説明

自動問診システム

【課題】問診に対し受診者が想定外の回答をする場合、想定回答をするように誘導する自動問診システムを提供する。
【解決手段】マイクと、スピーカと、音声認識手段と、音声出力手段と、問診対話シナリオにおける看者に対する質問文の質問情報が記憶された質問情報記憶手段と、質問文に対する選択回答の回答情報を質問文と関連づけて記憶する問診結果記憶手段と、質問情報を順次読み出し発話出力する質問読出手段と、受診者の回答情報が想定回答か想定外回答かを判別する回答判別手段と、各質問文の選択肢の種別に応じて、質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文のガイド情報を記憶するガイド情報記憶手段と、想定回答の場合、回答情報を問診結果記憶手段に保存する回答保存手段と、想定外回答の場合、質問文の選択肢の種別に応じ、ガイド情報を発話出力するガイド出力手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院などにおいて受診者の問診を自動で行う自動問診システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動問診システムとしては、特許文献1−3に記載のものが公知である。
【0003】
特許文献1には、健康管理提供者があらかじめ設定した質問に関する第1のデータ、および前記第1のデータに関連した第2のデータを蓄積するサーバと、通信ネットワークを介し、前記サーバから前記第1のデータを読み出して第1の表示手段に表示するとともに、健康管理対象者が前記第1の表示手段に表示された質問に対して音声または画像で行った回答を音声データまたは画像データに変換し、この変換データを、前記通信ネットワークを介し、前記第2のデータとして前記サーバに転送する第1の端末と、前記通信ネットワークを介し、前記サーバから前記第1および第2のデータを読み出し、少なくとも前記第2のデータである音声データまたは画像データを音声または画像に変換する第2の端末とを備えた健康データ収集装置が記載されている。
【0004】
上記特許文献1の健康データ収集装置は、問診の際の質問は、第1の端末に備えられた第1の表示手段に表示され、受診者はその質問を読んで、音声又はタッチパネルにより回答するように構成されている。この場合、特に高齢者のように弱視者には質問を目読するのが困難な場合が多いという問題がある。
【0005】
それに対して、上記特許文献2,3には、医療関係者側に置かれる医療側情報処理装置及び利用者側に置かれる健康管理支援端末がネットワークによってサーバに接続され、前記健康管理支援端末は、音声合成又は音声データに基づいて音声出力を行う音声出力手段を備えることで利用者に予め固定的に記憶している質問及び/又は前記サーバによって追加された質問を与え、利用者から返される情報を取得する情報取得手段にてその回答を取得し、この回答データを前記サーバに自動送信するように構成され、前記サーバは、利用者毎の質問リストを保持し、追加の質問データを前記健康管理支援端末に送信し、回答データを利用者毎に管理して成る利用者健康関連情報を少なくとも蓄積し、前記医療側情報処理装置からの要求に応じて少なくとも前記利用者健康関連情報を当該装置に送信すると共に、前記医療側情報処理装置から入力された利用者毎の追加の質問の受信を行うように構成されたことを特徴とする健康管理支援システムが記載されている。
【0006】
この健康管理支援システムでは、問診の際の質問は音声により行われ、それに対する受診者の回答も音声により行われる。従って、対話形式で問診が行われるため、高齢者のような弱視者にとっても適切な問診を行うことが可能である。
【0007】
図19は、特許文献2に記載の健康管理支援システムの動作を表すフローチャートである。このシステムでは、1日に3〜4問の問診を行い、1週間で一巡することを基本としている。例えば、問診数が23問の場合、1週間の各日の問診数は4,4,3,3,3,3,3というようになる。図19のステップS101〜S105は、1回の問診を行う際の質問の選択等の前処理である。1回の問診を行う際の問診動作は、図19のステップS106〜S116である。
【0008】
まず、ステップS106,107で、質問が読み出され、利用者側の健康管理支援端末(ペット型健康管理支援端末)において問診言葉が発話される。この問診に対する利用者の「はい」「いいえ」による回答の待ち時間は10秒とされる(S109)。10秒経過しても回答のない場合はもう一度発話する。これを3回まで繰り返す(S111)。3回実行しても音声入力のない場合には、その問診に対する回答は「いいえ」とされる(S113)。
【0009】
「はい」の回答があった場合(S110)、健康管理支援端末において、要注意回答に対する報知である「糖尿病の症状かもしれません。サーバに登録してもいいですか」という質問が発話され、これに対する利用者の回答が「はい」ならば「登録可」として処理し(ステップS114における「Yes」)、ステップS115において「サーバ登録可」の情報が格納される。ステップS114で利用者の回答が「いいえ」の場合、ステップS115において「サーバ登録不可」の情報が格納される。
ステップS108−S110において、利用者が問診内容を聞き取れない場合に利用者が「もう一度」という応答をした場合、ステップS107に戻って再度問診内容が発話される。
【0010】
再度の発話でも回答のない場合は、「答えが『はい』ならペットに向かって『はい』を、答えが『いいえ』ならペットに向かって『いいえ』と言ってください。」というガイドを流す。それでも回答が得られない場合は、「問診を中止しますか。」と発話して「はい」の回答が得られると(ステップS110で「中止」)、問診タスクを終了する。答えが「いいえ」なら再度同じ問診項目を発話する。
【0011】
そして、当日分の問診予定を終了したかどうかを判断し(S116)、終了したなら問診タスクを終了し、終了していないならステップS106へ戻る。
【特許文献1】特開2008−18136号公報
【特許文献2】特開2003−122846号公報
【特許文献3】特開2003−122847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献2の問診システムでは、ステップS107−S110の対話処理において、利用者が「はい」「いいえ」「もう一度」のような規定された応答をしてくれることを前提としているため、利用者が想定外の応答をした場合の処理が考慮されていない。従って、利用者が想定外の応答の場合、ステップS109で応答なしと判定されるため、同じ問診内容の問診発話が3回繰り返された後に、回答を「いいえ」とみなされて(S113)、その質問は終了することになる。
【0013】
利用者が、このようなシステムの動作を理解していない場合、利用者が想定外の応答を繰り返すことになり、結局、正確な問診結果を得ることができないという問題がある。特に、高齢者のように複雑なシステムの使用を不得意とする利用者の場合に、このような事態が生じることが予想される。
【0014】
そこで、本発明の目的は、問診に対して利用者が想定される回答以外の回答をする場合には、利用者が想定回答をするように誘導することの可能な自動問診システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る自動問診システムの第1の構成は、受診者に対する問診を自動で行う自動問診システムであって、受診者が音声を入力するマイクと、受診者に対して音声を出力するスピーカと、受診者が前記マイクから入力する音声を文字データに変換し出力する音声認識手段と、文字データを音声に変換して前記スピーカから出力する音声出力手段と、問診における自動問診システムと受診者との対話の進行内容である問診対話シナリオにおける自動問診システムから受診者に対する質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文の情報である質問情報が記憶された質問情報記憶手段と、前記質問文に対して受診者が選択する選択回答の情報である回答情報を、前記質問文と関連づけて記憶する問診結果記憶手段と、前記質問情報記憶手段に記憶された前記質問情報を順次読み出し、前記音声出力手段により前記スピーカから前記質問文を発話出力する質問読出手段と、前記質問読出手段が前記質問文を発話出力した直後に、受診者が前記マイクから入力し前記音声認識手段により文字情報に変換された回答情報を、直前の前記質問文に対して想定される選択肢を選択する想定回答か、それ以外の想定外回答かを判別する回答判別手段と、前記各質問文の選択肢の種別に応じて、当該質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文の情報であるガイド情報を記憶するガイド情報記憶手段と、前記回答判別手段により前記回答情報が前記想定回答であると判別された場合、当該回答情報を、前記問診結果記憶手段に前記質問文と関連づけて保存する回答保存手段と、前記回答判別手段により前記回答情報が前記想定外回答であると判別された場合、前記質問文の選択肢の種別に応じて、前記ガイド情報記憶手段に記憶されたガイド情報を読み出し、当該ガイド情報を前記音声出力手段により前記スピーカから発話出力するガイド出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成により、質問文に対して受診者が想定外の応答をした場合、ガイド出力手段が、質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文を読み上げて、再度の応答を促す。従って、複雑なシステムの使用を不得意とする受診者であっても、対話により問診に対する規定された回答を選択するように誘導することが可能となり、問診結果の精度を高めることが可能となる。
【0017】
ここで、「受診者に対する質問文」とは、問診票の各設問のことをいう。「複数の選択肢による回答を求める質問文」とは、「はい」「いいえ」や「希望する」「希望しない」のような複数の選択肢を選択する回答を求める質問文をいう。尚、選択肢は2つに限定されず、「あてはまる」「あてはまらない」「どちらでもない」のように、3つ以上の選択肢であってもよい。
【0018】
