説明

自動取引装置、自動取引方法、及びプログラム

【課題】磁気ストライプからICカードフラグを読み取ることができない場合であっても、IC記憶媒体に記憶された情報に基づく取引を行うことが可能な、新規かつ改良された自動取引装置等を提供する。
【解決手段】自動取引装置10は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、第1磁気ストライプ2以外の記憶媒体を用いて、取引用キャッシュカードがICカードフラグを有するか否かを判定し、取引用キャッシュカードがICチップを有すると判定した場合に、ICチップに記憶された情報に基づいて取引を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置、自動取引方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関に口座を開設した顧客は、金融機関の支店やコンビニエンスストアに設置されたATM(Automatic Teller Machine)等の自動取引装置を用いて取引を行う際、キャッシュカードを使用する事が多い。
【0003】
このキャッシュカードは、磁気ストライプが付されたものが主流であったが、近年、この磁気ストライプとICチップとを併用したものも使用されるようになってきている。これに伴い、特許文献1に記載されているように、磁気ストライプとICチップとを有するキャッシュカードに対応した自動取引装置も普及されてきている。
【0004】
このような自動取引装置は、まず、磁気ストライプから、キャッシュカードがICチップを有するか否かを示すICカードフラグを読取り、このICカードフラグに基づいて、キャッシュカードがICチップを有するか否かを判定する。そして、自動取引装置は、キャッシュカードがICチップを有すると判定した場合には、ICチップにアクセスし、ICチップ内の情報を取得する。その後、自動取引装置は、ICチップから取得した情報に基づいて、現金の引き出しや振込み等の取引を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−66208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の自動取引装置は、磁気ストライプからICカードフラグを読み取ることができない場合、キャッシュカードがICチップを有するか否かを判定することができず、結果として、取引を行うことができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、磁気ストライプ等の磁気記憶媒体からICカードフラグ等のIC記憶媒体有無情報を読み取ることができない場合であっても、IC記憶媒体に記憶された情報に基づく取引を行うことが可能な、新規かつ改良された自動取引装置、自動取引方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、取引に使用される取引用媒体が有する磁気記憶媒体から、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取り部と、磁気記憶媒体読み取り部がIC記憶媒体有無情報を読み取ったか否かを判定する読み取り成否判定部と、磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得部と、磁気記憶媒体読み取り部がIC記憶媒体有無情報を読み取っていないと判定された場合に、情報取得部による情報取得処理の結果に基づいて、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定部と、取引用媒体がIC記憶媒体を有すると判定された場合に、IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて取引を行う取引処理部と、を備えることを特徴とする、自動取引装置が提供される。
【0009】
ここで、情報取得部は、取引用媒体が有し、磁気記憶媒体以外の記憶媒体である他の磁気記憶媒体からIC記憶媒体有無情報を読み取り、IC記憶媒体有無判定部は、情報取得部が読み取ったIC記憶媒体有無情報に基づいて、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを判定するようにしてもよい。
【0010】
また、情報取得部は、磁気記憶媒体以外の記憶媒体であるIC記憶媒体に応答要求情報を無線送信し、IC記憶媒体から無線送信された応答情報を受信し、IC記憶媒体有無判定部は、信号送受信部が応答信号を受信した場合には、取引用媒体がIC記憶媒体を有すると判定するようにしてもよい。
【0011】
本発明の他の観点によれば、取引に使用される取引用媒体に付された磁気記憶媒体から、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取りステップと、磁気記憶媒体読み取りステップでIC記憶媒体有無情報が読み取られたか否かを判定する読み取り成否判定ステップと、磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得ステップと、磁気記憶媒体読み取りステップでIC記憶媒体有無情報が読み取られていないと判定された場合に、情報取得処理の結果に基づいて、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定ステップと、取引用媒体がIC記憶媒体を有すると判定された場合に、IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて取引を行う取引処理ステップと、を備えることを特徴とする、自動取引方法が提供される。
【0012】
本発明の他の観点によれば、コンピュータに、取引に使用される取引用媒体に付された磁気記憶媒体から、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取り機能と、磁気記憶媒体読み取り機能がIC記憶媒体有無情報を読み取ったか否かを判定する読み取り成否判定機能と、磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得機能と、磁気記憶媒体読み取り機能がIC記憶媒体有無情報を読み取っていないと判定された場合に、情報取得機能による情報取得処理の結果に基づいて、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定機能と、取引用媒体がIC記憶媒体を有すると判定された場合に、IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて取引を行う取引処理機能と、を実現させることを特徴とする、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明に係る自動取引装置は、磁気記憶媒体読取り部がIC記憶媒体有無情報を読み取っていないと判定した場合に、磁気記憶媒体以外の記憶媒体を用いて、取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを判定し、取引用媒体がIC記憶媒体を有すると判定した場合に、IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて取引を行う。したがって、自動取引装置は、磁気記憶媒体からIC記憶媒体有無情報を読み取ることができない場合であっても、IC記憶媒体に記憶された情報に基づく取引を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態で使用されるICキャッシュカードを示す説明図である。
