説明

自動滴定分析装置、自動滴定分析方法、処理液の自動分析管理システム及び処理液の自動滴定分析方法

【課題】 滴定液を滴定セルに正確に供給できる自動滴定分析装置を提供する。
【解決手段】 試料が採取される滴定セル26と、滴定液を滴定セル26に供給するビュレット22とを備え、ビュレット22から供給された滴定液を滴定セル26内の試料に滴下し、試料を分析する自動滴定分析装置3において、ビュレット22から供給された滴定液に含まれる空気を排出する空気排出機構24をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象となる試料を滴定分析する自動滴定分析装置、自動滴定分析方法、処理液の自動分析管理システム及び処理液の自動滴定分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料の自動分析方法として、例えば、特許文献1に記載されているように、自動ビュレットを用いる方法が知られている。この方法では、例えば滴定液を自動ビュレット内に導入し、ステッピングモータによりビュレット内の押出板を上昇させて、ビュレット内の滴定標準液を分析対象の試料が入れられた滴定セル内に滴下し、滴定液の量を算出して試料を分析する。
【0003】
自動ビュレットは、滴定分析のために滴定液をごく少量ずつ試料に供給する必要がある。そのため、自動ビュレットから供給される滴定液の供給量には、一定の精度が求められる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載された自動ビュレットは、カラム内壁と、押出板とのシール性が不十分であると、自動ビュレット内に空気が混入することがある。自動ビュレット内に空気が混入すると、本来滴定液を滴定セルに供給すべきときに空気が供給されてしまう。このように、滴定液を供給すべきときに滴定セルに空気が供給されてしまうと、滴定液の供給量に誤差が生じる結果、滴定分析値にも誤差が生じてしまう。
【0005】
また、自動ビュレットを上下逆にして空気の供給を防止する方法も考えられる。しかし、この方法でも、空気が自動ビュレット内の上部に溜まっていき、押出板がその空気を圧縮するため滴定液の供給が滞るため、滴定液の供給量の精度が落ちてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案公告平1−29537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、滴定液を滴定セルに正確に供給できる自動滴定分析装置、自動滴定分析方法、処理液の自動分析管理システム及び処理液の自動滴定分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自動滴定分析装置は、試料が採取される滴定セルと、滴定液を前記滴定セルに供給するビュレットとを備え、該ビュレットから供給された滴定液を該滴定セル内の前記試料に滴下し、該試料を分析する自動滴定分析装置において、前記ビュレットから供給された滴定液に含まれる空気を排出する空気排出機構をさらに備える。
【0009】
本発明に係る自動滴定分析方法は、前記自動滴定分析装置を用いた自動滴定分析方法において、第2の開閉弁を閉じ、三方弁により第1の試料送出管と第2の試料送出管との連通及び前記第1の試料送出管と当該自動滴定分析装置外との連通を遮断し、第1の開閉弁を開いた後に、加減圧手段を用いて気密容器内を減圧することで、第2のレベルセンサーが液面を検出するまで試料供給部から前記気密容器に試料を採取し、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開き、前記三方弁により前記第1の試料送出管と当該自動的滴定分析装置外とを連通させた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、前記第1のレベルセンサーが液面を検出するまで試料を前記気密容器から当該自動的滴定分析装置外へ送出する試料送出管内の空気排出ステップと、前記第2の開閉弁を閉じ、前記三方弁により前記第1の試料送出管と当該自動的滴定分析装置外との連通を遮断し、前記第1の開閉弁を開いた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を減圧することで、前記第2のレベルセンサーが液面を検出するまで前記試料供給部から前記気密容器に試料を採取し、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、該気密容器内の液面を前記開口の位置と同一になるまで下げるとともに、試料計量管及び試料採取管内に存在する試料を当該自動的滴定分析装置外に送出する試料計量ステップと、前記第1の開閉弁を閉じ、前記三方弁により前記第1の試料送出管と前記第2の試料送出管とを連通させた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、前記気密容器内及び前記第1の試料送出管内に存在する前記試料を全て前記滴定セルに供給する試料供給ステップとを有する。
【0010】
本発明に係る処理液の自動分析管理システムは、前記自動滴定分析装置と、前記自動滴定分析装置による処理液の分析結果を記録する記録部と、前記記録部に記録した前記分析結果から処理液補給成分の補給量を算出し、該処理液補給成分の補給を前記試料供給部に指示する演算部とを備える。
