自動改札機および自動改札システム
【課題】この発明は、車椅子通行者の改札を許容する車椅子通行許容形の改札構造を簡素化および軽量化して、設置場所に制約を受けない自由度の高い設置利用が図れる自動改札機および自動改札システムの提供を目的とする。
【解決手段】この発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、この通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】この発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、この通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば駅務の改札口に設置されるような自動改札機に関し、さらに詳しくは通常の通行者と車椅子通行者との通行状態に応じた通路幅に容易に変更許容する自動改札機および自動改札システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の自動改札機は、改札通路を改札扉で開閉して通行者を通行制御している。また、近年、車椅子が近づくと、これに連動して改札機本体が通路幅方向に移動して車椅子の通行を許容する車椅子対応機能付きの自動改札機が知られている(例えば先行出願の特開平7ー65208号参照)。
【0003】しかし、この場合は重量(400kg程度)のある改札機本体を通路幅方向に大きく移動させるため大掛かりな専用工事を必要とし、このためコスト高となり、また重量物の移動構造ゆえに危険性が高く、さらに橋上駅等の設置場所によっては重量的に工事ができない問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、車椅子通行者の改札を許容する車椅子通行許容形の改札構造を簡素化および軽量化して、設置場所に制約を受けない自由度の高い設置利用が図れる自動改札機および自動改札システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、この通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、改札通路の全長に渡って通路幅を変更する通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、改札通路の出入口の通路幅を変更する通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札システムであって、上記改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させる通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】この発明によれば、車椅子通行者が自動改札機を改札利用する場合、通路幅変更手段が通路幅方向に突出している通路幅変更部材の突出位置を後退させて、今までの通常通行者の通路幅から車椅子通行者の通路幅に切換える。
【0010】また、通路幅の変更に際しては、通路幅変更手段が改札通路の全長に渡って通路幅を変更してもよく、また改札通路の出入口部分の通路幅のみを変更してもよい。
【0011】さらに、車椅子通行者が改札利用する場合、通路幅変更手段が改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させて、今までの通常通行者の通路幅から車椅子通行者に応じた幅広の通路幅に切換える。
【0012】
【発明の効果】この結果、通常通行者と車椅子通行者とを改札許容する切換え構造を有して通行者に応じた改札を施すことができ、特に重量のある改札機本体を固定設置したままで軽量の通路幅変更部材だけを移動させて通路幅を切換える構成のため、車椅子通行許容形の改札構造を簡素化および軽量化できる。
【0013】したがって、この自動改札機の設置に際しては、大掛かりな専用工事を要せず低コストで簡単な設置利用が図れ、また軽量物を移動させる構成のため安全であり、さらに自動改札機を橋上駅等の設置場所に支障なく設置することができるため、自由度の高い設置利用が図れる。
【0014】
【実施例】この発明の実施例を以下図面に基づいて詳述する。
[第1実施例]図1〜図4は鉄道等の駅務に設置して改札利用する車椅子対応機能付き自動改札機11を示し、この車椅子対応機能付き自動改札機11は左右に平行する改札機本体12,12間で形成される改札通路13a,13bを、その入口側およひ出口側に配設した各左右一対の改札扉14…で開閉して通行者の通行動作を許容/規制している。