【図2】ICチップを有しないキャッシュカードを示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る自動取引装置の外観を示す斜視図である。
【図4】自動取引装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】カード処理部の詳細な構成を示す側面図である。
【図6】制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】自動取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施の形態で使用されるICキャッシュカードを示す説明図である。
【図9】第2実施の形態に係るカード処理部の詳細な構成を示す側面図である。
【図10】制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】自動取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
<1.第1実施形態>
[ICキャッシュカード1−1の概略構成]
まず、図1に基づいて、第1実施の形態に使用されるICキャッシュカード1−1の概略構成について説明する。図1(a)は、ICキャッシュカード1−1の表面を示し、(b)は裏面を示す。ICキャッシュカード1−1は、第1磁気ストライプ2(磁気記憶媒体)と、ICチップ(IC記憶媒体)3−1と、エンボス領域4と、画像読取領域5と、第2磁気ストライプ6(他の磁気記憶媒体)とを備える。ICキャッシュカード1−1は、金融機関が発行するものであり、金融ネットワークに加盟している各金融機関で統一的に使用可能となるように、各種の仕様(例えば、物理的、電気的、及び伝送制御に関するプロトコル)が統一されている。
【0017】
第1磁気ストライプ(JIS2磁気ストライプ)2は、ICキャッシュカード1−1を発行した金融機関を識別するための識別コード、ICキャッシュカード1−1の保有者の口座番号、ICキャッシュカード1−1がICチップ3−1を有しているか否かを示すICカードフラグ(IC記憶媒体有無情報)等を含む第1磁気情報を所定の統一フォーマットに従って記憶する。
【0018】
ICチップ3−1は、接触式であり、集積回路を有している。この集積回路は、第1磁気ストライプ2が記憶する情報と同一または関連つけられた情報であるIC情報を記憶する一方で、IC情報を自動取引装置10との間でやり取りする。このようなIC情報には、ICキャッシュカード1−1を発行した金融機関を識別するための識別コード、ICキャッシュカード1−1の保有者の口座番号が含まれる。また、ICチップ3−1の表面は、電気的な接触部位を構成するため、ICキャッシュカード1−1の他の部分と色彩が異なっている。
【0019】
エンボス領域4には、ICキャッシュカード1−1の保有者の口座番号及び氏名等がエンボス加工によって印字されている。
【0020】
画像読取領域5は、ICチップ3−1が設けられている領域及びエンボス領域4を少なくとも含む領域であり、後述するカード処理部40による画像読取の対象となる。すなわち、カード処理部40は、画像読取領域5に描かれた情報、例えばエンボス領域4に印字された口座番号等を読み取る。
【0021】
第2磁気ストライプ(JIS1磁気ストライプ)6は、ICキャッシュカード1−1を発行した金融機関を識別するための識別コード、ICキャッシュカード1−1の保有者の口座番号、ICキャッシュカード1−1がICチップ3−1を有しているか否かを示すICカードフラグ等を含む第2磁気情報を所定の統一フォーマットに従って記憶する。
【0022】
[ICチップ3−1を有しないキャッシュカードについて]
図2は、ICチップ3−1を有しないキャッシュカード(以下、「磁気キャッシュカード」とも称する)1−2を示す説明図である。図2(a)は磁気キャッシュカード1−2の表面を示し、図2(b)は裏面を示す。図3に示すように、磁気キャッシュカード1−2は、ICチップ3−1を有しない他は、ICキャッシュカード1−1と同様の構成である。第1の実施の形態に係る自動取引装置10は、ICキャッシュカード1−1及び磁気キャッシュカード1−2の両方に対応する。以下、ICキャッシュカード1−1及び磁気キャッシュカード1−2を、単に「取引用キャッシュカード」とも称する。また、取引用キャッシュカードの保有者を、単に「顧客」とも称する。
【0023】
[自動取引装置10の外観構成]
次に、図3に基づいて、自動取引装置10の外観構成を説明する。自動取引装置10は、その外観構成として、筐体11と、カード入出口12と、通帳入出口13と、紙幣入出口14と、硬貨入出口15と、接客部16と、接近検出センサ17とを備える。
【0024】
筐体11は、自動取引装置11の内部構成、例えば映像取得部20やカード処理部40等を内蔵する。カード入出口12は、取引用キャッシュカードが入出される部分である。すなわち、自動取引装置10は、ICキャッシュカード1−1の他、磁気キャッシュカード1−2を用いた取引にも対応する。通帳入出口13は、通帳が入出される部分である。紙幣入出口14は、紙幣が入出される部分であり、硬貨入出口15は、硬貨が入出される部分である。接客部16は、タッチパネル付きのディスプレイであり、取引の進行に応じた画像(例えば、取引科目(「お振込み」等)の種類を示すボタンが複数描かれた画像)を表示する。顧客は、所望のボタン(例えば、所望の取引が描かれたボタン)に触れることで、取引を進行させることができる。接客検出センサ17は、自動取引装置10に人が接近したことを検知する。
【0025】
[自動取引装置10の内部構成]
