説明

自動改札機

【課題】 ジャム発生を未然に防止できる自動改札機を提供する。
【解決手段】 自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で搬送するとともに、その異常媒体を前記自動改札機の本体の取出口へ排出する制御手段とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動改札機に係り、特に、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体が
本体内でジャムを起こすのを未然に防止できるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動改札機は、その自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を取出口又は集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを磁気ヘッドを介して読取るとともに、その媒体に新たな磁気データを書込むように構成されており、また、必要に応じてその媒体にパンチ孔や所定の内容を印字するように構成されている。このように、媒体は、搬送途中、磁気ヘッド等の各種機器に接触する形で搬送されるために券詰まり、いわゆるジャムが発生しやすいという性質を有している。
【0003】
自動改札機の本体に投入された媒体がジャムを起こしたときは、その後の入出場の処理(入場処理又は出場処理を意味している。)が中断されるので、通常、係員(駅員)により手作業でジャム解消作業が行われて自動改札機の本体が正常に入出場処理が行えるように復旧される。また、ジャムが発生したときには、搬送路を逆搬送させるなどして自動的にジャムの解消を行えるようにした自動改札機も提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2003−58917号公報
【特許文献2】特開平8−138087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の自動改札機は、ジャムが発生したときは、係員の手作業により、又は、自動的に解消されて復旧が図られれるが、係員が不在のときは自動改札機のダウン状態がそのまま継続され、また、自動的にジャム解消手段を備えた自動改札機であっても、必ずしも自動的にジャムが解消される保証はなく、したがって、自動的にジャムが解消されない場合は、係員によるジャム解消が行われるまで、自動改札機がダウンしてしまうという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的はジャムの発生を未然に防止ようにし、ジャム発生により入出場処理が中断されることのない自動改札機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動改札機は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で搬送するとともに、その異常媒体を前記自動改札機の本体の取出口へ排出する制御手段と、を有することを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で、かつ、媒体に記録されている磁気データを読取ることのできる所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行う制御手段と、を有することを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その異常媒体を前記自動改札機の本体の投入口へ返却する制御手段と、を有することを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体がその自動改札機の本体で処理可能な媒体と、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体とに区別する区別手段を設けるとともに、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体のときは、その媒体をその自動改札機の本体の投入口に返却することを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の自動改札機は、自動改札機の本体で処理可能な媒体には、その自動改札機の本体との間で非接触でデータ授受を行って所定の入出場処理を行う無線通信機能を備えたICカードからなる非接触型ICカードを含まないことを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の自動改札機は、媒体の外形形状の検出は、光学的センサを用いて行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、その分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で搬送するとともに、その異常媒体を前記自動改札機の本体の取出口へ排出する制御手段とを有するので、ジャムの発生を未然に防止でき、したがって、ジャム発生による自動改札機のダウンを未然に防止することができる。
