自動取引装置
【課題】自動取引装置において取り忘れが発生した際、自動取引装置以外の情報表示装置で取り忘れを通知しようとすると、建物にいる人物に一律的に、通知してしまう為、悪意のある第三者にも知られてしまい、盗難等のトラブルに繋がる可能性があった。また、取り忘れ物を返却する際、多大なコストと手間がかかると言う問題があった。
【解決手段】自動取引装置設置建物において、自動取引装置で取り忘れが発生した場合、顔認証を行うことで、取り忘れ該当者が情報表示機を目視する時のみ、情報を表示する。
【解決手段】自動取引装置設置建物において、自動取引装置で取り忘れが発生した場合、顔認証を行うことで、取り忘れ該当者が情報表示機を目視する時のみ、情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。この技術では、現金自動取引装置の取り出し検知機能と連携した表示盤を店舗のドアに設け、取り忘れを警告するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−162316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記技術では取り忘れが発生した際、一律的に表示盤に表示する為、該当の取り忘れ者以外の第三者も見る可能性が高く、悪意を持った第三者が表示盤を見て、取り忘れ者よりも先に、取り忘れ媒体を取る危険性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、取り忘れ者に取り忘れを安全に警告し、かつ、取り忘れ媒体が取られる可能性を低くする為、取り忘れ者以外の人物を取り忘れが発生した自動取引装置(以下、ATM)以外のATM誘導することで、媒体、現金だけではなく、異物として取り忘れが多く発生する紙幣入金時に誤投入されてしまう硬貨など、多種の取り忘れ媒体の回収率を上げ、取り忘れ物を返却する際の手続きの煩雑さを軽減する可能なATMを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明では、ATMと連携し、かつ顔認証機能を備えた表示装置をATM上部、並びに店舗出入り口に設置し、取り忘れが発生した場合、取り忘れ該当者が情報表示装置の前を通過する時にだけ、取り忘れを警告する。また、取り忘れが発生しているATMを取り忘れ該当者以外の第三者が使用することを避ける為、取り忘れが発生しているATM以外のATMへ情報表示装置の表示により誘導する。また、取り忘れ者以外の第三者が、取り忘れが発生しているATMへ接近した場合や、取り忘れ者が店舗を出たことをカメラ画像より確認すると、タイムアウト時間に達していなくても、取り忘れ媒体を回収する機能を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り忘れの発生回数や、それに伴う管理者側の事務作業、関連トラブルを軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ATM。
【図2】情報表示装置。
【図3】情報統合装置。
【図4】ATM連携情報表示装置。
【図5】ATM制御部。
【図6】情報表示装置制御部。
【図7】システム構成図。
【図8】システム利用図。
【図9】取引選択 画面。
【図10】取り忘れ返却有り取引選択 画面。
【図11】情報表示装置 取り忘れ注意喚起画面。
【図12】情報表示装置 通常画面。
【図13】取り忘れ発生取引 フロー図。
【図14】取り忘れ返却取引 フロー図。
【図15】ATM 異物通知処理 フロー図。
【図16】情報表示装置 注意喚起処理 フロー図。
【図17】ATM誘導処理 フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる自動取引装置の実施の形態を詳細に説明する。以下では、本発明にかかる自動取引装置を、金融機関に採用されているATM(Automated teller machine)に適用した場合について説明しているが、紙幣や証券等の識別情報を有した紙葉類を排出して顧客との取引を行う機能を有しているものであれば、特にこれに限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施の形態におけるATM1の機能的な構成を示すブロック図である。図1に示すように、ATM1は、エンドユーザに取引情報等を含む各種の情報の表示、または入力を受け付ける顧客操作部3と、係員にATM1の取り扱い情報を含む各種の情報の表示、または入力を受け付ける係員操作部4と、ATM1の周囲の環境を撮影し、制御部2に撮影画像を送るカメラ5と、エンドユーザのキャッシュカードを取り扱うカードリーダ/ライタ、およびエンドユーザに明細票を印字して発行する印字機構を備えたカード/明細票機構6と、エンドユーザの通帳に取引情報等の各種の情報を印字する通帳印字機構7と、紙幣の入出金並びに、異物を返却する紙幣入出金機構/異物返却機構8と、硬貨の入
