自動取引装置および自動取引方法
【課題】媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させること。
【解決手段】可変表示制御部13は、媒体放出部11における媒体の放出や顧客による媒体放出部11からの媒体の抜き取りの動作に連動して、可変表示部12a,12b,12c,12dに複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示させる。判定部15は、可変表示部12a,12b,12c,12dの全てにつき結果情報が表示されると可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報を取得し、入賞情報記憶部14に記憶された入賞情報を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する。入賞処理部16は、判定部15が入賞対象と判定した場合、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【解決手段】可変表示制御部13は、媒体放出部11における媒体の放出や顧客による媒体放出部11からの媒体の抜き取りの動作に連動して、可変表示部12a,12b,12c,12dに複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示させる。判定部15は、可変表示部12a,12b,12c,12dの全てにつき結果情報が表示されると可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報を取得し、入賞情報記憶部14に記憶された入賞情報を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する。入賞処理部16は、判定部15が入賞対象と判定した場合、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置および自動取引方法に関し、顧客に対して1つ以上の複数種類の媒体を放出する自動取引装置、および、このような自動取引装置の自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の店舗、小売店および公共施設などに貨幣(紙幣および硬貨)の自動取引を行う自動取引装置(ATM:Automated Teller Machine)が設置されている。
ATMでの自動取引処理は、次のように行われる。まず、ATMは、顧客が所有するキャッシュカードや預金通帳を受入れる。そして、顧客により入力された暗証番号・生体情報などにより本人認証を行う。正しく認証されると、顧客の希望に応じた取引処理が行われ、取引内容に応じた媒体を放出する(例えば、特許文献1参照)。ATMが放出する媒体には、例えば、取引開始時に受入れたキャッシュカードや預金通帳、取引の内容や預金口座の残高等を示すレシート、引き出した現金などがある。
【0003】
ここで、ATMでは、放出した媒体の顧客による取り忘れが問題となる。例えば、現金の取り忘れが発生すると、次の利用者がその現金を不正に入手してしまうことも考えられ、顧客の利益を損なうことになる。また、取り忘れが発生すると、取引を休止させる、警備員を出動させて取り忘れ媒体を回収し顧客に返却するなどの対処が必要となる。すなわち、ATMを運用する金融機関にも、このためのコストが生じることになる。このため、ATMでは媒体の取り忘れ対策が課題となる。
【0004】
この課題に対し、顧客が媒体を取り忘れたままATMから立ち去ったことを検知すると、警告音や警報メッセージを発して取り忘れを報知する方法が知られている(例えば、特許文献2,3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−099315号公報
【特許文献2】特開昭52−003354号公報
【特許文献3】特開昭57−120173号公報
【特許文献4】特開平05−028348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1,2,3記載の方法では、顧客の取り忘れが発生した場合に、事後的にそれを報知し、顧客自身に取り忘れを気付かせて解消させる。このため、例えば顧客がATMから急いで立ち去る場合のように顧客の注意が散漫であると、取り忘れを報知したとしても顧客が警告音を正しく聞き取れない、または、聞き流してしまうことがある。また、ATMが複数台設置されている店舗では、取り忘れを報知したとしても顧客が自身のことと認識しないことがある。
【0007】
このように、事後的に顧客に取り忘れを報知する方法のみでは、顧客の取り忘れを確実に解消することが困難であった。これに対し、媒体の放出までの一連の取引に対して顧客に注意を払わせ、取り忘れ自体を未然に防止することが望ましい。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、媒体放出に際して顧客の注意を引いて顧客に媒体の抜き取りを意識させることが可能な自動取引装置および自動取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させ、所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部に放出させ、その後、媒体放出部が保持する媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとし、この媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させ、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部に放出させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から媒体情報と結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部の非表示状態をこの媒体の媒体情報と決定した結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部に放出させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の可変表示を開始する。次に、自動取引装置が、所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部から放出し、媒体放出部が保持する媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとして、この媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の可変表示を開始する。次に、自動取引装置が、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部から放出する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示終了条件が成立するたびに、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から媒体情報と結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部のうち、所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定する。次に、自動取引装置が、該当の可変表示部の非表示状態を媒体の媒体情報と決定した結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部から放出する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【発明の効果】
【0015】
上記自動取引装置および自動取引方法によれば、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動取引装置を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の自動取引装置の外観を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の自動取引装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の可変表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態の可変表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の取扱媒体パターンテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態の媒体放出時の第1の画面表示例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の媒体放出時の第2の画面表示例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の可変表示領域の表示例を示す図である。
【図15】第3の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図16】第3の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図18】第4の実施の形態の顧客管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図19】第4の実施の形態の取り忘れ報知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、自動取引装置を示す図である。自動取引装置10は、媒体放出部11、可変表示部12、可変表示制御部13、入賞情報記憶部14、判定部15および入賞処理部16を有する。
【0018】
媒体放出部11は、自動取引装置10が扱う複数種類の媒体を放出して保持する。媒体は、例えばキャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣などである。
可変表示部12は、媒体放出部が放出する媒体の数だけ設けられる。例えば、媒体放出部11が4種類の媒体を放出する場合には、可変表示部12a,12b,12c,12dの4つが設けられる。
【0019】
可変表示部12は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて複数の識別情報を可変表示し、複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示部12による可変表示は、可変表示制御部13により制御される。
【0020】
ここで、媒体情報は、例えば、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣それぞれを示す画像情報である媒体情報21,22,23,24である。この場合、例えば、媒体情報21,22,23,24と可変表示部12a,12b,12c,12dとがそれぞれ対応づけられる。なお、媒体情報は、画像情報に限らず、例えば、各媒体を示す文字列とすることもできる。
【0021】
また、複数の識別情報とは、例えば0〜9までの各数字や、各種画像(チェリーやベルなど)が考えられる。
可変表示制御部13は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させる。その後、可変表示制御部13は、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される可変表示部の結果情報を決定し、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させる。ここで、可変表示開始条件としては、例えば、放出対象の媒体が特定されたことや、取引処理が所定の段階に達したことなどが考えられる。
【0022】
可変表示終了条件としては、例えば以下のような内容が考えられる。
第1の例では、可変表示終了条件は放出対象媒体が顧客により自動取引装置10から抜き取られたことを示す情報とする。これを第1可変表示終了条件とよぶこととする。この場合、可変表示制御部13は、第1可変表示終了条件が成立する前に、放出対象とする媒体を媒体放出部11に放出させる。
【0023】
具体的には、媒体放出順序が、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣の順であるとする。この場合、可変表示制御部13は、まず、複数種類の媒体の放出開始指示を受け付け、可変表示部12a,12b,12c,12dの可変表示を開始させる。そして、可変表示制御部13は、最初の放出対象であるキャッシュカードを媒体放出部11に放出させる。そして、可変表示制御部13は、キャッシュカードが媒体放出部11から顧客により抜き取られたこと(第1可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12aの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。更に、可変表示制御部13は、次の放出対象の媒体である預金通帳を媒体放出部11に放出させる。そして、可変表示制御部13は、預金通帳が媒体放出部11から顧客により抜き取られたこと(第1可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12bの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。以降、可変表示部12c,12dに関しても同様である。
【0024】
上記第1の例の内容は、特許請求の範囲の請求項1に対応する。
第2の例では、可変表示終了条件は放出対象媒体を示す情報および前回媒体が顧客により抜き取られてから所定時間が経過したことを示す情報とする。これを、第2可変表示終了条件とよぶこととする。この場合、可変表示制御部13は、第2可変表示終了条件が成立した後に、媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部11に放出させる。
【0025】
具体的には、媒体放出順序が、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣の順であるとする。この場合、可変表示制御部13は、まず、複数種類の媒体の放出開始指示を受け付け、可変表示部12a,12b,12c,12dの可変表示を開始させる。そして、可変表示制御部13は、可変表示の開始から所定時間が経過したこと(第2可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12aの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。そして、可変表示制御部13は、媒体放出部11にキャッシュカードを放出させる。更に、可変表示制御部13は、次の放出対象の媒体が預金通帳であることを検出する。また、可変表示制御部13は、キャッシュカードが顧客により抜き取られてから所定時間が経過したこと(第2可変表示終了条件が成立したこと)を検出して、可変表示部12bの可変表示を停止させ、可変表示部12bに結果情報を表示させる。そして、可変表示制御部13は、媒体放出部11に預金通帳を放出させる。以降、可変表示部12c,12dに関しても同様である。
【0026】
上記第2の例の内容は、特許請求の範囲の請求項7に対応する。
入賞情報記憶部14は、可変表示部12に表示された結果情報の組み合わせのうち入賞とする組み合わせを定義した入賞情報を記憶する。
【0027】
判定部15は、可変表示部12の全て(例えば、可変表示部12a,12b,12c,12d)につき結果情報が決定されると、可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報を取得する。判定部15は、入賞情報記憶部14に記憶された入賞情報に基づいて、可変表示制御部13から取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する。
【0028】
入賞処理部16は、判定部15が入賞対象と判定した場合、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。ここで、入賞処理とは、例えば、顧客に対するポイント付与である。そして、付与されたポイントにより、顧客に対して金利の優遇や商品等とポイントとを交換するサービスなどを提供することが考えられる。
【0029】
自動取引装置10によれば、可変表示制御部13により、複数種類の媒体の放出指示が受け付けられると、複数の可変表示部12の可変表示が開始される。そして、可変表示制御部13により、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される可変表示部の結果情報が決定される。更に、可変表示制御部13により、該当の可変表示部に決定された結果情報が表示される。ここで、可変表示終了条件は、上述したように顧客に対する媒体放出に連動して成立するものである。そして、各可変表示部の全てにつき結果情報が決定されると、判定部15により、可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報が取得され、入賞情報記憶部に記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。更に、判定部により入賞対象と判定されると、入賞処理部16により、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理が実行される。
【0030】
このように、放出する媒体に対応した可変表示部12が、各媒体の放出のタイミングでその可変表示を開始・停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置10からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。また、可変表示の開始・停止を顧客の抜き取り操作に連動して行うことで、可変表示部12の動作に顧客を介入させて顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0031】
なお、可変表示部12の表示方法として、上述のようないわゆるスロットマシンのような方式のみに限られない。例えば、スクラッチくじのような方式とすることも考えられる。この場合、例えば放出対象の媒体の数だけ可変表示部12がマス状に用意される。このとき、可変表示部12は、どの媒体と対応付けられているか顧客には分からないようになっている。可変表示制御部13は、所定のタイミングで可変表示部12の何れかに媒体画像を表示させることで、顧客に次に放出対象となる媒体を通知する。このとき、可変表示制御部13は、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を可変表示部12に表示させるようにする。そして、全媒体の放出後、表示された結果情報の組み合わせにより入賞の有無が判定されるようにする。このようにスクラッチくじのような方式として、顧客に媒体の抜き取りを意識させることもできる。
【0032】
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態の自動取引装置の外観を示す図である。自動取引装置100は、金融機関の店舗や小売店などに設置される。自動取引装置100は、例えばATMである。自動取引装置100は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107(図2では図示せず)、対人センサ108およびスピーカ109を有する。
【0033】
紙幣ユニット101は、紙幣の出入、計数、収納を行う。紙幣ユニット101は、紙幣出入口を備えている。紙幣出入口は、通常時には紙幣が設置できないようカバーで覆われ閉塞されている。紙幣ユニット101は、預入の取引などで紙幣の回収が必要になると紙幣出入口を開放する。そして、紙幣ユニット101は、顧客により紙幣出入口に設置された紙幣を回収して計数し、収納する。また、紙幣ユニット101は、払出しの取引などで紙幣の放出が必要になると紙幣出入口を開放する。そして、紙幣ユニット101は、紙幣出入口に紙幣を放出して保持する。顧客は、紙幣出入口に放出された紙幣を抜き取る。
