説明

自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法

【課題】複数の返済方式の中でも、少なくともカード種別によって絞り込むことができる返済可能な返済方式、或いは、返済可能な返済方式の中でもより好ましい返済方式を案内することにより、顧客の利便性向上を図ることができる自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法の提供を目的とする。
【解決手段】クレジット機能を備えた取引媒体に記憶された媒体情報を読み取る読取手段4を備えた自動取引装置1であって、クレジット機能に加えてキャッシュ機能を前記取引媒体に備えているか否かの取引媒体の種別を、前記媒体情報に基づいて判別する判別手段2と、前記判別手段2が判別した取引媒体種別判別結果情報に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の返済方式を案内する制御手段2とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関や郵政公社等に設置されたクレジット返済機能を有する自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法に関し、顧客がクレジット返済取引を行う際の利便性向上を図ることができる自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手数料収入を得るためや顧客の利便性向上のため、銀行等の自動取引装置におけるクレジット返済取引の取扱いが拡大している。一方、コンビニエンスストアや店舗外ブースに設置の自動取引装置などでは、省スペース化や運用コストの削減を図るため、硬貨処理部を搭載していないものが増えている。
【0003】
また、返済取引で取扱う金額は、借入金額、利息や商品代金などが対象となるため1円単位の端数を有する金額となることが一般的である。自動取引装置で1円単位の金額を取扱うためには、硬貨処理部の搭載が必要となる。このため、硬貨処理部が搭載されていない自動取引装置では、端数金額を除いた紙幣のみの一部金額の返済の取扱いを許容する、或いは、返済取引自体の取扱いを抑止するなどの制約が生じることになる。
【0004】
このように、自動取引装置でのクレジット返済は、全額返済に限らず、一部返済や或いは、振替え返済など様々な返済方式により返済できるが、上述したように、例えば、カード種別、自動取引装置に硬貨処理部を搭載しているか否か、さらには、返済金額に千円未満の端数を有しているか否かといった様々な要因との関係によって、返済方式に制限が加わることがあり、顧客が希望する返済取引が行えないことがあった。
【0005】
しかし、従来は、実際には返済不可能な返済方式も含めて複数の返済方式を表示部に並べて表示しただけであるので、複数の返済方式の中から好適な返済方式を選択するのに手間を要したり、誤った返済方式を選択してしまうことがあり、スムーズな返済取引ができず、顧客の手間を必要としていた。
【0006】
また、クレジット返済額は、通常、利子などの端数を有することが多いにも関わらず、正確な返済必要金額は、自動取引装置を操作してクレジット会社に照会するまで把握することができないため、実際に返済取引をする段階で返済必要金額が不足していることを発覚する可能性がある。
【0007】
ところが、例えば、硬貨処理部を搭載していない自動取引装置によって現金返済により返済取引を行う場合において、現金全額返済方式による返済取引しか案内できないとすれば、顧客は返済用現金を事前に出金し持参するか、当該自動取引装置を操作して予め出金しておくかのいずれかの準備を要することになる。
【0008】
このような課題に対して、自動取引装置において支払取引をした後、引き続き入金取引、振込取引を行い、先に行った支払金額を入金に充当することができる「自動取引システム」が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の「自動取引システム」は、顧客が提携していない金融機関に設置しているATMを通じて行う入金取引、振込取引における資金を顧客が提携している金融機関の口座から充当するシステムである。
【0009】
また、複数の口座に対応する媒体を受け付け、前記口座の口座情報を取得して資金の移動元及び移動先の口座を推定し、資金の移動方向を顧客が選択可能に表示することによって、資金の移動方向を顧客が指定することできる「自動取引装置」が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2の「自動取引システム」は、資金の移動先の口座情報を媒体から取得することにより、顧客入力を不要とするものである。
【0010】
また、物品購入時にリアルタイムで購買者の口座から販売者の口座へ資金移動する「リアルタイム現金決済システム」が提案されている(特許文献3参照)。
特許文献3の「リアルタイム現金決済システム」は、物品購入時の代金について、即時に決済するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−222340号公報
【特許文献2】特開2006−350582号公報
【特許文献3】特表2003−520371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1のように支払取引を行った金額を次取引に充当する技術は提案されているが、クレジット返済取引においては、支払取引を行った時点で返済必要金額がわからないため、出金金額を確定できないという課題がある。
【0013】
特許文献2のように複数口座間の資金移動を複数媒体で簡易に行う技術が提案されているが、銀行ホストコンピュータとクレジット会社ホストコンピュータ間では振込取引のような資金移動ができないという課題がある。
