説明

自動取引システム、自動取引方法及び自動取引プログラム

【課題】本発明は、従来オフラインで運用された両替機10を、コストを抑えてオンライン化して取引を行うことができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ATM20とホストコンピュータ30とで構成し、ATM20で、要求電文フォーマット200に取引情報を格納した要求電文をホストコンピュータ30に送信し、応答電文フォーマット300にホストコンピュータ30の応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引システムであって、両替機10とATM20とをLAN回線2で接続し、両替機10に、授受電文フォーマット100に取引情報を格納した授受電文をATM20に送信する授受電文処理を備え、ATM20に、取引情報を格納した要求電文をホストコンピュータ30に送信する上り電文処理と、応答情報を格納した授受電文を両替機10に送信する下り電文処理とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、従来オフラインで運用された両替機のような自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人で紙幣や硬貨の入出金することができる自動取引装置として、ATMや両替機などが広く普及している。これら自動取引装置には、例えば、ATMのように通信手段を備え、オンラインでホストコンピュータと取引データの受送信を行う自動取引装置と、両替機のように通信手段を持たずオフラインで運用する自動取引装置とがある。
【0003】
このうち通信手段を備えていない両替機では、貨幣の両替にかかる手数料を口座引落しで処理することができないため、顧客は、手数料を取引のたびに入金するというような利用形態を強いられている。また、金融機関においては、ホストコンピュータと接続していないため、両替機の取引実績を把握し難いという運用実態となっている。
【0004】
そこで、従来オフラインで運用していた両替機をオンライン化して運用する技術が提案されている。
例えば、特許文献1のように、両替機をホストコンピュータと接続して、両替機の取引実績データを送信し、ホストコンピュータ側でATMや窓口端末のデータとともに店舗単位で現金管理を行う技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、キャッシュカードによる両替取引を可能とし、両替にかかる手数料徴収を、顧客口座から口座引落し処理で行うことができる両替機が提案されている。
また、特許文献3では、キャッシュカードを受付けて、最新取引日をホストコンピュータに問い合わせて手数料徴収を判定する両替機が提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1から3に記載の両替機は、ホストコンピュータと直接、取引情報を受け渡して取引を行っているため、両替機とホストコンピュータの双方に通信手段を確立して、電文受送信処理などを新たに組み込む必要がある。
【0007】
特に、電文受送信処理は、金融機関ごとに固有の電文フォーマットを使用して処理が行われる。従って、両替機のオンライン化は、金融機関にとって独自の開発コストがかかるという問題があり、結果として、顧客の利便性向上の妨げになるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−133094号公報
【特許文献2】特開2004−355540号公報
【特許文献3】特開昭63−311588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑み、従来オフラインで運用された自動取引装置を、コストを抑えてオンライン化して取引を行うことができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第1制御手段とを備えた第1自動取引装置と、広域通信回線を介して接続したホストコンピュータとで構成し、前記第1自動取引装置の前記第1制御手段で、前記ホストコンピュータとの取引の要求に用いる要求電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した要求電文を前記ホストコンピュータに送信し、前記要求電文に対する前記ホストコンピュータの応答に用いる応答電文フォーマットにしたがって前記ホストコンピュータの応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引システムであって、通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第2制御手段を備えた第2自動取引装置と、前記第1自動取引装置とを狭域通信回線で接続し、前記第2自動取引装置の第2制御手段に、前記ホストコンピュータとの前記取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した授受電文を、前記第1自動取引装置に送信する授受電文処理を備え、前記第1自動取引装置の第1制御手段に、前記授受電文を受信すると、前記取引情報を前記要求電文フォーマットにしたがって格納した前記要求電文を、前記ホストコンピュータに送信する上り電文処理と、前記応答電文を受信すると、前記第2自動取引装置に対する応答電文であるか判別し、前記第2自動取引装置に対する応答電文である場合、前記応答情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第2自動取引装置に送信する下り電文処理とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、従来オフラインで運用された自動取引装置を、コストを抑えてオンライン化して取引を行う自動取引システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】両替機とATM及びホストコンピュータの接続状態を示すシステム構成図。
【図2】両替機とATM及びホストコンピュータのブロック図。
【図3】集計情報テーブルの情報を示す集計情報テーブル構成図。
【図4】集計情報テーブルの情報を示す集計情報テーブル構成図。
【図5】両替手数料テーブルの情報を示す両替手数料テーブル構成図。
【図6】送信先ATMアドレステーブルの構成を示す送信先ATMアドレステーブル構成図。
【図7】送信先両替機アドレステーブルの構成を示す送信先両替機アドレステーブル構成図。
【図8】両替機とATM間の電文種類を示す説明図。
【図9】両替機とATM間の授受電文フォーマットの構成を示す授受電文フォーマット構成図。
【図10】ATMからホストコンピュータへの要求電文フォーマットの構成を示す要求電文フォーマット構成図。
【図11】ホストコンピュータからATMへの応答電文フォーマットの構成を示す応答電文フォーマット構成図。
【図12】両替機の取引動作を示すフローチャート。
【図13】両替機の取引動作を示すフローチャート。
【図14】ATM側のタイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図15】ATM側のタイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図16】両替機側のタイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図17】顧客カードの挿入を促す画面を示すカード挿入案内画面。
【図18】両替紙幣の投入を促す画面を示す紙幣投入案内画面。
【図19】両替金種を設定する画面を示す両替金種設定案内画面。
【図20】両替手数料の支払い方法を選択する画面を示す支払い方法選択案内画面。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は、両替機10とATM20及びホストコンピュータ30の接続状態のシステム構成図を示し、図2は、両替機10とATM20及びホストコンピュータ30のブロック図を示している。また、図3及び図4は、集計情報テーブル4の集計情報テーブル構成図を示し、図5は、両替手数料テーブル5の両替手数料テーブル構成図を示し、図6は、送信先ATMアドレステーブル6の送信先ATMアドレステーブル構成図を示し、図7は、送信先両替機アドレステーブル7の送信先両替機アドレステーブル構成図を示している。
【0014】
図1及び図2に示すように、金融機関の支店等に設置している両替機10とATM20は、LAN回線2を介して相互に通信可能に接続している。さらに、ATM20は、LAN回線2に接続した通信回線1を介して金融機関の本店などに設置しているホストコンピュータ30と接続している。
【0015】
両替機10は、図2に示すように、制御部11と、操作部12と、紙幣入出金機構部13と、硬貨出金機構部14と、包装硬貨出金機構部15と、手数料硬貨入金部16と、カード機構部17と、明細票機構部18と、ATM20との通信制御部19とで構成している。
【0016】
操作部12は、顧客が取引を行う際、両替金種の指定などキー入力の受付けと、取引操作の案内などの表示を兼ねている。
【0017】
紙幣入出金機構部13は、両替する紙幣の入出金機能や識別、収納機能を有する。
