説明

自動変速機の変速制御装置および変速制御方法

【課題】運転者の要求する駆動力のより早い実現と、駆動トルク中断を回避したスムーズな変速を両立できる制御装置および制御方法を提案することにある。
【解決手段】アクセルオフ状態からのキックダウンのように、運転者が早急な加速を要求している場合は、摩擦伝達機構を解放して、駆動力源の動力の出力軸への伝達を一旦遮断状態としたのち、目的とする変速段の摩擦伝達機構を締結する。その他の変速の場合は、トルクを伝達していた摩擦伝達機構を徐々に解放しながら、次変速段の摩擦伝達機構を徐々に締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の変速制御装置及び変速制御方法に係り、特に、自動車に用いる歯車式変速機の制御に好適な自動変速機の変速制御装置および変速制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手動変速機に用いられる歯車式変速機を用いて、摩擦機構であるクラッチの操作と、歯車選択機構である同期噛合い機構の操作を自動化したシステムとして、自動化マニュアルトランスミッション(以下、「自動MT」と称する)が開発されている。
【0003】
しかし、従来の自動MT(自動化マニュアルトランスミッション)における変速時の制御では、クラッチの解放・締結操作により駆動トルクの中断が発生し、乗員に違和感を与えることがある。
【0004】
そこで、特開2000−234654号公報や、特開2001−295898号公報により、変速機への入力トルクを伝達する2つの摩擦伝達機構(クラッチ)を設け、2つのクラッチによって交互に駆動トルクを伝達する、ツインクラッチ式自動MTが知られている。このツインクラッチ式自動MTでは、変速が開始されると、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結することで、駆動トルクを変速前ギア比相当から、変速後ギア比相当へと変化させることにより、駆動トルク中断を回避してスムーズな変速を行えるものである。前記のツインクラッチ式自動MTにおいては、乾式クラッチを用いて構成される場合と、湿式クラッチを用いて構成される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−234654号公報
【特許文献2】特開2001−295898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような自動変速機において、アクセルオフ状態からのキックダウンのように、運転者が早急な加速を要求している場合を区別することなく、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結するクラッチを掛け替えながらの変速を実施すると、目的とする変速段への到達に時間を要してしまい、結果として運転者の要求する駆動力が実現されるまでに時間がかかるという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、運転者の要求する駆動力のより早い実現と、駆動トルク中断を回避したスムーズな変速を両立できる制御装置および制御方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、駆動力を発生するための駆動力源と、前記駆動力源の発生トルクを出力軸へと伝達する変速機を備え、前記変速機には摩擦面の押し付け荷重を調整することで駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構を備えた自動変速機の制御装置および制御方法において、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させて、変速中の駆動力源の動力の出力軸への伝達を一旦遮断状態としたのち、目的とする変速段へダウンシフトを行う第一の変速形態と、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させるとともに、他のいずれかの摩擦伝達機構を締結してゆき、変速中も駆動力源の動力を出力軸へ伝達しながら、目的とする変速段へのダウンシフトを行う第二の変速形態とを備え、
アクセルオフ状態からアクセルを踏み込んでダウンシフトを開始する場合は、第一の変速形態により変速を行い、
上記以外のアクセル条件によりダウンシフトを開始する場合は、第二の変速形態により変速を行うように変速形態を切替えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、運転者の要求に応じて変速形態を切替えるので、運転者の要求する駆動力のより早い実現と、駆動トルク中断を回避したスムーズな変速を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による自動変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置に用いられる変速機制御ユニット100と、エンジン制御ユニット101の入出力信号関係を示すブロック線図である。
【図3】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の制御内容の概略を示すフローチャートである。