また、本発明に係る自動問診システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記回答判別手段は、前記音声出力手段が前記質問情報を発話出力した直後に、受診者が前記マイクから入力し前記音声認識手段により文字情報に変換された回答情報を、直前の前記質問情報に対して規定される選択肢を選択する想定回答か、割込制御指示か、それ以外の想定外回答かを判別するものであり、前記回答判別手段により前記回答情報が前記割込制御指示であると判別された場合、その割込制御指示により指定される割り込み動作を実行する割込制御手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
ここで、「割込制御指示」とは、「もう一度」のように再度の質問の発話を促す指示、「中止」のように問診を中断する指示、「最初から」のように問診を最初からやり直す指示のように、問診における質問・応答のループの流れを変更又は中断させる指示をいう。受診者により割込制御指示が入力された場合には、割込制御手段は、割込制御指示により指定される割り込み動作を実行する。これにより、受診者の意志に応じて、問診の繰り返しや中断を行うことが可能となる。
【0020】
本発明に係る自動問診システムの第3の構成は、受診者に対する問診を自動で行う自動問診システムであって、
受診者が音声を入力するマイクと、
受診者に対して音声を出力するスピーカと、
受診者が前記マイクから入力する音声を文字データに変換し出力する音声認識手段と、
文字データを音声に変換して前記スピーカから出力する音声出力手段と、
問診における自動問診システムと受診者との対話の進行内容である問診対話シナリオにおけるシステム側のそれぞれの情報処理単位を処理項目といい、前記問診対話シナリオに沿った対話プロセスの進行に伴う各処理項目間の遷移関係をネットというとき、
前記各処理項目のそれぞれに対してレコードが割り当てられ、前記各レコードには、当該処理項目へ遷移する側の入力ネットを特定する入力ネット情報及び当該処理項目から遷移する側の出力ネットを特定する出力ネット情報並びに当該処理項目に対し必要に応じて設定される発話内容又は受話キーワードを記述するコーパスが格納された処理項目テーブルを記憶する処理項目テーブル記憶手段と、
前記各ネットのそれぞれに対してレコードが割り当てられ、前記各レコードには、当該ネットのネットID、及び当該ネットの活性状態を表すネット状態フラグが格納されたネット状態テーブルを記憶するネット状態テーブル記憶手段と、
問診結果を記憶する問診結果記憶手段と、
を備え、
前記処理項目テーブルは、少なくとも、
前記コーパスとして、前記問診対話シナリオを開始するための開始キーワードが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおける最初の質問文又はガイド文の発話処理を行う処理項目へ遷移するネットのネットIDが記憶された開始情報レコード群と、
前記コーパスとして、受診者に対する質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文が格納され、前記入力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該質問文への遷移元の処理項目に接続するネットのネットIDが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該質問文に対する受診者の回答を判定する処理項目に接続するネットのネットIDが格納された質問情報レコード群と、
前記入力ネット情報として、何れかの前記質問文の処理項目に接続する前記入力ネットのネットIDが記憶され、前記コーパスとして、前記質問文に対して受診者が選択する選択回答のキーワードである回答キーワードが複数格納され、前記出力ネット情報として、それらの前記回答キーワードに応じて選択される前記出力ネットのネットID及び想定外回答に対して選択される前記出力ネットのネットIDが記憶された回答情報レコード群と、
前記コーパスとして、それぞれの前記質問文に対応して当該質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するガイド文及びその他のガイド文が記憶され、前記入力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該ガイド文への遷移元の処理項目に接続するネットのネットIDが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該ガイド文からの遷移先の処理項目に接続するネットのネットIDが格納されたガイド情報レコード群と、
を含み、
前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記開始情報レコード群の各レコードのうち前記文字データに一致又は含まれるコーパスを検索し、検索により抽出されるレコードの前記出力ネットの前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得された前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するシナリオ開始手段と、
前記質問情報レコード群の全レコードを順次選択し、選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態であれば、当該選択したレコードの前記質問文を前記音声出力手段により出力するとともに、前記ネット状態テーブルの当該選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態フラグを非活性化、当該選択したレコードの前記出力ネットの前記ネット状態フラグを活性化する質問文出力手段と、
前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記回答情報レコード群の各レコードのうち前記入力ネットに対する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態にあるレコードを検索し、検索の結果レコードが抽出された場合、そのレコードの何れかの前記回答キーワードが前記文字データに一致又は含まれるか否かを判定し、前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがある場合には、その回答キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化し、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化するとともに、当該回答キーワードの選択結果を前記問診結果記憶手段に格納する一方、前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがない場合には、想定外回答に対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化する回答判別手段と、
前記ガイド情報レコード群の全レコードを順次選択し、選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態であれば、当該選択したレコードの前記ガイド文を前記音声出力手段により出力するとともに、前記ネット状態テーブルの当該選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態フラグを非活性化、当該選択したレコードの前記出力ネットの前記ネット状態フラグを活性化するガイド文出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る自動問診システムの第4の構成は、前記第3の構成において、前記回答情報レコード群には、前記入力ネット情報として、何れかの前記質問文の処理項目に接続する前記入力ネットのネットIDが記憶され、前記コーパスとして、複数の前記回答キーワード及び割込制御を指示するための割込制御キーワードが格納され、前記出力ネット情報として、それらの前記回答キーワード及び前記割込制御キーワードに応じて選択される前記出力ネットのネットID及び想定外回答に対して選択される前記出力ネットのネットIDが記憶されており、
前記回答判別手段は、前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記回答情報レコード群の各レコードのうち前記入力ネットに対する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態にあるレコードを検索し、検索の結果レコードが抽出された場合、そのレコードの何れかの前記回答キーワードが前記文字データに一致又は含まれるか否かを判定し、
前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがある場合には、その回答キーワード又はその割込制御キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化し、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化するとともに、当該回答キーワードの選択結果を前記問診結果記憶手段に格納し、
前記文字データに一致又は含まれる前記割込制御キーワードがある場合には、その割込制御キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化し、
前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがない場合には、想定外回答に対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、問診の質問文に対して受診者が想定外の応答をした場合に、ガイド出力手段が、質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文を読み上げ、再度の応答を促すことで、対話により問診に対する規定された回答を選択するように誘導することが可能となる。従って、高齢者のように複雑なシステムの使用を不得意とする受診者に対しても、精度の高い問診結果を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例1に係る自動問診システムの構成を表す図である。自動問診システム1は、管理サーバ2、診断者側コンピュータ3、及び受診者側端末装置4がネットワーク5により通信可能に接続された構成からなる。診断者側コンピュータ3は、問診を行う各医師が、問診結果の閲覧や出力に使用するコンピュータである。受診者側端末装置4は、問診を受ける受診者が、問診の際に使用する端末である。受診者側端末装置4は、通常のパーソナルコンピュータ以外に、図1に示したような専用の装置を使用することもできる。尚、図1では、診断者側コンピュータ3及び受診者側端末装置4はそれぞれ1台ずつ記載しているが、これらは複数台あってもよい。