硬貨出金機構部14及び包装硬貨出金機構部15は、両替した硬貨の出金機能を有する。なお、包装硬貨出金機構部15は、硬貨を所定の枚数で包装した状態で出金する。
【0018】
手数料硬貨入金部16は、両替取引で手数料徴収が必要となる場合に硬貨投入を受付ける入金機能を有する。
【0019】
カード機構部17は、顧客カードの挿入・排出機能と顧客カード情報の読取り書込み機能を有する。
明細票機構部18は、取引の内容を明細票に印字し排出する機能を有する。
通信制御部19は、LAN回線2で接続したATM20との通信を制御する機能を有する。
【0020】
制御部11は、CPU、メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成とで構成し、顧客が両替機10を操作して取引を行う取引操作等の各種処理機能や接続された各部の動作を制御する制御機能を有する。
また、制御部11には、集計情報テーブル4と、両替手数料テーブル5と、送信先ATMアドレステーブル6とを記憶している。
【0021】
集計情報テーブル4は、図3及び図4に示すように、両替機10における取引の件数や金額などの集計情報を示し、具体的には、時間内と時間外の有料及び無料取引件数と、時間内と時間外の有料及び無料取引金額と、手数料口座引落しの金額及び件数と、出金紙幣毎の出金金額と、出金包装硬貨毎の出金金額と、出金硬貨毎の出金金額と、紙幣毎の入金金額と、手数料の入金金額とを記憶している。
【0022】
両替手数料テーブル5は、図5に示すように、現金両替時における両替枚数に応じた手数料と、自金融機関キャッシュカード利用両替時における両替枚数に応じた手数料とを記憶している。
【0023】
送信先ATMアドレステーブル6は、両替機10から取引情報をATM20に送信する際、送信先となるATM20を登録している。
具体的には、送信先ATMアドレステーブル6は、図6に示すように、ATM20を複数台分登録可能な構成で、送信先となるATM20のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイといった送信先ATM20のアドレス情報を登録している。
【0024】
なお、通常、送信先となるATM20を、送信先ATMアドレステーブル6の先頭に登録する。そして、先頭に登録したATM20が、万一、故障などで両替機10と通信不可の場合の送信先となるATM20を2番目以降に登録する。
【0025】
次に、ATM20は、図2に示すように、制御部21と、操作部22と、紙幣入出金機構部23と、硬貨入出金機構部24、通帳機構部25と、回線接続部26と、カード機構部27と、明細票機構部28と、両替機10との通信制御部29とで構成している。
【0026】
操作部22は、顧客が取引を行う際、両替金種の指定などキー入力の受付けと、取引操作の案内などの表示を兼ねている。
【0027】
紙幣入出金機構部23は、取引する紙幣の入出金機能や識別、収納機能を有する。
硬貨入出金機構部24は、取引する硬貨の入出金機能や識別、収納機能を有する。
【0028】
通帳機構部25は、顧客の通帳を受付け、排出する機能と取引内容を印字する印字機能を有する。
回線接続部26は、ホストコンピュータ30と通信回線1を介して接続し、ホストコンピュータ30とのデータの送信または受信を行う機能を有する。
【0029】
カード機構部27は、顧客カードの挿入及び排出機能と顧客カード情報の読取り書込み機能を有する。
明細票機構部28は、取引の内容を明細票に印字し排出する機能を有する。
通信制御部29は、LAN回線2で接続した両替機10との通信を制御する機能を有する。
【0030】
制御部21は、CPU、メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成とで構成し、顧客がATM20を操作して取引を行う取引操作等の各種処理機能や接続された各部の動作を制御する制御機能を有する。
【0031】
また、制御部21には、ATM20から取引情報を両替機10に送信する際、送信先となる両替機10を登録した送信先両替機アドレステーブル7を記憶している。
【0032】
この送信先両替機アドレステーブル7は、図7に示すように、送信先となる両替機10のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイといったアドレス情報を登録している。なお、送信先となる両替機10が複数台ある場合には、台数分のアドレス情報を登録する。
【0033】
次に、ホストコンピュータ30は、図2に示すように、ホストコンピュータ制御部31と、回線接続部32と、ファイル部33と、口座情報ファイル制御部34とで構成している。なお、ファイル部33は、口座情報ファイル33aと、各種ファイル33bとで構成している。
【0034】
回線接続部32は、ATM20と通信回線1を介して接続し、ATM20とのデータの送信または受信を行う機能を有する。
【0035】
口座情報ファイル33aは、顧客の氏名、口座番号、暗証番号などの顧客情報を記憶している。
各種ファイル33bは、顧客の口座情報以外の各種情報を記憶している。
【0036】
口座情報ファイル制御部34は、ホストコンピュータ制御部31の指示により、ファイル部33の口座情報ファイル33aや各種ファイル33bに記憶された情報の入出力を行う。
【0037】
ホストコンピュータ制御部31は、CPU、メモリ等のハード構成と、プログラム等のソフト構成とで構成され、接続された各部の制御を行う。
【0038】
このような構成の両替機10とATM20及びホストコンピュータ30においいて、両替機10とATM20は、LAN回線2を介して接続し、各制御部の指示により取引情報を格納した授受電文の受送信で取引を行う。
【0039】
また、ATM20とホストコンピュータ30は、ATM20の回線接続部26とホストコンピュータ30の回線接続部32に接続された通信回線1を介して、各制御部の指示により取引情報を格納した要求電文と応答電文との受送信で取引を行う。
【0040】
次に、両替機10とATM20との間において、受送信する電文種類及び授受電文フォーマット100について説明する。
【0041】
なお、図8は、両替機10とATM20間の電文種類の説明図を示し、図9は、両替機10とATM20間の授受電文フォーマット100の授受電文フォーマット構成図を示している。
【0042】
両替機10からATM20へ送信する授受電文の種類は、図8に示すように、両替機10における取引実績の集計情報を送信する集計情報送信と、カード機構部17で読み込んだキャッシュカードの顧客口座情報をATM20を介してホストコンピュータ30に照会要求する口座照会要求と、両替手数料の口座引落しをATM20を介してホストコンピュータ30に要求する両替手数料口座引落し要求とがある。
【0043】
また、ATM20から両替機10へ送信する授受電文の種類は、図8に示すように、両替機10に対して集計情報の送信を要求する集計情報送信要求と、口座照会の要求に対するホストコンピュータ30の照会結果を両替機10に送信する口座照会結果の通知と、両替手数料口座引落しの要求に対するホストコンピュータ30の手続き結果を両替機10に送信する両替手数料口座引落し結果の通知とがある。
【0044】
このような取引情報の受け渡しを行う授受電文において、取引情報は、所定のフォーマット、つまり授受電文用に構成した授受電文フォーマット100にしたがって格納している。
【0045】
授受電文フォーマット100は、図9に示すように、ヘッダ部110と業務データ部120とで構成している。さらに、ヘッダ部110は、電文長フィールド111と、通信制御パラメータ112と、アプリ制御パラメータ113とで構成し、業務データ部120は、業務アプリヘッダ部121と、業務アプリデータ部122とで構成している。
【0046】
このうち、通信制御パラメータ112には、送信先ATMアドレステーブル6あるいは送信先両替機アドレステーブル7に基づいて、送信先となるATM20あるいは両替機10のIPアドレスなどのアドレス情報や、装置を識別する識別IDなどを送信先に応じて格納する。
【0047】
また、アプリ制御パラメータ113には、両替機10とATM20間の電文種類を識別するためのコードを格納している。
具体的には、両替機10からATM20へ授受電文を送信する場合、アプリ制御パラメータ113に、コード「001」を「集積情報送信」とし、コード「002」を「口座照会要求」とし、コード「003」を「両替手数料口座引落し要求」と定義した電文種類を示すコードを取引に応じて格納する。
【0048】
一方、ATM20から両替機10へ授受電文を送信する場合、アプリ制御パラメータ113に、コード「011」を「集計情報送信要求」とし、コード「012」を「口座照会結果の通知(取扱可)」とし、コード「013」を「両替手数料口座引落し結果の通知(取扱成立)」とし、コード「112」を「口座照会結果の通知(取扱不可)」とし、コード「113」を「両替手数料口座引落し結果の通知(カード使用不可)」とし、コード「213」と「両替手数料口座引落し結果の通知(残高不足)」と定義した電文種類を示すコードを取引に応じて格納する。
【0049】
業務アプリデータ部122には、両替機10とATM20間における取引に応じた取引情報を格納している。
