説明

自動化方法

本発明は、99mTc放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。99mTc放射性医薬品の製造における自動合成装置の使用も記載される。また、本発明の方法及び使い捨てカセット中における99mTc放射性医薬品製造用キットの使用も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、99mTc放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。99mTc放射性医薬品の製造における自動合成装置の使用も記載される。また、本発明の方法及び使い捨てカセット中における99mTc放射性医薬品製造用キットの使用も記載される。
【背景技術】
【0002】
陽電子放出断層撮影法(PET)用の陽電子放出型放射性同位体を含む放射性医薬品を製造するための自動化方法は十分に確立されている[D.Alexoff,in“Handbook of Radiopharmaceuticals”,M.J.Welch&C.S.Redvanly(Eds.),pages 283−305,Wiley(2003)]。
【0003】
国際公開第02/051447号には、予め計量された量の化学試薬を含む使い捨てモジュールを組み込んだ放射性医薬品製造用の自動合成装置が記載されている。かかる装置は、半減期の短い陽電子放出型放射性同位体11C、13N、15O及び18Fに関して特に有用であるといわれている。
【0004】
99mTc放射性医薬品に関しては、多年にわたって発展してきた従来の知識に基づき、ユーザーは99Mo/99mTc放射性同位体ジェネレーターから99mTcの無菌供給材料を99mTc−過テクネチウム酸塩の食塩水溶液として得、その放射性溶出液を用いて凍結乾燥された非放射性キットを再構成することで、所望の放射性医薬品をそのまま注射できる形態で生成させる。これらの段階は通例は手動で実施されているが、自動化放射性医薬品調剤(APD)を検討する努力も行われてきた[Solanki,Hosp.Pharmac.,(4),94−98(2000)]。米国特許第4,625,118号及び同第5,580,541号には、99Mo/99mTc放射性同位体ジェネレーターの自動化溶出が記載されている。
【0005】
Fisco et al[Lab.Robot.Automat.,(4),159−165(1994)]は、99mTc放射性医薬品Cardiotec(商標)のキット再構成及び品質管理を自動化するためのロボットシステムの使用を開示している。Ensing[Dev.Nucl.Med.,22,49−54(1992)]は、非放射性キットの自動化再構成を含め、病院放射線薬局における放射性医薬品キット製剤を自動化しようとする努力を総説している。
【0006】
このように先行技術のアプローチでは、常に関連する化学のための基盤として通常のキットを使用しながら、99mTcジェネレーター又は99mTcキットの自動化再構成に焦点が向けられていた。これは、複数の用量が定期的に要求される場合、唯一の選択肢が多数のキットを処理することであり、各キットは放射化学的純度(RCP)に関する独立のQCチェックを要求するという欠点を有している。これは、同一のプロセス段階を何度も繰り返す必要を生じる場合があって非能率である上、作業の結果として放射性になる容器及び装置の数量が比較的多いことを意味する。自動化は操作員が受ける放射線量を低減させる可能性を有するものと認識されているものの、先行技術の自動化プロセスは同等の手動プロセスよりはるかに遅く、そのためにあまり魅力的でないことも報告されてきた[Solanki,Hosp.Pharmac.,(4),94−98(2000)]。したがって、速く、融通性が高く、既存キットの化学的性質にあまり拘束されず、かつ大きいバッチサイズを効率よく生成できる自動化アプローチに対するニーズが存在している。
【特許文献1】国際公開第02/051447号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4625118号明細書
【特許文献3】米国特許第5580541号明細書
【非特許文献1】D.Alexoff,in“Handbook of Radiopharmaceuticals”,M.J.Welch&C.S.Redvanly(Eds.),pages 283−305,Wiley(2003).
【非特許文献2】Solanki,Hosp.Pharmac.,7(4),94−98(2000).
【非特許文献3】Fisco et al,Lab.Robot.Automat.,6(4),159−165(1994).
【非特許文献4】Ensing,Dev.Nucl.Med.,22,49−54(1992).
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、99mTc放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法を、該方法で使用するための使い捨てカセットと共に提供する。本方法は、商業的に入手できるが、現在では主として短寿命のPET用放射性医薬品の製造に使用されている「自動合成装置」と共に使用するため特に適している。本方法は、複数の病院又は単一の大病院の仕事を扱う放射線薬局のように、多数の単位患者用量が定期的に要求される場合に特に有用である。これはただ1回のRCP測定を可能にする。
【0008】
本発明はまた、例えば、非水性溶媒を使用する必要があるため、或いは通常のキットアプローチの範囲内では望ましくない非生体適合性不純物を容易に除去できないため、通常のキットアプローチによる製造に適さない無菌99mTc放射性医薬品の製造を可能にする。
【0009】
本方法は、通常の99Mo/99mTcジェネレーターと異なり、99mTc−過テクネチウム酸塩源として99Mo−モリブデン酸塩溶液を使用するように容易に改変できる。溶液状態の放射性出発原料を使用することで、関係するプロセスの自動化は一層簡明になり、それによりジェネレーターの溶出を自動化するために必要な先行技術の複雑さが回避される。
【0010】
本発明のカセットは、所定の99mTc放射性医薬品製造のために必要な非放射性化学薬品を含み、任意には所要の放射性前駆体化学薬品も含み得る。これらのカセットは、先行技術のアプローチよりも本方法の融通性を高める。99mTc放射性医薬品の製造におけるカセットの使用も記載される。
【0011】
本発明はまた、99mTc放射性医薬品製造のための自動合成装置の使用、及び本発明の製造方法における無菌非放射性キットの使用も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の態様では、本発明は、生体適合性キャリヤー媒質中に99mTc金属錯体を含む無菌99mTc放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法であって、
(i)99mTc−過テクネチウム酸塩の溶液からなる前駆体を用意する段階、
(ii)99mTcと金属錯体を形成する非放射性リガンドの供給材料を用意する段階、
(iii)テクネチウムをTc(VII)酸化状態からそれより低いテクネチウム酸化状態に還元できる還元剤の供給材料を用意する段階、
(iv)前記前駆体及びリガンドの独立したアリコートをマイクロプロセッサー制御下で反応器に移送し、任意に加熱しながら、かつ任意には99mTc−過テクネチウム酸塩前駆体の前記アリコートを還元するのに有効な量の前記還元剤の存在下で前記反応器内において混合することで、リガンドと99mTcとの錯体を形成する段階、