本発明の請求項2に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、その分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で、かつ、媒体に記録されている磁気データを読取ることのできる所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行う制御手段とを有するので、ジャムの発生を未然に防止しながら、所定の入出場処理を行うことができ、したがって、自動改札機の処理効率を高めることができる。
本発明の請求項3に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、その分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その異常媒体を前記自動改札機の本体の投入口へ返却する制御手段とを有するので、ジャムの発生を未然に防止でき、したがって、ジャム発生による自動改札機のダウンを未然に防止することができる。また、ジャムの発生を未然に防止しながら、所定の入出場処理を行うことができるから、自動改札機の処理効率を高めることができる。
本発明の請求項4に記載の自動改札機は、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体がその自動改札機の本体で処理可能な媒体と、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体とに区別する区別手段を設けるとともに、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体のときは、その媒体をその自動改札機の本体の投入口に返却するので、ジャムの発生を未然に防止でき、したがって、ジャム発生による自動改札機のダウンを未然に防止することができるとともに、自動改札機の本体で処理対象としていない媒体、いわゆる異物により磁気ヘッド等が損傷を受けるのを未然に防止することができる。
本発明の請求項5に記載の自動改札機は、自動改札機の本体で処理可能な媒体には、その自動改札機の本体との間で非接触でデータ授受を行って所定の入出場処理を行う無線通信機能を備えたICカードからなる非接触型ICカードを含まないので、磁気ヘッド等の損傷を未然に防止することができるとともに、非接触型ICカード自体の損傷をも未然に防止することができる。
本発明の請求項6に記載の自動改札機において、媒体の外形形状の検出は、光学的センサを用いて行うので、媒体の外形形状を簡単に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る自動改札機の本体(以下、「改札機本体」という。)GのカードハンドラH部分の概略構成図である。
【0009】
図1中、1は、磁気券からなる普通乗車券、特急券、急行券、回数券、定期券等の乗車券類、あるいは、ストアードフェアカード(SFカード)等のカード類の媒体を改札機本体Gに投入するための投入口であって、カードハンドラHの改札機本体Gの改札通路入口側(図1では右側)上部に設けられ、また、2は、媒体を利用者へ返却するための取出口であって、改札機本体GのカードハンドラHの上面で改札通路出口側(図1では左側)に設けられている。
【0010】
これら投入口1と取出口2との間には、モータMで駆動される搬送路Lが設けられている。この搬送路Lは、周知の搬送路と同様に、一対の無端ベルトを対設して、または多数のローラ群を配設して構成されている。そして、この搬送路Lの上流側(投入口1側)から下流側(取出口2側)にかけて、順に、投入口1に投入された媒体を搬送路L内に取込むための一対のローラからなる取込部3、後に詳述する異物検出部10、後に詳述する形状検出部20、媒体の搬送姿勢を所定の状態に整える整列搬送部30、投入口1に媒体の表面(乗車区間等の所定の内容が印字されている面)を上にして投入されたときのその媒体に記録されているデータを読取るための読取ヘッドH1 、投入口1に裏面を上にして媒体を投入されたときのデータを読取るための読取ヘッドH1 ′(以下、投入口1に裏面を上にして投入された媒体を処理するヘッドには「′」を付して説明する。)、新たなデータ(入出場データ)を書込むための書込ヘッドH2 ,H2 ′、書込まれたデータをチェックするためのベリファイヘッドH3 ,H3 ′、必要に応じて媒体に入場駅等の所定の内容を印字し、また、使用の目安を示すパンチ孔をあけるパンチ印字部Pが設けられている。
【0011】
図1中、L′は集札搬送路であって、パンチ印字部Pの出口側の搬送路Lから、ウイングWを介して媒体(集札券)を集札箱Bに搬送できるように設けられている。また、Cは、改札機本体Gを制御する制御器であって、この制御器Cは、図2に示されている。
【0012】
すなわち、この制御器Cは、CPU40を有しており、このCPU40は、ROM41に格納されているシステムプログラム及びRAM42に格納されているワーキングデータを用いて演算処理を行って、改札機本体Gを統括的に制御できるように構成されている。そして、このCPU40には、I/Oユニット43を介して異物検出部10、形状検出部20、図示しない改札通路内の利用者位置を検知する人間検知器、搬送路Lにおける媒体位置を検出するセンサ等の各種センサ類からの検出信号を入力するためのセンサアンプ44と、モータMを駆動制御するモータドライバ45と、各ヘッドH1 〜H3 ,H1 ′〜H3 ′を駆動制御するリードライトユニット46と、図示しないドアを開閉制御するドアドライバ47とが接続されている。
