説明

自動取引装置

【課題】磁気ストライプの位置が異なる2種類の媒体を取り扱う装置を小型化する。
【解決手段】支持部材6に回転支点で回動可能に支持され、自由端61b、62bで磁気ヘッド4を支持するとともに磁気ヘッド4を媒体の磁気ストライプ方向へ付勢する上部アーム61および下部アーム62と、支持部材6およびアクチュエータ8が固着され、アクチュエータ8の駆動により回転するギヤ9を有し、ギヤ9が噛合するラック11に沿って移動可能なベース10と、ギヤ9に取り付けられてギヤ9とともに回転し、付勢された上部アーム61の自由端61cと当接するカム91とを有する磁気ヘッド機構30を備え、ギヤ9の回転により、磁気ヘッド4をラック11に沿って移動させるとともに、カム91に当接する上部アーム61を回動させて磁気ヘッド4を媒体の磁気ストライプに接触または離間する方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ストライプ付の媒体を取り扱う自動取引装置に関し、特に磁気ストライプの位置が異なる2種類の媒体を取り扱う自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置は、磁気ストライプの位置が異なる2種類の媒体としての通帳を取り扱うため、それぞれの通帳の磁気ストライプの位置に合わせて2個の磁気ヘッドおよびその磁気ヘッドを移動させる機構を搭載し、それぞれの磁気ヘッドを移動させてデータの記録および読取りを行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−30719号公報(段落「0012」〜段落「0013」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、2個の磁気ヘッドおよびその磁気ヘッドを移動させる機構を搭載しているため、機構や回路等の構成が複雑になり、また部品点数も多くなり、装置が大型化してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、磁気ストライプの位置が異なる2種類の媒体を取り扱う装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、媒体の磁気ストライプに接触して磁気データの記録および読取りを行う磁気ヘッドと、支持部材に回転支点で回動可能に支持され、第1の自由端で前記磁気ヘッドを支持するとともに前記磁気ヘッドを前記媒体の磁気ストライプ方向へ付勢するアームと、前記支持部材および駆動源が固着され、前記駆動源の駆動により回転する歯車を有し、該歯車が噛合する直線歯車に沿って移動可能な基体と、前記歯車に取り付けられて前記歯車とともに回転し、付勢された前記アームの前記回転支点を挟んで前記第1の自由端の反対側の第2の自由端と当接するカムとを有する磁気ヘッド機構を備え、前記磁気ヘッド機構は、前記歯車の回転により、前記磁気ヘッドを前記直線歯車に沿って移動させるとともに、前記カムに当接する前記アームを回動させて前記磁気ヘッドを前記媒体の磁気ストライプに接触または離間する方向に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、磁気ストライプの位置が異なる2種類の媒体を取り扱う装置を小型化することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す正面図
【図2】第1の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す側面図
【図3】第1の実施例における自動取引装置が取り扱う通帳の説明図
【図4】第1の実施例における磁気ヘッド機構の待機位置を示す説明図
【図5】第1の実施例における磁気ヘッド機構の動作を示す説明図
【図6】第1の実施例における磁気ヘッド機構の動作を示す説明図
【図7】第2の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す正面図
【図8】第2の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す側面図
【図9】第2の実施例における磁気ストライプガイドの作用を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による自動取引装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図3は第1の実施例における自動取引装置が取り扱う通帳の説明図である。