【0034】
硬貨ユニット102は、硬貨の出入、計数、収納を行う。硬貨ユニット102は、硬貨出入口を備えている。硬貨出入口は、通常時には硬貨が設置できないようカバーで覆われ閉塞されている。硬貨ユニット102は、預入の取引などで硬貨の回収が必要になると硬貨出入口を開放する。そして、硬貨ユニット102は、顧客により硬貨出入口に設置された硬貨を回収して計数し、収納する。また、硬貨ユニット102は、払出しの取引などで紙幣の放出が必要になると硬貨出入口を開放する。そして、硬貨ユニット102は、硬貨出入口に紙幣を放出して保持する。顧客は、硬貨出入口に放出された硬貨を取り出す。
【0035】
紙幣ユニット101および硬貨ユニット102による上記動作により、顧客は自身の口座から現金を引き出すことができる。
通帳ユニット103は、預金通帳の出入、印刷を行う。通帳ユニット103は、通帳出入口を備えている。通帳ユニット103は、通帳出入口に顧客により設置された預金通帳を回収する。そして、通帳ユニット103は、回収した預金通帳に取引に応じた内容を印字して、通帳出入口に放出して保持する。顧客は、通帳出入口に放出された預金通帳を抜き取る。
【0036】
カードユニット104は、キャッシュカードの出入、キャッシュカードが備える磁気記憶部やIC(Integrated Circuit)の読み取りを行う。カードユニット104は、カード出入口を備えている。カードユニット104は、カード出入口に顧客により設置されたキャッシュカードを回収する。そして、カードユニット104は、キャッシュカードから読み取った情報に基づいて取引を行い、キャッシュカードをカード出入口に放出して保持する。顧客は、カード出入口に放出されたキャッシュカードを抜き取る。
【0037】
レシートユニット105は、取引内容や顧客の残高などを示したレシートの放出を行う。レシートユニット105は、レシート放出口を備えている。レシートユニット105は、取引に応じて発行されたレシートをレシート放出口に放出して保持する。顧客は、レシート放出口に放出されたレシートを抜き取る。
【0038】
なお、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105には、各ユニットが放出した媒体が顧客により抜き出されたか否かを判定するセンサが設けられている。
【0039】
また、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による媒体の放出は、一連の取引処理の最後に順番に行われる。
【0040】
タッチパネル106は、タッチ操作を検出する。顧客は、指でタッチパネル106にタッチすることができる。また、顧客は、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いてタッチパネル106にタッチすることもできる。タッチパネル106に対するタッチ操作があると、指などの物が接触している位置が検出される。
【0041】
ディスプレイ107は、各種画像を表示する。ディスプレイ107は、タッチパネル106の下層に位置している。ディスプレイ107の表示する画像は、タッチパネル106を透過して、自動取引装置100の前面から視認可能である。顧客は、ディスプレイ107によって表示された画像を見ながら、タッチパネル106に対するタッチ操作を行える。
【0042】
対人センサ108は、自動取引装置100の前面に顧客が存在するか否かを検知する。対人センサ108としては、例えば、赤外線センサや温度センサなどを用いることができる。
【0043】
スピーカ109は、顧客の操作入力を誘導する音声ガイドや警告音などを出力する。
図3は、第1の実施の形態の自動取引装置のハードウェア構成を示す図である。自動取引装置100は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107、対人センサ108、スピーカ109、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ111、プリンタ112および通信部113を有する。紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107、対人センサ108およびスピーカ109に関しては、図2で同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0044】
CPU110は、自動取引装置100全体の動作を制御する。具体的には、CPU110は、自動取引装置100の起動時およびその後必要に応じて、メモリ111からプログラムやデータを読み出し、実行する。CPU110は、例えば、タッチパネル106から取得するデータに基づいて、顧客が所望の取引を開始する。また、CPU110は、例えば、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104から取得するデータや通信部113を介して管理サーバ200から取得するデータに基づいて、取引処理を実行する。更に、CPU110は、例えば、取引結果に応じてプリンタ112やレシートユニット105にレシートの発行を実行させる。
【0045】
メモリ111は、CPU110が実行するプログラムや処理に用いるデータを記憶する。メモリ111には、金融取引機能や表示制御機能を実現する各種プログラムが予め格納されている。
【0046】
プリンタ112は、レシートを印刷するためのものである。プリンタ112は、レシートの印刷のほか、金融機関で管理されるジャーナルとよばれる取引記録の印刷にも用いられる。
【0047】
通信部113は、ネットワーク30と接続され、ネットワーク30を介して他の情報処理装置とデータ通信を行う。ネットワーク30には、管理サーバ200が接続されている。管理サーバ200は、顧客の情報を一元管理するコンピュータである。管理サーバ200は、CPUやメモリを備えている。管理サーバ200のメモリ上には、顧客の氏名や口座番号などの個人情報が予め格納されている。
【0048】
図4は、第1の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100は、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160およびポイント処理部170を有する。なお、自動取引装置100のこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0049】
制御情報記憶部120は、取引内容に応じて扱う媒体の種類や、媒体の放出順序を定義した取扱媒体情報を記憶する。
可変表示領域130は、ディスプレイ107の画面上の領域である。可変表示領域130は、所定のタイミングで可変表示制御部140によりディスプレイ107の画面上に出力される。可変表示領域130は、複数の可変表示部を備える。可変表示部の数は、放出対象の媒体の数と同一となる。各可変表示部は、複数の識別情報を可変表示する。また、各可変表示部は、複数の識別情報の何れかである結果情報を表示する。各可変表示部の表示内容は、可変表示制御部140により制御される。可変表示領域130の詳細に関しては後述する。
【0050】
可変表示制御部140は、タッチパネル106から受け付けた操作入力の内容や制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体情報に基づいて、可変表示領域130の表示内容を操作する。可変表示制御部140は、各可変表示部に複数の識別情報の何れを表示させるかを、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数を用いて決定することが考えられる。また、可変表示制御部140は、可変表示領域130の操作と連動して、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による各種媒体の放出動作を制御する。
【0051】
入賞情報記憶部150は、入賞とする識別情報の組み合わせと組み合わせに応じた付与ポイントとを定義したポイント情報を記憶する。
判定部160は、可変表示領域130の各可変表示部に結果情報が表示されると、その結果情報の組を可変表示制御部140から取得する。判定部160は、入賞情報記憶部150に記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。
【0052】
ポイント処理部170は、判定部160により可変表示制御部140により決定された結果情報の組が入賞対象であると判定されると、入賞情報記憶部150に記憶された入賞情報に基づいて、取引を行った顧客にポイントを付与する。ポイントの情報は、顧客情報として管理サーバ200に登録される。管理サーバ200は、顧客情報を格納する顧客情報記憶部210を有している。ポイント処理部170は、付与したポイントに応じて顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0053】
図5は、第1の実施の形態の可変表示領域の第1の表示例を示す図である。なお、以下の例では、取り扱う媒体の種類が4種類である場合の表示内容を示すものとする。可変表示領域130は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314を有する。
【0054】
媒体画像表示部1301,1302,1303,1304は、放出対象の媒体を示す画像を放出する順序に従って表示する。媒体画像表示部1301には、キャッシュカードの画像が表示される。媒体画像表示部1302には、預金通帳の画像が表示される。媒体画像表示部1303には、レシートの画像が表示される。媒体画像表示部1304には、現金の画像が表示される。この場合、媒体の放出は、図面右側からの順に対応しており、1番目にキャッシュカード、2番目に預金通帳、3番目にレシート、4番目に現金の順序である。
【0055】
可変表示部1311,1312,1313,1314は、複数の識別情報を可変表示(スロットマシンのような方式で表示)する。複数の識別情報とは、例えば、0〜9の数字や各種記号(チェリーやベルなど)である。可変表示部1311,1312,1313,1314は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304にそれぞれ対応付けられている。
【0056】
可変表示制御部140は、取り扱う媒体の種類に応じて媒体画像表示部および可変表示部の数および表示内容を変更する。例えば、取り扱う媒体の種類が3種類の場合には、媒体画像表示部および可変表示部の数はそれぞれ3つずつとなる。
【0057】
可変表示制御部140は、媒体の放出に連動して可変表示部1311,1312,1313,1314の可変表示を制御する。具体的には、自動取引装置100において放出対象の4種類の媒体が特定されると、可変表示制御部140は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314をディスプレイ107に表示させる。そして、可変表示制御部140は、可変表示部1311,1312,1313,1314による可変表示を開始させる。例えば、可変表示部1311,1312,1313,1314は、複数の識別情報として“0”〜“9”の数字を可変表示する。そして、可変表示制御部140は、カードユニット104に最初の放出対象であるキャッシュカードを放出させる。可変表示制御部140は、カードユニット104からキャッシュカードが抜き取られたことを検出すると可変表示部1311の可変表示を停止させ、可変表示部1311に複数の識別情報の何れかである結果情報(例えば、“7”)を表示させる。次に、可変表示制御部140は、通帳ユニット103に預金通帳を放出させ、預金通帳が抜き取られると可変表示部1312に結果情報を表示させる。次に、可変表示制御部140は、レシートユニット105にレシートを放出させ、レシートが抜き取られると可変表示部1313に結果情報を表示させる。次に、可変表示制御部140は、紙幣ユニット101または硬貨ユニット102に紙幣または硬貨を放出させ、紙幣または硬貨が抜き取られると可変表示部1314に結果情報を表示させる。
【0058】
図6は、第1の実施の形態の可変表示領域の第2の表示例を示す図である。図6では、可変表示部1311,1312,1313,1314に全て結果情報が表示された場合を示している。ここで、(A)の可変表示領域130aは入賞しなかった場合を例示している。すなわち、可変表示部1311a,1312a,1313a,1314aに表示された結果情報の組み合わせ“4567”は入賞対象の組み合わせではない。なお、媒体画像表示部1301a,1302a,1303a,1304aには、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304と同一の画像が表示される。また、(B)の可変表示領域130bは入賞した場合を例示している。すなわち、可変表示部1311b,1312b,1313b,1314bに表示された結果情報の組み合わせ“7777”は入賞対象の組み合わせである。また、可変表示領域130bでは、媒体画像表示部1301b,1302b,1303b,1304bに入賞したことを示す“当たり!”の文字列が表示される。このようにして、顧客に入賞したことを通知することができる。このような演出を行うことで、顧客の興趣をより向上することができる。
【0059】
図7は、第1の実施の形態の取扱媒体パターンテーブルのデータ構造例を示す図である。取扱媒体パターンテーブル121は、制御情報記憶部120に予め格納される。取扱媒体パターンテーブル121には、取扱媒体を示す項目、放出優先順位を示す項目および取引種別を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの媒体に関する情報を示す。
【0060】
取扱媒体を示す項目には、媒体の種類を示す情報が設定される。放出優先順位を示す項目には、媒体放出に際してどの媒体を優先して先に放出するかを示す優先順位が設定される。取引種別を示す項目には、該当の媒体が各取引において取扱対象となっているかを示すフラグが設定される。取引種別を示す項目には、具体的な取引種別として、引出を示す項目、併用引出(キャッシュカードと預金通帳とを回収して行う預金引出取引)を示す項目、記帳を示す項目、振込を示す項目、振替を示す項目、残高照会を示す項目、定期を示す項目、預入を示す項目が設けられる。
【0061】
取扱媒体パターンテーブル121には、例えば、取扱媒体が“キャッシュカード”、放出優先順位が“1”、引出が“○”、併用引出が“○”,記帳が“○”,振込が“○”、振替が“○”、残高照会が“○”、定期が“○”、預入が“○”という情報が設定される。これは、キャッシュカードが上記取引種別で示される取引の全てにおいて放出対象となることを示している。また、放出の優先順位が“1”、すなわち、他の媒体よりも最優先に放出することを示している。
【0062】
また、取扱媒体パターンテーブル121には、例えば、取扱媒体が“現金”、放出優先順位が“4”、引出が“○”、併用引出が“○”、記帳が“−”(ハイフン)、振込が“−”、振替が“−”、残高照会が“−”、定期が“−”、預入が“−”という情報が設定される。これは、現金が引出および併用引出の取引において放出対象となっており、記帳、振込、振替、残高照会、定期、預入の取引では放出対象となっていないことを示している。
【0063】
可変表示制御部140は、顧客により行われた取引に応じて取扱媒体パターンテーブル121を参照することで、該当の取引で放出対象となる媒体およびその放出順序を特定することができる。そして、可変表示制御部140は、特定した結果に基づいて、可変表示領域130に例えば媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314を表示させる。なお、図5,6は、取引種別が“併用引出”の場合を例示している。
【0064】
図8は、第1の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。ポイントテーブル151は、入賞情報記憶部150に予め格納される。ポイントテーブル151には、等級を示す項目、条件を示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの賞に関する情報を示す。
【0065】
等級を示す項目には、賞の等級を示す情報が設定される。条件を示す項目には、入賞の条件が設定される。ポイントを示す項目には、賞の特典として付与するポイントが設定される。
【0066】
ポイントテーブル151には、例えば、等級が“1”、条件が“全ての桁が7”、ポイントが“20”という情報が設定される。これは、可変表示領域130に表示された各結果情報が全て“7”である場合、“1”等に入賞し“20”ポイントが付与されることを示している。
【0067】
また、ポイントテーブル151には、例えば、等級が“はずれ”、条件が“等級1,2以外の場合”、ポイントが“0”という情報が設定される。これは、可変表示領域130に表示された各結果情報が1等および2等にも該当しない場合は“はずれ”として入賞対象としないことを示している。
【0068】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100の処理に関して説明する。
図9は、第1の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下のステップS11〜S15の各処理は、CPU110が実行する金融取引プログラムにより各ハードウェアの動作が制御されて実現されるものである。
【0069】
[ステップS11]タッチパネル106は、顧客が所望する取引種別を選択する操作入力を受け付ける。
[ステップS12]カードユニット104または通帳ユニット103は、キャッシュカードまたは預金通帳を回収する。
【0070】
[ステップS13]タッチパネル106は、取引種別に応じた引出金額や振込金額などの金額入力を受け付ける。なお、残高照会などでは、当金額入力の受け付けは行われない。
【0071】
[ステップS14]タッチパネル106は、顧客が取引内容を確定する操作入力(確認入力)を受け付ける。
[ステップS15]通信部113は、管理サーバ200と通信して取引内容を管理サーバ200に登録し、管理サーバ200から取引結果を受信する。通信部113が取引結果を受信すると、取引結果に基づきCPU110や各種媒体ユニットにより媒体の放出準備が行われる。なお、各種媒体ユニットとは、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105を示す。
【0072】
[ステップS16]可変表示制御部140は、上記ステップS11においてタッチパネル106が受け付けた取引種別と、制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体パターンテーブル121に基づいて、放出対象の媒体とその放出順序を特定する。
【0073】
[ステップS17]可変表示制御部140は、特定した媒体と放出順序に基づき、可変表示領域130に放出対象とする媒体画像を表示させる。また、可変表示制御部140は、各媒体画像に対応付けて可変表示部を表示させる。
【0074】
[ステップS18]可変表示制御部140は、可変表示領域130の各可変表示部の可変表示を開始させる。
[ステップS19]可変表示制御部140は、全媒体の放出準備が完了するまで待機する。
【0075】
[ステップS20]可変表示制御部140は、次に放出対象となっている媒体を各種媒体ユニットに放出させる。
[ステップS21]可変表示制御部140は、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140が、各種媒体ユニットに設けられた媒体抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS22に移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS21に移される。
