自動取引装置
【課題】顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、保守員が前面に移動するまでの間に、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに表示された保守画面を顧客に見られたり、操作されたりしないようにする。
【解決手段】保守を開始するときは、顧客が操作する自動取引装置1の前面の操作パネル5に取引中止の旨を表示し、自動取引装置1の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する自動取引装置1の前面の操作パネル5に保守画面を表示するようにした。
【解決手段】保守を開始するときは、顧客が操作する自動取引装置1の前面の操作パネル5に取引中止の旨を表示し、自動取引装置1の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する自動取引装置1の前面の操作パネル5に保守画面を表示するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守点検を行う自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動取引装置の点検等の保守を行う際は、保守員が自動取引装置後面の操作パネルに保守項目を表示させた保守画面から所望の保守項目を選択して保守を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このとき、従来の自動取引装置では、装置前面にて直接目視して確認する必要のある保守項目、例えば顧客が操作する操作パネルのLCDやタッチパネルなどをチェックする場合では、装置前面の操作パネルに保守画面を切り替えた後に、自動取引装置の前面に移動して保守を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−94480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の保守方法では、前面の操作パネルに表示された保守画面を保守員が前面に移動するまでの間に、顧客に見られたり誤って操作されたりする恐れがあり、セキュリティ上の問題や事故等が発生することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題を解決するために次の手段を採用する。すなわち、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動取引装置によれば、上記構成としたので、保守画面を顧客に見られたり、顧客が誤って操作したりすることをなくすことができ、セキュリティ上の問題や事故等の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例の自動取引装置の外観構成図である。
【図2】実施例の自動取引装置の内部構成図である。
【図3】実施例の自動取引装置の保守ユティリティのシステム構成図である。
【図4】実施例の自動取引装置の筐体コントローラの保守点検項目の例示図である。
【図5】店舗内の自動取引装置の配置を示す例示図である。
【図6】実施例の自動取引装置の保守点検手順を説明する動作フローチャート図である。
【図7】実施例の自動取引装置の保守画面例である。
【図8】実施例の自動取引装置の保守ユティリティメニュー画面例である。
【図9】実施例の自動取引装置の各種テストメニュー画面例である。
【図10】実施例の自動取引装置のI/Oテストメニュー画面例である。
【図11】実施例の自動取引装置の筐体点検項目メニュー画面例である。
【図12】実施例の自動取引装置のLCDチェック実行結果画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態例を、図面を用いて説明する。なお、図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例】
【0010】
(構成)
図1は、実施例の自動取引装置の外観構成図である。同図に示したように、自動取引装置1の前面には、通帳の挿入・排出を行う通帳取扱口2aと、キャッシュカード等のカードを挿入・排出するカード取扱口2bと、硬貨の入金・出金を行う硬貨入出金口3aと、紙幣の入金・出金を行う紙幣入出金口3bと、主として顧客が取引種別に応じて各操作を行う前面操作パネル5と、保守員が前面から装置内を保守するときに保守員の認証として用いられる前面扉鍵6が設けられ、後面には、保守員が後面から保守するための金庫扉7と、保守員が保守内容に応じて各操作を行う後面操作パネル8と、保守員の認証を行うためのID登録鍵9が設けられている。なお、同図では、金庫扉7が自動取引装置1の後面より開かれている状態を示している。
【0011】