【0015】また、両側の改札機本体12,12には、これらの対向する内面側より同期して通路幅方向に進退して通路幅を変更する長方体状の扉ユニット15,15を配設しており、通常は、図1および図2に示すように、両側の改札機本体12,12より相互に突出させた扉ユニット15,15間で通常通行者用の通常改札通路(通路幅550mm)13aを形成し、この状態で扉ユニット15,15の内面側に配設された改札扉14…を開閉操作して通常通行者を改札動作する。
【0016】これに対し、車椅子通行者の場合は、図3および図4に示すように、両側の扉ユニット15,15を突出した位置から後退させて両改札機本体12,12内に格納し、両側の改札機本体12,12間で車椅子の通行に適した通路幅を有する車椅子改札通路(通路幅900mm)13bを形成し、この状態で扉ユニット15,15の内面側に配設された改札扉14…を開閉操作して車椅子通行者を改札動作する。
【0017】図5は扉ユニットを進退駆動する扉ユニット駆動部51を示し、両側に配設される扉ユニット15,15は左右同機構のため片側を例にとって説明すると、駆動モータM1 の出力側に減速装置52を介して駆動ギャ53を突設し、この突設した駆動ギャ53を回転自由に軸支された動力伝達軸54上の中間ギャ55に噛合させて同軸を回転駆動し、この動力伝達軸54の先端に取付けたピニオン56を、扉ユニット15の進退方向に形成したラック57に噛合させて動力伝達し、駆動モータM1 を正逆転することに基づいて扉ユニット15を通路幅方向に進退移動させて、通常改札通路13aと車椅子改札通路13bとに切換え許容する。
【0018】また、この扉ユニット15は改札機本体12より改札通路の略全長に渡って出没許容する長方体状を有して格納され、下面に取付けた車輪58…を介してレール59上を円滑に走行して進退し、またこの扉ユニット15の走行した進退位置と対応して回転する各カム60…の動きを各マイクロスイッチSW1 〜SW3 が捉えて扉ユニット15の進退位置を検出する。
【0019】図6は車椅子対応機能付き自動改札機11の制御回路ブロック図を示し、CPU61はROM62に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM63で読出し可能に記憶する。
【0020】無線通信制御部64は、車椅子に取付けられた改札用の無線カードや改札利用者が携帯する無線カードと通信して改札許容し、このうち車椅子通行者の改札利用と認めた場合は扉ユニット駆動部51を正転駆動して扉ユニット15,15を後退させ、車椅子通行者用に通路幅を広げて車椅子改札通路13bに切換える。また、無線カードの場合はその改札利用データを無線通信制御部64でチェックし、改札利用券が投入された場合は券搬送処理部65で投入された券の改札利用データをチェックし、このデータの有効/無効に基づいて扉駆動部66を駆動して改札扉14…を開閉動作する。また、改札利用した通行者の通行状況を通行検知センサSで検知確認する。
【0021】このように構成された車椅子対応機能付き自動改札機11の処理動作を図7のフローチャートを参照して説明する。今、車椅子通行者が車椅子対応機能付き自動改札機11に接近すると、無線通信制御部64は車椅子通行者の改札利用を検出し、これに基づいてCPU61は扉ユニット駆動部51を正転駆動する(ステップn1 〜n2 )。
【0022】この扉ユニット駆動部51の正転駆動に基づいて通常改札通路13aは次第に広げられて車椅子改札通路13bの通路幅に切換えられる。これにより、車椅子の通行が許容され、車椅子通行者が無線カードあるいは改札利用券を用いて改札動作を開始する。このとき、その改札データの有効性が読取られると(ステップn3 )、CPU61は扉駆動部66を開動作して車椅子通行者の通行を許容し、車椅子通行者の通行が完了すると(ステップn4 〜n5 )、CPU61は扉ユニット駆動部51を逆転駆動して扉ユニット15,15を元の位置に戻す。これにより、再び元の通常改札通路13aを形成し、また改札扉14を閉じて次客の改札に備える(ステップn6 〜n7 )。
【0023】このとき、改札利用データが無効の場合は、その券を返却して通行規制し、また通常通行者の場合は通路幅を変更せず、通常改札通路13aのままで改札動作させ、券データの有効性を判定して改札許容/規制する(ステップn8 )。
【0024】このように、通常通行者と車椅子通行者との2種類の改札通路13a,13bに切換え許容する切換え構造を有しているため、各々の通行者に応じた通路幅で改札を施すことができ、ことに重量のある改札機本体を固定したままで軽量の扉ユニットだけを進退移動させて通路幅を切換えることができるため、車椅子通行構造を簡素化および軽量化することができる。
[第2実施例]図8〜図11に示す車椅子対応機能付き自動改札機81は、左右に平行する改札機本体82,82間で形成される改札通路83a,83bを、その入口側およひ出口側に配設した両開き式の左右一対の改札扉84…および車椅子通行時に開閉する左右一対の車椅子通行扉85…とで開閉して、通常通行者と車椅子通行者との通行動作を許容/規制している。