【0011】
本発明に係る処理液の自動滴定分析方法は、上記自動滴定分析方法を用いて処理液の滴定分析を行う処理液の自動滴定分析方法において、前記滴定分析の結果から処理液補給成分の補給量を算出し、該処理液補給成分の補給を前記試料供給部に指示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、空気排出機構を備えることにより、滴定液を滴定セルに正確に供給できるため、精度の高い自動滴定分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る自動分析管理システムを模式的に示す図である。
【図2】本実施の形態に係る自動滴定分析装置を模式的に示す図である。
【図3】他の実施の形態に係る自動滴定分析装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した自動滴定分析システムの一例について、図面を参照しながら次の順序で説明する。
1.自動分析管理システム
1−1.自動滴定分析装置
1−1−1.分析部
1−1−2.試料計量機構
1−2.記録部
1−3.演算部
2.自動滴定分析方法
2−1.とも洗いステップ
2−2.試料送出管内の空気排出ステップ
2−3.滴定セルへの供給ステップ
2−4.中和滴定ステップ
2−5.空気排出機構を用いた空気排出ステップ
3.他の実施形態
【0015】
<1.自動分析管理システム>
本実施の形態に係る自動分析管理システム1は、例えば図1に示すように、自動滴定分析装置3と、記録部5と、演算部7とを備える。
【0016】
<1−1.自動滴定分析装置>
自動滴定分析装置3は、図1に示すように、分析部10と試料計量機構12とを備える。
【0017】
<1−1−1.分析部>
分析部10は、試薬槽20と、自動ビュレット(以下、単に「ビュレット」という)22と、空気排出機構24と、滴定セル26とを備える。
【0018】
試薬槽20は、例えばポリエチレンで形成されており、試料を滴定分析するための滴定液が貯留されている。滴定液としては、例えば硫酸が用いられる。試薬槽20には、滴定液採取管30の一端30aが接続されている。滴定液採取管30の他端30bには、三方弁34が接続されている。
【0019】
三方弁34は、例えば3ポート電磁弁で構成され、滴定液送出管32と滴定液送出管38とが連通した状態(以下、「三方弁34がNC(ノルマルクローズ)の状態」という)と、滴定液採取管30と滴定液送出管38とが連通した状態(以下、「三方弁34がNO(ノルマルオープン)の状態」という)とを切替える切替手段として機能する。
【0020】
ビュレット22には、滴定液送出管38が接続されている。ビュレット22は、その内部に押出板36を有する。ビュレット22では、三方弁34がNOの状態のときに、ステッピングモータ(図示せず)により押出板36が下降すると、試薬槽20から滴定液が導入される。また、ビュレット22では、三方弁34がNCの状態のときに、ステッピングモータにより押出板36が上昇すると、ビュレット22内の滴定液を空気排出機構24に送液する。
【0021】
空気排出機構24は、チャンバ40と、空気送出管42と、滴定液送出管44と、切替手段46とを備える。
【0022】
チャンバ40は、滴定液に対して耐化学薬品性を有する材料、例えば透明PVCで形成されている。チャンバ40は、気密性を有し、ビュレット22から送液された滴定液を受け入れる。また、チャンバ40は、後に詳述するように、ビュレット22から送液された滴定液とともに流される気泡(空気)を上部に貯留する。
【0023】
空気送出管42は、耐化学薬品性を有する材料、例えばPTFE(Polytetrafluoroethylene)管で形成されている。空気送出管42は、その一端42aがチャンバ40の上端に連通し、他端42bが切替手段46に接続されている。
【0024】
滴定液送出管44は、空気送出管42と同様に耐化学薬品性を有する材料、例えばPTFE管で形成されている。滴定液送出管44は、その一端44aがチャンバ40の下部に連通し、他端44bが切替手段46を介して滴定セル26に接続されている。
【0025】
切替手段46は、例えば3ポート電磁弁で構成され、空気送出管42がチャンバ40と滴定セル26との間で連通した状態(以下、「切替手段46がNC(ノルマルクローズ)の状態」という)と、滴定液送出管44がチャンバ40と滴定セル26との間で連通した状態(以下、「切替手段46がNO(ノルマルオープン)の状態)という」とを切替える切替手段として機能する。すなわち、切替手段46は、空気送出管42の一端42aから滴定液送出管44の他端44bが連通した状態(切替手段46がNCの状態)と、滴定液送出管44の一端44aから滴定液送出管44の他端44bが連通した状態(切替手段46がNOの状態)とを切替える。
【0026】
滴定セル26は、耐熱性を有する材料、例えばパイレックス(登録商標)で形成されている。滴定セル26には、滴定セル26内の溶液レベルを検出するレベルセンサー47と、pH電極48とが挿入されている。また、滴定セル26には、溶液を攪拌するためのスターラー50が入れられている。
【0027】
滴定セル26の下部には、滴定セル26内の溶液をドレンに排出するための排出管27が接続されている。排出管27には、排出管27の開閉を切換えるための開閉弁28が設けられるとともに、排液ポンプ29が設けられている。
