自動演奏ピアノ
【課題】打弦調整が容易な駆動手段を用いた自動演奏ピアノを提供する。
【解決手段】自動演奏ピアノは、鍵を揺動させる駆動装置5として、コイル52からなる固定子50と、永久磁石からなる可動子54とを備えるものを用いている。また、各鍵の駆動装置5は千鳥に配置され、さらに、隣接する駆動装置5間には、隣接する駆動装置5の可動子54の磁束の影響を低減するシールド部材が配置されている。この自動演奏ピアノのように、可動子54として永久磁石を用いると、可動子54のストローク量に対する固定子50の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示すので、打鍵調整を容易に行うことができる。また、シールド部材により、隣接する駆動装置5の磁束の影響を受けて、誤って可動子54が動くこともない。
【解決手段】自動演奏ピアノは、鍵を揺動させる駆動装置5として、コイル52からなる固定子50と、永久磁石からなる可動子54とを備えるものを用いている。また、各鍵の駆動装置5は千鳥に配置され、さらに、隣接する駆動装置5間には、隣接する駆動装置5の可動子54の磁束の影響を低減するシールド部材が配置されている。この自動演奏ピアノのように、可動子54として永久磁石を用いると、可動子54のストローク量に対する固定子50の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示すので、打鍵調整を容易に行うことができる。また、シールド部材により、隣接する駆動装置5の磁束の影響を受けて、誤って可動子54が動くこともない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動演奏ピアノに関し、特に、自動演奏ピアノにおいて、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動演奏ピアノは、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動装置として、コイルからなる固定子に、鉄心からなる可動子を備えたものが用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような駆動装置の場合、図10(a)に示すように、可動子のストローク量に対する固定子の駆動力(固定子への通電量)が2次元グラフのような関係を示し、打鍵調整が難しいという欠点があった。
【0004】
また、図10(b)に示すように、従来の駆動装置100は、固定子が可動子を吸着する力を利用して可動子を動かしており、可動子をコイルの軸方向長さより長く構成し、可動子のコイルより長くなった部分を、ストロークのためコイルの外側に予め配置しておく必要があり、また、棚板104と鍵103との間の空間が狭いので、駆動装置100を棚板104に取り付けるためには、可動子が固定子よりも長くなった部分を配置するスペースを確保する必要から棚板104を削る必要があった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、打弦調整が容易でありかつ、棚板を削ることなく取り付けが可能な駆動手段を用いた自動演奏ピアノを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の鍵と、鍵毎に設置され、押鍵されて揺動する鍵の動作を、弦を打弦する動作に変換するアクションと、鍵毎に設置され、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動手段とを備える自動演奏ピアノにおいて、駆動手段は、楽音データに従って励磁されるコイルを有する固定子と、励磁されたコイルから磁力を受けて移動し、鍵を揺動させる永久磁石を有する可動子と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように可動子に永久磁石を用いると、可動子のストローク量に対する固定子の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示す。そのため、本発明の駆動手段は、打鍵調整を容易に行うことができる。
【0008】
また、本発明の駆動手段は、可動子を固定子で吸着するのではなく、可動子を固定子に対して反発させて駆動しているため、鉄心からなる可動子を用いた駆動手段のように、非駆動時に可動子を固定子よりも下方に突出させておく必要がなく、すなわち、非駆動時の可動子と固定子とを合わせた全長を短くできるので、本発明の駆動手段は、棚板を削ることなく、棚板に取り付けることができる。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明のように、各駆動手段を、鍵の配列方向に沿って千鳥に配置した場合、各駆動手段からみて、千鳥に配列される方向と、鍵の配列方向とに配置される隣接する各駆動手段との間に、永久磁石の磁束の遮蔽するシールド部材を配置するとよい。