次に、図4に基づいて、自動取引装置10の内部構成を説明する。自動取引装置10は、その内部構成として、映像取得部20と、通帳処理部30と、カード処理部40と、明細票処理部50と、紙幣入出金部60と、硬貨入出金部70と、電源部80と、記憶部90と、インタフェース部100と、制御部110−1とを有する。なお、自動取引装置10は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、各種アクチュエータ、印字装置、デジタルカメラ、紙幣類の搬送路、金種別カセット等のハードウエア構成を有し、これらのハードウエア構成によって各機能ブロックが実現される。
【0026】
映像取得部20は、いわゆるデジタルカメラであり、筐体11の上部に配置されている。映像取得部20は、自動取引装置10を利用する顧客を撮影し、これにより得られた画像情報を制御部110−1に出力する。制御部110−1は、映像取得部20から与えられた画像情報から顧客の顔画像を抽出し、抽出した顔画像に基づいて各種の処理を行う。
【0027】
通帳処理部30は、通帳入出口13から挿入された通帳に各種の処理(例えば、通帳への印字、通帳に付された磁気ストライプの読取り、磁気ストライプへの書き込み、印字ページの検出、及び改ページ等)を行い、その後、通帳を通帳入出口13から返却する。
【0028】
カード処理部40は、カード入出口12から挿入された取引用キャッシュカードに対して各種の処理(第1磁気ストライプ2及び第2磁気ストライプ6の読取り、ICチップ3−1へのアクセス等)を行った後、取引用キャッシュカードをカード入出口12から返却する。
【0029】
明細票処理部50は、取引日、取引金額、及び残高等を所定の用紙に印字することで明細票を作成し、カード入出口12の近傍に形成された排出口(図示せず)から排出する。
【0030】
紙幣入出金部60は、紙幣入出口14から入金された紙幣の真贋を鑑別し、紙幣を計数し、金種別のカセットに搬送する。また、紙幣入出金部60は、顧客に支払われる紙幣を金種別のカセットから繰り出し、紙幣入出口14から排出する。
【0031】
硬貨入出金部70は、硬貨入出口15から入金された硬貨の真贋を鑑別し、硬貨を計数し、金種別のカセットに搬送する。また、硬貨入出金部70は、顧客に支払われる硬貨を金種別のカセットから繰り出し、硬貨入出口15から排出する。
【0032】
電源部80は、自動取引装置10の各構成要素に駆動電圧を供給する。記憶部90は、カード処理部40が取引用キャッシュカードから取得した情報や各種プログラム等を記憶する他、制御部110による作業領域としても使用される。インタフェース部100は、第1ホストコンピュータ200に接続されており、第1ホストコンピュータ200との間で情報のやりとりを行う。
【0033】
制御部110−1は、自動取引装置10の各構成要素を制御する他、取引用キャッシュカードがICチップを有するか否かの判定や、ICチップに記憶された情報に基づく取引等を行う。
【0034】
[ネットワークの構成]
次に、図4に基づいて、自動取引装置10が接続されているネットワークについて説明する。自動取引装置10は、第1ホストコンピュータ200に接続されており、第1ホストコンピュータ200は、ネットワーク網220を介して第2ホストコンピュータ230に接続されている。第1ホストコンピュータ200は記憶装置210に接続されており、第2ホストコンピュータ230は、記憶装置240に接続されている。
【0035】
第1ホストコンピュータ200は、自動取引装置10を維持、管理する第1金融機関に設置されており、自動取引装置10の上位装置となるものである。記憶装置210は、第1ホストコンピュータ200によって管理、制御され、口座データファイル(第1金融機関が管理する口座の各々について、口座番号、預金残高、利用状況、磁気ストライプの復元回数及び取引用キャッシュカードがICキャッシュカード1−1であるか否か等を記録したもの)等を記憶する。
【0036】
第2ホストコンピュータ230は、第1金融機関とは異なる第2金融機関に設置される。記憶装置240は、第2ホストコンピュータ230により管理、制御され、口座データファイル(第2金融機関が管理する口座の各々について、口座番号、預金残高、利用状況、磁気ストライプの復元回数、及び取引用キャッシュカードがICキャッシュカード1−1であるか否か等を記録したもの)等を記憶する。第1ホストコンピュータ200と第2ホストコンピュータ230とは、記憶装置210、240に記憶された情報を互いにやりとり可能となっている。
【0037】
[カード処理部40の構成]
次に、図5に基づいて、カード処理部40の詳細な構成を説明する。カード処理部40は、搬送路401と、搬送ローラ402と、挿入検知センサ403と、第1磁気センサ406と、第2磁気センサ407と、エンボス読取り部410と、IC読取り部414と、取り忘れ収納庫416とを備える。なお、カード処理部40内には、搬送状況(例えば、取引用キャッシュカードの位置等)を検出するセンサも設けられる。
【0038】
搬送路401は、取引用キャッシュカードが搬送される通路であり、カード入出口12と取り忘れ収納庫416とを連結する。
【0039】
搬送ローラ402は、搬送路401に互いに間隔を置いて複数設けられ、図示しないローラ駆動装置によって駆動される。これにより、搬送ローラ402は、搬送路401内の取引用キャッシュカードを、取り忘れ格納庫416側及びカード入出口12側に搬送する。即ち、カード入出口12に矢印A方向に挿入された取引用キャッシュカード(図5では一例としてICキャッシュカード1−1を示した)は、搬送ローラ402によって搬送路401内に導入される。その後、取引用キャッシュカードは、搬送ローラ402によって搬送路401内で搬送され、最終的に、カード入出口12から顧客に返却されるか、または、取り忘れ格納庫416に矢印C方向に排出される。
【0040】
挿入検知センサ403は、搬送路401に導入された取引用キャッシュカードを検知する。挿入検知センサ403は、取引用キャッシュカードを検知した場合には、その旨の検知情報を制御部110−1に出力する。
【0041】
第1磁気センサ406は、挿入検知センサ403の後方(取り忘れ格納庫416側)かつ搬送路401の上方に設けられ、図示しない第1磁気センサ駆動装置により駆動されることで、取引用キャッシュカードに付された第1磁気ストライプ2に接触する。これにより、第1磁気センサ406は、第1磁気ストライプ2に記憶された第1磁気情報を読み込む。そして、第1磁気センサ406は、読み込んだ第1磁気情報を制御部110−1に出力する。
【0042】
第2磁気センサ407は、搬送路401の下方かつ第1磁気センサ406に対向する位置に設けられ、図示しない第2磁気センサ駆動装置により駆動されることで、取引用キャッシュカードに付された第2磁気ストライプ6に接触する。これにより、第2磁気センサ407は、第2磁気ストライプ6に記憶された第2磁気情報を読み込む。そして、第2磁気センサ407は、読み込んだ第2磁気情報を制御部110−1に出力する。
【0043】