出金をおこなう硬貨入出金機構9と、上記各機構部等に接続し、装置全体の制御を行う制御部2と、を含んで構成されている。また、ATM1は、I/F(インタフェース)部10を備えており、例えば、ATM1を管理するホストサーバのような外部機器10000と接続
する。なお、外部機器10000の構成については特に図示していないが、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置など、一
般的な情報処理装置が有する構成と同様の構成を有しているものとする。
【0011】
図2は、本実施例における情報表示装置101の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報表示装置101は金融機関店舗にいる窓口利用者やATM利用者に
対して、利用情報の表示を行ったり、指等での操作を受け付けるディスプレイ1011と、周囲の人間に対し、注意喚起等を行う音を発音させる為のスピーカー1012と、周囲の人間を撮影する為のカメラ1013と装置全体の制御を行う制御部1015と、で構成される。また、情報表示装置101はインターフェース部1014を備えており、ホストサーバーやATM1もしくは、情報統合装置201のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0012】
図3は、本実施例における情報統合装置201の機能的な構成を示すブロック図である。
【0013】
図3に示すとおり、情報統合装置201はATM1から得た、取り忘れ者情報、並びに、
情報表示装置101から得た周囲の人間の顔情報等を統合し、データベース化する情報デー
タベース2011と、ATM連携情報表示装置501に表示するコンテンツのスケジューリング
機能、ATM1と連携し、コンテンツをスケジュールに割り込めせる割り込み機能などの本実施例のシステム全体を制御する制御プログラム2012とで構成される。また、情報統合装置201はインターフェース部2013を備えており、ATM1や情報表示装置101、また、情報統合装置それ自体が表示を行うATM連携情報表示装置501のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0014】
図4は、本実施例におけるATM連携情報表示装置501の機能的な構成を示すブロック
図である。図4に示すように、ATM連携情報表示装置501は金融機関店舗にいる窓口利
用者やATM利用者に対して、利用情報の表示を行うディスプレイ5011と、周囲の人間に対し、注意喚起等を行う音を発音させる為のスピーカー5012と、装置全体の制御を行う制御部5014と、で構成される。また、ATM連携情報表示装置501はインターフェース部5013を備えており、ホストサーバーやATM1もしくは、情報統合装置201のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0015】
図5は、図1に示した制御部2の構成を示すブロック図である。図5に示すように、制御部2は、基本プログラムであるOS(オペレーティングシステム)23上で実行するプログラムとして、ATM1の全体の制御をつかさどるATMプログラム22と、カメラ4によ
って読み取られた人物の顔画像、並びに取引者の顧客情報を記憶し、動作を検知する、顔・動作検知プログラム21とを有している。制御部2は、ATMプログラム22を不図示のRAM(Random Access Memory)にロードすることにより、上述した各部を制御し、各種の処理を実行する。各種の処理の具体的な内容については、フローチャートを用いて後述する。
【0016】
図6は、図2に示した情報表示装置101の制御をつかさどる制御部1015の機能的構成を
