果が得られるとしている。
【0009】
このような従来の自動包装機における内部滅菌方法については、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2007−106463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、包材搬送機構の運転を継続しつつ自動包装機の内部を滅菌する方法では、滅菌作業のためだけに包材を搬送するため、この搬送された包材部分は本来の包装袋作成作業に用いることができず、廃棄される包材が増えることになる。即ち、自動包装機の内部構造変更、内容物の品種変更に伴うセット替え若しくは原反ロールの交換作業等、自動包装機の充填動作を開始するに先立って内部を滅菌する必要がある場合において、包材の無駄が増加していた。
【0011】
本発明の目的は、包材の無駄を抑え、且つ自動包装機の内部の滅菌を簡単確実に行って、無菌環境の信頼性を高めることができる自動包装機の滅菌機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の課題を解決するためになされた本発明の自動包装機は、包材を巻回した原反ロールから予め設定された量だけ繰出しつつ、この包材を長手方向に二つ折りする製袋機構に送り込む包材搬送機構と、二つ折りされた包材に対して縦シールと横シールを施して包装袋形状に成すシール機構と、この包装袋内に内容物を投入する充填機構を備えた自動包装機であって、前記包材搬送機構には包材を所定方向に案内する複数のローラと、この複数のローラの周りを周回するガイド棒部材が備えられており、内容物の充填作業の開始前準備作業として包材及び自動包装機内部を滅菌する場合に、前記自動包装機は包材の搬送動作を停止した状態でローラ付近に滅菌剤を供給すると共に、このローラのガイド棒部材を周回駆動させている。
【0013】
(2)また本発明の自動包装機は、前記ガイド棒部材の周回駆動によって、ローラとこれに接触している包材との間に滅菌剤が回り込む隙間を発生させている。
【0014】
上記(1)、(2)で述べた自動包装機において、包材を袋形状に製袋する機構の直前に設置された包材搬送機構の各ローラに対して、この周りを周回するガイド棒部材を設置して接触している包材との間で滅菌剤が回り込む隙間を作るようにしたため、自動包装機の運転を停止した状態で内部の滅菌作業が確実に実施可能となった。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、従来発生していた滅菌作業に伴う包材の無駄を抑え、且つ自動包装機の内部の滅菌を簡単確実に行って、無菌環境の信頼性を高めることができるという顕著な効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明に係る自動包装機における内部滅菌機構の実施の形態を図面と共に説明する。図1は本発明を実施した自動包装機の正面図である。図1に示すように、1は自動包装機、2は包材を巻回した原反ロール、3は自動包装機における原反ロール設置領域、4は自動包装機における包材搬送機構領域、5は自動包装機における包装袋作成領域であり、包材を長手方向に二つ折りする製袋機構と二つ折りされた包材に対して縦シールを施す縦シール機構の領域を含んでいる。6は包材搬送機構と包装袋作成機構の間にあるローラであり、本発明においては包材搬送機構に含まれるものとして説明している。7は製袋機構の折り畳みガイド棒、8は内容物を包装袋内に送り込む充填ノズル、9は縦シール機構の縦シールロール、10は最初の横シール機構である第一横シールロール、11は次の横シール機構である第二横シールロール、12は内部に水が入っている水封槽、13は内部に滅菌剤が入っている殺菌槽、14は内部を通過する包材に対して無菌エアーを噴射しているエアーナイフである。なお、FXは原反ロール2から繰出された包材である。
【0017】
なお、図1においては、包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に設置されている複数のローラの内、ローラ6のみにガイド棒部材が図示されているが、他のローラにもローラ6と同等のガイド棒部材が構成されており、これらのガイド棒部材は、ローラ6における同等の動作並びに作用効果を奏するものである。
【0018】
次に、包材FXの流れに添って自動包装機における通常の製袋動作に伴う包材の滅菌作用に関する動作について図1を参照しつつ説明する。
【0019】
(1)原反ロールより繰出された包材FXは、原反ロール設置領域3内を移送されて水封槽12に送られる。この間は外気空間と同じ状態であり、水封槽12は外気空間と自動包装機の内部空間との間を内部の水で遮断する役目を担っている。即ち、この水封槽12は自動包装機の内部空間に外気が侵入することを阻止している。同時に、水封槽12内に貯留されている水の中を包材FXが通過するため、包材FXに付着しているゴミや不純物、包材添加物等が取り除かれる。