【0025】上述の車椅子通行扉85…は、改札通路の出入口部分の改札機本体82,82に開閉許容して配設し、通常は、図8および図9に示すように、両側の改札機本体82,82より内向きに突出させた閉状態で通常通行者用の通常改札通路83aを形成し、この状態で車椅子通行扉85の通路内側に配設した改札扉84…を開閉操作して通常通行者を改札動作する。
【0026】これに対し、車椅子通行者の場合は、図10R>0および図11に示すように、両側の車椅子通行扉85…を突出した閉位置から90°回動させて両改札機本体82,82に沿った開位置に動作させ、両側の改札機本体82,82間で車椅子の通行に適した通路幅を有する車椅子改札通路83bを形成する。
【0027】上述の車椅子通行扉85…は、改札通路を両開き式に開閉する改札扉84…と同開閉動作をするため、同様な開閉機構を有している。例えば、図12に示すように、この車椅子通行扉85の開閉機構121は、駆動モータM2 の出力側に減速装置122を介して駆動ギャ123を突設し、この突設した駆動ギャ123を回転自由に軸支された動力伝達軸124上の中間ギャ125に噛合させて同軸を回転駆動し、この動力伝達軸124の先端に取付けたクランク円板126をリンク127を介して車椅子通行扉85に接続し、駆動モータM2 を正逆転することに基づいて車椅子通行扉85を開閉動作させて、通常改札通路83aと車椅子改札通路83bとに切換え許容する。
【0028】図中、128は扉開閉位置感応用のインデックスレバー、129は扉の開閉位置と対応して回転するカム、SW4 〜SW6 は扉開閉位置検出用のマイクロスイッチである。
【0029】このように、通常通行者用と車椅子通行者用との2種類の通路を選択して切換える構造を、通路幅切換え用の扉85…を開閉動作させて、通常の基準の改札通路83aから予め広く設定した広幅の車椅子改札通路83bに切換えるように構成しても達成することができる。
【0030】今、車椅子対応機能付き自動改札機81で改札動作する場合、通常は車椅子通行扉85を閉じて通常改札通路83aを形成し、通常通行者の改札動作を許容する。これに対し、車椅子通行者の利用時は車椅子通行扉85を開けて車椅子改札通路83bを形成し、車椅子通行者の改札動作を許容する。
[第3実施例]図13および図14に示す車椅子対応機能付き自動改札機131は、左右に平行する改札機本体132,133の一方を基準通路面134に設定し、これと対向する他方の改札機本体133に進退許容する扉ユニット135を突出させ、この扉ユニット135を出没自在に進退動作させることにより、図13に示すように、扉ユニット135が突出して基準の通路幅を形成する通常改札通路136と、図14に示すように、扉ユニット135が没入して広幅の通路幅を形成する車椅子改札通路137との2種類の通路に切換えることができ、このように片側からの通路切換え動作によっても、通常通行者と車椅子通行者とが共通利用する改札通路を構成することができる。
【0031】上述のように、通常通行者と車椅子通行者との異種通路幅の通行を許容する切換え構造を有しているため、各々の通行者に応じた改札を施すことができ、特に重量のある改札機本体を固定設置したままで軽量の扉ユニットや車椅子通行扉だけを移動させて通路幅を切換えることができるため、車椅子対応機能を備えたにも拘らず、改札構造を簡素化および軽量化できる。
【0032】したがって、この自動改札機の設置に際しては、大掛かりな専用工事を要せず低コストで簡単な設置利用が図れ、また軽量物を進退動作あるいは開閉動作させる構成のため安全であり、この車椅子対応機能付き自動改札機を例えば橋上駅等の設置場所に支障なく設置することができ、自由度の高い設置利用が図れる。
【0033】この発明と、上述の実施例の構成との対応において、この発明の自動改札機は、実施例の車椅子対応機能付き自動改札機11,81,131に対応し、以下同様に、通路幅変更部材は、扉ユニット15,135と車椅子通行扉85…とに対応し、通路幅変更手段は、通路幅を切換え制御するCPU61等の制御系に対応するも、この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図2】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図3】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図4】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図5】この発明の第1実施例の扉ユニット駆動部を示す要部斜視図。
【図6】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の制御回路ブロック図。
【図7】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の処理動作を示すフローチャート。
