説明

自動取引装置

【課題】自動取引装置において、セキュリティの高い認証機能を保持しつつ、使い勝手を良好にすること。
【解決手段】自動取引装置1は、カードに格納された情報の読み取りおよびカードへ情報の書き込みを行うカード部18と、取引情報を入力する入力部15と、生体情報を読み取る生体情報読取部22と、カード部で読み取った情報、入力部22より入力された取引情報、および生体情報読取部22で読み取った生体情報に基づいて、生体情報認証処理および取引処理を行う制御部と、を備える。制御部は、生体情報読取部22で読み取った生体情報を認証する手段と、認証された生体情報と入力部15より入力された取引情報とを関連付けてカード部18に出力する手段と、カード部18で読み取られた生体情報に関連付けられた取引情報と生体情報読取部22で読み取った生体情報とに基づいて取引処理を行う手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に係り、特に生体認証機能を備えた自動取引装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置に用いる磁気カードやICカードの認証用として暗証番号が広く普及している。近年、遺失や盗難等による不正行使の恐れも少ないセキュリティ方式として、指紋情報や虹彩情報や静脈情報(血管パターン)といった個人の体の一部を鍵として用いる生体情報認証が注目されている。
【0003】
生体情報を利用した従来の個人認証システムとしては、特開2000−215172号公報(特許文献1)に示されたものがある。
【0004】
この個人認証システムは、登録された使用者であることを特定できる個入情報を格納するICカードと、使用者個人の認証を必要としブログラム制御により動作するコンピュータと、指紋/ICカード読取機能付き入力装置と、表示機能を有しコンピュータのプログラム処理結果を出力または表示する出力装置とにより構成されている。
【0005】
ICカードには、暗証番号、指紋情報(生体情報)、コンピュータ起動用のパスワードなどの各種情報が格納されている。指紋/ICカード読取機能付き入力装置は、暗証番号を入力する入力装置と、指紋情報を図形情報として入力する指紋読取装置と、ICカードから暗証番号、指紋情報、パスワードなどを読み取るICカードリーダとを備えている。
【0006】
コンピュータには、使用者であることを特定できるパスワードが登録され、かつ、ICカードリーダから出力される指紋情報、パスワードなどの情報と、指紋読取装置から出力される指紋情報及び該コンピュータに登録されているパスワードを照合する照合装置が内蔵されている。この照合装置により照合された結果は、出力装置4により出力または表示される。なお、前記ICカードには、暗証番号により指紋情報とパスワードヘのアクセスを制御する保護手段、及び暗証番号入力装置より入力された暗証番号と該ICカード1に格納された暗証番号とを照合する照合手段が備えられている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−215172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例によれば、指紋情報(生体情報)による認証を可能としているので、遺失や盗難などによる不正使用の恐れが少ないセキュリティ方式となっているものの、自動取引装置における取引操作を容易にすることについては配慮されていない。すなわち、自動取引装置を用いて取引を行うには、セキュリティの高い認証と共に、引出、振込、預入、および残高照会などの取引情報を入力する操作が必要であるが、前記従来例には取引情報の入力操作に関して開示されていない。従来一般的には、自動取引装置を用いて取引を行う際に、認証のための入力操作と取引情報の入力操作とを独立した操作として行うようになっているため、操作工程が多く、手間と時間を要するものとなっていた。特に、カードを使用して引出の操作しか行わない場合、使用頻度の高い取引情報を何度も同じ入力操作する場合、取引情報として取引内容や取引金額や振込詳細などの複数の入力操作する場合などに、利用者にとってその操作が面倒な印象を強く与えており、使い勝手の改善が望まれていた。
【0009】
本発明の目的は、セキュリティの高い認証機能を保持しつつ、使い勝手の良好な自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、カードに格納された情報の読み取りおよびカードへ情報の書き込みを行うカード部と、取引情報を入力する入力部と、生体情報を読み取る生体情報読取部と、前記カード部で読み取った情報、前記入力部より入力された取引情報、および前記生体情報読取部で読み取った生体情報に基づいて、生体情報認証処理および取引処理を行う制御部と、を備える自動取引装置であって、前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った生体情報を認証する手段と、前記カード部で読み取られた前記生体情報に関連付けられた取引情報と前記生体情報読取部で読み取った生体情報とに基づいて取引処理を行う手段とを備えるものである。
【0011】
係る本発明におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)生体情報読取部は指静脈情報を読み取るものであり、前記制御部は前記生体情報読取部で読み取った指静脈情報に基づいて指静脈情報認証および取引処理を行うものであること。
(2)前記制御部は、前記認証された生体情報と前記入力部より入力された取引情報とを関連付けて前記カード部に出力する手段をさらに有すること。
(3)前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った複数の指静脈情報のそれぞれに、前記入力部より入力された複数の取引情報を関連付けて、前記カード部に出力する手段を備えること。
【0012】
本発明の第2の態様は、カードに格納された情報の読み取りおよびカードへ情報の書き込みを行うカード部と、取引情報を入力する入力部と、生体情報を読み取る生体情報読取部と、前記カード部で読み取った情報、前記入力部より入力された取引情報、および前記生体情報読取部で読み取った生体情報に基づいて、生体情報認証処理および情報登録処理を行う制御部と、を備える情報登録端末であって、前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った生体情報を認証する手段と、前記認証された生体情報と前記入力部より入力された取引情報とを関連付けて前記カード部に出力し、前記生体情報と前記取引情報とを関連付けて登録する手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、セキュリティの高い認証機能を保持しつつ、使い勝手の良好な自動取引装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1から図8を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatic Teller Machine)のような自動取引装置に関する。
【0015】