【0020】
(2)水封槽12を通過した包材FXは、殺菌槽13に送られる。殺菌槽13には滅菌剤が図示された位置付近まで入っており、包材FXはこの滅菌剤内を移送されて強力な滅菌作用が付与される。通常この滅菌剤は過酸化水素水が用いられる。
【0021】
(3)殺菌槽13を通過した包材FXは、包材搬送機構領域4に送られる。そして、包材搬送機構領域4内の包材繰り出しローラ等により上方に引き上げられてエアーナイフ14に送られる。エアーナイフ14の内部では無菌エアーが噴射しており、ここを通過した包材FXは、この無菌エアーの噴出によって包材FXの表面に残留している過酸化水素水等の滅菌剤を吹き飛ばして除去している。この結果、包材搬送機構領域4を通過した包材FXに対しては、充分な滅菌処理と不要な滅菌剤の除去処理が施されることになり、略水平方向に流れの向きを変えつつ次工程の包装袋作成領域5に送られる。
【0022】
(4)包装袋作成領域5に送られた包材FXは、ローラ6にて略水平方向から略垂直下方向に約90度曲げられて折り畳みガイド棒7を含む製袋機構に送られる。以上、ローラ6までが包材搬送機構の説明である。
【0023】
(5)次に、包材FXは折り畳みガイド棒7によって長手方向に二つ折りされ、この二つ折りされた包材FXに対して縦シールロール9によって縦シールが施されて、包材FXは円筒形状になる。
【0024】
(6)円筒形状になった包材FXは、第一横シールロール10によって包装袋形状になり、この包装袋内に充填ノズル8を経由して内容物が送り込まれる。充填後、第一横シールロール10によってこの包装袋の投入口が封止され、小袋包装形状になり、第一横シールロール10によって横シールされた部分は、第二横シールロール11によって再度横シールが施されてシール強度を上げる処置がなされる。このようにして内容物が充填された小袋包装形状が包材FXの走行方向(下方)に連なった状態で製造される。
【0025】
(7)その後、小袋包装形状のシール部分にはノッチ(切れ目)が適宜施され、さらに、横シール部分の中央付近にはミシン目切れ込み若しくは直線切れ込みが施されて所望の包装袋となって自動包装機1から排出される。
【0026】
(8)なお、縦シールロール9によって包材FXが円筒形状になった後は、包材FXの内部は外気と遮断されるため、第一横シールロール10及び第二横シールロール11以降の自動包装機内部に対しては、積極的な滅菌処理は実施せずに上方(縦シールロール等)からの無菌エアーの排出通路として機能させ、外気の侵入を防いでいる。
【0027】
このように、自動包装機1における通常の製袋動作に伴う包材の滅菌はなされるが、一方、内容物の充填作業の開始前準備作業として包材及び自動包装機内部を滅菌する場合の動作について図1を参照しつつ下記に説明する。
【0028】
(1)自動包装機1の内部構造変更、内容物の品種変更に伴うセット替え若しくは原反ロールの交換作業等を実施した場合は、内容物の充填作業の開始前準備作業として新たに包材及び自動包装機1の内部を滅菌する必要がある。
【0029】
(2)上記自動包装機1の内部変更作業を実施した後、自動包装機1は、包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に対して過酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを供給し、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に滅菌剤を充満させる。
【0030】
(3)滅菌剤が充満している状態で、包材FXの搬送動作を停止させたまま、包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に設置された複数のローラのガイド棒部材を周回させる。
【0031】
(4)この結果、複数のローラとこれに接触している包材との間に滅菌剤が回り込む隙間が発生することになり、包材FXの搬送動作を停止した状態で内部の滅菌作業が確実に実施可能となった。
【0032】
(5)このように、本発明によれば、従来発生していた滅菌作業に伴う包材の無駄が発生することはなくなった。
【0033】
次に、上記包材及び自動包装機内部の滅菌作業が終了し、通常の製袋動作に移行するまでの動作について図1を参照しつつ下記に説明する。
【0034】
(1)包材及び自動包装機内部の滅菌作業が終了すると、包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5における酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスの供給は停止され、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に充満していた酸化水素水等のスプレー又は過酸化水素ガスは、自動包装機1の外に排出される。
【0035】