【0014】
また、特許文献3のように物品購入時の代金をリアルタイムで資金移動する技術が提案されているが、クレジットカードのように即時決済でないシステムの場合、前回返済以降の履歴を照会し、返済取引実施時点での返済必要金額を取得する必要があるという課題がある。
【0015】
そこでこの発明は、複数の返済方式の中でも、少なくともカード種別によって返済可能な返済方式、或いは、返済可能な返済方式の中でもより好ましい返済方式を絞り込んで案内することで、顧客の利便性向上を図ることができる自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、クレジット機能を備えた取引媒体に記憶された媒体情報を読み取る読取手段を備えた自動取引装置であって、クレジット機能に加えてキャッシュ機能を前記取引媒体に備えているか否かの取引媒体の種別を、前記媒体情報に基づいて判別する判別手段と、前記判別手段が判別した取引媒体種別判別結果情報に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の返済方式を案内する制御手段とで構成したことを特徴とする。
【0017】
またこの発明は、上述した自動取引装置と、該自動取引装置と接続したホストコンピュータとで構成した自動取引システムであって、前記ホストコンピュータに、前記自動取引装置に対して返済条件情報の送信を行う情報送信手段を備え、前記返済条件情報を、クレジット返済必要額に関するクレジット返済情報、及び、当該自動取引装置の装置機能情報のうち、少なくともいずれかの情報で構成したことを特徴とする。
【0018】
さらにまたこの発明は、クレジット機能を備えた取引媒体に記憶された媒体情報を読み取り、該媒体情報に基づいてクレジット返済取引を行う自動取引方法であって、クレジット機能に加えてキャッシュ機能を前記取引媒体に備えているか否かの取引媒体の種別を、前記媒体情報に基づいて判別するステップと、取引媒体の種別を判別した取引媒体種別判別結果情報に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の前記返済方式を案内するステップとを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の返済方式の中でも、少なくともカード種別によって返済可能な返済方式、或いは、返済可能な返済方式の中でもより好ましい返済方式を絞り込んで案内することで、顧客の利便性向上を図ることができる自動取引装置、自動取引システム、及び、自動取引方法の提供を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】自動取引システムの概略図。
【図2】ATMとホストコンピュータの内部構成図。
【図3】返済方式を絞り込む際に用いる判別条件を示すテーブル。
【図4】実施例1における返済方式を絞り込む方法を示すテーブル。
【図5】クレジットカードの種別に応じた説明図。
【図6】ATMを用いた返済取引の一部を説明するフローチャート。
【図7】ATMを用いた返済取引の一部を説明するフローチャート。
【図8】返済金額案内処理を説明するフローチャート。
【図9】振替返済取引処理を説明するフローチャート。
【図10】現金返済取引処理を説明するフローチャート。
【図11】操作案内画面の一例としての振替支払画面の表示例。
【図12】操作案内画面の一例としての返済方式選択画面の表示例。
【図13】操作案内画面の一例としての現金支払画面の表示例。
【図14】操作案内画面の一例としての一部返済画面の表示例。
【図15】操作案内画面の一例としての返済不可確認画面の表示例。
【図16】実施例2における返済方式を絞り込む方法を示すテーブル。
【図17】ATMを用いた返済取引の別方式を説明するフローチャート。
【図18】操作案内画面の一例としての銀行カード受付画面の表示例。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
以下、図1から図4を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automated Tellers Machine)、及び、自動取引システムに関する。
【0023】
図1は自動取引装置としてのATM1とネットワーク(通信網)を介して接続されたホストコンピュータ11,18とを備えた自動取引システム100の概略図であり、図2はATM1とホストコンピュータ11,18の内部構成図である。本接続図および内部構成図を用いて、概略構造を説明する。
【0024】
図3は、条件情報を判別する判別条件テーブルであり、図4は、返済方式絞込みテーブルである。図5は取引カードの種別に応じた記憶手段、及び、記憶情報の説明図である。
【0025】
自動取引システム100は、自動取引装置としてのATM1と、ネットワークを介して接続されたホストコンピュータ11(以下、「ホスト11」という。)と、ネットワークを介して接続されたさらに上位のホストコンピュータ18(以下、「ホスト18」という。)とで構成している。
【0026】
ATM1は、例えば、銀行等の金融機関、郵政公社、信用金庫等の金融機関等に設置され、顧客、すなわち、利用者の操作によって現金の入金や出金等の利用者の要求する種々の取引を自動的に実行する装置であり、操作部3、カード機構部/明細票機構部4、通帳機構部5、紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7、回線接続部8、音声案内ガイダンス部9、静脈認証機構部10、及び、これら各部を制御する制御部2を主たる構成として構成している。
【0027】
以下に各部位の説明を行う。制御手段としての制御部2は、図示しないが、CPU、メモリ等のハード構成と、各種プログラム、データ等のソフト構成とから成り、各種処理、取引を制御する。
【0028】