【図4】図3に図示の変速形態切替え手段の詳細内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明を実施しない場合の5速から3速への変速例を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態による5速から3速への変速例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6を用いて詳細に説明する。
【0012】
最初に、図1を用いて、本発明に係わる自動変速機を備えた自動車の制御装置の構成例について説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る自動変速機を備えた自動車の制御装置の一実施の形態を示すシステム構成例のスケルトン図である。
【0014】
駆動力源であるエンジン7、エンジン7の回転数を計測するエンジン回転数センサ(図示しない),エンジントルクを調節する電子制御スロットル(図示しない),吸入空気量に見合う燃料量を噴射するための燃料噴射装置(図示しない)が設けられており、エンジン制御ユニット101により、吸入空気量,燃料量,点火時期等を操作することで、エンジン7のトルクを高精度に制御することができるようになっている。前記燃料噴射装置には、燃料が吸気ポートに噴射される吸気ポート噴射方式あるいはシリンダ内に直接噴射される筒内噴射方式があるが、エンジンに要求される運転域(エンジントルク,エンジン回転数で決定される領域)を比較して燃費が低減でき、かつ排気性能が良い方式のエンジンを用いるのが有利である。駆動力源としては、ガソリンエンジンのみならず、ディーゼルエンジン,天然ガスエンジンや、電動機などでも良い。
【0015】
自動変速機50には、第1クラッチ8,第2クラッチ9,変速機第1入力軸41,変速機第2入力軸42,変速機出力軸43,第1ドライブギア1,第2ドライブギア2,第3ドライブギア3,第4ドライブギア4,第5ドライブギア5,後進ドライブギア(図示しない),第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,後進ドライブギア(図示しない),第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23,第1入力軸回転センサ31,第2入力軸回転センサ32,出力軸回転センサ33が設けられており、前記第1クラッチ8を係合,解放することで、前記エンジン7のトルクを変速機第1入力軸41に伝達,遮断することが可能である。また、前記第2クラッチ9を係合,解放することで、前記エンジン7のトルクを変速機第2入力軸42に伝達,遮断することが可能である。前記第1クラッチ8,前記第2クラッチ9には、本実施例では湿式多板クラッチを用いているが、乾式単板クラッチを用いても良く、すべての摩擦伝達機構を用いることが可能である。また、電磁パウダークラッチによって構成することも可能である。
【0016】
変速機第2入力軸42は中空になっており、変速機第1入力軸41は、変速機第2入力軸42の中空部分を貫通し、変速機第2入力軸42に対し回転方向への相対運動が可能な構成となっている。
【0017】
変速機第2入力軸42には、第1ドライブギア1と第3ドライブギア3と第5ドライブギア5と後進ドライブギア(図示しない)が固定されており、第1入力軸1241に対しては、回転自在となっている。また、変速機第1入力軸41には、第2ドライブギア2と第4ドライブギア4が固定されており、変速機第2入力軸42に対しては、回転方向への相対運動が可能な構成となっている。
【0018】
変速機第1入力軸41の回転数を検出する手段として、第1入力軸回転センサ31が設けられており、変速機第2入力軸42の回転数を検出する手段として、第2入力軸回転センサ32が設けられている。
【0019】
一方、変速機出力軸43には、第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,後進ドリブンギア(図示しない)が設けられている。第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,後進ドリブンギア(図示しない)は変速機出力軸43に対して回転自在に設けられている。
【0020】
また、変速機出力軸43の回転数を検出する手段として、出力軸回転センサ33が設けられている。
【0021】
これらのギアの中で、前記第1ドライブギア1と、前記第1ドリブンギア11とが、前記第2ドライブギア2と、前記第2ドリブンギア12とが、それぞれ噛合している。また、前記第3ドライブギア3と、前記第3ドリブンギア13とが、前記第4ドライブギア4と、前記第4ドリブンギア14とが、それぞれ噛合している。さらに、前記第5ドライブギア5と、前記第5ドリブンギア15とが、それぞれ噛合している。また、後進ドライブギア(図示)しない、アイドラーギア(図示しない),後進ドリブンギア(図示)しないがそれぞれ係合しており、
また、第1ドリブンギア11と第3ドリブンギア13の間には、第1ドリブンギア11を変速機出力軸43に係合させたり、第3ドリブンギア13を変速機出力軸43に係合させる、第1同期噛合い機構21が設けられている。
【0022】