(v)段階(iv)からの99mTc錯体生成物が既に生体適合性キャリヤー媒質中にある場合にはそれを直接に段階(vi)で使用し、さもなければ、段階(iv)の生成物を生体適合性キャリヤー媒質に溶解するか、或いは段階(iv)で使用した溶媒を除去してから残留物を生体適合性キャリヤー媒質に再溶解する段階、
(vi)任意には、精製プロセス、pH調整プロセス、及び溶媒を除去して生体適合性溶媒に再溶解するプロセスの1以上を実施して所望の99mTc放射性医薬品組成物を得る段階、並びに
(vii)段階(i)〜(vi)中に無菌性を維持することで段階(vi)からの99mTc金属錯体が既に無菌であるようにするか、或いは段階(vi)からの99mTc金属錯体に終末滅菌又は無菌濾過を施して所望の99mTc放射性医薬品を得る段階
を含んでなる方法を提供する。
【0013】
「生体適合性キャリヤー媒質」は、組成物が生理学的に許容できるようにして(即ち、毒性又は過度の不快感なしに哺乳動物体に投与できるようにして)99mTc金属錯体を懸濁又は溶解するための流体(特に液体)である。生体適合性キャリヤー媒質は、好適には、無菌の無発熱原性注射用水、(有利には注射用の最終生成物が等張性又は非低張性になるように平衡させ得る)食塩水のような水溶液、或いは1種以上の張度調整物質(例えば、生体適合性対イオンを有する血漿陽イオンの塩)、糖(例えば、グルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液のような注射可能なキャリヤー液体である。生体適合性キャリヤー媒質はまた、エタノールのような生体適合性有機溶媒からなっていてもよい。かかる有機溶媒は、親油性化合物又は配合物を可溶化するために有用である。好ましくは、生体適合性キャリヤー媒質は無発熱原性注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。上述の通り、静脈内注射用生体適合性キャリヤー媒質のpHは好適に4.0〜10.5の範囲内にある。
【0014】
「マイクロプロセッサー制御」という用語は、それの通常の意味を有する。即ち、本明細書中で使用する「マイクロプロセッサー」という用語は集積回路チップ上に含まれるコンピュータープロセッサーをいい、かかるプロセッサーはメモリー及び関連する回路を含んでいてもよい。マイクロプロセッサーは、コンピューターを駆動する基本命令に応答してそれを処理する論理回路を用いて算術演算及び論理演算を実行するように設計されている。マイクロプロセッサーはまた、選択された機能、計算方法、スイッチングなどを実行又は制御するようにプログラムされた命令も含み得る。マイクロプロセッサー及び関連するデバイスは、特に限定されないが、Cypress Semiconductor Corporation(サンホゼ、米国カリフォルニア州)、IBM Corporation、Applied Microsystems Corporation(レドモンド、米国ワシントン州)、Intel Corporation及びNational Semiconductor(サンタクララ、米国カリフォルニア州)を含む複数の供給源から商業的に入手できる。本発明に関しては、マイクロプロセッサーは、例えば化学薬品の移送、加熱、濾過などを含むプログラマブル系列の再現可能な段階を提供する。本発明のマイクロプロセッサーはまた、好ましくはバッチ製造データ(例えば、使用した試薬、反応条件、放射性材料など)を記録する。この記録データは、放射性医薬品製造に関するGMPコンプライアンスを証明するために有用である。マイクロプロセッサーはまた、以下に記載するように、有利には所定の製造作業のための反応条件の容易な選択を可能にするためバーコードリーダーに結合されている。
【0015】
「酸化状態」という用語は、無機化学におけるそれの通常の意味を有する。「低いテクネチウム酸化状態」という用語は、Tc(−I)ないしTc(VI)を意味する。99mTcとのリガンド金属錯体にとって好ましい酸化状態は、Tc(0)〜Tc(V)の範囲内にあり、最も好ましくはTc(I)、Tc(III)及びTc(V)から選択される。しかし、酸化状態Tc(VII)を有するリガンドのテクネチウム錯体も知られている。かかる錯体に関しては、還元剤は必要でないことがある。酸化状態Tc(−I)ないしTc(VI)のテクネチウム錯体に関しては、還元剤は本発明の方法の不可欠な特徴と予想される。
【0016】
99mTc−過テクネチウム酸塩中のテクネチウムの酸化状態はTc(VII)である。本発明の「還元剤」は、Tc(VII)過テクネチウム酸塩をそれより低いテクネチウムの酸化状態(即ち、99mTcとリガンドとの金属錯体中におけるテクネチウムの酸化状態)に還元するのに適している。好適なかかる還元剤は当技術分野で公知である[Clarke,Coord Chem.Rev.,78,253−331(1987)及びその中の引用文献]。また、電解槽を用いて還元を実施できることも想定されており、これは本発明のカセットの追加の特徴をなすことができる。かかる電解槽は、化学還元剤を添加する必要と共に、制御された還元条件を与えるという利点を有する。本発明の還元剤は生体適合性である必要はない。これは、本方法の融通性によって非生体適合性の還元剤を後に除去できるからである。しかし、生体適合性還元剤が好ましい。「生体適合性還元剤」という用語は、Tc(VII)過テクネチウム酸塩をそれより低いテクネチウムの酸化状態に還元するのに適する還元剤であって、所要の用量で無毒性であり、したがって哺乳動物体(特に人体)への投与に適した還元剤を意味する。好適なかかる還元剤には、亜ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ホルムアミジン、スルフィン酸、第一スズイオン、Fe(II)又はCu(I)がある。生体適合性還元剤は、好ましくは塩化第一スズ又は酒石酸第一スズのような第一スズ塩である。
【0017】
本発明の還元剤は、固体状態(例えば、凍結乾燥状態)又は溶液状態で供給できる。固体状態で使用する場合、既知量の還元剤が好適にはバイアル又は容器に入れて供給され、自動化方法の一部として、使用に先立って適当な溶媒中に溶解される。溶液状態で使用する場合、これは、還元剤濃度が既知であり、したがってマイクロプロセッサー制御下で適正量の還元剤を送入することで還元剤溶液の所定容量又はアリコートのデリバリーが簡易化されるという利点を有する。還元剤溶液は、好ましくは上述のような生体適合性キャリヤー媒質中にある。生体適合性キャリヤー媒質中の第一スズ塩の無菌溶液は、適当な容器内に空気の不存在下で保存すれば、本発明のカセット中で使用するのに有用な貯蔵寿命を有するのに十分な程度に安定であると予想される。
【0018】
本明細書中で使用する「リガンド」という用語は、無機化学におけるそれの通常の意味を有し、即ち金属(この場合にはテクネチウム)と錯体を形成する化合物を意味する。「金属錯体」という用語は、金属イオンと1以上のリガンドとの配位錯体を意味する。テクネチウム金属錯体は、「キレート交換に耐える」こと(即ち、99mTc配位座に対する他の潜在的に競合するリガンドとのリガンド交換を受けにくいこと)が極めて好ましい。潜在的に競合するリガンドには、インビトロでは製剤中の他の賦形剤(例えば、製剤中に使用される放射線防護剤、抗菌防腐剤又は滅菌剤(例えば、アルコール))があり、インビボでは内因性化合物(例えば、グルタチオン、トランスフェリン又は血漿タンパク質)がある。キレート交換に耐えるテクネチウム錯体を形成するために本発明で使用するのに適したリガンドには、2〜6(好ましくは2〜4)の金属ドナー原子が(金属ドナー原子を結合する炭素原子又は非配位ヘテロ原子の非配位主鎖を有することで)キレート環(好ましくは五員又は六員のキレート環)を生じるように配列されたキレート剤、或いはテクネチウムと強く結合するドナー原子を含む単座リガンド(例えば、一酸化炭素(CO)、イソニトリル、ホスフィン、チオール又はジアゼニド)がある。