前記各種プログラムには、取引媒体としての取引カード(クレジットカード)に、クレジット機能に加えてキャッシュ機能を取引カードに備えているか否かの取引カードの種別を判別する判別処理プログラム(判別手段)を備えている。
【0029】
取引カードに記憶されたカード情報(媒体情報)は、後述するカード機構部4により読み取られ、判別処理プログラムは、該読み取ったカード情報に基づいて取引カードの種別を判別する。
【0030】
制御部2は、判別処理プログラムの実行により、図3中のAに示すように、取引カードがクレジット機能のみの従来型クレジットカード200Bであるか、或いは、クレジット機能に加えてキャッシュ機能を備えたクレジット一体型キャッシュカード200Aであるかのカード種別を少なくとも判別する。
【0031】
制御部2は、判別処理プログラムにより判別した取引カード種別判別結果情報(取引媒体種別判別結果情報)に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の返済方式を案内する処理を実行する機能を有する。
【0032】
さらに、制御部2は、返済方式を決定する上で、その決定要因となる判別条件として、取引カード種別判別結果情報に加え、ホスト11から受信した返済条件情報をメモリに記憶し、これら情報に基づいて所定の返済方式を案内する処理を実行する機能を有する。返済条件情報は、少なくともATM機能情報(装置機能情報)と、クレジット返済必要額に関する返済必要額情報(クレジット返済情報)から成る。
【0033】
ATM機能情報は、図3中のBに示すように、ATM1に硬貨処理部として硬貨入出金機構部7を有するか否かに関する情報である。
返済必要額情報は、図3中のCに示すように、クレジット返済必要額が千円単位、或いは、壱万円単位の金額の中で千円未満の桁数の端数のない金額であるか、或いは、硬貨での支払いを含む端数を有する金額であるかに関する情報である。
【0034】
具体的には、制御部2は、取引カード種別、ATM機能、返済必要額ごとの判別条件を基に判別した結果を、図4に示すテーブルに当てはめることで、該当する返済方式の項目内に示された返済方式に絞り込む。
【0035】
操作部3は、画面表示機能、及び、キー入力検知機能を備えており、主に、ATM1の利用者が取引を行う際、取引操作の誘導画面を有するとともに、返済方式選択手段として選択入力画面を表示したり、暗証番号など利用者の操作や指で押されたキー入力を受付ける機能を有する。さらに、操作部3は、利用者が例えば、返済方法などを選択入力した入力信号を選択入力結果情報として制御部2に送信する。
【0036】
なお、操作部3はタッチパネル等により構成した入力兼表示部(入力表示部ともいう)が望ましく、様々な情報を表示画面に表示し、この表示画面に表示される様々なボタンへの押下も検知することを許容してもよい。
【0037】
読取手段としてのカード機構部4は、利用者の取引カードの挿入又は排出動作、カードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作、カードエンボス部分のイメージの読み取り機能を有し、クレジット機能を備えた取引カードに記憶されたカード情報を読み取る機能を有する。
また明細票機構部4は、取引した内容を印字部により明細票に印字し、装置内から排出する機能を有する。
【0038】
通帳機構部5は、利用者の通帳の挿入/排出動作、磁気ストライプのリード/ライト動作、通帳への印字部による印字機能などを有する。
【0039】
紙幣入出金機構部6は、紙幣の入金や出金を許容する機能を有し、硬貨入出金機構部7は、硬貨の入金や出金を許容する機能を有し、いずれも現金の鑑別や搬送、収納機能を有する。なお、硬貨入出金機構部7は、ATM1によっては搭載していないものもある。
【0040】
情報受信手段としての回線接続部8は、ホスト11側と接続され、例えば、ホスト11側から返済条件情報を受信するなど、ホスト11側と情報の送受信する機能を有する。
【0041】
音声案内ガイダンス部9は、利用者に対して選択入力や取引カードの挿入を促したり、排出した取引カードの取り忘れなどの注意事項をガイダンスするなど取引に際しての内容、手順、注意事項を適宜、音声によりガイダンスする機能を有する。
【0042】
静脈認証機構部10は、利用者の静脈を読み取る静脈読取機能、及び、静脈を認証する静脈認証機能を有する。静脈認証機能は、取引カードがクレジット一体型キャッシュカード200Aである場合に、例えば、ICチップに登録されている静脈データと利用者から読み取った静脈データとを認証する機能である。そして、上述のように、これらの各機能は制御部2によってその処理が制御される。
【0043】
一方、ホスト11は、例えば銀行ホストコンピュータであり、回線接続部12、口座情報ファイル制御部13、ファイル部14、及び、ホストコンピュータ制御部15を備えている。
回線接続部12は、ATM1の回線接続部8と接続し、ATM1とデータの送信または受信を行う機能を備えている。さらに、回線接続部12は、上位側のホスト18とデータの送信または受信を行う機能を備えている。
【0044】
ファイル部14は、利用者の口座情報などを記憶する口座情報ファイル16、及び、口座情報ファイル16以外の各種ファイル17を記憶する機能を有する。
【0045】
この口座情報ファイル16には利用者の暗証番号、口座番号、残高等が記憶されている。
【0046】
ホストコンピュータ制御部15は、口座情報ファイル16、及び、各種ファイル17のデータを、回線接続部12を介しての送受信を制御する機能を有し、その他、ホスト11の各種制御を行う機能を有する。例えば、ATM1より受信するデータに含まれる暗証番号、口座番号、取引金額等に関するデータと口座情報ファイル16のデータと比較してその結果をATM1に送信する。
これによりATM1によって取引の可否が判断される。
【0047】
