説明

自動帳票作成プログラムと自動帳票作成システム

【課題】運転時の振動から個々の健全性を評価し、測定点間の振動データの過去のデータベースに基づいて比較評価、解析して報告書を自動帳票作成するプログラムとシステムを提供する。
【解決手段】電子帳票作成プログラムは、診断される機械のスケルトンと測定チャンネルを登録保存し、スケルトンと機器を一致させて、帳票に表示し、部品の機械的諸元数値を入力、登録させて、診断に必要な数値をその都度再計算し、その数値の診断過程に反映させ、各種の振動データを解析し、読み出し、書き替え、更新を可能とし、振動データを比較評価するための条件等を入力、選択、保存し、保存された条件を基づいて機器を評価し、また、個々の部品の機械的寿命を予測し、機器全体の健全性維持のため、分解点検、部品交換等の対策内容及び時期を予測し、測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための各種判定フロー及び条件を編集・登録する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、再処理工場等で使用される攪拌装置のような少なくとも一つの駆動用モータ、カップリング、シャフト、タービン等から成る機械的構造を有し、モータの回転力を流体の攪拌や送水、気体の攪拌や送風機能に変換させる機器等において、モータ及びシャフトの軸受振動並びにカップリング、タービンの運転時の振動から個々の健全性を評価し、併せて測定点間の振動データの過去のデータベースに基づいて比較評価することにより、解析して評価した所定の報告書を自動帳票作成するプログラムとその自動帳票作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
再処理工場等の各種回転機械施設において回転体の使用経過に伴う異常診断方法としては、特開2006−153760号公報(特許文献1)から、回転体を少なくとも一つと、摺動部材の少なくとも一つを有する機械設備の状態を監視方法であって、ボールベアリングと軸受に代表される機械設備を診断する回転体の異常診断方法が公知である。この異常診断の対象を解析する物理量は、音、振動、温度、回転速度、移動速度、歪み等であるけれども、移動速度を考慮に入れている診断はボールベアリングに限定している。また、解析は第一時間内解析結果と第二時間内解析結果を比較し、正常時の閾値異常の現象があれば異常と判断している。しかしながら、この診断では、軸受等の経年変化は判断可能であるけれども、カップリング、タービン等を含めた機器全体の判定はできない。
【0003】
特開2006−153761号公報(特許文献2)では、回転体の発する衝撃波の周期性を利用し、4次以上の高次キュラメントを計算することで設備診断の精度良い判定技術を提供している。しかしながら、この設備診断では、判定等の報告書フォームを作成できない。
【0004】
特開平2−205727号公報(特許文献3)では、振動加速度波形をエンベロープ処理し、エンベロープ処理後の実効値とエンベロープピーク値を比較することで、機器の異常を判定する技術を提供している。しかしながら、このエンベロープ処理だけでは不完全である。
【0005】
さらに、自動的に帳票を作成する先行技術としては、特開2003−157404号公報(特許文献4)から、ソフトウェアからのデータをもとに帳票データを自動作成する電子帳票作成プログラム及び電子帳票作成方法に関し、アプリから印刷データを取得して帳票データを解析して解析結果をもとに電子帳票ファイルを自動作成し、従来のアプリの修正なしに、しかも帳票データを設定出力するアプリなしに、印刷業務を行うアプリが扱う全ての帳票を電子化した電子帳票ファイルにして出力するものであるが知られている。しかし、これでは報告書フォームを作成できない。
【特許文献1】特開2006−153760号公報
【特許文献2】特開2006−153761号公報
【特許文献3】特開平2−205727号公報
【特許文献4】特開2003−157404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、モータ、シャフトの軸受振動並びにカップリング、タービンの運転時の振動から個々の健全性を評価し、併せて測定点間の振動データの過去のデータベースに基づいて比較評価することにより、解析して評価した所定の報告書を自動帳票作成するプログラムとその自動帳票作成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、測定されたデータ及び解析評価されたデータをもとに帳票データを自動作成して所定の報告書を作成する電子帳票作成プログラムにおいて、
・診断される機械のスケルトンと測定チャンネルを登録保存する機能を有すること、
・診断される機器のスケルトンと機器を一致させて、帳票に表示する機能を有すること、
・部品の機械的諸元数値を入力、登録させて、診断に必要な数値をその都度再計算し、その数値の診断過程に反映させる機能を有すること、
・各測定間で得られた各種の振動データを解析し、必要に応じた読み出し、書き替え、更新を可能とする機能を有すること、