図2は、自動取引装置の機能構成を示す内部構成図である。同図に示したように、自動取引装置1は、カード取扱口2bから挿入されたキャッシュカード等の磁気ストライプのリードライトを行うカードリーダライタ13と、取引結果をレシートに印字するためのレシートプリンタ14と、取引履歴をジャーナに印字するジャーナルプリンタ15と、通帳取扱口2aから挿入された顧客の通帳の搬送や磁気ストライプのリードライトなどを行う通帳記帳機16と、入金された硬貨の処理や出金処理を行う硬貨入出金機17、入金された紙幣の処理や出金処理を行う紙幣入出金機18と、制御部12の制御のもとに筐体周辺に設けられたLCD、LED、スピーカ、シャッタ等の各部の制御を司る筐体コントローラとからなる。
【0012】
そして、以上の各部と制御部12が内部バス等により接続された構成となっている。当該接続インターフェースはバス等でなくシリアルインタフェースなどで接続するようにして勿論よい。
【0013】
なお、制御部12には、保守ユティリティがインストールされており、保守員の要求に応じて、カードリーダライタ13、レシートプリンタ14、ジャーナルプリンタ15、通帳記帳機16、硬貨入出金機17、紙幣入出金機18、筐体コントローラ19の保守を行うことができるようになっている。
【0014】
図3は、上記保守ユティリティのシステム構成図である。同図に示したように、保守ユティリティ21は、ドライバ部22を介して、カードリーダライタ13、レシートプリンタ14、ジャーナルプリンタ15、通帳記帳機16、硬貨入出金機17、紙幣入出金機18、筐体コントローラ19と接続された構成となっている。このドライバ部22は、上記各部からの状態情報を入力として、当該入力に応じて各部を動作させるものである。
【0015】
図4は、筐体コントローラ19の保守点検項目の例を示した図である。本例では、全12項目のうち、右欄の「点検時に保守員が前面に移動する必要性の有無」が「有り」となっている点検項目については、必ず、自動取引装置1の前面に移動する必要がある。
【0016】
すなわち、1番ないし3番のLCDチェック、タッチパネルチェック、スピーカ等のチェックである音声チェック、5番ないし7番の装置内の各センサ・スイッチの状態を表示して確認するスイッチ情報表示、LEDランプ表示、フリッカランプ表示、10番および11番の硬貨入出金口3aおよび紙幣入出金口3b等のシャッタの開閉を確認するシャッタ機能動作確認、硬貨や紙幣を取り込む機構等の動作確認を行うアクチュエータ動作確認の計8項目については、保守員が前面操作パネル5とその周辺を直接目視等により確認しなければならないため、必ず自動取引装置1の前面に移動する必要がある。
【0017】
図5は、店舗内における自動取引装置の配置の例を示した図である。同図に示したように、店舗内には、一般に、前面側を顧客側とし後面側を保守員作業エリア41として、自動取引装置1aおよび1bが壁に備え付けられており、保守員作業エリア41に保守員が入るための出入り口42が設けられた構成となっている。
【0018】
(動作)
以上の構成により、実施例の自動取引装置1は以下のように動作する。この動作を図6の保守点検手順の動作フローチャートおよび図7ないし図12の画面例を用いて詳細に説明する。なお、動作フローチャート図において、真中が保守員の操作を示し、左側が前面操作パネル5の表示内容の遷移を示し、右側が後面操作パネル8の表示内容の遷移を示している。
【0019】
まず、システムを起動すると(ステップS1)、前面操作パネル5に、通常の取引画面を表示し(ステップS31)、後面操作パネル8に図7の保守画面を表示する(ステップS51)。
【0020】
そして、保守員が出入り口42から保守員作業エリア41に入り、自動取引装置1aまたは1bの後面にて図示しないキーにより金庫扉7を開き、ID登録鍵9にて保守員の認証を行った後、図7に示した保守画面の左下にある保守ボタン101を押下する(ステップS2)。
【0021】
このとき、顧客による操作を中止させるために前面操作パネル5に「取扱中止」と表示する(ステップS32)。そして、後面操作パネル8に図8に示した保守ユティリティメニュー画面を表示する(ステップS52)。すると、保守員は、保守ユティリティメニュー画面の各種テストボタン102を押下する(ステップS3)。
【0022】
各テストボタン102が押下されると、後面操作パネル8に図9に示した各種テストメニュー画面を表示する(ステップS53)。
【0023】
次に、保守員は、図9の各種テストメニュー画面のI/Oテストボタン103を押下すると(ステップS4)、後面操作パネル8に図10に示したI/Oテストメニュー画面を表示する(ステップS54)。
【0024】
次に、保守員は、図10のI/Oテストメニュー画面のMCU/筐体ボタン104を押下すると(ステップS5)、図11の筐体点検項目メニュー画面を表示する(ステップS55)。
【0025】