【0028】
また、分析部10は、イオン交換水タンク100を備える。イオン交換水タンク100からは、送液ポンプ98によりイオン交換水が滴定セル26内に供給される。
【0029】
ここで、滴定液採取管30、滴定液送出管32、滴定液送出管38、空気送出管42及び滴定液送出管44は、その内径を0.5〜3mmとするのが好ましい。これにより、ビュレット22を用いて送出された液体(滴定液)により、管内の空気を効率的に排出することができる。
【0030】
以上説明したような分析部10では、ステッピングモータ(図示せず)が、ビュレット22の押出板36を押出した距離によって、滴定液送出管44から滴定セル26内に滴下した滴定液の量を計量することができる。
【0031】
<1−1−2.試料計量機構>
試料計量機構12は、分析対象の試料を供給する自動滴定分析装置外の試料供給部、例えばめっき槽52から試料として無電解銅めっき液を採取して計量し、計量した試料を滴定セル26に供給する。試料計量機構12は、気密容器54と、試料採取管56と、試料計量管58と、開閉弁60と、第1の試料送出管62と、第2の試料送出管63と、第3の試料送出管64と、三方弁66と、開閉弁68と、加減圧手段70と、レベルセンサー72と、レベルセンサー74とを備える。
【0032】
気密容器54は、例えばパイレックス(登録商標)で形成され、試料を正確に計量するために気密構造となっている。気密容器54は、めっき槽52から試料採取管56を介して試料が供給される。
【0033】
試料採取管56は、例えばフッ素樹脂管(FEP管)で形成されており、一端56aが気密容器54に連通されており、他端56bがめっき槽52に連通されている。
【0034】
試料計量管58は、気密容器54の上端から気密容器54内へ略垂直に挿入されている。
【0035】
試料計量管58は、例えばFEP管で形成されており、一端が試料採取管56と連通し、他端に気密容器54内と連通する開口76が設けられている。開口76の位置は、滴定セル26に送る試料を気密容器54と第1の試料送出管62とに充填した際の気密容器54内の液面と同一になるように設定されている。
【0036】
開閉弁60は、例えば、2ポート電磁弁で構成され、試料採取管56の開閉を切替えることにより、めっき槽52から気密容器54への試料の連通を制御する。具体的に、開閉弁60は、開にした状態、すなわち、めっき槽52と気密容器54とが連通した状態と、閉の状態、すなわち、めっき槽52と気密容器54とが遮断された状態とを切替える。
【0037】
第1の試料送出管62は、例えばFEP管で形成されており、一端62aが気密容器54と連通し、他端62bが三方弁66と連通している。第1の試料送出管62の一端62aは、試料計量管58の開口76よりも下方位置において気密容器54と連通している。
【0038】
第2の試料送出管63は、例えばFEP管で形成されており、一端が三方弁66と連通し、他端が滴定セル26と連通している。
【0039】
第3の試料送出管64は、例えばFEP管で形成されており、一端64aが三方弁66を介して第1の試料送出管62と連通し、他端64bが自動滴定分析装置3の外、例えばドレン(図示せず)と連通している。
【0040】
三方弁66は、例えば3ポート電磁弁で構成され、第1の試料送出管62が第2の試料送出管63と連通した状態(以下、「三方弁66がNC(ノルマルクローズ)の状態」という)と、第1の試料送出管62と第3の試料送出管64とが連通した状態(以下、「三方弁66がNO(ノルマルオープン)の状態」という)とを切替える切替手段として機能する。すなわち、三方弁66は、気密容器54と第2の試料送出管63を介して滴定セル26とが連通した状態(三方弁66がNCの状態)と、第3の試料送出管64を介して気密容器54とドレンとが連通した状態(三方弁66がNOの状態)とを切換える。
【0041】
ここで、試料採取管56、試料計量管58、第1の試料送出管62及び第3の試料送出管64は、その内径を0.5〜3mmとするのが好ましい。これにより、後述する加減圧手段70を用いて送出された液体(試料)により、管内の空気を効率的に排出することができる。
【0042】
加減圧手段70は、気密容器54内を加圧又は減圧することにより、めっき槽52から試料採取管56を介して気密容器54内に試料を導入させる。具体的には、加減圧手段70は、図1に示すように、エアポンプ80と、外部からの空気をエアポンプ80に供給する空気送出管82(82a、82b、82c)と、エアカラム84と、エアカラム84から気密容器54に空気を供給する空気送出管86とを備える。また、加減圧手段70は、空気吸入口とエアポンプ80とを接続する空気送出管82に配置された三方弁88と、エアポンプ80とエアカラム84とを接続する空気送出管90(90a、90b、90c)に配置された三方弁92と、空気吸入口とエアカラム84とを接続する空気送出管94に配置された開閉弁96とを備える。
【0043】
三方弁88は、例えば3ポート電磁弁で構成され、空気送出管82aと空気送出管82bとが連通した状態(以下、「三方弁88がNOの状態」という)と、空気送出管82bと空気送出管82cとが連通した状態(以下、「三方弁88がNCの状態」という)とを切替える切替手段として機能する。
【0044】