【0019】
キレート剤の一部としてテクネチウムとよく結合するドナー原子種の例は、アミン、チオール、アミド、オキシム及びホスフィンである。ホスフィンは非常に強い金属錯体を形成するので、単座又は二座のホスフィンでも好適なテクネチウム錯体を形成する。イソニトリル及びジアゼニドの直線形状はキレート剤中に組み込みにくいものであり、したがって通例は単座リガンドとして使用される。好適なイソニトリルの例には、tert−ブチルイソニトリルのような単純アルキルイソニトリル、及びmibi(即ち、1−イソシアノ−2−メトキシ−2−メチルプロパン)のようなエーテル置換イソニトリルがある。好適なホスフィンの例には、テトロフォスミン(Tetrofosmin)、及びトリス(3−メトキシプロピル)ホスフィンのような単座ホスフィンがある。好適なジアゼニドの例には、HYNIC系列のリガンド(即ち、ヒドラジン置換ピリジン又はニコチンアミド)がある。
【0020】
キレート交換に耐える金属錯体を形成するテクネチウム用の好適なキレート剤の例には、特に限定されないが、下記の(i)〜(v)がある。
【0021】
(i)下記式のジアミンジオキシム。
【0022】
【化1】

式中、E〜Eは各々独立にR’基であり、各R’はH或いはC1−10アルキル、C3−10アルキルアリール、C2−10アルコキシアルキル、C1−10ヒドロキシアルキル、C1−10フルオロアルキル、C2−10カルボキシアルキル又はC1−10アミノアルキルであり、或いは2以上のR’基がそれに結合した原子と共に炭素環式又は複素環式の飽和又は不飽和環を形成し、Qは式−(J)−(式中、fは3、4又は5であり、Jは−(J)−が−O−又は−NR’−である最大1つのJ基を含み得ることを条件にして独立に−O−、−NR’−又は−C(R’)−である。)の橋かけ基である。
【0023】
好ましいQ基は下記の通りである。
Q=−(CH)(CHR’)(CH)−(即ち、プロピレンアミンオキシム又はPnAO誘導体)、
Q=−(CH)(CHR’)(CH)−(即ち、ペンチレンアミンオキシム又はPentAO誘導体)、及び
Q=−(CH)NR’(CH)−。
【0024】
〜Eは、好ましくはC1−3アルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、フルオロアルキル、カルボキシアルキル及びアミノアルキルから選択される。最も好ましくは、各E〜E基はCH−である。
【0025】
Qは、好ましくは−(CH)(CHR’)(CH)−、−(CH)(CHR’)(CH)−又は−(CH)NR’(CH)−であり、最も好ましくは−(CH)(CHR’)(CH)−である。特に好ましい二官能性ジアミンジオキシムキレーターは下記の式を有する。
【0026】
【化2】

式中、橋頭の第一級アミン基は当技術分野で知られているように各種の生物学的標的分子と結合し得る。
【0027】
(ii)MAG(メルカプトアセチルトリグリシン)のようなチオールトリアミンドナーセット又はPicaのようなジアミドピリジンチオールドナーセットを有するNSリガンド及び関連するリガンド。
【0028】
(iii)BAT又はECD(エチルシステイネート二量体)のようなジアミンジチオールドナーセット或いはMAMAのようなアミドアミンジチオールドナーセットを有するNリガンド。
【0029】
(iv)シクラム、モノオキソシクラム又はジオキソシクラムのようなテトラアミン、アミドトリアミン又はジアミドジアミンドナーセットを有する開鎖又はリガンドであるNリガンド。
【0030】
(v)ジアミンジフェノールドナーセットを有するNリガンド。
【0031】
上述のリガンド及びそれのテクネチウムとの錯体形成は、Jurisson et al[Chem.Rev.,99,2205−2218(1999)]によって一層詳しく記載されている。
【0032】
本発明の好ましいリガンドは、ホスフィン、イソニトリル及び四座のキレート剤から選択される。好ましいかかる四座キレート剤には、ジアミンジオキシム、テトラアミン、アミドトリアミン又はジアミドジアミンドナーセットを有するNキレート剤、チオールトリアミンドナーセット又はジアミドピリジンチオールドナーセットを有するNSキレート剤、及びBATのようなジアミンジチオールドナーセット又はMAMAのようなアミドアミンジチオールドナーセットを有するNキレート剤がある。好ましいかかるリガンドは上述したN、NS及びNキレート剤であり、最も好ましくはNテトラアミン、ジアミンジオキシム及びNジアミンジチオール又はジアミドジチオールキレート剤、特にBATとして知られるNジアミンジチオール又はgem−ジメチル基のないそれの変種である。
【0033】
【化3】

本発明のリガンドは、任意には、当技術分野で公知のようにして生物学的標的分子に結合させることもできる[Banerjee et al,Semin.Nucl.Med.,31(4),260−277(2001)]。
【0034】
本発明の方法を(例えば)米国薬局方ガイドラインに記載されているようにして無菌製造条件下で実施することで、所望の無菌で非発熱性の放射性医薬品生成物を得ることができる。また、初期段階(i)〜(vi)を非無菌条件下で実施し、次いで無菌濾過或いは(例えば)γ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は(例えば、エチレンオキシドによる)化学処理を用いる終末滅菌によって滅菌することもできる。好ましくは、追加の終末滅菌段階が不要となるように、段階(i)〜(vi)を通じて無菌性が維持される。
【0035】
前駆体、リガンド、還元剤及び反応器は、それぞれが適当なバイアル又は容器に入った状態で供給される。かかるバイアル又は容器は、注射器又はカニューレによる溶液の添加及び抜取りを許しながら、無菌保全性及び/又は放射能安全性、さらに任意には不活性ヘッドスペースガス(例えば、窒素又はアルゴン)の維持を可能にする密封容器からなっている。好ましいかかる容器は、気密クロージャーを(通例はアルミニウムからなる)オーバーシールと共にクリンプ加工した隔壁密封バイアルである。クロージャーは、無菌保全性を維持しながら皮下注射針による1回又は数回の穿刺に適したもの(例えば、クリンプ加工した隔壁シールクロージャー)である。かかる容器は、(例えば、ヘッドスペースガスの変更又は溶液のガス抜きのために)所望される場合にはクロージャーが真空に耐え得ると共に、外部大気ガス(例えば、酸素又は水蒸気)の侵入を許すことなしに減圧のような圧力変化にも耐え得るという追加の利点を有している。
【0036】