上位側のホスト18は、例えば、クレジットカード会社なども含めた複数の提携先ホストコンピュータであり、ホスト11と同様に、回線接続部19、口座情報ファイル制御部20、ファイル部21、及び、ホストコンピュータ制御部22を備えている。
回線接続部19は、ホスト11とデータの送信または受信を行う機能を備えている。
【0048】
ファイル部21は、ホスト11と同様に、口座情報ファイル23、及び、口座情報ファイル23以外の各種ファイル24を記憶する機能を有する。
【0049】
ATM1は、クレジット機能を備えた取引カードでの取引に対応し、図5(b)に示すように、クレジットカードの中でもキャッシュ機能を備えていない、いわゆる従来型クレジットカード200Bと、図5(a)に示すように、キャッシュ機能を備えたクレジット一体型キャッシュカード200Aの2種類のカードのいずれにおいての取引にも対応している。
【0050】
従来型のクレジットカードの場合、図5(b)に示すように、取引カードに備えた磁気ストライプに磁気ストライプ情報(媒体情報)としてクレジット会社番号や会員番号、その他、クレジット会社や会員に関する情報を記憶している。
【0051】
クレジット一体型キャッシュカード200Aの場合、図5(a)に示すように、取引カードには、上述した磁気ストライプに加え、ICチップを備え、ICチップには、ICチップ情報(媒体情報)として銀行番号、支店番号、口座番号、など銀行口座に関する情報を記憶している。
【0052】
なお、キャッシュ機能を備えたクレジットカード200Aは、ICチップを備えたクレジット一体型キャッシュカードに限らず、ICチップ以外のRFID(Radio Frequency Identification)など他の記憶手段を備えたカードであってもよい。
【0053】
次に、上述したATM1による取引として、クレジット返済手続きの一例を説明するフローを、図6、及至、図10を用いて説明する。
図6、及び、図7はATM1を用いた取引を説明するフローチャートの一例である。図7は返済金額案内処理を説明するフローチャートである。図8は返済金額案内処理を説明するフローチャートである。図9は振替返済取引処理を説明するフローチャートである。図10は現金返済取引処理を説明するフローチャートである。
【0054】
利用者がATM1の前に立つなどして取引が開始すると、制御部2は、操作部3に取引メニュー画面を表示し、取引メニューの選択を受け付ける(ステップs1)。
【0055】
なお、取引メニュー画面には、例えば、「支払」ボタン、入金取引のための「入金」ボタン、振込取引のための「振込」ボタン、「通帳記帳」ボタン、口座の残高照会のための「残高照会」ボタン等の取引を選択する取引ボタンが配列した状態で表示される。
【0056】
操作部3には、取引カードの挿入案内を表示するとともに、カード機構部1は、利用者による取引カードの挿入を受け付ける(ステップs2)。
【0057】
カード機構部/明細票機構部4に取引カードが挿入されたことを該カード機構部/明細票機構部4が検知すると、制御部2は、取引カードに記録された後述するカード情報(磁気ストライプ情報、ICチップ情報)を読み取る(ステップs2)。
【0058】
制御部2は、判別処理プログラムによって、読み取ったカード情報を基に挿入された取引カードが従来型のクレジットカード200Bであるか、或いは、クレジット一体型キャッシュカード200Aであるかを判別する(ステップs3)。
【0059】
取引カードを従来型クレジットカード200Bと判別した場合は(ステップs3:NO)、従来の返済金額案内処理を実行する(ステップs10)。
【0060】
返済金額案内処理では、図8に示すように、操作部3によるクレジット暗証番号の入力を受付け(ステップt1)、クレジット暗証番号の入力が行われると、読み取ったクレジットカードの情報(磁気ストライプ情報)、及び、入力されたクレジット暗証番号を基にホスト11を経由してホスト18に対して返済情報を問い合わせる(ステップt2)。
【0061】
照会した結果の返済情報(返済必要金額、元金、利息など)を操作部3に表示し、利用者に返済情報の確認を促す(ステップt3)。
【0062】
一方、取引カードをクレジット一体型キャッシュカード200Aと判別した場合も(ステップs3:YES)、従来型クレジットカード200Bの返済処理におけるステップs10と同様に返済金額案内処理を実行する(ステップs4)。
【0063】
その後、制御部2は、図3に示した判別条件として、取引カード種別判別結果情報に加え、返済金額案内処理(ステップs4)における返済照会電文送受信処理(ステップt2)で照会した返済必要額情報、及び、ATM機能情報を基に、図4に示した適切な返済方式を絞り込む(ステップs5)。
【0064】
詳しくは、図4に示すように、ATM機能情報を基に硬貨処理部としての硬貨入出金機構部7がないと判別した場合(図4中のB4)であって、返済必要額情報を基に返済必要金額に千円未満の桁数の端数があると判別した場合(図4中のC6)には、「振替返済」を特定して案内する(ステップs5:YES)。
【0065】
また、図4に示すように、ATM機能情報を基に硬貨処理部があると判別した場合(図4中のB3)には、返済必要額情報を基に返済必要金額に千円未満の桁数の端数があるか否かに関わらず(図4中のC4)、返済方法選択処理に進む(ステップs5:NO)。
【0066】
さらにまた、ATM機能情報を基に硬貨処理部がないと判別した場合(図4中のB4)であって、返済必要額情報を基に返済必要金額に千円未満の桁数の端数がないと判別した場合(図4中のC5)にも、返済方法選択処理に進む(ステップs5:NO)。
【0067】
返済方式を「振替方式」に特定した場合(ステップs5:YES)、振替支払画面となり、図11に示すように、利用者に対して「振替方式」での返済の確認ボタンの押下を受付け、押下入力があった場合に、振替返済取引処理を実行する(ステップs6)。