【0010】
本発明のように永久磁石を備える駆動手段を用いた場合、隣接する駆動手段の可動子同士が作用し合い、鍵を揺動するタイミングでないときに、隣接する駆動手段の可動子の影響を受けて可動子が動き、誤って鍵を揺動させてしまう可能性がある。
【0011】
しかし、本発明のように、各駆動手段を、鍵の配列方向に沿って千鳥に配置すれば、各駆動手段を鍵の配列方向に配置した場合に比べて、駆動手段間の距離をかせぐことができるので、隣接する駆動手段の可動子からの影響を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明のように、千鳥に配列される方向と、鍵の配列方向とに配置される隣接する各駆動手段との間に、磁束を遮蔽するシールド部材を配置すれば、各駆動手段において、隣接する駆動手段の可動子の影響を受けて、誤って鍵を揺動させてしまうことを、より効果的に防止することができる。
【0013】
次に、請求項3に記載の発明のように、可動子の少なくとも一部が、コイルが形成する筒内に挿入可能な大きさに形成され、かつ、可動子が、コイルの中心軸上を、中心軸に沿って移動可能に設置されている場合、駆動手段は、可動子の全てが固定子から抜け出ることを防止する抜止手段を備えるとよい。
【0014】
このようにすれば、可動子がコイルから抜け出ることを防止できるので、自動演奏ピアノの運搬の際に、自動演奏ピアノを傾けるなどしても、駆動手段が機能しなくなることを考慮することなく運搬することができる。
【0015】
尚、可動子は、全体がコイルの筒内に挿入可能な大きさに形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の自動演奏ピアノが備えるアクションの側面図である。
【図2】本実施形態の自動演奏ピアノが備える制御装置のブロック図である。
【図3】本実施形態の駆動装置の説明図で、(a)は駆動装置の斜視図、(b)は(a)のA−A’断面図である(断面を示す斜線は省略している)。
【図4】本実施形態の駆動装置の配置図で、上方から見た平面図で示している。
【図5】本実施形態の駆動装置が備える駆動装置の特性を示すグラフで、可動子のストローク量−固定子の駆動力のグラフである。
【図6】駆動回路の回路図である。
【図7】駆動装置の特性を示すグラフで、(a)は時間−駆動電流のグラフ、(b)は可動子が鉄心である従来の駆動装置の時間−ストロークのグラフ、(c)は本実施形態の駆動装置の時間−ストロークのグラフである。
【図8】駆動装置の他の実施例の断面図である。
【図9】駆動装置の他の実施例の断面図である。
【図10】従来の駆動装置が備える駆動装置の特性を示すグラフで、可動子のストローク量−固定子の駆動力のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[1.全体構造] 本実施形態の自動演奏ピアノ1は、図1に示すように、個々に配設された駆動装置5の動作によって揺動する鍵11と、駆動装置5により鍵11が押されると上昇するキャプスタンスクリュー12と、ウイッペンフレンジ13を介してウイッペンレール14に回動可能に支持され、キャプスタンスクリュー12の上昇によって上向きに回動するウイッペン15と、ウイッペン15に回動可能に連結され、レギュレチングボタン16に当接するまでウイッペン15と共に上昇するジャック17と、ジャック17に当接し、ジャック17に突き上げられると分離するシャンクローラ18と、シャンクフレンジ19を介してシャンクレール20に回動可能に支持され、シャンクローラ18が突き上げられると上向きに回動するハンマシャンク21と、ハンマシャンク21の先端に装着されたハンマ23と、ハンマ23によって叩かれる弦25などとからなるアクションを備えている。
【0018】
また、自動演奏ピアノ1は、図2に示すように、CPU30a,ROM30b,RAM30cなどを備えるコントロール部3と、演奏情報を記憶する記憶部31と、操作パネル32とを備えている。
【0019】
このコントロール部3は、操作パネル32が操作され、ユーザーにより楽曲が選択されると、その選択された楽曲について、記憶部31に記憶された演奏情報に基づいて、駆動装置5を操作して鍵11を揺動させ、自動演奏を実行する。
【0020】
[2.駆動装置] 次に、駆動装置5について説明する。
この駆動装置5は、図3(a)に示すように、円筒状に形成された固定子50と、永久磁石なるからなる可動子54とを備えている。
【0021】
固定子50は、図3(b)に示すように、円筒状に形成されたボディ部51aと、このボディ部51aの軸方向の両端から外側に向かって径方向に延設されたツバ部51bとを有する形状に形成されたコイル巻回体51を備えている。
【0022】