示すブロック図である。制御部1015は基本プログラムであるOS(オペレーティングシステム)10154上で実施するプログラムとして、情報表示装置全体の制御をつかさどる制御
プログラム10153と、情報統合装置201から送られてきた、取り忘れ者の顔画像を保存しておく記憶部10152と、カメラ1013から得た周囲の人物の顔画像を分析する顔・動作検知プ
ログラム10151とを有している。制御部1015は制御プログラム10153を不図示のRAM(Random Access Memory)にロードすることにより、上述した各部を制御し、各種の処理を実行する。各種の処理の具体的な内容については、フローチャートを用いて後述する。
【0017】
図7は、ATM1と情報表示装置101この二つの装置の情報を統合しデータベース化、
並びにATM連携情報表示装置501にスケジュール、ATM1との連携により画面を表示
する機能を持つ情報統合装置201のシステム構成を示す図である。各装置はLANなどの
回線や、映像ケーブル、無線LAN接続などで接続される。
【0018】
図8は、本実施例の金融機関におけるATM1とATM連携情報表示装置501、ならびに情報表示装置101との位置関係を示したものである。なお、ATM連携情報表示装置501はATMの上など、情報表示装置101はATMコーナーで入り口など、対象とする人物に最
も情報を伝達しやすく、かつ、顔などの画像を撮影しやすい場所、方向に設置する。
【0019】
図9は、図1に示した顧客操作部3に表示される通常の取引の選択画面である。
【0020】
図10は、図1に示した顧客操作部3に表示される取り忘れ返却取引を含む、取引選択画面の図である。
【0021】
図11は情報表示装置101のディスプレイ1011に表示される、取り忘れ者が情報表示装
置101のカメラ1013で撮影され、該当の取り忘れ者だと制御部1015が判断した場合に表示
される取り忘れ注意喚起画面の図である。
【0022】
図12は情報表示装置101に表示される通常の広告等の画面の図である。
【0023】
図13は、本実施例における入金取引のフロー図である。
【0024】
図14は、本実施例における取り忘れ返却取引のフロー図である。
【0025】
図15は、本実施例における異物通知処理のフロー図である。
【0026】
図16は、本実施例における情報表示装置101の注意喚起処理のフロー図である。
【0027】
図17は、本実施例におけるATM連携情報表示装置501のATM誘導処理のフロー図
である。
【0028】
次に本実施例における代表的な、取り忘れ取引を説明する為、図13のフロー図に沿って、入金取引について説明する。
【0029】
ATM利用者が入金取引を選択した場合(ステップ1)ATM1は顧客操作部3へ入金受付画面を表示する。(ステップ2)
ATM利用者が現金での入金を選択するか、カードでの入金を選択するかの受付を行い(ステップ3)カードでの入金の場合は、通常のカード入金処理となる(ステップ14)。
【0030】
現金での入金を選択した場合、入金受付処理を行う(ステップ4)。
【0031】
その際、特に紙幣での入金時に、硬貨などの現金が誤って、紙幣入出金口に投入されなければ(ステップ5)、通常の入金処理が行われるが(ステップ15)、ここで、硬貨などが誤って投入された場合は、ATM1は硬貨を異物であると認識し、硬貨を異物返却口へ返却した後、異物通知処理を行う(ステップ6)。
【0032】
異物通知処理(ステップ6)は、図15のフロー図に沿って行われる。
【0033】
まず、ATM1は異物が異物返却口にある旨をATM利用者に通知する為に顧客操作部
3へ、異物有り画面を表示し、注意喚起を行う(ステップ42)。同時に、警告音を発音することでも注意喚起を行う(ステップ43)。また、取り忘れ者の個人情報を制御部2にて記憶する(ステップ44)。この、個人情報には、カメラ4で撮影した取り忘れ者の画像も含まれる。
【0034】
取り忘れ者がATM1の注意喚起に気がつき、異物返却口にある硬貨等の異物を取り出
した場合、(ステップ7)、取引は終了する(ステップ16)。
【0035】
取り忘れ者が未回収のまま、ATM1から離れた場合、異物返却口を閉じて(ステップ8)、情報表示装置101による注意喚起処理を行い(ステップ9)、その後、ATM連携
情報表示装置による誘導処理をする(ステップ10)。
【0036】
情報表示装置101による注意喚起は図16のフロー図に沿って行われる。
【0037】