本発明の方法の99mTc放射性医薬品組成物生成物は好適には上述のような密封容器に入れて供給され、かかる容器は1回分又は複数回分の患者用量を含み得る。かくして、臨床的状況に合わせ、製剤の実用寿命中に様々な時間間隔で1回分の患者用量又は「単位用量」を臨床グレードの注射器に抜き取ることができる。好ましい複数用量容器は、複数の患者用量にとって十分な放射能を含む(例えば、10〜30cmの容積を有する)単一のバルクバイアルである。単位用量注射器は1人の患者のみに対して使用するように設計され、したがって好ましくはヒトへの注射に適した使い捨てのものである。充填済みの単位用量注射器には、施術者を放射線量から保護するための注射器シールドを任意に設けることができる。好適なかかる放射性医薬品注射器シールドは当技術分野で公知であり、好ましくは鉛又はタングステンからなっている。
【0037】
「キット」という用語は99mTc放射性医薬品化学におけるそれの通常の意味を有し、放射性医薬品の製造を簡明に実施できるように必要な反応体を通常の化学形態で含む非放射性配合物をいう。かかるキットは、例えば血流中への直接注射により、ヒトへの投与に適した無菌放射性医薬品生成物を与えるように設計されている。かかるキットは、好ましくは凍結乾燥されており、無菌の99mTc−過テクネチウム酸塩(TcO)を用いて再構成することで、さらなる操作なしにヒトへの投与に適した溶液を与えるように設計されている。好適なキットは、リガンドを遊離塩基又は酸性塩の形態で含む、上述したような密封容器からなっている。好ましくは、キットはさらに、上記に定義したような「生体適合性還元剤」を無菌の凍結乾燥状態で含んでいる。別法として、キットはリガンドの非放射性金属錯体を任意に含んでいてもよい。かかる非放射性金属錯体は、99mTcの添加後、金属交換反応(即ち、金属の交換)を受けて所望の99mTc金属錯体生成物を与える。これの例は、99mTcイソニトリル錯体製造用のキット中に使用される銅イソニトリル錯体である。
【0038】
非放射性キットはさらに、任意には、トランスキレーター、放射線防護剤、抗菌防腐剤、pH調整剤又は賦形剤のような追加成分を含むことができる。「トランスキレーター」は、放射性金属と急速に反応して弱い錯体を形成し、次いでリガンドで置換される化合物である。テクネチウムに関しては、これはテクネチウムの錯体形成と競合する過テクネチウム酸塩の急速還元によって還元加水分解テクネチウム(RHT)が生成するリスクを最小にする。好適なかかるトランスキレーターは、弱有機酸(即ち、3〜7の範囲内のpKaを有する有機酸)と生体適合性陽イオンとの塩である。好適なかかる弱有機酸は、酢酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、フェノール類又はホスホン酸である。したがって、好適な塩は酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩、フェノレート又はホスホン酸塩である。好ましいかかる塩は酒石酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩又はホスホン酸塩であり、最も好ましくはホスホン酸塩、特に二ホスホン酸塩である。「生体適合性陽イオン」という用語は、イオン化して負に帯電した基と共に塩を形成する正に帯電した対イオンを意味する。この場合、前記正に帯電した対イオンも無毒性であり、したがって哺乳動物体(特に人体)への投与に適している。好適な生体適合性陽イオンの例には、アルカリ金属であるナトリウム及びカリウム、アルカリ土類金属であるカルシウム及びマグネシウム、並びにアンモニウムイオンがある。好ましい生体適合性陽イオンはナトリウム及びカリウムであり、最も好ましくはナトリウムである。好ましいかかるトランスキレーターは、MDP(即ち、メチレンジホスホン酸)と生体適合性陽イオンとの塩である。
【0039】
「放射線防護剤」という用語は、水の放射線分解から生じる含酸素遊離基のような高反応性遊離基を捕捉することで分解反応(例えば、レドックス過程)を阻止する化合物を意味する。本発明の放射線防護剤は、好適には、アスコルビン酸、p−アミノ安息香酸(即ち、4−アミノ安息香酸)、ゲンチジン酸(即ち、2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、及び上述したような生体適合性陽イオンを有するこれらの塩から選択される。
【0040】
「抗菌防腐剤」という用語は、潜在的に有害な微生物(例えば、細菌、酵母又はかび)の増殖を阻止する薬剤を意味する。抗菌防腐剤はまた、用量に応じ、多少の殺菌性を示すこともある。本発明の抗菌防腐剤の主な役割は、再構成後の放射性医薬品組成物(即ち、放射性診断薬生成物そのもの)中におけるこのような微生物の増殖を阻止することである。しかし、抗菌防腐剤は、再構成前の本発明の非放射性キットの1種以上の成分中における潜在的に有害な微生物の増殖を阻止するためにも任意に使用できる。好適な抗菌防腐剤には、パラベン類(即ち、メチル、エチル、プロピル又はブチルパラベン或いはこれらの混合物)、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール、セトリミド及びチオメルサールがある。好ましい抗菌防腐剤はパラベン類である。
【0041】
「pH調整剤」という用語は、再構成されたキットのpHがヒト又は哺乳動物への投与のために許容し得る範囲(およそpH4.0〜10.5)内にあることを保証するために有用な化合物又は化合物の混合物を意味する。好適なかかるpH調整剤には、トリシン、リン酸塩又はTRIS(即ち、トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン)のような製剤学的に許容し得る緩衝剤、及び炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はこれらの混合物のような製剤学的に許容し得る塩基がある。任意には、pH調整剤を独立のバイアル又は容器に入れて供給することができ、その結果としてキットのユーザーは多段操作の一部としてpHを調整することができる。
【0042】
「賦形剤」という用語は、製造及び凍結乾燥中における材料の取扱いを容易にすることができる製剤学的に許容し得る増量剤を意味する。好適な賦形剤には、塩化ナトリウムのような無機塩、及びスクロース、マルトース、マンニトール又はトレハロースのような水溶性糖又は糖アルコールがある。
【0043】
本発明で使用するための好ましいキットは、ホスフィン、イソニトリル、ジアミンジオキシム、ビス(アミノチオール)及びメルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)から選択されるリガンドを含んでいる。本発明で使用するための特に好ましいキットは、テトロフォスミン、ミビ(mibi)、エキサメタジム、ビシセート(ECD)、ECD二酸、メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)、MDP及び(上記に定義したような)キレーター1をリガンドとして含むものである。
【0044】
本発明の段階(vi)が精製段階を含む場合、これは下記のものの1以上を含み得る。
(i)不要の不溶物又は粒状物質を除去するための濾過。
(ii)クロマトグラフィー。
(iii)カートリッジ(例えば、Sep−pak)による精製。
【0045】
クロマトグラフィーは、通常の順相法又は逆相法或いはイオン交換法に関係するものであり得る。場合によっては、所望の生成物は移動相に比べ固定相に対してはるかに高い親和性を有するため、カラムマトリックスの上部に本質的に固定化される。したがって、固定相より移動相に対して高い親和性を有する不純物は、適宜に遮蔽された廃棄物容器に溶出させることができる。次に、洗浄後、生成物が固定相より高い親和性を示す別の溶離剤系を用いて精製生成物を簡単に溶出させることができる。かかるクロマトグラフィーは、以後の製剤が以前の製剤からの物質で汚染されるリスクをなくすため、好ましくは使い捨てカラムを用いて実施される。かかる使い捨てカラムは商業的に入手できる。
