説明

自動取引システム、及び自動取引方法

【課題】本発明は、取引における顧客の利便性と安全性とを向上できる自動取引システム1、及び自動取引方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ホストコンピュータ記憶部201を備えたホストコンピュータ200と、通信回線2を介して接続したATM100とで構成した自動取引システム1であって、ATM100に、振込先記載用紙を撮像して撮像画像を出力する取引先口座情報読取部106と、撮像画像から文字認識して文字データを出力する文字認識部107と、金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を文字データから特定する操作・表示部103と、ホストコンピュータ記憶部201に金融機関名や口座番号などと関連付けて記憶している口座名義人名の送信をホストコンピュータ200に要求する回線接続部109と、文字データに口座名義人名が含まれていれば取引を継続する制御部110とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば紙葉類に記載された振込先を読み取って取引を行うような自動取引システム、及び自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ATMなどの自動取引装置を用いて振込みを行う際、顧客は、自動取引装置に表示される多くの金融機関名、支店名などの一覧から振込先を選択する必要がある。このため、金融機関等は、公共料金の支払いなど特定の振込先への振込みを頻繁に行う顧客に対して、予め振込先を登録するサービス、あるいは振込先を登録した振込みカードなどの記憶媒体を発行するサービスを提供している。
【0003】
ところが、昨今、インターネットを利用した商品の購入、オークション等の個人取引などが増加している。このような取引において、代金の振込先が取引ごとに異なるため、顧客は、振込先を事前に登録するサービスを利用することができない。このため、顧客は、金融機関名や支店名などの一覧から振込先を選択入力する必要があり、振込みに時間がかかるという問題があった。
【0004】
そこで、明細票等の紙葉類に記載された振込先を読み取って、振込先を自動的に設定する自動取引装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の現金自動取引装置では、キャッシュカードと略同等の大きさの補助ケースに振込先が印字された明細票を収納し、この補助ケースを現金自動取引装置のカード処理部に挿入して、エンボスリード部で明細票の文字を読み取って振込先を設定するとされている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の現金自動取引装置は、読み取った振込先をそのまま表示部に表示しているため、顧客が表示された振込先を十分に確認せず、あるいは振込先の間違いに気がつかず、誤った振込み先に振り込まれるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−205310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、取引における顧客の利便性と安全性とを向上することができる自動取引システム、及び自動取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、顧客の口座情報を記憶する口座情報記憶手段、及び通信回線に接続する回線接続手段を備えたサーバーと、前記通信回線を介して前記サーバーと接続した自動取引装置とで構成した自動取引システムであって、前記自動取引装置に、少なくとも1つの取引先口座情報を記載した撮像対象物を撮像して撮像情報として出力する撮像手段と、前記撮像情報から文字を認識して文字群情報として変換出力する撮像情報変換手段と、前記取引先口座情報における固有の第1口座情報を特定可能な第2口座情報を前記文字群情報から特定する特定手段と、前記第2口座情報を前記サーバーに送信して、前記口座情報記憶手段に前記第2口座情報と関連付けて記憶している応答口座情報の送信を前記サーバーに要求する問い合わせ手段と、前記応答口座情報を受信すると、前記文字群情報に前記応答口座情報が含まれているか否かを判定し、前記応答口座情報が含まれていれば、取引を継続する口座情報検索手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、取引における顧客の利便性と安全性とを向上できる自動取引システム、及び自動取引方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動取引システムの構成を示す構成図。
【図2】自動取引システムの内部構成を示すブロック図。
【図3】金融機関情報データベースを説明する説明図。
【図4】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図5】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図6】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図7】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図8】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図9】ATMにおける取引処理の動作を示すフローチャート。
【図10】顧客に振込方法の選択を促す画面を示す振込方法選択画面。
【図11】顧客に振込先記載用紙の読み取りを促す画面を示す振込先読取り画面。
【図12】顧客に振込先の選択を促す画面を示す振込先選択画面。
【図13】金融機関名を選択中の画面を示す金融機関名選択中画面。
【図14】金融機関名を選択完了した画面を示す金融機関名選択完了画面。
【図15】支店名を選択中の画面を示す支店名選択中画面。
【図16】支店名を選択完了した画面を示す支店名選択完了画面。
【図17】科目を選択中の画面を示す科目選択中画面。
【図18】科目を選択完了した画面を示す科目選択完了画面。
【図19】口座番号を選択中の画面を示す口座番号選択中画面。
【図20】口座番号を選択完了した画面を示す口座番号選択完了画面。
【図21】顧客に選択した内容の確認を促す画面を示す選択内容確認画面。
【図22】顧客に受取人名の確認を促す画面を示す受取人名確認画面。
【図23】検索キーワードを説明する説明図。
【図24】実施例2における選択処理の動作を示すフローチャート。
【図25】顧客に金融機関名の選択を促す画面を示す金融機関名選択画面。
【図26】顧客に支店名の選択を促す画面を示す支店名選択画面。
【図27】顧客に科目の選択を促す画面を示す科目選択画面。
【図28】顧客に口座番号の入力を促す画面を示す口座番号入力画面。
【図29】顧客に科目、及び口座番号の選択を促す科目・口座番号選択画面。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0012】
なお、図1は自動取引システム1(自動取引システム)の構成図を示し、図2は自動取引システム1における内部構成のブロック図を示し、図3は金融機関情報データベース3(金融機関情報テーブル)を説明する説明図を示している。
【0013】
自動取引システム1は、図1に示すように、ATM100(自動取引装置)、及び通信回線2(通信回線)を介してATM100と接続したホストコンピュータ200(サーバー)で構成している。
【0014】
ATM100は、図1に示すように、銀行などに設置されて顧客操作によって現金の入出金等の取引を行うことができる自動取引装置であって、側面視略L字状の筐体における中ほどの高さにある水平操作面に紙幣入出金機構部101、硬貨入出金機構部102、及び操作・表示部103(特定手段、口座情報訂正手段)を配置し、水平操作面から上方に略垂直な垂直操作面に通帳機構部104、カード機構部・明細票機構部105を配置している。さらに、垂直操作面の上部には、取引先口座情報読取部106(撮像手段)を配置している。
【0015】
通信回線2は、LAN回線、インターネット回線などで構成している。
ホストコンピュータ200は、ATM100と同一店舗内あるいは遠隔地の本店などに設置するとともに、通信回線2を介して複数のATM100と取引にかかる各種情報の授受を行う。
【0016】
具体的には、ATM100は、図2に示すように、紙幣入出金機構部101、硬貨入出金機構部102、操作・表示部103、通帳機構部104、カード機構部・明細票機構部105、取引先口座情報読取部106、文字認識部107(撮像情報変換手段)、記憶部108(記憶手段)、回線接続部109(問い合わせ手段)、及び制御部110(口座情報検索手段、金融機関情報検索手段)で構成している。
【0017】
紙幣入出金機構部101は、紙幣の入出金機能、識別機能、及び収納機能などを有している。
硬貨入出金機構部102は、硬貨の入出金機能、識別機能、及び収納機能などを有している。