ATM1から取り忘れ者の顔情報が情報表示装置101に転送される(ステップ52)。情
報表示装置101はカメラにて通過しつつある利用者を撮影する(ステップ53)。撮影した
利用者の顔を撮影したら、ATM1から転送された取り忘れ者の顔情報と比較して顔認証処理をおこなう(ステップ54)。顔認証処理の結果により、取り忘れ者であれば(ステップ55)、取り忘れ注意喚起画面(図11)を表示し(ステップ56)、警告音を発音する(ステップ57)。その後もカメラによる撮影を繰り返し、取り忘れ者がカメラからいなくなれば(ステップ55)、通常画面を表示する(ステップ58)。
【0038】
ATM連携情報表示装置による誘導処理は図17のフロー図に沿って行われる。
【0039】
ATM連携情報表示装置に誘導表示をおこなう(ステップ62)。カメラで利用者を撮影し(ステップ63)、制御部2でもっている取り忘れ者の顔画像を利用して顔認証をおこない(ステップ64)、取り忘れ者であれば(ステップ65)、取り忘れ返却取引をし(ステップ66)、そうでなければ次に進む(ステップ67)。
【0040】
図13のフロー図で、タイムアウトであれば(ステップ11)、情報表示装置に注意喚起終了を連絡し(ステップ12)、紙幣、異物回収処理をおこない(ステップ13)、取引を終了する。タイムアウトでなければATM連携情報表示装置501で誘導処理を続ける。
【0041】
取り忘れ返却取引は図14のフロー図に沿って行われる。
【0042】
まず、取り忘れ返却有り取引画面(図10)を表示する(ステップ22)。取り忘れ者が、取り忘れ返却取引以外の取引を選択したならば(ステップ23)、通常取引をし(ステップ26)、取り忘れ返却取引を選択したならば(ステップ23)、現金の取り忘れの場合(ステップ24)は、取り忘れ紙幣を返却して(ステップ25)終了する。ステップ24で現金の取り忘れでなく、異物の取り忘れの場合(ステップ27)は、取り忘れ異物を返却して(ステップ28)終了する。ステップ27で異物の取り忘れでなければ取り忘れ媒体返却処理(ステップ29)に進む。
【0043】
このように、ATM1は、情報統合装置と連携し、かつ情報表示装置をATM上部、並びに顔認証機能を備えた情報表示装置を店舗出入り口に設置し、取り忘れが発生した場合、取り忘れ該当者が情報表示装置の前を通過する時にだけ、取り忘れを警告する。また、取り忘れが発生しているATMを取り忘れ該当者以外の第三者が使用することを避ける為、取り忘れが発生しているATM以外のATMへ情報表示装置の表示により誘導する。また、取り忘れ者以外の第三者が、取り忘れが発生しているATMへ接近した場合や、取り忘れ者が店舗を出たことを確認すると、タイムアウト時間に達していなくても、取り忘れ媒体を回収する機能を備えたことで、取り忘れられた紙幣、異物を係員の出動無しに返却することが可能となり、その結果、金融機関のコスト削減並びに顧客満足の向上をはかることができる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0045】
1…ATM、2…制御部、3…顧客操作部、4…係員操作部、5…カメラ、6…カード/明細票機構、7…通帳印字機構、8…紙幣入出金/異物返却機構、9…硬貨入出金機構、10…I/F部、21…ATM制御部 顔・動作検知プログラム、22…ATM制御部 ATMプログラム、23…ATM制御部 OS(デバイス・ドライバ含む)、101…情報表示装
置、201…情報統合装置、501…ディスプレイ、1011…情報表示装置 ディスプレイ、1012…情報表示装置 スピーカー、1013…情報表示装置 カメラ、1014…情報表示装置 I/F部、1015…情報表示装置 制御部、2011…情報統合装置 情報データベース、2012…情報統合装置 制御プログラム、2013…情報統合装置 I/F部、10000…外部機器、10151…情報表示装置 制御部 顔・動作検知プログラム、10152…情報表示装置 制御部 記