【図8】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図9】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図10】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図11】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図12】この発明の第2実施例の開閉機構を示す要部斜視図。
【図13】この発明の第3実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図14】この発明の第3実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【符号の説明】
11,81,131…車椅子対応機能付き自動改札機
12,82,132,133…改札機本体
13a,83a,136…通常改札通路
13b,83b,137…車椅子改札通路
14,84…改札扉
15,135…扉ユニット
51…扉ユニット駆動部
61…CPU
85…車椅子通行扉
121…開閉機構
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば駅務の改札口に設置されるような自動改札機に関し、さらに詳しくは通常の通行者と車椅子通行者との通行状態に応じた通路幅に容易に変更許容する自動改札機および自動改札システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の自動改札機は、改札通路を改札扉で開閉して通行者を通行制御している。また、近年、車椅子が近づくと、これに連動して改札機本体が通路幅方向に移動して車椅子の通行を許容する車椅子対応機能付きの自動改札機が知られている(例えば先行出願の特開平7ー65208号参照)。
【0003】しかし、この場合は重量(400kg程度)のある改札機本体を通路幅方向に大きく移動させるため大掛かりな専用工事を必要とし、このためコスト高となり、また重量物の移動構造ゆえに危険性が高く、さらに橋上駅等の設置場所によっては重量的に工事ができない問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、車椅子通行者の改札を許容する車椅子通行許容形の改札構造を簡素化および軽量化して、設置場所に制約を受けない自由度の高い設置利用が図れる自動改札機および自動改札システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、この通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、改札通路の全長に渡って通路幅を変更する通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、改札通路の出入口の通路幅を変更する通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札システムであって、上記改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させる通路幅変更手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】この発明によれば、車椅子通行者が自動改札機を改札利用する場合、通路幅変更手段が通路幅方向に突出している通路幅変更部材の突出位置を後退させて、今までの通常通行者の通路幅から車椅子通行者の通路幅に切換える。
【0010】また、通路幅の変更に際しては、通路幅変更手段が改札通路の全長に渡って通路幅を変更してもよく、また改札通路の出入口部分の通路幅のみを変更してもよい。
【0011】さらに、車椅子通行者が改札利用する場合、通路幅変更手段が改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させて、今までの通常通行者の通路幅から車椅子通行者に応じた幅広の通路幅に切換える。
【0012】
【発明の効果】この結果、通常通行者と車椅子通行者とを改札許容する切換え構造を有して通行者に応じた改札を施すことができ、特に重量のある改札機本体を固定設置したままで軽量の通路幅変更部材だけを移動させて通路幅を切換える構成のため、車椅子通行許容形の改札構造を簡素化および軽量化できる。
【0013】したがって、この自動改札機の設置に際しては、大掛かりな専用工事を要せず低コストで簡単な設置利用が図れ、また軽量物を移動させる構成のため安全であり、さらに自動改札機を橋上駅等の設置場所に支障なく設置することができるため、自由度の高い設置利用が図れる。
【0014】
【実施例】この発明の実施例を以下図面に基づいて詳述する。