【0025】
受診者側端末装置4は、スピーカ6、マイク7、及びタッチパネル8を備えている。スピーカ6及びマイク7は、受診者に対する対話を行うためのものである。タッチパネル8は、受診者に対するメッセージを表示するとともに、受診者からの入力を受け付けるために設けられている。
【0026】
図2は、図1の自動問診システム1の機能的な構成を表す図である。図2において、管理サーバ2、診断者側コンピュータ3、受診者側端末装置4、ネットワーク5、スピーカ6、マイク7、及びタッチパネル8は、それぞれ図1の同符号のものに対応している。
【0027】
図2において、管理サーバ2は、質問情報記憶部11、問診結果記憶部12、及び通信インタフェース(通信I/F)13を備えている。質問情報記憶部11及び問診結果記憶部12は、管理サーバ2に内蔵された記憶装置により実現される。
【0028】
質問情報記憶部11には、受診者に対する問診の質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文の情報である質問情報が記憶されている。問診結果記憶部12には、問診票の質問文に対して受診者が選択する選択回答の情報である回答情報が、質問文と関連づけて記憶されている。通信I/F13は、管理サーバ2がネットワークを介して診断者側コンピュータ3や受診者側端末装置4と通信を行うための通信インタフェースである。
【0029】
診断者側コンピュータ3は、診断者が問診結果を参照するためのコンピュータである。
【0030】
受診者側端末装置4は、スピーカ6、マイク7、タッチパネル8、音声出力部14、音声認識部15、質問群選択部16、質問読出部17、回答判別部18、回答保存部19、割込制御部20、ガイド情報記憶部21、ガイド出力部22、及び通信インタフェース23を備えている。
【0031】
音声出力部14は、文字データを音声に変換してスピーカ6から出力する。音声認識部15は、受診者がマイク7から入力する音声を文字データに変換し出力する。質問群選択部16は、受診者の指示に従って、問診における自動問診システムと受診者との対話の進行内容である問診対話シナリオを選択する。質問読出部17は、ネットワーク5を介して、質問情報記憶部11に記憶された質問情報を順次読み出し、音声出力部14によりスピーカ6から質問文を発話出力する。回答判別部18は、質問文読出部17が質問文を発話出力した直後に、受診者がマイク7から入力し音声認識部15により文字情報に変換された回答情報を、直前の質問文に対して想定される選択肢を選択する想定回答か、割込制御指示か、それ以外の想定外回答かを判別する。ここで、「想定回答」とは、質問文に対して想定された選択回答のことをいう。回答保存部19は、回答判別部18により回答情報が想定回答であると判別された場合、当該回答情報を、問診結果記憶部12に質問文と関連づけて保存する。割込制御部20は、回答判別部18により回答情報が割込制御指示であると判別された場合、その割込制御指示により指定される割り込み動作を実行する。
【0032】
ガイド情報記憶部21は、各質問文の選択肢の種別に応じて、当該質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文の情報であるガイド情報を記憶する。ガイド出力部22は、回答判別部18により回答情報が想定外回答であると判別された場合、質問文の選択肢の種別に応じて、ガイド情報記憶部21に記憶されたガイド情報を読み出し、当該ガイド情報を音声出力部14によりスピーカ6から発話出力する。
【0033】
通信インタフェース23は、受診者側端末装置4がネットワークを介して診断者側コンピュータ3や管理サーバ2と通信を行うための通信インタフェースである。
【0034】
図3は、質問情報記憶部11に保存されている質問情報レコード群のデータ構造を表す図である。質問情報レコード群は、「質問ID」フィールド、「質問群」フィールド、「質問文」フィールド、「想定回答1」フィールド、「想定回答2」フィールド、「想定回答3」フィールドの6つのフィールドを有する。尚、図3の例では、想定回答が最大3つの場合を示しているが、想定回答が4つ以上の場合には、「想定回答4」フィールド、「想定回答5」フィールド、…のように増やしてゆけばよい。
【0035】
「質問ID」フィールドは、質問文に固有のIDが格納されるフィールドである。「質問群」フィールドは、その質問文が属する質問群を特定する情報が格納されるフィールドである。「質問群」とは、1つの問診票に含まれる質問の集合をいい、例えば、「ストレスチェック問診票」であれば「ストレスチェック」質問群、「健康調査票」であれば「健康調査票」質問群といったように、問診票に一対一に対応する。「質問文」フィールドには、音声出力又は画面出力するための質問文が格納される。「想定回答n」フィールド(n=1,2,…)には、質問文に対する想定回答が1つずつ格納される。
【0036】
図4は、問診結果記憶部12に記憶された問診結果テーブル及び受診者テーブルのデータ構造と他のテーブルとの関係を表す図である。図4(a)は、問診結果テーブルの構造を示し、図4(b)は受診者テーブルの構造を示す。図4(c)は、問診結果テーブルと受診者テーブル及び質問情報レコード群とのリレーションを示す。
【0037】
受診者テーブルは、「受診者ID」、「氏名」、「氏名カナ」の3つのフィールドを有する。「受診者ID」フィールドには、受診者に個別に割り当てられた受診者IDが格納される。「氏名」フィールドには、各受診者の氏名が格納される。また、「氏名カナ」フィールドには、各受診者の氏名のフリガナが格納される。
【0038】
また、問診結果テーブルは、「問診結果ID」、「受診者ID」、「質問ID」、「回答番号」の4つのフィールドを有する。「問診結果ID」フィールドには、各問診結果に固有に割りふられるID(問診結果ID)が格納される。「受診者ID」フィールドには、問診を行った受診者の受診者IDが格納される。「質問ID」フィールドには、問診を行った質問文の質問IDが格納される。「回答番号」フィールドには、その質問文に対して受診者が回答した選択回答の番号(回答番号)が格納される。この場合、回答番号は、質問情報レコード群の「想定回答1」を選択した場合には回答番号は「1」、「想定回答2」を選択した場合には回答番号は「2」、…のように割り振られる。
【0039】
問診結果テーブルと受診者テーブル及び質問情報レコード群とのリレーションは図4(c)に示した通りである。受診者テーブルの「受診者ID」と問診結果テーブルの「受診者ID」とは1対多の関係にある。質問情報レコード群の「質問ID」と問診結果テーブルの「質問ID」とは1対多の関係にある。
【0040】
以上のように構成された本実施例の自動問診システムについて、以下その動作を説明する。
【0041】
図5は、本発明の実施例1に係る自動問診システム1の動作を表すフローチャートである。
【0042】
まず、受診者側端末装置4は、タッチパネル8の画面上に、図6に示したような名前及び受診者IDの入力画面を表示する。受診者は、受診者側端末装置4において、タッチパネル8から名前と受診者IDを入力する(S1)。受診者側端末装置4は、入力された名前及び受診者IDを、管理サーバ2に送信する。尚、受診者IDについては必須ではない。
【0043】
管理サーバ2は、名前及び受診者IDに基づいて、受診者を特定し、その受診者に対して行う問診の問診対話シナリオの種類(例えば、「ストレスチェック」、「健康調査票」、「HAD尺度」、「TAS−20」等)を受診者側端末装置4に送信する。受診者側端末装置4の質問群選択部16は、タッチパネル8の画面上に、図7に示したような問診票の選択画面を表示する。受診者は、この選択画面から、問診を受ける問診票(質問群)を選択する(S2)。問診票が選択されると、受診者側端末装置4は次のステップS3の動作に移る。ここで、問診票が選択されるまで待つか、または「名前の入力に戻る」が選択された場合、受診者側端末装置4は問診票の選択画面を閉じて、ステップS1に戻る。
【0044】
選択された問診票(質問群)の特定情報を受信すると、受診者側端末装置4のガイド出力部22は、まず、問診の進め方を説明するガイド文を、音声出力部14に出力し、音声出力部14は当該ガイド文をスピーカ6により受診者に発話出力する(S3)。これにより、受診者は、自動問診システム1の操作方法を理解することができる。
【0045】
この「ガイド文」としては、例えば、「(ストレスチェック)を始めます。これから(13)個の質問をしますので、(あてはまる、あてはまらない、どちらともいえない、)どれか一つでお答えください。答えをこちらで繰り返しますので、答えが違っていた場合は、マイクに向かって『前に戻る』というか、タッチパネルの『前に戻る』ボタンを押してください。それでは始めます。」のような文が出力される。上記ガイド文において、( )で囲まれた部分は、質問群に応じて適宜変更される箇所である。
【0046】
次に、質問読出部17は、ネットワーク5を介して、質問情報記憶部11に記憶された質問情報を質問情報レコード群から順次読み出す。この場合、質問群が特定されているので、その特定された質問群に属する質問情報レコードを、質問IDの小さい順から読み出していく。そして、質問読出部17は、音声出力部14によりスピーカ6から、読み出した質問情報レコードの質問文を発話出力するとともに、該質問情報レコードの想定回答に基づいてタッチパネル8に図8や図9に示すような質問ガイドを表示する(S4)。
【0047】
ここで、質問文は、受診者に対して複数の選択肢から選択回答を求めるような質問文であり、受診者は、提示された選択肢から1つの選択肢を選択して回答する。選択肢は2以上あり、例えば、選択肢が2つの場合にはタッチパネル8には図8のような画面表示がされ、選択肢が3つの場合にはタッチパネル8には図9のような画面表示がされる。