【0046】
本発明の段階(vi)がpH調整段階を含む場合、これは上述のようなpH調整剤を用いて実施できる。
【0047】
本発明の段階(v)又は段階(vi)が溶媒除去段階及び再溶解段階を含む場合、溶媒は下記のような各種の技法で除去できる。
(i)クロマトグラフィー。
(ii)減圧又は真空の適用。
(vi)加熱或いは溶液中又は溶液上でのガスバブリングによる蒸発。
(v)カートリッジ(例えば、Sep−pak)による精製。
【0048】
クロマトグラフィー技法は上述のような固定化を応用するものであって、好ましい方法である。かかる溶媒除去技法は、有機溶媒中での反応による99mTc錯体の製造を可能にしながら最終の放射性医薬品はやはり生体適合性キャリヤー媒質中に供給されるという点で重要である。これは、水性媒質中に難溶であるか、或いは遊離リガンド状態では恐らく加水分解を受けやすいがTc−リガンド金属錯体としては安定であるリガンド又は中間体に対して特に有用である。前者の例はアレーン含及びシクロペンタジエニル含有リガンドである。後者の例はイミン又はシッフ塩基リガンドであり、これらの一部は水に難溶でもある。したがって、リガンドが水性媒質中に難溶であるか又は加水分解を受けやすい場合、段階(ii)の溶液に使用される溶媒は好ましくは有機溶媒、最も好ましくは水混和性の有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はアセトン)である。好ましいかかる溶媒は、アセトニトリル、エタノール及びジメチルスルホキシドである。
【0049】
興味深い生物学的性質を有するが、通常のキット技術には適さない部類の錯体のさらに他の重要な例は、テクネチウムトリカルボニル錯体(即ち、99mTc(CO)(リガンド)型の錯体)である。[99mTc(CO)(HO)]製造用のキットは記載されているが、これはヒト用のものではない(即ち、もっぱらインビトロ研究目的のためのものである)[Schibli,Eur.J.Nucl.Med.,29(11),1529−1542(2002)]。本発明の方法は、かかる99mTc(CO)(リガンド)錯体の製造のために特に有用である。
【0050】
精製方法はまた、テクネチウム−リガンド錯体からの過剰の非放射性リガンドの除去を含み得る。これは、非錯化リガンドも生物学的に活性である場合(例えば、インビボで所定のレセプターに対して親和性を有するペプチドの場合)に特に重要である。即ち、それは非錯化リガンドがインビボで興味の対象となる生物学的標的部位に対して99mTc−リガンド金属錯体と競合する可能性を除去するからである。過剰のリガンドは、上述の精製段階中に除去するか、或いは固相アプローチを用いて除去することができる。クロマトグラフィーは好ましい分離方法である。所定の溶媒中における99mTc錯体の溶解度が非錯化リガンドと非常に異なる場合には、遊離リガンドの沈殿及び濾別も可能である。クロマトグラフィー方法を使用する場合には、使い捨てカートリッジシステムが好ましいが、分取用HPLCシステムも好適である。
【0051】
99mTc−過テクネチウム酸塩の前駆体溶液は、好ましくは無菌であり、適当な99mTc放射性同位体ジェネレーターの溶出によって供給される。溶出は独立した作業として既に実施されていてもよく、或いは任意には本方法が追加の特徴として99mTcジェネレーターの自動化溶出を含むように構成してもよい。
【0052】
好ましい実施形態では、本方法はさらに、適当な溶媒中における99Mo−モリブデン酸塩の無菌貯留溶液を含んでいる。この場合には、段階(i)の99mTc−過テクネチウム酸塩前駆体は前記99Moから99mTcへのインサイチュ放射性崩壊によって得られ、前記99mTc−過テクネチウム酸塩はマイクロプロセッサー制御下で同一自動化方法の一部として99Mo−モリブデン酸塩から分離される。かかる分離方法は当技術分野で公知であって、クロマトグラフィー、昇華及び溶剤抽出がある。好ましいかかる方法はクロマトグラフィーである。
【0053】
99Moの放射性崩壊によって適当量の99mTcが生成するのを可能にするために適当な時間を経過させることを考慮に入れなければならない(99Moの半減期は66時間である)。好ましくは、99Mo−モリブデン酸塩用の溶媒は上記に定義したような生体適合性キャリヤー媒質からなり、最も好ましくは食塩水からなる。これは、本方法の好ましい実施形態で使用するためには通常の99mTcジェネレーターの溶出が不要になるという利点を有する。その代わりに、顧客には99Mo−モリブデン酸塩の無菌で無発熱原性の供給材料が供給されるが、これは第6の実施形態で後述されるように酸化剤のような追加の化学成分を含むことがある。
【0054】
99Mo−モリブデン酸塩液溜めからのアリコートが、マイクロプロセッサー制御下で、モリブデン酸塩からのテクネチウム酸塩分離に適したクロマトグラフィーカラム上に分注される。高効率の分離をもたらす分離カラム用の好適な材料は当技術分野で公知であって、アルミナ及びジルコニアがある。かかる材料は、Molinski[Int.J.Appl.Rad.Isot.,33,811−819(1982)]によって総説されている。分離カラムは、1回使用又は複数回使用(即ち、ただ1回の溶出或いは溶出ごとに本発明の方法で使用するための99mTc−過テクネチウム酸塩が得られる複数回の溶出)のために設計することができる。複数回使用のカラムに関しては、99Mo−モリブデン酸塩を適当なカラム上に装填してその位置に保持し、必要に応じて99mTc−過テクネチウム酸塩を溶出する。別法として、各回の溶出後に99Mo−モリブデン酸塩をカラムから溶出して液溜めに戻すこともできる。しかし、99Moの半減期は、1回使用カラムの処分前に放射性崩壊を行わせるために長期間の貯蔵が必要となるようなものである。このこと及び99Mo放射性同位体の効率的な使用を考えれば、複数回使用カラムが好ましい。
【0055】
本発明の方法は、実験室用ロボット機器又は自動合成装置を用いて実施できる。「自動合成装置」という用語は、Satyamurthy et al[Clin.Positr.Imag.,(5),233−253(1999)]によって記載されたような単位操作の原理に基づく自動化モジュールを意味する。「単位操作」という用語は、複雑なプロセスが一連の簡単な操作又は反応に還元されることを意味し、これは一定範囲の材料に適用できる。かかる自動合成装置は本発明の方法にとって好ましく、CTI Inc.、GE Healthcare社及びIon Beam Applications S.A.(Chemin du Cyclotron 3,B−1348 Louvain−La−Neuve,ベルギー)をはじめとする一定範囲の供給業者[Satyamurthy et al,上記]から商業的に入手できる。市販の自動合成装置はまた、適当な放射線遮蔽をもたらすように設計されているか、或いは遮蔽されていないが、操作員を潜在的な放射線量から保護するため遮蔽ホットセル(即ち、放射化学を実施するため特別に設計された製造用セル)内に配置するように設計されている。かかる市販の合成装置はまた、放射性医薬品製造の結果として生じる液体放射性廃棄物用の適当な容器を含んでいる。
【0056】