図3において、1および2は自動取引装置で取り扱う2種類の媒体としての通帳であり、3は磁気データを記録する磁気ストライプである。通帳1および通帳2の表紙の所定の位置に磁気ストライプ3が配置され、例えば通帳1の見開き方向(図中矢印Cが示す方向)に直交する方向における端部に、その見開き方向に延在する磁気ストライプ3が配置され、通帳2の見開き方向に直交する方向における中央部近傍に、その見開き方向に延在する磁気ストライプ3が配置されている。
【0010】
自動取引装置は、磁気ストライプの配置が異なる複数種類の媒体(例えば、通帳、カード、乗車券、航空券、チケット等)を取り扱う磁気ヘッド機構を搭載した装置であり、例えば現金自動預け払い機や通帳記帳機、自動券売機、航空券発行装置等である。なお、本実施例では、媒体を磁気ストライプ3の配置が異なる2種類の通帳1および通帳2として説明する。
【0011】
次に、自動取引装置に搭載される磁気ヘッド機構を説明する。
図1は第1の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す正面図、図2は第1の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す側面図である。
【0012】
図1および図2において、磁気ヘッド機構30は、媒体の磁気ストライプに接触して磁気データの記録および読取りを行う磁気ヘッド4と、磁気ヘッド4を保持するヘッドホルダ5と、ヘッドホルダ5を支持するアームとしての上部アーム61および下部アーム62と、上部アーム61および下部アーム62を回動可能に支持するアーム支持部材6と、下部アーム62を付勢するスプリング7と、アーム支持部材6およびスプリング7が取り付けられた基体としてのベース10と、ベース10に固着されたアクチュエータ8とから構成されている。
【0013】
磁気ヘッド4は、図3に示す通帳1または通帳2に設けられた磁気ストライプ3と接触し、その通帳1、2が移動することにより、磁気ストライプ3に対して磁気データの記録および読取りを行うものである。ヘッドホルダ5は、その磁気ヘッド4を保持するものである。
上部アーム61は、ベース10に設けられたアーム支持部材6に回転支点61aで回動可能に支持され、自由端61bにおいてヘッドホルダ5を支持している。
【0014】
下部アーム62は、上部アーム61の下方に配置され、ベース10に設けられたアーム支持部材6に回転支点62aで回動可能に支持され、自由端62bにおいてヘッドホルダ5を支持している。この下部アーム62は、回転支点62aを挟んで自由端62bの反対側の自由端62cがベース10に取り付けられた付勢部材としてのスプリング(引張りばね)7により付勢され、自由端62bに取り付けられたヘッドホルダ5に支持される磁気ヘッド4が通帳の磁気ストライプが存在する図1における上方向へ押し上げられている。
【0015】
また、上部アーム61は、回転支点61aを挟んで自由端61bの反対側の自由端61cがギヤ(歯車)9に取り付けられたカム91に当接することにより、その回動が規制され、自由端61bに取り付けられたヘッドホルダ5に支持される磁気ヘッド4が通帳の磁気ストライプが存在する図1における上方向へ押上げられることが規制される。
このように、アームとしての上部アーム61および下部アーム62は、アーム支持部材6に回転支点61aおよび回転支点62aで回動可能に支持され、第1の自由端としての自由端61bおよび自由端62bで磁気ヘッド4を支持するとともに、磁気ヘッド4を通帳の磁気ストライプ方向へ付勢している。
【0016】
また、上部アーム61は、回転支点61aを挟んで自由端61bの反対側の第2の自由端としての自由端61cがギヤ9に取り付けられたカム91に当接することにより、上部アーム61および下部アーム62の回動が規制され、自由端61bおよび自由端62bに取り付けられたヘッドホルダ5に支持される磁気ヘッド4が通帳の磁気ストライプが存在する図1における上方向へ押上げられることが規制される。
【0017】
ギヤ9は、ベース10に固着された駆動源としてのアクチュエータ8の回転軸に取り付けられ、アクチュエータ8の駆動により正逆回転可能になっている。また、ギヤ9にはカム91が取り付けられており、そのカム91はギヤ9の回転とともに回転するようになっている。
ラック(直線歯車)11は、自動取引装置の図示しないフレームに取り付けられ、磁気ヘッド機構30とは分離されており、ギヤ9と噛合するように配設されている。ギヤ9は、その下部において、延在するラック11と噛合し、アクチュエータ8の駆動によりラック11上を図中矢印Aが示す方向に移動可能になっている。
【0018】
したがって、上部アーム61および下部アーム62を支持するアーム支持部材6および駆動源としてのアクチュエータ8が固着されたベース10は、アクチュエータ8の駆動により回転する歯車としてのギヤ9を有し、そのギヤ9が噛合するラック11に沿って往復移動可能になっている。