また、第2ドリブンギア12と第4ドリブンギア14の間には、第2ドライブギア12を変速機出力軸43に係合させたり、第4ドリブンギア14を変速機出力軸43に係合させる、第3同期噛合い機構23が設けられている。
【0023】
また、第5ドリブンギア15には、第5ドリブンギア15を変速機出力軸43に係合させる、第2同期噛合い機構22が設けられている。
【0024】
変速機制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dの電流を制御することで、第1シフトアクチュエータ61内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第1同期噛合い機構21の位置もしくは荷重を制御し、第1ドリブンギア11、または第3ドリブンギア13と係合させることで、変速機第2入力軸42の回転トルクを、第1同期噛合い機構21を介して変速機出力軸43へと伝達することができる。ここでは、第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dの電流を増加することで、前記第1同期噛合い機構21が第1ドリブンギア11側へ移動する方向へ荷重が加わり、第1同期噛合い機構用第1電磁弁105cの電流を増加することで、前記第1同期噛合い機構21が第3ドリブンギア13側へ移動する方向へ荷重が加わるように構成している。なお、第1シフトアクチュエータ61には前記第1同期噛合い機構21の位置を計測する位置センサ61a(図示しない)が設けられている。
【0025】
また、変速機制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105fの電流を制御することで、第2シフトアクチュエータ62内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第2同期噛合い機構22の位置もしくは荷重を制御し、第5ドリブンギア15と係合させることで、変速機第2入力軸42の回転トルクを、第2同期噛合い機構22を介して変速機出力軸43へと伝達することができる。なお、第2シフトアクチュエータ62には前記第2同期噛合い機構22の位置を計測する位置センサ62a(図示しない)が設けられている。
【0026】
また、変速機制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hの電流を制御することで、第3シフトアクチュエータ63内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第3同期噛合い機構23の位置もしくは荷重を制御し、第2ドリブンギア12、または前記第4ドリブンギア14と係合させることで、変速機第1入力軸41の回転トルクを、第3同期噛合い機構23を介して変速機出力軸43へと伝達することができる。なお、第3シフトアクチュエータ63には前記第3同期噛合い機構23の位置を計測する位置センサ63a(図示しない)が設けられている。
【0027】
このように第1ドライブギア1,第2ドライブギア2,第3ドライブギア3,第4ドライブギア4,第5ドライブギア5から、第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15を介して変速機出力軸43に伝達された変速機第1入力軸41の回転トルクは、変速機出力軸43に連結されたディファレンシャルギア(図示しない)を介して車軸(図示しない)に伝えられる。
【0028】
また、変速機制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた第1クラッチ用電磁弁105aの電流を制御することで、前記第1クラッチ8内に設けられたプレッシャプレート(図示しない)を制御し、前記第1クラッチ8の伝達トルクの制御を行っている。
【0029】
また、変速機制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた第2クラッチ用電磁弁105bの電流を制御することで、前記第2クラッチ9内に設けられたプレッシャプレート(図示しない)を制御し、前記第2クラッチ9の伝達トルクの制御を行っている。
【0030】
また、レバー装置から、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ等のシフトレバー位置を示すレンジ位置信号が前記変速機制御ユニット100に入力される。
【0031】
前記変速機制御ユニット100,エンジン制御ユニット101は、通信手段103によって相互に情報を送受信する。
【0032】
第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dによって第1シフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第1ドリブンギア11を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第1速段走行となる。
【0033】
第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hによって第3シフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第2ドリブンギア12を噛合し、第1クラッチ8を係合することによって第2速段走行となる。