[第1実施例]図1〜図4は鉄道等の駅務に設置して改札利用する車椅子対応機能付き自動改札機11を示し、この車椅子対応機能付き自動改札機11は左右に平行する改札機本体12,12間で形成される改札通路13a,13bを、その入口側およひ出口側に配設した各左右一対の改札扉14…で開閉して通行者の通行動作を許容/規制している。
【0015】また、両側の改札機本体12,12には、これらの対向する内面側より同期して通路幅方向に進退して通路幅を変更する長方体状の扉ユニット15,15を配設しており、通常は、図1および図2に示すように、両側の改札機本体12,12より相互に突出させた扉ユニット15,15間で通常通行者用の通常改札通路(通路幅550mm)13aを形成し、この状態で扉ユニット15,15の内面側に配設された改札扉14…を開閉操作して通常通行者を改札動作する。
【0016】これに対し、車椅子通行者の場合は、図3および図4に示すように、両側の扉ユニット15,15を突出した位置から後退させて両改札機本体12,12内に格納し、両側の改札機本体12,12間で車椅子の通行に適した通路幅を有する車椅子改札通路(通路幅900mm)13bを形成し、この状態で扉ユニット15,15の内面側に配設された改札扉14…を開閉操作して車椅子通行者を改札動作する。
【0017】図5は扉ユニットを進退駆動する扉ユニット駆動部51を示し、両側に配設される扉ユニット15,15は左右同機構のため片側を例にとって説明すると、駆動モータM1 の出力側に減速装置52を介して駆動ギャ53を突設し、この突設した駆動ギャ53を回転自由に軸支された動力伝達軸54上の中間ギャ55に噛合させて同軸を回転駆動し、この動力伝達軸54の先端に取付けたピニオン56を、扉ユニット15の進退方向に形成したラック57に噛合させて動力伝達し、駆動モータM1 を正逆転することに基づいて扉ユニット15を通路幅方向に進退移動させて、通常改札通路13aと車椅子改札通路13bとに切換え許容する。
【0018】また、この扉ユニット15は改札機本体12より改札通路の略全長に渡って出没許容する長方体状を有して格納され、下面に取付けた車輪58…を介してレール59上を円滑に走行して進退し、またこの扉ユニット15の走行した進退位置と対応して回転する各カム60…の動きを各マイクロスイッチSW1 〜SW3 が捉えて扉ユニット15の進退位置を検出する。
【0019】図6は車椅子対応機能付き自動改札機11の制御回路ブロック図を示し、CPU61はROM62に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM63で読出し可能に記憶する。
【0020】無線通信制御部64は、車椅子に取付けられた改札用の無線カードや改札利用者が携帯する無線カードと通信して改札許容し、このうち車椅子通行者の改札利用と認めた場合は扉ユニット駆動部51を正転駆動して扉ユニット15,15を後退させ、車椅子通行者用に通路幅を広げて車椅子改札通路13bに切換える。また、無線カードの場合はその改札利用データを無線通信制御部64でチェックし、改札利用券が投入された場合は券搬送処理部65で投入された券の改札利用データをチェックし、このデータの有効/無効に基づいて扉駆動部66を駆動して改札扉14…を開閉動作する。また、改札利用した通行者の通行状況を通行検知センサSで検知確認する。
【0021】このように構成された車椅子対応機能付き自動改札機11の処理動作を図7のフローチャートを参照して説明する。今、車椅子通行者が車椅子対応機能付き自動改札機11に接近すると、無線通信制御部64は車椅子通行者の改札利用を検出し、これに基づいてCPU61は扉ユニット駆動部51を正転駆動する(ステップn1 〜n2 )。
【0022】この扉ユニット駆動部51の正転駆動に基づいて通常改札通路13aは次第に広げられて車椅子改札通路13bの通路幅に切換えられる。これにより、車椅子の通行が許容され、車椅子通行者が無線カードあるいは改札利用券を用いて改札動作を開始する。このとき、その改札データの有効性が読取られると(ステップn3 )、CPU61は扉駆動部66を開動作して車椅子通行者の通行を許容し、車椅子通行者の通行が完了すると(ステップn4 〜n5 )、CPU61は扉ユニット駆動部51を逆転駆動して扉ユニット15,15を元の位置に戻す。これにより、再び元の通常改札通路13aを形成し、また改札扉14を閉じて次客の改札に備える(ステップn6 〜n7 )。
【0023】このとき、改札利用データが無効の場合は、その券を返却して通行規制し、また通常通行者の場合は通路幅を変更せず、通常改札通路13aのままで改札動作させ、券データの有効性を判定して改札許容/規制する(ステップn8 )。