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る自動取引装置1の概略構造を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る自動取引装置1の上部斜視図である。
【0016】
図1において、符号1で総括的に示すのは、金融機関等のロビーなどに設置される自動取引装置である。本実施形態では、自動取引装置1としてATMの例で説明する。自動取引装置1は、直方体の前面上方の一部分が側面から見てL字形に切り欠かれた開口部を有する本体筐体10と、L字形の開口部を塞ぐように配置され、側面から見てL字形に形成されたフロントパネル11とから構成されている。
【0017】
本体筐体10は、前面が開口したベース筐体12と、このベース筐体12の前面下方に設けられた板状の前面扉13と、ベース筐体12の背面に配置された板状の背面扉14とを有している。ベース筐体12は、各種の取引処理を行う機構部、例えば、図2に示す、タッチパネル付表示部220、カード部221、通帳明細印字部222、伝送制御部223、記憶装置部224、硬貨入出金部225、紙幣入出金部226、電源部227、生体認証部228、制御部229等を内蔵している。タッチパネル付表示部220は情報の入力装置および出力装置としての機能を備えており、カード部221はIDカード212(図2、図3参照)の読取装置および出力装置としての機能を備えている。そして、タッチパネル付表示部220の操作表示部15や各部の媒体口18、19、23、24や生体認証部228の生体情報読取部22はフロントパネル11から露出するように配置されている。
【0018】
L字形のフロントパネル11は、本体正面の垂直面を形成するパネル部16と、水平面を構成するテーブル部17とを備えている。本実施形態では、垂直面を構成する前記パネル部16の中央にカード/明細票取扱口18や通帳取扱口19からなる媒体取扱部20が配置され、水平面を構成するテーブル部17の中央に操作表示部15、その両側に非常時の連絡用のハンドセット21と生体認証部228の生体情報読取部22が配置され、水平面と垂直面の角部には紙幣挿入/排出口23と硬貨挿入/排出口24が並設されている。
【0019】
次に、図2を参照して、この自動取引装置1が設置される金融機関システムの構成と自動取引装置1の構成を説明する。図2は図1の自動取引装置1を用いた金融機関システムのブロック構成図である。
【0020】
この金融機関システムでは、この金融機関システムを統括するセンタ100のサーバやホストなどの機器(コンピュータ)に対して、複数の営業店舗200のサーバや端末やシステムなどの機器(コンピュータ)と専門センタ350のサーバや端末などの機器(コンピュータ)とがネットワーク300で接続されている。前記営業店舗200には店舗ネットワーク211を介して複数の機器(コンピュータ)が接続され、これら機器(コンピュータ)が前記ネットワーク300を介して前記センタ100や前記専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続され、この金融機関システムを利用する顧客に対して各種の金融サービスを提供することができるようになっている。この他、この金融機関システムには前記ネットワーク300を介して他の金融システムや各種のサービスサイトの機器(コンピュータ)に接続することができる。
【0021】
前記センタ100の各機器(コンピュータ)は、HUBサーバ150を介して他の営業店舗200の機器(コンピュータ)や専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続することで、金融機関内の全ての情報を統括管理している。このHUBサーバ150は、ゲートウエイサーバを兼用するものであり、チャネル系APサーバ群を統括する統合チャネルサーバ110と、勘定系ホスト140と、各種の新商品情報を備えた新商品サーバ130と、全ての顧客情報を統括的に管理する顧客管理サーバ120などが接続される。
【0022】
統合チャネルサーバ110は、前記ネットワーク300を介して営業店舗200の機器(コンピュータ)と接続されて、営業店舗200の機器(コンピュータ)に各種の情報を提供する支援システムである。この統合チャネルサーバ110の統括下には、IBコンテンツ情報を備えたIBサーバ111と、営業店のコンテンツ情報を備えた営業店APサーバ112と、来店顧客情報を備えた来店管理サーバ113と、商品のコンテンツ情報を備えた商品情報サーバ114と、行員情報を備えた行員管理サーバ115と、顧客情報デ一タを備えた顧客情報管理サーバ116とを備えている。
【0023】
一方、営業店舗200は、店舗ネットワーク211を介して各種装置が接続されて設けられている。例えば、このシステムでは、自動取引装置1、顧客の店舗の出入りを管理する受付端末208、顧客の各種の相談に対応する相談端末207、顧客に各種の情報を提供する情報テーブル端末206、行員が顧客に対して相談や商談を薦める相談テーブル端末205、行員が顧客に対して取引に関する各種サービスを行う窓口取引端末204、前記窓口取引端末204を支援する窓口後方取引端末203、各種の金融関連装置からなる金融デバイス202、店舗内の各種情報を管理する営業店サーバ201、店舗内の無線通信や位置検知を行う店舗通信システム210などが設けられている。
【0024】
また、この金融機関システムでは、顧客が所有する携帯端末213や、この金融機関が顧客に提供するIDカード(個入認証用カード)212などを介して各種の情報を提供することができる。このIDカード212は、ICカードで構成され、そのICチップ内に顧客の個人情報(暗証番号(識別番号)、生体情報(本実施形態では、指静脈情報)、取引情報などの各種情報)が電気信号として記憶されて登録される。
【0025】
前記自動取引装置1は、この自動取引装置1を統括して制御する制御部229と、情報入力部を兼ねたタッチパネル付表示部220と、各種のカードに対して読み取りや書き込みを行うカード部221と、通帳の書き込みを行う通帳明細印字部222と、店舗ネットワーク211に接続するための伝送制御部223と、各種の情報を記憶する記憶装置部224と、硬貨入出金部225と、紙幣入出金部226と、電源部227と、生体認証部228とを含んで構成される。
【0026】
次に、図3を参照しながら、自動取引装置1のシステム構成の概略を説明する。図3は図1の自動取引装置1のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0027】
コンピュータ229は、CPU259、メモリ260、および入出力インタフェース255〜258などを備えて構成されている。メモリ260は、図2に示す記憶装置部224を構成するものであり、後述する制御動作を行わせるためのプログラムを格納している。CPU259は、図2に示す制御部229を構成するものであり、メモリ260に格納されたプログラムを用いて制御を実行する。
【0028】
カード部221は入出力インタフェース257を介してコンピュータ229に接続されており、IDカード212をカード部221に挿入することにより、IDカード212に登録された顧客の個人情報などがカード部221で読み取られ、コンピュータ229の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納される。