【0034】
第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dによって第1シフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第3ドリブンギア13を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第3速段走行となる。
【0035】
第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hによって第3シフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第4ドリブンギア14を噛合し、第1クラッチ8を係合することによって第4速段走行となる。
【0036】
第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105fによって第2シフトアクチュエータ62を制御し、第2同期噛合い機構22と第5ドリブンギア15を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第5速段走行となる。
【0037】
第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105fによって第2シフトアクチュエータ62を制御し、第2同期噛合い機構22と後進ドリブンギア(図示しない)を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって後進段走行となる。
【0038】
ここで例えば1速段から2速段へのアップシフトは、第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dによって第1シフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第1ドリブンギア11を噛合し、第2クラッチ9を係合した状態から、第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hによって第3シフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第2ドリブンギア12を噛合し、第1クラッチ8を徐々に締結するとともに、第2クラッチ9を徐々に解放することによって行われる。
【0039】
なお、第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23を動作させる機構として、本実施例においては電磁弁,油圧ピストンを用いた油圧機構として構成しているが、電磁弁,油圧ピストンの替わりに、電動モータおよび減速ギアを用いて構成しても良いし、電動モータ、ドラムを用いて構成しても良く、第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23を制御するための他の機構を用いても構成可能である。また、電動モータを用いる場合は、モータは磁石が固定されて巻線が回転される、いわゆる直流モータによって構成してもよいし、巻線が固定して磁石が回転される、いわゆる永久磁石同期モータでも良く、種々のモータが適用可能である。
【0040】
また、第1クラッチ8,第2クラッチ9を動作させるために、本実施例においては電磁弁を用いた油圧機構として構成しているが、電動モータ,減速ギアを用いてクラッチを動作させるように構成しても良いし、電磁コイルによってクラッチのプレッシャプレートを制御する構成としても良く、第1クラッチ8,第2クラッチ9を制御するための他の機構を用いても構成可能である。
【0041】
図2に、変速機制御ユニット100と、エンジン制御ユニット101との間の入出力信号関係を示す。変速機制御ユニット100は、入力部100i,出力部100o,コンピュータ100cを備えたコントロールユニットとして構成される。同様に、エンジン制御ユニット101も、入力部101i,出力部101o,コンピュータ101cを備えたコントロールユニットとして構成される。変速機制御ユニット100からエンジン制御ユニット101に、通信手段103を用いてエンジントルク指令値TTeが送信され、エンジン制御ユニット101はTTeを実現するように、前記エンジン7の吸入空気量,燃料量,点火時期等(図示しない)を制御する。また、エンジン制御ユニット101内には、変速機への入力トルクとなるエンジントルクの検出手段(図示しない)が備えられ、エンジン制御ユニット101によってエンジン7の回転数Ne、エンジン7が発生したエンジントルクTeを検出し、通信手段103を用いて変速機制御ユニット100に送信する。エンジントルク検出手段には、トルクセンサを用いるか、またはインジェクタの噴射パルス幅や吸気管内の圧力とエンジン回転数等など、エンジンのパラメータによる推定手段としても良い。
【0042】
変速機制御ユニット100は、所望の第1クラッチ伝達トルクを実現するために、第1クラッチ用電磁弁105aへ印加する電圧V_claを調整することで、第1クラッチ用電磁弁105aの電流を制御し、第1クラッチ8を係合,解放する。
【0043】