【0048】
図8,図9において、画面表示の上部枠には質問文(例えば、図8では「神経質な方ですか、人からそういわれますか。」と表示された部分)が表示され、中央部には選択肢として選択可能な回答文(例えば、図8では「はい」「いいえ」が表示された部分)と選択ボタン(例えば、図8では「はい」「いいえ」と囲む円形のボタン)が表示される。受診者がこれらの選択ボタンを指で触れることで、質問文に対する回答がタッチパネル8に入力されることになる。一方、スピーカ6からも同じ質問文(例えば、図8では「神経質な方ですか、人からそういわれますか。」という質問文)が発話されるため、視力の弱い受診者にも質問内容を伝達することができる。受診者は、質問文に対して、マイク7から声により選択肢を入力することも可能である。
【0049】
更に、画面表示の下部には、割込制御指示文(例えば、図8,図9では「前に戻る」「質問をきく」「最初から」の文)と割込制御指示ボタン(例えば、図8,図9では「前に戻る」「質問をきく」「最初から」の文を囲む帯直円形のボタン)が表示される。例えば、図8,図9において、受診者が割込制御指示ボタンを指で触れることで、割り込み制御指示がタッチパネル8に入力されることになる。
【0050】
次に、回答判別部18は、受診者から質問文に対する回答が入力されるのを待ち、回答が入力されるとその内容の判別を行う(S5)。尚、マイク7から回答が入力された場合には、音声認識部15が入力された音声をテキスト形式に変換し、回答判別部18に入力し、回答判別部18はその回答文に特定のキーワードが含まれるか否かを判定することで判別を行う。
【0051】
回答判別部18は、回答が質問文に対して想定された想定回答であった場合には、その回答内容に従って、ステップS6,S7,S8の何れかに遷移する。
【0052】
想定回答の内容が肯定(「はい」)の場合、回答保存部19は、ネットワーク5を介して問診結果保存部19の問診結果テーブルに、新規レコードを作成し、そのレコードに新たな問診結果IDを格納し、受診者ID、質問IDとともに肯定(「はい」)を表す回答番号(この場合は「1」)を格納する(S6)。想定回答の内容が否定(「いいえ」)の場合、回答保存部19は、ネットワーク5を介して問診結果保存部19の問診結果テーブルに、新規レコードを作成し、そのレコードに新たな問診結果IDを格納し、受診者ID、質問IDとともに否定(「いいえ」)を表す回答番号(この場合は「2」)を格納する(S7)。想定回答の内容が肯定・否定以外(「どちらともいえない」)の場合、回答保存部19は、ネットワーク5を介して問診結果保存部19の問診結果テーブルに、新規レコードを作成し、そのレコードに新たな問診結果IDを格納し、受診者ID、質問IDとともに不定(「どちらともいえない」)を表す回答番号(この場合は「3」)を格納する(S8)。
【0053】
ステップS6,S7,S8の後、この質問文が最終質問でなければ(S9)、質問文読出部17は、次の質問を選択してステップS4の処理に戻る。一方、最終質問の場合(S9)、ガイド出力部22は、質問が終了した旨のガイド文を音声出力部14を介してスピーカ6から出力すると共に、タッチパネル8の画面に図10に示したような終了画面を出力し(S11)、処理を終了する。
【0054】
ステップS5において、回答が割込制御指示であった場合には、その割込制御指示に応じた処理を行う。
【0055】
「質問をきく」の割込制御指示が入力された場合、同じ質問文を再度発話出力すべく、ステップS4に戻り、質問読出部17は音声出力部14を介して、スピーカ6から同じ質問文を発話出力する。
【0056】
「前に戻る」の割込制御指示が入力された場合、前回の質問文を出力すべく、質問読出部17は前回読み出した質問情報レコードを質問情報レコード群から読み出し(S13)、ステップS4に戻り、質問読出部17は音声出力部14を介して、スピーカ6から前回の質問文を発話出力するとともに、前回の質問をタッチパネル8に画面出力する。
【0057】
「最初から」の割込制御指示が入力された場合、最初の質問文から出力すべく、質問読出部17は現在の質問群の最初の(質問IDが最も小さい)質問情報レコードを質問情報レコード群から読み出し(S14)、ステップS4に戻り、質問読出部17は音声出力部14を介して、スピーカ6から最初の質問文を発話出力するとともに、最初の質問をタッチパネル8に画面出力する。
【0058】
ステップS5において、回答が想定回答、割込制御指示以外の想定外回答であった場合には、ガイド出力部22は、その質問文の選択肢の種別に応じて、ガイド情報記憶部21に記憶されたガイド情報を読み出し、当該ガイド情報を音声出力部14によりスピーカ6から発話出力する(S15)。そして、同じ質問文を再度発話出力すべく、ステップS4に戻り、質問読出部17は音声出力部14を介して、スピーカ6から同じ質問文を発話出力する。このように、質問文に対して受診者が想定外の応答をした場合、ガイド出力部22が、質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文を読み上げて、再度の応答を促すため、機械の使用を不得意とする受診者であっても、対話により問診に対する想定された回答を正しく選択するように誘導することが可能となり、問診結果の精度を高めることが可能となる。
【0059】
なお、本実施例においては、質問情報記憶部11及び問診結果記憶部12は、管理サーバ2に設け、ネットワーク5を介して受診者側端末装置4に接続した構成としたが、質問情報記憶部11及び問診結果記憶部12は受診者側端末装置4に設ける構成としてもよい。
【0060】
また、本実施例においては、問診結果は問診結果記憶部12に記憶された問診結果テーブルにリレーショナルデータベースの形式で保存する例を示したが、本発明において問診結果の保存方法はこの方法に限られるものではなく、受診者用に問診の都度作成される問診票ファイルに、問診番号と、問診内容毎の回答(「はい」「いいえ」等)とを書き出して問診結果記憶部12に保存するようにしてもよい。
【実施例2】
【0061】
図11は、本実施例2に係る自動問診システムの機能的な構成を表す図である。尚、本実施例において、ハードウェア的な構成としては、図1と同様のシステムが用いられている。
【0062】
本実施例の自動問診システム1は、ネットワークを介して接続された管理サーバ2と受信者側端末4とで構成されている。管理サーバ2には、問診結果を格納する問診結果テーブルと、受信者情報を格納する受信者テーブルと、質問情報を格納する質問情報テーブルと、が記憶された問診結果記憶部12を備えている。問診結果テーブル,受信者テーブル,及び質問情報テーブルは、図4と同様のデータ構造であるものとする。
【0063】
受信者側端末4は、スピーカ6、マイク7、タッチパネル8、及びコンピュータ30を備えている。スピーカ6、マイク7、及びタッチパネル8については、実施例1と同様である。
【0064】
コンピュータ30は、自動問診システム用のプログラムを実行することにより、図11に示したような各機能ブロックが実現されている。すなわち、コンピュータ30は、認識辞書記憶部31、音声認識部32、処理項目テーブル記憶部33、ネット状態テーブル記憶部34、シナリオ開始部35、回答判別部36、質問文出力部37、回答出力部38、問診結果保存モジュール39、ガイド文出力部40、音声出力モジュール41、接続点・終点処理部44、画面表示モジュール45、及び入力認識モジュール46を備えている。
【0065】
認識辞書記憶部31は、音声認識の際に使用する認識辞書が格納されている。音声認識部32は、認識辞書を用いて、マイク7から入力される音声信号をテキストデータに変換する。音声出力モジュール41は、文字データを音声に変換してスピーカ6から出力する。
【0066】
処理項目テーブル記憶部33は、処理項目テーブルを記憶している。また、ネット状態テーブル記憶部34は、ネット状態テーブルを記憶している。処理項目テーブル及びネット状態テーブルについては、後で詳述する。
【0067】
尚、処理項目テーブルは、図14,図15に示したように、多数のレコードの集合から構成されており、これらのレコードは、開始情報レコード群、質問情報レコード群、回答情報レコード群、ガイド情報レコード群、回答出力レコード群、接続点レコード群、及び終点レコード群の各レコード群(レコードの集合)に分類される。それぞれのレコード群の意味については後で詳述する。
【0068】
シナリオ開始部35及び回答判別部36は、認識情報入力部42の一部を為す。また、質問文出力部37、回答出力部38、ガイド文出力部40、及び接続点・終点処理部44は、選択実行部43の一部を為す。これら各部の機能に関しては、追って説明する。
【0069】
問診結果保存モジュール39は、受診者の問診に対する回答を、問診結果記憶部12に記憶された問診結果テーブルに格納するモジュールである。
【0070】
画面表示モジュール45は、タッチパネル8の画面に画像を表示する。入力認識モジュール46は、タッチパネル8の画面に指を接触して入力がされた場合、画面上の接触位置からその入力の種別を認識し、認識結果を出力する。
【0071】
次に、本実施例における自動問診システム1が、問診を行う際の、自動問診システム1と受診者との間の対話の進行内容である問診対話シナリオについて説明する。
【0072】
自動問診システム1の側からみた問診対話シナリオに沿った対話処理は、図12,図13に示したような遷移図によって表される。図12は、ストレスチェック問診票、健康調査票問診票、HDA尺度問診票、及びTAS−20問診票の問診対話シナリオの遷移図を示す。点線で記された部分は省略した部分である。また、図13は、ストレスチェック問診票の問診対話シナリオの遷移図全体を示す。
【0073】
ここで、問診対話シナリオにおける自動問診システム1のそれぞれの情報処理単位を「処理項目」といい、問診対話シナリオに沿った対話プロセスの進行に伴う各処理項目間の遷移関係を「ネット」という。図12,図13においては、四角、菱形、角丸四角、点、箭れい形(長方形の一辺に二等辺三角形を底辺側から結合させた五角形)で示したものが、それぞれの処理項目を表しており、各処理項目を繋ぐ線がネットを表している。
【0074】