具体的には、両替機10からATM20へ送信する授受電文が、口座照会要求である場合、キャッシュカードから読み取った顧客口座情報を業務アプリデータ部122に格納し、両替手数料引落し要求である場合、顧客口座情報と両替取引に要する両替手数料金額を業務アプリデータ部122に格納する。また、授受電文が、集計情報送信である場合、集積情報テーブル4に基づく集計情報を業務アプリデータ部122に格納する。
【0050】
一方、ATM20から両替機10へ送信する授受電文が、両替手数料口座引落し結果の通知である場合、業務アプリデータ部122に顧客の口座残高を格納する。
【0051】
次に、ATM20からホストコンピュータ30への送信する要求電文の要求電文フォーマット200と、ホストコンピュータ30からATM20への送信する応答電文の応答電文フォーマット300について説明する。
【0052】
なお、図10は、ATM20からホストコンピュータ30への要求電文フォーマット200の要求電文フォーマット構成図を示し、図11は、ホストコンピュータ30からATM20への応答電文フォーマット300の応答電文フォーマット構成図を示している。
【0053】
ATM20とホストコンピュータ30との間で取引情報の受け渡しを行う要求電文及び応答電文において、各種取引情報は、所定のフォーマット、つまり要求電文用に構成した要求電文フォーマット200と、応答電文用に構成した応答電文フォーマット300にしたがって格納している。
【0054】
なお、要求電文フォーマット200及び応答電文フォーマット300は、従来よりATM20とホストコンピュータ30との間で取引情報の受け渡しに使用している電文フォーマットを使用している。
【0055】
要求電文フォーマット200は、図10に示すように、共通ヘッダ210と、ローカルヘッダ部220と、業務データ部230とで構成している。さらに、ローカルヘッダ部220は、電文長フィールド221と、通信制御パラメータ222と、アプリ制御パラメータ223とで構成し、業務データ部230は、業務アプリヘッダ部231と、業務アプリデータ部232とで構成している。
【0056】
このうち、アプリ制御パラメータ223は、端末属性情報240と、取引属性情報250と、取引モード情報260と、予備270とで構成している。
【0057】
さらに、端末属性情報240は、送信元となる自動取引装置を示す識別情報を格納する端末識別241と、端末種類242と、端末番号243と、予備244とで構成している。このうち、端末種類242には、送信元となる自動取引装置の識別コードを格納している。
【0058】
具体的には、端末種類242に、コード「01」を「CD」とし、コード「02」を「ATM」とし、コード「03」を「記帳機」とし、コード「04」を「両替機」と定義した送信元を示すコードを送信元となる自動取引装置に応じて格納する。
【0059】
また、取引属性情報250は、取引種別251と、予備252とで構成している。
このうち、取引種別251には、ホストコンピュータ30に対する取引要求の種類を示すコードを格納している。
【0060】
具体的には、取引種別251に、コード「1101」を「カード出金要求」とし、コード「1102」を「通帳出金要求」とし、コード「1103」を「カード・通帳併用出金要求」とし、コード「1201」を「カード入金要求」とし、コード「1202」を「通帳入金要求」とし、コード「1301」を「残高照会要求」とし、コード「1401」を「振込照会」とし、コード「1402」を「振込要求」と定義した従来から使用されている取引内容を示すコードを取引に応じて格納している。
【0061】
さらに、取引種別251に格納するコードとして、コード「2101」を「口座照会要求」とし、コード「3101」を「両替手数料口座引落し要求」とし、コード「4101」を「集計情報送信」と定義した両替機10との取引に使用する取引内容を示すコードを追加し、取引に応じて取引種別251に格納している。
【0062】
業務アプリデータ部232には、ホストコンピュータ30に送信する各種取引情報、例えば、キャッシュカードから読み取った顧客口座情報や取引金額などを格納する。
【0063】
また、応答電文フォーマット300は、図11に示すように、共通ヘッダ310と、ローカルヘッダ部320と、業務データ部330とで構成している。さらに、ローカルヘッダ部320は、電文長フィールド321と、通信制御パラメータ322と、アプリ制御パラメータ323とで構成し、業務データ部330は、業務アプリヘッダ部331と、業務アプリデータ部332とで構成している。
【0064】
このうち、アプリ制御パラメータ323は、端末属性情報340と、予備350とで構成し、さらに端末属性情報340は、端末種類341と、処理通番342と、予備343とで構成している。
【0065】
この端末種類341には、送信先の自動取引装置を示す識別コードを格納している。
具体的には、端末種類341に、コード「01」を「CD」とし、コード「02」を「ATM」とし、コード「03」を「記帳機」とし、コード「04」を「両替機」と定義した送信先を示すコードを送信先の自動取引装置に応じて格納する。
【0066】
また、業務アプリデータ部332は、応答コード361と、取引金額362と、明細票印字データ363と、カード書込みデータ364と、通帳書込みデータ365と、画面表示データ360と、予備367とで構成している。
【0067】
このうち、応答コード361には、両替機10あるいはATM20の要求に対する取引結果を示すコードを格納している。
具体的には、応答コード361に、コード「000」を「取引成立」とし、コード「1XX」を「取引不成立」とし、コード「101」を「カード使用不可」とし、コード「111」を「残高不足」と定義した取引結果を示すコードを取引結果に応じて格納する。
【0068】
また、取引金額362は、取引金額または残高362aと手数料362bとで構成している。取引金額または残高362aには、取引要求の内容に応じて取引金額あるいは口座残高などを格納し、手数料362bには、その取引にかかる振込手数料や両替手数料などを取引に応じて格納する。
【0069】
このような構成の自動取引システムにおいて、両替機10の取引動作について説明する。
なお、図12及び図13は、両替機10の取引動作のフローチャートを示し、図14及び図15は、ATM20側のタイマ割込み処理のフローチャートを示し、図16は、両替機10側のタイマ割込み処理のフローチャートを示している。
【0070】
また、図17は、顧客カードの挿入を促すカード挿入案内画面700を示し、図18は、両替紙幣の投入を促す紙幣投入案内画面710を示し、図19は、両替金種を設定する両替金種設定案内画面720を示し、図20は、両替手数料の支払い方法を選択する支払い方法選択案内画面730を示している。
【0071】
まず、顧客が両替機10の前に立つと、図12及び図13に示すように、両替機10の制御部11は、取引処理を開始し、図17に示すようなカード挿入案内画面700を操作部12に表示する(ステップS401)。
【0072】
このカード挿入案内画面700には、「お取引を開始される場合は、カード挿入口にキャッシュカード、または両替カードを挿入してください。」という操作案内メッセージを表示する。
【0073】
顧客がカード挿入案内画面700の操作案内にしたがってカード機構部17にキャッシュカードを挿入すると(ステップS402)、制御部11の指示により、カード機構部17は、キャッシュカードに記憶された顧客口座情報を読み取る(ステップS403)。
【0074】
顧客口座情報を読み取ると、両替機10の制御部11は、ホストコンピュータ30に口座照会を要求する授受電文を授受電文フォーマット100にしたがって編集し、LAN回線2を介してATM20に授受電文を送信する(ステップS404)。
【0075】
口座照会を要求する授受電文を編集する際、両替機10の制御部11は、アプリ制御パラメータ113に、コード「002(口座照会要求)」を格納し、業務アプリデータ部122に、顧客のキャッシュカードから読み取った顧客口座情報を格納する。
【0076】
また、両替機10の制御部11は、通信制御パラメータ112に、送信先ATMアドレステーブル6の先頭に登録されたATM20のIPアドレスなどのアドレス情報を格納し、格納したアドレス情報のATM20に授受電文を送信する。
【0077】
なお、送信先ATMアドレステーブル6の先頭に登録されたATM20が故障等により授受電文の送信が不可の場合、両替機10の制御部11は、送信先ATMアドレステーブル6の2番目に登録した別のATM20のアドレス情報を、通信制御パラメータ112に格納し直して授受電文を送信する。
【0078】
そして、両替機10が送信した授受電文を受信したATM20は、顧客の口座照会をホストコンピュータ30に要求し、ホストコンピュータ30から口座照会結果を受信すると、口座照会結果を両替機10に送信する。なお、ATM20とホストコンピュータ30との間における顧客の口座照会処理については、後ほど詳しく説明する。
【0079】
その後、両替機10の制御部11は、ATM20から送信された口座照会結果の授受電文の受信判定を行う(ステップS405)。ATM20からの授受電文の受信がない場合(ステップS405:No)、制御部11は、処理をステップS405に戻し、ATM20からの授受電文を待ち続ける。