【0076】
[ステップS22]可変表示制御部140は、抜き取られた媒体に対応する可変表示領域130の可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。可変表示制御部140は、該当の可変表示部の可変表示を停止させ、決定した結果情報を表示させる。
【0077】
[ステップS23]可変表示制御部140は、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS24に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS20に移される。
【0078】
[ステップS24]判定部160は、可変表示制御部140から、可変表示制御部140が可変表示領域130の各可変表示部に表示させた結果情報の組を取得する。
[ステップS25]判定部160は、入賞情報記憶部150に記憶されたポイントテーブル151を参照して、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。入賞対象である場合、処理がステップS26に移される。入賞対象でない場合、処理が完了する。
【0079】
[ステップS26]可変表示制御部140は、判定部160により入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、可変表示領域130に入賞した旨(“当たり!”の文字列)を演出表示させる。なお、演出表示の方法は、入賞した賞の等級によって変更することが考えられる。
【0080】
[ステップS27]ポイント処理部170は、判定部160により入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、入賞情報記憶部150に記憶されたポイントテーブル151を参照して、該当の顧客に付与するポイントを特定する。ポイント処理部170は、特定したポイントを管理サーバ200に送信し、顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0081】
このように、自動取引装置100は、放出した媒体が顧客により抜き取られたタイミングで対応する可変表示部の可変表示を停止させる。このように、可変表示部の停止動作に対して、顧客の動作を介入させることで、顧客の興趣を向上することが可能となる。
【0082】
図10は、第1の実施の形態の媒体放出時の第1の画面表示例を示す図である。取引処理待ち画面410および媒体放出画面420は、ディスプレイ107に表示される画面である。なお、以下では、放出対象の媒体がキャッシュカード、預金通帳、レシートおよび現金である場合を例示する。
【0083】
取引処理待ち画面410は、放出媒体が特定されたタイミングでディスプレイ107に表示される。可変表示領域130は、例えば、取引処理待ち画面410の表示と共に、その一部領域に表示される。このとき、可変表示部1311,1312,1313,1314は可変表示されている。また、取引処理待ち画面410と共に可変表示領域130において事前に放出対象の媒体を顧客に示しておくことで、顧客は自身が抜き取る必要のある媒体を予め認識することができる。
【0084】
媒体放出画面420は、取引処理が完了し、媒体の放出準備が整うと取引処理待ち画面410から遷移して表示される。このとき、カードユニット104のカード出入口からキャッシュカードが放出されると共に、“カードをお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、キャッシュカードが顧客により抜き取られると、キャッシュカードに対応する可変表示部1311の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0085】
次に、通帳ユニット103から預金通帳が放出されると共に“通帳をお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、預金通帳が顧客により抜き取られると、預金通帳に対応する可変表示部1312の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0086】
次に、レシートユニット105からレシートが放出されると共に、“レシートをお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、レシートが顧客により抜き取られると、レシートに対応する可変表示部1313の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0087】
図11は、第1の実施の形態の媒体放出時の第2の画面表示例を示す図である。媒体放出画面430,440は、ディスプレイ107に表示される画面である。なお、媒体放出画面430は、媒体放出画面420の後であって、更にレシートが抜き取られた後に表示される画面である。
【0088】
媒体放出画面440は、媒体放出画面430から遷移して表示される。このとき、紙幣ユニット101または硬貨ユニット102から現金が放出されると共に“現金をお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、現金が抜き取られると、現金に対応する可変表示部1314の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0089】
このタイミングで、可変表示部1311,1312,1313,1314の結果情報の組み合わせが確定する。そして、確定した組み合わせが入賞対象である場合、可変表示領域130に入賞を通知する演出表示が行われる。なお、入賞の通知はスピーカ109から音声を発して行ってもよい。また、紙幣と硬貨とを別個にし、それぞれに関して可変表示部を設けるようにしてもよい。
【0090】
このように、自動取引装置100では、放出する媒体に対応した可変表示部が、各媒体が顧客により抜き取られたタイミングで対応する可変表示部の可変表示を停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置100からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。また、可変表示の開始・停止を顧客の抜き取り操作に連動して行うことで、可変表示部の停止動作に顧客を介入させて顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0091】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0092】
第2の実施の形態の自動取引装置は、第1の実施の形態の自動取引装置100とは取引処理の手順が異なる。具体的には、第1の実施の形態の自動取引装置100は、顧客による媒体の抜き取りに連動して可変表示部の可変表示を停止するものとした。これに対し、第2の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部の停止後に媒体の放出を行う。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0093】
第2の実施の形態の自動取引装置の外観、ハードウェア構成、機能構成およびデータ構成は、図2〜8に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観、ハードウェア構成、機能構成およびデータ構成と同一であるため説明を省略する。ただし、図5で説明したように、媒体の抜き取りに連動して可変表示部の可変表示を停止するものでないことに留意されたい。
【0094】
図12は、第2の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、ステップS11〜S18およびステップS24〜S27の処理に関しては、第1の実施の形態の図9において同一のステップ番号を付して説明した処理と同一であるため、その説明を省略する。また、各構成に付した符号は、説明の便宜上、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を用いて説明する。
【0095】
[ステップS19a]可変表示制御部140は、所定時間待機(例えば数秒)する。
[ステップS20a]可変表示制御部140は、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。そして、可変表示制御部140は、該当の可変表示部の可変表示を停止させ、決定した結果情報を表示させる。
【0096】
[ステップS21a]可変表示制御部140は、上記ステップS20aにおいて操作した可変表示部に対応する媒体の放出を各種媒体ユニットに実行させる。
[ステップS22a]可変表示制御部140は、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140が、各種媒体ユニットに設けられた媒体の抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS23aに移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS22aに移される。
【0097】
[ステップS23a]可変表示制御部140は、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS24に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS19aに移される。
【0098】
このように、第2の実施の形態の自動取引装置では、媒体放出と連動して可変表示領域130の可変表示部を可変表示させる。すなわち、媒体放出が開始されてから、または、前の媒体が抜き取られてから所定時間が経過すると次の媒体に対応する可変表示部の可変表示を停止し、該当の媒体を放出する。
【0099】
ここで、上記ステップS19a,S20aでは、所定時間待機した後に次の放出対象の媒体の可変表示を停止するものとした。ただし、可変表示の停止のタイミングの決定は、このような方法に限られない。例えば、ディスプレイ107に顧客による可変表示の停止操作を受け付ける操作部を表示し、この停止操作をタッチパネル106で受け付けたタイミングで該当の媒体の可変表示部の可変表示を停止することが考えられる。
【0100】
上述したように第2の実施の形態の自動取引装置では、放出する媒体に対応した可変表示部が、各媒体の放出のタイミングでその可変表示を開始・停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0101】
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1,2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0102】
第3の実施の形態の自動取引装置は、第1,2の実施の形態の自動取引装置とは、可変表示部の可変表示の方法が異なる。第1,2の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部をスロットマシンのような方式で表示するものとしたが、第3の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部をスクラッチくじのような方式で表示する。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0103】
第3の実施の形態の自動取引装置の外観およびハードウェア構成は、図2,3に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観およびハードウェア構成と同一であるため説明を省略する。
【0104】
図13は、第3の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100aは、制御情報記憶部120、可変表示領域130c、可変表示制御部140a、入賞情報記憶部150a、判定部160a、ポイント処理部170を有する。なお、自動取引装置100aのこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。また、制御情報記憶部120、ポイント処理部170に関しては、図4で示した第1の実施の形態の自動取引装置100において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0105】
可変表示領域130cは、ディスプレイ107の画面上の領域である。可変表示領域130cは、所定のタイミングで可変表示制御部140aによりディスプレイ107の画面上に出力される。可変表示領域130cは、複数の可変表示部を備える。可変表示部の数は、放出対象の媒体の数と同一となる。ここで、第3の実施の形態の可変表示部では、第1,2の実施の形態の可変表示部と異なり、スクラッチくじのような方式で可変表示を行う。各可変表示部の表示内容は可変表示制御部140aにより制御される。このような可変表示領域130cの詳細に関しては後述する。
【0106】
可変表示制御部140aは、タッチパネル106から受け付けた操作入力の内容や制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体情報に基づいて、可変表示領域130cの表示内容を操作する。具体的には、放出対象の媒体の数の可変表示部をマス状に可変表示領域130cに表示させる。このとき、可変表示部は、どの媒体と対応付けられているか顧客には分からないようになっている(以下、マスク状態とよぶ)。そして、所定のタイミングでマスク状態の可変表示部の何れかのマスクを解除し、媒体画像を表示させることで、顧客に次に放出対象となる媒体を通知する。このとき、可変表示制御部140aは、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を該当の可変表示部に表示させる。可変表示制御部140aは、可変表示領域130cの操作と連動して、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による各種媒体の放出動作を制御する。
【0107】
入賞情報記憶部150aは、入賞とする識別情報の組み合わせと組み合わせに応じた付与ポイントとを定義したポイント情報を記憶する。
判定部160aは、可変表示領域130cに結果情報が表示されると、その結果情報の組を可変表示制御部140aから取得する。判定部160aは、入賞情報記憶部150aに記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。
【0108】
図14は、第3の実施の形態の可変表示領域の表示例を示す図である。なお、以下の例では、取り扱う媒体の種類が4種類である場合の表示内容を示すものとする。可変表示領域130cは、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cを有する。
【0109】
可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cは、放出対象の媒体を示す媒体画像と複数の識別情報の何れかである結果情報とをマスク状態で表示する。そして、所定のタイミングで、マスク状態を解除し、対応する媒体画像と結果情報とを表示する。第3の実施の形態の可変表示部は、このようにマスク状態からマスク解除状態へと可変表示する。このとき、例えば識別情報“Lucky!”または“Unlucky”の何れかの文字列が選択されて媒体画像と共に表示される。識別情報としては、文字列以外にも各種文字や記号などを用いることができる。いずれの識別情報を表示するかは、可変表示制御部140aによって決定される。可変表示制御部140aは、この決定処理を例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数を用いて実行することができる。このようにして決定された識別情報は、第1,2の実施の形態における結果情報に対応する。
【0110】
可変表示制御部140aは、取り扱う媒体の種類に応じて可変表示部の数および表示内容を変更する。例えば、取り扱う媒体の種類が3種類の場合には、可変表示部の数は3つとなる。
【0111】
可変表示制御部140aは、媒体の放出に連動して可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cの可変表示を制御する。具体的には、自動取引装置100aにおいて放出対象の4種類の媒体が特定されると、可変表示制御部140aは、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cをディスプレイ107に表示させる。このとき、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cは、全てマスク状態である。更に、可変表示制御部140aは、最初の放出対象であるキャッシュカードに対応する可変表示部1311cのマスクを解除する。このとき、可変表示部1311cに何れかの識別情報(例えば、“Unlucky”)をキャッシュカードの画像と共に表示させる。そして、可変表示制御部140aは、カードユニット104にキャッシュカードを放出させる。次に、可変表示制御部140aは、可変表示部1312cのマスクを解除する。このとき、可変表示部1312cに何れかの識別情報(例えば、“Lucky!”)を預金通帳の画像と共に表示させる。そして、可変表示制御部140aは、通帳ユニット103に預金通帳を放出させる。以下、同様にして、可変表示部1313c,1314cのマスクが解除されるたびに何れかの識別情報と共に媒体画像が表示され、対応する媒体が各種媒体ユニットから放出される。
【0112】
図15は、第3の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。ポイントテーブル152は、入賞情報記憶部150aに予め格納される。ポイントテーブル152には、等級を示す項目、条件を示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの賞に関する情報を示す。
【0113】
等級を示す項目には、賞の等級を示す情報が設定される。条件を示す項目には、入賞の条件が設定される。ポイントを示す項目には、賞の特典として付与するポイントが設定される。
【0114】
ポイントテーブル152には、例えば、等級が“1”、条件が“全て“Lucky!””、ポイントが“20”という情報が設定される。これは、可変表示領域130cに表示された各結果情報が全て“Lucky!”である場合、“1”等に入賞し“20”ポイントが付与されることを示している。
【0115】
また、ポイントテーブル152には、例えば、等級が“はずれ”、条件が““Lucky!”無し”、ポイントが“0”という情報が設定される。これは、可変表示領域130cに表示された各結果情報に“Lucky!”が1つも含まれない場合は“はずれ”として入賞対象としないことを示している。
【0116】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100aの処理に関して説明する。
図16は、第3の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下のステップS31〜S35の各処理は、CPU110が実行する金融取引プログラムにより各ハードウェアの動作が制御されて実現されるものである。
【0117】
[ステップS31]タッチパネル106は、顧客が所望する取引種別を選択する操作入力を受け付ける。
[ステップS32]カードユニット104または通帳ユニット103は、キャッシュカードまたは預金通帳を回収する。
【0118】
[ステップS33]タッチパネル106は、取引種別に応じた引出金額や振込金額などの金額入力を受け付ける。なお、残高照会などでは、当金額入力の受け付けは行われない。
【0119】
[ステップS34]タッチパネル106は、顧客が取引内容を確定する操作入力(確認入力)を受け付ける。