「FCT」は、音声認識用のXML(Extensible Markup Language)形式で記述された指定キーワードを入力音声から抽出する処理項目を表している。「<FCT>」は、当該FCTに入るためのコーパス(キーワード)を表している。
【0075】
「TTS」(Text to Speech)は、テキスト音声合成処理、すなわち、テキストデータを音声に変換してスピーカ6から出力する処理項目を表している。「<SP>」は、当該TTSにおいて読み上げるテキストの内容を表している。「QB」は、指定のXMLを利用して、音声認識部32から出力されるテキストデータから音声単語を抽出し、抽出された音声単語に応じて、対話のフローを分岐させる処理項目を表す。TTSとQBを併用することによって質問が記述される。例えば、TTS2において、「質問1。ちょっとしたことでもイライラする。」と発話させ、これに対する受信者の回答音声の認識を行うQB1では、想定される答え方(この場合、「あてはまる」、「あてはまらない」、「どちらともいえない」、「前に戻る」、「最初から」、「終わる」)を入れたXMLファイルを指定することにより、質問に対する回答の認識処理が実現される。
【0076】
「OUT」は、受診者の回答を問診結果テーブルに出力し格納する処理項目を表す。「JA」は、ネットの接続点を表す。「TRM」は終端処理の処理項目を表す。すなわち、TRMにおいてこの問診対話シナリオは終了する。
【0077】
また、各線(ネット)に付された数字は、そのネットのネットIDを表す。以下、ネットIDがi(iは整数)のネットをNETiと記す。
【0078】
図14及び図15は、処理項目テーブル記憶部33に格納された処理項目テーブルの一例を表す図である。図14及び図15に示した処理項目テーブルは、図13に示したストレスチェック問診票の問診対話シナリオに対するものである。処理項目テーブルは、多数のレコードの集合によって構成されており、各レコードは、「処理項目」、「入力ネット」、「出力ネット」、及び「コーパス」の各フィールドにより構成されている。
【0079】
「処理項目」フィールドには、TTSiやFCTiなどの、そのレコードに対応する処理項目の特定記号(IDでもよい。)が格納される。「入力ネット」フィールドには、その処理項目へ遷移する側のネット(入力ネット)のネットIDが格納される。「出力ネット」フィールドには、その処理項目から遷移する側のネット(出力ネット)のネットIDが格納される。入力ネットや出力ネットは1つでも複数でもよいし、無くてもよい。また、「コーパス」フィールドには、その処理項目に対し必要に応じて設定される発話内容又は受話キーワードを記述するコーパスが格納される。
【0080】
処理項目テーブルの各レコードは、開始情報レコード群、質問情報レコード群、回答情報レコード群、ガイド情報レコード群、回答出力レコード群、接続点レコード群、及び終点レコード群の各レコード群に分類される。
【0081】
開始情報レコード群は、「コーパス」フィールドに、問診対話シナリオを開始するための開始キーワードが格納され、「出力ネット」フィールドに、問診対話シナリオにおける最初の質問文又はガイド文の発話処理を行う処理項目へ遷移する出力ネットのネットIDが記憶されたレコードの集合である。開始情報レコード群の各レコードにはFCT処理項目がそれぞれ対応する。
【0082】
質問情報レコード群は、自動問診システム1が受診者に対して質問文を発話する処理項目に対応するレコードの集合である。質問情報レコード群の各レコードにはTTS処理項目の一部がそれぞれ対応する。質問情報レコード群の各レコードは、「コーパス」フィールドに、受診者に対する質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文が格納され、「入力ネット」フィールドに、問診対話シナリオにおいて当該質問文への遷移元の処理項目に接続する入力ネットのネットIDが格納され、「出力ネット」フィールドに、問診対話シナリオにおいて当該質問文に対する受診者の回答を判定する処理項目に接続する出力ネットのネットIDが格納されている。
【0083】
回答情報レコード群は、質問に対する受診者の回答に応じて処理フローを分岐する処理項目に対応するレコードの集合である。回答情報レコード群の各レコードにはQB処理項目がそれぞれ対応する。回答情報レコード群の各レコードは、「入力ネット」フィールドに、何れかの質問文の処理項目に接続する入力ネットのネットIDが格納され、「コーパス」フィールドに、その質問文に対して受診者が選択する選択回答のキーワードである回答キーワード及び割込制御を指示するための割込制御キーワードが複数格納され、「出力ネット」フィールドに、それらの回答キーワード及び割込制御キーワードに応じて選択される出力ネットのネットID及び想定外回答に対して選択される出力ネットのネットIDが格納される。ここで、「想定外回答」とは、質問に対して想定された回答キーワードを含む回答(想定回答)及び割込制御キーワードを含む回答以外の回答をいう。
【0084】
ガイド情報レコード群は、自動問診システム1が受診者に対してガイド文を発話する処理項目に対応するレコードの集合である。ガイド情報レコード群の各レコードにはTTS処理項目の一部がそれぞれ対応する。ガイド情報レコード群の各レコードは、「コーパス」フィールドに、それぞれの質問文に対応してその質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するガイド文及びその他のガイド文が格納され、「入力ネット」フィールドに、問診対話シナリオにおいて当該ガイド文への遷移元の処理項目に接続する入力ネットのネットIDが格納され、「出力ネット」フィールドに、問診対話シナリオにおいて当該ガイド文からの遷移先の処理項目に接続する出力ネットのネットIDが格納される。
【0085】
回答出力レコード群は、質問に対する受診者の回答内容を問診結果テーブルに出力し格納する処理項目に対応するレコード群である。回答出力レコード群の各レコードにはOUT処理項目がそれぞれ対応する。回答出力レコード群の各レコードは、「入力ネット」フィールドに、何れかのQB処理項目から遷移する入力ネットのネットIDが格納され、「出力ネット」フィールドに、次のTTS処理項目へ遷移する出力ネットのネットIDが格納される。
【0086】
接続点レコード群は、ネットの接続点を表す処理項目に対応するレコードの集合である。接続点レコード群の各レコードにはJA処理項目がそれぞれ対応する。各接続点においては、特に入出力処理は行われず、単にネットの状態を遷移させる処理のみが行われる。すなわち、接続点においては、入力ネットが活性状態の場合、出力ネットを活性状態として入力状態を非活性状態とする処理が行われる。
【0087】
終点レコード群は、終端処理の処理項目に対応するレコードの集合である。終点レコード群の各レコードにはTRM処理項目がそれぞれ対応する。
【0088】
図16は、ネット状態テーブル記憶部34に格納されたネット状態テーブルの一例を表す図である。図16に示したネット状態テーブルは、図13に示したストレスチェック問診票の問診対話シナリオに対するものである。ネット状態テーブルは、多数のレコードの集合によって構成されており、各レコードは、「ネット」、「ネット状態」、及び「変更フラグ」の各フィールドにより構成されている。
【0089】
「ネット」フィールドには、そのレコードに対応するネットのネットIDが格納される。「ネット状態」フィールドには、そのネットの活性状態を表すネット状態フラグが格納される。ネット状態フラグは「0」又は「1」の値をとり、「0」が非活性状態、「1」が活性状態を表す。「変更フラグ」フィールドには、ネット状態が変更されたか否かを表す変更フラグが格納される。変更フラグは「0」又は「1」の値をとり、「0」が変更無し、「1」が変更ありを表す。
【0090】
以上のように構成された本実施例に係る自動問診システム1について、以下その問診対話処理動作を説明する。尚、本実施例において、受診者が受診者の氏名と受診者IDとを入力する部分については、実施例1と同様であるものとし、この部分の説明は省略する。従って、以下では、受診者の受診者IDは既に設定されているものとして説明する。また、本実施例の自動問診システム1では、音声入出力の他にタッチパネルによる入出力も可能であるが、簡単のため、以下の説明では音声入出力の処理に限定して説明することとする。
【0091】
(1)認識情報入力処理に関する動作
図17は、音声認識部32と認識情報入力部42の動作を表すフローチャートである。音声認識部32と認識情報入力部42とは、それぞれ独立して動作している。
【0092】
(1−1)音声認識部32の動作
まず、ステップS21において、音声認識部32は、マイク7から音声が入力されたか否かを検出する。音声が入力されていなければ、再びステップS21を繰り返す。
【0093】
音声が入力された場合、ステップS22において、音声認識部32は、認識辞書記憶部31に記憶された認識辞書を参照して、入力された音声信号をテキストデータに変換し、認識情報入力部42へ出力する。そして、ステップS21へ戻る。
【0094】
(1−2)認識情報入力部42の動作
まず、ステップS31において、認識情報入力部42は、処理項目テーブル記憶部33に記憶された処理項目テーブルを、最初の処理項目レコードから順番に選択する。最後の処理項目レコードまで選択し終わった場合には、再び最初の処理項目レコードから順番に選択する。
【0095】
次に、ステップS32において、シナリオ開始部35は、選択された処理項目レコードが、FCT処理項目(開始情報レコード群に属する)か否かを検査する。FCT処理項目であれば、ステップS33に遷移し、そうでなければステップS36に遷移する。
【0096】
ステップS33において、シナリオ開始部35は、音声認識部32から音声テキストデータの入力があったか否かを検査する。音声テキストデータの入力がなければ、ステップS31へ戻り、音声テキストデータの入力があれば、次のステップS34に遷移する。
【0097】
ステップS34において、シナリオ開始部35は、選択したFCT処理項目レコードのコーパスに音声テキストデータが一致するか又は音声テキストデータがコーパスを含むか否かを検査する。一致又は含む場合には、次のステップS35に遷移し、そうでない場合はステップS31に戻る。
【0098】