【0068】
また、返済方法選択処理では、操作部3の画面において図12に示すように、「現金返済」と「振替返済」との2種類の返済方式の選択を許容し(ステップs8)、返済方式として「振替方式」のボタンの押下入力を受け付けた場合(ステップs9:YES)、振替返済取引処理を実行する(ステップs6)。
【0069】
振替返済取引処理(ステップs6)では、図9に示すように、利用者に対して、銀行暗証番号の入力を許容し(ステップv1)、カード情報(ICチップ情報)、ステップv1で入力された銀行暗証番号、及び、返済金額案内処理(ステップs4)中のステップt2で照会した結果の返済情報(返済必要金額)を基にホスト11に対して返済必要金額分の出金を要求する(ステップv2)。ホスト11は、当該利用者の口座情報ファイル16を基に出金の可否を判定し、ATM1に対して回答を返す(ステップv2)。
【0070】
出金が許可されると、カード情報(磁気ストライプ情報)およびステップt2で照会した結果の返済情報(返済必要金額)を基にホスト11を経由してホスト18に対して、返済処理の実行を要求する(ステップv3)。ホスト18は当該利用者の口座情報ファイル23を基に返済の可否を判定し、ATM1に対して回答を返す(ステップv3)。
【0071】
返済処理が許可されると、明細票機構部4はクレジット返済取引結果を明細票に印字し(ステップv4)、該明細票を利用者に放出する(ステップv5)。
【0072】
引き続き、明細票機構部4は出金結果を明細票に印字し(ステップv6)、該明細票を利用者に放出する(ステップv7)。さらに、クレジットカードを放出し(ステップs7)、一連の取引が終了する。
【0073】
一方、ステップs8において「現金方式」のボタンの押下入力を受け付けた場合(ステップs9:NO)、操作部3の画面は、図13に示すように、現金支払画面となり、利用者に対して「現金方式」での返済の確認ボタンの押下を受け付ける(ステップs9:NO)。
【0074】
「現金方式」での返済の確認ボタンが押下されると、現金全額返済方式を実行するか否かの判定を行う(ステップs11)。
詳しくは、取引カードが「従来型クレジットカード」であり(図4中のA1)、ATM機能が「硬貨処理部なし」であり(図4中のB2)、且つ、返済必要金額が「千円未満桁の端数あり」である(図4中のC3)との3つの判別結果と完全に一致しない判別結果の場合には、制御部2は、現金全額返済による返済方式を案内する(ステップs11:YES)。
【0075】
この場合、現金取引処理において現金全額返済を行うことを許容する(ステップs12)。詳しくは、現金取引処理(ステップs12)において、図10に示すように、操作部3は、返済必要金額等の情報を表示するとともに、紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7のうち少なくとも紙幣入出金機構部6は、現金の受付を許容し、受け付けた現金を計数する(ステップu1)。返済必要金額以上の金額になるまで、現金を受け付ける。
【0076】
カード情報(磁気ストライプ情報)、及び、ステップt2で照会した結果の返済情報(返済必要金額)、ステップu1での受付金額を基に、ホスト11を経由してホスト18に対して、返済処理の実行を要求する(ステップu2)。ホスト18は当該利用者の口座情報ファイルを基に返済の可否を判定し、ATM1に対して回答を返す(ステップu2)。
【0077】
返済処理が許可されると、明細票機構部4は返済取引結果を明細票に印字し(ステップu3)、利用者に放出する(ステップu4)。取引カードを返却し(ステップu5)、引き続き、紙幣入出金機構部6および硬貨入出金機構部7は、おつり現金を放出し(ステップu6)、一連の取引が完了する。
【0078】
一方、ステップs11において、取引カードが「従来型クレジットカード」であり(図4中のA1)、ATM機能が「硬貨処理部なし」であり(図4中のB2)、且つ、返済必要金額が「千円未満桁の端数あり」である(図4中のC3)との判別結果の場合には、制御部2は、全額現金による返済方式は不可能であると判断する(ステップs11:NO)。
【0079】
すなわち、制御部2は、図4に示すテーブルに基づいて、返済方式として「一部現金返済」と「返済不可」との2種類の選択肢に絞り込み、操作部3は、図7、及び、図14に示すように、「一部現金返済」方式により返済するか否かを確認する確認ボタンの押下を許容する(ステップs13)。
【0080】
なお、現金返済処理は、図9中のステップv1において一部金額のみの支払いを許容する点以外は、ステップs12において、図9を用いて説明したフローと同じ処理であるため、その説明を省略する。
【0081】
図14に示すように、一部現金返済であるか否かを確認する画面において、「取消」ボタンの押下入力を許容すると(ステップs13:NO)、図15に示すように、操作部3は、返済不可確認画面を表示し、返済不可である旨の確認ボタンの押下入力を許容する(ステップs15)。
【0082】
確認ボタンが押下されると、カード放出し(ステップs16)、取引を終了する。
【0083】
上述したATM1、及び、自動取引システム100は、以下のような様々な作用、効果を奏することができる。
実施例1のATM1、及び、自動取引システム100は、上述した構成により、取引カードにキャッシュ機能を備えているか否かに関する取引カードの種別を判別し、この判別結果に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式の中から返済可能な返済方式、或いは、適切な返済方式を利用者に対して案内するため、利用者は、前記媒体情報の種別に応じて絞り込まれた適切な返済方式で返済することができ、利用者の利便性向上を図ることができる。
【0084】