操作・表示部103は、顧客の操作を受付ける機能と、各種操作案内を表示する機能とを兼ね備えたタッチパネルで構成している。
【0018】
通帳機構部104は、顧客の通帳の挿入・排出する機能と、通帳の情報を読み取る機能と、通帳に取引内容を印字する印字機能とを有している。
カード機構部・明細票機構部105は、顧客のキャッシュカードの挿入・排出する機能と、キャッシュカード情報の読み取り書き込み機能とを有するカード機構部、及び取引内容を明細票に印字する機能と、印字した明細票を排出する機能とを有する明細票機構部を一体で構成している。
【0019】
取引先口座情報読取部106は、振込先口座などの取引先口座情報(取引先口座情報)が記載された紙葉類、あるいは携帯端末の画面など(撮像対象物)を撮像して撮像画像(撮像情報)として出力する機能と、ATM100を操作する顧客を撮像して顧客画像として出力する機能とを有している。なお、取引先口座情報読取部106には、顧客と対向する面を鏡面状に形成し、筐体の内部から外部が見える構成としたハーフミラーを前面に備えている。
【0020】
文字認識部107は、取引先口座情報読取部106が出力した撮像画像から文字を認識して文字データ(文字群情報)として出力する機能を有している。
記憶部108は、ハードディスク等で構成し、各種情報の書み込み、及び読み出しを行う機能を有している。なお、記憶部108には、金融機関情報データベース3を記憶している。
【0021】
金融機関情報データベース3は、図3に示すように、金融機関番号欄、支店番号欄、金融機関名(漢字)欄、金融機関名(カナ)欄、支店名(漢字)欄、及び支店名(カナ)欄で構成するとともに、金融機関番号、支店番号、金融機関名(漢字・カナ)、及び支店名(漢字・カナ)を関連付けて登録している。
【0022】
回線接続部109は、LANカードなどで構成し、通信回線2に接続する機能と、通信回線2を介してホストコンピュータ200と各種情報の受送信を行う機能とを有している。
【0023】
制御部110は、CPU、及びメモリ等のハード構成と、プログラム、及びデータ等のソフト構成とで構成し、顧客がATM100を操作して取引を行う取引操作等の各種処理機能や、所定のバスを介して接続された各部の動作を制御する制御機能を有している。
【0024】
ホストコンピュータ200は、図2に示すように、ホストコンピュータ記憶部201(口座情報記憶手段)、口座情報ファイル制御部202、ホスト側回線接続部203(回線接続手段)、及びホストコンピュータ制御部204で構成している。
【0025】
ホストコンピュータ記憶部201は、ハードディスク等で構成し、各種情報の書き込み、及び読み出しを行う機能を有している。なお、ホストコンピュータ記憶部201には、顧客の口座情報を記憶した口座情報ファイル201a、及び顧客の口座情報以外の各種情報を記憶した各種ファイル201bなどを記憶している。
【0026】
口座情報ファイル制御部202は、ホストコンピュータ制御部204の指示により、ホストコンピュータ記憶部201の口座情報ファイル201aや各種ファイル201bに記憶された情報の入出力の制御を行う機能を有している。
【0027】
ホスト側回線接続部203は、LANカードなどで構成し、通信回線2に接続する機能と、通信回線2を介してATM100と各種情報の受送信を行う機能とを有している。
【0028】
ホストコンピュータ制御部204は、CPU、及びメモリ等のハード構成と、プログラム、及びデータ等のソフト構成とで構成し、通信回線2を介したATM100との各種情報の受け渡しにかかる各種処理機能や、所定のバスを介して接続された各部の動作を制御する制御機能を有している。
【0029】
以上のような構成の自動取引システム1において、複数の振込先(取引先口座情報)が記載された振込先記載用紙(撮像対象物)を顧客がATM100に読み取らせて振込みを行う際におけるATM100の動作について、図4から図23を用いて詳しく説明する。
【0030】
なお、図4から図9はATM100における取引処理の動作のフローチャートを示し、図10は顧客に振込方法の選択を促す振込方法選択画面410を示し、図11は顧客に振込先記載用紙の読み取りを促す振込先読取り画面420を示し、図12は顧客に振込先の選択を促す振込先選択画面430を示し、図13は金融機関名を選択中の金融機関名選択中画面431を示し、図14は金融機関名を選択完了した金融機関名選択完了画面432を示し、図15は支店名を選択中の支店名選択中画面433を示し、図16は支店名を選択完了した支店名選択完了画面434を示している。
【0031】
また、図17は科目を選択中の科目選択中画面435を示し、図18は科目を選択完了した科目選択完了画面436を示し、図19は口座番号を選択中の口座番号選択中画面437を示し、図20は口座番号を選択完了した口座番号選択完了画面438を示し、図21は顧客に選択した内容の確認を促す選択内容確認画面440を示し、図22は顧客に受取人名の確認を促す受取人名確認画面450を示し、図23は検索キーワード(所定の文字列)を説明する説明図を示している。
【0032】
ATM100は、図4に示すように、図示しない顧客センサなどで顧客を検知すると取引処理を開始する。そして、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に取引種別の選択を促す取引開始画面(図示省略)を表示する。
【0033】
なお、取引開始画面には、お引き出しボタン、お預け入れボタン、通帳記入ボタン、残高照会ボタン、お振込ボタン、お振替ボタン、キャッシングボタン、及び各種取引ボタンを表示している。
【0034】
顧客がお振込ボタンを押下すると(ステップS301)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に振込方法の選択を促す振込方法選択画面410を表示する(ステップS302)。
【0035】
この振込方法選択画面410は、図10に示すように、画面上部に「振込先選択方法をお選びください。」という操作案内を表示し、画面中央に順に「登録した振込先から選択」という案内に対応する登録振込ボタン11、「振込カードを使用」という案内に対応する振込カードボタン12、「振込先が記入された文書読込」という案内に対応する文書読込ボタン13、及び「振込先を入力画面から選択」という案内に対応する都度振込ボタン14を表示し、画面下部に取引を取り消す取消ボタン15を表示している。
【0036】
操作・表示部103に振込方法選択画面410を表示すると、制御部110は、顧客が文書読込ボタン13を押下したか否かを判定する(ステップS303)。顧客が文書読込ボタン13を押下していなければ(ステップS303:No)、制御部110は、顧客が取消ボタン15を押下したか否かを判定する(ステップS304)。
【0037】
顧客が取消ボタン15を押下すると(ステップS304:Yes)、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理をステップS301に戻す。
【0038】
一方、顧客が取消ボタン15を押下していなければ(ステップS304:No)、制御部110は、顧客が登録振込ボタン11、振込カードボタン12、あるいは都度振込ボタン14のいずれかを押下したと判定し、押下されたボタンに応じた振込処理を行う(ステップS305)。
【0039】
例えば、顧客が登録振込ボタン11を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に対してキャッシュカードの挿入を促す画面を表示する。制御部110は、カード機構部・明細票機構部105で読み取った顧客情報をホストコンピュータ200に送信し、口座情報ファイル201aに記憶している振込先をホストコンピュータ200から受信する。そして、制御部110の指示により、操作・表示部103は、受信した振込先一覧を表示する。その後、制御部110は、顧客が振込先一覧から選択した振込先に基づいて、振込処理を実行する。
【0040】
顧客が振込カードボタン12を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に対して振込カードの挿入を促す画面を表示するとともに、カード機構部・明細票機構部105で読み取った振込先一覧を表示する。その後、制御部110は、顧客が振込先一覧から選択した振込先に基づいて、振込処理を実行する。
【0041】
顧客が都度振込ボタン14を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に対して振込先の入力を促す画面を表示する。その後、制御部110は、顧客が金融機関名や口座番号等を手作業で入力した振込先に基づいて、振込処理を実行する。
押下されたボタンに応じた振込処理を実行後、制御部110は、処理を図8に進め取引処理を終了する。
【0042】
図4のステップS303において、顧客が文書読込ボタン13を押下すると(ステップS303:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に振込先を記載した振込先記載用紙をATM100の正面にかざすように促す振込先読取り画面420を表示する(ステップS306)。