エンボス読取り部410は、第1磁気センサ406の後方に設けられ、取引用キャッシュカードの画像読取領域5に描かれた情報(例えば、エンボス領域4に印字された口座番号等)を光学的に読み取り、読み取った情報を制御部110−1に出力する。この情報は、明細票の作成の際に使用される。
【0044】
IC読取り部414は、エンボス読取り部410の後方の、搬送路401から離れた位置に設けられる。IC読取り部414は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有すると判定された場合に、矢印B方向に移動して、取引用キャッシュカードのICチップ3−1に圧接する。そして、IC読取り部414は、ICチップ3−1に記憶されたIC情報を読み込んで、制御部110−1に出力する。
【0045】
[制御部110−1の構成]
次に、図6に基づいて、制御部110−1の構成を説明する。制御部110−1は、読み取り成否判定部111−1と、IC記憶媒体有無判定部112−1と、取引処理部113−1とを有する。
【0046】
読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報に基づいて、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったか否かを判定する。具体的には、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報にICカードフラグが含まれているか否かを判定する。
【0047】
読み取り成否判定部112−1は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったと判定した場合には、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力する。一方、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、その旨の磁気不良情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力する。
【0048】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、読み取り成否判定部111−1から第1磁気情報が与えられた場合には、第1磁気情報に含まれるICカードフラグに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。
【0049】
この結果、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有すると判定した場合には、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−1に出力する。一方、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有しないと判定した場合には、第1磁気情報を取引処理部113−1に出力する。
【0050】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、読み取り成否判定部111−1から磁気不良情報を与えられた場合には、第2磁気センサ407から与えられた第2磁気情報に基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。
【0051】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407から与えられた第2磁気情報に基づいて、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取ったか否かを判定する。具体的には、IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407から与えられた第2磁気情報にICカードフラグが含まれているか否かを判定する。
【0052】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取ったと判定した場合には、当該ICカードフラグに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。
【0053】
この結果、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有すると判定した場合には、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−1に出力する。一方、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有しないと判定した場合には、第2磁気情報を取引処理部113−1に出力する。
【0054】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、その旨の磁気不良情報を取引処理部113−1に出力する。
【0055】
取引処理部113−1は、自動取引装置10の各構成要素を制御する。一方、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1からICチップ有り判定情報が与えられた場合には、図5に示すIC読取り部414を矢印B方向に駆動して、取引用キャッシュカードのICチップ3−1に圧接させる。その後、IC読取り部414から与えられたIC情報に基づいて、取引を行う。一方、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1から第1磁気情報または第2磁気情報が与えられた場合には、これらの情報に基づいて、取引を行う。一方、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1から磁気不良情報を与えられた場合には、搬送ローラ402を用いて、取引用キャッシュカードを顧客に返却する。
【0056】
[自動取引装置10による処理]
次に、図7に基づいて、自動取引装置10による処理の手順を説明する。ステップS10において、自動取引装置10は、案内部16に待機画像を表示させる。その後、顧客が自動取引装置10に接近し、所定の操作範囲内(接近検出センサ17の検出範囲内)に入ると、接近検出センサ17は、検出情報を取引処理部113−1に出力する。取引処理部113−1は、検出情報が与えられた際に、案内部16に取引選択画像(取引の種類が表記されたボタンが複数描かれた画像)を表示する。その後、取引用キャッシュカードが必要な取引が顧客によって選択される(例えば、「お引き出し」ボタンが顧客によって押される)と、取引処理部113−1は、ローラ駆動装置を駆動する。一方、顧客が取引を選択することなく取引用キャッシュカードをカード入出口12に挿入した場合にも、取引処理部113−1は、ローラ駆動装置を駆動する。