【0080】
一方、ATM20から口座照会結果の授受電文を受信すると(ステップS405:Yes)、制御部11は、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納しているコードを解析し、キャッシュカードが取扱可か判定する(ステップS406)。
【0081】
アプリ制御パラメータ113に、コード「112(口座照会結果の通知(取扱不可))」が格納されて、顧客の口座が有効でないなどの理由で取扱不可と制御部11が判断すると(ステップS406:No)、両替機10の制御部11の指示により、カード機構部17は、顧客のキャッシュカードを排出して顧客に返却する(ステップS410)。その後、制御部11は、両替機取引処理を終了する。
【0082】
一方、両替機10の制御部11は、アプリ制御パラメータ113に、コード「012(口座照会結果の通知(取扱可))」が格納されて、顧客の口座が有効であると判断すると(ステップS406:Yes)、図18に示すような紙幣投入案内画面710を操作部12に表示して、紙幣入出金機構部13で両替紙幣の投入を受付ける(ステップS407)。
【0083】
この紙幣投入案内画面710には、「両替をする紙幣を投入して、下の確認ボタンを押してください。」という操作案内メッセージと、確定ボタン711とを表示する。
【0084】
顧客が紙幣入出金機構部13に両替紙幣を投入し、確定ボタン711を押下すると、両替機10の制御部11の指示により紙幣入出金機構部13は、入金された両替紙幣の金種及び枚数を検出する。そして、制御部11は、図19に示すような両替金種設定案内画面720を操作部12に表示する(ステップS408)。
【0085】
この両替金種設定案内画面720には、「両替を希望される金種ボタンを押して、数量を選択してください。」という操作案内メッセージを画面上段に表示し、投入した両替紙幣の金額を表示する両替金額欄721と、両替する金種を指定する紙幣ボタン722と、包装硬貨ボタン723と、硬貨ボタン724と、各金種の数量を表示する紙幣数量欄725と、包装硬貨数量欄726と、硬貨数量欄727を表示し、画面右下に各金種設定を確定する確定ボタン728を表示する。
【0086】
顧客は、両替金種設定案内画面720の案内にしたがって両替する金種を設定して確定ボタン728を押下して、両替金種設定を確定する(ステップS409)。
【0087】
顧客が確定ボタン728を押下すると、両替機10の制御部11は、両替手数料テーブル5にしたがって両替手数料が発生するかを判定する(ステップS411)。両替手数料が発生する場合(ステップS411:Yes)、制御部11は、図20に示すような支払い方法選択案内画面730を操作部12に表示する(ステップS412)。
【0088】
この支払い方法選択案内画面730には、「両替手数料のお支払い方法を選択してください。」という操作案内メッセージと、両替手数料を表示する手数料金額欄731と、口座引落しで支払う口座引落しボタン732と、現金で支払う現金入金ボタン733とを表示する。
【0089】
ここで、両替機10の制御部11は、口座引落しボタン732が押下されたかを判定する(ステップS413)。
【0090】
両替手数料の口座引落しを希望する顧客が口座引落しボタン732を押下すると(ステップS413:Yes)、制御部11は、両替手数料口座引落しをホストコンピュータ30に要求する授受電文を授受電文フォーマット100にしたがって編集し、LAN回線2を介してATM20に授受電文を送信する(ステップS414)。
【0091】
両替手数料口座引落しを要求する授受電文を編集する際、制御部11は、授受電文フォーマット100のアプリ制御パラメータ113に、コード「003(手数料口座引落し要求)」を格納し、業務アプリデータ部122に、顧客のキャッシュカードから読み取った顧客口座情報と、両替取引にかかる両替手数料金額を格納する。
【0092】
また、両替機10の制御部11は、通信制御パラメータ112に、送信先ATMアドレステーブル6の先頭に登録されたATM20のIPアドレスなどのアドレス情報を格納し、格納したアドレス情報のATM20に授受電文を送信する。
【0093】
なお、送信先ATMアドレステーブル6の先頭に登録されたATM20が故障等により授受電文の送信が不可の場合、両替機10の制御部11は、送信先ATMアドレステーブル6の2番目に登録した別のATM20のアドレス情報を、通信制御パラメータ112に格納し直して授受電文を送信する。
【0094】
そして、両替機10が送信した授受電文を受信したATM20は、両替手数料口座引落しをホストコンピュータ30に要求し、ホストコンピュータ30から両替手数料口座引落し結果を受信すると、両替手数料口座引落し結果を両替機10に送信する。なお、ATM20とホストコンピュータ30との間における両替手数料口座引落し処理については、後ほどで詳しく説明する。
【0095】
その後、両替機10の制御部11は、ATM20から送信される両替手数料口座引落し結果の授受電文の受信判定を行う(ステップS415)。ATM20からの授受電文の受信がない場合(ステップS415:No)、制御部11は、処理をステップS415に戻し、ATM20からの授受電文を待ち続ける。
【0096】
一方、両替機10の制御部11は、ATM20からの両替手数料口座引落し結果の授受電文を受信すると(ステップS415:Yes)、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納しているコードを解析し、口座引落しが成立したか判定する(ステップS416)。
【0097】
アプリ制御パラメータに、コード「113(両替手数料口座引落し結果(カード使用不可))が格納されて、顧客口座が有効でないと制御部11が判定した場合、あるいはコード「213(両替手数料口座引落し結果(残高不足))」が格納されて、口座残高が不足して取引が成立しないと制御部11が判定した場合(ステップS416:No)、両替機10の制御部11の指示により、カード機構部17は、顧客のキャッシュカードを排出し顧客に返却する(ステップS421)。
【0098】
そして、制御部11の指示により、紙幣入出金機構部13は、顧客が入金した現金を放出して顧客に返却する(ステップS422)。その後、制御部11は、両替機取引処理を終了する。
【0099】
一方、ステップS416において、アプリ制御パラメータ113に、コード「013(両替手数料口座引落し結果(取引成立))」が格納されて、両替手数料口座引落しが正常に処理されたと制御部11が判定すると(ステップS416:Yes)、両替機10の制御部11の指示により、カード機構部17は、顧客のキャッシュカードを排出して顧客に返却する。さらに、制御部11の指示により明細票機構部18は、両替取引の明細票を印字して放出する(ステップS417)。
【0100】
そして、制御部11の指示により、両替金種に応じて紙幣入出金機構部13、硬貨出金機構部14及び包装硬貨出金機構部15は、開口して両替した現金を放出する(ステップS418)。
【0101】
両替機10は、顧客が入金した現金を両替機10内の所定の収納庫に収納する(ステップS419)。その後、両替機10の制御部11は、両替機取引処理を終了する。
【0102】
なお、ステップS411において、両替手数料が発生しない場合(ステップS411:No)、制御部11は、処理をステップS417まですすめ、顧客のキャッシュカード返却、明細票の放出及び両替した貨幣を放出する。その後、顧客が入金した現金を両替機10内の所定の収納庫に収納して、両替機取引処理を終了する。
【0103】
また、ステップS413において、両替手数料の口座引落しを希望しない顧客が現金入金ボタンを押下すると(ステップS413:No)、両替機10の制御部11により、手数料硬貨入金部16は、開口して現金の投入を受付ける(ステップS420)。
【0104】
そして、顧客が現金を投入すると、制御部11は、処理をステップS417まですすめ、顧客のキャッシュカード返却、明細票の放出及び両替した貨幣を放出する。その後、顧客が入金した現金を両替機10内の所定の収納庫に収納して、両替機取引処理を終了する。
【0105】
次に、ATM20において、両替機10からの授受電文を受信し、ホストコンピュータ30に取引を要求する要求電文を送信する上り電文処理と、ホストコンピュータ30からの応答電文を受信し、応答電文に基づいて両替機10に授受電文を送信する下り電文処理について説明する。
【0106】
なお、ATM20における上り電文処理と下り電文処理は、顧客がATM20を操作して取引を行うATM20の取引処理に、一定の間隔で割り込んで実行するATM側タイマ割込処理とする。
【0107】
ATM20の制御部21は、図14に示すように、ATM側タイマ割込処理を開始すると、両替機10からの授受電文の受信判定を行う(ステップS501)。両替機10からの授受電文を受信すると(ステップS501:Yes)、ATM20の制御部21は、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納しているコードを解析する(ステップS502)。
【0108】