【0043】
この振込先読取り画面420は、図11に示すように、画面上部に「振込内容が記載された用紙、画面をATM100の正面に向けてください。振込先の金融機関名・支店名・科目・口座番号・受取人名が表示される位置にあわせて「読取」ボタンを押してください。「中止」ボタンを押すと、手入力での振込先選択に変更できます。」という操作案内を表示し、画面中央に取引先口座情報読取部106で撮像した内容を表示する撮像表示欄21を表示し、画面下部に左から順に取引を取り消す取消ボタン22、振込先記載用紙の読み取りを中止する中止ボタン23、及び撮像表示欄21に表示している内容の読み取りを開始する読取ボタン24を表示している。
【0044】
振込先読取り画面420の操作案内に従って顧客がATM100の正面に振込先記載用紙をかざすと、制御部110の指示により、操作・制御部110は、取引先口座情報読取部106が振込先記載用紙を撮像した内容を撮像表示欄21に出力する。この際、顧客は、撮像表示欄21に振込先が表示されるように、操作・表示部103を確認しながら振込先記載用紙を適切な位置に移動させる。
【0045】
その後、制御部110は、顧客が取消ボタン22、中止ボタン23、あるいは読取ボタン24のいずれかを押下したか判定する(ステップS307)。
顧客が取消ボタン22を押下した場合(ステップS307:1)、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0046】
顧客が中止ボタン23を押下した場合(ステップS307:2)、制御部110は、処理をステップS305に進め、振込先読取り画面420に表示した操作案内のとおり手入力での振込先選択、つまり振込方法選択画面410において、顧客が都度振込ボタン14を押下した場合と同様の処理を行う。
【0047】
顧客が読取ボタン24を押下した場合(ステップS307:3)、制御部110の指示により、取引先口座情報読取部106は、撮像表示欄21に表示した内容を撮像画像としてメモリに一時記憶する。
【0048】
そして、制御部110の指示により、文字認識部107は、撮像画像に含まれる全ての文字を認識して文字データとしてメモリに一時記憶する(ステップS308)。その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に振込先の選択を促す振込先選択画面430を表示する(ステップS309)。
【0049】
この振込先選択画面430は、図12に示すように、画面右上に「選択したい振込先情報を左のボタンから選択し、下の読み取った文章の該当部分を押してください。」という操作案内を表示し、操作案内の下部に読み取った文字データを表示した文字データ表示欄31を表示し、画面左端に上から順に文字データ表示欄31から金融機関名(第2口座情報)の選択を行う金融機関名ボタン32、支店名(第2口座情報)の選択を行う支店名ボタン33、科目(第2口座情報)の選択を行う科目ボタン34、及び口座番号(第2口座情報)の選択を行う口座番号ボタン35を表示し、画面下部に左から順に取消ボタン36、及び完了ボタン37を表示している。
【0050】
振込先選択画面430を表示すると、制御部110は、図5に示すように、顧客が操作案内に従って金融機関名ボタン32、支店名ボタン33、科目ボタン34、あるいは口座番号ボタン35のいずれかを押下したかを判定する(ステップS310)。
【0051】
顧客が金融機関名ボタン32を押下した場合(ステップS310:1)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図13の金融機関名選択中画面431に示すように、金融機関名ボタン32をグレーアウトして選択状態にする。
【0052】
そして、顧客が文字データ表示欄31に表示された「ABCD銀行」を押下すると、操作・表示部103は、顧客が押下した位置を示す押下位置情報を制御部110に出力する。制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから金融機関名の検索キーワードを含む文字列、すなわち「ABCD銀行」を金融機関名として抽出する(ステップS311)。
【0053】
なお、この金融機関名の検索キーワードは、図23(a)に示すように、金融機関の名称の末尾に一般的に含まれる「銀行」、「信用金庫」、「中央金庫」などの語句で構成し、取引処理プログラム内に予め登録している。
【0054】
その後、制御部110は、抽出した金融機関名の文字データが金融機関情報データベース3に登録されているか否かを判定する(ステップS312)。抽出した金融機関名の文字データが金融機関情報データベース3に登録されていなければ(ステップS312:No)、制御部110は、金融機関情報データベース3と照合する対象文字データの範囲を拡大する(ステップS313)。その後、制御部110は、処理をステップS312に戻す。
【0055】
具体的には、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列、すなわち抽出した金融機関名の文字データに対して、その前後に位置する文字データを金融機関情報データベース3と照合する対象文字データとして抽出する。そして、ステップS312において、制御部110は、金融機関情報データベース3と最初に一致した対象文字データを振込先として指定する金融機関名であると判定する。
【0056】
一方、図5のステップS312において、抽出した金融機関名の文字データが金融機関情報データベース3に登録されていれば(ステップS312:Yes)、制御部110は、抽出した金融機関名の文字データを振込先として指定する金融機関名であると判定する(ステップS314)。つまり、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから金融機関名の検索キーワードを含む文字列であり、かつ金融機関情報データベース3に登録された文字列を金融機関名として抽出している。
【0057】
その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図14の金融機関名選択完了画面432に示すように、金融機関名ボタン32の選択状態を解除するとともに、金融機関名ボタン32の下部に「ABCD銀行」を表示する。
【0058】
図5のステップS310において、顧客が支店名ボタン33を押下した場合(ステップS310:1)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図15の支店名選択中画面433に示すように、支店名ボタン33をグレーアウトして選択状態にする。
【0059】
そして、顧客が文字データ表示欄31に表示された「EFG支店」を押下すると、操作・表示部103は、顧客が押下した位置を示す押下位置情報を制御部110に出力する。制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから支店名の検索キーワードを含む文字列、すなわち「EFG支店」を支店名として抽出する(ステップS311)。
【0060】
なお、この支店名の検索キーワードは、図23(b)に示すように、支店の名称の末尾に一般的に含まれる「本店」、「支店」、「出張所」などの語句で構成し、取引処理プログラム内に予め登録している。
【0061】
その後、制御部110は、金融機関情報データベース3を照合して、抽出した支店名の文字データが登録されているか否かを判定する(ステップS312)。抽出した支店名の文字データが金融機関情報データベース3に登録されていなければ(ステップS312:No)、制御部110は、金融機関情報データベース3と照合する対象文字データの範囲を拡大する(ステップS313)。その後、制御部110は、処理をステップS312に戻す。
【0062】
具体的には、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列、すなわち抽出した支店名の文字データに対して、その前後に位置する文字データを金融機関情報データベース3と照合する対象文字データとして抽出する。そして、ステップS312において、制御部110は、金融機関情報データベース3と最初に一致した対象文字データを振込先として指定する支店名であると判定する。
【0063】
一方、図5のステップS312において、抽出した支店名の文字データが金融機関情報データベース3に登録されていれば(ステップS312:Yes)、制御部110は、抽出した支店名の文字データを振込先として指定する支店名であると判定する(ステップS314)。つまり、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから支店名の検索キーワードを含む文字列であり、かつ金融機関情報データベース3に登録された文字列を支店名として抽出している。
【0064】
その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図16の支店名選択完了画面434に示すように、支店名ボタン33の選択状態を解除するとともに、支店名ボタン33の下部に「EFG支店」を表示する。