ステップS35において、シナリオ開始部35は、選択したFCT処理項目レコード「出力ネット」フィールドを参照し、出力ネットのネットID(以下「出力ネットID」という。)を取得する。そして、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、当該出力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態を活性化し、変更フラグを「変更あり(1)」とする。また、選択された問診対話シナリオに対応する問診票IDを取得する。そして、ステップS31へ戻る。
【0099】
一方、ステップS32で選択された処理項目レコードがFCT処理項目ではなかった場合、ステップS36において、回答判別部36は、選択された処理項目レコードが、QB処理項目(回答情報レコード群に属する)か否かを検査する。QB処理項目であった場合には、次のステップS37に遷移し、そうでなければ、ステップS31へ戻る。
【0100】
ステップS37において、回答判別部36は、選択されたQB処理項目レコードの「入力ネット」フィールドから入力ネットのネットID(以下「入力ネットID」という。)を取得する。そして、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、当該入力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、その活性状態フラグを検査する。活性状態フラグが活性状態(1)であれば、次のステップS38に遷移し、非活性状態(0)であれば、ステップS31に戻る。
【0101】
ステップS38において、回答判別部36は、音声認識部32から音声テキストデータの入力があったか否かを検査する。音声テキストデータの入力がなければ、ステップS31へ戻り、音声テキストデータの入力があれば、次のステップS39に遷移する。
【0102】
ステップS39において、回答判別部36は、選択したQB処理項目レコードのコーパスの何れかに音声テキストデータが一致するか又は音声テキストデータがコーパスを含むか否かを検査する。一致又は含む場合には、次のステップS40に遷移し、そうでない場合はステップS31に戻る。
【0103】
ステップS40において、回答判別部36は、「出力ネット」フィールドのネットIDの中から、音声テキストデータに一致(又は含まれる)するコーパスに対応する出力ネットのネットIDを選択する。
【0104】
ステップS41において、回答判別部36は、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、当該出力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態を活性化(1)し、変更フラグを「変更あり(1)」とする。また、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、入力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態を非活性化(0)し、変更フラグを「変更なし(0)」とする。そして、ステップS31へ戻る。
【0105】
(2)選択実行処理に関する動作
図18は、選択実行部43の動作を示すフローチャートである。選択実行部43は、音声認識部32や認識情報入力部42とは独立に並行して動作する。
【0106】
まず、ステップS51において、選択実行部43は、処理項目テーブル記憶部33に記憶された処理項目テーブルを、最初の処理項目レコードから順番に選択する。最後の処理項目レコードまで選択し終わった場合には、再び最初の処理項目レコードから順番に選択する。
【0107】
ステップS52において、選択実行部43は、選択された処理項目レコードの「入力ネット」フィールドに格納された入力ネットIDを取得する。そして、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、当該入力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態が活性状態(1)か否か検査する。活性状態(1)の場合には次のステップS53に遷移し、非活性状態(0)の場合にはステップS51に戻る。
【0108】
ステップS53において、選択実行部43は、選択された処理項目レコードが、TTS処理項目(質問情報レコード群又はガイド情報レコード群に属する)か否かを検査する。TTS処理項目であれば、ステップS53に遷移し、そうでなければステップS55に遷移する。
【0109】
ステップS54において、選択実行部43は、選択されたTTS処理項目レコードのコーパスを取得し、音声出力モジュール41を介してスピーカ6からコーパスで記述される発話文を音声出力する。
【0110】
ここで、選択されたTTS処理項目レコードが質問情報レコード群に属する場合には、質問文出力部37がコーパスで記述される質問文を音声出力する。また、選択されたTTS処理項目レコードがガイド情報レコード群に属する場合には、ガイド文出力部40がコーパスで記述されるガイド文を音声出力する。質問文出力部37とガイド文出力部40は、発話内容が異なるだけで機能的には同一であるため、1つのモジュールで構成することも可能である。
【0111】
ステップS55において、選択実行部43は、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、選択している処理項目レコードの出力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態を活性化(1)し、変更フラグを「変更あり(1)」とする。また、ネット状態テーブル記憶部34に記憶されたネット状態テーブルにおいて、選択している処理項目レコードの入力ネットIDとネットIDが一致するネット状態レコードを選択し、選択したネット状態レコードのネット状態を非活性化(0)し、変更フラグを「変更なし(0)」とする。そして、ステップS31へ戻る。
【0112】
ステップS53において、選択された処理項目レコードがTTS処理項目でなかった場合、ステップS56において、選択実行部43は、選択された処理項目レコードが、OUT処理項目(回答出力レコード群に属する)か否かを検査する。OUT処理項目であれば、ステップS57に遷移し、そうでなければステップS58に遷移する。
【0113】
ステップS57において、回答出力部38は、質問文に対する回答の回答番号を問診結果保存モジュール39を介して問診結果テーブルに保存する。この際、問診結果保存モジュール39は、回答番号と受診者の受診者ID、質問文の質問IDと関連づけて格納する。そして、上述のステップS55に遷移する。
【0114】
ステップS56において、選択された処理項目レコードがOUT処理項目でなかった場合、ステップS58において、接続点・終点処理部44は、選択された処理項目レコードが、JA処理項目(接続点レコード群に属する)か否かを検査する。JA処理項目であれば、ステップS55に遷移し、そうでなければステップS59に遷移する。
【0115】
ステップS58において、選択された処理項目レコードがJA処理項目でなかった場合、ステップS59において、接続点・終点処理部44は、選択された処理項目レコードが、OUT処理項目(終点レコード群に属する)か否かを検査する。OUT処理項目であれば、入力ネットのネット状態を非活性化して問診対話処理を終了し、そうでなければステップS51に戻る。
【0116】
以上のようにして、自動問診システム1における問診対話処理が実行される。
【0117】
最後に、一例として、自動問診システム1におけるストレスチェック問診票の対話問診処理について、図13を参照しながら説明する。
【0118】
(シナリオステップ1)
まず、最初に、受診者によりマイク7から「ストレスチェック」という音声が入力される。この音声は音声認識部32によりテキストデータに変換され、認識情報入力部42に入力される。認識情報入力部42は、処理項目テーブルの各処理項目レコードを巡回的に選択しており、上記テキストデータの入力がされると、「ストレスチェック」というキーワードに一致するコーパスを有する処理項目レコードFCT1を選択する。この処理項目レコードFCT1は開始情報レコード群に属するので、シナリオ開始部35は、FCT1の出力ネットNET1を活性化する。
【0119】
(シナリオステップ2)
一方、選択実行部43は、認識情報入力部42と並行して処理項目テーブルの各処理項目レコードを巡回的に選択しており、NET1が活性化されると、認識情報入力部42はNET1を入力ネットとする処理項目レコードJA1を選択する。この処理項目レコードJA1は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA1の出力ネットNET2を活性化し、入力ネットNET1を非活性化する。
【0120】
(シナリオステップ3)
次に、NET2が活性化されると、選択実行部43は、NET2を入力ネットとする処理項目レコードTTS1を選択する。この処理項目レコードTTS1はガイド情報レコード群に属するので、ガイド文出力部40は、音声出力モジュール41を介して、TTS1のコーパス「ストレスチェックを始めます。これから13個の質問をしますので、あてはまる、あてはまらない、どちらともいえない、どれか一つでお答えください。答えをこちらで繰り返しますので、答えが違っていた場合は、マイクに向かって『前に戻る』というか、タッチパネルの『前に戻る』ボタンを押してください。それでは始めます。」をスピーカ6から出力する。そして、出力ネットNET3を活性化し、入力ネットNET2を非活性化する。
【0121】
(シナリオステップ4)
次に、NET3が活性化されると、選択実行部43はNET3を入力ネットとする処理項目レコードJA2を選択する。この処理項目レコードJA2は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA2の出力ネットNET4を活性化し、入力ネットNET3を非活性化する。
【0122】
(シナリオステップ5)
次に、NET4が活性化されると、選択実行部43は、NET4を入力ネットとする処理項目レコードTTS2を選択する。この処理項目レコードTTS2は質問情報レコード群に属するので、質問文出力部37は、音声出力モジュール41を介して、TTS2のコーパス「質問1。ちょっとしたことでもイライラする。」をスピーカ6から出力する。そして、出力ネットNET5を活性化し、入力ネットNET4を非活性化する。