そして、固定子50では、ツバ部51bによってボディ部51aからはみ出ないように、ボディ部51aに銅線が巻かれ、コイル52を形成している。
可動子54は、永久磁石で構成されており、ボディ部51aに収納可能な径で形成され、かつ、軸方向長さが、ボディ部51aの軸方向長さと同じ長さの円筒形状に形成されている。
【0023】
このように構成された駆動装置5では、コントロール部3によってコイル52が励磁されると、コイル52で発生した磁力により、可動子54が固定子50から突出し、鍵11の非演奏者側を押し上げる。すると、押し上げられた鍵11の動作がハンマ23に伝わり(図1参照)、ハンマ23が弦25を打弦して楽音が発生する。
【0024】
次に、ボディ部51aの内部表面であって、ボディ部51aの長手方向の一端側には、ボディ部51aから突設された突起51cが設けられ、また、可動子54の外部表面のうち、突起51cが設けられた側とは反対側であって、軸方向の一方の端部側に突起54aが設けられている。
【0025】
このため、この駆動装置5が取り付けられた自動演奏ピアノ1が運搬時に傾けられる等しても、突起54aが突起51cに引っかかり、可動子54が固定子50から抜けることが防止される。
【0026】
[3.シールド部材] 次に、シールド部材7について説明する。
本実施形態の自動演奏ピアノ1は、図4に示すように、各鍵11毎に駆動装置5が設けられ、これら駆動装置5は、図4に示すように、鍵11の配列方向に沿って千鳥に配置されている。
【0027】
そして、このシールド部材7は、各駆動装置5からみて、各駆動装置5が千鳥に配列される方向と、鍵11の配列方向とに配置される隣接する各駆動装置5との間に配置されるように、駆動装置5の間を縫って配置されている。
【0028】
このシールド部材7としては、上述した隣接する駆動装置5間で、互いの可動子54が磁束の影響を受けて動かないように、隣接する可動子54の磁束を遮蔽可能な鉄等の高透磁率の材料が用いられている。
【0029】
[4.効果] 以上のように構成された自動演奏ピアノ1では、以下のような効果を有する。
本実施形態の自動演奏ピアノ1では、駆動装置5の可動子54として永久磁石を用いている。
【0030】
このように可動子54に永久磁石を用いると、図5に示すように、可動子54のストローク量に対する固定子50の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示す。そのため、本実施形態の駆動装置5は、打鍵調整を容易に行うことができる。
【0031】
また、本実施形態の駆動装置5は、可動子を固定子で吸着するのではなく、可動子54を固定子50に対して反発させて駆動しているので、本実施形態の駆動装置5は、棚板を削ることなく、棚板に取り付けることができる。
【0032】
次に、本実施形態のように永久磁石を備える駆動装置5を用いた場合、隣接する駆動装置5の可動子54同士が作用し合い、鍵11を揺動するタイミングでないときに、隣接する駆動装置5の可動子54の影響を受けて動き、誤って鍵11を揺動させてしまう可能性がある。
【0033】
しかし、本実施形態のように、各駆動装置5を、鍵11の配列方向に沿って千鳥に配置すれば(図4参照)、各駆動装置5を鍵11の配列方向に配置した場合に比べて、駆動装置5間の距離をかせぐことができるので、隣接する駆動装置5の可動子54から影響を少なくすることができる。
【0034】
また、本実施形態のように、千鳥に配列される方向と、鍵11の配列方向とに配置される隣接する各駆動装置5との間に、磁束を遮蔽するシールド部材7を配置すれば、各駆動装置5において、隣接する駆動装置5の可動子54の影響を受けて、誤って鍵11を揺動させてしまうことを、より効果的に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態の駆動装置5は、可動子54の全てが固定子から抜け出ることを防止する抜止手段として突起51c及び突起54aを備えおり、可動子54がコイル52から抜け出ることを防止できるので、自動演奏ピアノ1の運搬の際に、自動演奏ピアノ1を傾けるなどしても、駆動装置5が機能しなくなることを考慮することなく運搬することができる。
【0036】
(その他の実施形態) (駆動装置) 上記実施形態の駆動装置5を動作させる駆動回路8aとしては、図6(a)に示すように、コイル52に対して並列に接続されたダイオード80と、これらコイル52及びダイオード80に対し直列に接続されたトランジスタ81からなるものを用いてもよい。
【0037】
この場合、ダイオード80は、カソードが電源側を向き、アノードがトランジスタ側を向くように接続される。
また、トランジスタ80は、コレクタがダイオード80のアノード及びコイル52と接続され、エミッタがアースされ、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0038】