[ステップS35]通信部113は、管理サーバ200と通信して取引内容を管理サーバ200に登録し、管理サーバ200から取引結果を受信する。通信部113が取引結果を受信すると、取引結果に基づきCPU110や各種媒体ユニットにより媒体の放出準備が行われる。
【0120】
[ステップS36]可変表示制御部140aは、上記ステップS31においてタッチパネル106が受け付けた取引種別と、制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体パターンテーブル121に基づいて、放出対象の媒体とその放出順序を特定する。
【0121】
[ステップS37]可変表示制御部140aは、特定した放出媒体の数だけ、可変表示領域130cに可変表示部を表示させる。
[ステップS38]可変表示制御部140aは、所定時間待機(例えば数秒)する。なお、このとき次に放出する媒体に対応する可変表示部に点滅、形状・模様変更などを施して演出表示してもよい。
【0122】
[ステップS39]可変表示制御部140aは、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。
【0123】
[ステップS40]可変表示制御部140aは、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部のマスクを解除する。このとき、マスクが解除された可変表示部には、対応する媒体画像と共に上記ステップS39において可変表示制御部140aによって決定された結果情報が表示される。
【0124】
[ステップS41]可変表示制御部140aは、上記ステップS20において操作した可変表示部に対応する媒体の放出を各種媒体ユニットに実行させる。
[ステップS42]可変表示制御部140aは、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140aが、各種媒体ユニットに設けられた媒体の抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS43に移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS42に移される。
【0125】
[ステップS43]可変表示制御部140aは、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS44に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS38に移される。
【0126】
[ステップS44]判定部160aは、可変表示制御部140aから、可変表示制御部140aが可変表示領域130cの各可変表示部に表示させた結果情報の組を取得する。
[ステップS45]判定部160aは、入賞情報記憶部150aに記憶されたポイントテーブル152を参照して、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。入賞対象である場合、処理がステップS46に移される。入賞対象でない場合、処理が完了する。
【0127】
[ステップS46]可変表示制御部140aは、判定部160aにより入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、可変表示領域130cに入賞した旨(例えば“当たり!”の文字列)を表示させる。
【0128】
[ステップS47]ポイント処理部170は、判定部160aにより入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、入賞情報記憶部150aに記憶されたポイントテーブル152を参照して、該当の顧客に付与するポイントを特定する。ポイント処理部170は、特定したポイントを管理サーバ200に送信し、顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0129】
このように、自動取引装置100aは、媒体放出と連動して可変表示領域130cの可変表示部のマスクを解除する。すなわち、媒体放出が開始されてから、または、前の媒体が抜き取られてから所定時間が経過すると次の媒体に対応する可変表示部のマスクを解除し、該当の媒体を放出する。
【0130】
ここで、上記ステップS38〜S40では、所定時間待機した後に次の放出対象の媒体のマスクを解除するものとした。ただし、マスク解除のタイミングの決定は、このような方法に限られない。例えば、ディスプレイ107に顧客によるマスク解除操作を受け付ける操作部を表示し、このマスク解除操作をタッチパネル106で受け付けたタイミングで該当の媒体の可変表示部の可変表示を停止することが考えられる。更に、マスク解除操作の対象とする可変表示部を任意として、顧客が指定した可変表示部につき順次マスク解除を行い、選択された順で媒体を放出することも考えられる。
【0131】
このようにすると、顧客は次に放出される媒体がどの媒体なのか、可変表示部のマスクが解除されるまで知ることができない。したがって、顧客を可変表示部の表示内容に注目させることができる。また、マスクが解除されたタイミングで顧客は初めて次の放出媒体を知ることになり、直後に放出される媒体の抜き取りを意識させることができる。更に、マスクが解除されると、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を可変表示部に表示させ、全媒体の放出後に、表示された結果情報の組み合わせにより入賞の有無が判定される。このため、顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0132】
[第4の実施の形態]
以下、第4の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1,2,3の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0133】
第4の実施の形態の自動取引装置は、第1,2,3の実施の形態の自動取引装置で万が一媒体の取り忘れが検知された場合にも対応できるようにするものである。具体的には、音声を用いて顧客に取り忘れを気付かせる。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0134】
第4の実施の形態の自動取引装置の外観およびハードウェア構成は、図2,3に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観およびハードウェア構成と同一であるため説明を省略する。
【0135】
図17は、第4の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100bは、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160、ポイント処理部170および報知処理部180を有する。なお、自動取引装置100bのこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。また、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160およびポイント処理部170に関しては、図4で示した第1の実施の形態の自動取引装置100において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0136】
報知処理部180は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105において媒体の抜き取りが行われたか否かを監視する。報知処理部180は、このような監視を各種媒体ユニットに設けられた抜き取りの有無を検出するセンサの検出結果を取得することで行うことができる。また、報知処理部180は、対人センサ108による顧客の存在の有無の検出結果を取得し、自動取引装置100bの前面に顧客が存在しているか否かを監視する。報知処理部180は、これらの監視結果に基づき、各種媒体の抜き取りがなく、かつ、自動取引装置100bの前面に顧客が存在していないと判定した場合、スピーカ109から媒体の取り忘れを報知するための警告音を出力する。このとき報知処理部180は、管理サーバ200の顧客情報記憶部210に記憶された顧客情報から、音声の内容を特定する。顧客情報には、例えば、顧客の住所やニックネームなどが予め登録されている。報知処理部180は、このような情報を含めたメッセージをスピーカ109を介して音声出力する。
【0137】
図18は、第4の実施の形態の顧客管理テーブルのデータ構造例を示す図である。顧客管理テーブル211は、顧客情報記憶部210に予め格納される。顧客管理テーブル211には、顧客ID(Identifier)を示す項目、氏名を示す項目、口座番号を示す項目、住所を示す項目、ニックネームを示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、一人の顧客の情報を示す。
【0138】
顧客IDを示す項目には、顧客に付与された識別情報が設定される。氏名を示す項目には、顧客の氏名が設定される。口座番号を示す項目には、顧客の口座番号が設定される。住所を示す項目には、顧客の住所が設定される。ニックネームを示す項目には、顧客のニックネームが設定される。ニックネームを示す項目には、顧客の希望に応じたニックネームが予め登録される。ポイントを示す項目には、顧客に付与されたポイントが設定される。
【0139】
顧客管理テーブル211には、例えば、顧客IDが“0001”、氏名が“富士太郎”、口座番号が“1111111”、住所が“東京都千代田区”、ニックネームが“タロウ”、ポイントが“100”という情報が設定される。
【0140】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100bの処理に関して説明する。なお、自動取引装置100bにおける取引処理の手順に関しては、第1,2の実施の形態で示した自動取引装置100の取引処理の手順と同一である。また、第3の実施の形態の取引手順を適用してもよい。自動取引装置100bでは、このような取引処理を行った結果、万が一取り忘れが起こった場合に取り忘れを報知する。
【0141】
図19は、第4の実施の形態の取り忘れ報知処理の手順を示すフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は、自動取引装置100bの取引処理(例えば、図9のステップS18〜S22の処理)の間に並行して実行されるものである。すなわち、例えば、媒体の放出が開始されると、報知処理部180により以下の処理が開始される。
【0142】
[ステップS51]報知処理部180は、顧客が自動取引装置100bの前から立ち去ったか否かを判定する。この判定は、対人センサ108による顧客の存在の有無の検出結果を取得することで行うことができる。顧客が装置前から立ち去った場合、処理がステップS52に移される。顧客が装置前から立ち去っていない場合処理がステップS51に移される(すなわち、顧客が立ち去ったかを継続的に監視する)。
【0143】
[ステップS52]報知処理部180は、抜き取られていない媒体が存在するか否かを判定する。この判定は、各種媒体ユニットに設けられた抜き取りの有無を検出するセンサの検出結果を取得することで行うことができる。抜き取られていない媒体が存在する場合、処理がステップS53に移される。抜き取られていない媒体がない場合、処理が完了する。
【0144】
[ステップS53]報知処理部180は、顧客情報記憶部210に記憶された顧客管理テーブル211を参照して、該当の顧客の情報を取得する。ここで取得される情報としては、例えば、顧客のニックネームや住所が考えられる。
【0145】
[ステップS54]報知処理部180は、取得した顧客情報を用いて、媒体の取り忘れがあることを報知する。報知処理部180は、例えば、「タロウさん、通帳の取り忘れがあります。」、「東京都千代田区にお住まいのタロウさん、現金の取り忘れがあります。」などのメッセージを生成して、スピーカ109を介して音声出力する。
【0146】
このように、自動取引装置100bでは、万が一取り忘れが起こったとしても、顧客に関連のある内容のメッセージを生成して、報知する。このため、顧客は、報知されたメッセージが自身に投げかけられていることを気付き易くなる。その結果、顧客の注意が散漫であるようなときや、自動取引装置が複数台設置された店舗であっても、顧客は自身の取り忘れを認識し易くなる。
【0147】
なお、取り忘れを報知するメッセージに含む情報は、管理サーバ200に登録しておくこととしたが、このような構成に限らない。例えば、顧客の所持するキャッシュカードが備えるICに予め記憶しておくことも考えられる。また、報知するメッセージに含む情報としても、顧客の住所やニックネームに限らず、顧客の好みのメッセージや音楽などとすることも考えられる。
【0148】
以上、本発明の自動取引装置および自動取引方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0149】
10 自動取引装置
11 媒体放出部
12,12a,12b,12c,12d 可変表示部
13 可変表示制御部
14 入賞情報記憶部
15 判定部
16 入賞処理部
21,22,23,24 媒体情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置および自動取引方法に関し、顧客に対して1つ以上の複数種類の媒体を放出する自動取引装置、および、このような自動取引装置の自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の店舗、小売店および公共施設などに貨幣(紙幣および硬貨)の自動取引を行う自動取引装置(ATM:Automated Teller Machine)が設置されている。
ATMでの自動取引処理は、次のように行われる。まず、ATMは、顧客が所有するキャッシュカードや預金通帳を受入れる。そして、顧客により入力された暗証番号・生体情報などにより本人認証を行う。正しく認証されると、顧客の希望に応じた取引処理が行われ、取引内容に応じた媒体を放出する(例えば、特許文献1参照)。ATMが放出する媒体には、例えば、取引開始時に受入れたキャッシュカードや預金通帳、取引の内容や預金口座の残高等を示すレシート、引き出した現金などがある。
【0003】
ここで、ATMでは、放出した媒体の顧客による取り忘れが問題となる。例えば、現金の取り忘れが発生すると、次の利用者がその現金を不正に入手してしまうことも考えられ、顧客の利益を損なうことになる。また、取り忘れが発生すると、取引を休止させる、警備員を出動させて取り忘れ媒体を回収し顧客に返却するなどの対処が必要となる。すなわち、ATMを運用する金融機関にも、このためのコストが生じることになる。このため、ATMでは媒体の取り忘れ対策が課題となる。
【0004】
この課題に対し、顧客が媒体を取り忘れたままATMから立ち去ったことを検知すると、警告音や警報メッセージを発して取り忘れを報知する方法が知られている(例えば、特許文献2,3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−099315号公報
【特許文献2】特開昭52−003354号公報
【特許文献3】特開昭57−120173号公報
【特許文献4】特開平05−028348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1,2,3記載の方法では、顧客の取り忘れが発生した場合に、事後的にそれを報知し、顧客自身に取り忘れを気付かせて解消させる。このため、例えば顧客がATMから急いで立ち去る場合のように顧客の注意が散漫であると、取り忘れを報知したとしても顧客が警告音を正しく聞き取れない、または、聞き流してしまうことがある。また、ATMが複数台設置されている店舗では、取り忘れを報知したとしても顧客が自身のことと認識しないことがある。
【0007】
このように、事後的に顧客に取り忘れを報知する方法のみでは、顧客の取り忘れを確実に解消することが困難であった。これに対し、媒体の放出までの一連の取引に対して顧客に注意を払わせ、取り忘れ自体を未然に防止することが望ましい。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、媒体放出に際して顧客の注意を引いて顧客に媒体の抜き取りを意識させることが可能な自動取引装置および自動取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させ、所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部に放出させ、その後、媒体放出部が保持する媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとし、この媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させ、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部に放出させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置が提供される。この自動取引装置は、媒体放出部、複数の可変表示部、可変表示制御部および入賞処理部を有する。媒体放出部は、複数種類の媒体を放出して保持する。複数の可変表示部は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から媒体情報と結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する。可変表示制御部は、所定の可変表示条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部の非表示状態をこの媒体の媒体情報と決定した結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部に放出させる。入賞処理部は、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の可変表示を開始する。次に、自動取引装置が、所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部から放出し、媒体放出部が保持する媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとして、この媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の可変表示を開始する。次に、自動取引装置が、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定して、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部から放出する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法が提供される。この自動取引方法では、自動取引装置が、所定の可変表示終了条件が成立するたびに、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から媒体情報と結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部のうち、所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の結果情報を決定する。次に、自動取引装置が、該当の可変表示部の非表示状態を媒体の媒体情報と決定した結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、この可変表示部に対応する媒体を媒体放出部から放出する。そして、自動取引装置が、複数の可変表示部の全てにつき結果情報が表示されると、各可変表示部の結果情報の組み合わせに応じて、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。
【発明の効果】
【0015】