・各測定間で得られた各種の振動データを比較評価するための条件等を入力、選択、保存する機能を有し、保存された条件を基づいて機器を評価し、また、個々の部品の機械的寿命を予測し、機器全体の健全性維持のため、分解点検、部品交換等の対策内容及び時期を予測する機能を有すること、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための各種判定フロー及び条件を編集・登録する機能を有すること、
から成ることによって、解決される。
【0008】
さらに、この課題は、測定されたデータ及び解析評価されたデータをもとに帳票データを自動作成して所定の報告書を作成する電子帳票作成システムにおいて、
・診断される機械のスケルトンと測定チャンネルを登録保存する手段と、
・診断される機器のスケルトンと機器を一致させて、帳票に表示する手段と、
・部品の機械的諸元数値を入力、登録させて、診断に必要な数値をその都度再計算し、その数値の診断過程に反映させる手段と、
・各測定間で得られた各種の振動データを解析し、必要に応じた読み出し、書き替え、更新を可能とする手段と、
・各測定間で得られた各種の振動データを比較評価するための条件等を入力、選択、保存する機能を有し、保存された条件を基づいて機器を評価し、また、個々の部品の機械的寿命を予測し、機器全体の健全性維持のため、分解点検、部品交換等の対策内容及び時期を予測する手段と、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための各種判定フロー及び条件を編集・登録する手段と、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための帳票様式を画面上で自由に編集・レイアウトが可能とする入力支援手段と
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための構成測定点の変更、機器番号等の変更が発生した場合の変更を任意に修正・登録可能とする手段とから成ることによって解決される。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1に記載の電子帳票作成プログラムによると、解析して評価して自動帳票作成して所定の報告書を作成することができる。
【0010】
この発明の請求項2に記載の電子帳票作成プログラムによると、当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための帳票様式を画面上で自由に編集・レイアウトが可能となり、必要且つ適切な報告書を作成できる。
【0011】
この発明の請求項3に記載の電子帳票作成プログラムによると、当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための構成測定点の変更、機器番号等の変更が発生した場合の変更を任意に修正・登録可能とするので、機器の状態に応じた適切な報告書を作成できる。
【0012】
この発明の請求項4に記載の電子帳票作成システムによると、測定されたデータ及び解析評価されたデータをもとに帳票データを自動作成して、解析して評価した所定の報告書を作成できる。
【0013】
この発明によると、運転時の振動データの各種解析結果と、データベース化された基本情報とを比較することで機器の状態が現在どのような状態にあるかを各種判定フローとを照合して、さらに、総合的な判定結果により、機器の運転寿命の予測を立てると同時に、機器の精密診断機能を提供することができる。
【0014】
さらに、この発明の診断技術はオンライン計測にも適用できるし、また、自動解析ツールとしても役立つために、操作は技術者だけでなく、素人でも可能である。その解析診断は極めて迅速に実施可能となり、過去の解析作業に比べて時間が短縮されて、経済的効果も上がっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はこの発明のシステム構成図である。このシステムでは、アプリケーションプログラム1は各種のワーク処理を実行するプログラムとなっており、操作システム2はアプリケーションプログラム1からの印刷指示情報等のデータを受けて、ドライバ3にその印刷データを伝送する。ドライバ3は操作システム2或いはアプリケーションプログラム1から印刷データを取得して解析したりなどするものであって、データ取得手段31や解析手段32などから構成されている。電子帳票作成部4は帳票作成手段Pと格納手段Dから構成されていて、帳票作成手段Pは解析結果をもとにして電子帳票を作成するものであり、格納手段Dは電子帳票データを管理情報ファイル5に基づいて該当納先に振り分けて格納するものである。
【0016】
図2はこの発明のプログラムとシステムを実施するための解析フローとデータベースと入力登録との関係を示す概略図である。図2の左側では解析フローを開示し、図の中央ではデータベースを開示し、図の右側では入力登録を開示する。解析フローでは、ステップM101では解析条件を設定し、ステップM102では機種等のスケルトンを自動判別し、ステップM103では機器番号を自動判別し、ステップM104ではうねり、衝撃、相対角度、速度、加速度、エンベロープ、回転数などを解析処理し、ステップM105ではトレンドグラフを作成して帳票を作成し、ステップM106では機器の異常を判定し、ステップM107では帳票を個別或いは一括に印刷して出力する。データベースには解析フローに対応してスケルトンデータベースD101、機器番号データベースD102、機種別諸元データベースD103、トレンドデータベースD104と判定フローデータベースD105が設けられている。入力登録には、T101にて出力帳票を入力し、T102にてスケルトンを入力し、T103にて機器番号を入力し、T104にて諸元数値を入力し、T105にて判定条件を入力する。