【0065】
また、図5のステップS310において、顧客が科目ボタン34を押下した場合(ステップS310:2)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図17の科目選択中画面435に示すように、科目ボタン34をグレーアウトして選択状態にする。
【0066】
そして、顧客が文字データ表示欄31に表示された「普通」を押下すると、操作・表示部103は、顧客が押下した位置を示す押下位置情報を制御部110に出力する。制御部110は、押下位置情報に対応する文字データが科目の検索キーワードと一致するか否かを判定する(ステップS315)。
【0067】
なお、科目の検索キーワードは、図23(c)に示すように、科目として一般的に用いられる「普通」、「貯蓄」、及び「当座」の語句で構成し、取引処理プログラム内に予め登録している。
【0068】
押下位置情報に対応する文字データが科目の検索キーワードと一致しなければ(ステップS315:No)、制御部110は、科目の検索キーワードと照合する対象文字データの範囲を拡大し(ステップS316)、処理をステップS315に戻す。
【0069】
具体的には、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列、すなわち抽出した科目の文字データに対して、その前後に位置する文字データを科目の検索キーワードと照合する対象文字データとして抽出する。その後、ステップS315において、制御部110は、科目の検索キーワードと最初に一致した対象文字データを振込先として指定する科目であると判定する。
【0070】
一方、図5のステップS315において、押下位置情報に対応する文字データが科目の検索キーワードと一致すれば(ステップS315:Yes)、制御部110は、抽出した科目の文字データを振込先として指定する科目であると判定する(ステップS314)。つまり、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから科目の検索キーワードと一致する文字列を科目として抽出している。
【0071】
その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図18の科目選択完了画面436に示すように、科目ボタン34の選択状態を解除するとともに、科目ボタン34の下部に「普通」を表示する。
【0072】
図5のステップS310において、顧客が口座番号ボタン35を押下した場合(ステップS310:2)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図19の口座番号選択中画面437に示すように、口座番号ボタン35をグレーアウトして選択状態にする。
【0073】
そして、顧客が文字データ表示欄31に表示された「1234567」を押下すると、操作・表示部103は、顧客が押下した位置を示す押下位置情報を制御部110に出力する。
【0074】
制御部110は、押下位置情報に対応する文字データが口座番号の検索キーワードと一致するか否かを判定する(ステップS315)。
なお、口座番号の検索キーワードは、図23(d)に示すように、数字の桁数で構成し、取引処理プログラム内に予め登録している。
【0075】
押下位置情報に対応する文字データが口座番号の検索キーワードと一致しなければ(ステップS315:No)、制御部110は、口座番号の検索キーワードと照合する対象文字データの範囲を拡大し(ステップS316)、処理をステップS315に戻す。
【0076】
具体的には、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列、すなわち抽出した口座番号の文字データに対して、その前後に位置する文字データを口座番号の検索キーワードと照合する対象文字データとして抽出する。その後、ステップS315において、制御部110は、口座番号の検索キーワードと最初に一致した対象文字データを振込先として指定する口座番号であると判定する。
【0077】
一方、図5のステップS315において、押下位置情報に対応する文字データが口座番号の検索キーワードと一致すれば(ステップS315:Yes)、制御部110は、抽出した口座番号の文字データを振込先として指定する口座番号であると判定する(ステップS314)。つまり、制御部110は、押下位置情報に対応する文字データから口座番号の検索キーワードと一致する桁数の数字の文字列を口座番号として抽出している。
【0078】
その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図20の口座番号選択完了画面438に示すように、口座番号ボタン35の選択状態を解除するとともに、口座番号ボタン35の下部に「1234567」を表示する。
【0079】
なお、図5のステップS310からS317、及び図12〜図20において、顧客が取消ボタン36を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0080】
その後、制御部110は、顧客が完了ボタン37を押下したか否かを判定する(ステップS317)。顧客が完了ボタン37を押下していなければ(ステップS317:No)、制御部110は、処理をステップS310に戻して顧客操作による振込先の選択を受付ける選択処理を継続する。
【0081】
一方、ステップS317において、顧客が完了ボタン37を押下すると(ステップS317:Yes)、図6に示すように、制御部110は、全ての振込先情報が選択済みか否かを判定する(ステップS318)。
【0082】
全ての振込先情報が選択済みでなければ(ステップS318:No)、制御部110は、金融機関名が未選択であるか否かを判定する(ステップS319)。
金融機関名が未選択であれば(ステップS319:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、金融機関情報データベース3に基づいた金融機関名を一覧表示するとともに、顧客に対して一覧から金融機関名の選択を促す画面(図示省略)を表示する(ステップS320)。
【0083】
その後、顧客操作により金融機関名が選択される、あるいはステップS319において金融機関名が選択済みであれば(ステップS319:No)、制御部110は、支店名が未選択であるか否かを判定する(ステップS321)。
【0084】
支店名が未選択であれば(ステップS321:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、金融機関情報データベース3に基づいた支店名を一覧表示するとともに、顧客に対して一覧から支店名の選択を促す画面(図示省略)を表示する(ステップS322)。その後、顧客操作により支店名が選択される、あるいはステップS321において支店名が選択済みであれば(ステップS321:No)、制御部110は、科目が未選択であるか否かを判定する(ステップS323)。
【0085】
科目が未選択であれば(ステップS323:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、科目を一覧表示するとともに、顧客に対して一覧から科目の選択を促す画面(図示省略)を表示する(ステップS324)。その後、顧客操作により科目が選択される、あるいはステップS323において科目が選択済みであれば(ステップS323:No)、制御部110は、口座番号が未選択であるか否かを判定する(ステップS325)。
【0086】
口座番号が未選択であれば(ステップS325:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、口座番号の入力欄を表示するとともに、顧客に対して口座番号の入力を促す画面(図示省略)を表示する(ステップS326)。その後、顧客操作により口座番号が入力される、あるいはステップS325において口座番号が選択済みであれば(ステップS325:No)、制御部110は、処理をステップS318に戻す。
【0087】
一方、ステップS318において、全ての振込先情報が選択済みであれば(ステップS318:Yes)、図7に示すように、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に選択した内容の確認を促す選択内容確認画面440を表示する(ステップS327)。
【0088】
この選択内容確認画面440は、図21に示すように、画面上部に「お振込先内容を確認してください。内容を訂正する時は、訂正したい項目のボタンを押してください。」という操作案内を表示し、画面中央に選択した金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を表示するとともに、金融機関名を訂正する際に押下する金融機関名ボタン41、支店名を訂正する際に押下する支店名ボタン42、科目を訂正する際に押下する科目ボタン43、及び口座番号を訂正する際に押下する口座番号ボタン44を表示し、画面下部に左から順に取消ボタン45、及び確認ボタン46を表示している。