【0057】
次いで、取引処理部113−1は、挿入検知センサ403から検知情報が与えられるまで待機する。一方、顧客は、取引用キャッシュカードをカード入出口12に挿入し、搬送ローラ402は、取引用キャッシュカードを搬送路401内に導入する。これによって、挿入検知センサ403は、取引用キャッシュカードを検知し、検知情報を取引処理部113−1に出力する。取引処理部113−1は、検知情報が与えられた際に、搬送ローラ402を用いて、取引用キャッシュカードを第1磁気センサ406及び第2磁気センサ407の間まで搬送する。
【0058】
ステップS20において、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406を第1磁気ストライプ2に接触させる。これにより、第1磁気センサ406は、第1磁気ストライプ2に記憶された第1磁気情報を読み取ることが可能になる。第1磁気センサ406は、第1磁気ストライプ406に記憶された第1磁気情報を読み取って、読み取り成否判定部111−1に出力する。なお、第1磁気情報の一部が何らかの原因で消磁されている場合、第1磁気センサ406は、第1磁気情報の残りの部分しか読み取り成否判定部111−1に出力することができない。また、第1磁気情報が完全に消磁されている場合、第1磁気センサ406は、第1磁気情報を読み取り成否判定部111−1に出力することができない。
【0059】
読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報に基づいて、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったか否かを判定する。具体的には、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報にICカードフラグが含まれているか否かを判定する。
【0060】
読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったと判定した場合には、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力し、ステップS40に進む。
【0061】
一方、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、その旨の磁気不良情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力し、ステップS30に進む。
【0062】
読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406から第1磁気情報が与えられない場合にも、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定し、その旨の磁気不良情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力し、ステップS30に進む。
【0063】
なお、読み取り成否判定部111−1は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、ステップS30に進む前に、ステップS20の処理を所定回数繰り返してもよい。
【0064】
ステップS30において、IC記憶媒体有無判定部112−1は、読み取り成否判定部111−1から磁気不良情報が与えられた際に、第2磁気センサ407を第2磁気ストライプ6に接触させる。これにより、第2磁気センサ406は、第2磁気ストライプ6に記憶された第2磁気情報を読み取ることが可能になる。第2磁気センサ407は、第2磁気ストライプ407に記憶された第2磁気情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力する。
【0065】
次いで、IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407から与えられた第2磁気情報に基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。
【0066】
即ち、IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407から与えられた情報に基づいて、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取ったか否かを判定する。具体的には、IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407から与えられた情報にICカードフラグが含まれているか否かを判定する。
【0067】
IC記憶媒体有無判定部112−1は、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取ったと判定した場合には、ステップS40に進み、第2磁気センサ407がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、その旨の磁気不良情報を取引処理部113−1に出力し、ステップS70に進む。
【0068】
ステップS40において、IC記憶媒体有無判定部112−1は、第1磁気情報または第2磁気情報に含まれるICカードフラグに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。
【0069】
この結果、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有すると判定した場合には、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−1に出力し、ステップS50に進む。一方、IC記憶媒体有無判定部112−1は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有しないと判定した場合には、この判定に使用した磁気情報(例えば、ステップS20から直接(ステップS30を迂回して)ステップS40に進んだ場合には、第1磁気情報)を取引処理部113−1に出力し、ステップS60に進む。
【0070】
ステップS50において、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1からICチップ有り情報を与えられた際に、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有することを認識する。そして、取引処理部113−1は、搬送ローラ402を用いて、取引用キャッシュカードをIC読取り部414の下方まで移動させる。そして、取引処理部113−1は、IC読取り部414を矢印B方向に駆動して、取引用キャッシュカードのICチップ3−1に圧接させる。これにより、IC読取り部414は、ICチップ3−1にアクセス可能になる。IC読取り部414は、ICチップ3−1からIC情報を取得し、取引処理部113−1に出力する。