上記自動取引装置および自動取引方法によれば、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動取引装置を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の自動取引装置の外観を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の自動取引装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の可変表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態の可変表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の取扱媒体パターンテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態の媒体放出時の第1の画面表示例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の媒体放出時の第2の画面表示例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の可変表示領域の表示例を示す図である。
【図15】第3の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図16】第3の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。
【図18】第4の実施の形態の顧客管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図19】第4の実施の形態の取り忘れ報知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、自動取引装置を示す図である。自動取引装置10は、媒体放出部11、可変表示部12、可変表示制御部13、入賞情報記憶部14、判定部15および入賞処理部16を有する。
【0018】
媒体放出部11は、自動取引装置10が扱う複数種類の媒体を放出して保持する。媒体は、例えばキャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣などである。
可変表示部12は、媒体放出部が放出する媒体の数だけ設けられる。例えば、媒体放出部11が4種類の媒体を放出する場合には、可変表示部12a,12b,12c,12dの4つが設けられる。
【0019】
可変表示部12は、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて複数の識別情報を可変表示し、複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する。可変表示部12による可変表示は、可変表示制御部13により制御される。
【0020】
ここで、媒体情報は、例えば、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣それぞれを示す画像情報である媒体情報21,22,23,24である。この場合、例えば、媒体情報21,22,23,24と可変表示部12a,12b,12c,12dとがそれぞれ対応づけられる。なお、媒体情報は、画像情報に限らず、例えば、各媒体を示す文字列とすることもできる。
【0021】
また、複数の識別情報とは、例えば0〜9までの各数字や、各種画像(チェリーやベルなど)が考えられる。
可変表示制御部13は、所定の可変表示開始条件が成立すると、複数の可変表示部の可変表示を開始させる。その後、可変表示制御部13は、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される可変表示部の結果情報を決定し、該当の可変表示部に決定した結果情報を表示させる。ここで、可変表示開始条件としては、例えば、放出対象の媒体が特定されたことや、取引処理が所定の段階に達したことなどが考えられる。
【0022】
可変表示終了条件としては、例えば以下のような内容が考えられる。
第1の例では、可変表示終了条件は放出対象媒体が顧客により自動取引装置10から抜き取られたことを示す情報とする。これを第1可変表示終了条件とよぶこととする。この場合、可変表示制御部13は、第1可変表示終了条件が成立する前に、放出対象とする媒体を媒体放出部11に放出させる。
【0023】
具体的には、媒体放出順序が、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣の順であるとする。この場合、可変表示制御部13は、まず、複数種類の媒体の放出開始指示を受け付け、可変表示部12a,12b,12c,12dの可変表示を開始させる。そして、可変表示制御部13は、最初の放出対象であるキャッシュカードを媒体放出部11に放出させる。そして、可変表示制御部13は、キャッシュカードが媒体放出部11から顧客により抜き取られたこと(第1可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12aの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。更に、可変表示制御部13は、次の放出対象の媒体である預金通帳を媒体放出部11に放出させる。そして、可変表示制御部13は、預金通帳が媒体放出部11から顧客により抜き取られたこと(第1可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12bの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。以降、可変表示部12c,12dに関しても同様である。
【0024】
上記第1の例の内容は、特許請求の範囲の請求項1に対応する。
第2の例では、可変表示終了条件は放出対象媒体を示す情報および前回媒体が顧客により抜き取られてから所定時間が経過したことを示す情報とする。これを、第2可変表示終了条件とよぶこととする。この場合、可変表示制御部13は、第2可変表示終了条件が成立した後に、媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部11に放出させる。
【0025】
具体的には、媒体放出順序が、キャッシュカード、預金通帳、レシートおよび貨幣の順であるとする。この場合、可変表示制御部13は、まず、複数種類の媒体の放出開始指示を受け付け、可変表示部12a,12b,12c,12dの可変表示を開始させる。そして、可変表示制御部13は、可変表示の開始から所定時間が経過したこと(第2可変表示終了条件が成立したこと)を検出し、可変表示部12aの可変表示を停止させ、可変表示部12aに結果情報を表示させる。そして、可変表示制御部13は、媒体放出部11にキャッシュカードを放出させる。更に、可変表示制御部13は、次の放出対象の媒体が預金通帳であることを検出する。また、可変表示制御部13は、キャッシュカードが顧客により抜き取られてから所定時間が経過したこと(第2可変表示終了条件が成立したこと)を検出して、可変表示部12bの可変表示を停止させ、可変表示部12bに結果情報を表示させる。そして、可変表示制御部13は、媒体放出部11に預金通帳を放出させる。以降、可変表示部12c,12dに関しても同様である。
【0026】
上記第2の例の内容は、特許請求の範囲の請求項7に対応する。
入賞情報記憶部14は、可変表示部12に表示された結果情報の組み合わせのうち入賞とする組み合わせを定義した入賞情報を記憶する。
【0027】
判定部15は、可変表示部12の全て(例えば、可変表示部12a,12b,12c,12d)につき結果情報が決定されると、可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報を取得する。判定部15は、入賞情報記憶部14に記憶された入賞情報に基づいて、可変表示制御部13から取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する。
【0028】
入賞処理部16は、判定部15が入賞対象と判定した場合、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する。ここで、入賞処理とは、例えば、顧客に対するポイント付与である。そして、付与されたポイントにより、顧客に対して金利の優遇や商品等とポイントとを交換するサービスなどを提供することが考えられる。
【0029】
自動取引装置10によれば、可変表示制御部13により、複数種類の媒体の放出指示が受け付けられると、複数の可変表示部12の可変表示が開始される。そして、可変表示制御部13により、所定の可変表示終了条件が成立するたびに複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される可変表示部の結果情報が決定される。更に、可変表示制御部13により、該当の可変表示部に決定された結果情報が表示される。ここで、可変表示終了条件は、上述したように顧客に対する媒体放出に連動して成立するものである。そして、各可変表示部の全てにつき結果情報が決定されると、判定部15により、可変表示制御部13から各可変表示部の結果情報が取得され、入賞情報記憶部に記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。更に、判定部により入賞対象と判定されると、入賞処理部16により、顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理が実行される。
【0030】
このように、放出する媒体に対応した可変表示部12が、各媒体の放出のタイミングでその可変表示を開始・停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置10からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。また、可変表示の開始・停止を顧客の抜き取り操作に連動して行うことで、可変表示部12の動作に顧客を介入させて顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0031】
なお、可変表示部12の表示方法として、上述のようないわゆるスロットマシンのような方式のみに限られない。例えば、スクラッチくじのような方式とすることも考えられる。この場合、例えば放出対象の媒体の数だけ可変表示部12がマス状に用意される。このとき、可変表示部12は、どの媒体と対応付けられているか顧客には分からないようになっている。可変表示制御部13は、所定のタイミングで可変表示部12の何れかに媒体画像を表示させることで、顧客に次に放出対象となる媒体を通知する。このとき、可変表示制御部13は、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を可変表示部12に表示させるようにする。そして、全媒体の放出後、表示された結果情報の組み合わせにより入賞の有無が判定されるようにする。このようにスクラッチくじのような方式として、顧客に媒体の抜き取りを意識させることもできる。
【0032】
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態の自動取引装置の外観を示す図である。自動取引装置100は、金融機関の店舗や小売店などに設置される。自動取引装置100は、例えばATMである。自動取引装置100は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107(図2では図示せず)、対人センサ108およびスピーカ109を有する。
【0033】
紙幣ユニット101は、紙幣の出入、計数、収納を行う。紙幣ユニット101は、紙幣出入口を備えている。紙幣出入口は、通常時には紙幣が設置できないようカバーで覆われ閉塞されている。紙幣ユニット101は、預入の取引などで紙幣の回収が必要になると紙幣出入口を開放する。そして、紙幣ユニット101は、顧客により紙幣出入口に設置された紙幣を回収して計数し、収納する。また、紙幣ユニット101は、払出しの取引などで紙幣の放出が必要になると紙幣出入口を開放する。そして、紙幣ユニット101は、紙幣出入口に紙幣を放出して保持する。顧客は、紙幣出入口に放出された紙幣を抜き取る。
【0034】
硬貨ユニット102は、硬貨の出入、計数、収納を行う。硬貨ユニット102は、硬貨出入口を備えている。硬貨出入口は、通常時には硬貨が設置できないようカバーで覆われ閉塞されている。硬貨ユニット102は、預入の取引などで硬貨の回収が必要になると硬貨出入口を開放する。そして、硬貨ユニット102は、顧客により硬貨出入口に設置された硬貨を回収して計数し、収納する。また、硬貨ユニット102は、払出しの取引などで紙幣の放出が必要になると硬貨出入口を開放する。そして、硬貨ユニット102は、硬貨出入口に紙幣を放出して保持する。顧客は、硬貨出入口に放出された硬貨を取り出す。
【0035】
紙幣ユニット101および硬貨ユニット102による上記動作により、顧客は自身の口座から現金を引き出すことができる。
通帳ユニット103は、預金通帳の出入、印刷を行う。通帳ユニット103は、通帳出入口を備えている。通帳ユニット103は、通帳出入口に顧客により設置された預金通帳を回収する。そして、通帳ユニット103は、回収した預金通帳に取引に応じた内容を印字して、通帳出入口に放出して保持する。顧客は、通帳出入口に放出された預金通帳を抜き取る。
【0036】
カードユニット104は、キャッシュカードの出入、キャッシュカードが備える磁気記憶部やIC(Integrated Circuit)の読み取りを行う。カードユニット104は、カード出入口を備えている。カードユニット104は、カード出入口に顧客により設置されたキャッシュカードを回収する。そして、カードユニット104は、キャッシュカードから読み取った情報に基づいて取引を行い、キャッシュカードをカード出入口に放出して保持する。顧客は、カード出入口に放出されたキャッシュカードを抜き取る。
【0037】
レシートユニット105は、取引内容や顧客の残高などを示したレシートの放出を行う。レシートユニット105は、レシート放出口を備えている。レシートユニット105は、取引に応じて発行されたレシートをレシート放出口に放出して保持する。顧客は、レシート放出口に放出されたレシートを抜き取る。
【0038】
なお、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105には、各ユニットが放出した媒体が顧客により抜き出されたか否かを判定するセンサが設けられている。
【0039】
また、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による媒体の放出は、一連の取引処理の最後に順番に行われる。
【0040】
タッチパネル106は、タッチ操作を検出する。顧客は、指でタッチパネル106にタッチすることができる。また、顧客は、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いてタッチパネル106にタッチすることもできる。タッチパネル106に対するタッチ操作があると、指などの物が接触している位置が検出される。
【0041】
ディスプレイ107は、各種画像を表示する。ディスプレイ107は、タッチパネル106の下層に位置している。ディスプレイ107の表示する画像は、タッチパネル106を透過して、自動取引装置100の前面から視認可能である。顧客は、ディスプレイ107によって表示された画像を見ながら、タッチパネル106に対するタッチ操作を行える。
【0042】
対人センサ108は、自動取引装置100の前面に顧客が存在するか否かを検知する。対人センサ108としては、例えば、赤外線センサや温度センサなどを用いることができる。
【0043】
スピーカ109は、顧客の操作入力を誘導する音声ガイドや警告音などを出力する。
図3は、第1の実施の形態の自動取引装置のハードウェア構成を示す図である。自動取引装置100は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107、対人センサ108、スピーカ109、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ111、プリンタ112および通信部113を有する。紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105、タッチパネル106、ディスプレイ107、対人センサ108およびスピーカ109に関しては、図2で同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0044】
CPU110は、自動取引装置100全体の動作を制御する。具体的には、CPU110は、自動取引装置100の起動時およびその後必要に応じて、メモリ111からプログラムやデータを読み出し、実行する。CPU110は、例えば、タッチパネル106から取得するデータに基づいて、顧客が所望の取引を開始する。また、CPU110は、例えば、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104から取得するデータや通信部113を介して管理サーバ200から取得するデータに基づいて、取引処理を実行する。更に、CPU110は、例えば、取引結果に応じてプリンタ112やレシートユニット105にレシートの発行を実行させる。
【0045】
メモリ111は、CPU110が実行するプログラムや処理に用いるデータを記憶する。メモリ111には、金融取引機能や表示制御機能を実現する各種プログラムが予め格納されている。
【0046】
プリンタ112は、レシートを印刷するためのものである。プリンタ112は、レシートの印刷のほか、金融機関で管理されるジャーナルとよばれる取引記録の印刷にも用いられる。
【0047】
通信部113は、ネットワーク30と接続され、ネットワーク30を介して他の情報処理装置とデータ通信を行う。ネットワーク30には、管理サーバ200が接続されている。管理サーバ200は、顧客の情報を一元管理するコンピュータである。管理サーバ200は、CPUやメモリを備えている。管理サーバ200のメモリ上には、顧客の氏名や口座番号などの個人情報が予め格納されている。
【0048】
図4は、第1の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100は、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160およびポイント処理部170を有する。なお、自動取引装置100のこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0049】
制御情報記憶部120は、取引内容に応じて扱う媒体の種類や、媒体の放出順序を定義した取扱媒体情報を記憶する。
可変表示領域130は、ディスプレイ107の画面上の領域である。可変表示領域130は、所定のタイミングで可変表示制御部140によりディスプレイ107の画面上に出力される。可変表示領域130は、複数の可変表示部を備える。可変表示部の数は、放出対象の媒体の数と同一となる。各可変表示部は、複数の識別情報を可変表示する。また、各可変表示部は、複数の識別情報の何れかである結果情報を表示する。各可変表示部の表示内容は、可変表示制御部140により制御される。可変表示領域130の詳細に関しては後述する。
【0050】
可変表示制御部140は、タッチパネル106から受け付けた操作入力の内容や制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体情報に基づいて、可変表示領域130の表示内容を操作する。可変表示制御部140は、各可変表示部に複数の識別情報の何れを表示させるかを、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数を用いて決定することが考えられる。また、可変表示制御部140は、可変表示領域130の操作と連動して、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による各種媒体の放出動作を制御する。
【0051】