三方弁92は、例えば3ポート電磁弁で構成され、空気送出管90cと空気送出管90bとが連通した状態(以下、「三方弁92がNOの状態」という)と、空気送出管90cと空気送出管90aとが連通した状態(以下、「三方弁92がNCの状態」という)とを切替える切替手段として機能する。
【0045】
開閉弁96は、例えば2ポート電磁弁で構成され、空気送出管94内の開閉を切替える。また、開閉弁96は、気密容器54と気密容器54の外部とを連通させて、気密容器54内の圧力を軽減する連通弁としても機能する。
【0046】
レベルセンサー72は、気密容器54内に採取された開口76の位置より上方の液面を検出する検出手段である。レベルセンサー74は、レベルセンサー72が液面を検出する位置より上方の液面を検出する。
【0047】
ここで、レベルセンサー74が検出する液量とレベルセンサー72が検出する液量との差は、第1の試料送出管62内の液量より多くなるように設定されている。これにより、後述する試料送出管内の空気排出ステップにおいて、第1の試料送出管62内の空気を全てドレンへ排出することができるため、滴定セル26に供給する試料供給量の誤差を少なくすることができる。
【0048】
続いて、試料計量機構12における具体的な動作について説明する。ここでは、試料計量機構12での試料の吸入方法及び試料の排出方法について説明する。
【0049】
<試料の吸入方法>
試料計量機構12は、開閉弁60を開にした状態で、エアポンプ80で気密容器54内を負圧の状態とすることにより、試料がめっき槽52から気密容器54内に吸入される。気密容器54内の試料液面が、レベルセンサー74の検出レベルに達したら、開閉弁60を閉じてめっき槽52から気密容器54への試料の吸入を終了する。
【0050】
<試料の排出方法>
試料計量機構12は、三方弁66がNCの状態で、エアポンプ80により気密容器54内を加圧の状態とすることにより、気密容器54内の試料を滴定セル26へ排出(注入)する。
【0051】
<1−2.記録部>
記録部5は、例えばROMやRAMで構成されている。記録部5は、ステッピングモータ(図示せず)がビュレット22の押出板36を押出すことでビュレット22内から滴下した滴定液の量を記録する。また、記録部5には、試料液である無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウムの標準濃度、所定のpH値、無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウム濃度を算出するための計算式、中和滴定に用いる無電解銅めっき液の量が記録されている。
【0052】
<1−3.演算部>
演算部7は、例えばCPUで構成されている。演算部7は、記録部5で記録した分析結果から、めっき槽52に補給すべき成分の補給量(以下、「処理液補給成分の補給量」という)を算出する。また、演算部7は、算出した処理液補給成分の補給量に基づいて、めっき槽52に処理液補給成分の補給を指示する。指示した補給量は記録部5に記録され、作業者は過去の補給量の履歴を参照することにより、めっき液の組成に異常が生じてないか監視することができる。
【0053】
一例として、演算部7は、上記記録部5に記録された滴定液の量及び予め記録されている無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウムの標準濃度等から、無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウム濃度を算出する。演算部7は、算出した水酸化ナトリウム濃度から、処理液補給成分の補給量、すなわち、無電解銅めっき液に補給すべき水酸化ナトリウムの量を算出する。演算部7は、算出した水酸化ナトリウム量を補給すべき旨をめっき槽52に指示する。
【0054】
<2.自動滴定分析方法>
次に、本実施の形態に係る自動分析管理システム1を用いた自動滴定分析方法の一例について説明する。自動滴定分析方法は、とも洗いステップと、試料送出管内空気排出ステップと、滴定セルへの試料供給ステップと、中和滴定ステップと、空気排出機構を用いた空気排出ステップとを有する。
【0055】
<2−1.とも洗いステップ>
とも洗いは、めっき槽52内の試料で、試料採取管56、試料計量管58、気密容器54、第1の試料送出管62及び第3の試料送出管64の内部を洗浄するために行う。とも洗いステップは、例えば、以下のようなステップS1〜ステップS6のステップからなる。なお、とも洗い前において、開閉弁60、開閉弁68及び開閉弁96は、全て閉じた状態である。また、三方弁66、三方弁88及び三方弁92は、全て、NOの状態である。第2の試料送出管63内部の試料は、事前のステップ(後述するステップS26)により滴定セル26へ排出されている。
【0056】
ステップS1において、自動滴定分析装置3では、エアーポンプ80を作動し、三方弁88をNCの状態し、三方弁92をNOの状態とする。これにより、気密容器54内を減圧した状態とする。
【0057】
ステップS2において、自動滴定分析装置3では、開閉弁60を開け、めっき槽52から気密容器54内に試料を採取し、レベルセンサー72及びレベルセンサー74により試料の液面を検出する。
【0058】
ステップS3において、自動滴定分析装置3では、開閉弁60を閉め、三方弁88をNOの状態し、開閉弁96を開く。これにより、気密容器54内を常圧の状態とする。
【0059】
ステップS4において、自動滴定分析装置3では、開閉弁96を閉め、三方弁92をNCの状態とする。これにより、気密容器54内を加圧の状態とする。