【0029】
また、光源251とカメラ252との間に、指261を挿入して、スイッチ253の押下に合わせて指静脈情報の画像信号を取得する。スイッチ253の押下の替わりに、図示しない指置き検知センサによる指置き検知により画像信号を取得するようにしてもよい。この指静脈情報は指血管パターンを図形情報として取得する。指静脈情報の代わりに、手のひら静脈情報や、その他の生体情報を用いることが可能な場合には、それらを用いてもよい。前述の光源251、カメラ252及びスイッチ253は図1に示す自動取引装置1の生体情報読取部22を構成するものである。カメラ252の画像信号は、画像入力器254によってデジタル情報に変換され、コンピュータ229の入出力インタフェース255を介してメモリ260に格納される。
【0030】
さらには、スイッチ253も同様に入出力インタフェース256を介して接続され、オン/オフの状態がメモリ260に格納されるか、もしくは、オンになると同時にCPU259に対して割り込み信号を発生する。
【0031】
CPU259は、スイッチ253の状態がオンになったのを確認するか、もしくはオンになった割り込み信号を検知すると、認証を行うソフトウェアプログラムを起動し実行する。そして、プログラムの処理結果に基づき、その結果を、タッチパネル付き表示部220に表示したり、カード部221に出力してIDカード212に書き込みしたり、制御対象280に適切な信号を送って扉を開閉したり、といった各種制御を行う。なお、タッチパネル付き表示部220は、上述したように情報入力部を兼ねており、例えば、暗証番号などの認証に関する、補助情報や取引情報などを入力するのに用いることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、生体認証部222を構成する生体情報読取部22で指の静脈を読み取って認証に用いるものであるので、手のひらの静脈を読み取って認証に用いる場合に比較して、認証情報の容量が小さく、認証速度が速く、しかも、認証装置が小型で使い勝手がよいものである。
【0033】
次に、図4を参照して、自動取引装置1の生体認証部222を構成する生体情報読取部22の構造を説明する。図4は図1の自動取引装置1の生体情報読取部22の説明図であり、生体情報読み取り部に指をかざした状態の平面図及び側面図である。使用者は、指をかざすことを促す操作ガイダンス等にしたがって、生体情報読み取り部のマーク22a近傍に指先が位置するように指をかざす。図4は右手の人差指をかざした例である。かざした指の腹は指保持部22bに支えられて、安定した状態で生体情報の読み取りが行われる。
【0034】
次に、図5を参照しながら、窓口取引端末204のシステム構成の概略を説明する。図5は窓口取引端末204のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。この窓口取引端末204のシステム構成は多くの部分が前述した自動取引装置1のシステム構成と共通しているが、共通している部分も含めて以下に説明する。
【0035】
コンピュータ290は、CPU279、メモリ280、および入出力インタフェース275〜278などを備えて構成されている。メモリ280は、後述する制御動作を行わせるためのプログラムを格納している。CPU279は、メモリ260に格納されたプログラムを用いて制御を司る。
【0036】
キーボード284、カードリーダ/ライタ285及びマウス286は、入出力インタフェース277を介してコンピュータ290に接続され、キーボード284から入力された暗証番号などの認証に関する補助情報などや、カードリーダ/ライタ285から読み取られた個人情報などや、マウス286の操作で入力された取引情報などが入出力インタフェース277を介してメモリ280に格納される。
【0037】
また、光源271とカメラ272との間に、指281を挿入して、スイッチ273の押下に合わせて指静脈情報の画像信号を取得する。スイッチ253の押下の替わりに、図示しない指置き検知センサによる指置き検知により、または、マウス286による操作に合わせて画像信号を取得するようにしてもよい。これらの光源271、カメラ272及びスイッチ273は窓口取引端末204の生体情報読取部を構成するものである。カメラ272の画像信号は、画像入力器274によってデジタル情報に変換され、コンピュータ(制御部〉229の入出力インタフェース275を介してメモリ280に格納される。
【0038】
さらには、スイッチ273は入出力インタフェース276を介して接続され、オン/オフの状態がメモリ280に格納されるか、もしくは、オンになると同時にCPU279に対して割り込み信号を発生する。
【0039】
CPU279は、スイッチ273の状態がオンになったことを確認するか、もしくはオンになった割り込み信号を検知すると、認証を行うソフトウェアプログラムを起動し実行する。そして、プログラムの処理結果に基づき、その結果を表示部283に表示したり、カードリーダ/ライタ285に出力してIDカード212に書き込みをしたり、制御対象282に適切な信号を送って動作させたり、といった各種制御を行う。
【0040】
次に、図6Aから図6Lを参照しながら、窓口取引端末204を用いた指静脈情報の登録方法を説明する。図6Aから図6Lは自動取引装置1の指静脈情報の登録方法における画面遷移図である。これらの図6Aから図6Lの制御動作は図5に示すメモリ280に格納されたプログラムに基づいてCPU279より実行されるものである。なお、以下の説明では、IDカード212が既に作成済みの場合について説明するが、IDカード212が未作成の場合には、例えば、窓ロオペレータがその入力操作を代行することにより同様の処理を行うことができる。
【0041】
窓口取引端末204が起動された状態で、IDカード212がカードリーダ/ライタ285に挿入されると、表示部283に図6Aに示すトップメニュー画面401を表示する。このトップメニュー画面401には、指静脈認証を行う際に選択する生体認証ボタンと、指静脈情報を登録する際に選択する生体情報登録ボタンと、指静脈情報を修正する際に選択する生体情報修正ボタンと、既に登録した指静脈情報を削除する際に選択する生体情報削除ボタンと、動作を終了する際に選択する終了ボタンとを表示する。なお、各画面に表示されるボタンは、マウス286で選択(クリック)することにより、当該ボタンに対応する所定の処理が行われるので、以下の説明では単に選択すると述べることとする。
【0042】
窓ロオペレータが生体情報登録ボタンを選択すると、表示部283に図6Bに示す指選択画面402を表示する。この指選択画面402には、オペレータID欄、本人情報(個人情報)欄、登録指情報欄に区画され、各欄にこれらに関連する情報、入力エリアおよび表示エリアを表示する。
【0043】
ここで、オペレータID欄には、指静脈情報の登録を行う金融機関の窓ロオペレータIDが表示される。この窓ロオペレータIDは、例えば、窓口取引端末204を操作するオペレータが、自分のIDとパスワードを入力してログオンすることにより、ログオンしたオペレータのIDが表示される。窓ロオペレータIDを明確にし、その履歴を登録しておくことにより、信頼性の高い認証システムとすることができる。
【0044】