【0123】
(シナリオステップ6)
次に、NET5が活性化されると、選択実行部43はNET5を入力ネットとする処理項目レコードJA3を選択する。この処理項目レコードJA3は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA3の出力ネットNET6を活性化し、入力ネットNET5を非活性化する。
【0124】
(シナリオステップ7)
次に、NET6が活性化されると、認識情報入力部42は、NET6を入力ネットとするQB1を選択する。しかし、ここではまだ受診者により質問に対する回答が入力されていないので、何もしないで、認識情報入力部42は処理項目テーブルの各処理項目レコードを巡回的に選択し続ける。
【0125】
(シナリオステップ8−1)
次に、受診者によりマイク7から質問に対する回答の音声が入力される。例えば、「あてはまる」という音声が入力されたとする。認識情報入力部42は、NET6を入力ネットとするQB1を選択したときに、回答の音声入力がされたと判定すると、その回答に一致するコーパスを検査し、その一致したコーパスに従って出力ネットを選択する。この場合、「あてはまる」というコーパスに対応する出力ネットはNET7である。従って、回答判別部36は、QB1の選択された出力ネットNET7を活性化し、入力ネットNET6を非活性化する。
【0126】
そして、NET7が活性化されると、選択実行部43はNET7を入力ネットとする処理項目レコードOUT1を選択する。この処理項目レコードOUT1は回答出力レコード群に属するので、回答出力部38は、質問1に対する回答「あてはまる」の回答番号を、問診結果テーブルに格納する。そして、OUT1の出力ネットNET14を活性化し、入力ネットNET7を非活性化する。
【0127】
尚、回答音声が「あてはまらない」、「どちらともいえない」の場合も同様に、図13のシナリオに沿って動作する。
【0128】
(シナリオステップ8−2)
受診者によりマイク7から質問に対する回答の音声が「前に戻る」であった場合には、回答判別部36は、出力ネットとしてNET11を選択し、QB1の選択された出力ネットNET11を活性化し、入力ネットNET6を非活性化する。そして、NET11が活性化されると、選択実行部43はNET11を入力ネットとする処理項目レコードJA2を選択する。この処理項目レコードJA2は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA2の出力ネットNET6を活性化し、入力ネットNET11を非活性化する。このようにして、シナリオステップ5に戻る。
【0129】
(シナリオステップ8−3)
受診者によりマイク7から質問に対する回答の音声が「最初から」であった場合には、回答判別部36は、出力ネットとしてNET12を選択し、QB1の選択された出力ネットNET12を活性化し、入力ネットNET6を非活性化する。そして、NET12が活性化されると、選択実行部43はNET12を入力ネットとする処理項目レコードJA6を選択する。この処理項目レコードJA6は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA6の出力ネットNET19を活性化し、入力ネットNET12を非活性化する。更に、NET19が活性化されると、選択実行部43はNET19を入力ネットとする処理項目レコードJA1を選択する。この処理項目レコードJA1は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA1の出力ネットNET2を活性化し、入力ネットNET19を非活性化する。このようにして、シナリオステップ3に戻る。
【0130】
(シナリオステップ8−4)
受診者によりマイク7から質問に対する回答の音声が「終わる」であった場合には、回答判別部36は、出力ネットとしてNET213を選択し、QB1の選択された出力ネットNET213を活性化し、入力ネットNET6を非活性化する。そして、NET213が活性化されると、選択実行部43はNET213を入力ネットとする処理項目レコードEND3を選択する。この処理項目レコードEND3は終点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、入力ネットNET213を非活性化し、問診対話処理を終了する。
【0131】
(シナリオステップ8−5)
受診者によりマイク7から質問に対する回答の音声がQB1のコーパスの何れにも該当しなかった場合、回答判別部36は、出力ネットとしてNET10を選択し、QB1の選択された出力ネットNET10を活性化し、入力ネットNET6を非活性化する。そして、NET10が活性化されると、選択実行部43はNET10を入力ネットとする処理項目レコードTTS3を選択する。この処理項目レコードTTS3はガイド情報レコード群に属するので、ガイド文出力部40は、音声出力モジュール41を介して、TTS3のコーパス「質問に対する回答は、『あてはまる』『あてはまらない』『どちらともいえない』のいずれかで答えてください。」をスピーカ6から出力する。そして、出力ネットNET13を活性化し、入力ネットNET10を非活性化する。次いで、NET13が活性化されると、選択実行部43はNET13を入力ネットとする処理項目レコードJA3を選択する。この処理項目レコードJA3は接続点レコード群に属するので、接続点・終点処理部44は、JA3の出力ネットNET6を活性化し、入力ネットNET13を非活性化する。このようにして、シナリオステップ7に戻る。
【0132】
このように、質問に対する受信者の回答が、その質問に対して想定された回答(この場合「あてはまる」、「あてはまらない」、「どちらともいえない」、「前に戻る」、「最初から」、「終わる」)の何れでもない想定外の回答であった場合には、質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するガイド文が音声出力され再度の回答を待つ状態となる。従って、受信者が想定回答をするように正しく誘導することができる。
【0133】
尚、シナリオステップ8以降は、同様にして、図13の問診対話シナリオに沿って問診対話処理が行われるので、以降の説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施例1に係る自動問診システムの構成を表す図である。
【図2】図1の自動問診システムの機能的な構成を表す図である。
【図3】質問情報記憶部11に保存されている質問情報レコード群のデータ構造を表す図である。
【図4】問診結果記憶部12に記憶された問診結果テーブル及び受診者テーブルのデータ構造と他のテーブルとの関係を表す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る自動問診システム1の動作を表すフローチャートである。
【図6】タッチパネル8の画面上に表示される名前及び受診者IDの入力画面である。
【図7】タッチパネル8の画面上に表示される問診票の選択画面である。
【図8】タッチパネル8の画面上に表示される質問ガイド画面である。
【図9】タッチパネル8の画面上に表示される質問ガイド画面である。
【図10】タッチパネル8の画面上に表示される終了画面である。
【図11】本実施例2に係る自動問診システムの機能的な構成を表す図である。
【図12】ストレスチェック問診票、健康調査票問診票、HDA尺度問診票、及びTAS−20問診票の問診対話シナリオの遷移図の一部である。
【図13】ストレスチェック問診票の問診対話シナリオ全体の遷移図である。
【図14】処理項目テーブル記憶部33に格納された処理項目テーブルを表す図である。
【図15】処理項目テーブル記憶部33に格納された処理項目テーブルの一例を表す図である。
【図16】ネット状態テーブル記憶部34に格納されたネット状態テーブルの一例を表す図である。
【図17】音声認識部32と認識情報入力部42の動作を表すフローチャートである。
【図18】選択実行部43の動作を示すフローチャートである。
【図19】特許文献2に記載の健康管理支援システムの動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
自動問診システム1
管理サーバ2
診断者側コンピュータ3
受診者側端末装置4
ネットワーク5
スピーカ6
マイク7
タッチパネル8
質問情報記憶部11
問診結果記憶部12
通信インタフェース13
音声出力部14
音声認識部15
質問群選択部16
質問読出部17
回答判別部18
回答保存部19
割込制御部20
ガイド情報記憶部21
ガイド出力部22
通信インタフェース23
コンピュータ30
認識辞書記憶部31
音声認識部32
処理項目テーブル記憶部33
ネット状態テーブル記憶部34
シナリオ開始部35
回答判別部36
質問文出力部37
回答出力部38
問診結果保存モジュール39
ガイド文出力部40
音声出力モジュール41
認識情報入力部42
選択実行部43
接続点・終点処理部44
画面表示モジュール45
入力認識モジュール46

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受診者に対する問診を自動で行う自動問診システムであって、
受診者が音声を入力するマイクと、
受診者に対して音声を出力するスピーカと、
受診者が前記マイクから入力する音声を文字データに変換し出力する音声認識手段と、
文字データを音声に変換して前記スピーカから出力する音声出力手段と、
問診における自動問診システムと受診者との対話の進行内容である問診対話シナリオにおける自動問診システムから受診者に対する質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文の情報である質問情報が記憶された質問情報記憶手段と、
前記質問文に対して受診者が選択する選択回答の情報である回答情報を、前記質問文と関連づけて記憶する問診結果記憶手段と、
前記質問情報記憶手段に記憶された前記質問情報を順次読み出し、前記音声出力手段により前記スピーカから前記質問文を発話出力する質問読出手段と、
前記質問読出手段が前記質問文を発話出力した直後に、受診者が前記マイクから入力し前記音声認識手段により文字情報に変換された回答情報を、直前の前記質問文に対して想定される選択肢を選択する想定回答か、それ以外の想定外回答かを判別する回答判別手段と、