そして、ATM20の制御部21は、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納されたコードに基づいて、両替機10が要求している取引を判定する(ステップS503)。
【0109】
アプリ制御パラメータ113に、コード「002(口座照会要求)」が格納されていると(ステップ503:Yes)、ATM20の制御部21は、ホストコンピュータ30に口座照会を要求する要求電文を要求電文フォーマット200にしたがって編集する(ステップS504)。
【0110】
口座照会を要求する要求電文を編集する際、制御部21は、要求電文フォーマット200の端末種類242に、送信元を示すコード「04(両替機)」を格納し、取引種別251に、要求する取引を示すコード「2101(口座照会要求)」を格納する。さらに、授受電文の業務アプリデータ部122に格納された顧客口座情報を、要求電文フォーマット200の業務アプリデータ部232に格納する。
【0111】
その後、ATM20の制御部21は、ホストコンピュータ30に要求電文を送信する(ステップS505)。
【0112】
なお、ステップS501において、両替機10から授受電文を受信していない場合(ステップS501:No)、ATM20の制御部21は、処理を後述するステップS510にすすめる。
【0113】
また、ステップS503において、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納されたコードが「002(口座照会要求)」でない場合(ステップS503:No)、制御部21は、アプリ制御パラメータ113に格納されたコードが「003(両替手数料口座引落し要求)」であるか判定する(ステップS506)。
【0114】
アプリ制御パラメータ113に、コード「003(両替手数料口座引落し要求)」が格納されている場合(ステップS506:Yes)、ATM20の制御部21は、ホストコンピュータ30に両替手数料の口座引落しを要求する要求電文を要求電文フォーマット200にしたがって編集する(ステップS507)。
【0115】
両替手数料の口座引落しを要求する要求電文を編集する際、制御部21は、要求電文フォーマット200の端末種類242に、送信元を示すコード「04(両替機)」を格納し、取引種別251に、要求する取引を示すコード「3101(両替手数料口座引落し要求)」を格納する。さらに、授受電文の業務アプリデータ部122に格納された顧客口座情報と両替手数料の金額を、業務アプリデータ部232に格納する。
【0116】
そして、制御部21は、要求電文をホストコンピュータ30に送信する(ステップS505)。
【0117】
その後、ホストコンピュータ30において、口座照会処理あるいは両替手数料の口座引落し処理を行い、応答電文フォーマット300にしたがって各処理結果を応答情報として格納した応答電文をATM20に送信する。
【0118】
次に、ATM20の制御部21は、要求電文に対するホストコンピュータ30の応答情報を格納した応答電文の受信判定を行う(ステップS510)。
【0119】
応答電文を受信した場合(ステップS510:Yes)、ATM20の制御部21は、応答電文のアプリ制御パラメータ323の端末種類341に格納されたコードを解析する(ステップS511)。
【0120】
ATM20の制御部21は、まず、端末種類341にコード「04(両替機)」が格納されているかを判定する(ステップS512)。端末種類341にコード「04(両替機)」が格納されていると(ステップS512:Yes)、制御部21は、両替機10宛の応答電文であると判断し、応答電文の応答情報を両替機10に受け渡す授受電文を授受電文フォーマット100にしたがって編集し、両替機10に送信する(ステップS513)。
【0121】
応答情報を両替機10に受け渡す授受電文を編集する際、制御部21は、ホストコンピュータ30から応答電文の内容に応じて、アプリ制御パラメータ113に電文種類を示すコードと、業務アプリデータ部122に応答情報を格納する。
【0122】
具体的には、両替機10からの口座照会要求に対する応答電文である場合、ATM20の制御部21は、応答電文の応答コード361にコード「000(取引成立)」が格納されていると、授受電文のアプリ制御パラメータ113に、「012(口座照会結果の通知(取扱可))」を格納し、応答電文の応答コード361にコード「1XX(取引不成立)」が格納されていると、授受電文のアプリ制御パラメータ113に、「112(口座照会結果の通知(取扱不可))」を格納する。
【0123】
また、両替機10からの両替手数料の口座引落し要求に対する応答電文である場合、ATM20の制御部21は、応答電文の応答コード361にコード「000(取引成立)」が格納されていると、授受電文のアプリ制御パラメータ113に、「013(両替手数料口座引落し結果の通知(取引成立))」を格納し、応答電文の応答コード361にコード「101(カード使用不可)」が格納されていると、授受電文のアプリ制御パラメータ113に、「113(口座照会結果の通知(カード使用不可))」を格納する。
【0124】
あるいは、応答電文の応答コード361にコード「111(残高不足)」が格納されていると、ATM20の制御部21は、授受電文のアプリ制御パラメータ113に、「213(口座照会結果の通知(残高不足))」を格納する。
【0125】
その後、ATM20の制御部21は、両替機10に対して取引実績の集計情報送信を要求するか判定する(ステップS514)。なお、取引実績の集計情報の送信要求は、例えば1日1回決まった時刻を過ぎると送信要求するようなスケジュールにしたがって行うようにする。
【0126】
両替機10に対して取引実績の集計情報送信を要求しない場合(ステップS514:No)、ATM20の制御部21は、ATM側タイマ割込処理を終了する。
【0127】
一方、両替機10に対して集計情報送信を要求する場合(ステップS514:Yes)、ATM20の制御部21は、両替機10に対して集計情報送信を要求する授受電文を授受電文フォーマット100にしたがって編集し、両替機10に送信する(ステップS515)。
【0128】
両替機10に対して集計情報送信を要求する授受電文を編集する際、制御部21は、授受電文フォーマット100のアプリ制御パラメータ113に、コード「011:集計情報送信要求」を格納する。
【0129】
そして、制御部21は、両替機10に集計情報送信を要求する授受電文を送信後、ATM側タイマ割込み処理を終了する。
【0130】
なお、図15のステップS510において、ホストコンピュータ30からの応答電文でない場合(ステップS510:No)、制御部21は、処理をステップS514にすすめる。また、ステップS512において、両替機宛の電文でない場合(ステップS512:No)も制御部21は、処理をステップS514にすすめる。その後、両替機10の集計情報送信を要求するか判定し、必要な処理を実行したのち、ATM側タイマ割込処理を終了する。
【0131】
そして、集計情報送信を要求する授受電文を受信した両替機10は、集計情報を格納した授受電文をATM20に送信する。なお、両替機10において、集計情報送信を要求する授受電文を受信後の処理については、後ほど詳しく説明する。
【0132】
また、図14のステップS506において、両替手数料口座引落し要求でない場合(ステップS506:No)、ATM20の制御部21は、授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納されたコードが「001(集計情報送信)」であるか判定する(ステップS508)。
【0133】
アプリ制御パラメータ113にコード「001(集計情報送信)」が格納されていなければ(ステップS508:No)、ATM20の制御部21は、処理をステップS510にすすめる。
【0134】
一方、ステップS508において、アプリ制御パラメータ113にコード「001(集計情報送信)」が格納されていれば(ステップS508:Yes)、ATM20の制御部21は、先に送信した両替機10の集計情報送信を要求する授受電文に対する返信であると判定し、授受電文の業務アプリデータ部122に格納された両替機10の集計情報を、制御部21内のメモリに記憶する(ステップS509)。
【0135】
次に、両替機10において、ATM20からの集計情報送信を要求する授受電文を受信し、集計情報をATM20に送信する授受電文処理について説明する。
【0136】
なお、両替機10において、ATM20からの集計情報送信を要求する授受電文に対する処理は、顧客が両替機10を操作して取引を行う両替機10の取引処理に、一定の間隔で割り込んで実行する両替機側タイマ割込処理とする。
【0137】
両替機10の制御部11は、図16に示すように、両替機側タイマ割込処理を開始すると、ATM20からの授受電文の受信判定を行う(ステップS601)。ATM20からの授受電文を受信すると(ステップS601:Yes)、制御部11は、受信した授受電文のアプリ制御パラメータ113に格納されたコードを解析し(ステップS602)、アプリ制御パラメータ113に格納されたコードが「011(集計情報送信要求)」であるか判定する(ステップS603)。
【0138】
アプリ制御パラメータ113に格納されたコードが、「011(集計情報送信要求)」である場合(ステップS603:Yes)、制御部11は、集計情報テーブル4に基づいて両替機10の取引実績を集計する(ステップS604)。