【0089】
選択内容確認画面440を操作・表示部103に表示すると、制御部110は、顧客が確認ボタン46を押下したか否かを判定する(ステップS328)。顧客が確認ボタン46を押下せず、金融機関名ボタン41、支店名ボタン42、科目ボタン43、あるいは口座番号ボタン44のいずれかを押下すると(ステップS328:No)、制御部110は、顧客が金融機関名ボタン41を押下したか否かを判定する(ステップS329)。
【0090】
顧客が金融機関名ボタン41を押下した場合(ステップS329:Yes)、制御部110は、金融機関名の訂正を促す案内、及び金融機関名を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS330)。顧客操作により金融機関名が訂正される、あるいはステップS329において顧客が金融機関名ボタン41を押下していなければ(ステップS329:No)、制御部110は、顧客が支店名ボタン42を押下したか否かを判定する(ステップS331)。
【0091】
顧客が支店名ボタン42を押下した場合(ステップS331:Yes)、制御部110は、支店名の訂正を促す案内、及び支店名を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS332)。顧客操作により支店名が訂正される、あるいはステップS331において顧客が支店名ボタン42を押下していなければ(ステップS331:No)、制御部110は、顧客が科目ボタン43を押下したか否かを判定する(ステップS333)。
【0092】
顧客が科目ボタン43を押下した場合(ステップS333:Yes)、制御部110は、科目の訂正を促す案内、及び科目を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS334)。顧客操作により科目が訂正される、あるいはステップS333において顧客が科目ボタン43を押下していなければ(ステップS333:No)、制御部110は、顧客が口座番号ボタン44を押下したか否かを判定する(ステップS335)。
【0093】
顧客が口座番号ボタン44を押下した場合(ステップS335:Yes)、制御部110は、口座番号の訂正を促す案内、及び口座番号を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS336)。顧客操作により口座番号が訂正される、あるいはステップS335において顧客が口座番号ボタン44を押下していなければ(ステップS335:No)、制御部110は、処理をステップS327に戻す。
【0094】
なお、ステップS327からS328、及び図21において、顧客が取消ボタン45を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0095】
一方、ステップS328において、顧客が確認ボタン46を押下すると(ステップS328:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に対して振込金額の入力を促す振込金額入力画面(図示省略)を表示する(ステップS337)。
【0096】
顧客が振込金額入力画面の操作案内に従って振込金額の入力を完了すると(ステップS338)、制御部110は、通信回線2を介して金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を問い合わせ情報としてホストコンピュータ200に送信する(ステップS339)。
【0097】
ホストコンピュータ200が問い合わせ情報を受信すると、ホストコンピュータ制御部204の指示により、口座情報ファイル制御部202は、受信した金融機関名、支店名、科目、及び口座番号と関連付けて記憶している口座名義人名(応答口座情報)をホストコンピュータ記憶部201から読み出す。その後、ホストコンピュータ制御部204の指示により、ホスト側回線接続部203は、口座名義人名を応答情報として、通信回線2を介してATM100に送信する。
【0098】
ホストコンピュータ200から応答情報を受信すると(ステップS340)、ATM100の制御部110は、撮像画像の文字データから口座名義人名に該当する文字データ(第1口座情報)を検索する(ステップS341)。
【0099】
その後、制御部110は、図8に示すように、撮像画像の文字データに口座名義人名に該当する文字データがあるか否かを判定する(ステップS342)。撮像画像の文字データに口座名義人名に該当する文字データがなければ(ステップS342:No)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に受取人名の確認を促す受取人名確認画面450を表示する(ステップS343)。
【0100】
この受取人名確認画面450は、図22に示すように、画面上部に「振込先受取人名:YYYYYYY」と、「読み取った文章内に、該当の受取人名が見つかりません。振込先内容が間違っていないか確認してください。」という操作案内を表示し、画面中央に選択した振込先を示す金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を表示する振込先確認欄51を表示し、振込先確認欄の下部に手入力で振込先を訂正する手入力訂正ボタン52、振込先記載用紙の読み込みからやり直す文章再読込みボタン53、及び表示されている振込先に振り込む振込決定ボタン54を表示し、画面下部に取消ボタン55を表示している。
【0101】
受取人名確認画面450を表示すると、制御部110は、顧客が手入力訂正ボタン52、文章再読込みボタン53、あるいは振込決定ボタン54のいずれかを押下したかを判定する(ステップS344)。
【0102】
顧客が手入力訂正ボタン52を押下した場合(ステップS344:1)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、図21に示した選択内容確認画面440を表示して、顧客操作による振込先の訂正を受け付ける(ステップS345)。
【0103】
その後、制御部110は、通信回線2を介して訂正した金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を問い合わせ情報としてホストコンピュータ200に送信する(ステップS346)。その後、制御部110は、処理を図7のステップS340に戻す。
【0104】
図8のステップS344において、顧客が文章再読込みボタン53を押下した場合(ステップS344:2)、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻し、振込先記載用紙の読み込みを再度実行する。
【0105】
図8のステップS344において、顧客が振込決定ボタン54を押下した場合(ステップS344:3)、あるいは図8のステップS342において撮像画像の文字データに口座名義人名に該当する文字データがあれば(ステップS342:Yes)、制御部110は、応答情報の口座名義人名を振込先の受取人名とするとともに、金融機関名、支店名、科目、口座番号、及び受取人名を振込先として確定する。
【0106】
なお、図8のステップS343、及び図22において、顧客が取消ボタン55を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0107】
振込先を確定すると、図9に示すように、制御部110の指示により、操作・表示部103は、振込内容を表示する振込内容確認画面(図示省略)を表示する(ステップS347)。
【0108】
この振込内容確認画面は、金融機関名、支店名、科目、口座番号、受取人名、及び振込金額を表示するとともに、金融機関名、支店名、科目、及び口座番号の訂正を受付けるボタンと、振込先を確定する確定ボタンとを表示している。
【0109】
振込内容確認画面を操作・表示部103に表示すると、制御部110は、顧客が確定ボタンを押下したか否かを判定する(ステップS348)。顧客が確定ボタンを押下せず、表示された振込先を訂正するボタンを押下すると(ステップS348:No)、制御部110は、金融機関名の訂正か否かを判定する(ステップS349)。
【0110】
金融機関名の訂正であれば(ステップS349:Yes)、制御部110は、金融機関名の訂正を促す案内、及び金融機関名を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS350)。顧客操作により金融機関名が訂正される、あるいはステップS349において金融機関名の訂正でなければ(ステップS349:No)、制御部110は、支店名の訂正か否かを判定する(ステップS351)。
【0111】
支店名の訂正であれば(ステップS351:Yes)、制御部110は、支店名の訂正を促す案内、及び支店名を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS352)。顧客操作により支店名が訂正される、あるいはステップS351において支店名の訂正でなければ(ステップS351:No)、制御部110は、科目の訂正か否かを判定する(ステップS353)。
【0112】