前記各質問文の選択肢の種別に応じて、当該質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するためのガイド文の情報であるガイド情報を記憶するガイド情報記憶手段と、
前記回答判別手段により前記回答情報が前記想定回答であると判別された場合、当該回答情報を、前記問診結果記憶手段に前記質問文と関連づけて保存する回答保存手段と、
前記回答判別手段により前記回答情報が前記想定外回答であると判別された場合、前記質問文の選択肢の種別に応じて、前記ガイド情報記憶手段に記憶されたガイド情報を読み出し、当該ガイド情報を前記音声出力手段により前記スピーカから発話出力するガイド出力手段と、を備えたことを特徴とする自動問診システム。
【請求項2】
前記回答判別手段は、前記音声出力手段が前記質問情報を発話出力した直後に、受診者が前記マイクから入力し前記音声認識手段により文字情報に変換された回答情報を、直前の前記質問情報に対して規定される選択肢を選択する想定回答か、割込制御指示か、それ以外の想定外回答かを判別するものであり、
前記回答判別手段により前記回答情報が前記割込制御指示であると判別された場合、その割込制御指示により指定される割り込み動作を実行する割込制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動問診システム。
【請求項3】
受診者に対する問診を自動で行う自動問診システムであって、
受診者が音声を入力するマイクと、
受診者に対して音声を出力するスピーカと、
受診者が前記マイクから入力する音声を文字データに変換し出力する音声認識手段と、
文字データを音声に変換して前記スピーカから出力する音声出力手段と、
問診における自動問診システムと受診者との対話の進行内容である問診対話シナリオにおけるシステム側のそれぞれの情報処理単位を処理項目といい、前記問診対話シナリオに沿った対話プロセスの進行に伴う各処理項目間の遷移関係をネットというとき、
前記各処理項目のそれぞれに対してレコードが割り当てられ、前記各レコードには、当該処理項目へ遷移する側の入力ネットを特定する入力ネット情報及び当該処理項目から遷移する側の出力ネットを特定する出力ネット情報並びに当該処理項目に対し必要に応じて設定される発話内容又は受話キーワードを記述するコーパスが格納された処理項目テーブルを記憶する処理項目テーブル記憶手段と、
前記各ネットのそれぞれに対してレコードが割り当てられ、前記各レコードには、当該ネットのネットID、及び当該ネットの活性状態を表すネット状態フラグが格納されたネット状態テーブルを記憶するネット状態テーブル記憶手段と、
問診結果を記憶する問診結果記憶手段と、
を備え、
前記処理項目テーブルは、少なくとも、
前記コーパスとして、前記問診対話シナリオを開始するための開始キーワードが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおける最初の質問文又はガイド文の発話処理を行う処理項目へ遷移するネットのネットIDが記憶された開始情報レコード群と、
前記コーパスとして、受診者に対する質問文であって複数の選択肢による回答を求める質問文が格納され、前記入力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該質問文への遷移元の処理項目に接続するネットのネットIDが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該質問文に対する受診者の回答を判定する処理項目に接続するネットのネットIDが格納された質問情報レコード群と、
前記入力ネット情報として、何れかの前記質問文の処理項目に接続する前記入力ネットのネットIDが記憶され、前記コーパスとして、前記質問文に対して受診者が選択する選択回答のキーワードである回答キーワードが複数格納され、前記出力ネット情報として、それらの前記回答キーワードに応じて選択される前記出力ネットのネットID及び想定外回答に対して選択される前記出力ネットのネットIDが記憶された回答情報レコード群と、
前記コーパスとして、それぞれの前記質問文に対応して当該質問文に対する正しい選択回答を行うように誘導するガイド文及びその他のガイド文が記憶され、前記入力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該ガイド文への遷移元の処理項目に接続するネットのネットIDが格納され、前記出力ネット情報として、前記問診対話シナリオにおいて当該ガイド文からの遷移先の処理項目に接続するネットのネットIDが格納されたガイド情報レコード群と、
を含み、
前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記開始情報レコード群の各レコードのうち前記文字データに一致又は含まれるコーパスを検索し、検索により抽出されるレコードの前記出力ネットの前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得された前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するシナリオ開始手段と、
前記質問情報レコード群の全レコードを順次選択し、選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態であれば、当該選択したレコードの前記質問文を前記音声出力手段により出力するとともに、前記ネット状態テーブルの当該選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態フラグを非活性化、当該選択したレコードの前記出力ネットの前記ネット状態フラグを活性化する質問文出力手段と、
前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記回答情報レコード群の各レコードのうち前記入力ネットに対する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態にあるレコードを検索し、検索の結果レコードが抽出された場合、そのレコードの何れかの前記回答キーワードが前記文字データに一致又は含まれるか否かを判定し、前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがある場合には、その回答キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化し、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化するとともに、当該回答キーワードの選択結果を前記問診結果記憶手段に格納する一方、前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがない場合には、想定外回答に対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化する回答判別手段と、
前記ガイド情報レコード群の全レコードを順次選択し、選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態であれば、当該選択したレコードの前記ガイド文を前記音声出力手段により出力するとともに、前記ネット状態テーブルの当該選択したレコードの前記入力ネットに対応する前記ネット状態フラグを非活性化、当該選択したレコードの前記出力ネットの前記ネット状態フラグを活性化するガイド文出力手段と、
を備えたことを特徴とする自動問診システム。
【請求項4】
前記回答情報レコード群には、前記入力ネット情報として、何れかの前記質問文の処理項目に接続する前記入力ネットのネットIDが記憶され、前記コーパスとして、複数の前記回答キーワード及び割込制御を指示するための割込制御キーワードが格納され、前記出力ネット情報として、それらの前記回答キーワード及び前記割込制御キーワードに応じて選択される前記出力ネットのネットID及び想定外回答に対して選択される前記出力ネットのネットIDが記憶されており、
前記回答判別手段は、前記音声認識手段から前記文字データが入力された場合に、前記回答情報レコード群の各レコードのうち前記入力ネットに対する前記ネット状態テーブルの前記ネット状態フラグが活性状態にあるレコードを検索し、検索の結果レコードが抽出された場合、そのレコードの何れかの前記回答キーワードが前記文字データに一致又は含まれるか否かを判定し、
前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがある場合には、その回答キーワード又はその割込制御キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化し、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化するとともに、当該回答キーワードの選択結果を前記問診結果記憶手段に格納し、
前記文字データに一致又は含まれる前記割込制御キーワードがある場合には、その割込制御キーワードに対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化し、
前記文字データに一致又は含まれる前記回答キーワードがない場合には、想定外回答に対する前記ネットIDを取得し、前記ネット状態テーブル記憶手段において取得した前記ネットIDに対応するネット状態フラグを活性化するとともに、前記入力ネットに対する前記ネット状態フラグを非活性化する
ことを特徴とする請求項3記載の自動問診システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−94243(P2010−94243A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266852(P2008−266852)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(306015490)株式会社キットヒット (2)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】