入賞情報記憶部150は、入賞とする識別情報の組み合わせと組み合わせに応じた付与ポイントとを定義したポイント情報を記憶する。
判定部160は、可変表示領域130の各可変表示部に結果情報が表示されると、その結果情報の組を可変表示制御部140から取得する。判定部160は、入賞情報記憶部150に記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。
【0052】
ポイント処理部170は、判定部160により可変表示制御部140により決定された結果情報の組が入賞対象であると判定されると、入賞情報記憶部150に記憶された入賞情報に基づいて、取引を行った顧客にポイントを付与する。ポイントの情報は、顧客情報として管理サーバ200に登録される。管理サーバ200は、顧客情報を格納する顧客情報記憶部210を有している。ポイント処理部170は、付与したポイントに応じて顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0053】
図5は、第1の実施の形態の可変表示領域の第1の表示例を示す図である。なお、以下の例では、取り扱う媒体の種類が4種類である場合の表示内容を示すものとする。可変表示領域130は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314を有する。
【0054】
媒体画像表示部1301,1302,1303,1304は、放出対象の媒体を示す画像を放出する順序に従って表示する。媒体画像表示部1301には、キャッシュカードの画像が表示される。媒体画像表示部1302には、預金通帳の画像が表示される。媒体画像表示部1303には、レシートの画像が表示される。媒体画像表示部1304には、現金の画像が表示される。この場合、媒体の放出は、図面右側からの順に対応しており、1番目にキャッシュカード、2番目に預金通帳、3番目にレシート、4番目に現金の順序である。
【0055】
可変表示部1311,1312,1313,1314は、複数の識別情報を可変表示(スロットマシンのような方式で表示)する。複数の識別情報とは、例えば、0〜9の数字や各種記号(チェリーやベルなど)である。可変表示部1311,1312,1313,1314は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304にそれぞれ対応付けられている。
【0056】
可変表示制御部140は、取り扱う媒体の種類に応じて媒体画像表示部および可変表示部の数および表示内容を変更する。例えば、取り扱う媒体の種類が3種類の場合には、媒体画像表示部および可変表示部の数はそれぞれ3つずつとなる。
【0057】
可変表示制御部140は、媒体の放出に連動して可変表示部1311,1312,1313,1314の可変表示を制御する。具体的には、自動取引装置100において放出対象の4種類の媒体が特定されると、可変表示制御部140は、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314をディスプレイ107に表示させる。そして、可変表示制御部140は、可変表示部1311,1312,1313,1314による可変表示を開始させる。例えば、可変表示部1311,1312,1313,1314は、複数の識別情報として“0”〜“9”の数字を可変表示する。そして、可変表示制御部140は、カードユニット104に最初の放出対象であるキャッシュカードを放出させる。可変表示制御部140は、カードユニット104からキャッシュカードが抜き取られたことを検出すると可変表示部1311の可変表示を停止させ、可変表示部1311に複数の識別情報の何れかである結果情報(例えば、“7”)を表示させる。次に、可変表示制御部140は、通帳ユニット103に預金通帳を放出させ、預金通帳が抜き取られると可変表示部1312に結果情報を表示させる。次に、可変表示制御部140は、レシートユニット105にレシートを放出させ、レシートが抜き取られると可変表示部1313に結果情報を表示させる。次に、可変表示制御部140は、紙幣ユニット101または硬貨ユニット102に紙幣または硬貨を放出させ、紙幣または硬貨が抜き取られると可変表示部1314に結果情報を表示させる。
【0058】
図6は、第1の実施の形態の可変表示領域の第2の表示例を示す図である。図6では、可変表示部1311,1312,1313,1314に全て結果情報が表示された場合を示している。ここで、(A)の可変表示領域130aは入賞しなかった場合を例示している。すなわち、可変表示部1311a,1312a,1313a,1314aに表示された結果情報の組み合わせ“4567”は入賞対象の組み合わせではない。なお、媒体画像表示部1301a,1302a,1303a,1304aには、媒体画像表示部1301,1302,1303,1304と同一の画像が表示される。また、(B)の可変表示領域130bは入賞した場合を例示している。すなわち、可変表示部1311b,1312b,1313b,1314bに表示された結果情報の組み合わせ“7777”は入賞対象の組み合わせである。また、可変表示領域130bでは、媒体画像表示部1301b,1302b,1303b,1304bに入賞したことを示す“当たり!”の文字列が表示される。このようにして、顧客に入賞したことを通知することができる。このような演出を行うことで、顧客の興趣をより向上することができる。
【0059】
図7は、第1の実施の形態の取扱媒体パターンテーブルのデータ構造例を示す図である。取扱媒体パターンテーブル121は、制御情報記憶部120に予め格納される。取扱媒体パターンテーブル121には、取扱媒体を示す項目、放出優先順位を示す項目および取引種別を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの媒体に関する情報を示す。
【0060】
取扱媒体を示す項目には、媒体の種類を示す情報が設定される。放出優先順位を示す項目には、媒体放出に際してどの媒体を優先して先に放出するかを示す優先順位が設定される。取引種別を示す項目には、該当の媒体が各取引において取扱対象となっているかを示すフラグが設定される。取引種別を示す項目には、具体的な取引種別として、引出を示す項目、併用引出(キャッシュカードと預金通帳とを回収して行う預金引出取引)を示す項目、記帳を示す項目、振込を示す項目、振替を示す項目、残高照会を示す項目、定期を示す項目、預入を示す項目が設けられる。
【0061】
取扱媒体パターンテーブル121には、例えば、取扱媒体が“キャッシュカード”、放出優先順位が“1”、引出が“○”、併用引出が“○”,記帳が“○”,振込が“○”、振替が“○”、残高照会が“○”、定期が“○”、預入が“○”という情報が設定される。これは、キャッシュカードが上記取引種別で示される取引の全てにおいて放出対象となることを示している。また、放出の優先順位が“1”、すなわち、他の媒体よりも最優先に放出することを示している。
【0062】
また、取扱媒体パターンテーブル121には、例えば、取扱媒体が“現金”、放出優先順位が“4”、引出が“○”、併用引出が“○”、記帳が“−”(ハイフン)、振込が“−”、振替が“−”、残高照会が“−”、定期が“−”、預入が“−”という情報が設定される。これは、現金が引出および併用引出の取引において放出対象となっており、記帳、振込、振替、残高照会、定期、預入の取引では放出対象となっていないことを示している。
【0063】
可変表示制御部140は、顧客により行われた取引に応じて取扱媒体パターンテーブル121を参照することで、該当の取引で放出対象となる媒体およびその放出順序を特定することができる。そして、可変表示制御部140は、特定した結果に基づいて、可変表示領域130に例えば媒体画像表示部1301,1302,1303,1304および可変表示部1311,1312,1313,1314を表示させる。なお、図5,6は、取引種別が“併用引出”の場合を例示している。
【0064】
図8は、第1の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。ポイントテーブル151は、入賞情報記憶部150に予め格納される。ポイントテーブル151には、等級を示す項目、条件を示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの賞に関する情報を示す。
【0065】
等級を示す項目には、賞の等級を示す情報が設定される。条件を示す項目には、入賞の条件が設定される。ポイントを示す項目には、賞の特典として付与するポイントが設定される。
【0066】
ポイントテーブル151には、例えば、等級が“1”、条件が“全ての桁が7”、ポイントが“20”という情報が設定される。これは、可変表示領域130に表示された各結果情報が全て“7”である場合、“1”等に入賞し“20”ポイントが付与されることを示している。
【0067】
また、ポイントテーブル151には、例えば、等級が“はずれ”、条件が“等級1,2以外の場合”、ポイントが“0”という情報が設定される。これは、可変表示領域130に表示された各結果情報が1等および2等にも該当しない場合は“はずれ”として入賞対象としないことを示している。
【0068】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100の処理に関して説明する。
図9は、第1の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下のステップS11〜S15の各処理は、CPU110が実行する金融取引プログラムにより各ハードウェアの動作が制御されて実現されるものである。
【0069】
[ステップS11]タッチパネル106は、顧客が所望する取引種別を選択する操作入力を受け付ける。
[ステップS12]カードユニット104または通帳ユニット103は、キャッシュカードまたは預金通帳を回収する。
【0070】
[ステップS13]タッチパネル106は、取引種別に応じた引出金額や振込金額などの金額入力を受け付ける。なお、残高照会などでは、当金額入力の受け付けは行われない。
【0071】
[ステップS14]タッチパネル106は、顧客が取引内容を確定する操作入力(確認入力)を受け付ける。
[ステップS15]通信部113は、管理サーバ200と通信して取引内容を管理サーバ200に登録し、管理サーバ200から取引結果を受信する。通信部113が取引結果を受信すると、取引結果に基づきCPU110や各種媒体ユニットにより媒体の放出準備が行われる。なお、各種媒体ユニットとは、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105を示す。
【0072】
[ステップS16]可変表示制御部140は、上記ステップS11においてタッチパネル106が受け付けた取引種別と、制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体パターンテーブル121に基づいて、放出対象の媒体とその放出順序を特定する。
【0073】
[ステップS17]可変表示制御部140は、特定した媒体と放出順序に基づき、可変表示領域130に放出対象とする媒体画像を表示させる。また、可変表示制御部140は、各媒体画像に対応付けて可変表示部を表示させる。
【0074】
[ステップS18]可変表示制御部140は、可変表示領域130の各可変表示部の可変表示を開始させる。
[ステップS19]可変表示制御部140は、全媒体の放出準備が完了するまで待機する。
【0075】
[ステップS20]可変表示制御部140は、次に放出対象となっている媒体を各種媒体ユニットに放出させる。
[ステップS21]可変表示制御部140は、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140が、各種媒体ユニットに設けられた媒体抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS22に移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS21に移される。
【0076】
[ステップS22]可変表示制御部140は、抜き取られた媒体に対応する可変表示領域130の可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。可変表示制御部140は、該当の可変表示部の可変表示を停止させ、決定した結果情報を表示させる。
【0077】
[ステップS23]可変表示制御部140は、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS24に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS20に移される。
【0078】
[ステップS24]判定部160は、可変表示制御部140から、可変表示制御部140が可変表示領域130の各可変表示部に表示させた結果情報の組を取得する。
[ステップS25]判定部160は、入賞情報記憶部150に記憶されたポイントテーブル151を参照して、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。入賞対象である場合、処理がステップS26に移される。入賞対象でない場合、処理が完了する。
【0079】
[ステップS26]可変表示制御部140は、判定部160により入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、可変表示領域130に入賞した旨(“当たり!”の文字列)を演出表示させる。なお、演出表示の方法は、入賞した賞の等級によって変更することが考えられる。
【0080】
[ステップS27]ポイント処理部170は、判定部160により入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、入賞情報記憶部150に記憶されたポイントテーブル151を参照して、該当の顧客に付与するポイントを特定する。ポイント処理部170は、特定したポイントを管理サーバ200に送信し、顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0081】
このように、自動取引装置100は、放出した媒体が顧客により抜き取られたタイミングで対応する可変表示部の可変表示を停止させる。このように、可変表示部の停止動作に対して、顧客の動作を介入させることで、顧客の興趣を向上することが可能となる。
【0082】
図10は、第1の実施の形態の媒体放出時の第1の画面表示例を示す図である。取引処理待ち画面410および媒体放出画面420は、ディスプレイ107に表示される画面である。なお、以下では、放出対象の媒体がキャッシュカード、預金通帳、レシートおよび現金である場合を例示する。
【0083】
取引処理待ち画面410は、放出媒体が特定されたタイミングでディスプレイ107に表示される。可変表示領域130は、例えば、取引処理待ち画面410の表示と共に、その一部領域に表示される。このとき、可変表示部1311,1312,1313,1314は可変表示されている。また、取引処理待ち画面410と共に可変表示領域130において事前に放出対象の媒体を顧客に示しておくことで、顧客は自身が抜き取る必要のある媒体を予め認識することができる。
【0084】
媒体放出画面420は、取引処理が完了し、媒体の放出準備が整うと取引処理待ち画面410から遷移して表示される。このとき、カードユニット104のカード出入口からキャッシュカードが放出されると共に、“カードをお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、キャッシュカードが顧客により抜き取られると、キャッシュカードに対応する可変表示部1311の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0085】
次に、通帳ユニット103から預金通帳が放出されると共に“通帳をお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、預金通帳が顧客により抜き取られると、預金通帳に対応する可変表示部1312の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0086】
次に、レシートユニット105からレシートが放出されると共に、“レシートをお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、レシートが顧客により抜き取られると、レシートに対応する可変表示部1313の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0087】
図11は、第1の実施の形態の媒体放出時の第2の画面表示例を示す図である。媒体放出画面430,440は、ディスプレイ107に表示される画面である。なお、媒体放出画面430は、媒体放出画面420の後であって、更にレシートが抜き取られた後に表示される画面である。
【0088】
媒体放出画面440は、媒体放出画面430から遷移して表示される。このとき、紙幣ユニット101または硬貨ユニット102から現金が放出されると共に“現金をお受け取り下さい”のメッセージが画面に表示される。そして、現金が抜き取られると、現金に対応する可変表示部1314の可変表示が停止されて、結果情報が表示される。
【0089】
このタイミングで、可変表示部1311,1312,1313,1314の結果情報の組み合わせが確定する。そして、確定した組み合わせが入賞対象である場合、可変表示領域130に入賞を通知する演出表示が行われる。なお、入賞の通知はスピーカ109から音声を発して行ってもよい。また、紙幣と硬貨とを別個にし、それぞれに関して可変表示部を設けるようにしてもよい。
【0090】
このように、自動取引装置100では、放出する媒体に対応した可変表示部が、各媒体が顧客により抜き取られたタイミングで対応する可変表示部の可変表示を停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置100からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。また、可変表示の開始・停止を顧客の抜き取り操作に連動して行うことで、可変表示部の停止動作に顧客を介入させて顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0091】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0092】
第2の実施の形態の自動取引装置は、第1の実施の形態の自動取引装置100とは取引処理の手順が異なる。具体的には、第1の実施の形態の自動取引装置100は、顧客による媒体の抜き取りに連動して可変表示部の可変表示を停止するものとした。これに対し、第2の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部の停止後に媒体の放出を行う。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0093】
第2の実施の形態の自動取引装置の外観、ハードウェア構成、機能構成およびデータ構成は、図2〜8に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観、ハードウェア構成、機能構成およびデータ構成と同一であるため説明を省略する。ただし、図5で説明したように、媒体の抜き取りに連動して可変表示部の可変表示を停止するものでないことに留意されたい。
【0094】
図12は、第2の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、ステップS11〜S18およびステップS24〜S27の処理に関しては、第1の実施の形態の図9において同一のステップ番号を付して説明した処理と同一であるため、その説明を省略する。また、各構成に付した符号は、説明の便宜上、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を用いて説明する。
【0095】
[ステップS19a]可変表示制御部140は、所定時間待機(例えば数秒)する。