【0071】
ステップS60において、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1から与えられた磁気情報またはIC読取り部414から与えられたIC情報に基づいて、取引に必要な処理(例えば、暗証番号や取引金額の入力受付、取引金額の振込み、支払い等)を行う。その後、取引処理部113−1は、取引用キャッシュカードを顧客に返却し、処理を終了する。なお、取引処理部113−1は、取引用キャッシュカードの返却時に、取引用キャッシュカードがカード入出口12に所定時間留まっている場合、顧客によるカード取り忘れが発生したと判定し、取引用キャッシュカードを取り忘れ格納庫416に収納する。
【0072】
ステップS70において、取引処理部113−1は、IC記憶媒体有無判定部112−1から与えられた磁気不良情報に基づいて、取引用キャッシュカードの磁気に不良が発生したことを認識する。ステップS80において、取引処理部113−1は、取引用キャッシュカードを顧客に返却する。その後、取引処理部113−1は、処理を終了する。
【0073】
以上により、自動取引装置10は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合に、第1磁気ストライプ2以外の記憶媒体を用いて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定する。そして、自動取引装置10は、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有すると判定した場合には、ICチップ3−1に記憶されたIC情報に基づいて、取引を行う。したがって、自動取引装置10は、第1磁気ストライプ2からICカードフラグを読み取ることができない場合であっても、ICチップ3−1に記憶された情報に基づく取引を行うことができる。なお、従来では、第1磁気ストライプ2の第1磁気情報が消磁した場合、顧客は、金融機関にて再書き込みを行ってもらった上で、自動取引装置を用いた取引を行う必要があったが、本実施形態に係る自動取引装置10は、このような手続きを行う必要がない。
【0074】
具体的には、自動取引装置10は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、第2磁気センサ407が読み取った第2磁気情報に基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−1を有するか否かを判定するので、当該判定を容易に行うことができる。なお、上述した処理では、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていない場合に、第2磁気センサ407が第2磁気情報を読み取ることとしたが、第1磁気センサ406及び第2磁気センサ407は、同時に磁気情報を読み取るようにしてもよい。
【0075】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。第2の実施の形態に係る自動取引装置10は、使用可能なICキャッシュカードの種類、カード処理部の構成、制御部の構成、及び制御部による処理が第1の実施の形態に係る自動取引装置10と異なる。
【0076】
[ICキャッシュカード1−3の構成]
図8は、第2の実施の形態で使用されるICキャッシュカード1−3を示す。即ち、第2の実施の形態に係る自動取引装置は、磁気キャッシュカード1−2の他、このICキャッシュカード1−3に対応している。以下、「取引用キャッシュカード」は、このICキャッシュカード1−3も含むものとする。
【0077】
ICキャッシュカード1−3は、接触式のICチップ3−1の代わりに、非接触式のICチップ3−2を有している。ICチップ3−2は、ICキャッシュカード1−3内に埋め込まれている。他の構成はICキャッシュカード1−1と同様の構成である。なお、図8では、ICキャッシュカード1−3は第2磁気ストライプ6を有するが、この第2磁気ストライプ6はなくてもよい。
【0078】
[カード処理部41の構成]
次に、図9に基づいて、第2の実施の形態で使用されるカード処理部41について説明する。カード処理部41は、第1の実施の形態に係るカード処理部40と異なり、第2磁気センサ407を有していない。また、カード処理部41は、IC読取り部414の代わりに、非接触式のIC読取り部420(信号送受信部)を有している。IC読取り部420は、ICチップ3−2に応答要求情報を送信し、これに応じて、ICチップ3−2は、応答情報を送信する。
【0079】
なお、カード処理部41は、第2磁気センサ407を有していても良く、IC読取り部420は接触式のIC読取り部414の機能を有していてもよい。
【0080】
[制御部110−2の構成]
次に、図10に基づいて、第2の実施の形態に係る制御部110−2の構成を説明する。制御部110−2は、読み取り成否判定部111−2と、IC記憶媒体有無判定部112−2と、取引処理部113−2とを有する。
【0081】
読み取り成否判定部111−2は、第1の実施の形態に係る読み取り成否判定部111−1と同様の処理を行う。
【0082】
IC記憶媒体有無判定部112−2は、読み取り成否判定部111−1から第1磁気情報が与えられた場合には、第1磁気情報に含まれるICカードフラグに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有するか否かを判定する。
【0083】
この結果、IC記憶媒体有無判定部112−2は、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有すると判定した場合には、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−2に出力する。一方、IC記憶媒体有無判定部112−2は、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有しないと判定した場合には、第1磁気情報を取引処理部113−2に出力する。
【0084】
IC記憶媒体有無判定部112−2は、読み取り成否判定部111−2から磁気不良情報を与えられた場合には、搬送ローラ402を用いて取引用キャッシュカードをIC読取り部420の下方まで移動させ、IC読取り部420に応答要求情報を発信させる。IC読取り部420は、応答情報を受信した場合には、その応答情報をIC記憶媒体有無判定部112−2に出力する。
【0085】