また、変速機制御ユニット100は、所望の第2クラッチ伝達トルクを実現するために、第2クラッチ用電磁弁105bへ印加する電圧V_clbを調整することで、第2クラッチ用電磁弁105bの電流を制御し、第2クラッチ9を係合,解放する。
【0044】
また、変速機制御ユニット100は、所望の第1同期噛合い機構21の位置を実現するために、第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dへ印加する電圧V1_slv1,V2_slv1を調整することで、第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105dの電流を制御し、第1同期噛合い機構21の噛合,解放を行う。
【0045】
また、変速機制御ユニット100は、所望の第2同期噛合い機構22の位置を実現するために、第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105fへ印加する電圧V1_slv2,V2_slv2を調整することで、第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105fの電流を制御し、第2同期噛合い機構22の噛合,解放を行う。
【0046】
また、変速機制御ユニット100は、所望の第3同期噛合い機構23の位置を実現するために、第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hへ印加する電圧V1_slv3,V2_slv3を調整することで、第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hの電流を制御し、第3同期噛合い機構23の噛合,解放を行う。
【0047】
なお、変速機制御ユニット100には、電流検出回路(図示しない)が設けられており、各電磁弁の電流が目標電流に追従するよう電圧出力を変更して、各電磁弁の電流を制御している。
【0048】
また、変速機制御ユニット100には第1入力軸回転センサ31,第2入力軸回転センサ32,出力軸回転センサ33から、第1入力軸回転数NiA,第2入力軸回転数NiB,出力軸回転数Noがそれぞれ入力され、また、レバー装置から、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ等のシフトレバー位置を示すレンジ位置信号RngPosと、アクセル開度センサ302からアクセルペダル踏み込み量Apsと、ブレーキが踏まれているか否かを検出するブレーキスイッチ304からのON/OFF信号Brkが入力される。
【0049】
なお、本実施例においては、運転者が手動でアップシフト/ダウンシフトを指令するための所謂マニュアルモード機能を備えた場合を記載しており、変速機制御ユニット100へ、アップスイッチ306,ダウンスイッチ307からのON/OFF信号UpSw、DnSwがそれぞれ入力される。
【0050】
また、変速機制御ユニット100には、自動変速機50内部の潤滑油の温度を計測する油温センサ305から潤滑油温TEMPlubが入力される。
【0051】
また、変速機制御ユニット100には、スリーブ1位置センサ61a,スリーブ2位置センサ62a,スリーブ3位置センサ63aから、第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23のそれぞれのストローク位置を示す、スリーブ1位置RPslv1,スリーブ2位置RPslv2,スリーブ3位置RPslv3が入力される。
【0052】
変速機制御ユニット100は、例えば、運転者がシフトレンジをDレンジ等にしてアクセルペダルを踏み込んだときは運転者に発進,加速の意志があると判断し、また、運転者がブレーキペダルを踏み込込んだときは運転者に減速,停止の意志があると判断し、運転者の意図を実現するように、エンジントルク指令値TTe,第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2を設定する。
【0053】
また、出力軸回転数Noから算出する車速Vspとアクセルペダル踏み込み量Apsから目標とする変速段を設定し、設定した変速段への変速動作を実行するよう、エンジントルク指令値TTe,第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2,目標スリーブ1位置TPslv1,目標スリーブ2位置TPslv2,目標スリーブ3位置TPslv3を設定する。
【0054】
また、変速機制御ユニット100は、設定した第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2,目標スリーブ1位置TPslv1,目標スリーブ2位置TPslv2,目標スリーブ3位置TPslv3を実現するよう、第1クラッチ用電磁弁105a,第2クラッチ用電磁弁105b,第1同期噛合い機構用第1電磁弁105c,第1同期噛合い機構用第2電磁弁105d,第2同期噛合い機構用第1電磁弁105e,第2同期噛合い機構用第2電磁弁105f,第3同期噛合い機構用第1電磁弁105g,第3同期噛合い機構用第2電磁弁105hへ印加する電圧V_cla,V_clb,V1_slv1,V2_slv1,V1_slv2,V2_slv2,V1_slv3,V2_slv3を出力する。