【0024】このように、通常通行者と車椅子通行者との2種類の改札通路13a,13bに切換え許容する切換え構造を有しているため、各々の通行者に応じた通路幅で改札を施すことができ、ことに重量のある改札機本体を固定したままで軽量の扉ユニットだけを進退移動させて通路幅を切換えることができるため、車椅子通行構造を簡素化および軽量化することができる。
[第2実施例]図8〜図11に示す車椅子対応機能付き自動改札機81は、左右に平行する改札機本体82,82間で形成される改札通路83a,83bを、その入口側およひ出口側に配設した両開き式の左右一対の改札扉84…および車椅子通行時に開閉する左右一対の車椅子通行扉85…とで開閉して、通常通行者と車椅子通行者との通行動作を許容/規制している。
【0025】上述の車椅子通行扉85…は、改札通路の出入口部分の改札機本体82,82に開閉許容して配設し、通常は、図8および図9に示すように、両側の改札機本体82,82より内向きに突出させた閉状態で通常通行者用の通常改札通路83aを形成し、この状態で車椅子通行扉85の通路内側に配設した改札扉84…を開閉操作して通常通行者を改札動作する。
【0026】これに対し、車椅子通行者の場合は、図10R>0および図11に示すように、両側の車椅子通行扉85…を突出した閉位置から90°回動させて両改札機本体82,82に沿った開位置に動作させ、両側の改札機本体82,82間で車椅子の通行に適した通路幅を有する車椅子改札通路83bを形成する。
【0027】上述の車椅子通行扉85…は、改札通路を両開き式に開閉する改札扉84…と同開閉動作をするため、同様な開閉機構を有している。例えば、図12に示すように、この車椅子通行扉85の開閉機構121は、駆動モータM2 の出力側に減速装置122を介して駆動ギャ123を突設し、この突設した駆動ギャ123を回転自由に軸支された動力伝達軸124上の中間ギャ125に噛合させて同軸を回転駆動し、この動力伝達軸124の先端に取付けたクランク円板126をリンク127を介して車椅子通行扉85に接続し、駆動モータM2 を正逆転することに基づいて車椅子通行扉85を開閉動作させて、通常改札通路83aと車椅子改札通路83bとに切換え許容する。
【0028】図中、128は扉開閉位置感応用のインデックスレバー、129は扉の開閉位置と対応して回転するカム、SW4 〜SW6 は扉開閉位置検出用のマイクロスイッチである。
【0029】このように、通常通行者用と車椅子通行者用との2種類の通路を選択して切換える構造を、通路幅切換え用の扉85…を開閉動作させて、通常の基準の改札通路83aから予め広く設定した広幅の車椅子改札通路83bに切換えるように構成しても達成することができる。
【0030】今、車椅子対応機能付き自動改札機81で改札動作する場合、通常は車椅子通行扉85を閉じて通常改札通路83aを形成し、通常通行者の改札動作を許容する。これに対し、車椅子通行者の利用時は車椅子通行扉85を開けて車椅子改札通路83bを形成し、車椅子通行者の改札動作を許容する。
[第3実施例]図13および図14に示す車椅子対応機能付き自動改札機131は、左右に平行する改札機本体132,133の一方を基準通路面134に設定し、これと対向する他方の改札機本体133に進退許容する扉ユニット135を突出させ、この扉ユニット135を出没自在に進退動作させることにより、図13に示すように、扉ユニット135が突出して基準の通路幅を形成する通常改札通路136と、図14に示すように、扉ユニット135が没入して広幅の通路幅を形成する車椅子改札通路137との2種類の通路に切換えることができ、このように片側からの通路切換え動作によっても、通常通行者と車椅子通行者とが共通利用する改札通路を構成することができる。
【0031】上述のように、通常通行者と車椅子通行者との異種通路幅の通行を許容する切換え構造を有しているため、各々の通行者に応じた改札を施すことができ、特に重量のある改札機本体を固定設置したままで軽量の扉ユニットや車椅子通行扉だけを移動させて通路幅を切換えることができるため、車椅子対応機能を備えたにも拘らず、改札構造を簡素化および軽量化できる。
【0032】したがって、この自動改札機の設置に際しては、大掛かりな専用工事を要せず低コストで簡単な設置利用が図れ、また軽量物を進退動作あるいは開閉動作させる構成のため安全であり、この車椅子対応機能付き自動改札機を例えば橋上駅等の設置場所に支障なく設置することができ、自由度の高い設置利用が図れる。
【0033】この発明と、上述の実施例の構成との対応において、この発明の自動改札機は、実施例の車椅子対応機能付き自動改札機11,81,131に対応し、以下同様に、通路幅変更部材は、扉ユニット15,135と車椅子通行扉85…とに対応し、通路幅変更手段は、通路幅を切換え制御するCPU61等の制御系に対応するも、この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図2】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図3】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図4】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図5】この発明の第1実施例の扉ユニット駆動部を示す要部斜視図。