憶部、10153…情報表示装置 制御部 制御プログラム、10154…情報表示装置 制御部 OS(デバイス・ドライバ含む)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。この技術では、現金自動取引装置の取り出し検知機能と連携した表示盤を店舗のドアに設け、取り忘れを警告するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−162316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記技術では取り忘れが発生した際、一律的に表示盤に表示する為、該当の取り忘れ者以外の第三者も見る可能性が高く、悪意を持った第三者が表示盤を見て、取り忘れ者よりも先に、取り忘れ媒体を取る危険性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、取り忘れ者に取り忘れを安全に警告し、かつ、取り忘れ媒体が取られる可能性を低くする為、取り忘れ者以外の人物を取り忘れが発生した自動取引装置(以下、ATM)以外のATM誘導することで、媒体、現金だけではなく、異物として取り忘れが多く発生する紙幣入金時に誤投入されてしまう硬貨など、多種の取り忘れ媒体の回収率を上げ、取り忘れ物を返却する際の手続きの煩雑さを軽減する可能なATMを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明では、ATMと連携し、かつ顔認証機能を備えた表示装置をATM上部、並びに店舗出入り口に設置し、取り忘れが発生した場合、取り忘れ該当者が情報表示装置の前を通過する時にだけ、取り忘れを警告する。また、取り忘れが発生しているATMを取り忘れ該当者以外の第三者が使用することを避ける為、取り忘れが発生しているATM以外のATMへ情報表示装置の表示により誘導する。また、取り忘れ者以外の第三者が、取り忘れが発生しているATMへ接近した場合や、取り忘れ者が店舗を出たことをカメラ画像より確認すると、タイムアウト時間に達していなくても、取り忘れ媒体を回収する機能を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り忘れの発生回数や、それに伴う管理者側の事務作業、関連トラブルを軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ATM。
【図2】情報表示装置。
【図3】情報統合装置。
【図4】ATM連携情報表示装置。
【図5】ATM制御部。
【図6】情報表示装置制御部。
【図7】システム構成図。
【図8】システム利用図。
【図9】取引選択 画面。
【図10】取り忘れ返却有り取引選択 画面。
【図11】情報表示装置 取り忘れ注意喚起画面。
【図12】情報表示装置 通常画面。
【図13】取り忘れ発生取引 フロー図。
【図14】取り忘れ返却取引 フロー図。
【図15】ATM 異物通知処理 フロー図。
【図16】情報表示装置 注意喚起処理 フロー図。
【図17】ATM誘導処理 フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる自動取引装置の実施の形態を詳細に説明する。以下では、本発明にかかる自動取引装置を、金融機関に採用されているATM(Automated teller machine)に適用した場合について説明しているが、紙幣や証券等の識別情報を有した紙葉類を排出して顧客との取引を行う機能を有しているものであれば、特にこれに限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施の形態におけるATM1の機能的な構成を示すブロック図である。図1に示すように、ATM1は、エンドユーザに取引情報等を含む各種の情報の表示、または入力を受け付ける顧客操作部3と、係員にATM1の取り扱い情報を含む各種の情報の表示、または入力を受け付ける係員操作部4と、ATM1の周囲の環境を撮影し、制御部2に撮影画像を送るカメラ5と、エンドユーザのキャッシュカードを取り扱うカードリーダ/ライタ、およびエンドユーザに明細票を印字して発行する印字機構を備えたカード/明細票機構6と、エンドユーザの通帳に取引情報等の各種の情報を印字する通帳印字機構7と、紙幣の入出金並びに、異物を返却する紙幣入出金機構/異物返却機構8と、硬貨の入
出金をおこなう硬貨入出金機構9と、上記各機構部等に接続し、装置全体の制御を行う制御部2と、を含んで構成されている。また、ATM1は、I/F(インタフェース)部10を備えており、例えば、ATM1を管理するホストサーバのような外部機器10000と接続
する。なお、外部機器10000の構成については特に図示していないが、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置など、一