また、本人情報欄には、IDカード212に格納された口座番号、および氏名が読み出されて表示されると共に、窓ロオペレータが確認した本人確認資料の情報が表示される。口座番号及び氏名は、窓口オペレータが本人を確認して入力してもよい。口座番号および氏名は、取引に直接係る情報であり、本人確認資料の情報はセキュリティを確保するための情報である。
【0045】
また、登録指情報欄には、左側にその選択された画面における操作ガイダンスが表示され、右側に、入力に関する項目、入力エリアおよび出力エリアが表示されると共に、登録ボタン、キャンセルボタンが表示される。図6Bの指選択画面402は登録指情報がなく最初の指を登録する場合における表示である。
【0046】
次いで、操作ガイダンス「登録する指を選び、登録ボタンを押してください。」に沿って、例えば、右手欄の人差指の前に位置する入力エリアを選択し、登録ボタンを選択すると、図6Cに示す画面のように、優先順位欄の該当出力エリアに「●」および「1」を表示する。この優先順位は登録する順番に付けられるので、使用頻度が高い順に登録することが好ましい。このようにして、指静脈情報を登録する指を簡単に特定することができる。なお、登録本数の出力エリアには、金融機関ごとにデフォルトで決めている登録本数が表示され、図示例では4本となっている。表示された登録本数まで指認証情報を持たせることができるが、その数を変更できるようにしておくことが好ましい。
【0047】
次いで、操作ガイダンス「指ごとの取引を登録する場合は、プルダウンメニューから選択してください。」に沿って、取引欄の該当プルダウンメニューを開くと、図6Cに示すように、取引の具体的な種類が示されたプルダウンメニューを表示する。このプルダウンメニューの中から、例えば、引出を選択し、金額欄の入力エリアに30,000円を入力すると、図6Dに示す生体情報読取画面404を表示する。このように、取引内容をプルダウンメニューの中から選択できるようにしたので、容易に取引種類を入力することができる。
【0048】
次いで、操作ガイダンス「右手の人差指をセットして、読取ボタンを押してください。」に沿って、図5で説明した指静脈情報の読取操作を行うと、図6Eに示す生体情報読取中画面405を表示する。この生体情報読中取画面405では、「読み取り中です。」とのガイダンスと共に、右側の読取欄の出力エリアに□マークが表示され、1回目の読み取り中であることがビジュアルに表示されるので、読み取り状態が容易に把握できて使い勝手の良いものとなっている。
【0049】
再度、図5で説明した指静脈情報の読取操作を行うと、図6Fに示す生体情報読取画面406を表示する。この生体情報読取画面406では、左側に読み取りガイダンスが表示され、右側に、読取欄の出力エリアに■マークが2つ表示されて既に読取操作が2回行われたことがビジュアルに表示されると共に、その2つの■マークの次に□マークが表示されて3回目の読取操作が必要なことがビジュアルに表示されるので、読み取り状態が容易に把握でき且つ次の操作も容易に把握でき、使い勝手の良いものとなっている。
【0050】
人差指静脈情報の読取操作を複数回(この実施形態では4回)実施して終了する。このように複数回の読取操作により指静脈情報を入手しているので、信頼性の高い指静脈情報の認証を行うことができる。
【0051】
人差指静脈情報の読取操作が終了すると、生体認証テスト画面を表示する。この生体認証テスト画面に基づいて、図5で説明した指静脈情報の読取操作を行い、先の読取操作で入手した指静脈情報と比較する生体認証テストを複数回(この実施形態では4回)行う。2回目の生体認証テストが終了した時に表示される生体認証テスト画面407を図6Gに示す。この生体認証テスト画面407では、左側に認証テストガイダンスが表示され、右側に、テスト欄の出力エリアに■マークが2つ表示されて既にテスト操作が2回行われたことがビジュアルに表示されると共に、その2つの■マークの次に□マークが表示されて3回目のテスト操作が必要なことがビジュアルに表示されるので、テスト状態が容易に把握でき且つ次の操作も容易に把握でき、使い勝手の良いものとなっている。
【0052】
人差指静脈情報のテスト操作を複数回(この実施形態では4回)実施して終了する。このように、読み取った指静脈情報のテストを行うので、信頼性の高い指静脈情報の認証を行うことができる。しかも、複数回のテスト操作により指静脈情報をテストしているので、信頼性がより一層高い指静脈情報の認証を行うことができる。
【0053】
人差指静脈情報のテスト操作が終了し生体認証テストが全て合格になると、指選択画面を表示する。この指選択画面に基づいて、別の指における、図5で説明した指静脈情報の読取操作を行う。この実施形態では、読取操作の次の対象の指は中指であり、図6Bおよび図6Cで説明した操作を同様の操作で、取引種類として振込をプルダウンメニューから選択し、金額情報として80,000円を入力する。
【0054】
中指における2回目の読取操作が終了した時に表示される生体情報読取画面408を図6Hに示す。この生体情報読取画面408では、左側に読み取りガイダンスが表示され、右側に、右手中指に対応する位置において、取引欄の出力エリアに振込が表示され、金額欄の出力エリアに80,000円が表示され、読取欄の出力エリアに■マークが2つ表示されて既に中指の読取操作が2回行われたことがビジュアルに表示されると共に、その2つの■マークの次に□マークが表示されて3回目の中指の読取操作が必要なことがビジュアルに表示される。これによって、読取状態が容易に把握でき且つ次の操作も容易に把握でき、使い勝手の良いものとなっている。
【0055】
振込先を指定するには、例えば、生体情報読取画面408において、振込詳細ボタンを選択することにより行うことができる。振込詳細ボタンを選択すると、図6Iに示す振込情報入力画面409を表示する。この振込情報入力画面409では、対象指が右手中指と表示され、取引、取引金額、振込先口座番号および振込先名義人氏名の入力エリアが表示されるので、所定の入力を行ってOKボタンを選択することにより、振込先を指定することができる。なお、取引、取引金額を生体情報読取画面408で入力済みであるので、その内容が表示され、確認の上、変更があれば変更入力をする。この振込先のような多数の入力操作を必要とする取引情報を指静脈情報と関連付けて予め登録しておくことにより、以後の取引操作を格段に容易化することができる。
【0056】
上述した取引内容の入力において、取引種類の入力は必須とし、取引金額および振込詳細の入力は任意としてある。これによって、取引金額および振込詳細の入力を希望しない使用者にとって便利である。
【0057】
次いで、中指静脈情報の読取操作を4回(複数回)実施した後、中指静脈情報のテスト操作を4回(複数回)実施して中指静脈情報の認証を終了する。
【0058】
さらに、左手の人差指および中指についても同様の指静脈の読取およびテストを行い、予め定められた登録本数の4本に達すると、図6Jに示すカード書込み画面410を表示する。本実施形態では、左手の人差指および中指については、指静脈情報の登録のみを行い、取引情報の登録を保留する場合であるので、優先順位の欄に「3」、「4」が表示され、取引、金額の欄には表示されない。このカード書込み画面410では、右手の人差指・中指と左手の人差指・中指の読取、テストをそれぞれ4回終了したことが■マークで表示されると共に、書込み欄にそれぞれ□マークが表示されて書き込みが可能になっていることを容易に確認できる。この段階までであれば、それぞれの指への取引の新たな登録や変更はいつでも行うことができる。