【0017】
図3では、この発明のプログラムとシステムを実施するための解析フローをさらに、詳細に解説する。この解析フローをスタートしてステップS101では、加速度センサーと電荷増幅器を用いて振動加速度を測定してデータを機器名ホルダーに収録する。ステップM100では一つの機器名ホルダーから一つを選択する。ステップM101では加速度波形を読取り、周波数分析、うねり周期、衝撃波の最大値、相対角度、速度、加速度、クレストファクター(CF)、回転数、加速度波形にバンド・パス・フィルタ(BPF)を通過させた後のエンベロープ処理後の周波数分析等の数値を算出して内部記憶メモリーM1へ保存する。
【0018】
ステップM101において、周波数分析は高速フーリエ変換ソフトを用いる。うねり周期は加速度波形振幅の最大値と最小値を求めて、その第一波の最大値と第二波の最大値の時間差からうねり周期を求める。この周期が回転周期との比較に利用され、判定基準と比較され、うねりがあるかないかを識別する。衝撃波の最大値は波形のピーク値であり、衝撃の判定は関数で行なう。相対角度とは衝撃波のピーク値間の時間差を角度に直したもので、一回転周期が360度であるので、衝撃波の位置がどこにあるかを調べる。速度は加速度信号を一回積分し、積分された一秒間のデータを実効値算出式に当てはめて算出する。加速度は測定された一秒間の加速度信号を実効値算出式に当てはめて算出する。クレストファクターは衝撃ピーク値/加速度である。回転数はおおよその回転数とギア噛合周波数が判っているので、加速度波形にBPFを掛け、その波形をFFT解析した結果から自動算出する。エンベロープ処理後の周波数分析は、加速度波形に任意のフィルターを掛け、エンベロープ処理を行い、その周波数の値とそのレベル値を保存し、異常判定に採用する。
【0019】
ステップM102で、内部記憶メモリーM1へ保存されたデータを比較判定する条件を入力する。うねり周期の判定条件は一回転周期±○○msで行なう。衝撃波の判定条件はクートシス関数の値が4.2以上で衝撃波として抽出する。ちなみに、3.0は正弦波である。速度の管理値と加速度の管理値とを入力設定する。トレンド上昇率は前回の値を基準にして今回の値がどのくらい上昇しているかを%で入力設定する。信号検出限界値は測定された加速度信号の値が有効かどうかの判定をするための数値で0.1m/sec2 以下の信号は「未測定」と判定される。ステップM103では内部記憶メモリーM1のデータを比較判定し、内容を一時メモリーM2に保存する。
【0020】
ステップM104では機器番号と測定点、計測チャンネル(CH)数、スケルトン、ベアリング玉数、噛合い歯数等の諸元情報を入力し、諸元情報とその情報に基づいて計算された数値を一時メモリーM3に保存する。機器番号には、測定された場所情報、CH情報、スケルトン情報がリンクされる。計測CH数は測定点とリンクされる。スケルトンには測定される機器のイラストと、測定場所名、測定点名称、割当CHがビットマップ(bitmap) で登録され、回転数1/60で得られた回転周波数から、内輪傷周波数、外輪傷周波数、保持器周波数が計算され、周波数分析結果と照合される。噛合い歯数と回転周波数から、噛合い周波数が計算される。
【0021】
ステップM105では、重点的に判定したい項目を入力して一時メモリーM4に保存する。入力値として衝撃の有無等の選択により重点監視機器となる。また、トレンド上昇率の割合で注意を勧告する。管理値からオーバーの機器に対しては、管理値オーバの勧告と注意を促す。
【0022】
ステップM106では、一時メモリーM2のデータと一時メモリーM3及びM4のデータを比較し、総括表を作成する。ステップM106の判定フローは約4000種類のコメントが準備されており、図11の判定フローデータベースの一例に示すような各分岐を経てコメントが作成されるようになっている。例えば、測定点の加速度波形に衝撃波形が一個検出され、その周期が回転周期と一致すれば、ベアリングに一個の傷があると診断され、フォーム025のコメント欄に「測定点にOO.OOm/sec2の衝撃波が認められる。この衝撃波の周期は、回転周期に一致していることから、ベアリング傷によるものと判断されます。」さらに、エンベロープ処理結果も比較され、一次成分か二次成分でコメントが変化するようになっている。例で示すと、二次成分が大きい場合はアライメント不良が想定される旨のコメントが出力される。すべての項目を判定した結果が、フォーム025に出力される。
【0023】
ステップM107では、出力したい帳票を選択する。フォーム025の書式では、時間領域の判定結果、周波数領域の判定結果、エンベロープ処理での判定結果、総括コメント、推奨する対策案を文章で報告する。フォーム126の書式には、機器別のCH別加速度波形の表示、速度値、ピーク値、相対角度、うねり周期、諸元値計算結果、トレンドグラフ、スケルトンを表示する。また、波形上にうねりのマークを表示する。フォーム227の書式には、機器別のCH別加速度波形の表示、速度値、CH別のFFT解析結果、スケルトンを表示する。