【0013】
なお、I/Oユニット43には、利用者への案内を行なうための表示ドライバや音声ドライバ等も接続されているが、ここでは省略されている。また、改札機本体Gが磁気券からなる媒体以外に、無線通信機能を備えたICカードからなる非接触型ICカードをその改札機本体Gのアンテナにタッチ又はかざして非接触でデータ授受を行って入出場処理する機能を備えているときは、I/Oユニット43には、非接触型ICカードを処理するためのリーダライタも接続される。
【0014】
図3(a),(b)は、異物検出部10及び形状検出部20の部分の詳細図である。異物検出部10は、搬送路Lを上下方向から挟むように設けられたコ字状のフレーム11に磁気センサ12及び金属センサ13を配置して構成されている。
【0015】
上記構成からなる異物検出部10は、投入口1に図示しないセンサで媒体が投入されたことが検出され、かつ、磁気センサ12で検出されたないときは、カードハンドラH(改札機本体G)で処理できない媒体と判定(分別)し、また、投入口1に媒体が投入されたことが検出され、かつ、金属センサ13で検出されたときもカードハンドラH(改札機本体G)で処理できない媒体と判定(分別)される。このため、改札機本体Gが非接触型ICカードでも入出場できる併用型の場合には、投入口1に誤ってその非接触型ICカードが投入されたとき、その非接触型ICカードは、改札機本体Gの処理対象等の媒体であっても改札機本体Gで処理対象でない媒体に分別される。
【0016】
形状検出部20は、搬送路Lで搬送される媒体イの大きさに基づく所定の範囲(図3(a)参照)内に多数の光電素子からなる光学的(以下、センサという。)センサS1 〜S12を配置して構成されている。これらセンサS1 〜S12のうち、センサS1 ,S3 は搬送路Lの搬送方向に沿って所定の間隔を保って設けられ、一対の無端ベルトL1 ,L2 を対設して構成される搬送路Lの上面(L1 の上面)より少し上に存在する物体を検出し、センサS2 ,S4 は、搬送路Lの搬送方向に沿って所定の間隔を保って設けられ、搬送路Lの下面(L2 の下面)より少し下に存在する物体を検出できるように構成されている。また、センサS5 〜S8 、S9 〜S12は、搬送路Lで搬送される媒体イの搬送方向と直交する方向の両側辺近くで、かつ、その搬送路Lの搬送方向に沿って所定の間隔を保って設けれている。
【0017】
上記配置からなるセンサS1 〜S12の形状検出部10では、例えば、媒体イが図4に示されるように屈曲していて読取ヘッドH1 ,H1 ′等の箇所でジャムを引き起こす可能性が高い場合は、センサS1 〜S4 のうちのいずれかで検出され、または、センサS5 〜S12のうちのいずれかのセンサで検出されない事態が発生する。このため、センサS1 〜S12の検出状態から媒体イがその後、ジャムを起こす可能性が高いか、またはその可能性が低いかを容易に知ることができる。
【0018】
以下、図5のフローチャートを用いて制御動作について説明する。今、投入口1に媒体が投入されたとする(ステップ100肯定)。媒体が投入口1に投入されると、取込部3により取込まれて、搬送路Lにより搬送され、先ず、異物検出部10で媒体が改札機本体Gで処理対象とされる磁気券か否かが判定(区別)される。そして、この異物検出部110で処理対象とされない媒体と判定されると(ステップ102否定)、モータMは停止され、その後、モータMが逆回転して媒体は投入口1へ排出されて返却される(ステップ103)。したがって、例えば、投入口1に誤って非接触型ICカードが投入されても、読取ヘッドH1 ,H1 ′等まで搬送されないので、それらのヘッドH1 ,H1 ′等を損傷させるおそれがなく、また、非接触型ICカード自身も保護される特徴がある。なお、この場合は、図示しないドアが閉じられて入出場が禁止されるとともに、図示しない表示画面及びスピーカを介して正常な媒体投入の案内が行われる。
【0019】
異物検出部10で処理可能な媒体、つまり媒体が磁気券と判定されると(ステップ102肯定)、その媒体は形状検出部20で形状(形態)の状態が判定(分別)される。この判定においてジャムを発生されるおそれのない正常な媒体と判定されると(ステップ104肯定)、その媒体は、通常の搬送速度(例えば2m/s)で搬送されて取出口2または集札箱Bに送られ、所定の入出場処理が行われる(ステップ106)。
【0020】
ところで、形状検出部20で形状がジャムを引き起こす可能性が高いと判定されたときは(ステップ104否定)、上述の通常の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度(たとえば1.0〜1.5m/s)で搬送が行われ、媒体は入出場処理されることなく搬送されて取出口2へ排出されて返却される。(ステップ108)。もちろん、この場合は、ドアは閉じられて入出場が禁止されるとともに、表示画面及びスピーカを介して係員処理が案内される。このように、ジャムを起こしやすい媒体のときは、遅い搬送速度で搬送されるので、その搬送の途中、ジャムが発生するのを未然に防止することができる。
【0021】
なお、その遅い搬送速度で入出場処理して自動改札機のの処理効率を高めることができる。すなわち、その遅い搬送速度が媒体から磁気データを読み取ることが可能であり、また、新たな磁気データを書き込むことが可能であれば入出場を行うことができる。この場合、入出場処理速度が少し遅れるが、搬送速度が通常よりも遅いのでジャムのおそれがない。