ここで、従来はこのとき、前面操作パネル5に後面操作パネル8と同じ図11の筐体点検項目メニュー画面を表示させていたが、実施例の自動取引装置では前面操作パネル5の表示は「取扱中止」のままとなっている。
【0026】
そして、保守員が出入り口42から出て、自動取引装置1aまたは1bの前面側に移動し、前面扉鍵6に所定の鍵を差込んで例えば右側に回すと(ステップS6)、保守ユティリティ21は、前面扉鍵6の状態の変化を検知し、後面操作パネル8に表示した図11の筐体点検項目メニュー画面と同様の画面を前面操作パネル5にも表示する(ステップS33)。このとき、省電力のために後面操作パネル8の画面を消すようにしても勿論よい。
【0027】
すると、保守員が、例えば、LCDチェックを行う場合は、図11の保守メニューからLCDチェック105を選択し、実行ボタン106押下すると、前面操作パネル5の表示部に表示されるテスト画面を目視して表示状態を確認する。
【0028】
そして、テスト結果に問題がないときは、再び表示された図11の画面にて正常ボタン108を押下すると(ステップS7)、図12のように、チェック結果として「○」印110が付記されたLCDチェック実行結果表示画面が表示される(ステップS34)。なお、「○」印でなく、「OK」などを表示するようにしても勿論よい。
【0029】
そして、同様に所望のすべてのチェックを終了し、図12の終了ボタン107を押下すると(ステップS8)、前面操作パネル5の表示を図10のI/Oテストメニュー画面に戻す(ステップS35)。
【0030】
なお、再度、LCDのチェックを実行する場合は、図12の実行ボタン106を再び押下して目視チェックを行う。また、チェックの結果、異常が認められたときは、異常ボタン109を押下すると、当該チェックメニューの右側に「×」印111を表示する。なお、「×」印でなく、「NG」などを表示するようにしても勿論よい。
【0031】
そして、前面扉鍵6に差込んだ鍵を抜くと(ステップS9)、保守ユティリティ21は、前面扉鍵6の状態変化を検知し、前面操作パネル5の表示を、「取扱中止」に戻す(ステップS36)。
【0032】
そして、保守員は、再び、出入り口42から保守員作業エリア41に入り、自動取引装置1aまたは1bの後面にて保守可能な保守点検項目の確認を行い、すべての保守点検項目を終了後、ID登録鍵9を抜き、金庫扉7を閉め、出入り口42から出て、保守作業を完了する。
【0033】
なお、前述の保守員が前記ID登録鍵9を抜いた時に、前面操作パネル5の表示を通常の取引画面に戻す。
【0034】
以上の実施例の説明では、保守員が自動取引装置1の前面の前面扉鍵6に所定鍵を入れ回したことを検知して、後面の操作パネル8の保守画面と同じ画面を前面の操作パネル5に表示するように説明したが、カード取扱口2bに例えばICカードなどの保守員用カードを挿入し保守員の認証を完了したことを検知して表示するようにしてもよい。
【0035】
(実施例の効果)
以上のように実施例の自動取引装置によれば、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにしたので、保守画面を顧客に見られたり、顧客が誤って操作したりすることをなくすことができ、セキュリティ上の問題や事故の発生をなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守点検を行う自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
1、1a、1b:自動取引装置
5:前面操作パネル
6:前面扉鍵
7:金庫扉
8:後面操作パネル
9:ID登録鍵
19:筐体コントローラ
21:保守ユティリティ
22:ドライバ部
41:保守員作業エリア
42:出入り口
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守点検を行う自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動取引装置の点検等の保守を行う際は、保守員が自動取引装置後面の操作パネルに保守項目を表示させた保守画面から所望の保守項目を選択して保守を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このとき、従来の自動取引装置では、装置前面にて直接目視して確認する必要のある保守項目、例えば顧客が操作する操作パネルのLCDやタッチパネルなどをチェックする場合では、装置前面の操作パネルに保守画面を切り替えた後に、自動取引装置の前面に移動して保守を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−94480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の保守方法では、前面の操作パネルに表示された保守画面を保守員が前面に移動するまでの間に、顧客に見られたり誤って操作されたりする恐れがあり、セキュリティ上の問題や事故等が発生することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題を解決するために次の手段を採用する。すなわち、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動取引装置によれば、上記構成としたので、保守画面を顧客に見られたり、顧客が誤って操作したりすることをなくすことができ、セキュリティ上の問題や事故等の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例の自動取引装置の外観構成図である。