さらに、磁気ヘッド4は、ギヤ9の回転とともに回転するカム91に自由端61cが当接する上部アーム61の回動により、図中矢印Bが示す上下方向に移動可能になっている。
【0019】
このように構成された磁気ヘッド機構30は、アクチュエータ8の回転により、磁気ヘッド4をラック11が延在する方向に沿って往復移動することができるようになっており、またカム91に当接する上部アーム61を回動させて磁気ヘッド4を磁気ヘッド機構30の往復移動に伴って図中矢印Bが示す上下方向(磁気ヘッド4を通帳の磁気ストライプに接触または離間する方向)に移動させることができるようになっている。
【0020】
上述した構成の作用について説明する。なお、以下に説明する各部の動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
図4は第1の実施例における磁気ヘッド機構の待機位置を示す説明図、図5および図6は第1の実施例における磁気ヘッド機構の動作を示す説明図である。
【0021】
図4、図5および図6において、12は通帳搬送路下面、13は通帳搬送路上面であり、その通帳搬送路下面12および通帳搬送路上面13は磁気ストライプを備えた通帳の搬送路の下面および上面を形成している。また、通帳搬送路下面12には、通帳の搬送路の所定の位置に停止した2種類の通帳のそれぞれの磁気ストライプに磁気ヘッド4が接触できるように2つの開口部12a、12bが形成されている。なお、ラック11は、開口部12aおよび開口部12bの下方に、その開口部12aと開口部12bとを結ぶように配置されている。
【0022】
図4に示すように、ギヤ9に取り付けられたカム91の肉厚部が上部アーム61の自由端61cに当接している状態では、上部アーム61cがカム91により押し上げられているため、上部アーム61の自由端61aに取り付けられたヘッドホルダ5に保持された磁気ヘッド4は通帳の磁気ストライプから離間し、通帳搬送下面12の下方に収容される。
このように磁気ヘッド4が通帳搬送下面12の下方に収容される位置が磁気ヘッド4の待機位置であり、磁気ヘッド4がこの待機位置に配置されて停止しているときに、自動取引装置に形成された通帳挿入排出口から挿入された通帳が搬送される。
【0023】
通帳が自動取引装置に形成された通帳挿入排出口から挿入されると、通帳の種類に合わせてアクチュエータ8を駆動してギヤ9を回転させ、磁気ヘッド4を通帳1または通帳2の磁気ストライプ3に接触できる位置へ移動させる。
挿入された通帳が通帳1である場合、図5に示すようにアクチュエータ8を駆動してギヤ9を図中矢印Dが示す反時計回りに回転させ、磁気ヘッド4を上記待機位置から図中矢印Eが示す開口部12aまで移動させる。磁気ヘッド4が開口部12aへ到達するとアクチュエータ8の駆動を停止し、ギヤ9の回転を停止させて磁気ヘッド4の移動を停止させる。
【0024】
このとき、ギヤ9に取り付けられたカム91の肉薄部が上部アーム61の自由端61cに当接している状態となり、自由端61cがカム91の肉厚部に当接しているときよりも下がり、また下部アーム62の自由端62cがスプリング7により付勢され自由端62aが上がるため、上部アーム61の自由端61aおよび下部アーム62の自由端62aに取り付けられたヘッドホルダ5に保持された磁気ヘッド4は、開口部12aを通過して通帳搬送下面12の上方に突出して通帳1の磁気ストライプ3に接触し、押圧される。
【0025】
一方、挿入された通帳が通帳2である場合、図6に示すようにアクチュエータ8を駆動してギヤ9を図中矢印Fが示す時計回りに回転させ、磁気ヘッド4を上記待機位置から図中矢印Gが示す開口部12bまで移動させる。磁気ヘッド4が開口部12bへ到達するとアクチュエータ8の駆動を停止し、ギヤ9の回転を停止させて磁気ヘッド4の移動を停止させる。
【0026】
このとき、ギヤ9に取り付けられたカム91の肉薄部が上部アーム61の自由端61cに当接している状態となり、自由端61cがカム91の肉厚部に当接しているときよりも下がり、また下部アーム62の自由端62cがスプリング7により付勢され自由端62aが上がるため、上部アーム61の自由端61aおよび下部アーム62の自由端62aに取り付けられたヘッドホルダ5に保持された磁気ヘッド4は、開口部12bを通過して通帳搬送下面12の上方に突出して通帳2の磁気ストライプ3に接触し、押圧される。
【0027】
通帳1または通帳2の磁気ストライプ3に対する磁気データの記録および(または)読取りが終了するとアクチュエータ8を駆動してギヤ9を回転させ、磁気ヘッド4を図4に示す待機位置へ移動させる。なお、通帳1または通帳2の磁気ストライプ3に対する磁気データの記録および(または)読取りは、通帳1または通帳2を図示しない搬送機構により移動させて行うものとする。