IC記憶媒体有無判定部112−2は、IC読取り部420から応答情報が与えられた場合には、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有すると判定し、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−2に出力する。一方、IC記憶媒体有無判定部112−1は、IC読取り部420から応答情報が与えられない場合には、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有しないと判定し、磁気不良情報を取引処理部113−2に出力する。
【0086】
取引処理部113−2は、自動取引装置10の各構成要素を制御する。一方、取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−2からICチップ有り判定情報が与えられた場合には、IC読取り部420にICチップ3−2のIC情報を読み取らせる。IC読取り部420は、読み取ったIC情報を取引処理部113−2に出力する。取引処理部113−1は、当該IC情報に基づいて、取引を行う。なお、取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−2からICチップ有り判定情報が与えられた際に、取引用キャッシュカードが第1磁気センサ406の下方に配置されている場合には、取引用キャッシュカードをIC読取り部420の下方まで移動させた上で、上記の処理を行う。
【0087】
一方、取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−1から第1磁気情報が与えられた場合には、第1磁気情報に基づいて、取引を行う。取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−2から磁気不良情報を与えられた場合には、搬送ローラ402を用いて、取引用キャッシュカードを顧客に返却する。
【0088】
[自動取引装置10による処理]
次に、図11に基づいて、自動取引装置10による処理の手順を説明する。ステップS100の処理は、第1の実施の形態に係るステップS10の処理と同様である。
【0089】
ステップS110において、読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406を第1磁気ストライプ2に接触させる。これにより、第1磁気センサ406は、第1磁気ストライプ2に記憶された第1磁気情報を読み取ることが可能になる。第1磁気センサ406は、第1磁気ストライプ406に記憶された第1磁気情報を読み取り成否判定部111−2に出力する。
【0090】
読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報に基づいて、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったか否かを判定する。具体的には、読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報にICカードフラグが含まれているか否かを判定する。
【0091】
読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取ったと判定した場合には、第1磁気センサ406から与えられた第1磁気情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力し、ステップS130に進む。
【0092】
一方、読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、その旨の磁気不良情報をIC記憶媒体有無判定部112−1に出力し、ステップS120に進む。
【0093】
読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406から第1磁気情報が与えられない場合にも、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定し、その旨の磁気不良情報をIC記憶媒体有無判定部112−2に出力し、ステップS120に進む。
【0094】
なお、読み取り成否判定部111−2は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、ステップS120に進む前に、ステップS110の処理を所定回数繰り返してもよい。
【0095】
ステップS120において、IC記憶媒体有無判定部112−2は、読み取り成否判定部111−2から磁気不良情報が与えられた際に、搬送ローラ402を用いて取引用キャッシュカードをIC読取り部420の下方まで移動させ、IC読取り部420に応答要求情報を発信させる。IC読取り部420は、応答情報を受信した場合には、その応答情報をIC記憶媒体有無判定部112−2に出力する。
【0096】
IC記憶媒体有無判定部112−2は、IC読取り部420から応答情報が与えられた場合には、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有すると判定する。そして、IC記憶媒体有無判定部112−2は、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−2に出力し、ステップS140に進む。一方、IC記憶媒体有無判定部112−1は、IC読取り部420から応答情報が与えられない場合には、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有しないと判定する。そして、IC記憶媒体有無判定部112−2は、磁気不良情報を取引処理部113−2に出力し、ステップS160に進む。
【0097】
ステップS130において、IC記憶媒体有無判定部112−2は、第1磁気情報に含まれるICカードフラグに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有するか否かを判定する。
【0098】
この結果、IC記憶媒体有無判定部112−2は、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有すると判定した場合には、その旨のICチップ有り判定情報を取引処理部113−2に出力し、ステップS140に進む。一方、IC記憶媒体有無判定部112−2は、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有しないと判定した場合には、第1磁気情報を取引処理部113−2に出力し、ステップS150に進む。
【0099】