【0060】
ステップS5において、自動滴定分析装置3では、三方弁66をNOの状態とし、開閉弁68を開けることにより、気密容器54内、第1の試料送出管62及び第3の試料送出管64内の試料を全てドレンへ送出する。
【0061】
ステップS6において、自動滴定分析装置3では、開閉弁68を閉め、三方弁92をNOの状態とし、開閉弁96を開ける。これにより、気密容器54内を常圧の状態に戻す。
【0062】
以上のようにして、自動滴定分析装置3では、とも洗いを行うことにより、試料採取管56、試料計量管58、気密容器54、第1の試料送出管62及び第3の試料送出管64の内部を洗浄することができる。なお、とも洗いは、複数回行ってもよい。
【0063】
<2−2.試料送出管内の空気排出ステップ>
試料送出管内の空気排出ステップは、第1の試料送出管62内の空気をドレンに排出するために行うものであり、例えば、以下のようなステップS10〜ステップS15からなる。
【0064】
ステップS10において、三方弁88をNCの状態とし、三方弁92をNOの状態とする。これにより、気密容器54内を減圧した状態とする。
【0065】
ステップS11において、開閉弁60を開け、めっき槽52から気密容器54内に試料を採取し、レベルセンサー72及びレベルセンサー74により試料の液面を検出したら開閉弁60を閉める。
【0066】
ステップS12において、三方弁88をNOの状態とし、開閉弁96を開ける。これにより、気密容器54内を常圧の状態に戻す。
【0067】
ステップS13において、開閉弁96を閉め、三方弁92をNCの状態とする。これにより、気密容器54内を加圧した状態とする。
【0068】
ステップS14において、開閉弁68を開き、レベルセンサー72で試料の液面を検出した後、すぐに開閉弁68を閉め、三方弁92をNOの状態とし、開閉弁96を開ける。これにより、気密容器54内を常圧の状態に戻す。
【0069】
ステップS15において、開閉弁96を閉める。
【0070】
以上のようにして、試料計量機構12では、第1の試料送出管62内の空気を全てドレンへ排出することができるため、滴定セル26に供給する試料供給量の誤差を少なくすることができる。
【0071】
<2−3.滴定セルへの供給ステップ>
滴定セルへの試料供給ステップは、例えば、以下のようなステップS20〜ステップS29からなる。
【0072】
ステップS20において、自動滴定分析装置3では、三方弁88をNCの状態とし、三方弁92をNOの状態とする。これにより、気密容器54内を減圧した状態とする。
【0073】
ステップS21において、自動滴定分析装置3では、開閉弁60を開け、めっき槽52から気密容器54内に試料を採取し、レベルセンサー74により試料の液面を検出したら開閉弁60を閉める。
【0074】
ステップS22において、自動滴定分析装置3では、三方弁88をNOとし、開閉弁96を開ける。これにより、気密容器54内を常圧の状態に戻す。
【0075】
ステップS23において、開閉弁96を閉め、三方弁92をNCの状態とする。これにより、気密容器54内を加圧した状態とする。
【0076】
ステップS24において、自動滴定分析装置3では、開閉弁60を開き、気密容器54内の無電解銅めっき液を試料計量管58の開口76からめっき槽52へ戻す。ここで、気密容器54内の無電解銅めっき液の液面が開口76の位置まで下がると、その後は空気だけがめっき槽52へ戻され、液面は変わらない。この後も気密容器54内を加圧し続けることにより、試料計量管58及び試料採取管56内のめっき液はめっき槽52へ戻されるため、気密容器54内の負圧に起因して、これらの配管内の銅めっき液が気密容器54内に流入し、試料採取量に誤差が生じるのを防止することができる。
【0077】
ここで、試料計量機構12は、気密容器54内における開口76の位置に相当する液面が所定の試料容量(例えば、5ml)に設定されるように設計されている、すなわち、気密容器54内の上記液面までの液量と第1の試料送出管62内の液量とを足したものが、試料容量となるように、開口76の位置が設定されている。これにより、試料計量機構12では、試料を正確に計量することができる。
【0078】
一般的な試料計量機構としては、レベルセンサーが液面を検出したときに開閉弁を閉じるものがあるが、開閉弁を閉じた後も配管内の液を吸入してしまい、計量に誤差が生じることがある。一方、試料計量機構12はこのような一般的な機構よりも正確に計量することができる。
【0079】
ステップS25において、自動滴定分析装置3では、開閉弁60を閉じ、開閉弁96を開き、三方弁66をNCの状態にして、気密容器54内及び第1の試料送出管62内の無電解銅めっき液を全て滴定セル26へ送出する。ここで自動滴定分析装置3では、気密容器54内を加圧するとともに開閉弁96を開くことにより開閉弁96を連通弁として機能させ、気密容器54内の圧力を軽減しているため、第2の試料送出管63から滴定セル26へ無電解銅めっき液が送出される際に滴定セル26内で無電解銅めっき液が飛び跳ねて自動滴定分析装置3を汚染したり、無電解銅めっき液が飛び跳ねて中和滴定に用いる所定量よりも減少してしまい分析値に誤差が出たりすることを防ぐことができる。
【0080】
ステップS26において、自動滴定分析装置3では、三方弁66をNOの状態にし、開閉弁68を閉じ、三方弁92をNOの状態にし、開閉弁96を閉じる。