好ましい自動合成装置は、99mTc放射性医薬品の所定バッチの製造を実施するために必要なすべての非放射性試薬、反応器及び機器を含む使い捨て又は1回使用のカセットを含むものである。かかるカセットは下記の第2の実施形態で説明する。かかるカセットは、単にカセットを交換するだけで、自動合成装置が相互汚染のリスクを最小限に抑えながら各種の99mTc放射性医薬品を製造できる融通性を有することを意味する。
【0057】
本発明の方法は、ほぼ任意の数の単位患者用量にとって十分な放射能を有する所定の99mTc標識放射性医薬品のバッチを製造するために使用できることが想定されている。用量の上限に対する唯一の制約は、反応器の容積及び達成できる放射能濃度である。バッチ当たりの単位患者用量の数は、好ましくは1〜200、好ましくは3〜100、最も好ましくは5〜50である。市販の自動合成装置は反応体及び生成物の放射能含有量及び濃度の自動化測定のための検出器を含んでいるので、放射能含有量は自動的に測定できる。次いで、本方法の追加の特徴としてバッチを適当な容器又は臨床グレードの注射器に入った複数の単位用量に分注することができる。或いは、手動で又は自動化バイアル充填のような独立した自動化方法を用いて複数用量のバッチを独立した作業として分注することもできる。このようにして複数の用量を製造できることは、同じ99mTc放射性医薬品の多数の用量が同じ日に必要となる患者集団を扱う放射線薬局において特に有用であることを意味する。
【0058】
第2の態様では、本発明は、第1の実施形態の方法で使用するのに適した使い捨てカセットであって、反応器、第1の実施形態の段階(iv)の移送及び混合を実施するための手段、段階(v)の操作を実施するための手段、並びに第1の実施形態の方法の段階(vi)の任意の追加プロセスを実施するための手段を含んでなるカセットを提供する。
【0059】
「カセット」という用語は、合成装置の可動部分の機械的運動がカセットの外側から(即ち、外部から)カセットの動作を制御するようにして、(上記に定義したような)自動合成装置上に着脱自在かつ交換可能に装着し得るように設計された装置部分を意味する。好適なカセットは直線状に並んだ弁の列を含み、その各々は倒立隔壁密封バイアルの針穿刺又は気密連結継手によって試薬又はバイアルを装着することができるポートに結合している。各弁は、自動合成装置の対応する可動アームとかみ合うはめ込み型継手を有している。かくして、カセットを自動合成装置に装着した場合、アームの外部回転が弁の開閉を制御する。自動合成装置の追加の可動部分は、注射器のプランジャー先端をつかみ、それによって注射器外筒を上昇又は降下させるように設計されている。
【0060】
カセットは融通性の高いものであって、通例は試薬を装着することができる複数の位置、及び試薬のシリンジバイアルを装着するために適した複数のポートを有している。カセットは常に反応器を含んでいる。かかる反応器は好ましくは1〜10cm、最も好ましくは2〜5cmの容積を有しており、カセット上の様々なポートからの試薬又は溶媒の移送を可能にするため、カセットの3以上のポートが反応器に連結されるように構成されている。好ましくは、カセットは直線状に並んだ15〜40の弁、最も好ましくは20〜30の弁を有しており、25の弁が特に好ましい。カセットの弁は好ましくは同一であり、最も好ましくは三方弁である。本発明のカセットは放射性医薬品製造のために適するように設計されており、したがって製薬グレードの材料であって理想的には放射線分解にも耐える材料で製造されている。
【0061】
カセットは、所定の99mTcリガンド金属錯体の製造のために必要な各種の非放射性化学薬品及び試薬を含んでいる。カセットは、使い捨てであるばかりでなく交換可能であるようにも設計されている。これは、比較的高価な自動合成装置に投資した後には、ユーザーは単に必要な消耗品としてカセットを購入すればよいことを意味している。様々な特定の99mTc放射性医薬品を製造するためそれぞれに異なるリガンドを含む一定範囲のカセットを所定の自動合成装置と共に使用することも想定されている。
【0062】
カセットはさらに、好ましくは、凍結乾燥状態、溶液状態又は固体状態にあり得る還元剤の供給材料を含んでいる。還元剤の好ましい態様は、第1の実施形態に関して上述した通りである。カセットの還元剤は、好ましくは、上記に定義したような生体適合性キャリヤー媒質中の溶液である。最も好ましいかかる溶液は、適当な容器内に空気の不存在下で保存された、生体適合性キャリヤー媒質中の第一スズ塩の無菌溶液である。
【0063】
カセットはさらに、好ましくは、リガンドの供給材料を含んでいる。リガンドの好ましい態様は、第1の実施形態に関して上述した通りである。最も好ましくは、リガンドは第1の実施形態に関して上述したようなキットの形態で供給される。
【0064】
カセットはさらに、任意には、所望の99mTc放射性医薬品を製造するために必要な放射性物質の供給材料(即ち、99mTc前駆体溶液又は第1の実施形態に関して上述したようにそれの好ましい態様である99Mo−モリブデン酸塩)を任意に含み得る。かかる放射性物質がカセット内に含まれる場合には、適当な放射線遮蔽も想定される。しかし、カセットは非放射性であることが好ましい。
【0065】
カセットの試薬のバイアル及び容器は、任意には、操作員が存在する材料を識別するのが容易であるように色分けすることができる。カセットの各種容器はまた、任意には、一層容易なマイクロプロセッサー制御及び品質保証を可能にするためにコンピューター読取り可能なフォーマット(例えば、バーコード)で明確に識別することもできる。好ましい実施形態では、製造すべき放射性医薬品にとって正しいカセットが所定の位置にあることを自動合成装置が自動的にチェックできるようにするため、カセット全体がコンピューター読取り可能なフォーマット(例えば、バーコード)で明確に識別される。
【0066】
カセット部品、還元剤及びリガンドは無菌で非発熱性の状態にあることが好ましい。滅菌方法は上述した通りである。
【0067】
第3の態様では、本発明は、99mTc放射性医薬品の製造のための自動合成装置の使用を提供する。「自動合成装置」は、第1の実施形態に関して上記に定義した通りである。かかる合成装置はPET用放射性医薬品に関して広く使用されてきたが、99mTcに関するそれの使用は新規であると考えられる。この実施形態は、実際上はかかる自動合成装置の新規な使用方法に関する。
【0068】
この自動合成装置は、好ましくは第1の実施形態の方法(それの好ましい実施形態を含む)を実施するために使用される。
【0069】
この実施形態で使用される自動合成装置は、好ましくは第2の実施形態の使い捨てカセットを含む。
【0070】
第4の態様では、本発明は、第1の実施形態の自動化方法又は第2の実施形態のカセット中における99mTc放射性医薬品製造用の無菌非放射性キットの使用を提供する。これは、通常の99mTcキットの新しい使用方法を表している。
【0071】
かかるキット及びそれの好ましい実施形態は、第1の実施形態に関して上述した通りである。この第4の実施形態では、キットは上記に定義したような非放射性の生体適合性キャリヤー媒質で再構成されるように設計されており、次いで得られた溶液は第1の実施形態の自動化方法で使用される。これは、放射性の99mTc−過テクネチウム酸塩を用いてキットを再構成し、次いで任意に加熱して同一のバイアル又は容器内に放射性医薬品を得る先行技術とは対照的なはずである。
【0072】