科目の訂正であれば(ステップS353:Yes)、制御部110は、科目の訂正を促す案内、及び科目を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS354)。顧客操作により科目が訂正される、あるいはステップS353において科目の訂正でなければ(ステップS353:No)、制御部110は、口座番号の訂正か否かを判定する(ステップS355)。
【0113】
口座番号の訂正であれば(ステップS355:Yes)、制御部110は、口座番号の訂正を促す案内、及び口座番号を訂正入力する画面(図示省略)を表示する(ステップS356)。顧客操作により口座番号が訂正される、あるいはステップS355において口座番号の訂正でなければ(ステップS355:No)、制御部110は、処理をステップS347に戻す。
【0114】
一方、ステップS348において、顧客が確定ボタンを押下すると(ステップS348:Yes)、制御部110は、振込内容確認画面に表示した振込先、及び振込金額で振込処理を実行する(ステップS357)。その後、制御部110は、取引処理を終了する。
【0115】
以上のような動作を実現する自動取引システム1、及び自動取引方法は、取引における顧客の利便性と安全性とを向上することができる。
具体的には、取引先口座情報読取部106、及び文字認識部107により、自動取引システム1は、顧客に対して振込先の手入力を促すことなく振込先の文字データを取得することができる。これにより、顧客は、取引ごとに振込先を入力する必要がなく、さらに地名を基づいた読み方の難しい支店名などの入力も容易に行うことができる。
【0116】
さらに、金融機関名、支店名、科目、及び口座番号に基づいて振込先の口座名義人を特定できることから、自動取引システム1は、振込先記載用紙に記載された受取人名とホストコンピュータ200に記憶された口座名義人名が一致するか否かを判定することにより、顧客が選択した振込先が正しいか否かを判別することができる。
【0117】
そして、自動取引システム1は、受取人名と口座名義人名が一致した場合のみ取引を継続することができる。これにより、ATM100の文字認識部107による振込先記載用紙の文字の誤認識、あるいは顧客による振込先の確認漏れによって、誤った振込先に振込みを行うことが防止できる。
従って、自動取引システム1は、取引における顧客の利便性と安全性とを向上することができる。
【0118】
また、振込先選択画面430を表示した操作・表示部103で振込先の選択を入力許容することにより、複数の振込先を含む文字データがある場合において、金融機関名、支店名、科目、及び口座番号の指定をより容易することができる。このため、顧客は、希望する振込先への振込みを容易に行うことができる。
【0119】
さらに、ATM100の取引先口座情報読取部106は、記載された振込先に特定して読み取る必要がなく、振込先を含む範囲を読み取るだけでよい。つまり、自動取引システム1は、振込先記載用紙の読み取りをより容易にすることができる。これにより、自動取引システム1は、振込用紙などに限らず、メールやWebサイトを印刷した紙葉類、あるいは携帯端末の画面など様々な媒体から振込先を読み取って、振込先選択画面430を表示した操作・表示部103で振込先を容易に指定することができる。
【0120】
加えて、取引先口座情報読取部106は、振込先記載用紙を読取りに特化した構成とする必要がなく、顧客の動作を撮像するカメラなどとの兼用を実現することができる。
従って、自動取引システム1は、取引における顧客の利便性と安全性とをより向上することができる。
【0121】
また、検索キーワードに基づいて、文字データから金融機関名、支店名、科目、及び口座番号を抽出することにより、自動取引システム1は、振込先でない文字データを金融機関名、支店名、科目、あるいは口座番号として誤って指定することを防止できる。
【0122】
さらに、自動取引システム1は、文字データから振込先を確実に抽出することができ、顧客が振込先を手入力で訂正する手間を省いて、スムーズに取引を行うことができる。
従って、自動取引システム1は、振込先でない文字データを誤って振込先として指定することを防止して、取引における顧客の利便性と安全性とをより向上することができる。
【0123】
また、抽出した金融機関名、支店名、科目、あるいは口座番号が金融機関情報データベース3に登録されている場合において、抽出した金融機関名、支店名、科目、あるいは口座番号を有効としたことにより、文字認識部107が誤認識した文字データを問い合わせ情報としてホストコンピュータ200に送信することを防止できる。つまり、ホストコンピュータ200から応答情報が得られないおそれを防止することができる。これにより、自動取引システム1は、顧客が振込先を手入力で訂正する手間を省いて、スムーズに取引を行うことができる。
【0124】
加えて、検索キーワードと金融機関情報データベース3とによる振込先の多重チェックを実現することができ、振込先でない文字データを誤って振込先として指定することをより確実に防止することができる。
従って、自動取引システム1は、誤認識した文字データで取引を行うことを防止して、取引における顧客の利便性と安全性とをより確実に向上することができる。
【0125】
また、顧客の操作による金融機関名、支店名、科目、及び口座番号の訂正を入力許容することにより、万一、金融機関名、支店名、科目、及び口座番号に誤りがあっても、訂正を容易に行うことができる。加えて、顧客操作による訂正を入力許容する、すなわち顧客に対して振込先の確認を要求することとなり、顧客による振込先の確認を行うことができる。これにより、誤った振込先を指定することをより確実に防止できる。
【0126】
加えて、検索キーワード、金融機関情報データベース3、及び顧客による多重チェックを実現することができ、振込先でない文字データを誤って振込先として指定することをより確実に防止することができる。
従って、自動取引システム1は、顧客操作による訂正を入力許容することで、取引における安全性をより向上することができる。
【0127】
また、図5のステップS312において、金融機関名、あるいは支店名が金融機関情報データベース3に登録されていなければ、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列を金融機関情報データベース3と照合する対象文字データとしたことにより、操作・表示部103に表示された金融機関名、あるいは支店名が正確に押下されなくても、自動取引システム1は、金融機関名、あるいは支店名を確実に抽出することができる。
【0128】
また、図5のステップS315において、科目、あるいは口座番号がそれぞれの検索キーワードと一致しなければ、押下位置情報に対応する文字データの前後の文字列をそれぞれの検索キーワードと照合する対象文字データとしたことにより、操作・表示部103に表示された科目、あるいは口座番号が正確に押下されなくても、自動取引システム1は、科目、あるいは口座番号を確実に抽出することができる。
【実施例2】
【0129】
次に、上述の実施例1に対して振込先の選択方法が異なる実施例について、図24から図29を用いて説明する。
なお、上述の実施例1における取引処理のステップS309(図4参照)からステップS326(図6参照)の処理が異なる以外は、実施例1と同一の構成、及び取引処理のため、同一の構成、及び取引処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0130】
また、図24は実施例2における選択処理の動作のフローチャートを示し、図25は顧客に金融機関名の選択を促す金融機関名選択画面600を示し、図26は顧客に支店名の選択を促す支店名選択画面610を示し、図27は顧客に科目の選択を促す科目選択画面620を示し、図28は顧客に口座番号の入力を促す口座番号入力画面630を示し、図29は顧客に科目、及び口座番号の選択を促す科目・口座番号選択画面640を示している。
【0131】
図4のステップS308において、文字認識部107が撮像画像に含まれる全ての文字を認識して文字データとしてメモリに一時記憶すると、図24に示すように、制御部110は、文字データから金融機関名の検索キーワードを含む文字列を全て抽出するとともに、抽出した文字列のうち金融機関情報データベース3に登録されている文字列を金融機関名として抽出する(ステップS501)。
【0132】
その後、制御部110は、抽出した金融機関名が複数あるか否かを判定する(ステップS502)。抽出した金融機関名が複数ある場合(ステップS502:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に金融機関名の選択を促す金融機関名選択画面600を表示する(ステップS503)。
【0133】
この金融機関名選択画面600は、図25に示すように、画面上部に「金融機関名が見つからないか、複数ありました。ご指定の金融機関名を以下から選択してください。以下にない場合は「手入力で振込先を指定する」を押してください。」という操作案内を表示し、画面中央に複数の金融機関名から振込先として指定する金融機関名を選択する金融機関名選択ボタン601から603を表示し、その下部に手入力で振込先を指定する手入力指定ボタン604、及び文書読み込みからやり直す文書再読込ボタン605を表示し、画面下部に取引を取消す取消ボタン606を表示している。