【0059】
次いで、操作ガイダンス「生体情報と取引内容をカードに書き込みます。」に沿って、書き込みボタンを選択すると、指静脈情報と取引情報とを関連付けてカード部221に出力してIDカード212に書き込むと共に、図6Kに示す再認証画面411を表示する。本実施形態では、右手の人差指の静脈情報と取引種類「引出」、取引金額「30,000円」とが階層的に関連付けられているので、自動取引装置1で30,000円を引き出す際には、右手人差指の静脈認証する操作のみで、取引の指定と本人確認とを行うことができ、高いセキュリティを保ちながらも簡単な操作で迅速に30,000円を引き出すようにすることができる。また、右手の中指の静脈情報と取引種類「引出」、取引金額「80,000円」,および「振込詳細」とが関連付けられているので、自動取引装置1で定まった振込先に80,000円を振り込む際には、右手中指の静脈認証する操作のみで、取引の指定と本人確認を行い、80,000円を振り込むようにすることができる。
【0060】
この再認証画面411では、右手の人差指・中指と左手の人差指・中指の書き込みを終了したことが■マークで表示されると共に、優先順位1である右手人差指の再認証の欄に□マークが表示されて再認証が可能になっていることを容易に確認できる。
【0061】
上述したように、読取、テスト、書込、再認証の各欄が順番に並置され、終了マーク(■マーク)と次の操作マーク(□マーク)とで操作状態が表示されるので、使い勝手が良好である。
【0062】
次いで、操作ガイダンス「右手の人差指をセットして再認証ボタンを押してください。」に沿って、図5で説明した指静脈情報の読取操作を右手人差指で行った後、再認証ボタンを選択することによって、右手人差指の再認証が行われる。このように、生体情報登録を行った後に再認証することによって、信頼性がより一層高い指静脈情報の認証を行うことができる。
【0063】
次いで、優先順位2〜4である右手の中指、左手の人差指、中指の順に再認証を行うと、図6Lに示す登録完了画面412を表示する。この登録完了画面412では、右手の人差指・中指と左手の人差指・中指の再認証を終了したことがそれぞれ■マークで表示されるので、再認証が終了したことを容易に確認できる。
【0064】
次いで、操作ガイダンス「登録が正常に終了しました。カードを抜いて、終了ボタンを押してください。」に沿って、IDカード212をカードリーダ/ライタ285から抜くと共に、終了ボタンを選択することによって、指静脈認証の登録を終了する。
【0065】
次に、図7Aから図7Eと図8Aから図8Qとを参照しながら、自動取引装置1を用いた指静脈情報による取引方法を説明する。図7Aから図7Eは図1の自動取引装置1を用いた指静脈情報による取引方法を示す制御フローチャート図、図8Aから図8Qは同取引方法におけるタッチパネル付表示部220に表示される表示画面の遷移図である。これらの取引方法における制御動作は図3に示すメモリ260に格納されたプログラムに基づいてCPU259より実行されるものである。なお、以下の説明では、図6Aから図6Lを用いてIDカード212が既に作成済みの場合を例にして説明する。
【0066】
図7Aにおいて、自動取引装置1が起動されてプログラム制御が開始されると(ステップS0)、タッチパネル付表示部220に図8Aに示すカード挿入画面501を表示する(ステップS1)。この状態で、IDカード212が挿入されるのを待つためのカード挿入有無の判定が行われる(ステップS2)。図8における各表示画面は操作表示部15(タッチパネル付表示部220)における表示画面である。
【0067】
次いで、IDカード212がカード/明細取扱口18(カード部221)に挿入されると、図8Bに示す暗証番号入力画面502を表示する(ステップS3)。この状態で暗証番号が入力されると、この暗証番号が正しいかの判定が行われる(ステップS4)。この判定は、入力された暗証番号とIDカード212に格納された暗証番号とが合致したかにより行われる。
【0068】
ステップS4の判定で、入力された暗証番号が正しくないと判定した場合には、間違えた回数が指定回数未満かを判定し(ステップS5)、指定回数未満の場合にはステップS3に戻り、暗証番号の再入力を待つ。ステップS5の判定で、指定回数になった場合には、カード返却画面(図示せず)が表示され、IDカード212が返却されて処理が終了される(ステップS6)。
【0069】
ステップS4の判定で、入力された暗証番号が正しいと判定した場合には、指に取引を登録しているかを判定する(ステップS7)。この判定は、挿入されたIDカード212に上述した指静脈認証に関連付けて取引情報が登録されているかを判定することにより行われる。
【0070】
ステップS7の判定で、指に取引が登録されていないと判定した場合には、指が表示されていない図8Iに示す指無メニュー選択画面509を表示する(ステップS19)。この指無メニュー選択画面509では、上部に操作ガイダンスが表示されると共に、中央部に指表示無のメニュー選択ボタンが表示される。この状態で、メニューボタンが選択されたかが判定され(ステップS20)、メニューボタンが選択されるまでこの画面表示が継続される。そして、メニューボタンが選択されたと判定した場合には、ステップS31に進む。
【0071】
また、ステップS7の判定で、指に取引が登録されていると判定した場合には、既に登録されている指が表示された図8C(b)に示す指付メニュー選択画面503bを表示する(ステップS8)。この指付メニュー選択画面503bでは、上部に操作ガイダンスが表示されると共に、中央部にメニュー選択ボタンが表示され、右側に指の置き方のイラストが表示されるので、次の操作を容易に行うことができる。このとき、指の静脈情報に関連付けて取引を登録している場合には、該当する取引のメニューボタン上に、登録している指を表示するようにしてもよい。この場合、たとえば、指つきメニュー選択画面503bのように、引き出し、振り込みの欄に指マークが表示される。このような表示をすることにより、登録された指と取引内容とが関連付けられて表示されるので、使用者にとってよりわかりやすい操作ガイダンスとすることができる。
【0072】
この状態で、メニューボタンが選択されたかが判定される(ステップS9)。この判定で、メニューボタンが選択された場合には、ステップS31に進む。
【0073】
また、ステップS9の判定で、メニューボタンが選択されていない状態で、生体情報読取部22に指がかざされたかを判定する(ステップS10)。この判定で指がかざされていないと判定された場合には、ステップS8のメニュー選択画面503bの表示に戻り、メニューボタンが選択および指をかざすことの何れも行われるまで、ステップS8〜S10を繰返す。
【0074】
ステップS10の判定で、指がかざされたと判定した場合には、認証中の画面(図示せず)を表示すると共に、取引登録された指であるかが判定される(ステップS12)。この判定で、取引登録された指であると判定した場合には、ステップS21(図7B参照)に進む。
【0075】