この駆動回路8aでは、コントロール部3からトランジスタ80のベースにオン信号を入力すると、トランジスタ80がオンしてコイル52に電流が流れ、駆動装置5の可動子54を動作させて、鍵11を揺動することができる。
【0039】
上記実施形態の駆動装置5を動作させる他の駆動回路8bとしては、図6(b)に示すように、4つのトランジスタ82a〜82dと、2つのダイオード80a〜80bからなるものを用いてもよい。
【0040】
この場合、トランジスタ82aは、コレクタが電源及びダイオード80aのカソード側に接続され、エミッタがダイオード80aのアノード、及び、コイル52の一方の入力端に接続され、ベースがコントロール部3(図2参照)に接続される。
【0041】
トランジスタ82bは、コレクタが電源及びダイオード80bのカソード側に接続され、エミッタがダイオード80bのアノード、及び、コイル52の他方の入力端に接続され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0042】
トランジスタ82cは、コレクタがコイル52の一方の入力端に接続され、エミッタが接地され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
トランジスタ82dは、コレクタがコイル52の他方の入力端に接続され、エミッタが接地され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0043】
この駆動回路8bでは、コントロール部3からトランジスタ82a及びトランジスタ82dをオンすると、コイル52の一方の入力端から他方の入力端に電流が流れ、可動子54が固定子50から突出して、鍵11を揺動することができる。
【0044】
一方、コントロール部3からトランジスタ82b及びトランジスタ82cをオンすると、コイル52の他方の入力端から一方の入力端に電流が流れ、突出した可動子54を固定子50に対して引っ込めることができる。
【0045】
そのため、この駆動回路8bを用いると、駆動回路8aのように可動子54を固定子50に収納する動作を自然落下に任せず、この動作をもトランジスタ82a〜82dをオンオフしてコントロールしているので、駆動回路8aを用いた場合に比べ、連打性能が向上する。
【0046】
また、駆動回路8bを用いると水平方向に対して可動子54を移動できる。
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0047】
可動子に鉄心を用いた駆動装置の場合、図7(a)に示すように、時間経過とともにコイルに流す駆動電流を大きくしていくと、可動子と固定子との距離、及び、コイルの巻回数その他の影響により、図7(b)に示すように、所定時間が経過したときに、可動子が急速にストロークする。
【0048】
しかし、本実施形態のように、可動子54に永久磁石を用いた駆動装置5の場合、図7(c)に示すように、時間に対して正比例した距離、可動子54がストロークする。
このことは、本実施形態の駆動装置5が、電流値を変化させると、可動子54が電流値に応じた速度でストロークすることを示している。
【0049】
そのため、本実施形態の駆動装置5を用いると、強弱を付けて鍵11を揺動することができる。
次に、上記実施形態では、可動子54に永久磁石を有するものを用い、固定子50にコイル52を備える駆動装置5について説明したが、可動子としてコイル、固定子として永久磁石を用いたものとしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、駆動装置5を用いて鍵11を揺動するようにしたが、この駆動装置5を用いてウィッペン15やハンマー23を動作させてもよい。
また、上記実施形態では、可動子54として、全体が永久磁石からなるものを用いたが、図8に示すように、可動子54としては、上部を鉄540で構成し、下部を永久磁石541で形成してもよい。
【0051】
また、可動子54の最下部には、クッション材542を設けてもよい。このクッション材542を設けると、可動子54が降りてくるときに棚板に当たって雑音が発生することを防止することができる。クッション材542は、発砲ウレタン・スポンジ等で構成するとよい。
【0052】
クッション材542と永久磁石541との間の部分で、突起54aを構成する部分543は、鉄材で構成するとよい。