【0055】
次に、図3〜図6を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置による発進状態から変速を開始した場合の制御の具体的な制御内容について説明する。
【0056】
図3は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置のダウンシフトの際に演算する処理の概略を示すフローチャートである。
【0057】
ダウンシフトの制御フローは、ステップ301(ダウンシフト判定),ステップ302(飛びダウンシフト判定),ステップ303(第二の変速形態選択処理),ステップ304(変速形態切替え手段),ステップ305(変速制御手段)で構成される。
【0058】
図3の内容は、変速機制御ユニット100のコンピュータ100cにプログラミングされ、あらかじめ定められた周期で繰り返し実行される。すなわち、以下のステップ301〜305の処理は、変速機制御ユニット100によって実行される。
【0059】
ステップ301(ダウンシフト判定)は、レンジ位置信号RngPosにしたがい選択される変速線図からアクセルペダル踏み込み量Apsと車速Vspに基づき演算される車両の目標ギア位置tGP_nxtの更新があった際や、あるいは、運転者のアップスイッチUpSw操作、または、ダウンスイッチDnSw操作が行われ、車両の目標ギア位置tGP_nxtの更新がなされた際に、現在の走行ギア段よりも目標とするギア位置が下段である場合にダウンシフトであると判定する。
【0060】
ステップ302(飛びダウンシフト判定)は、ステップ301で判定したダウンシフトが2段以上の飛びダウンシフトであるか否かの判定を行い、2段以上の飛びダウンシフトである場合はステップ304へ進み、2段以上の飛びダウンシフトでない場合、すなわち、1段のダウンシフトの場合はステップ303へ進む。
【0061】
ステップ303(第二の変速形態選択処理)は、ステップ302で2段以上の飛びダウンシフトでない場合、すなわち、1段のダウンシフトと判定された場合に実行され、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結するクラッチを掛け替えながら変速を行う第二の変速形態を選択する。これは、1段のダウンシフトの場合は、変速形態を切替えるまでも無く、次変速段のクラッチを締結してゆけば所望の駆動力を実現できるためである。
【0062】
ステップ304(変速形態切替え手段)は、ステップ302で2段以上の飛びダウンシフトと判定された場合に実行され、アクセル開度や推定エンジントルクに応じて変速形態を選択する。
【0063】
ステップ305(変速制御手段)は、前段のステップで選択された変速形態に基づき変速を行うためのクラッチトルクや、シフト荷重の制御手段である。第一の変速形態に基づき変速を行う場合は、変速前にトルクを伝達していたクラッチを解放して、目標とするギア位置へのシフト荷重制御を実施したのち、クラッチを締結する。また、第二の変速形態に基づき変速を行う場合は、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結しクラッチを掛け替えながら、同時に、シフト荷重制御も実施し、目標とするギア位置へ到達するまで変速を行う。
【0064】
次に、図4を用いて、図3のステップ304(変速形態切替え手段)の詳細について説明する。
【0065】
ステップ401において、アクセルペダル踏み込み量Apsが0%から100%へ変化したことを判定した場合は、ステップ405に進み第一の変速形態を選択する。これは、アクセルペダル踏み込み量が0%の状態では、駆動力源の駆動力が発生していない状態であるため、アクセルペダル踏み込み量が0%の状態から変速を行う場合は、一旦クラッチを解放しても、それまで駆動力源の駆動力が発生していない状態であったため、運転者に与える違和感やショックも無いと考えられるためである。なおかつ、目標とする変速段へのギア切替えを行ったのち、クラッチを締結するので、素早く運転者の要求する駆動力を実現することができる。ステップ401の判定結果が否定の場合は、ステップ402へ進む。
【0066】
ステップ402において、単位時間当たりのアクセルペダル踏み込み量変Apsの変化であるアクセル踏み込み速度が所定値よりも大きいことを判定した場合は、ステップ405に進み第一の変速形態を選択する。これは、アクセルペダル踏み込み速度が速い場合というのは、運転者が早急な駆動力の発生を要求していると考えられるためである。ステップ402の判定結果が否定の場合は、ステップ403へ進む。
【0067】
ステップ403において、インジェクタの噴射パルス幅や吸気管内の圧力とエンジン回転数等など、エンジンのパラメータにより演算された推定エンジントルクが所定値よりも小さいことを判定した場合は、ステップ405に進み第一の変速形態を選択する。これは、推定エンジントルクが小さい状態では、駆動力源の駆動力が車両を駆動する力よりも、走行抵抗等により車両が車輪から受ける力のほうが大きい状態のため、一旦クラッチを解放しても、運転者に与える違和感やショックも少ないと考えられるためである。なおかつ、目標とする変速段へのギア切替えを行ったのち、クラッチを締結するので、素早く運転者の要求する駆動力を実現することができる。ステップ403の判定結果が否定の場合は、ステップ404へ進む。