ステップS140において、取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−2からICチップ有り判定情報が与えられた際に、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有すると認識する。
【0100】
そして、取引処理部113−2は、IC読取り部420にICチップ3−2のIC情報を読み取らせる。IC読取り部420は、読み取ったIC情報を取引処理部113−2に出力する。なお、取引処理部113−2は、IC記憶媒体有無判定部112−2からICチップ有り判定情報が与えられた際に、取引用キャッシュカードが第1磁気センサ406の下方に配置されている場合には、取引用キャッシュカードをIC読取り部420の下方まで移動させた上で、上記の処理を行う。
【0101】
ステップS150〜ステップS170の処理は、第1の実施の形態に係るステップS60〜ステップS80と同様である。
【0102】
以上により、自動取引装置10は、第1磁気センサ406がICカードフラグを読み取っていないと判定した場合には、IC読取り部420が応答情報を受信したか否かに基づいて、取引用キャッシュカードがICチップ3−2を有するか否かを判定する。したがって、自動取引装置10は、取引用キャッシュカードが第2磁気ストライプ6を有していない場合であっても、ICチップ3−2の有無を判定する事ができる。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0104】
1−1、1−3 ICキャッシュカード
1−2 磁気キャッシュカード
2 第1磁気ストライプ
3−1、3−2 ICチップ
4 エンボス領域
5 画像読取領域
6 第2磁気ストライプ
10 自動取引装置
40 カード処理部
110−1、110−2 制御部
111−1、111−2 読み取り成否判定部
112−1、112−2 IC記憶媒体有無判定部
113−1、113−2 取引処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引に使用される取引用媒体が有する磁気記憶媒体から、前記取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取り部と、
前記磁気記憶媒体読み取り部が前記IC記憶媒体有無情報を読み取ったか否かを判定する読み取り成否判定部と、
前記磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得部と、
前記磁気記憶媒体読み取り部が前記IC記憶媒体有無情報を読み取っていないと判定された場合に、前記情報取得部による前記情報取得処理の結果に基づいて、前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定部と、
前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有すると判定された場合に、前記IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて前記取引を行う取引処理部と、を備えることを特徴とする、自動取引装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記取引用媒体が有し、前記磁気記憶媒体以外の記憶媒体である他の磁気記憶媒体から前記IC記憶媒体有無情報を読み取り、
前記IC記憶媒体有無判定部は、前記情報取得部が読み取った前記IC記憶媒体有無情報に基づいて、前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有するか否かを判定することを特徴とする、請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記磁気記憶媒体以外の記憶媒体である前記IC記憶媒体に応答要求情報を無線送信し、前記IC記憶媒体から無線送信された応答情報を受信し、
前記IC記憶媒体有無判定部は、前記信号送受信部が前記応答信号を受信した場合には、前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有すると判定することを特徴とする、請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
取引に使用される取引用媒体に付された磁気記憶媒体から、前記取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取りステップと、
前記磁気記憶媒体読み取りステップで前記IC記憶媒体有無情報が読み取られたか否かを判定する読み取り成否判定ステップと、
前記磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得ステップと、
前記磁気記憶媒体読み取りステップで前記IC記憶媒体有無情報が読み取られていないと判定された場合に、前記情報取得処理の結果に基づいて、前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定ステップと、
前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有すると判定された場合に、前記IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて前記取引を行う取引処理ステップと、を備えることを特徴とする、自動取引方法。
【請求項5】
コンピュータに、
取引に使用される取引用媒体に付された磁気記憶媒体から、前記取引用媒体がIC記憶媒体を有するか否かを示すIC記憶媒体有無情報を読み取る磁気記憶媒体読み取り機能と、
前記磁気記憶媒体読み取り機能が前記IC記憶媒体有無情報を読み取ったか否かを判定する読み取り成否判定機能と、
前記磁気記憶媒体以外の記憶媒体から情報を取得する情報取得処理を行う情報取得機能と、
前記磁気記憶媒体読み取り機能が前記IC記憶媒体有無情報を読み取っていないと判定された場合に、前記情報取得機能による前記情報取得処理の結果に基づいて、前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有するか否かを判定するIC記憶媒体有無判定機能と、
前記取引用媒体が前記IC記憶媒体を有すると判定された場合に、前記IC記憶媒体に記憶された情報に基づいて前記取引を行う取引処理機能と、を実現させることを特徴とする、プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−133676(P2012−133676A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286594(P2010−286594)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】