【0139】
そして、両替機10の制御部11は、ATM20に集計情報を渡す授受電文を授受電文フォーマット100にしたがって編集し、ATM20に送信する(ステップS605)。
【0140】
ATM20に集計情報を渡す授受電文を編集する際、制御部11は、授受電文フォーマット100のアプリ制御パラメータ113に、コード「001(集計情報送信)」を格納し、業務アプリデータ部122に集計情報を格納する。
【0141】
ATM20に集計情報を渡す授受電文送信後、両替機10の制御部11は、両替機側タイマ割込処理を終了する。
【0142】
なお、ステップS601において、ATM20からの授受電文の受信がない場合(ステップS601:No)、制御部11は、両替機側タイマ割込処理を終了する。
【0143】
また、ステップS603において、アプリ制御パラメータ113にコード「011(集計情報送信要求)」がセットされていない場合(ステップS603:No)、制御部11は、両替機側タイマ割込処理を終了する。
【0144】
上述したように、通信回線に接続する回線接続部26と、各手段を制御する制御部21とを備えたATM20と、通信回線1を介して接続したホストコンピュータ30とで構成し、ATM20の制御部21で、ホストコンピュータ30との取引の要求に用いる要求電文フォーマット200にしたがって取引情報を格納した要求電文をホストコンピュータ30に送信し、要求電文に対するホストコンピュータ30の応答に用いる応答電文フォーマット300にしたがってホストコンピュータ30の応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引システムであって、各手段を制御する制御部11を備えた両替機10と、ATM20とをLAN回線2で接続し、両替機10の制御部11に、ホストコンピュータ30との取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマット100にしたがって取引情報を格納した授受電文を、ATM20に送信する授受電文処理を備え、ATM20の制御部21に、授受電文を受信すると、取引情報を要求電文フォーマット200にしたがって格納した要求電文を、ホストコンピュータ30に送信する上り電文処理と、応答電文を受信すると、両替機10に対する応答電文であるか判別し、両替機10に対する応答電文である場合、応答情報を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文を、両替機10に送信する下り電文処理とを備えたことにより、従来オフラインで運用された両替機10を、コストを抑えてオンライン化して取引を行うことができる
具体的には、ホストコンピュータ30とATM20を通信回線1で接続し、ATM20と両替機10とをLAN回線2で接続した構成により、ホストコンピュータ30と両替機10間における取引情報の受け渡しを、ATM20を経由して行うことができる。
【0145】
ここで、ATM20と両替機10間における取引情報の受け渡しは、取引情報を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文の受送信で行うことができる。
【0146】
さらに、ATM20とホストコンピュータ30間における取引情報の受け渡しは、従来よりATM20とホストコンピュータ間で取引情報の受け渡しに用いている既存の電文フォーマットを使用し、取引情報を要求電文フォーマット200にしたがって格納し、ホストコンピュータ30に送信する要求電文と、要求電文に対する応答情報を応答電文フォーマット300にしたがって格納し、ATM20に送信する応答電文との受送信で行うことができる。
【0147】
つまり、授受電文フォーマット100は、両替機10とATM20間における取引情報の受け渡しにおいてのみ使用されるので、両替機10及びATM20の製造元において金融機関に左右されない独自の電文フォーマットとして予め定めておくことができる。
【0148】
一方、要求電文フォーマット200及び応答電文フォーマット300は、既存の電文フォーマットに両替機10を示す識別コードや、両替機10とホストコンピュータ30との取引の種類を示すコードを追加することで、両替機10とホストコンピュータ30との取引情報の受け渡しを行うことができる。
【0149】
つまり、両替機10からATM20に送信した授受電文の取引情報を、要求電文フォーマット200にしたがって格納し直す、あるいはホストコンピュータ30からATM20に送信した応答電文の応答情報を、授受電文フォーマット100にしたがって格納し直すことにより、ATM20を経由して両替機10とホストコンピュータ30との取引を行うことができる。
【0150】
また、既存のATM20及びホストコンピュータ30のプログラムの変更で本自動取引システムを実現することも可能である。
【0151】
従って、ATM20と両替機10との間においては、金融機関固有の仕様に左右されることなく取引情報の受け渡しをすることができるので、両替機10のオンライン化にかかる金融機関の開発コストを抑えることができる。
【0152】
そして、ATM20とホストコンピュータ30との間においては、金融機関固有の既存電文フォーマットを利用して取引情報の受け渡しをすることができるので、両替機10のオンライン化にかかる金融機関の開発コストを抑えることができる。
【0153】
このようにして、従来オフラインで運用された両替機10を、コストを抑えてオンライン化し、ホストコンピュータ30との取引を行うことができる。
【0154】
そして、金融機関は、両替機10においても顧客にATM20のような様々サービスを提供することができるとともに、顧客は、両替機10をオンライン化によるサービスの恩恵を享受することができる。
【0155】
また、両替機10に、顧客のキャッシュカードの投入を受付けて、キャッシュカードに記憶した顧客口座情報を読み取るカード機構部17を備え、授受電文処理の取引情報を、ホストコンピュータ30に顧客の口座照会を要求する口座照会要求とし、カード機構部17で顧客口座情報を読み取ると、両替機10の制御部11で、授受電文処理を実行する構成としたことにより、ATM20とホストコンピュータ30との間で行われている従来の口座照会処理を利用して、両替機10からキャッシュカードに記憶している顧客口座情報を、ホストコンピュータ30に照会することができる。
【0156】
従って、開発コストを抑えて両替機10からホストコンピュータ30に顧客の口座照会行うことができる。
また、顧客の口座照会できることにより、金融機関は、顧客に対して、顧客口座情報に基づいたサービス、例えば両替手数料などの割引サービスを提供することができる。
【0157】
さらに、金融機関は、両替機10においてキャッシュカードの不正利用を検出することができる。例えば、金融機関に口座を持つ顧客に対して、両替手数料の割引サービスを行う取引形態において、金融機関に口座を持つ他人のキャッシュカードを利用して両替機10で両替取引を行おうとしても、ホストコンピュータ30に口座照会できることでキャッシュカードの不正な利用をすぐに検出でき、キャッシュカードの不正利用と両替手数料徴収を逸すること防止できる。
【0158】
また、両替機10に、両替取引にかかる両替手数料の口座引落しの入力を入力許容する操作部12を備え、授受電文処理の取引情報を、ホストコンピュータ30に両替手数料の口座引落しを要求する口座引落し要求とし、操作部12で取引にかかる手数料の口座引落しを選択すると、両替機10の制御部11で、授受電文処理を実行する構成としたことにより、ATM20とホストコンピュータ30との間で行われている従来の口座引落し処理を利用して、両替機10から手数料の口座引落しを、ホストコンピュータ30に要求することができる。
【0159】
従って、開発コストを抑えて両替機10からホストコンピュータ30に手数料の口座引落しを行うことができる。
また、金融機関は、顧客に対するサービスとして、両替手数料徴収を口座引落しにするサービスを提供できる。
【0160】
一方、顧客は、取引にかかる手数料の支払いを保有する口座から引落しするかを選択することができ、キャッシュカードによる顧客の口座照会を行うので、スムーズに口座引落しを行うことができる。従って、顧客は、両替手数料をその都度、入金するなどの手間を省くことができる。
【0161】
また、ATM20の制御部21に、取引情報を、両替機10における取引実績の集計情報の送信を要求する集計情報送信要求とし、集計情報送信要求を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文を、両替機10に送信する集計情報要求処理を備え、両替機10の制御部11に、受信した授受電文が集計情報送信要求であると判定すると、集計情報を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文を、ATM20に送信する集計情報応答処理を備えたことにより、金融機関は、両替機10がどの程度利用されているのか、あるいは手数料収入額はどの程度かなどの集計情報を、ATM20に集約することができる。そして、集計情報を、ATM20からホストコンピュータ30に送信して、金融機関が一括管理することができる。
【0162】