その後、通帳を自動取引装置の通帳挿入排出口から放出して磁気ストライプ3に対する磁気データの記録および読取り処理を終了する。
【0028】
このように、磁気ヘッド4を搭載する磁気ヘッド機構30がラック11上を往復移動できるようにし、また磁気ヘッド機構30のラック11上の往復移動に伴って磁気ヘッド4を上下方向に移動するように構成したことにより、磁気ストライプ3の位置が異なる2種類の通帳の磁気ストライプ3に対する磁気データの記録および読取りを1つの磁気ヘッド機構30およびアクチュエータ8で行うことができる。
【0029】
以上説明したように、第1の実施例では、磁気ヘッドを搭載する磁気ヘッド機構がラック上を往復移動できるようにし、また磁気ヘッド機構のラック上の往復移動に伴って磁気ヘッドを上下方向に移動するように構成したことにより、磁気ストライプの位置が異なる2種類の通帳の磁気ストライプに対する磁気データの記録および読取りを1つの磁気ヘッド機構およびアクチュエータで行うことができるようになり、磁気ストライプの位置が異なる2種類の通帳を取り扱う装置を小型化することができるという効果が得られる。
また、磁気ストライプの位置が異なる2種類の通帳を取り扱う装置の製造コストを低減させることができるという効果が得られる。
【0030】
さらに、磁気ヘッド機構の移動に伴う磁気ヘッドの上下動はギヤに取り付けられたカムの形状および上部アームの形状により決定されるため、繰り返して動作させても磁気ヘッド機構の移動と磁気ヘッドの上下動とはずれることなく、正確な動作を継続して行うことができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0031】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成における磁気ヘッド機構に磁気ストライプガイドを設けたものとしている。その第2の実施例の構成を図7の第2の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す正面図および図8の第2の実施例における磁気ヘッド機構の構成を示す側面図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
図7および図8において、ガイド部材としての磁気ストライプガイド13は、磁気ヘッド4の両側面に配置され、ヘッドホルダ5の両側面に固着されている。この磁気ストライプガイド13は、図8に示すように、図3中矢印Cが示す通帳の見開き方向に延材し、磁気ヘッド4の頂部4a近傍からヘッドホルダ5に近づく方向に傾斜する緩い傾斜面13aが形成されている。また、磁気ストライプガイド13は、通帳の磁気ストライプと接触する磁気ヘッド4の頂部4aが僅かに突出するように形成されている。
【0033】
上述した構成の作用について説明する。
磁気ヘッド4を搭載する磁気ヘッド機構30がラック11上を往復移動する動作、および磁気ヘッド機構30のラック11上の往復移動に伴って磁気ヘッド4が上下方向に移動する動作は、第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
【0034】
図9は第2の実施例における磁気ストライプガイドの作用を示す説明図であり、コシの強い通帳1(または通帳2)の綴じ目93の付近で磁気ストライプと磁気ヘッド4とが接触している状態を示している。なお、図9(a)は磁気ストライプガイド13を設けた本実施例の作用を示し、図9(b)は磁気ストライプガイド13を設けていない第1の実施例の作用を示している。
【0035】
図9(a)において、磁気ヘッド4を通帳1の磁気ストライプに押圧すると磁気ストライプガイド13に形成された傾斜面13aも通帳1に押圧されるため、通帳1をカールさせることなく、磁気ヘッド4を通帳1の磁気ストライプ(符号92aで示す部位)へ安定して接触させることができる。
一方、図9(b)に示すように、磁気ストライプガイド13を設けていない場合、磁気ヘッド4を通帳1の磁気ストライプに押圧したとき、通帳1がカールしてしまい、磁気ヘッド4が傾斜した通帳1の磁気ストライプ(符号92bで示す部位)に接触してしまう。このため、磁気データの記録および読取り不良が発生してしまうことがあった。
【0036】
このように、通帳の見開き方向に、磁気ヘッド4の頂部4a近傍からヘッドホルダ5に近づく方向に傾斜する緩い傾斜面13aが形成されている磁気ストライプガイド13を磁気ヘッド4の両側面に配置したことにより、コシの強い綴じ目付近でも通帳1をカールさせることなく、磁気ヘッド4を通帳1の磁気ストライプへ安定して接触させることができ、磁気データの記録および読取り不良の発生を低減させることができる。