【0024】
フォーム328の書式には、登録、解析された機器管理番号別の加速度のCH別の一覧グラフを表示して、また、管理値も表示させる。フォーム429の書式には、登録、解析された機器管理番号別の速度のCH別の一覧グラフを表示して、また、管理値も表示させる。フォーム530書式には、登録、解析された機器管理番号別の帯域別のFFT結果の数値トレンド、クレストファクターのトレンド、噛み合い周波数近辺のFFT拡大図を表示する。総括表31の書式には、登録、解析された機器管理番号別の総括結果一覧を表示させる。ステップM108では、データの解析及び帳票出力を個別印刷P101或いは一括印刷P102によって行なって終了する。
【0025】
図4は、この発明のプログラムとシステムを実施するための軸受の測定点を示す概略図である。この例ではモータ側に測定点1と測定点2が設けられ、反モータ側であるタービン側には測定点3と測定点4が設けられ、その間の機器取付部には測定点5が設けられている。
【0026】
図5は、この発明のプログラムとシステムを実施するためのスケルトンの入力登録フローである。ステップd201では測定点の名称を入力し、ステップd202では測定点とCHを登録し、ステップd203では機種を登録し、ステップd204ではスケルトン番号を登録し、ステップd205ではスケルトンデータベースD101に登録する。これによってスケルトン、測定点や機種がスケルトンデータベースD101に登録される。
【0027】
図6は、この発明のプログラムとシステムを実施するための機器番号の入力登録フローである。ステップd301では機種名を入力し、ステップd302では機器番号を入力し、ステップd303では設置場所情報を入力し、ステップd304ではスケルトン番号を入力し、ステップd305では機器番号データベースD102に登録する。
【0028】
図7は、この発明のプログラムとシステムを実施するための機器番号の入力登録フローである。ステップd401では機種名を入力し、ステップd402では機器番号を入力し、ステップd403ではスケルトン番号を入力し、ステップd404では測定点毎の諸元値を入力し、ステップd405では機種別諸元データベースD103に登録する。
【0029】
図8は、この発明のプログラムとシステムを実施するための判定条件の入力登録フローである。ステップd501では回転数を自動計算するか、または手動で入力した数値を採用するかを入力し、ステップd502では衝撃閾値を入力し、ステップd503ではうねり閾値を入力し、ステップd504では周期許容値を入力し、ステップd505では信号判定値を入力し、ステップd506ではトレンド上昇率閾値を入力し、ステップd507では加速度ピーク値を入力し、ステップd508では衝撃ピーク判定値を入力し、ステップd509では速度管理値を入力し、ステップd510では加速度管理値を入力し、これら入力によって判定フローデータベースD105に登録する。
【0030】
図9は、この発明のプログラムとシステムを実施するためのトレンドデータベースの更新フローである。スタートして、まず最初に、ステップd601では測定機種・部位毎の加速度を算出し、ステップd602ではトレンドデータベースD104から前回の加速度値を呼び出し、ステップd603では前回データとの大小を比較し、ステップd604では比較後のコメントを取得して帳票へ出力して、ステップd605ではトレンドデータベースD104を更新する。次に、同様にステップd606では測定機種・部位毎の加速度を算出し、ステップd607ではトレンドデータベースD104から前回の速度値を呼び出し、ステップd608では前回データとの大小を比較し、ステップd609では比較後のコメントを取得して帳票へ出力して、ステップd610ではトレンドデータベースD104を更新する。さらに、ステップd611では測定機種・部位毎のCFを算出し、ステップd612ではトレンドデータベースD104から前回のCF値を呼び出し、ステップd613では前回データとの大小を比較し、ステップd614では比較後のコメントを取得して帳票へ出力し、ステップd615ではトレンドデータベースD104を更新して終了する。
【0031】
図10は、この発明のプログラムとシステムを実施するためのデータベースD105である。この判定フローでは、まず最初に、衝撃波、衝撃周期、衝撃ピーク値、衝撃比、衝撃周期などの時間領域を判定し、判定項目に該当するならば、次の判定フローステップへ進み、判定項目に該当しないならば、判定コメントを取得して帳票へ出力する。次に、カップリング噛合い周波数、内輪と外輪の傷周波数、タービン羽根周波数、エンベロープ一次、エンベロープ二次等の周波数領域とエンベロープを判定し、判定項目に該当するならば、次の判定フローステップへ進み、判定項目に該当しないならば、判定コメントを取得して帳票へ出力する。さらに、トレンド上昇率、管理値との比較等の速度を判定し、判定項目に該当しても、該当しなくとも、それぞれに判定コメントを取得して帳票へ出力する。このように、全判定項目について、判定して終了する。
【0032】
図11は、この発明のプログラムとシステムを実施するための判定フローデータベースの一例である。図の細かな文字は判定項目の内容が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明のシステムの構成図である。