般的な情報処理装置が有する構成と同様の構成を有しているものとする。
【0011】
図2は、本実施例における情報表示装置101の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報表示装置101は金融機関店舗にいる窓口利用者やATM利用者に
対して、利用情報の表示を行ったり、指等での操作を受け付けるディスプレイ1011と、周囲の人間に対し、注意喚起等を行う音を発音させる為のスピーカー1012と、周囲の人間を撮影する為のカメラ1013と装置全体の制御を行う制御部1015と、で構成される。また、情報表示装置101はインターフェース部1014を備えており、ホストサーバーやATM1もしくは、情報統合装置201のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0012】
図3は、本実施例における情報統合装置201の機能的な構成を示すブロック図である。
【0013】
図3に示すとおり、情報統合装置201はATM1から得た、取り忘れ者情報、並びに、
情報表示装置101から得た周囲の人間の顔情報等を統合し、データベース化する情報デー
タベース2011と、ATM連携情報表示装置501に表示するコンテンツのスケジューリング
機能、ATM1と連携し、コンテンツをスケジュールに割り込めせる割り込み機能などの本実施例のシステム全体を制御する制御プログラム2012とで構成される。また、情報統合装置201はインターフェース部2013を備えており、ATM1や情報表示装置101、また、情報統合装置それ自体が表示を行うATM連携情報表示装置501のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0014】
図4は、本実施例におけるATM連携情報表示装置501の機能的な構成を示すブロック
図である。図4に示すように、ATM連携情報表示装置501は金融機関店舗にいる窓口利
用者やATM利用者に対して、利用情報の表示を行うディスプレイ5011と、周囲の人間に対し、注意喚起等を行う音を発音させる為のスピーカー5012と、装置全体の制御を行う制御部5014と、で構成される。また、ATM連携情報表示装置501はインターフェース部5013を備えており、ホストサーバーやATM1もしくは、情報統合装置201のような外部機器10000と接続することが出来る。
【0015】
図5は、図1に示した制御部2の構成を示すブロック図である。図5に示すように、制御部2は、基本プログラムであるOS(オペレーティングシステム)23上で実行するプログラムとして、ATM1の全体の制御をつかさどるATMプログラム22と、カメラ4によ
って読み取られた人物の顔画像、並びに取引者の顧客情報を記憶し、動作を検知する、顔・動作検知プログラム21とを有している。制御部2は、ATMプログラム22を不図示のRAM(Random Access Memory)にロードすることにより、上述した各部を制御し、各種の処理を実行する。各種の処理の具体的な内容については、フローチャートを用いて後述する。
【0016】
図6は、図2に示した情報表示装置101の制御をつかさどる制御部1015の機能的構成を
示すブロック図である。制御部1015は基本プログラムであるOS(オペレーティングシステム)10154上で実施するプログラムとして、情報表示装置全体の制御をつかさどる制御
プログラム10153と、情報統合装置201から送られてきた、取り忘れ者の顔画像を保存しておく記憶部10152と、カメラ1013から得た周囲の人物の顔画像を分析する顔・動作検知プ
ログラム10151とを有している。制御部1015は制御プログラム10153を不図示のRAM(Random Access Memory)にロードすることにより、上述した各部を制御し、各種の処理を実行する。各種の処理の具体的な内容については、フローチャートを用いて後述する。
【0017】
図7は、ATM1と情報表示装置101この二つの装置の情報を統合しデータベース化、
並びにATM連携情報表示装置501にスケジュール、ATM1との連携により画面を表示
する機能を持つ情報統合装置201のシステム構成を示す図である。各装置はLANなどの
回線や、映像ケーブル、無線LAN接続などで接続される。
【0018】