【0022】
また、形状検出部20で形状異常と判定された媒体のときは(ステップ104否定)、モータMを停止とし、その後、そのモータMを逆回転し媒体を投入口1へ返却するようにしてもよい。この場合、ジャム発生のおそれが全く無くなる特長がある。
【0023】
さらに、上述の実施例では、異物検出部10を磁気センサ12及び金属センサ13で構成して改札機本体Gで処理対象としない媒体を分別したが、この異物検出部10をこれらセンサ12,13に代えて、または、これらセンサ12,13とともに、媒体の厚みを検出する厚みセンサを設けたものとしてもい。この厚みセンサを設けた場合は、改札機本体Gの処理対象の磁気券の厚さを越える媒体が異物と判定して分別される。この場合、一人の利用者が複数枚の磁気券からなる媒体を用いて入出場できる複数枚対応型で一括して投入できる自動改札機の場合は、その複数枚の媒体の合計厚さを越える媒体が異物と判定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動改札機の本体のカードハンドラ部分の概略構成図である。
【図2】制御器のブロック図である。
【図3】異物検出部及び形状検出部の詳細図である。
【図4】媒体の斜視図である。
【図5】制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
G 自動改札機の本体(改札機本体)
H カードハンドラ
1 投入口
2 取出口
3 取込部
10 異物検出部
20 形状検出部
30 整列搬送路
L 搬送路
L′ 集札搬送路
H1 ,H1 ′ 読取ヘッド
H2 ,H2 ′ 書込ヘッド
H3 ,H3 ′ ベリファイヘッド
M モータ
P パンチ印字部
B 集札箱
C 制御器
イ 媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、
前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、
前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で搬送するとともに、その異常媒体を前記自動改札機の本体の取出口へ排出する制御手段と、
を有することを特徴とする自動改札機。
【請求項2】
自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、
前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、
前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その搬送路をその所定の搬送速度よりも遅い所定の搬送速度で、かつ、媒体に記録されている磁気データを読取ることのできる所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行う制御手段と、
を有することを特徴とする自動改札機。
【請求項3】
自動改札機の本体の投入口に投入された媒体を搬送路を介してその自動改札機の本体の取出口又はその自動改札機の本体内に設けられた集札箱まで搬送させる途中、その媒体に記録されている磁気データを読取って所定の入出場処理する自動改札機において、
前記自動改札機の本体の投入口に投入された媒体の外形形状に基づいて媒体を所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができる正常媒体と、その所定の搬送速度で搬送したときに所定の入出場処理を行うことができない異常媒体とに分別する分別手段と、
前記分別手段で正常媒体と分別されたときは、前記搬送路を所定の搬送速度で搬送して所定の入出場処理を行い、その分別手段で異常媒体と分別されたときは、その異常媒体を前記自動改札機の本体の投入口へ返却する制御手段と、
を有することを特徴とする自動改札機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の自動改札機において、自動改札機の本体の投入口に投入された媒体がその自動改札機の本体で処理可能な媒体と、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体とに区別する区別手段を設けるとともに、その自動改札機の本体で処理対象としていない媒体のときは、その媒体をその自動改札機の本体の投入口に返却することを特徴とする自動改札機。
【請求項5】
請求項4に記載の自動改札機において、自動改札機の本体で処理可能な媒体には、その自動改札機の本体との間で非接触でデータ授受を行って所定の入出場処理を行う無線通信機能を備えたICカードからなる非接触型ICカードを含まないことを特徴とする自動改札機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の自動改札機において、媒体の外形形状の検出は、光学的センサを用いて行うことを特徴とする自動改札機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−146474(P2006−146474A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334241(P2004−334241)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】