詳しくは、従来は、取引カードにキャッシュ機能を備えていない場合には、振替返済方式が選択できないにも関わらず、例えば、キャッシュ機能を備えた取引カードでの返済取引が行われることを想定して、現金返済方式と振替返済方式との2種類の返済方式を画一的に案内することがあった。
【0085】
この場合、利用者自身が現金返済方式を選択して現金返済方式による返済取引を絞り込む必要があり、不要な選択の手間を要していた。
【0086】
これに対して、実施例1のATM1、及び、自動取引システム100では、取引カードにキャッシュ機能を備えていない場合、利用者に対して例えば、現金返済方式による返済取引を絞り込んで案内することができ、また、キャッシュ機能を備えている場合、利用者に対して返済必要額を例えば、現金返済方式に加え、振替返済方式による返済取引での返済を案内することができる。
【0087】
このように、実施例1のATM1、及び、自動取引システム100では、少なくともカード種別情報に基づいて適切な返済方式を利用者に対して案内することができる。
【0088】
特に、キャッシュ機能を備えた取引カードである場合には、振替返済方式での返済取引を適切に案内できるため、振替返済方式による返済取引によって事前の返済用現金の準備を不要とし、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0089】
さらにまた、上述したように、振替返済での返済取引が可能である場合には、利用者に対して振替返済を適切に案内することで、利用者は現金を手元に準備しておく必要がなく、盗難の被害に遭う危険性を未然に回避し、安全性の向上を図ることができ、また、硬貨処理部を搭載しない自動取引装置でも1円単位の返済取引が可能となるため、利用者の利便性を格段に向上することができる。
【0090】
さらに、実施例1のATM1、及び、自動取引システム100は、上述したように、複数の返済方式の中から適切な返済方式を、取引カード種別判別結果情報に加え、返済方式に影響を及ぼすクレジット返済情報や装置機能情報といった返済条件情報に基づいて返済方式を絞り込むことで、例えば、現金返済方式の場合でも全額現金返済方式か、或いは、一部現金返済方とするかなど、返済方式をより具体的に絞り込むことができる。
【0091】
従って、利用者に対して、より具体的な返済方式を案内することができ、利用者の返済取引の際の利便性をより向上させることができる。
【0092】
また、実施例1のATM1、及び、自動取引システム100は、取引カード種別判別結果情報、及び、返済条件情報に基づいて2以上の返済方式による支払いが可能であると制御部2が判定した場合、返済方式の選択入力を許容する操作部3を備え、制御部2を、例えば、返済方法選択処理(ステップs8)において選択入力された選択入力結果情報に基づいて返済処理を実行する構成としたため、利用者は、絞り込まれた適切な返済方式の中から最適な返済方式をスムーズに選択することができ、利用者の返済取引の際の利便性をより向上させることができる。
【0093】
特に、返済金額案内処理(ステップs4)のステップt3の返済金額確認処理(図8参照)の後にステップs8で返済方法選択処理(図6参照)を行うことで、利用者は、ステップt3において返済必要額を正確に把握した上で返済方法を選択することができる。
【0094】
従って、取引開始前に予め返済必要額を確認しておくことや、取引を中断して返済必要額を確認するといった手間を要することなく、一連の処理の流れに沿って、スムーズ、且つ、適切な選択を行うことができる。
【0095】
以下では、ATM1、及び、自動取引システム100の他の実施例について説明する。
但し、以下で説明する実施例2のATM1、及び、自動取引システムの構成のうち、実施例1のATM1、及び、自動取引システム100と同様の構成、制御プログラムについては、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【実施例2】
【0096】
実施例2のATM1に備えた制御部2は、取引カード種別、ATM機能、返済必要額ごとの判別条件を基に判別した結果、図16に示す返済方式絞込みテーブルに基づいて、これら判別結果に該当する返済方式の項目内に示された返済方式に絞り込む。
なお、図16は、実施例2において返済方式を絞込む際に用いるテーブルを示す。
【0097】
返済方式絞込みテーブルは、図16に示すように、実施例1において返済方式を絞込む際に用いた図4に示すテーブルと比較して、取引カード種別が従来型クレジットカード200Bである場合、返済方式として振替返済を備えたテーブルである。
【0098】
また、読取手段としてのカード機構部4は、クレジット機能を備えた取引カードに記憶されたカード情報を読み取る読取機能を有するとともに、キャッシュ機能のみを有するいわゆる銀行カードを読み取る読取機能も有し、先に挿入したクレジット機能を備えたクレジットカード(取引カード)を内部に取り込んだ状態で銀行カードの挿入も許容する。
【0099】
上述したATM1による取引として、実施例2におけるクレジット返済手続きを説明するフローを、図7、及び、図17を用いて説明する。但し、以下で説明するステップのうち、ステップw1〜w10、及び、w12〜w17については、それぞれ実施例1のステップs1〜s16と同様の処理であるため、その説明は省略し、本フローチャートの特徴となるステップについて説明する。
【0100】
本フローチャートの特徴は、従来型クレジットカード200Bを使用した際に、返済金額案内処理(ステップw10)の後に、図12に示すように、「現金方式」とする、或いは、「振替方式」とするかの選択を許容する処理を実行する点である(ステップw11)。
【0101】
「現金方式」のボタンの押下を受け付けた場合(ステップw11:NO)、ステップw12以降の現金返済取引に関する処理を実行する。
一方、返済金額案内処理において、「振替方式」のボタンの押下を許容した場合(ステップw11:YES)、以下のように処理を実行する。