次に、上記実施形態では、図4に示すように、駆動装置5間に磁束を遮蔽するシールド材7を配置したが、図9に示すように、このシールド材7に代えて、コイル52の外周を覆う鉄製のシールド材55を設けてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…自動演奏ピアノ、3…コントロール部、5…駆動装置、7…シールド部材、11…鍵、12…キャプスタンスクリュー、13…ウイッペンフレンジ、14…ウイッペンレール、15…ウイッペン、16…レギュレチングボタン、17…ジャック、18…シャンクローラ、19…シャンクフレンジ、20…シャンクレール、21…ハンマシャンク、23…ハンマ、25…弦、31…記憶部、32…操作パネル、50…固定子、51…コイル巻回体、51a…ボディ部、51b…ツバ部、51c…突起、52…コイル、54…可動子、54a…突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動演奏ピアノに関し、特に、自動演奏ピアノにおいて、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動演奏ピアノは、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動装置として、コイルからなる固定子に、鉄心からなる可動子を備えたものが用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような駆動装置の場合、図10(a)に示すように、可動子のストローク量に対する固定子の駆動力(固定子への通電量)が2次元グラフのような関係を示し、打鍵調整が難しいという欠点があった。
【0004】
また、図10(b)に示すように、従来の駆動装置100は、固定子が可動子を吸着する力を利用して可動子を動かしており、可動子をコイルの軸方向長さより長く構成し、可動子のコイルより長くなった部分を、ストロークのためコイルの外側に予め配置しておく必要があり、また、棚板104と鍵103との間の空間が狭いので、駆動装置100を棚板104に取り付けるためには、可動子が固定子よりも長くなった部分を配置するスペースを確保する必要から棚板104を削る必要があった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、打弦調整が容易でありかつ、棚板を削ることなく取り付けが可能な駆動手段を用いた自動演奏ピアノを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の鍵と、鍵毎に設置され、押鍵されて揺動する鍵の動作を、弦を打弦する動作に変換するアクションと、鍵毎に設置され、楽音データに従って鍵を揺動させる駆動手段とを備える自動演奏ピアノにおいて、駆動手段は、楽音データに従って励磁されるコイルを有する固定子と、励磁されたコイルから磁力を受けて移動し、鍵を揺動させる永久磁石を有する可動子と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように可動子に永久磁石を用いると、可動子のストローク量に対する固定子の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示す。そのため、本発明の駆動手段は、打鍵調整を容易に行うことができる。
【0008】
また、本発明の駆動手段は、可動子を固定子で吸着するのではなく、可動子を固定子に対して反発させて駆動しているため、鉄心からなる可動子を用いた駆動手段のように、非駆動時に可動子を固定子よりも下方に突出させておく必要がなく、すなわち、非駆動時の可動子と固定子とを合わせた全長を短くできるので、本発明の駆動手段は、棚板を削ることなく、棚板に取り付けることができる。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明のように、各駆動手段を、鍵の配列方向に沿って千鳥に配置した場合、各駆動手段からみて、千鳥に配列される方向と、鍵の配列方向とに配置される隣接する各駆動手段との間に、永久磁石の磁束の遮蔽するシールド部材を配置するとよい。
【0010】
本発明のように永久磁石を備える駆動手段を用いた場合、隣接する駆動手段の可動子同士が作用し合い、鍵を揺動するタイミングでないときに、隣接する駆動手段の可動子の影響を受けて可動子が動き、誤って鍵を揺動させてしまう可能性がある。
【0011】
しかし、本発明のように、各駆動手段を、鍵の配列方向に沿って千鳥に配置すれば、各駆動手段を鍵の配列方向に配置した場合に比べて、駆動手段間の距離をかせぐことができるので、隣接する駆動手段の可動子からの影響を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明のように、千鳥に配列される方向と、鍵の配列方向とに配置される隣接する各駆動手段との間に、磁束を遮蔽するシールド部材を配置すれば、各駆動手段において、隣接する駆動手段の可動子の影響を受けて、誤って鍵を揺動させてしまうことを、より効果的に防止することができる。
【0013】