[ステップS20a]可変表示制御部140は、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。そして、可変表示制御部140は、該当の可変表示部の可変表示を停止させ、決定した結果情報を表示させる。
【0096】
[ステップS21a]可変表示制御部140は、上記ステップS20aにおいて操作した可変表示部に対応する媒体の放出を各種媒体ユニットに実行させる。
[ステップS22a]可変表示制御部140は、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140が、各種媒体ユニットに設けられた媒体の抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS23aに移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS22aに移される。
【0097】
[ステップS23a]可変表示制御部140は、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS24に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS19aに移される。
【0098】
このように、第2の実施の形態の自動取引装置では、媒体放出と連動して可変表示領域130の可変表示部を可変表示させる。すなわち、媒体放出が開始されてから、または、前の媒体が抜き取られてから所定時間が経過すると次の媒体に対応する可変表示部の可変表示を停止し、該当の媒体を放出する。
【0099】
ここで、上記ステップS19a,S20aでは、所定時間待機した後に次の放出対象の媒体の可変表示を停止するものとした。ただし、可変表示の停止のタイミングの決定は、このような方法に限られない。例えば、ディスプレイ107に顧客による可変表示の停止操作を受け付ける操作部を表示し、この停止操作をタッチパネル106で受け付けたタイミングで該当の媒体の可変表示部の可変表示を停止することが考えられる。
【0100】
上述したように第2の実施の形態の自動取引装置では、放出する媒体に対応した可変表示部が、各媒体の放出のタイミングでその可変表示を開始・停止して識別情報を表示し、表示結果の組み合わせによって入賞か否かが決定される。このため、顧客に対して自動取引装置からの媒体抜き取りの際に表示結果が入賞対象の組み合わせになるか否かの期待をもたせることができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0101】
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1,2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0102】
第3の実施の形態の自動取引装置は、第1,2の実施の形態の自動取引装置とは、可変表示部の可変表示の方法が異なる。第1,2の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部をスロットマシンのような方式で表示するものとしたが、第3の実施の形態の自動取引装置では、可変表示部をスクラッチくじのような方式で表示する。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0103】
第3の実施の形態の自動取引装置の外観およびハードウェア構成は、図2,3に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観およびハードウェア構成と同一であるため説明を省略する。
【0104】
図13は、第3の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100aは、制御情報記憶部120、可変表示領域130c、可変表示制御部140a、入賞情報記憶部150a、判定部160a、ポイント処理部170を有する。なお、自動取引装置100aのこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。また、制御情報記憶部120、ポイント処理部170に関しては、図4で示した第1の実施の形態の自動取引装置100において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0105】
可変表示領域130cは、ディスプレイ107の画面上の領域である。可変表示領域130cは、所定のタイミングで可変表示制御部140aによりディスプレイ107の画面上に出力される。可変表示領域130cは、複数の可変表示部を備える。可変表示部の数は、放出対象の媒体の数と同一となる。ここで、第3の実施の形態の可変表示部では、第1,2の実施の形態の可変表示部と異なり、スクラッチくじのような方式で可変表示を行う。各可変表示部の表示内容は可変表示制御部140aにより制御される。このような可変表示領域130cの詳細に関しては後述する。
【0106】
可変表示制御部140aは、タッチパネル106から受け付けた操作入力の内容や制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体情報に基づいて、可変表示領域130cの表示内容を操作する。具体的には、放出対象の媒体の数の可変表示部をマス状に可変表示領域130cに表示させる。このとき、可変表示部は、どの媒体と対応付けられているか顧客には分からないようになっている(以下、マスク状態とよぶ)。そして、所定のタイミングでマスク状態の可変表示部の何れかのマスクを解除し、媒体画像を表示させることで、顧客に次に放出対象となる媒体を通知する。このとき、可変表示制御部140aは、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を該当の可変表示部に表示させる。可変表示制御部140aは、可変表示領域130cの操作と連動して、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104およびレシートユニット105による各種媒体の放出動作を制御する。
【0107】
入賞情報記憶部150aは、入賞とする識別情報の組み合わせと組み合わせに応じた付与ポイントとを定義したポイント情報を記憶する。
判定部160aは、可変表示領域130cに結果情報が表示されると、その結果情報の組を可変表示制御部140aから取得する。判定部160aは、入賞情報記憶部150aに記憶された入賞情報に基づいて、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。
【0108】
図14は、第3の実施の形態の可変表示領域の表示例を示す図である。なお、以下の例では、取り扱う媒体の種類が4種類である場合の表示内容を示すものとする。可変表示領域130cは、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cを有する。
【0109】
可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cは、放出対象の媒体を示す媒体画像と複数の識別情報の何れかである結果情報とをマスク状態で表示する。そして、所定のタイミングで、マスク状態を解除し、対応する媒体画像と結果情報とを表示する。第3の実施の形態の可変表示部は、このようにマスク状態からマスク解除状態へと可変表示する。このとき、例えば識別情報“Lucky!”または“Unlucky”の何れかの文字列が選択されて媒体画像と共に表示される。識別情報としては、文字列以外にも各種文字や記号などを用いることができる。いずれの識別情報を表示するかは、可変表示制御部140aによって決定される。可変表示制御部140aは、この決定処理を例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数を用いて実行することができる。このようにして決定された識別情報は、第1,2の実施の形態における結果情報に対応する。
【0110】
可変表示制御部140aは、取り扱う媒体の種類に応じて可変表示部の数および表示内容を変更する。例えば、取り扱う媒体の種類が3種類の場合には、可変表示部の数は3つとなる。
【0111】
可変表示制御部140aは、媒体の放出に連動して可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cの可変表示を制御する。具体的には、自動取引装置100aにおいて放出対象の4種類の媒体が特定されると、可変表示制御部140aは、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cをディスプレイ107に表示させる。このとき、可変表示部1311c,1312c,1313c,1314cは、全てマスク状態である。更に、可変表示制御部140aは、最初の放出対象であるキャッシュカードに対応する可変表示部1311cのマスクを解除する。このとき、可変表示部1311cに何れかの識別情報(例えば、“Unlucky”)をキャッシュカードの画像と共に表示させる。そして、可変表示制御部140aは、カードユニット104にキャッシュカードを放出させる。次に、可変表示制御部140aは、可変表示部1312cのマスクを解除する。このとき、可変表示部1312cに何れかの識別情報(例えば、“Lucky!”)を預金通帳の画像と共に表示させる。そして、可変表示制御部140aは、通帳ユニット103に預金通帳を放出させる。以下、同様にして、可変表示部1313c,1314cのマスクが解除されるたびに何れかの識別情報と共に媒体画像が表示され、対応する媒体が各種媒体ユニットから放出される。
【0112】
図15は、第3の実施の形態のポイントテーブルのデータ構造例を示す図である。ポイントテーブル152は、入賞情報記憶部150aに予め格納される。ポイントテーブル152には、等級を示す項目、条件を示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの賞に関する情報を示す。
【0113】
等級を示す項目には、賞の等級を示す情報が設定される。条件を示す項目には、入賞の条件が設定される。ポイントを示す項目には、賞の特典として付与するポイントが設定される。
【0114】
ポイントテーブル152には、例えば、等級が“1”、条件が“全て“Lucky!””、ポイントが“20”という情報が設定される。これは、可変表示領域130cに表示された各結果情報が全て“Lucky!”である場合、“1”等に入賞し“20”ポイントが付与されることを示している。
【0115】
また、ポイントテーブル152には、例えば、等級が“はずれ”、条件が““Lucky!”無し”、ポイントが“0”という情報が設定される。これは、可変表示領域130cに表示された各結果情報に“Lucky!”が1つも含まれない場合は“はずれ”として入賞対象としないことを示している。
【0116】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100aの処理に関して説明する。
図16は、第3の実施の形態の取引処理の手順を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下のステップS31〜S35の各処理は、CPU110が実行する金融取引プログラムにより各ハードウェアの動作が制御されて実現されるものである。
【0117】
[ステップS31]タッチパネル106は、顧客が所望する取引種別を選択する操作入力を受け付ける。
[ステップS32]カードユニット104または通帳ユニット103は、キャッシュカードまたは預金通帳を回収する。
【0118】
[ステップS33]タッチパネル106は、取引種別に応じた引出金額や振込金額などの金額入力を受け付ける。なお、残高照会などでは、当金額入力の受け付けは行われない。
【0119】
[ステップS34]タッチパネル106は、顧客が取引内容を確定する操作入力(確認入力)を受け付ける。
[ステップS35]通信部113は、管理サーバ200と通信して取引内容を管理サーバ200に登録し、管理サーバ200から取引結果を受信する。通信部113が取引結果を受信すると、取引結果に基づきCPU110や各種媒体ユニットにより媒体の放出準備が行われる。
【0120】
[ステップS36]可変表示制御部140aは、上記ステップS31においてタッチパネル106が受け付けた取引種別と、制御情報記憶部120に記憶された取扱媒体パターンテーブル121に基づいて、放出対象の媒体とその放出順序を特定する。
【0121】
[ステップS37]可変表示制御部140aは、特定した放出媒体の数だけ、可変表示領域130cに可変表示部を表示させる。
[ステップS38]可変表示制御部140aは、所定時間待機(例えば数秒)する。なお、このとき次に放出する媒体に対応する可変表示部に点滅、形状・模様変更などを施して演出表示してもよい。
【0122】
[ステップS39]可変表示制御部140aは、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部に表示させる結果情報を決定する。この決定処理は、例えば擬似乱数生成器により生成された擬似乱数などを用いて行うことができる。
【0123】
[ステップS40]可変表示制御部140aは、次に放出対象となっている媒体に対応する可変表示部のマスクを解除する。このとき、マスクが解除された可変表示部には、対応する媒体画像と共に上記ステップS39において可変表示制御部140aによって決定された結果情報が表示される。
【0124】
[ステップS41]可変表示制御部140aは、上記ステップS20において操作した可変表示部に対応する媒体の放出を各種媒体ユニットに実行させる。
[ステップS42]可変表示制御部140aは、各種媒体ユニットが放出した媒体が顧客により抜き取られたか否かを判定する。この判定は、可変表示制御部140aが、各種媒体ユニットに設けられた媒体の抜き取りの有無を検出するセンサの検出内容を取得することで行うことができる。放出した媒体が抜き取られた場合、処理がステップS43に移される。放出した媒体が抜き取られていない場合、処理がステップS42に移される。
【0125】
[ステップS43]可変表示制御部140aは、今回放出した媒体が最終に放出される媒体であったか否かを判定する。最終媒体であった場合、処理がステップS44に移される。最終媒体でない場合、処理がステップS38に移される。
【0126】
[ステップS44]判定部160aは、可変表示制御部140aから、可変表示制御部140aが可変表示領域130cの各可変表示部に表示させた結果情報の組を取得する。
[ステップS45]判定部160aは、入賞情報記憶部150aに記憶されたポイントテーブル152を参照して、取得した結果情報の組が入賞対象の組み合わせであるか否かを判定する。入賞対象である場合、処理がステップS46に移される。入賞対象でない場合、処理が完了する。
【0127】
[ステップS46]可変表示制御部140aは、判定部160aにより入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、可変表示領域130cに入賞した旨(例えば“当たり!”の文字列)を表示させる。
【0128】
[ステップS47]ポイント処理部170は、判定部160aにより入賞対象と判定された旨の判定結果を取得すると、入賞情報記憶部150aに記憶されたポイントテーブル152を参照して、該当の顧客に付与するポイントを特定する。ポイント処理部170は、特定したポイントを管理サーバ200に送信し、顧客情報記憶部210に記憶された該当顧客のポイントを更新する。
【0129】
このように、自動取引装置100aは、媒体放出と連動して可変表示領域130cの可変表示部のマスクを解除する。すなわち、媒体放出が開始されてから、または、前の媒体が抜き取られてから所定時間が経過すると次の媒体に対応する可変表示部のマスクを解除し、該当の媒体を放出する。
【0130】
ここで、上記ステップS38〜S40では、所定時間待機した後に次の放出対象の媒体のマスクを解除するものとした。ただし、マスク解除のタイミングの決定は、このような方法に限られない。例えば、ディスプレイ107に顧客によるマスク解除操作を受け付ける操作部を表示し、このマスク解除操作をタッチパネル106で受け付けたタイミングで該当の媒体の可変表示部の可変表示を停止することが考えられる。更に、マスク解除操作の対象とする可変表示部を任意として、顧客が指定した可変表示部につき順次マスク解除を行い、選択された順で媒体を放出することも考えられる。
【0131】
このようにすると、顧客は次に放出される媒体がどの媒体なのか、可変表示部のマスクが解除されるまで知ることができない。したがって、顧客を可変表示部の表示内容に注目させることができる。また、マスクが解除されたタイミングで顧客は初めて次の放出媒体を知ることになり、直後に放出される媒体の抜き取りを意識させることができる。更に、マスクが解除されると、媒体画像と共に複数の識別情報の何れか(結果情報)を可変表示部に表示させ、全媒体の放出後に、表示された結果情報の組み合わせにより入賞の有無が判定される。このため、顧客の興趣を向上することができる。これにより、媒体放出に際して顧客の注意を引き、顧客に媒体の抜き取りを意識させることができる。その結果、媒体の取り忘れの防止を図ることができる。
【0132】
[第4の実施の形態]
以下、第4の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1,2,3の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0133】
第4の実施の形態の自動取引装置は、第1,2,3の実施の形態の自動取引装置で万が一媒体の取り忘れが検知された場合にも対応できるようにするものである。具体的には、音声を用いて顧客に取り忘れを気付かせる。以下では、このような自動取引装置に関して説明する。
【0134】
第4の実施の形態の自動取引装置の外観およびハードウェア構成は、図2,3に示した第1の実施の形態の自動取引装置100の外観およびハードウェア構成と同一であるため説明を省略する。
【0135】
図17は、第4の実施の形態の自動取引装置の機能構成を示す図である。自動取引装置100bは、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160、ポイント処理部170および報知処理部180を有する。なお、自動取引装置100bのこれらの機能は、CPU110が所定のプログラムを実行することで実現される。また、制御情報記憶部120、可変表示領域130、可変表示制御部140、入賞情報記憶部150、判定部160およびポイント処理部170に関しては、図4で示した第1の実施の形態の自動取引装置100において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0136】
報知処理部180は、紙幣ユニット101、硬貨ユニット102、通帳ユニット103、カードユニット104、レシートユニット105において媒体の抜き取りが行われたか否かを監視する。報知処理部180は、このような監視を各種媒体ユニットに設けられた抜き取りの有無を検出するセンサの検出結果を取得することで行うことができる。また、報知処理部180は、対人センサ108による顧客の存在の有無の検出結果を取得し、自動取引装置100bの前面に顧客が存在しているか否かを監視する。報知処理部180は、これらの監視結果に基づき、各種媒体の抜き取りがなく、かつ、自動取引装置100bの前面に顧客が存在していないと判定した場合、スピーカ109から媒体の取り忘れを報知するための警告音を出力する。このとき報知処理部180は、管理サーバ200の顧客情報記憶部210に記憶された顧客情報から、音声の内容を特定する。顧客情報には、例えば、顧客の住所やニックネームなどが予め登録されている。報知処理部180は、このような情報を含めたメッセージをスピーカ109を介して音声出力する。
【0137】
図18は、第4の実施の形態の顧客管理テーブルのデータ構造例を示す図である。顧客管理テーブル211は、顧客情報記憶部210に予め格納される。顧客管理テーブル211には、顧客ID(Identifier)を示す項目、氏名を示す項目、口座番号を示す項目、住所を示す項目、ニックネームを示す項目およびポイントを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、一人の顧客の情報を示す。