【0068】
ステップ404において、傾斜センサの値等により平坦路を走行していると判定された場合は、ステップ405に進み第一の変速形態を選択する。これにより、平坦路を走行している場合は、一旦クラッチを解放しても、車両が後進することはなく、なおかつ、目標とする変速段へのギア切替えを行ったのち、クラッチを締結するので、素早く運転者の要求する駆動力を実現することができる。ステップ404の判定結果が否定の場合は、ステップ406へ進む。
【0069】
ステップ406では、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結するクラッチを掛け替えながら変速を行う第二の変速形態を選択する。
【0070】
次に、図5を用いて、本発明を適用しない場合の5速から3速への変速例について説明する。図5は、車両が5速で走行している状態で、運転者がアクセルを0%から100%へ踏み込んだとき、5速から3速へ変速する場合の制御内容を示している。
【0071】
図5において、図5(A)はアクセル開度Apsを示している。図5(B)は目標ギア位置tGP_nxtを示している。5thは5速、4thは4速、3rdは3速を示している。図5(C)は実ギア位置GPを示している。5thは5速、4thは4速、3rdは3速を示している。図5(D)は第1クラッチトルクおよび第2クラッチトルクを示している。図5(E)は変速機出力軸トルクを示している。
【0072】
時刻t1以前では、図5(A)に示すように、アクセル開度Apsは0%、図5(B)に示すように、目標ギア位置tGP_nxtは5速、図5(C)に示すように、実ギア位置GPも5速であり、運転者がアクセルを踏んでいない状態で5速で走行している車両状態である。
【0073】
時刻t1において、図5(A)に示すように、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、図5(B)に示す、目標ギア位置tGP_nxtが5速から3速へ変化して、ダウンシフトの開始が判定される。そして、図5(C)に示すように、まず5速の1段下の第4速ギア段を達成するようにシフト荷重が制御される。また、同時に、図5(D)に示すように、エンジン回転数を第4速相当回転数まで上昇させるために、5速で締結していた第2クラッチトルクを低減する。
【0074】
時刻t2において、図5(C)に示すように第4速ギア段が達成され、図5(D)に示すようにエンジン回転数制御のための第2クラッチトルク制御が完了すると、第1クラッチトルクを徐々に立ち上げつつ、第2クラッチトルクを徐々に低減してクラッチの架け替えを行う。
【0075】
時刻t3において、クラッチの架け替えが完了すると、図5(E)に示すように変速機出力軸トルクは、4速での駆動トルクが出力される状態となる。そして、図5(C)に示すように、4速の1段下の第3速ギア段を達成するようにシフト荷重制御が開始される。また、同時に、図5(D)に示すように、エンジン回転数を第3速相当回転数まで上昇させるために、4速で締結していた第1クラッチトルクを低減しはじめる。
【0076】
時刻t4において、図5(C)に示すように第3速ギア段が達成され、図5(D)に示すようにエンジン回転数制御のための第1クラッチトルク制御が完了すると、第2クラッチトルクを徐々に立ち上げつつ、第1クラッチトルクを徐々に低減してクラッチの架け替えを行う。
【0077】
時刻t5において、クラッチの架け替えが完了すると、図5(E)に示すように変速機出力軸トルクは、3速での駆動トルクが出力される状態となるが、運転者が要求する3速での駆動トルクが出力されるまでの時間が長く運転者に違和感を与える場合がある。
【0078】
次に、図6を用いて、図1から図4に示すようにして構成したときの5速から3速への変速例について説明する。図6は、車両が5速で走行している状態で、運転者がアクセルを0%から100%へ踏み込んだとき、5速から3速へ変速する場合の制御内容を示している。
【0079】
図6において、横軸の時間は図5と同様である。
【0080】
また、図6(A),(B),(C),(D),(E)は、図5(A),(B),(C),(D),(E)と同様の信号について示す。
【0081】
時刻t1より前は、図5に示す内容と同一である。
【0082】
時刻t1において、図6(A)に示すように、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、図6(B)に示す、目標ギア位置tGP_nxtが5速から3速へ変化して、ダウンシフトの開始が判定される。そして、図6(D)に示すように、5速で締結していた第2クラッチトルクを低減する。
【0083】
時刻t1〜時刻t2にかけて、第2クラッチトルクを低減して、クラッチの解放を行う。
【0084】
時刻t2で、クラッチの解放が完了すると、時刻t2〜時刻t3にかけて、図6(C)に示すように、目標ギア位置となる第3速ギア段を達成するようにシフト荷重制御が開始される。
【0085】
時刻t3で、第3速ギア段が達成されると、時刻t3〜時刻t4にかけて、図6(D)に示すように、第2クラッチトルクを増加してゆく。このとき、図6(E)に示すように、変速機出力軸トルクも増加してゆく。
【0086】