【図2】実施例の自動取引装置の内部構成図である。
【図3】実施例の自動取引装置の保守ユティリティのシステム構成図である。
【図4】実施例の自動取引装置の筐体コントローラの保守点検項目の例示図である。
【図5】店舗内の自動取引装置の配置を示す例示図である。
【図6】実施例の自動取引装置の保守点検手順を説明する動作フローチャート図である。
【図7】実施例の自動取引装置の保守画面例である。
【図8】実施例の自動取引装置の保守ユティリティメニュー画面例である。
【図9】実施例の自動取引装置の各種テストメニュー画面例である。
【図10】実施例の自動取引装置のI/Oテストメニュー画面例である。
【図11】実施例の自動取引装置の筐体点検項目メニュー画面例である。
【図12】実施例の自動取引装置のLCDチェック実行結果画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態例を、図面を用いて説明する。なお、図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例】
【0010】
(構成)
図1は、実施例の自動取引装置の外観構成図である。同図に示したように、自動取引装置1の前面には、通帳の挿入・排出を行う通帳取扱口2aと、キャッシュカード等のカードを挿入・排出するカード取扱口2bと、硬貨の入金・出金を行う硬貨入出金口3aと、紙幣の入金・出金を行う紙幣入出金口3bと、主として顧客が取引種別に応じて各操作を行う前面操作パネル5と、保守員が前面から装置内を保守するときに保守員の認証として用いられる前面扉鍵6が設けられ、後面には、保守員が後面から保守するための金庫扉7と、保守員が保守内容に応じて各操作を行う後面操作パネル8と、保守員の認証を行うためのID登録鍵9が設けられている。なお、同図では、金庫扉7が自動取引装置1の後面より開かれている状態を示している。
【0011】
図2は、自動取引装置の機能構成を示す内部構成図である。同図に示したように、自動取引装置1は、カード取扱口2bから挿入されたキャッシュカード等の磁気ストライプのリードライトを行うカードリーダライタ13と、取引結果をレシートに印字するためのレシートプリンタ14と、取引履歴をジャーナに印字するジャーナルプリンタ15と、通帳取扱口2aから挿入された顧客の通帳の搬送や磁気ストライプのリードライトなどを行う通帳記帳機16と、入金された硬貨の処理や出金処理を行う硬貨入出金機17、入金された紙幣の処理や出金処理を行う紙幣入出金機18と、制御部12の制御のもとに筐体周辺に設けられたLCD、LED、スピーカ、シャッタ等の各部の制御を司る筐体コントローラとからなる。
【0012】
そして、以上の各部と制御部12が内部バス等により接続された構成となっている。当該接続インターフェースはバス等でなくシリアルインタフェースなどで接続するようにして勿論よい。
【0013】
なお、制御部12には、保守ユティリティがインストールされており、保守員の要求に応じて、カードリーダライタ13、レシートプリンタ14、ジャーナルプリンタ15、通帳記帳機16、硬貨入出金機17、紙幣入出金機18、筐体コントローラ19の保守を行うことができるようになっている。
【0014】
図3は、上記保守ユティリティのシステム構成図である。同図に示したように、保守ユティリティ21は、ドライバ部22を介して、カードリーダライタ13、レシートプリンタ14、ジャーナルプリンタ15、通帳記帳機16、硬貨入出金機17、紙幣入出金機18、筐体コントローラ19と接続された構成となっている。このドライバ部22は、上記各部からの状態情報を入力として、当該入力に応じて各部を動作させるものである。
【0015】
図4は、筐体コントローラ19の保守点検項目の例を示した図である。本例では、全12項目のうち、右欄の「点検時に保守員が前面に移動する必要性の有無」が「有り」となっている点検項目については、必ず、自動取引装置1の前面に移動する必要がある。
【0016】