第5の態様では、本発明は、99mTc放射性医薬品の製造における第2の実施形態のカセットの使用を提供する。好ましくは、カセットは第1の実施形態に記載した方法で使用される。
【0073】
第6の態様では、本発明は、製薬用途に適した容器に入った99Mo−モリブデン酸塩の滅菌供給材料を提供する。この文脈中で、「滅菌」は上述した通りであり、追加の段階を用いて99Mo−モリブデン酸塩を滅菌することでそれを無菌の無発熱原性状態で得ることを意味する。好適な滅菌方法は上述されており、(例えば、無菌濾過、γ線照射又はオートクレーブ処理による)終末滅菌が好ましい。先行技術では高度放射性の99Mo−モリブデン酸塩が知られているが、放射能のみが発熱原を除去するために必要な滅菌度を与えるとは考えられない。この実施形態では、追加の滅菌段階が不可欠の特徴である。
【0074】
製薬用途に適した容器及びそれの好ましい態様は、第1の実施形態に関して上述した通りである。
【0075】
99Mo−モリブデン酸塩の滅菌供給材料は、好ましくは水溶液又は固体の状態で供給される。好ましくは、99Mo−モリブデン酸塩水溶液はアルカリ性であり、最も好ましくは希NaOH溶液である。処理中に1種以上の酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液)を溶液に添加することができる。かかる溶液は好ましくは空気下で貯蔵されるが、これはモリブデンの高酸化状態を維持するために役立つからである。任意には、リン酸塩を添加してリンモリブデン酸塩溶液を生成させることもできる。99Mo−モリブデン酸塩の放射線量は、好ましくはタングステン又は鉛からなる適当な遮蔽を使用しなければならないことを意味する。
【実施例】
【0076】
以下の非限定的な実施例で本発明を例証する。実施例1は、改造された市販の自動合成装置を用いて公知の99mTc放射性医薬品を成功裡に製造できることを実証している。実施例2は、通常のキットによって製造しにくい、ヒト投与用として適する99mTc放射性医薬品を製造するために本発明の方法がいかに有用であるかを示している。実施例3は、インビボで活性標的部位に対して99mTc放射性医薬品と競合する可能性がある過剰の非放射性リガンドを除去するために本発明の方法がいかに使用できるかを示している。
【0077】
実施例1:TRODATのテクネチウム錯体の製造
キレーターTRODATは、Meegalla et al[J.Med.Chem.,40,9−17(1997)]の方法と同様にして製造した。凍結乾燥キットは、Kung et al[Nucl.Med.Biol.,26,461−466(1999)]の方法と同様にして製造した。この実験では、崩壊99mTcジェネレーター溶出液(即ち、主として99Tc−過テクネチウム酸塩を含むもの)を使用した。
【0078】
99mTc−TRODAT注射液製造用の凍結乾燥キットは下記のものを含んでいた。
【0079】
【表1】


この凍結乾燥キットをGE Healthcare Ltd製FASTlab(商標)自動合成装置に装着した。次いで、合成装置ソフトウェアの制御下で下記の段階を自動的に実施した。
【0080】
(i)崩壊ジェネレーター溶出液(2.5mL)を液溜めから注射器中に抜き取り、それからキット中に注入した。
【0081】
(ii)得られた溶液を反応器に移し、100℃で20分間加熱した。
【0082】
(iii)次いで、加熱した溶液を受け器バイアルに分注し、冷却後にHPLC分析及びpH試験のためオートサンプラーバイアルに移した。
【0083】
結果
逆相HPLCにより、生成物の化学的プロフィルを、崩壊ジェネレーター溶出液(2.5mL)を用いて手動で再構成した同等のTRODATキットバイアルと比較した。FASTlab(商標)を用いて製造した試料は2種のジアステレオマーに原因するピークを19.5分及び21.0分の相対保持時間に与えたのに対し、手動で再構成したキットは(別の機械で測定して)20.6分及び21.7分に同等のピークを与えた。FASTlab(商標)試料のpHは4.6であったが、これは再構成TRODATキットについて普通である。
【0084】
実施例2:99mTc(CO)含有錯体の製造
これは、本発明の方法を用いてかかる錯体をいかに製造できるかを示す予測例である。
【0085】
段階(a):[99mTc(CO)(HO)]の製造
これは、本発明の方法及びカセットを使用する点を除き、文献記載の方法[Alberto et al,J.Am.Chem.Soc.,123,3135−3136(2001)]と同様である。即ち、第1の段階では、過テクネチウム酸塩を自動合成装置に導入し、次いで反応器に移し、ホウ砂及びボラノカーボネートを添加する。反応器をホウ酸塩緩衝液中において95℃で20分間加熱することで[Tc(CO)(HO)]を生成させる。冷却後、溶液をHClで中和し、リン酸塩で緩衝する。
【0086】
段階(b):99mTc(CO)含有リガンド錯体の製造
次に、段階(a)からの[Tc(CO)(HO)]の緩衝溶液を(任意には分離を容易にするため固相樹脂カートリッジに結合した)リガンドと共に85℃で30分間加熱することで所望の99mTc錯体を生成させる。次に、上述のような固相結合或いはHPLC又はSep−pak型カートリッジの使用で過剰のリガンドを除去し、製剤を分析する。最後に、溶液をクリーンアップカートリッジに通して未反応の過テクネチウム酸塩及び毒性のホウ酸塩を除去し、必要に応じてヒトへの注射のために再処方する。
【0087】
実施例3:キットアプローチを用いた生物学的活性リガンドの99mTc金属錯体の製造
これは、本発明の方法及び自動合成装置を用いて、インビボで生物学的部位に対して放射性医薬品と競合する可能性があるリガンドの金属錯体をいかに製造できるかを示す予測例である。
【0088】
下記の10段階手順を使用する。
【0089】
(i)水を凍結乾燥キット中にポンプ輸送する。
【0090】
(ii)バイアル中でリガンドを放射性なしに再構成する。
【0091】
(iii)99mTc−過テクネチウム酸塩溶液を自動合成装置の反応器に移送する。
【0092】
(iv)次いで、SnClのような添加剤、緩衝剤及び任意の安定剤(例えば、pABA)を含むリガンド溶液を反応器に移送する。
【0093】
(v)テクネチウムに対して化学的過剰量で存在するリガンドにより、反応器内で放射性標識付けを行う。
【0094】
(vi)標識付けの完了後、反応生成物を(例えば)逆相RP−18 Sep Pak SPEカラムに適用する。
【0095】
(vii)塩類及び未反応の過テクネチウム酸塩を水でSPEから洗い流す。
【0096】
(viii)所望の99mTc−リガンド金属錯体をエタノールでカラムから溶出させ、次いで溶液を反応器に戻す。
【0097】
(ix)減圧下でエタノールを蒸発させる。
【0098】
(x)放射性医薬品としての処方のための水溶液で99mTc−リガンド金属錯体を再構成する。
【0099】
このような製造のためには、水溜めに加えて、自動合成装置上に下記の5つの位置が要求される。
【0100】
(a)過テクネチウム酸塩溶液。
【0101】
(b)凍結乾燥キット。
【0102】
(c)EtOH。
【0103】
(d)逆相カラム(SPE)。
【0104】
(e)再構成溶液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性キャリヤー媒質中に99mTc金属錯体を含む無菌99mTc放射性医薬品組成物を製造するための自動化方法であって、