(2)滅菌剤等の排出後の包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5は、無菌エアーが供給される。
【0036】
(3)同時に、包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5において、酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを浴びた包材は、一定量搬送されて滅菌処理がなされた包材に置き換えられ、通常の製袋動作に移行する。
【0037】
(4)なお、一定量搬送された包材は、自動包装機1の外に排出されて廃棄される。
【0038】
図2は、包材搬送機構と包装袋作成機構の間にあるローラ6部分を拡大した一部断面図を含む上面図であり、図3は、ローラ6部分を拡大した正面図である。図2、図3に示すように、ローラ6は、自動包装機1の本体を延長したベース板15に回転可能に取り付けられている。そして、このローラ6の中心軸は中空構造になっており、この中心軸上にはガイド棒部材22を回転させる駆動軸20が配備されている。なお、駆動軸20の先端部分には連結部材21が取り付けられており、この連結部材21は、駆動軸20とガイド棒部材22を固定して連動可能にしている。
【0039】
一方、駆動軸20がベース板15を貫通した裏側には、カップリング部材23を経由してガイド棒モータ24が取り付けられている。即ち、自動包装機1によってガイド棒モータ24が回転駆動されると、ガイド棒モータ24の駆動軸に連結されているカップリング部材23と駆動軸20と連結部材21とガイド棒部材22が回転駆動され、ローラ6と掛け渡されている包材FXの間に隙間を発生させることになる。
【0040】
図4は、ガイド棒モータ24が回転してガイド棒部材22を90度回転させた状態を表した動作説明図である。図4に示すように、自動包装機1は包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に対して過酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを供給し、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に滅菌剤を充満させた後に、ガイド棒モータ24を回転駆動する。
【0041】
ガイド棒モータ24が回転駆動するとこの駆動軸に連結されているカップリング部材23と駆動軸20と連結部材21が時計周りに回転駆動され、図示のようにガイド棒部材22は90度回転される。
【0042】
図5は、ガイド棒部材22を180度回転させた状態を表した動作説明図である。図5に示すように、自動包装機1は包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に対して過酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを供給し、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に滅菌剤を充満させた後に、ガイド棒モータ24を回転駆動する。
【0043】
ガイド棒モータ24が回転駆動するとこの駆動軸に連結されているカップリング部材23と駆動軸20と連結部材21が時計周りに回転駆動され、図示のようにガイド棒部材22は180度回転される。
【0044】
この結果、ガイド棒部材22が180度回転してできた包材FXとローラ6の間の隙間に滅菌剤が浸透することになり、この隙間に対応する包材FXとローラ6の接触面が滅菌される。
【0045】
図6は、ガイド棒部材22を225度回転させた状態を表した動作説明図である。図6に示すように、自動包装機1は包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に対して過酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを供給し、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に滅菌剤を充満させた後に、ガイド棒モータ24を回転駆動する。
【0046】
ガイド棒モータ24が回転駆動するとこの駆動軸に連結されているカップリング部材23と駆動軸20と連結部材21が時計周りに回転駆動され、図示のようにガイド棒部材22は225度回転される。
【0047】
この結果、ガイド棒部材22が225度回転してできた包材FXとローラ6の間の隙間に滅菌剤が浸透することになり、この隙間に対応する包材FXとローラ6の接触面が滅菌される。
【0048】
図7は、ガイド棒部材22を270度回転させた状態を表した動作説明図である。図7に示すように、自動包装機1は包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に対して過酸化水素水等の滅菌剤のスプレー又は過酸化水素ガスを供給し、これらの包材搬送機構領域4及び包装袋作成領域5に滅菌剤を充満させた後に、ガイド棒モータ24を回転駆動する。