【0081】
ステップS27において、自動滴定分析装置3では、送液ポンプ98を作動し、滴定セル26に挿入されたレベルセンサー47が溶液を検出するまで、イオン交換水タンク100からイオン交換水を滴定セル26に供給する。
【0082】
ステップS28において、自動滴定分析装置3では、送液ポンプ98の作動を停止し、スターラー50で滴定セル26内の希釈されたサンプルの攪拌を開始する。
【0083】
また、滴定セルへの試料供給ステップでは、自動滴定分析装置3は、試料を気密容器54からその外部へ送出する際に、所定の場合には警報を発するとともに、その後の作動を停止するようにするのが好ましい。これにより、例えば複数ある開閉弁に不具合が生じた場合であっても、適切な処理と正確な滴定分析を行うことができる。具体的に、所定の場合とは、例えば、レベルセンサー74が液面を検出した後、所定時間経過後に第1のレベルセンサー72が液面を検出しない場合、試料をめっき槽52から気密容器54内へ採取する際に、所定時間経過後にレベルセンサーが72液面を検出しない場合、又は、レベルセンサー72が液面を検出した後、所定時間経過後にレベルセンサー74が液面を検出しない場合をいう。
【0084】
以上のようにして、自動滴定分析装置3では、試料計量機構12から滴定セル26に試料を正確に供給することができる。
【0085】
<2−4.中和滴定ステップ>
中和滴定ステップは、例えば、以下のようなステップS30〜ステップS37からなる。
【0086】
ステップS30において、自動滴定分析装置3では、三方弁34をNOの状態にして、ビュレット22の押出板36を引き、試薬槽20内の滴定液(硫酸)をビュレット22内に吸入する。
【0087】
ステップS31において、自動滴定分析装置3では、三方弁34をNCの状態にし、切替手段46をNOの状態にして、pH電極48が所定のpHを検出するまでステッピングモータ(図示せず)でビュレット22の押出板36を押出す。これにより、ビュレット22内の滴定液が滴定セル26に滴下される。
【0088】
ステップS32において、自動滴定分析装置3では、スターラー50で滴定セル26内の無電解銅めっき液を攪拌しながら、pH電極48が所定のpH値を検出するまでビュレット22内の滴定液を滴定セル26に滴下する。
【0089】
ステップS33において、記録部5は、ビュレット22から滴定セル26内に滴下した滴定液の量を記録する。
【0090】
ステップS34において、演算部7は、無電解銅めっきの量と、記録部5に記録した滴定液の滴下量とに基づいて、無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウム濃度を算出する。
【0091】
ステップS35において、演算部7は、ステップS34で算出した水酸化ナトリウム濃度からめっき槽52内の無電解銅めっき液に補給すべき水酸化ナトリウムの量(処理液補給成分の補給量)を算出し、めっき槽52に補給を指示する。
【0092】
ステップS36において、自動滴定分析装置3では、三方弁34をNOの状態にして開閉弁28を開き、排液ポンプ29を作動する。
【0093】
ステップS37において、滴定セル26内の無電解銅めっき液及び滴定液を全てドレンに排出した後、排液ポンプ29の作動を停止する。
【0094】
以上のようにして、自動分析管理システム1では、中和滴定を行うことができる。
【0095】
<2−5.空気排出機構を用いた空気排出ステップ>
空気排出機構24を用いた空気排出ステップは、中和滴定を行わないときにビュレット22内の空気を排出するために行う。
【0096】
具体的に、空気排出機構24を用いた空気排出ステップは、例えば、以下のようなステップS40〜ステップS43からなる。
【0097】
ステップS40において、三方弁34をNOの状態にし、ビュレット22の押出板36を引き、試薬槽20内の滴定液をビュレット22内に吸入する。
【0098】
ステップS41において、三方弁34をNCの状態にし、切替手段46をNCの状態にし、チャンバ40内の空気を全て排出するまでステッピングモータ(図示せず)でビュレット22の押出板36を押し出す。このとき、空気は、図2に示すように、チャンバ40の上端から空気送出管42を通じて滴定セル26に排出される。
【0099】
ステップS42において、切替手段46をNOの状態にし、三方弁34をNOの状態にし、開閉弁28を開く。
【0100】
ステップS43において、排液ポンプ29により滴定セル26内の滴定液を全て排出した後、開閉弁28を閉じる。
【0101】
以上のようにして、空気排出機構24を用いた空気排出ステップでは、ビュレット22からチャンバ40に流れた空気を排出することができる。このように空気排出機構24を用いて空気排出を行うことにより、滴定液を滴定セル26に供給すべきときに滴定セル26に空気が供給させずに滴定液の供給量に誤差が生じるのを防止して、滴定液を滴定セルに正確に供給できるため、精度の高い自動滴定分析を行うことができる。
【0102】
<3.他の実施形態>