【0102】
カード機構部1により、既に挿入されているクレジットカードを内部に一時格納した後、操作部3は、図18に示すように、銀行カードの挿入案内を表示するとともに、利用者による銀行カードの挿入を許容する(ステップw18)。
【0103】
銀行カードがカード/明細票機構部4に挿入されたことを検知すると、制御部2は銀行カードに記録されたカード情報(磁気ストライプ情報、ICチップ情報)を読み取る。
【0104】
その後、振替返済取引処理を実行する(ステップw19)。
振替返済取引処理では、図9に示すように、銀行暗証番号の入力を行う(ステップv1)。そして、先に読み取った銀行カードの情報、銀行暗証番号および返済金額案内処理(ステップw10)における返済照会電文送受信処理(ステップt2)で照会した結果の返済情報(返済必要金額)を基にホスト11に対して、返済必要金額分の出金を要求する(ステップv2)。ホスト11は、当該利用者の口座情報ファイルを基に出金の可否を判定し、ATM1に対して回答を返す(ステップv2)。
【0105】
出金が許可されると、クレジットカード情報(磁気ストライプ情報)、及び、返済金額案内処理(ステップw10)における返済照会電文送受信処理(ステップt2)で照会した結果の返済情報(返済必要金額)を基にホスト11を経由してホスト18に対して、返済処理の実行を要求する(ステップv3)。ホスト18は当該利用者の口座情報ファイルを元に返済の可否を判定し、ATM1に対して回答を返す(ステップv3)。
【0106】
返済処理が許可されると、明細票機構部4は返済取引結果を明細票に印字し(ステップv4)、該明細票を利用者に放出する(ステップv5)。引き続き、明細票機構部4は出金結果を明細票に印字し(ステップv6)、該明細票を利用者に放出する(ステップv7)。
【0107】
上述した振替返済取引処理を実行した後(ステップw19)、銀行カードを返却し(ステップw20)、その後、カード機構部4内に一時退避していた取引トカードを搬送路上に戻し、利用者に返却し(ステップw21)、一連の取引が完了する。
【0108】
上述した実施例2のATM1、及び、自動取引システム100は、以下のような様々な作用、効果を奏することができる。
上述したATM1、及び、自動取引システム100は、取引カードとしてカードの従来型クレジットカード200Bを使用した際にも、ステップw11において、振替返済方式による返済取引の選択を許容し、振替返済方式による返済取引を選択した場合、銀行カードを用いたクレジット返済額の返済取引を行うことが可能となる。
【0109】
このため、従来型クレジットカード200Bを使用した場合においても利用者に対して案内することができる返済方式の幅を拡大することができ、より適切な返済方式を案内することができる。
【0110】
さらに、従来型クレジットカード200Bを使用した際にも、振替方式を案内することが可能となるため、利用者は現金を手元に準備しておく必要がなく、盗難の被害に遭う危険性を未然に回避し、安全性の向上を図ることができる。また、硬貨入出金機構部7を搭載しない自動取引装置でも1円単位の返済取引が可能となるため、利用者の利便性を格段に向上することができる。
【0111】
本発明の自動取引装置、及び、自動取引システムは、上述した取引処理フローや操作案内画面などを含め、実施例1,2のATM1、及び、自動取引システム100の構成に限定されるものでなく、本発明の趣旨の範囲内において種々変化可能である。
【0112】
例えば、上述した実施例1,2では、取引として金融取引を、取引処理装置としてATM1を一例として説明を行ったが、これらの構成に限定されるものでなく、例えば、POS端末、CAT端末のように銀行ホストとクレジット会社ホスト双方に接続可能な端末においても適応可能である。
【0113】
その他にも、図6のステップs5、或いは図17のステップw5において、実施例1,2では、ATM機能情報を基に硬貨入出金機構部7がないと判別した場合(図4、図16中のB4)であって、返済必要額情報を基に返済必要金額に千円未満の桁数の端数があると判別した場合(図4、図16中のC6)には、「振替返済」のみを特定して案内する処理を行うとしたが、このように「振替返済」のみを案内する処理に限定せず、例えば、「振替返済」と、返済必要金額の端数を除いた現金による一部返済を許容する「一部返済」との選択を許容する処理としてもよい。
【0114】
また、図6中のステップs5、或いは図17中のステップw5において、実施例1,2では、ATM機能情報を基に硬貨入出金機構部7がないと判別した場合(図4、図16中のB4)であって、返済必要額情報を基に返済必要金額に千円未満の桁数の端数があると判別した場合(図4、図16中のC6)に、現金による返済方式としては「一部返済」に限らず、「切上げ返済」による返済方式を選択する処理であってもよい。
【0115】
すなわち、「切上げ返済」による返済方式では、返済必要金額に端数がある場合に、返済必要金額を上回るが、端数のない千円単位、或いは、壱万円単位となる金額の入金を許容する返済方式である。
【0116】
これにより、ATM機能として硬貨入出金機構部7がなく、返済必要金額に千円未満の端数がある場合であっても、千円未満の端数のない範囲で返済必要金額を上回る入金額を入金することで、返済必要金額の全額を返済を完了することができる。そして、入金額と返済必要金額との残余額については、例えば、次回の返済必要額の返済に充当したり、キャッシュとして預金することができる。
【0117】
また、「切上げ返済」は、図6中のステップs11、又は、図17中のステップw12において、取引カードが「従来型クレジットカード」であり(図4、図16中のA1)、ATM機能が「硬貨処理部なし」であり(図4、図16中のB2)、且つ、返済必要金額が「千円未満桁の端数あり」である(図4、図16中のC3)との判別結果の場合において選択を許容してもよい。