ステップS12の判定で、取引登録された指でないと判定した場合には、生体情報が登録された指であるか判定する(ステップS13)。この判定で、生体情報が登録された指でないと判定した場合には、認証できなかったことを示す画面(図示せず)を表示し(ステップS14)、指を離したか判定する(ステップS15)。この判定で、指を離したと判定した場合には、その認証できなかった回数が指定回数未満か判定する(ステップS16)。この判定で、指定回数未満と判定した場合には、ステップS8に戻り、指定回数に達したと判定した場合には、ステップS6に進み、カード返却画面を表示してIDカード212を返却して処理を終了する。
【0076】
ステップS13の判定で、生体情報が登録された指であると判定した場合には、この指には取引が登録されていないことを示す画面(図示せず)を表示し(ステップS17)、指を離したかが判定され(ステップS18)、指を離したと判定されるまでこの画面表示が継続される。そして、指を離したと判定した場合には、指が表示されていない図8Iに示す指無メニュー選択画面509を表示する(ステップS191)。この状態で、メニューボタンが選択されたかが判定され(ステップS192)、メニューボタンが選択されるまでこの画面表示が継続される。そして、メニューボタンが選択されたと判定した場合には、ステップS41(図7D参照)に進む。
【0077】
図7Bにおいて、図8Dに示す登録取引画面504が表示され(ステップS21)、この状態で何れかのボタンが押されたかの判定をする(ステップS22)。この判定で、何れかのボタン押されるまでは、ステップS21に戻り、登録取引画面504の表示が継続される。そして、何れかのボタンが押された場合には、確認ボタンが押されたか(換言すれば取引内容を修正するか)が判定される(ステップS23)。
【0078】
このステップS23の判定で、確認ボタンが押されたのではない場合(換言すれば、取引変更、金額変更ボタンが押された場合)には、修正画面(図示せず)を表示する(ステップS231)。この状態で、確認ボタンが押されたかを判定し(ステップS232)、確認ボタンが押されるまで、ステップS231、232を繰返す。ここで、確認ボタンが押されると、修正内容確認画面(図示せず)を表示する(ステップS233)。この状態で、修正内容確認画面における確認ボタンが押されたかを判定し(ステップS234)、確認ボタンが押されるまで、ステップS233、234を繰返す。ここで、確認ボタンが押されると、ステップS43(図7D参照)に進む。
【0079】
ステップS23の判定で、確認ボタンが押された場合には、取引の処理動作が行われ、図8Eに示すカード明細受取画面(取引終了画面1)505が表示され(ステップS24)、カードと明細票が受け取られたかが判定され(ステップS25)、カードと明細票が受け取られたと判定されるまでこの画面表示が継続される。そして、カードと明細票が受け取られると、図8Fに示す現金放出画面(取引終了画面2)506が表示され(ステップS26)、カードと明細票が受け取られたかが判定され(ステップS27)、紙幣が受け取られたと判定されるまでこの画面表示が継続される。そして、紙幣が受け取られると、図8Gに示す最終取引終了画面(取引終了画面3)507が表示されて取引を終了する(ステップS28)。
【0080】
上述したように、本実施形態によれば、取引と関連付けて登録した指をかざす操作をするのみで、取引を行うことができる。従って、セキュリティの高い認証機能を保持しつつ、使い勝手の良好な自動取引装置を得ることができる。
【0081】
図7Cにおいて、図示しない生体認証画面が表示され(ステップS31)、この状態で指がかざされたか判定する(ステップS32)。このステップS34の判定で、指がかざされるまでは、ステップS31に戻り、生体認証画面508の表示が継続される。そして、指がかざされた場合には、認証中画面(図示せず)が表示され(ステップS33)、生体情報登録された指かが判定される(ステップS34)。この判定で、生体情報登録された指であると判定した場合には、ステップS41(図7D参照)へ進む。
【0082】
前記ステップS34の判定で、生体情報登録された指でない場合には、認証できなかったことを示す画面(図示せず)が表示され(ステップS35)、指を離したかが判定され(ステップS36)、指を離したと判定されるまでこの画面表示が継続される。そして、指を離したと判定した場合には、その認証できなかった回数が指定回数未満かが判定される(ステップS37)。この判定で、指定回数未満と判定した場合には、ステップS31に戻り、指定回数に達したと判定した場合には、ステップS6に進み、カード返却画面を表示してIDカード212を返却して処理を終了する。
【0083】
図7Dにおいて、図8Jに示す現金入力画面(選択された取引画面)510を表示する(ステップS41)。なお、上述した指無メニュー選択画面509で、引き出しボタン以外のボタンを選択すると、それぞれのボタンに対応する選択された取引画面を表示する。
【0084】
前記現金入力画面510で、例えば「3」、「万」、「円」と入力すると、現金計数や通信等の待ち時間の必要な取引かが判定される(ステップS43)。この判定で、現金計数や通信等の待ち時間の必要な取引であると判定した場合には、図8Kに示す現金計数画面(取引を登録するか画面1)511を表示する(ステップS44)。この現金計数画面511では、現金計数中であることが表示され、今回の取引を指に登録する場合には登録ボタンを押すことを促す操作ガイダンスと共に登録ボタンが表示される。なお、ここでは、何も操作をせずに待ち時間が終了すると、登録は行われずに処理が終了するため、登録しないボタンは表示されない。
【0085】
この状態で、待ち時間内かが判定され(ステップS45)、待ち時間内でない場合、すなわち、タイムアウトの場合には、ステップS68に進み、取引を終了する。ステップS68は、カード返却、現金放出等の取引終了のための一連のステップを含むものである。
【0086】
ステップS45の判定で、待ち時間内である場合には、登録ボタンが押されたかが判定される(ステップS46)。この判定で、登録ボタンが押されていない場合には、前記ステップS44に戻り、登録ボタンが押された場合には、ステップS51(図7E参照)に進む。
【0087】
前記ステップS43の判定で、現金計数や通信等の待ち時間の必要な取引でないと判定した場合には、図8Lに示す取引を登録するか画面512を表示する(ステップS47)。この画面512では、操作ガイダンスと共に登録するボタンおよび登録しないボタンが表示される。
【0088】
この状態で、何れかのボタンが押されたかが判定され(ステップS48)、何れかのボタンが押されるまで現金計数画面512の表示が継続される。
【0089】
ステップS48の判定で、何れかのボタンが押されたと判定した場合には、登録するかの判定、換言すれば何れのボタンが押されたかが判定される(ステップS49)。この判定で、登録しないボタンが押された場合には、前記ステップS68に進み、取引を終了し、登録するボタンが押された場合には、ステップS51に進む。
【0090】