すなわち、1番ないし3番のLCDチェック、タッチパネルチェック、スピーカ等のチェックである音声チェック、5番ないし7番の装置内の各センサ・スイッチの状態を表示して確認するスイッチ情報表示、LEDランプ表示、フリッカランプ表示、10番および11番の硬貨入出金口3aおよび紙幣入出金口3b等のシャッタの開閉を確認するシャッタ機能動作確認、硬貨や紙幣を取り込む機構等の動作確認を行うアクチュエータ動作確認の計8項目については、保守員が前面操作パネル5とその周辺を直接目視等により確認しなければならないため、必ず自動取引装置1の前面に移動する必要がある。
【0017】
図5は、店舗内における自動取引装置の配置の例を示した図である。同図に示したように、店舗内には、一般に、前面側を顧客側とし後面側を保守員作業エリア41として、自動取引装置1aおよび1bが壁に備え付けられており、保守員作業エリア41に保守員が入るための出入り口42が設けられた構成となっている。
【0018】
(動作)
以上の構成により、実施例の自動取引装置1は以下のように動作する。この動作を図6の保守点検手順の動作フローチャートおよび図7ないし図12の画面例を用いて詳細に説明する。なお、動作フローチャート図において、真中が保守員の操作を示し、左側が前面操作パネル5の表示内容の遷移を示し、右側が後面操作パネル8の表示内容の遷移を示している。
【0019】
まず、システムを起動すると(ステップS1)、前面操作パネル5に、通常の取引画面を表示し(ステップS31)、後面操作パネル8に図7の保守画面を表示する(ステップS51)。
【0020】
そして、保守員が出入り口42から保守員作業エリア41に入り、自動取引装置1aまたは1bの後面にて図示しないキーにより金庫扉7を開き、ID登録鍵9にて保守員の認証を行った後、図7に示した保守画面の左下にある保守ボタン101を押下する(ステップS2)。
【0021】
このとき、顧客による操作を中止させるために前面操作パネル5に「取扱中止」と表示する(ステップS32)。そして、後面操作パネル8に図8に示した保守ユティリティメニュー画面を表示する(ステップS52)。すると、保守員は、保守ユティリティメニュー画面の各種テストボタン102を押下する(ステップS3)。
【0022】
各テストボタン102が押下されると、後面操作パネル8に図9に示した各種テストメニュー画面を表示する(ステップS53)。
【0023】
次に、保守員は、図9の各種テストメニュー画面のI/Oテストボタン103を押下すると(ステップS4)、後面操作パネル8に図10に示したI/Oテストメニュー画面を表示する(ステップS54)。
【0024】
次に、保守員は、図10のI/Oテストメニュー画面のMCU/筐体ボタン104を押下すると(ステップS5)、図11の筐体点検項目メニュー画面を表示する(ステップS55)。
【0025】
ここで、従来はこのとき、前面操作パネル5に後面操作パネル8と同じ図11の筐体点検項目メニュー画面を表示させていたが、実施例の自動取引装置では前面操作パネル5の表示は「取扱中止」のままとなっている。
【0026】
そして、保守員が出入り口42から出て、自動取引装置1aまたは1bの前面側に移動し、前面扉鍵6に所定の鍵を差込んで例えば右側に回すと(ステップS6)、保守ユティリティ21は、前面扉鍵6の状態の変化を検知し、後面操作パネル8に表示した図11の筐体点検項目メニュー画面と同様の画面を前面操作パネル5にも表示する(ステップS33)。このとき、省電力のために後面操作パネル8の画面を消すようにしても勿論よい。
【0027】
すると、保守員が、例えば、LCDチェックを行う場合は、図11の保守メニューからLCDチェック105を選択し、実行ボタン106押下すると、前面操作パネル5の表示部に表示されるテスト画面を目視して表示状態を確認する。
【0028】
そして、テスト結果に問題がないときは、再び表示された図11の画面にて正常ボタン108を押下すると(ステップS7)、図12のように、チェック結果として「○」印110が付記されたLCDチェック実行結果表示画面が表示される(ステップS34)。なお、「○」印でなく、「OK」などを表示するようにしても勿論よい。
【0029】
そして、同様に所望のすべてのチェックを終了し、図12の終了ボタン107を押下すると(ステップS8)、前面操作パネル5の表示を図10のI/Oテストメニュー画面に戻す(ステップS35)。
【0030】
なお、再度、LCDのチェックを実行する場合は、図12の実行ボタン106を再び押下して目視チェックを行う。また、チェックの結果、異常が認められたときは、異常ボタン109を押下すると、当該チェックメニューの右側に「×」印111を表示する。なお、「×」印でなく、「NG」などを表示するようにしても勿論よい。
【0031】
そして、前面扉鍵6に差込んだ鍵を抜くと(ステップS9)、保守ユティリティ21は、前面扉鍵6の状態変化を検知し、前面操作パネル5の表示を、「取扱中止」に戻す(ステップS36)。
【0032】
そして、保守員は、再び、出入り口42から保守員作業エリア41に入り、自動取引装置1aまたは1bの後面にて保守可能な保守点検項目の確認を行い、すべての保守点検項目を終了後、ID登録鍵9を抜き、金庫扉7を閉め、出入り口42から出て、保守作業を完了する。