上記分析部10は、図3に示す分析部108のような構成としてもよい。図3に示す分析部108は、空気排出機構24において、空気送出管42に開閉弁110を備えるとともに、滴定液送出管44に開閉弁112を備える。開閉弁110は、空気送出管42をチャンバ40とドレンとの間で連通させた状態と遮断した状態とを切換える。開閉弁112は、滴定液送出管44をチャンバ40と滴定セル26との間で連通させた状態と遮断した状態とを切換える。なお、分析部108において、上述した分析部10と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施形態では空気送出管42をドレンに連通させているが、空気送出管42を試薬槽20に連通させ、試薬を戻すようにしてもよい。試薬の消費量を減らすことができる。
【0103】
また、上記説明では、分析部10は、無電解銅めっき液中の水酸化ナトリウム濃度を算出するようにしたが、同様にホルマリン濃度を算出するようにしてもよい。
【0104】
また、上記説明では、試料計量機構12は、1つのめっき槽52から試料となる無電解銅めっき液を採取するものとしたが、複数のめっき槽から試料を採取するようにしてもよい。
【0105】
また、空気排出機構24は、1回の滴定分析ごとに作動させるようにしてもよく、滴定分析を複数回行った後に1回作動させるようにしてもよい。
【0106】
また、上記説明では、気密容器54の加圧と減圧とを同一の加減圧手段(エアポンプ)で行うようにしたが、これに限定されず、別個のポンプで加圧と減圧とをそれぞれ行うようしてもよい。
【0107】
また、切替手段46から滴定セル26への配管である滴定液送出管44とに流量計を設けるようにしてもよい。これにより、正確な液量を測定することができるため、その結果を滴定分析に用いることで、より正確に滴定分析を行うことができる。流量計としては、微小流量を計測できるコリオリ式流量計や、超音波流量計を用いることが好ましい。
【0108】
また、滴定分析の対象となる試料としては、上記無電解銅めっき液以外にも、各種処理液、例えば、無電解めっき液、電気めっき液、エッチング液、ジンケート液及び酸洗浄を用いることができる。
【0109】
また、滴定液としては、試料に応じて硫酸以外の滴定液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液や過マンガン酸カリウム水溶液を用いるようにしてもよい。
【0110】
また、自動分析管理システム1では、上述したpH電極48の代わりにORP(Oxidation-reduction Potential)電極を用いてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 自動分析管理システム、3 自動滴定分析装置、5 記録部、7 演算部、10,108 分析部、12 試料計量機構、20 試薬槽、22 ビュレット、24 空気排出機構、26 滴定セル、27 排出管、28 開閉弁、29 排液ポンプ、30 滴定液採取管、34 三方弁、36 押出板、38 滴定液送出管、40 チャンバ、42 空気送出管、44 滴定液送出管、46 三方弁、47 レベルセンサ、48 pH電極、50 スターラー、52 めっき槽、54 気密容器、56 試料採取管、58 試料計量管、60 開閉弁、62 第1の試料送出管、63 第2の試料送出管、64 第3の試料送出管、66 三方弁、68 開閉弁、70 加減圧手段、72 レベルセンサー、74 レベルセンサー、76 開口、80 エアポンプ、82 空気送出管、84 エアカラム、86 空気送出管、88 三方弁、90 空気送出管、92 三方弁、94 空気送出管、96 開閉弁、98 送液ポンプ、100 イオン交換水タンク、104 開閉弁、110,112 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が採取される滴定セルと、滴定液を前記滴定セルに供給するビュレットとを備え、該ビュレットから供給された滴定液を該滴定セル内の前記試料に滴下し、該試料を分析する自動滴定分析装置において、
前記ビュレットから供給された滴定液に含まれる空気を排出する空気排出機構をさらに備えることを特徴とする自動滴定分析装置。
【請求項2】
前記空気排出機構は、
前記ビュレットから供給された滴定液を受け入れ、前記空気を上部に貯留するチャンバと、
一端が前記チャンバの下部に連通し、他端が切替手段を介して前記滴定セルに接続し、前記ビュレットから供給された滴定液を該滴定セルに送出する滴定液送出管と、
一端が前記チャンバの上端に連通し、他端が前記切替手段と接続され、前記チャンバの上部に貯留する空気を送出する空気送出管とをさらに備え、
前記切替手段は、前記滴定液送出管及び前記空気送出管の一方を前記チャンバと前記滴定セルとの間で連通させた状態と、他方を該チャンバと該滴定セルとの間で連通させた状態とを切替えることを特徴とする請求項1記載の自動滴定分析装置。
【請求項3】
前記自動滴定分析装置外から前記試料を採取して計量し、前記滴定セルへ供給する試料計量機構をさらに備え、
前記試料計量機構は、
試料供給部から試料採取管を介して前記試料が供給される気密容器と、
前記気密容器の上方から前記気密容器内に略垂直に挿入され、一端が前記試料採取管と連通し、他端に該気密容器と連通する開口が設けられた試料計量管と、
前記試料採取管の連通を制御する第1の開閉弁と、
一端が前記気密容器と連通する第1の試料送出管と、
前記第1の試料送出管の他端と連通する三方弁と、
一端が前記三方弁と連通し、他端が前記滴定セルに連通する第2の試料送出管と、
前記三方弁と当該自動滴定分析装置外との間の連通を制御する第2の開閉弁と、
前記気密容器内を加圧又は減圧する加減圧手段と、
前記気密容器内に採取された前記開口の位置より上方の液面を検出する第1のレベルセンサーと、