(i)99mTc−過テクネチウム酸塩の溶液からなる前駆体を用意する段階、
(ii)99mTcと金属錯体を形成する非放射性リガンドの供給材料を用意する段階、
(iii)テクネチウムをTc(VII)酸化状態からそれより低いテクネチウム酸化状態に還元できる還元剤の供給材料を用意する段階、
(iv)前記前駆体及びリガンドの独立したアリコートをマイクロプロセッサー制御下で反応器に移送し、任意に加熱しながら、かつ任意には99mTc−過テクネチウム酸塩前駆体の前記アリコートを還元するのに有効な量の前記還元剤の存在下で前記反応器内において混合することで、リガンドと99mTcとの錯体を形成する段階、
(v)段階(iv)からの99mTc錯体生成物が既に生体適合性キャリヤー媒質中にある場合にはそれを直接に段階(vi)で使用し、さもなければ、段階(iv)の生成物を生体適合性キャリヤー媒質に溶解するか、或いは段階(iv)で使用した溶媒を除去してから残留物を生体適合性キャリヤー媒質に再溶解する段階、
(vi)任意には、精製プロセス、pH調整プロセス、及び溶媒を除去して生体適合性溶媒に再溶解するプロセスの1以上を実施して所望の99mTc放射性医薬品組成物を得る段階、並びに
(vii)段階(i)〜(vi)中に無菌性を維持することで段階(vi)からの99mTc金属錯体が既に無菌であるようにするか、或いは段階(vi)からの99mTc金属錯体に終末滅菌又は無機濾過を施して所望の99mTc放射性医薬品を得る段階
を含んでなる方法。
【請求項2】
段階(i)〜(vi)中に無菌性が維持される結果として追加の終末滅菌段階が不要である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
さらに、凍結乾燥リガンドを含むキットの適当な非放射性溶媒による自動化再構成を行うことでリガンドの無菌溶液を用意する段階を含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
キットがさらに還元剤を含んでいて、リガンド及び還元剤が凍結乾燥混合物として供給される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
リガンド及び還元剤の凍結乾燥混合物が99mTc放射性医薬品製造用の無菌非放射性キットによって供給される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
リガンドが、ホスフィン、イソニトリル、ジアミンジオキシム、ビス(アミノチオール)及びメルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)から選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
段階(vi)に追加の精製プロセスが含まれていて、この精製プロセスは非標識リガンドを除去してリガンドを含まない99mTc放射性医薬品組成物を得ることを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
還元剤が生体適合性である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
生体適合性還元剤が第一スズ化合物からなる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
当該方法が自動合成装置を用いて実施される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
自動合成装置が、反応器、段階(iv)の移送及び混合を実施するための手段、並びに段階(v)の操作及び段階(vi)の任意の追加プロセスを実施するための手段を含む使い捨てカセットを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
さらに、99Moから99mTcへのインサイチュ放射性崩壊によって段階(i)の99mTc−過テクネチウム酸塩前駆体を得るための無菌99Mo−モリブデン酸塩溶液用の液溜めを含み、前記99mTc−過テクネチウム酸塩がマイクロプロセッサー制御下で同一自動化方法の一部として99Mo−モリブデン酸塩から分離される、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法で使用するのに適した使い捨てカセットであって、反応器、段階(iv)の移送及び混合を実施するための手段、段階(v)の操作を実施するための手段、並びに段階(vi)の任意の追加プロセスを実施するための手段を含んでなるカセット。
【請求項14】
さらに、請求項1記載の段階(iii)の還元剤の供給材料を含む、請求項13記載のカセット。
【請求項15】
さらに、請求項1記載の段階(ii)のリガンドの供給材料を含む、請求項13又は請求項14記載のカセット。
【請求項16】
リガンドが請求項3乃至請求項6に定義されるようなキット中に供給される、請求項15記載のカセット。
【請求項17】
さらに、99mTc−過テクネチウム酸塩前駆体又は99Mo−モリブデン酸塩の供給材料を含む、請求項13乃至請求項16のいずれか1項記載のカセット。
【請求項18】
カセット部品、還元剤及びリガンドが無菌で非発熱性の状態にある、請求項13乃至請求項16のいずれか1項記載のカセット。
【請求項19】
99mTc放射性医薬品の製造のための自動合成装置の使用。
【請求項20】
製造が請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法で実施される、請求項19記載の使用。
【請求項21】
自動合成装置が請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載の使い捨てカセットを含む、請求項19又は請求項20記載の使用。
【請求項22】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法又は請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載のカセット中における99mTc放射性医薬品製造用の無菌非放射性キットの使用。
【請求項23】
キットが請求項3乃至請求項6に定義された通りのものである、請求項22記載の使用。
【請求項24】
99mTc放射性医薬品の製造における請求項13乃至請求項18のいずれか1項記載のカセットの使用。
【請求項25】
製造が請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法で実施される、請求項24記載の使用。
【請求項26】
製薬用途に適した容器に入った99Mo−モリブデン酸塩の滅菌供給材料。
【請求項27】
99Mo−モリブデン酸塩が生体適合性キャリヤー媒質中にある、請求項26記載の滅菌供給材料。
【請求項28】
99Mo−モリブデン酸塩が固体の形態にある、請求項26記載の滅菌供給材料。

【公表番号】特表2009−511458(P2009−511458A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534078(P2008−534078)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003745
【国際公開番号】WO2007/042781
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【Fターム(参考)】