具体的には、ATM20の制御部21は、受信した両替機10の集計情報を一旦、制御部21内のメモリに記憶する。そして、ホストコンピュータ30からの指示により、ATM20の制御部21は、制御部21内のメモリに記憶した両替機10の集計情報と、ATM20の集計情報とを一括してホストコンピュータ30に送信する。
【0163】
また、両替機10の制御部11に、授受電文を送信するATM20のIPアドレスなどのアドレス情報を複数台登録可能な送信先ATMアドレステーブル6を備えたことにより、両替機10は、授受電文の送信先であるATM20が、万一、故障あるいはメンテナンスなどで通信不可の状態であっても、他のATM20を経由してホストコンピュータ30と通信することができる。
【0164】
従って、ホストコンピュータ30と直接取引情報の受け渡しを行わない両替機10において、ホストコンピュータ30との通信経路が途切れるおそれがなく、通信経路を確実に確保することができる。また、ホストコンピュータ30との通信を確立できないことにより、両替機10において取引不可や取引の中断となるおそれを防止することができる。
【0165】
また、通信回線に接続する回線接続部26と、各手段を制御する制御部21とを備えたATM20と、通信回線1を介して接続したホストコンピュータ30とで構成したシステムを用いて、ATM20の制御部21で、ホストコンピュータ30との取引の要求に用いる要求電文フォーマット200にしたがって取引情報を格納した要求電文をホストコンピュータ30に送信し、要求電文に対するホストコンピュータ30の応答に用いる応答電文フォーマット300にしたがってホストコンピュータ30の応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引方法であって、各手段を制御する制御部11を備えた両替機10と、ATM20とをLAN回線2で接続し、両替機10の制御部11の授受電文処理により、ホストコンピュータ30との取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマット100にしたがって取引情報を格納した授受電文を、ATM20に送信し、ATM20の制御部21の上り電文処理により、授受電文を受信すると、取引情報を要求電文フォーマット200にしたがって格納した要求電文を、ホストコンピュータ30に送信し、ATM20の制御部21の下り電文処理により、応答電文を受信すると、両替機10に対する応答電文であるか判別し、両替機10に対する応答電文である場合、応答情報を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文を、両替機10に送信することにより、従来オフラインで運用された両替機10を、コストを抑えてオンライン化して取引を行う自動取引方法を実現することができる。
【0166】
具体的には、ATM20と両替機10との間では、授受電文で取引情報の受け渡しを行う方法とし、ATM20とホストコンピュータ30との間では、既存の要求電文と応答電文を利用して取引情報の受け渡しを行う方法としたことにより、両替機10のオンライン化にかかる金融機関の開発コストを抑えることができる。
【0167】
また、通信回線に接続する回線接続部26と、各手段を制御する制御部21とを備えたATM20と、通信回線1を介して接続したホストコンピュータ30とで構成したシステムを用いて、ATM20の制御部21に、ホストコンピュータ30との取引の要求に用いる要求電文フォーマット200にしたがって取引情報を格納した要求電文をホストコンピュータ30に送信するステップと、要求電文に対するホストコンピュータ30の応答に用いる応答電文フォーマット300にしたがってホストコンピュータ30の応答情報を格納した応答電文を受信するステップとを実行させて取引を行う自動取引プログラムであって、各手段を制御する制御部21を備え、ATM20とをLAN回線2で接続した両替機10の制御部11に、ホストコンピュータ30との取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマット100にしたがって取引情報を格納した授受電文を、ATM20に送信するステップを実行させ、ATM20の制御部21に、授受電文を受信すると、取引情報を要求電文フォーマット200にしたがって格納した要求電文を、ホストコンピュータ30に送信するステップと、応答電文を受信すると、両替機10に対する応答電文であるか判別し、両替機10に対する応答電文である場合、応答情報を授受電文フォーマット100にしたがって格納した授受電文を、両替機10に送信するステップとを実行させることにより、従来オフラインで運用された両替機10を、開発コストを抑えてオンライン化して取引を行うことができるプログラムを提供できる。
【0168】
具体的には、自動取引プログラムは、ATM20及び両替機10に組み込まれて提供することができる。また、ATM20と両替機10との間においては、金融機関に左右されない授受電文フォーマット100を利用したプログラムとし、ATM20とホストコンピュータ30との間においては、既存のプログラムを利用することにより、両替機10のオンライン化にかかる金融機関の開発コストを抑えることができる。
【0169】
なお、本実施例では、従来オンラインで運用された自動取引装置をATM20としたが、ホストコンピュータ30と相互に通信可能な通信手段を備えたCD機などであってもよい。さらに、従来オフラインで運用された自動取引装置を両替機10としたが、これに限定せず出納機などでもよい。
【0170】
また、ATM20とホストコンピュータ30間の接続は、相互に通信可能な専用回線あるいは公衆回線などとすることができる。さらに、ATM20とホストコンピュータ30は、相互に通信可能な通信手段で接続していれば、同一支店内であってもよい。
【0171】
また、両替機10とATM20は、LAN回線2で接続するとしたが、相互に通信可能な通信手段を備えていれば、LAN回線2以外の接続形態であってもよい。さらに、両替機10とATM20は、同一支店内に設置するものとしたが、相互に通信可能な通信手段を備えていれば、同一支店内でなくともよい。
【0172】
また、送信先ATMアドレステーブル6及び送信先両替機アドレステーブル7に登録するアドレス情報は、IPアドレスなどに限定せず、通信規格に応じて変更することができる。
【0173】
また、両替手数料テーブル5は、両替機10の制御部11に記憶するものとしたが、ホストコンピュータ30に記憶しておき取引の都度ホストコンピュータ30に問い合わせるようにしてもよい。これにより、両替機10は、常に最新の両替手数料テーブル5に基づいて取引を行うことができる。
【0174】
また、顧客のキャッシュカードを使用して取引を行ったが、これに限らず両替カードなどとすることができる。さらに、両替機10において、カード機構部17に顧客のキャッシュカードなどを挿入後、制御部11は、顧客に暗証番号の入力を求めるようにしてもよい。
【0175】
また、顧客が両替手数料を口座引落しで支払う際、両替手数料支払い情報をホストコンピュータ30に記憶し、顧客が通帳などで一括管理するようにしてもよい。
【0176】
また、ATM側タイマ割込処理及び両替機側タイマ割込処理における一定の間隔は、あまり大きくすると(例えば2秒以上)、顧客やシステムの待ち時間に影響するので、間隔はあまり大きくしない(例えば0.1秒間隔)ようにすることが好ましい。
【0177】
また、ATM20からホストコンピュータ30に口座照会を要求するために、要求電文フォーマット200の取引種別251に、コード「2101(口座照会要求)」を追加したが、従来よりATM20からホストコンピュータ30への電文送信に使用しているコード「1301(残高照会要求)」を使用してもよい。
【0178】
また、両替機10の集計情報送信の要求を、ATM20の制御部21の指示により行ったが、係員の直接操作により指示する、あるいはホストコンピュータ30からATM20を介して指示してもよい。さらに、両替機10がスケジュールに基づいて自動的に集計情報をATM20に送信するようにしてもよい。
【0179】
また、集計情報は必ずしもATM20の制御部21内のメモリに一度記憶するのではなく、ホストコンピュータ30にATM20を介して直接送信するようにしてもよい。
【0180】
なお、集計情報は、取引実績に限定せず、両替機10の可動時間や故障あるいはエラー履歴などであってもよい。また、両替機10の取引実績とともに可動時間などをホストコンピュータ30に記憶しておき、取引実績と可動時間に応じて、効率的な保守点検を行うこともできる。
【0181】
例えば、ホストコンピュータ30に記憶した可動時間や取引実績に基づいて、取引実績が少なく故障のリスクが少ない両替機10よりも、取引実績が多く稼働時間も長い両替機10を優先的に保守点検するよう点検スケジュールを組むことができる。
【0182】
また、両替機10とホストコンピュータ30とを通信可能としたことにより、ホストコンピュータ30からの指示及びデータ送信によって両替機10内に記憶している制御プログラムなどの更新や修正を行うようにしてもよい。
【0183】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の第1自動取引装置は、実施形態のATM20に対応し、