【図2】この発明のプログラムとシステムを実施するための解析フローとデータベースと入力登録との関係を示す概略図である。
【図3】この発明のプログラムとシステムを実施する解析フローである。
【図4】この発明のプログラムとシステムを実施するための軸受の測定点を示す概略図である。
【図5】この発明のプログラムとシステムを実施するためのスケルトンの入力登録フローである。
【図6】この発明のプログラムとシステムを実施するための機器番号の入力登録フローである。
【図7】この発明のプログラムとシステムを実施するための諸元数値を入力登録フローである。
【図8】この発明のプログラムとシステムを実施するための判定条件の入力登録フローである。
【図9】この発明のプログラムとシステムを実施するためのトレンドデータベース更新フローである。
【図10】この発明のプログラムとシステムを実施するための判定フローデータベースである。
【図11】この発明のプログラムとシステムを実施するための判定フローデータベースの一例である。
【符号の説明】
【0034】
1....アプリケーションプログラム
2....操作システム
3....ドライバ
31...データ取得手段
32...解析手段
4....電子帳票作成部
P....帳票作成手段
D....格納手段
5....管理情報ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定されたデータ及び解析評価されたデータをもとに帳票データを自動作成して所定の報告書を作成する電子帳票作成プログラムにおいて、
・診断される機械のスケルトンと測定チャンネルを登録保存する機能を有すること、
・診断される機器のスケルトンと機器を一致させて、帳票に表示する機能を有すること、
・部品の機械的諸元数値を入力、登録させて、診断に必要な数値をその都度再計算し、その数値の診断過程に反映させる機能を有すること、
・各測定間で得られた各種の振動データを解析し、必要に応じた読み出し、書き替え、更新を可能とする機能を有すること、
・各測定間で得られた各種の振動データを比較評価するための条件等を入力、選択、保存する機能を有し、保存された条件に基づいて機器を評価し、また、個々の部品の機械的寿命を予測し、機器全体の健全性維持のため、分解点検、部品交換等の対策内容及び時期を予測する機能を有すること、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための各種判定フロー及び条件を編集・登録する機能を有すること、
から成ることを特徴とする電子帳票作成プログラム。
【請求項2】
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための帳票様式を画面上で自由に編集・レイアウトが可能とする入力支援機能を有することから成ることを特徴とする請求項1に記載の電子帳票作成プログラム。
【請求項3】
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための構成測定点の変更、機器番号等の変更が発生した場合の変更を任意に修正・登録可能とする機能を有すること成ることを特徴とする請求項2に記載の電子帳票作成プログラム。
【請求項4】
測定されたデータ及び解析評価されたデータをもとに帳票データを自動作成して所定の報告書を作成する電子帳票作成システムにおいて、
・診断される機械のスケルトンと測定チャンネルを登録保存する手段と、
・診断される機器のスケルトンと機器を一致させて、帳票に表示する手段と、
・部品の機械的諸元数値を入力、登録させて、診断に必要な数値をその都度再計算し、その数値の診断過程に反映させる手段と、
・各測定間で得られた各種の振動データを解析し、必要に応じた読み出し、書き替え、更新を可能とする手段と、
・各測定間で得られた各種の振動データを比較評価するための条件等を入力、選択、保存する機能を有し、保存された条件を基づいて機器を評価し、また、個々の部品の機械的寿命を予測し、機器全体の健全性維持のため、分解点検、部品交換等の対策内容及び時期を予測する手段と、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための各種判定フロー及び条件を編集・登録する手段と、
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための帳票様式を画面上で自由に編集・レイアウトが可能とする入力支援手段と
・当該機器の測定解析後のデータを用いて、機器の状態を詳細に報告するための構成測定点の変更、機器番号等の変更が発生した場合の変更を任意に修正・登録可能とする手段とから成ることを特徴とする電子帳票作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−210511(P2009−210511A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56250(P2008−56250)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(595016428)再処理機器株式会社 (1)
【出願人】(000100676)IMV株式会社 (17)
【Fターム(参考)】