前記第1のレベルセンサーによる液面検出位置より上方の液面を検出する第2のレベルセンサーとを有し、
前記三方弁は、前記第1の試料送出管と前記第2の試料送出管とが連通した状態と、前記第1の試料送出管と当該自動滴定分析装置外とが連通した状態とを切替えるようになっており、
前記気密容器と前記第1の試料送出管の一端とは、前記試料計量管の開口よりも下方位置で連通しており、
前記試料計量管の開口の位置は、前記滴定セルに供給される前記試料を前記気密容器及び前記第1の試料送出管に充填した際の前記気密容器内の液面と同一になるように設定されており、
前記第2のレベルセンサーが検出する液量と前記第1のレベルセンサーが検出する液量との差は、前記第1の試料送出管内の液量より多くなるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動滴定分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動滴定分析装置を用いた自動滴定分析方法において、
前記第2の開閉弁を閉じ、前記三方弁により前記第1の試料送出管と前記第2の試料送出管との連通及び前記第1の試料送出管と当該自動滴定分析装置外との連通を遮断し、前記第1の開閉弁を開いた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を減圧することで、前記第2のレベルセンサーが液面を検出するまで前記試料供給部から前記気密容器に試料を採取し、
前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開き、前記三方弁により前記第1の試料送出管と当該自動的滴定分析装置外とを連通させた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、前記第1のレベルセンサーが液面を検出するまで前記試料を前記気密容器から当該自動的滴定分析装置外へ送出する試料送出管内の空気排出ステップと、
前記第2の開閉弁を閉じ、前記三方弁により前記第1の試料送出管と当該自動的滴定分析装置外との連通を遮断し、前記第1の開閉弁を開いた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を減圧することで、前記第2のレベルセンサーが液面を検出するまで前記試料供給部から前記気密容器に試料を採取し、
前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、該気密容器内の液面を前記開口の位置と同一になるまで下げるとともに、前記試料計量管及び前記試料採取管内に存在する試料を当該自動的滴定分析装置外に送出する試料計量ステップと、
前記第1の開閉弁を閉じ、前記三方弁により前記第1の試料送出管と前記第2の試料送出管とを連通させた後に、前記加減圧手段を用いて前記気密容器内を加圧することで、前記気密容器内及び前記第1の試料送出管内に存在する前記試料を全て前記滴定セルに供給する試料供給ステップとを有することを特徴とする自動滴定分析方法。
【請求項5】
前記試料供給ステップにおいて、前記気密容器内及び前記第1の試料送出管内に存在する試料を全て前記滴定セルに供給する際に、前記気密容器と該気密容器の外部との連通を制御する連通弁により、前記気密容器と該気密容器の外部とを連通させて、前記気密容器内の圧力を軽減することを特徴とする請求項4記載の自動滴定分析方法。
【請求項6】
前記気密容器から前記試料を送出する際に、
前記第2のレベルセンサーが液面を検出した後、所定時間経過後に前記第1のレベルセンサーが液面を検出しない場合、
前記試料供給部から前記気密容器内に前記試料を採取する際に、所定時間経過後に前記第1のレベルセンサーが液面を検出しない場合、又は、
前記第1のレベルセンサーが液面を検出した後、所定時間経過後に前記第2のレベルセンサーが液面を検出しない場合には、
当該自動的滴定分析装置は、警報を発するとともに、その後の作動を停止することを特徴とする請求項4記載の自動滴定分析方法。
【請求項7】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の自動滴定分析装置と、
前記自動滴定分析装置による処理液の分析結果を記録する記録部と、
前記記録部に記録した前記分析結果から処理液補給成分の補給量を算出し、該処理液補給成分の補給を試料供給部に指示する演算部と
を備える処理液の自動分析管理システム。
【請求項8】
請求項4乃至6のうちいずれか1項記載の自動滴定分析方法を用いて処理液の滴定分析を行う処理液の自動滴定分析方法において、
前記滴定分析の結果から処理液補給成分の補給量を算出し、該処理液補給成分の補給を前記試料供給部に指示することを特徴とする処理液の自動滴定分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−220944(P2011−220944A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92657(P2010−92657)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000189327)上村工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】