図8は、本実施例の金融機関におけるATM1とATM連携情報表示装置501、ならびに情報表示装置101との位置関係を示したものである。なお、ATM連携情報表示装置501はATMの上など、情報表示装置101はATMコーナーで入り口など、対象とする人物に最
も情報を伝達しやすく、かつ、顔などの画像を撮影しやすい場所、方向に設置する。
【0019】
図9は、図1に示した顧客操作部3に表示される通常の取引の選択画面である。
【0020】
図10は、図1に示した顧客操作部3に表示される取り忘れ返却取引を含む、取引選択画面の図である。
【0021】
図11は情報表示装置101のディスプレイ1011に表示される、取り忘れ者が情報表示装
置101のカメラ1013で撮影され、該当の取り忘れ者だと制御部1015が判断した場合に表示
される取り忘れ注意喚起画面の図である。
【0022】
図12は情報表示装置101に表示される通常の広告等の画面の図である。
【0023】
図13は、本実施例における入金取引のフロー図である。
【0024】
図14は、本実施例における取り忘れ返却取引のフロー図である。
【0025】
図15は、本実施例における異物通知処理のフロー図である。
【0026】
図16は、本実施例における情報表示装置101の注意喚起処理のフロー図である。
【0027】
図17は、本実施例におけるATM連携情報表示装置501のATM誘導処理のフロー図
である。
【0028】
次に本実施例における代表的な、取り忘れ取引を説明する為、図13のフロー図に沿って、入金取引について説明する。
【0029】
ATM利用者が入金取引を選択した場合(ステップ1)ATM1は顧客操作部3へ入金受付画面を表示する。(ステップ2)
ATM利用者が現金での入金を選択するか、カードでの入金を選択するかの受付を行い(ステップ3)カードでの入金の場合は、通常のカード入金処理となる(ステップ14)。
【0030】
現金での入金を選択した場合、入金受付処理を行う(ステップ4)。
【0031】
その際、特に紙幣での入金時に、硬貨などの現金が誤って、紙幣入出金口に投入されなければ(ステップ5)、通常の入金処理が行われるが(ステップ15)、ここで、硬貨などが誤って投入された場合は、ATM1は硬貨を異物であると認識し、硬貨を異物返却口へ返却した後、異物通知処理を行う(ステップ6)。
【0032】
異物通知処理(ステップ6)は、図15のフロー図に沿って行われる。
【0033】
まず、ATM1は異物が異物返却口にある旨をATM利用者に通知する為に顧客操作部
3へ、異物有り画面を表示し、注意喚起を行う(ステップ42)。同時に、警告音を発音することでも注意喚起を行う(ステップ43)。また、取り忘れ者の個人情報を制御部2にて記憶する(ステップ44)。この、個人情報には、カメラ4で撮影した取り忘れ者の画像も含まれる。
【0034】
取り忘れ者がATM1の注意喚起に気がつき、異物返却口にある硬貨等の異物を取り出
した場合、(ステップ7)、取引は終了する(ステップ16)。
【0035】
取り忘れ者が未回収のまま、ATM1から離れた場合、異物返却口を閉じて(ステップ8)、情報表示装置101による注意喚起処理を行い(ステップ9)、その後、ATM連携
情報表示装置による誘導処理をする(ステップ10)。
【0036】
情報表示装置101による注意喚起は図16のフロー図に沿って行われる。
【0037】
ATM1から取り忘れ者の顔情報が情報表示装置101に転送される(ステップ52)。情
報表示装置101はカメラにて通過しつつある利用者を撮影する(ステップ53)。撮影した
利用者の顔を撮影したら、ATM1から転送された取り忘れ者の顔情報と比較して顔認証処理をおこなう(ステップ54)。顔認証処理の結果により、取り忘れ者であれば(ステップ55)、取り忘れ注意喚起画面(図11)を表示し(ステップ56)、警告音を発音する(ステップ57)。その後もカメラによる撮影を繰り返し、取り忘れ者がカメラからいなくなれば(ステップ55)、通常画面を表示する(ステップ58)。
【0038】
ATM連携情報表示装置による誘導処理は図17のフロー図に沿って行われる。
【0039】
ATM連携情報表示装置に誘導表示をおこなう(ステップ62)。カメラで利用者を撮影し(ステップ63)、制御部2でもっている取り忘れ者の顔画像を利用して顔認証をおこない(ステップ64)、取り忘れ者であれば(ステップ65)、取り忘れ返却取引をし(ステップ66)、そうでなければ次に進む(ステップ67)。
【0040】