【図6】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の制御回路ブロック図。
【図7】この発明の第1実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の処理動作を示すフローチャート。
【図8】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図9】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図10】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図11】この発明の第2実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す平面図。
【図12】この発明の第2実施例の開閉機構を示す要部斜視図。
【図13】この発明の第3実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の通常通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【図14】この発明の第3実施例の車椅子対応機能付き自動改札機の車椅子通路幅の通行規制状態を示す正面図。
【符号の説明】
11,81,131…車椅子対応機能付き自動改札機
12,82,132,133…改札機本体
13a,83a,136…通常改札通路
13b,83b,137…車椅子改札通路
14,84…改札扉
15,135…扉ユニット
51…扉ユニット駆動部
61…CPU
85…車椅子通行扉
121…開閉機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、上記通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えた自動改札機。
【請求項2】通路幅変更手段は改札通路の全長に渡って通路幅を変更する請求項1記載の自動改札機。
【請求項3】通路幅変更手段は改札通路の出入口の通路幅を変更する請求項1記載の自動改札機。
【請求項4】改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札システムであって、上記改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させる通路幅変更手段を備えた自動改札システム。
【請求項1】改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札機であって、上記改札機本体より通路幅方向に向けて突出自在に移動する通路幅変更部材と、上記通路幅変更部材の位置を変更する通路幅変更手段とを備えた自動改札機。
【請求項2】通路幅変更手段は改札通路の全長に渡って通路幅を変更する請求項1記載の自動改札機。
【請求項3】通路幅変更手段は改札通路の出入口の通路幅を変更する請求項1記載の自動改札機。
【請求項4】改札機本体を対設して形成した改札通路の通路幅を変更する自動改札システムであって、上記改札機本体の一方から通路幅変更用の通路幅変更部材を通路幅方向に移動させる通路幅変更手段を備えた自動改札システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図10】
【図6】
【図9】
【図11】
【図7】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図10】
【図6】
【図9】
【図11】
【図7】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開平9−167262
【公開日】平成9年(1997)6月24日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−347759
【出願日】平成7年(1995)12月15日
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【公開日】平成9年(1997)6月24日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)12月15日
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
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