以下同様に、
第2自動取引装置は、両替機10に対応し、
回線接続手段は、回線接続部26に対応し、
第1制御手段は、制御部21に対応し、
広域通信回線は、通信回線1に対応し、
第2制御手段は、制御部11に対応し、
狭域通信回線は、LAN回線2に対応し、
顧客媒体受付手段は、カード機構部17に対応し、
入力手段は、操作部12に対応し、
送信先アドレステーブルは、送信先ATMアドレステーブル6に対応し、
授受電文処理は、ステップS404、ステップS414に対応し、
上り電文処理は、ステップS501〜ステップS507に対応し、
下り電文処理は、ステップS510〜ステップS513に対応し、
集計情報要求処理は、ステップS514〜ステップS515に対応し、
集計情報応答処理は、ステップS601〜ステップS605に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0184】
1…通信回線
2…LAN回線
6…送信先ATMアドレステーブル
10…両替機
11…制御部
12…操作部
17…カード機構部
19…通信制御部
20…ATM
21…制御部
26…回線接続部
30…ホストコンピュータ
100…授受電文フォーマット
200…要求電文フォーマット
300…応答電文フォーマット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第1制御手段とを備えた第1自動取引装置と、
広域通信回線を介して接続したホストコンピュータとで構成し、
前記第1自動取引装置の前記第1制御手段で、
前記ホストコンピュータとの取引の要求に用いる要求電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した要求電文を前記ホストコンピュータに送信し、
前記要求電文に対する前記ホストコンピュータの応答に用いる応答電文フォーマットにしたがって前記ホストコンピュータの応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引システムであって、
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第2制御手段を備えた第2自動取引装置と、
前記第1自動取引装置とを狭域通信回線で接続し、
前記第2自動取引装置の第2制御手段に、
前記ホストコンピュータとの前記取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した授受電文を、前記第1自動取引装置に送信する授受電文処理を備え、
前記第1自動取引装置の第1制御手段に、
前記授受電文を受信すると、前記取引情報を前記要求電文フォーマットにしたがって格納した前記要求電文を、前記ホストコンピュータに送信する上り電文処理と、
前記応答電文を受信すると、前記第2自動取引装置に対する応答電文であるか判別し、前記第2自動取引装置に対する応答電文である場合、前記応答情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第2自動取引装置に送信する下り電文処理とを備えた
自動取引システム。
【請求項2】
前記第2自動取引装置に、
顧客情報媒体の投入を受付けて、前記顧客情報媒体に記憶した顧客情報を読み取る顧客媒体受付手段を備え、
前記授受電文処理の前記取引情報を、
前記ホストコンピュータに顧客の口座照会を要求する口座照会情報とし、
前記顧客媒体受付手段で前記顧客情報を読み取ると、
前記第2自動取引装置の第2制御手段で、前記授受電文処理を実行する構成とした
請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記第2自動取引装置に、
取引にかかる手数料の口座引落しの入力を入力許容する入力手段を備え、
前記授受電文処理の前記取引情報を、
前記ホストコンピュータに手数料の口座引落しを要求する口座引落し情報とし、
前記入力手段で取引にかかる手数料の口座引落しを選択すると、
前記第2自動取引装置の前記第2制御手段で、前記授受電文処理を実行する構成とした
請求項2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
前記第1自動取引装置の前記第1制御手段に、
前記取引情報を、前記第2自動取引装置における取引実績の集計情報の送信を要求する集計要求情報とし、
前記集計要求情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第2自動取引装置に送信する集計情報要求処理を備え、
前記第2自動取引装置の前記第2制御手段に、
受信した前記授受電文が前記集計要求情報であると判定すると、
前記集計情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第1自動取引装置に送信する集計情報応答処理を備えた
請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動取引システム。
【請求項5】
前記第2自動取引装置の前記第2制御手段に、
前記授受電文を送信する前記第1自動取引装置のネットワークアドレス情報を複数台登録可能な送信先アドレステーブルを備えた
請求項1から請求項4のいずれかに1つに記載の自動取引システム。
【請求項6】
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第1制御手段とを備えた第1自動取引装置と、広域通信回線を介して接続したホストコンピュータとで構成したシステムを用いて、
前記第1自動取引装置の前記第1制御手段で、
前記ホストコンピュータとの取引の要求に用いる要求電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した要求電文を前記ホストコンピュータに送信し、前記要求電文に対する前記ホストコンピュータの応答に用いる応答電文フォーマットにしたがって前記ホストコンピュータの応答情報を格納した応答電文を受信して取引を行う自動取引方法であって、
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第2制御手段を備えた第2自動取引装置と、
前記第1自動取引装置とを狭域通信回線で接続し、
前記第2自動取引装置の第2制御手段の授受電文処理により、
前記ホストコンピュータとの前記取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した授受電文を、前記第1自動取引装置に送信し、
前記第1自動取引装置の第1制御手段の上り電文処理により、
前記授受電文を受信すると、前記取引情報を前記要求電文フォーマットにしたがって格納した前記要求電文を、前記ホストコンピュータに送信し、
前記第1自動取引装置の第1制御手段の下り電文処理により、
前記応答電文を受信すると、前記第2自動取引装置に対する応答電文であるか判別し、前記第2自動取引装置に対する応答電文である場合、前記応答情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第2自動取引装置に送信する
自動取引方法。
【請求項7】
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第1制御手段とを備えた第1自動取引装置と、広域通信回線を介して接続したホストコンピュータとで構成したシステムを用いて、
前記第1自動取引装置の前記第1制御手段に、
前記ホストコンピュータとの取引の要求に用いる要求電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した要求電文を前記ホストコンピュータに送信するステップと、前記要求電文に対する前記ホストコンピュータの応答に用いる応答電文フォーマットにしたがって前記ホストコンピュータの応答情報を格納した応答電文を受信するステップとを実行させて取引を行う自動取引プログラムであって、
通信回線に接続する回線接続手段と、各手段を制御する第2制御手段を備え、前記第1自動取引装置とを狭域通信回線で接続した第2自動取引装置の第2制御手段に、
前記ホストコンピュータとの前記取引情報の受け渡しに用いる授受電文フォーマットにしたがって取引情報を格納した授受電文を、前記第1自動取引装置に送信するステップを実行させ、
前記第1自動取引装置の第1制御手段に、
前記授受電文を受信すると、前記取引情報を前記要求電文フォーマットにしたがって格納した前記要求電文を、前記ホストコンピュータに送信するステップと、
前記応答電文を受信すると、前記第2自動取引装置に対する応答電文であるか判別し、前記第2自動取引装置に対する応答電文である場合、前記応答情報を前記授受電文フォーマットにしたがって格納した授受電文を、前記第2自動取引装置に送信するステップとを実行させる
自動取引プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−133720(P2012−133720A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287325(P2010−287325)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】