【0049】
ガイド棒モータ24が回転駆動するとこの駆動軸に連結されているカップリング部材23と駆動軸20と連結部材21が時計周りに回転駆動され、図示のようにガイド棒部材22は270度回転される。
【0050】
この結果、ガイド棒部材22が270度回転してできた包材FXとローラ6の間の隙間に滅菌剤が浸透することになり、この隙間に対応する包材FXとローラ6の接触面が滅菌される。
【0051】
以上、図4乃至図7によって説明された本発明の自動包装機における内部滅菌機構は、内容物の充填作業の開始前準備作業として包材及び自動包装機内部を滅菌する場合に、包材搬送機構の各ローラに対して、この周りを周回するガイド棒部材を設置して接触している包材との間で滅菌剤が回り込む隙間を作るようにしたため、自動包装機の運転を停止した状態で内部の滅菌作業が確実に実施できるようになった。
【0052】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0053】
そして、本発明の図4乃至図7によって説明された本発明の自動包装機における内部滅菌機構は、包材搬送機構の各ローラに対して、この周りを周回するガイド棒部材を設置して接触している包材との間で滅菌剤が回り込む隙間を自由に作ることが出来るため、任意の滅菌効果を簡単に実現できる。即ち、本発明の自動包装機における内部滅菌機構による滅菌効果を高めたい場合は、ガイド棒部材の回転駆動を下記のように制御するだけで良い。
【0054】
(1)ガイド棒部材22の回転駆動を一回だけではなく、複数回転するように設定する。この結果、包材FXとローラ6の間の隙間に滅菌剤が回転回数だけ浸透することになり、滅菌効果が高まる。
【0055】
(2)ガイド棒部材22の回転速度を遅くなるように設定する。この結果、包材FXとローラ6の間の隙間を開けている時間が長くなり、滅菌剤が浸透する時間を長く確保でき、滅菌効果が高まる。
【0056】
また、本発明の図4乃至図7によって説明された本発明の自動包装機における内部滅菌機構は、包材搬送機構の各ローラに対して、この周りを周回するガイド棒部材を設置して時計周りの回転制御の例で説明したが、これに限定されるものではなく逆時計周りに回転制御されても同等の作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を実施した自動包装機の正面図である。
【図2】包材搬送機構と包装袋作成機構の間にあるローラ6部分を拡大した一部断面図を含む上面図である。
【図3】ローラ6部分を拡大した正面図である。
【図4】ガイド棒モータ24が回転してガイド棒部材22を90度回転させた状態を表した動作説明図である。
【図5】ガイド棒部材22を180度回転させた状態を表した動作説明図である。
【図6】ガイド棒部材22を225度回転させた状態を表した動作説明図である。
【図7】ガイド棒部材22を270度回転させた状態を表した動作説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 自動包装機
2 原反ロール
3 原反ロール設置領域
4 包材搬送機構領域
5 包装袋作成領域
6 ローラ
7 折り畳みガイド棒
8 充填ノズル
9 縦シールロール
10 第一横シールロール
11 第二横シールロール
12 水封槽
13 殺菌槽
14 エアーナイフ
15 ベース板
20 駆動軸
21 連結部材
22 ガイド棒部材
23 カップリング部材
24 ガイド棒モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を巻回した原反ロールから予め設定された量だけ繰出しつつ、この包材を長手方向に二つ折りする製袋機構に送り込む包材搬送機構と、二つ折りされた包材に対して縦シールと横シールを施して包装袋形状にするシール機構と、この包装袋内に内容物を投入する充填機構を備えた自動包装機であって、
前記包材搬送機構には包材を所定方向に案内する複数のローラと、この複数のローラの周りを周回するガイド棒部材が備えられており、
内容物の充填作業の開始前準備作業として包材及び自動包装機内部を滅菌する場合に、前記自動包装機は、包材の搬送動作を停止した状態でローラ付近に滅菌剤を供給すると共に、このローラのガイド棒部材を周回駆動させることを特徴とする自動包装機。
【請求項2】
前記ガイド棒部材の周回駆動によって、ローラとこれに接触している包材との間に滅菌剤が回り込む隙間を発生させることを特徴とする請求項1記載の自動包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−18833(P2009−18833A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182229(P2007−182229)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】