【0118】
さらにまた、現金返済方式では、返済必要金額の全額返済と一部返済のいずれか一方に絞り込んで案内するに限らず、利用者に対して、全額返済と一部返済とのいずれかの選択を許容してもよい。これにより、ATM1,2が全額返済方式での支払いを許容する場合であっても、必ずしも全額返済する必要がなく、経済的事情等を考慮して一部返済を選択することができる。さらに、一部返済することで、返済必要金額に対してかかる利子額の低減化を図ることができるというメリットを有し、利用者にとっても利便性の向上を図ることができる。
【0119】
また、情報受信手段としての回線接続部8は、ホスト11側と情報の送受信する機能を有するに限らず、少なくともホスト11側から返済条件情報を受信する受信機能のみを備えた構成であってもよい。
【0120】
前記装置機能情報は、上位ホストコンピュータから返済条件情報として受信するに限らず、当該自動取引装置の内部に備えた記憶手段に記憶した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…ATM
2…制御部
3…操作部
4…カード機構部
8…回線接続部
100…自動取引システム
11,18…ホストコンピュータ
200A…クレジット一体型キャッシュカード
200B…従来型クレジットカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジット機能を備えた取引媒体に記憶された媒体情報を読み取る読取手段を備えた自動取引装置であって、
クレジット機能に加えてキャッシュ機能を前記取引媒体に備えているか否かの取引媒体の種別を、前記媒体情報に基づいて判別する判別手段と、
前記判別手段が判別した取引媒体種別判別結果情報に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の返済方式を案内する制御手段とで構成した
自動取引装置。
【請求項2】
前記返済方式を、
返済案内方式と返済案内不可方式とで構成し、
前記返済案内方式を、
返済必要額の振替による返済を案内する振替返済案内方式と、現金による返済を案内する現金返済案内方式で構成した
請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
ホストコンピュータから返済条件情報を受信する情報受信手段を備え、
前記制御手段を、
前記取引媒体種別判別結果情報に加え、返済条件情報に基づいて所定の返済方式を案内する構成とし、
前記返済条件情報を、クレジット返済必要額に関するクレジット返済情報、及び、当該自動取引装置の装置機能情報のうち、少なくともいずれかの情報で構成した
請求項1、又は、2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記取引媒体種別判別結果情報、及び、前記返済条件情報に基づいて2以上の返済方式による支払いが可能であると前記制御手段が判定した場合、返済方式の選択入力を許容する返済方式選択手段を備え、
前記制御手段を、前記返済方式選択手段による選択入力結果情報に基づいて返済処理を実行する構成とした
請求項3に記載の自動取引装置。
【請求項5】
請求項3、又は、4に記載の自動取引装置と、該自動取引装置と接続したホストコンピュータとで構成した自動取引システムであって、
前記ホストコンピュータに、前記自動取引装置に対して返済条件情報の送信を行う情報送信手段を備え、
前記返済条件情報を、クレジット返済必要額に関するクレジット返済情報、及び、当該自動取引装置の装置機能情報のうち、少なくともいずれかの情報で構成した
自動取引システム。
【請求項6】
クレジット機能を備えた取引媒体に記憶された媒体情報を読み取り、該媒体情報に基づいてクレジット返済取引を行う自動取引方法であって、
クレジット機能に加えてキャッシュ機能を前記取引媒体に備えているか否かの取引媒体の種別を、前記媒体情報に基づいて判別するステップと、
取引媒体の種別を判別した取引媒体種別判別結果情報に基づいて、クレジット返済における複数の返済方式のうち、所定の前記返済方式を案内するステップとを実行する
自動取引方法。
【請求項7】
前記返済方式を、
返済案内方式と返済案内不可方式とで構成し、
前記返済案内方式を、返済必要額の振替による返済を案内する振替返済案内方式と、現金による返済を案内する現金方式返済案内方式で構成した
請求項6に記載の自動取引方法。
【請求項8】
ホストコンピュータから返済条件情報を受信する返済条件情報受信ステップと、
前記取引媒体種別判別結果情報に加え、返済条件情報に基づいて所定の返済方式を案内するステップとを実行し、
前記返済条件情報を、
クレジット返済必要額に関するクレジット返済情報、及び、当該自動取引装置の装置機能情報のうち、少なくともいずれかの情報で構成した
請求項6、又は、7に記載の自動取引方法。
【請求項9】
前記取引媒体種別判別結果情報、及び、前記返済条件情報に基づいて2以上の返済方式による支払いが可能であると判定した場合、返済方式の選択入力を許容する選択入力ステップと、
選択入力ステップにより選択入力された選択入力結果情報に基づいた返済処理ステップを実行する
請求項8に記載の自動取引方法。
【請求項10】
前記選択入力ステップの前に、
前記返済条件情報受信ステップにより受信した返済条件情報のうち少なくとも前記クレジット返済情報を案内するクレジット返済必要額案内ステップを実行する
請求項9に記載の自動取引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−3932(P2013−3932A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135897(P2011−135897)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】