図7Eにおいて、図8Mに示す登録取引画面513を表示する(ステップS51)。この登録取引画面513では、現金計数中の表示がされ、操作ガイダンスと共に、取引情報(図示例では、取引種類の「引き出し」と、取引金額の「3万円」)、その修正ボタン(図示例では、「指定しない」ボタン)、指認証状況を表すイラストが表示される。指認証状況を表すイラストでは、右手人差指に「引き出し」、右手中指に「振り込み」が表示されて、指認証が登録された指に取引情報が関連付けられて表示されると共に、さらに、左手人差指および左手中指に斜線が表示されて、指認証が登録された指であることと取引情報が登録されていないことが表示され、右手親指、右手薬指、右手小指、左手親指、左手薬指および左手小指に×印が示されてこれらの指には指認証ができないことが表示される。なお、図7DのステップS47からステップS51へ移行した場合には、「現金計数中」の表示がなく、他の表示は同様の画面が表示される。
【0091】
この状態で修正ボタンが押されたか(換言すれば、指定しないボタンが押されたか)判定する(ステップS52)。この判定で、修正ボタンが押されていないと判定した場合には、生体情報読取部22に指がかざされたか判定し(ステップS53)、かざされていないと判定した場合にはステップS51に戻り、登録取引画面513の表示を継続すると共に、かざされたと判定した場合にはステップS57に進む。
【0092】
ステップS52の判定で、修正ボタンが押されたと判定した場合には、図8Nに示す修正内容確認画面514を表示する(ステップS54)。この修正内容確認画面514では、取引金額が「指定しない」に変更されたこと、元に戻すボタンが表示されている。この状態で、戻るボタンが押されたか判定し(ステップS55)、戻るボタンが押されたと判定した場合には、ステップS51に戻って登録取引画面513を表示する。
【0093】
ステップS55の判定で、戻るボタンが押されていないと判定した場合には、生体情報読取部22に指がかざされたか判定し(ステップS53)、かざされていないと判定した場合にはステップS54に戻り、修正内容確認画面514の表示を継続すると共に、かざされたと判定した場合にはステップS57に進む。
【0094】
ステップS57において、かざされた指が生体情報登録された指か判定する。この判定で、生体情報登録された指でないと判定した場合には、認証できなかったことを示す画面(図示せず)を表示する(ステップS58)。この状態で、生体情報読取部22にかざされた指を離したか判定し(ステップS59)、指を離していないと判定した場合には、ステップS58に戻り、認証できなかったことを示す画面の表示を継続する。
【0095】
ステップS59の判定で、指を離したと判定した場合には、その認証できなかった回数が指定回数未満か判定する(ステップS60)。この判定で、指定回数未満と判定した場合には、ステップS51に戻り、登録取引画面513を表示する。なお、ステップS54の修正内容確認画面を経由してきた場合には、ステップS51ではなく、ステップS54にもどり、図8Nの修正内容確認画面514を表示する。ステップS60で、指定回数に達したと判定した場合には、今回は登録しなかった画面(図示せず)を表示した後(ステップS61)、ステップS68に進む。
【0096】
ステップS57で、かざされた指が生体情報登録された指であると判定した場合には、他の取引が登録されているか判定する(ステップS62)。この判定で、他の取引が登録されていると判定した場合には、図8Oに示す上書きするか画面515を表示する(ステップS63)。この上書きするか画面515では、右手中指がかざされ且つ取引種類が「振り込み」であることを示すイラストを表示し、書き換えるボタンおよびキャンセルボタンを表示する。
【0097】
この状態で何れかのボタンが押されたか判定する(ステップS64)。この判定で、何れかのボタンが押されていないと判定した場合には、ステップS64に戻り、上書きするか画面515の表示を継続すると共に、何れかのボタンが押されたと判定した場合には、上書きOKかを判定する(ステップS65)。この上書きOKかの判定は、キャンセルボタンが押された場合に上書きOKではないと判定し、書き換えるボタンが押された場合に上書きOKであると判定する。上書きOKでないと判定した場合には、ステップS68に進む。
【0098】
ステップS62で、他の取引が登録されていないと判定した場合、または、ステップS65で、上書きOKであると判定した場合には、図8Pに示す取引登録完了画面516を表示し(ステップS66)、指を離したかを判定する(ステップS67)。この判定で、指を離していないと判定した場合には、ステップS66に戻り、取引登録完了画面516の表示を継続する。指を離したと判定した場合には、ステップS68に進み、カード返却等の取引終了ステップを経た後、最後に図8Qに示す取引終了画面517を表示して終了する。
【0099】
上述したように、本実施形態によれば、制御部229が、生体情報読取部22で読み取った生体情報を認証する手段と、認証された生体情報と入力部15より入力された取引情報とを関連付けてカード部222に出力する手段と、カード部222で読み取られた生体情報に関連付けられた取引情報と生体情報読取部22で読み取った生体情報とに基づいて取引処理を行う手段とを備えているので、セキュリティの高い認証機能を保持しつつ、使い勝手の良好な自動取引装置を提供することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態では、指の生体情報と取引内容とを関連付けて登録する操作を窓口取引端末及び自動取引装置の両方で実行可能な例につき説明したが、どちらか一方のみで登録可能とすることもできる。
【0101】
窓口取引端末のみで登録可能とする場合には、図7D及び図7Eに示したステップS43以降のフローは不要であり、ステップS41のあと、ステップS68に移行して取引が終了する。窓口取引端末のみで登録可能とすれば、窓口オペレータが直接本人を確認することとなるので、本人確認の確実性が向上する。
【0102】
自動取引装置のみで登録可能とする場合には、窓口における登録内容が減少し、窓口の混雑を避けることができる。この場合にも、生体情報の登録は窓口において行うこととすれば、セキュリティの高い取引を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動取引装置の上部斜視図である。
【図2】図1の自動取引装置を用いた金融機関システムのブロック構成図である。
【図3】図1の自動取引装置のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図4】図1の自動取引装置の生体情報読取部の説明図である。
【図5】図1の窓口取引端末のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図6A】図1の窓口取引端末の指静脈情報の登録方法における第1の画面遷移図である。
【図6B】同登録方法における第2の画面遷移図である。
【図6C】同登録方法における第3の画面遷移図である。
【図6D】同登録方法における第4の画面遷移図である。
【図6E】同登録方法における第5の画面遷移図である。
【図6F】同登録方法における第6の画面遷移図である。
【図6G】同登録方法における第7の画面遷移図である。
【図6H】同登録方法における第8の画面遷移図である。
【図6I】同登録方法における第9の画面遷移図である。
【図6J】同登録方法における第10の画面遷移図である。
【図6K】同登録方法における第11の画面遷移図である。
【図6L】同登録方法における第12の画面遷移図である。