【0134】
そして、顧客操作によって金融機関名選択ボタン601から603のいずれかが押下されると、制御部110は、押下された金融機関名選択ボタン601、602、あるいは603に対応する金融機関名を振込先として確定する(ステップ504)。
【0135】
一方、ステップS502において抽出した金融機関名が1つの場合(ステップS502:No)、制御部110は、抽出した金融機関名を振込先として確定し、処理をステップS505に進める。
【0136】
なお、図25において、顧客が手入力指定ボタン604を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、金融機関情報データベース3に基づいた金融機関名を一覧表示するとともに、顧客に対して一覧から金融機関名の選択を促す画面(図示省略)を表示する。
【0137】
また、顧客が文書再読込ボタン605を押下した場合、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻す。
さらにまた、顧客が取消ボタン606を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0138】
金融機関名が確定すると、制御部110は、文字データから支店名の検索キーワードを含む文字列を全て抽出するとともに、抽出した文字列のうち金融機関情報データベース3に登録されている文字列を支店名として抽出する(ステップS505)。
【0139】
その後、制御部110は、抽出した支店名が複数あるか否かを判定する(ステップS506)。抽出した支店名が複数ある場合(ステップS506:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に支店名の選択を促す支店名選択画面610を表示する(ステップS507)。
【0140】
この支店名選択画面610は、図26に示すように、画面上部に「支店名が見つからないか、複数ありました。ご指定の支店名を以下から選択してください。以下にない場合は「手入力で振込先を指定する」を押してください。」という操作案内を表示し、画面中央に複数の支店名から振込先として指定する支店名を選択する支店名選択ボタン611から613を表示し、その下部に手入力で振込先を指定する手入力指定ボタン614、及び文書読み込みからやり直す文書再読込ボタン615を表示し、画面下部に取引を取消す取消ボタン616を表示している。
【0141】
そして、顧客操作によって支店名選択ボタン611から613のいずれかが押下されると、制御部110は、押下された支店名選択ボタン611、612、あるいは613に対応する支店名を振込先として確定する(ステップ508)。
【0142】
一方、ステップS606おいて抽出した支店名が1つの場合(ステップS506:No)、制御部110は、抽出した支店名を振込先として確定し、処理をステップS509に進める。
【0143】
なお、図26において、顧客が手入力指定ボタン614を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、金融機関情報データベース3に基づいた支店名を一覧表示するとともに、顧客に対して一覧から支店名の選択を促す画面(図示省略)を表示する。
【0144】
また、顧客が文書再読込ボタン615を押下した場合、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻す。
さらにまた、顧客が取消ボタン616を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0145】
支店名が確定すると、制御部110は、文字データに科目の検索キーワードを含む文字列があるか否かを判定する(ステップS509)。文字データに科目の検索キーワードを含む文字列がない場合(ステップS509:No)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に科目の選択を促す科目選択画面620を表示する(ステップS510)。
【0146】
この科目選択画面620は、図27に示すように、画面上部に「科目が見つかりませんでした。下記の中から科目を選択してください。」という操作案内を表示し、画面中央に科目として「普通」を選択する普通ボタン621、「貯蓄」を選択する貯蓄ボタン622、「当座」を選択する当座ボタン623、及び文書読み込みからやり直す文書再読込ボタン624を表示し、画面下部に取引を取消す取消ボタン625を表示している。
【0147】
そして、顧客操作によって普通ボタン621、貯蓄ボタン622、あるいは当座ボタン623のいずれかが押下されると、制御部110は、押下されたボタンに対応する科目を振込先として確定する(ステップ511)。
【0148】
なお、図27において、顧客が文書再読込ボタン624を押下した場合、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻す。
また、顧客が取消ボタン625を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
その後、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に口座番号の入力を促す口座番号入力画面630を表示する(ステップS512)。
【0149】
この口座番号入力画面630は、図28に示すように、画面上部に「口座番号が見つかりませんでした。口座番号を入力してください。」という操作案内を表示し、画面中央に入力された口座番号を表示する口座番号表示欄631、及び口座番号を入力する番号入力ボタン632を表示し、その下部に文書読み込みからやり直す文書再読込ボタン633、及び入力途中の口座番号を訂正する訂正ボタン634を表示し、画面下部に取引を取消す取消ボタン635を表示している。
【0150】
そして、顧客が番号入力ボタン632を操作して口座番号が入力されると、制御部110は、入力された口座番号を振込先として確定する(ステップS513)。その後、制御部110は、振込先の選択処理を終了して、処理を図7のステップS327に進める。
【0151】
なお、図28において、顧客が文書再読込ボタン633を押下した場合、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻す。
また、顧客が訂正ボタン634を押下した場合、制御部110は、口座番号表示欄の番号を全文字、あるいは一文字消去して、口座番号の入力を受付ける。
さらにまた、顧客が取消ボタン635を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0152】
一方、ステップS509において、文字データに科目の検索キーワードを含む文字列がある場合(ステップS509:Yes)、制御部110は、文字データから科目の検索キーワードを含む全ての文字列を科目として抽出するとともに、抽出した科目に対応する文字列の直後にある数字を口座番号として科目に関連付けて抽出する。
【0153】
その後、制御部110は、抽出した科目・口座番号が複数あるか否かを判定する(ステップS514)。抽出した科目・口座番号が複数ある場合(ステップS514:Yes)、制御部110の指示により、操作・表示部103は、顧客に科目・口座番号の選択を促す科目・口座番号選択画面640を表示する(ステップS515)。
【0154】
この科目・口座番号選択画面640は、図29に示すように、画面上部に「科目、口座番号の候補が複数見つかりました。下記の中から指定の科目、口座番号を選択してください。」という操作案内を表示し、画面中央に複数の科目・口座番号から振込先として指定する科目・口座番号を選択する科目・口座番号選択ボタン641から643を表示し、その下部に手入力で振込先を指定する手入力指定ボタン644、及び文書読み込みからやり直す文書再読込ボタン645を表示し、画面下部に取引を取消す取消ボタン646を表示している。
【0155】
そして、顧客操作によって科目・口座番号選択ボタン641から643のいずれかが押下されると、制御部110は、押下された科目・口座番号選択ボタン641、642、あるいは643に対応する科目、口座番号を振込先として確定する(ステップ516)。
【0156】
なお、図29において、顧客が手入力指定ボタン644を押下した場合、制御部110の指示により、操作・表示部103は、科目を一覧表示して顧客に対して一覧から科目の選択を促すとともに、口座番号の入力欄を表示して顧客に対して口座番号の入力を促す画面(図示省略)を表示する。
【0157】
また、顧客が文書再読込ボタン645を押下した場合、制御部110は、処理を図4のステップS306に戻す。
さらにまた、顧客が取消ボタン646を押下した場合には、制御部110は、取引を取消して取引開始画面の表示を操作・表示部103に指示するとともに、処理を図4のステップS301に戻す。