時刻t4において、クラッチの締結が完了すると、図6(E)に示すように変速機出力軸トルクは、3速での駆動トルクが出力される状態となり、運転者が要求する3速での駆動トルクが出力される状態をより早く達成できる。
【0087】
以上述べてきたように構成することで、運転者の要求する駆動力のより早い実現と、駆動トルク中断を回避したスムーズな変速を両立できる。
【符号の説明】
【0088】
1 第1ドライブギア
2 第2ドライブギア
3 第3ドライブギア
4 第4ドライブギア
5 第5ドライブギア
7 エンジン
8 第1クラッチ
9 第2クラッチ
11 第1ドリブンギア
12 第2ドリブンギア
13 第3ドリブンギア
14 第4ドリブンギア
15 第5ドリブンギア
21 第1同期噛合い機構
22 第2同期噛合い機構
23 第3同期噛合い機構
31 第1入力軸回転センサ
32 第2入力軸回転センサ
33 出力軸回転センサ
41 変速機第1入力軸
42 変速機第2入力軸
43 変速機出力軸
50 自動変速機
61 第1シフトアクチュエータ
62 第2シフトアクチュエータ
63 第3シフトアクチュエータ
100 変速機制御ユニット
101 エンジン制御ユニット
103 通信手段
105 油圧機構
105a 第1クラッチ用電磁弁
105b 第2クラッチ用電磁弁
105c 第1同期噛合い機構用第1電磁弁
105d 第1同期噛合い機構用第2電磁弁
105e 第2同期噛合い機構用第1電磁弁
105f 第2同期噛合い機構用第2電磁弁
105g 第3同期噛合い機構用第1電磁弁
105h 第3同期噛合い機構用第2電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を発生するための駆動力源と、前記駆動力源の発生トルクを出力軸へと伝達する変速機を備え、前記変速機には摩擦面の押し付け荷重を調整することで駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構を備えた自動変速機の制御装置において、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させて、変速中の駆動力源の動力の出力軸への伝達を一旦遮断状態としたのち、目的とする変速段へダウンシフトを行う第一の変速形態と、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させるとともに、他のいずれかの摩擦伝達機構を締結してゆき、変速中も駆動力源の動力を出力軸へ伝達しながら、目的とする変速段へのダウンシフトを行う第二の変速形態とを備え、
アクセルオフ状態からアクセルを踏み込んでダウンシフトを開始する場合は、第一の変速形態により変速を行い、
上記以外のアクセル条件によりダウンシフトを開始する場合は、第二の変速形態により変速を行う、変速形態切替え手段を設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
アクセル踏み込み速度が大きい場合は第一の変速形態により変速を行い、アクセル踏み込み速度が小さい場合は第二の変速形態により変速を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
ダウンシフト開始時の推定エンジントルクが小さい場合は第一の変速形態により変速を行い、ダウンシフト開始時の推定エンジントルクが大きい場合は第二の変速形態により変速を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
平坦路では第一の変速形態により変速を行い、登坂路では第二の変速形態により変速を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項5】
駆動力を発生するための駆動力源と、前記駆動力源の発生トルクを出力軸へと伝達する変速機を備え、前記変速機には摩擦面の押し付け荷重を調整することで駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構を備えた自動変速機の制御方法において、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させて、変速中の駆動力源の動力の出力軸への伝達を一旦遮断状態としたのち、目的とする変速段へダウンシフトを行う第一の変速形態と、
駆動力源の動力を伝達していた摩擦伝達機構を解放させるとともに、他のいずれかの摩擦伝達機構を締結してゆき、変速中も駆動力源の動力を出力軸へ伝達しながら、目的とする変速段へのダウンシフトを行う第二の変速形態とを備え、
アクセルオフ状態からアクセルを踏み込んでダウンシフトを開始する場合は、第一の変速形態により変速を行い、
上記以外のアクセル条件によりダウンシフトを開始する場合は、第二の変速形態により変速を行うことを特徴とする自動変速機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−2007(P2011−2007A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144854(P2009−144854)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】