【0033】
なお、前述の保守員が前記ID登録鍵9を抜いた時に、前面操作パネル5の表示を通常の取引画面に戻す。
【0034】
以上の実施例の説明では、保守員が自動取引装置1の前面の前面扉鍵6に所定鍵を入れ回したことを検知して、後面の操作パネル8の保守画面と同じ画面を前面の操作パネル5に表示するように説明したが、カード取扱口2bに例えばICカードなどの保守員用カードを挿入し保守員の認証を完了したことを検知して表示するようにしてもよい。
【0035】
(実施例の効果)
以上のように実施例の自動取引装置によれば、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにしたので、保守画面を顧客に見られたり、顧客が誤って操作したりすることをなくすことができ、セキュリティ上の問題や事故の発生をなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守点検を行う自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
1、1a、1b:自動取引装置
5:前面操作パネル
6:前面扉鍵
7:金庫扉
8:後面操作パネル
9:ID登録鍵
19:筐体コントローラ
21:保守ユティリティ
22:ドライバ部
41:保守員作業エリア
42:出入り口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、
保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、
前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにしたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記装置の前面における保守操作開始の検知は、前面扉鍵の操作の検出または保守員用カードの認証により検知するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
装置後面に操作パネルを備え、前記装置前面および後面にて保守を行なう自動取引装置であって、
前記装置の前面における保守操作開始を検知したときは、前記装置後面の操作パネルの画面を消すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記装置の前面における保守操作終了を検知したときは、前記装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示することを特徴とする請求項1または2記載の自動取引装置。
【請求項1】
顧客が操作する装置前面の操作パネルを用いて保守を行う自動取引装置において、
保守を開始するときは、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示し、
前記装置の前面における保守操作開始を検知したときに、前記顧客が操作する装置前面の操作パネルに保守画面を表示するようにしたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記装置の前面における保守操作開始の検知は、前面扉鍵の操作の検出または保守員用カードの認証により検知するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
装置後面に操作パネルを備え、前記装置前面および後面にて保守を行なう自動取引装置であって、
前記装置の前面における保守操作開始を検知したときは、前記装置後面の操作パネルの画面を消すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記装置の前面における保守操作終了を検知したときは、前記装置前面の操作パネルに取引中止の旨を表示することを特徴とする請求項1または2記載の自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−50993(P2013−50993A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260271(P2012−260271)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2007−326122(P2007−326122)の分割
【原出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2007−326122(P2007−326122)の分割
【原出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
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