【0138】
顧客IDを示す項目には、顧客に付与された識別情報が設定される。氏名を示す項目には、顧客の氏名が設定される。口座番号を示す項目には、顧客の口座番号が設定される。住所を示す項目には、顧客の住所が設定される。ニックネームを示す項目には、顧客のニックネームが設定される。ニックネームを示す項目には、顧客の希望に応じたニックネームが予め登録される。ポイントを示す項目には、顧客に付与されたポイントが設定される。
【0139】
顧客管理テーブル211には、例えば、顧客IDが“0001”、氏名が“富士太郎”、口座番号が“1111111”、住所が“東京都千代田区”、ニックネームが“タロウ”、ポイントが“100”という情報が設定される。
【0140】
次に、以上のような構成を有する自動取引装置100bの処理に関して説明する。なお、自動取引装置100bにおける取引処理の手順に関しては、第1,2の実施の形態で示した自動取引装置100の取引処理の手順と同一である。また、第3の実施の形態の取引手順を適用してもよい。自動取引装置100bでは、このような取引処理を行った結果、万が一取り忘れが起こった場合に取り忘れを報知する。
【0141】
図19は、第4の実施の形態の取り忘れ報知処理の手順を示すフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の処理は、自動取引装置100bの取引処理(例えば、図9のステップS18〜S22の処理)の間に並行して実行されるものである。すなわち、例えば、媒体の放出が開始されると、報知処理部180により以下の処理が開始される。
【0142】
[ステップS51]報知処理部180は、顧客が自動取引装置100bの前から立ち去ったか否かを判定する。この判定は、対人センサ108による顧客の存在の有無の検出結果を取得することで行うことができる。顧客が装置前から立ち去った場合、処理がステップS52に移される。顧客が装置前から立ち去っていない場合処理がステップS51に移される(すなわち、顧客が立ち去ったかを継続的に監視する)。
【0143】
[ステップS52]報知処理部180は、抜き取られていない媒体が存在するか否かを判定する。この判定は、各種媒体ユニットに設けられた抜き取りの有無を検出するセンサの検出結果を取得することで行うことができる。抜き取られていない媒体が存在する場合、処理がステップS53に移される。抜き取られていない媒体がない場合、処理が完了する。
【0144】
[ステップS53]報知処理部180は、顧客情報記憶部210に記憶された顧客管理テーブル211を参照して、該当の顧客の情報を取得する。ここで取得される情報としては、例えば、顧客のニックネームや住所が考えられる。
【0145】
[ステップS54]報知処理部180は、取得した顧客情報を用いて、媒体の取り忘れがあることを報知する。報知処理部180は、例えば、「タロウさん、通帳の取り忘れがあります。」、「東京都千代田区にお住まいのタロウさん、現金の取り忘れがあります。」などのメッセージを生成して、スピーカ109を介して音声出力する。
【0146】
このように、自動取引装置100bでは、万が一取り忘れが起こったとしても、顧客に関連のある内容のメッセージを生成して、報知する。このため、顧客は、報知されたメッセージが自身に投げかけられていることを気付き易くなる。その結果、顧客の注意が散漫であるようなときや、自動取引装置が複数台設置された店舗であっても、顧客は自身の取り忘れを認識し易くなる。
【0147】
なお、取り忘れを報知するメッセージに含む情報は、管理サーバ200に登録しておくこととしたが、このような構成に限らない。例えば、顧客の所持するキャッシュカードが備えるICに予め記憶しておくことも考えられる。また、報知するメッセージに含む情報としても、顧客の住所やニックネームに限らず、顧客の好みのメッセージや音楽などとすることも考えられる。
【0148】
以上、本発明の自動取引装置および自動取引方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0149】
10 自動取引装置
11 媒体放出部
12,12a,12b,12c,12d 可変表示部
13 可変表示制御部
14 入賞情報記憶部
15 判定部
16 入賞処理部
21,22,23,24 媒体情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数の可変表示部の前記可変表示を開始させ、所定の媒体放出順序により特定される媒体を前記媒体放出部に放出させ、その後、前記媒体放出部が保持する当該媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとし、当該媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項5】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項5記載の自動取引装置。
【請求項7】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数の可変表示部の前記可変表示を開始させ、所定の可変表示終了条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を前記媒体放出部に放出させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項8】
前記可変表示制御部は、前記複数の可変表示部の可変表示の開始あるいは前回の媒体抜き取り時点から所定時間が経過したか否かを判定し、前記所定時間が経過したと判定した場合、前記可変表示終了条件が成立したものとすることを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の可変表示を停止させるための前記顧客による操作入力を受け付ける操作部を更に有し、
前記可変表示制御部は、前記操作部が前記操作入力を受け付けると、前記可変表示終了条件が成立したものとする、
ことを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項11】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置。
【請求項12】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項11記載の自動取引装置。
【請求項13】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項7乃至12の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項14】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項13記載の自動取引装置。
【請求項15】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、当該媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から当該媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部の前記非表示状態を当該媒体の媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を前記媒体放出部に放出させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項16】
前記可変表示制御部は、前記複数の可変表示部の可変表示の開始あるいは前回の媒体抜き取り時点から所定時間が経過したか否かを判定し、前記所定時間が経過したと判定した場合、前記可変表示条件が成立したものとすることを特徴とする請求項15記載の自動取引装置。
【請求項17】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項16記載の自動取引装置。
【請求項18】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項17記載の自動取引装置。
【請求項19】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項18記載の自動取引装置。
【請求項20】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項15乃至19の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項21】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項20記載の自動取引装置。
【請求項22】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の前記可変表示を開始し、
所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部から放出し、前記媒体放出部が保持する当該媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとして、当該媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【請求項23】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の前記可変表示を開始し、
所定の可変表示終了条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を媒体放出部から放出し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【請求項24】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示終了条件が成立するたびに、前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ当該媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から当該媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部のうち、所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定し、
当該可変表示部の前記非表示状態を当該媒体の媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を媒体放出部から放出し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【請求項1】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数の可変表示部の前記可変表示を開始させ、所定の媒体放出順序により特定される媒体を前記媒体放出部に放出させ、その後、前記媒体放出部が保持する当該媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとし、当該媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項5】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項5記載の自動取引装置。
【請求項7】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数の可変表示部の前記可変表示を開始させ、所定の可変表示終了条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を前記媒体放出部に放出させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項8】
前記可変表示制御部は、前記複数の可変表示部の可変表示の開始あるいは前回の媒体抜き取り時点から所定時間が経過したか否かを判定し、前記所定時間が経過したと判定した場合、前記可変表示終了条件が成立したものとすることを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の可変表示を停止させるための前記顧客による操作入力を受け付ける操作部を更に有し、
前記可変表示制御部は、前記操作部が前記操作入力を受け付けると、前記可変表示終了条件が成立したものとする、
ことを特徴とする請求項7記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項11】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置。
【請求項12】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項11記載の自動取引装置。
【請求項13】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項7乃至12の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項14】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項13記載の自動取引装置。
【請求項15】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置であって、
前記複数種類の媒体を放出して保持する媒体放出部と、
前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ、当該媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から当該媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部と、
所定の可変表示条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部の前記非表示状態を当該媒体の媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を前記媒体放出部に放出させる可変表示制御部と、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する入賞処理部と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項16】
前記可変表示制御部は、前記複数の可変表示部の可変表示の開始あるいは前回の媒体抜き取り時点から所定時間が経過したか否かを判定し、前記所定時間が経過したと判定した場合、前記可変表示条件が成立したものとすることを特徴とする請求項15記載の自動取引装置。
【請求項17】
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記可変表示制御部から前記各可変表示部の結果情報を取得し、入賞する前記結果情報の組み合わせを定義した入賞情報を記憶する入賞情報記憶部を参照して、取得した結果情報の組み合わせが入賞対象であるか否かを判定する判定部を更に有し、
前記入賞処理部は、前記判定部が前記入賞対象と判定した場合、前記入賞処理を実行する、
ことを特徴とする請求項16記載の自動取引装置。
【請求項18】
前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報には、前記結果情報の組み合わせに応じた賞の等級と顧客に付与するポイントとが定義されており、
前記入賞処理部は、前記入賞情報記憶部に記憶された前記入賞情報に基づいて、前記結果情報の組み合わせから特定される前記賞の等級に応じた前記ポイントを特定し、特定した前記ポイントを用いて、顧客情報記憶部に記憶された顧客情報に含まれる前記顧客のポイント情報を更新する、
ことを特徴とする請求項17記載の自動取引装置。
【請求項19】
前記判定部が前記結果情報の組み合わせが入賞対象と判定すると、入賞した旨を賞の等級に応じて演出表示する演出表示部を更に有することを特徴とする請求項18記載の自動取引装置。
【請求項20】
自装置の前面に前記顧客が存在するか否かを検出する対人センサと、
前記対人センサが自装置の前面に前記顧客が存在しないことを検出し、かつ、前記媒体放出部に備えられたセンサが前記媒体放出部により保持された前記複数の媒体の何れかが顧客により抜き取られていないと検出すると、当該媒体の取り忘れがあることを報知する報知部と、
を更に有することを特徴とする請求項15乃至19の何れか1項に記載の自動取引装置。
【請求項21】
前記報知部は、前記媒体の取り忘れの報知に際し、報知情報記憶部に記憶された報知情報に含まれる顧客の住所またはニックネームを含むメッセージを音声出力することを特徴とする請求項20記載の自動取引装置。
【請求項22】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示開始条件が成立すると、前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の前記可変表示を開始し、
所定の媒体放出順序により特定される媒体を媒体放出部から放出し、前記媒体放出部が保持する当該媒体が抜き取られたことを検出すると所定の可変表示終了条件が成立したものとして、当該媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【請求項23】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示開始条件が成立すると、複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ複数の識別情報を可変表示し前記複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報を表示する複数の可変表示部の前記可変表示を開始し、
所定の可変表示終了条件が成立するたびに前記複数の可変表示部のうち所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定して、当該可変表示部に当該結果情報を表示させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を媒体放出部から放出し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【請求項24】
顧客に対して複数種類の媒体を放出する自動取引装置の自動取引方法であって、
前記自動取引装置が、
所定の可変表示終了条件が成立するたびに、前記複数種類の媒体それぞれを示す媒体情報に対応付けて設けられ当該媒体情報と複数の識別情報の何れか1つを示す結果情報とを非表示する非表示状態から当該媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更するよう可変表示する複数の可変表示部のうち、所定の媒体放出順序により特定される媒体に対応する可変表示部の前記結果情報を決定し、
当該可変表示部の前記非表示状態を当該媒体の媒体情報と当該結果情報とを表示する表示状態に変更させると共に、当該可変表示部に対応する前記媒体を媒体放出部から放出し、
前記複数の可変表示部の全てにつき前記結果情報が表示されると、前記各可変表示部の前記結果情報の組み合わせに応じて、前記顧客に有利な特典を与える所定の入賞処理を実行する、
ことを特徴とする自動取引方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−198160(P2010−198160A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40410(P2009−40410)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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