【0037】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、通帳の見開き方向に、磁気ヘッドの頂部の近傍からヘッドホルダに近づく方向に傾斜する緩い傾斜面が形成されている磁気ストライプガイドを磁気ヘッドの両側面に配置したことにより、コシの強い綴じ目付近でも通帳をカールさせることなく、磁気ヘッドを通帳の磁気ストライプへ安定して接触させることができ、磁気データの記録および読取り不良の発生を低減させることができるという効果が得られる。
【0038】
なお、第1の実施例では、通帳の磁気ストライプに磁気データを記録および読取りする磁気ヘッド機構として説明したが、それに限られず、カード媒体等の磁気ストライプに磁気データを記録および読取りする磁気ヘッド機構等の磁気ヘッドを用いて磁気データの記録および読取りを行う磁気ヘッド機構に本発明を適用することができる。
また、第1の実施例では、磁気ストライプの配置が異なる2種類の通帳の磁気ストライプに対応する磁気ヘッド機構として説明したが、それぞれの通帳の磁気ストライプの位置の間隔が一定であれば、本発明による磁気ヘッド機構を磁気ストライプの配置が異なる3種類以上の通帳の磁気ストライプに対応させるようにしても良い。
【0039】
さらに、第2の実施例では、磁気ストライプガイドをヘッドホルダに固定し、磁気ヘッドとともに移動するようにしたが、この場合、磁気ヘッドを通帳に強い力で押し付ける必要がある。そこで、磁気ストライプガイドを別の機構により移動するように独立させ、磁気ヘッドとは別に上下動するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0040】
1、2 通帳
3 磁気ストライプ
4 磁気ヘッド
5 ヘッドホルダ
6 アーム支持部材
7 スプリング
8 アクチュエータ
9 ギヤ
10 ベース
30 磁気ヘッド機構
61 上部アーム
62 下部アーム
91 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の磁気ストライプに接触して磁気データの記録および読取りを行う磁気ヘッドと、
支持部材に回転支点で回動可能に支持され、第1の自由端で前記磁気ヘッドを支持するとともに前記磁気ヘッドを前記媒体の磁気ストライプ方向へ付勢するアームと、
前記支持部材および駆動源が固着され、前記駆動源の駆動により回転する歯車を有し、該歯車が噛合する直線歯車に沿って移動可能な基体と、
前記歯車に取り付けられて前記歯車とともに回転し、付勢された前記アームの前記回転支点を挟んで前記第1の自由端の反対側の第2の自由端と当接するカムとを有する磁気ヘッド機構を備え、
前記磁気ヘッド機構は、前記歯車の回転により、前記磁気ヘッドを前記直線歯車に沿って移動させるとともに、前記カムに当接する前記アームを回動させて前記磁気ヘッドを前記媒体の磁気ストライプに接触または離間する方向に移動させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1の自動取引装置において、
前記磁気ストライプの位置が異なる媒体を搬送し、前記磁気ストライプの位置に合わせて形成された複数の開口部を有する搬送路を備え、
前記直線歯車を前記複数の開口部を結んで配置し、
前記磁気ヘッド機構は、前記磁気ヘッドを、前記開口部間を移動させるとともに、前記それぞれの開口部から突出させて前記媒体の磁気ストライプに接触させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
請求項2の自動取引装置において、
前記磁気ヘッド機構は、前記磁気ヘッドが前記開口部間を移動するとき、前記磁気ヘッドを前記媒体の磁気ストライプから離間させることを特徴とする自動取引装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項の自動取引装置において、
前記磁気ヘッドの側面に、前記磁気ストライプと接触する前記磁気ヘッドの頂部を突出させた傾斜面が形成されたガイド部材を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
請求項4の自動取引装置において、
前記媒体を、見開き方向に延在する磁気ストライプを有する通帳とし、
前記ガイド部材の傾斜面は、前記通帳の見開き方向に延在することを特徴とする自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−173766(P2012−173766A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31967(P2011−31967)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】