【0158】
一方、ステップS514おいて抽出した科目、口座番号が1つの場合(ステップS514:No)、制御部110は、抽出した科目、口座番号を振込先として確定する。その後、制御部110は、振込先の選択処理を終了して、処理を図7のステップS327に進める。
【0159】
以上のような動作を実現する自動取引システム1は、実施例1と同様の効果を奏すだけでなく、文字データから振込先候補を自動抽出して顧客に選択を促すことで、顧客の操作回数を低減することができる。
従って、自動取引システム1は、取引における顧客の利便性と安全性とを向上することができる。
【0160】
なお、上述の実施例1、及び実施例2において、ATM100を用いて説明したが、これに限定せず、顧客が希望する種別の現金に換金する両替機や取引に対して振込先の入力が必要な公共施設等に設置した自動取引装置などであってもよい。
また、ATM100、ホストコンピュータ200、取引処理、及び操作・表示部103に表示した画面構成は、これに限定するものでなく、適宜の構成としてもよい。
【0161】
また、ATM100の取引先口座情報読取部106は、顧客を撮像して顧客画像として出力する機能を兼ね備えた構成としたが、これに限定せず、振込先が記載された紙葉類などを撮像する機能のみであってもよい。さらに、顧客を撮像するカメラ等は別に独立した構成であってもよい。
【0162】
また、取引先口座情報読取部106の前面にハーフミラーを備えたが、これに限定せず、取引先口座情報読取部106が露出していてもよい。これにより、顧客は、紙葉類などをかざす位置を容易に把握することができる。
また、取引として振込みを用いて説明したが、これに限定せず、払込みなどその他の取引であってもよい。
【0163】
また、振込先を記載した振込先記載用紙を用いて説明したが、これに限定せず、携帯端末の画面などであってもよい。
また、振込先記載用紙の文字を読み込ませたが、これに限定せず、二次元コードなどであってもよい。この際、文字認識部107で二次元コードを復号して文字データする構成とする。
【0164】
また、取引先口座情報読取部106が撮像画像を出力する構成としたが、取引先口座情報読取部106が映像信号を出力して文字認識部107で文字データに変換する構成としてもよい。
【0165】
また、取引先口座情報読取部106が出力した撮像画像を操作・表示部103に表示して、顧客操作により振込先が記載された範囲を指定し、指定した範囲を文字認識部107で認識するようにしてもよい。
また、検索キーワードを取引処理プログラムに予め登録したが、これに限定せず、ATM100の記憶部108に検索キーワードデータベースとして記憶してもよい。
【0166】
また、実施例1における図5のステップS310からS314、及び実施例2における図24のステップS501からS508において、金融機関名、及び支店名をそれぞれ抽出したが、その後、抽出した金融機関名、及び支店名が金融機関情報データベース3に関連付けて登録されているか否かを判定し、関連付けて登録されている場合を有効としてもよい。さらに、関連付けて登録されていない場合、その時点で顧客に対して金融機関名、及び支店名の確認を促す画面を表示し、顧客操作による選択、あるいは訂正を入力許容してもよい。
【0167】
これにより、振込先のうち、金融機関名、及び支店名の指定間違いを早期に検出できるとともに、これ以降の処理における振込先の誤りを科目、あるいは口座番号に絞り込むことができる。
【0168】
また、問い合わせ情報を受信したホストコンピュータ200において、問い合わせ情報に該当する口座名義人がない場合、その旨を応答情報としてATM100に送信し、ATM100において受取人名確認画面450を表示して顧客に振込先の確認を促してもよい。
【0169】
また、上述の実施例1において、金融機関名、支店名、科目、あるいは口座番号に対応する文字データを選択する際、操作・表示部103の撮像表示欄21に表示した文字データを押下したが、これに限定せず、文字データの最初と最後の位置を指定して、指定された範囲内において検索キーワードと照合するようにしてもよい。
【0170】
また、図5のステップS312において、抽出した金融機関名が金融機関情報データベース3に登録されていなければ、抽出した金融機関名に近似した金融機関名を金融機関情報データベース3から抽出し、図25に示す金融機関名選択画面600を表示して、顧客による金融機関名の選択を受付けてもよい。
【0171】
また、図5のステップS312において、抽出した支店名が金融機関情報データベース3に登録されていなければ、抽出した支店名に近似した支店名を金融機関情報データベース3から抽出し、図26に示す支店名選択画面610を表示して、顧客による支店名の選択を受付けてもよい。
【0172】
また、図5のステップS315において、押下位置情報に対応する文字データが科目の検索キーワードと一致しなければ、図27に示す科目選択画面620を表示して、顧客による科目の選択を受付けてもよい。
【0173】
また、図5のステップS315において、押下位置情報に対応する文字データが口座番号の検索キーワードと一致しなければ、図28に示す口座番号入力画面630を表示して、顧客操作による口座番号の入力を受付けてもよい。
【符号の説明】
【0174】
1…自動取引システム
2…通信回線
3…金融機関情報データベース
100…ATM
103…操作・表示部
106…取引先口座情報読取部
107…文字認識部
108…記憶部
109…回線接続部
110…制御部
200…ホストコンピュータ
201…ホストコンピュータ記憶部
203…ホスト側回線接続部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の口座情報を記憶する口座情報記憶手段、及び通信回線に接続する回線接続手段を備えたサーバーと、
前記通信回線を介して前記サーバーと接続した自動取引装置とで構成した自動取引システムであって、
前記自動取引装置に、
少なくとも1つの取引先口座情報を記載した撮像対象物を撮像して撮像情報として出力する撮像手段と、
前記撮像情報から文字を認識して文字群情報として変換出力する撮像情報変換手段と、
前記取引先口座情報における固有の第1口座情報を特定可能な第2口座情報を前記文字群情報から特定する特定手段と、
前記第2口座情報を前記サーバーに送信して、前記口座情報記憶手段に前記第2口座情報と関連付けて記憶している応答口座情報の送信を前記サーバーに要求する問い合わせ手段と、
前記応答口座情報を受信すると、前記文字群情報に前記応答口座情報が含まれているか否かを判定し、前記応答口座情報が含まれていれば、取引を継続する口座情報検索手段とを備えた
自動取引システム。
【請求項2】
前記特定手段を、
前記文字群情報を表示するとともに、顧客の操作による前記文字群情報の選択を入力許容する構成とした
請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記特定手段を、
所定の文字列に基づいて、前記文字群情報から前記第2口座情報を特定する構成とした
請求項1または2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
前記自動取引装置に、
複数の金融機関に関する金融機関情報を登録した金融機関情報テーブルを記憶した記憶手段と、
前記金融機関情報テーブルに前記第2口座情報が登録されているか否かを判定し、前記第2口座情報が登録されている場合、前記第2口座情報を有効とする金融機関情報検索手段とを備えた
請求項1から3のいずれか1つに記載の自動取引システム。
【請求項5】
前記自動取引装置に、
前記第1口座情報、及び第2口座情報を表示するとともに、顧客の操作による前記第1口座情報、及び第2口座情報の訂正を入力許容する口座情報訂正手段を備えた
請求項1から4のいずれか1つに記載の自動取引システム。
【請求項6】
顧客の口座情報を記憶する口座情報記憶手段、及び通信回線に接続する回線接続手段を備えたサーバーと、前記通信回線を介して前記サーバーと接続した自動取引装置とで構成したシステムを用いた自動取引方法であって、
前記自動取引装置の撮像手段により、少なくとも1つの取引先口座情報を記載した撮像対象物を撮像して撮像情報として出力し、
撮像情報変換手段により、前記撮像情報から文字を認識して文字群情報として変換出力して、
特定手段により、前記取引先口座情報における固有の第1口座情報を特定可能な第2口座情報を前記文字群情報から特定すると、
問い合わせ手段により、前記第2口座情報を前記サーバーに送信して、前記口座情報記憶手段に前記第2口座情報と関連付けて記憶している応答口座情報の送信を前記サーバーに要求し、
口座情報検索手段により、前記応答口座情報を受信すると、前記文字群情報に前記応答口座情報が含まれているか否かを判定し、前記応答口座情報が含まれていれば取引を継続する
自動取引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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