【図7A】図1の自動取引装置1を用いた指静脈情報による取引方法を示す制御フローチャート図である。
【図7B】図7Aの制御フローチャート図の続きである。
【図7C】図7Bの制御フローチャート図の続きである。
【図7D】図7Cの制御フローチャート図の続きである。
【図7E】図7Dの制御フローチャート図の続きである。
【図8A】図1の自動取引装置1を用いた指静脈情報による取引方法における第1の画面遷移図である。
【図8B】同取引方法における第2の画面遷移図である。
【図8C】同取引方法における第3の画面遷移図である。
【図8D】同取引方法における第4の画面遷移図である。
【図8E】同取引方法における第5の画面遷移図である。
【図8F】同取引方法における第6の画面遷移図である。
【図8G】同取引方法における第7の画面遷移図である。
【図8H】同取引方法における第8の画面遷移図である。
【図8I】同取引方法における第9の画面遷移図である。
【図8J】同取引方法における第10の画面遷移図である。
【図8K】同取引方法における第11の画面遷移図である。
【図8L】同取引方法における第12の画面遷移図である。
【図8M】同取引方法における第13の画面遷移図である。
【図8N】同取引方法における第14の画面遷移図である。
【図8O】同取引方法における第15の画面遷移図である。
【図8P】同取引方法における第16の画面遷移図である。
【図8Q】同取引方法における第17の画面遷移図である。
【符号の説明】
【0104】
1…ATM、10…本体筐体、11…フロントパネル、12…ベース筐体、13…前面扉、14…背面扉、15…操作表示部、16…パネル部、17…テーブル部、18…カード/明細票取扱口、19…通帳取扱口、20…媒体取扱部、21…ハンドセット、22…生体情報読取部、23…紙幣挿入/排出口、24…硬貨挿入/排出口、100…センタ、110…統合チャネルサーバ、111…IBサーバ、112…営業店APサーバ、113…来店管理サーバ、114…商品情報サーバ、115…行員管理サーバ、116…顧客情報管理サーバ、120…顧客管理サーバ、130…新商品サーバ、140…勘定系ホスト、150…HUBサーバ、200…営業店舗、210…店舗通信システム、201…営業店サーバ、202…金融デバイス、203…後方PC端末、204…窓口取引端末、205…相談テーブル端末、206…情報テーブル端末、207…相談端末、208…受付端末、211…店舗ネットワーク、212…IDカード、213…携帯端末、220…タッチパネル付表示部、221…カード部、222…通帳明細印字部、223…伝送制御部、224…記憶装置部、225…硬貨入出金部、226…紙幣入出金部、227…電源部、229…制御部、251…光源、252…カメラ、253…スイッチ、254…画像入力器、255…入出力インタフェース、256…入出力インタフェース、259…CPU、260…メモリ、261…指、262…制御対象、271…光源、272…カメラ、273…スイッチ、274…画像入力器、275…入出力インタフェース、276…入出力インタフェース、279…CPU、280…メモリ、281…指、282…制御対象、283…表示部、284…カードリーダ/ライタ、285…マウス、300…ネットワーク、350…専門センタ、360…相談員管理サーバ、370…相談員端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに格納された情報の読み取りおよびカードへ情報の書き込みを行うカード部と、
取引情報を入力する入力部と、
生体情報を読み取る生体情報読取部と、
前記カード部で読み取った情報、前記入力部より入力された取引情報、および前記生体情報読取部で読み取った生体情報に基づいて、生体情報認証処理および取引処理を行う制御部と、を備える自動取引装置であって、
前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った生体情報を認証する手段と、前記カード部で読み取られた前記生体情報に関連付けられた取引情報と前記生体情報読取部で読み取った生体情報とに基づいて取引処理を行う手段とを備える
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記認証された生体情報と前記入力部より入力された取引情報とを関連付けて前記カード部に出力する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動取引装置において、生体情報読取部は指静脈情報を読み取るものであり、前記制御部は前記生体情報読取部で読み取った指静脈情報に基づいて指静脈情報認証および取引処理を行うものであることを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動取引装置において、前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った複数の指静脈情報のそれぞれに、前記入力部より入力された複数の取引情報を関連付けて、前記カード部に出力する手段を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
カードに格納された情報の読み取りおよびカードへ情報の書き込みを行うカード部と、
取引情報を入力する入力部と、
生体情報を読み取る生体情報読取部と、
前記カード部で読み取った情報、前記入力部より入力された取引情報、および前記生体情報読取部で読み取った生体情報に基づいて、生体情報認証処理および情報登録処理を行う制御部と、を備える情報登録端末であって、
前記制御部は、前記生体情報読取部で読み取った生体情報を認証する手段と、前記認証された生体情報と前記入力部より入力された取引情報とを関連付けて前記カード部に出力し、前記生体情報と前記取引情報とを関連付けて登録する手段とを備える
ことを特徴とする情報登録端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図8K】
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【図8L】
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【図8M】
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【図8N】
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【図8O】
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【図8P】
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【図8Q】
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【公開番号】特開2007−25826(P2007−25826A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203764(P2005−203764)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】