図13のフロー図で、タイムアウトであれば(ステップ11)、情報表示装置に注意喚起終了を連絡し(ステップ12)、紙幣、異物回収処理をおこない(ステップ13)、取引を終了する。タイムアウトでなければATM連携情報表示装置501で誘導処理を続ける。
【0041】
取り忘れ返却取引は図14のフロー図に沿って行われる。
【0042】
まず、取り忘れ返却有り取引画面(図10)を表示する(ステップ22)。取り忘れ者が、取り忘れ返却取引以外の取引を選択したならば(ステップ23)、通常取引をし(ステップ26)、取り忘れ返却取引を選択したならば(ステップ23)、現金の取り忘れの場合(ステップ24)は、取り忘れ紙幣を返却して(ステップ25)終了する。ステップ24で現金の取り忘れでなく、異物の取り忘れの場合(ステップ27)は、取り忘れ異物を返却して(ステップ28)終了する。ステップ27で異物の取り忘れでなければ取り忘れ媒体返却処理(ステップ29)に進む。
【0043】
このように、ATM1は、情報統合装置と連携し、かつ情報表示装置をATM上部、並びに顔認証機能を備えた情報表示装置を店舗出入り口に設置し、取り忘れが発生した場合、取り忘れ該当者が情報表示装置の前を通過する時にだけ、取り忘れを警告する。また、取り忘れが発生しているATMを取り忘れ該当者以外の第三者が使用することを避ける為、取り忘れが発生しているATM以外のATMへ情報表示装置の表示により誘導する。また、取り忘れ者以外の第三者が、取り忘れが発生しているATMへ接近した場合や、取り忘れ者が店舗を出たことを確認すると、タイムアウト時間に達していなくても、取り忘れ媒体を回収する機能を備えたことで、取り忘れられた紙幣、異物を係員の出動無しに返却することが可能となり、その結果、金融機関のコスト削減並びに顧客満足の向上をはかることができる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0045】
1…ATM、2…制御部、3…顧客操作部、4…係員操作部、5…カメラ、6…カード/明細票機構、7…通帳印字機構、8…紙幣入出金/異物返却機構、9…硬貨入出金機構、10…I/F部、21…ATM制御部 顔・動作検知プログラム、22…ATM制御部 ATMプログラム、23…ATM制御部 OS(デバイス・ドライバ含む)、101…情報表示装
置、201…情報統合装置、501…ディスプレイ、1011…情報表示装置 ディスプレイ、1012…情報表示装置 スピーカー、1013…情報表示装置 カメラ、1014…情報表示装置 I/F部、1015…情報表示装置 制御部、2011…情報統合装置 情報データベース、2012…情報統合装置 制御プログラム、2013…情報統合装置 I/F部、10000…外部機器、10151…情報表示装置 制御部 顔・動作検知プログラム、10152…情報表示装置 制御部 記
憶部、10153…情報表示装置 制御部 制御プログラム、10154…情報表示装置 制御部 OS(デバイス・ドライバ含む)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置設置建物において、自動取引装置で取り忘れが発生した場合、顔認証を行うことで、取り忘れ該当者が情報表示機を目視する時のみ、情報を表示する情報表示システム。
【請求項2】
請求項1において、取り忘れ該当者が取り忘れに気が付き取り忘れ発生自動取引装置へ戻ってきた際、顔認証や媒体による認証による本人確認をし、取り忘れ返却取引を行う自動取引装置。
【請求項1】
自動取引装置設置建物において、自動取引装置で取り忘れが発生した場合、顔認証を行うことで、取り忘れ該当者が情報表示機を目視する時のみ、情報を表示する情報表示システム。
【請求項2】
請求項1において、取り忘れ該当者が取り忘れに気が付き取り忘れ発生自動取引装置へ戻ってきた際、顔認証や媒体による認証による本人確認をし、取り忘れ返却取引を行う自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−3868(P2013−3868A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134728(P2011−134728)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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