次に、請求項3に記載の発明のように、可動子の少なくとも一部が、コイルが形成する筒内に挿入可能な大きさに形成され、かつ、可動子が、コイルの中心軸上を、中心軸に沿って移動可能に設置されている場合、駆動手段は、可動子の全てが固定子から抜け出ることを防止する抜止手段を備えるとよい。
【0014】
このようにすれば、可動子がコイルから抜け出ることを防止できるので、自動演奏ピアノの運搬の際に、自動演奏ピアノを傾けるなどしても、駆動手段が機能しなくなることを考慮することなく運搬することができる。
【0015】
尚、可動子は、全体がコイルの筒内に挿入可能な大きさに形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の自動演奏ピアノが備えるアクションの側面図である。
【図2】本実施形態の自動演奏ピアノが備える制御装置のブロック図である。
【図3】本実施形態の駆動装置の説明図で、(a)は駆動装置の斜視図、(b)は(a)のA−A’断面図である(断面を示す斜線は省略している)。
【図4】本実施形態の駆動装置の配置図で、上方から見た平面図で示している。
【図5】本実施形態の駆動装置が備える駆動装置の特性を示すグラフで、可動子のストローク量−固定子の駆動力のグラフである。
【図6】駆動回路の回路図である。
【図7】駆動装置の特性を示すグラフで、(a)は時間−駆動電流のグラフ、(b)は可動子が鉄心である従来の駆動装置の時間−ストロークのグラフ、(c)は本実施形態の駆動装置の時間−ストロークのグラフである。
【図8】駆動装置の他の実施例の断面図である。
【図9】駆動装置の他の実施例の断面図である。
【図10】従来の駆動装置が備える駆動装置の特性を示すグラフで、可動子のストローク量−固定子の駆動力のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[1.全体構造] 本実施形態の自動演奏ピアノ1は、図1に示すように、個々に配設された駆動装置5の動作によって揺動する鍵11と、駆動装置5により鍵11が押されると上昇するキャプスタンスクリュー12と、ウイッペンフレンジ13を介してウイッペンレール14に回動可能に支持され、キャプスタンスクリュー12の上昇によって上向きに回動するウイッペン15と、ウイッペン15に回動可能に連結され、レギュレチングボタン16に当接するまでウイッペン15と共に上昇するジャック17と、ジャック17に当接し、ジャック17に突き上げられると分離するシャンクローラ18と、シャンクフレンジ19を介してシャンクレール20に回動可能に支持され、シャンクローラ18が突き上げられると上向きに回動するハンマシャンク21と、ハンマシャンク21の先端に装着されたハンマ23と、ハンマ23によって叩かれる弦25などとからなるアクションを備えている。
【0018】
また、自動演奏ピアノ1は、図2に示すように、CPU30a,ROM30b,RAM30cなどを備えるコントロール部3と、演奏情報を記憶する記憶部31と、操作パネル32とを備えている。
【0019】
このコントロール部3は、操作パネル32が操作され、ユーザーにより楽曲が選択されると、その選択された楽曲について、記憶部31に記憶された演奏情報に基づいて、駆動装置5を操作して鍵11を揺動させ、自動演奏を実行する。
【0020】
[2.駆動装置] 次に、駆動装置5について説明する。
この駆動装置5は、図3(a)に示すように、円筒状に形成された固定子50と、永久磁石なるからなる可動子54とを備えている。
【0021】
固定子50は、図3(b)に示すように、円筒状に形成されたボディ部51aと、このボディ部51aの軸方向の両端から外側に向かって径方向に延設されたツバ部51bとを有する形状に形成されたコイル巻回体51を備えている。
【0022】
そして、固定子50では、ツバ部51bによってボディ部51aからはみ出ないように、ボディ部51aに銅線が巻かれ、コイル52を形成している。
可動子54は、永久磁石で構成されており、ボディ部51aに収納可能な径で形成され、かつ、軸方向長さが、ボディ部51aの軸方向長さと同じ長さの円筒形状に形成されている。
【0023】
このように構成された駆動装置5では、コントロール部3によってコイル52が励磁されると、コイル52で発生した磁力により、可動子54が固定子50から突出し、鍵11の非演奏者側を押し上げる。すると、押し上げられた鍵11の動作がハンマ23に伝わり(図1参照)、ハンマ23が弦25を打弦して楽音が発生する。
【0024】
次に、ボディ部51aの内部表面であって、ボディ部51aの長手方向の一端側には、ボディ部51aから突設された突起51cが設けられ、また、可動子54の外部表面のうち、突起51cが設けられた側とは反対側であって、軸方向の一方の端部側に突起54aが設けられている。
【0025】
このため、この駆動装置5が取り付けられた自動演奏ピアノ1が運搬時に傾けられる等しても、突起54aが突起51cに引っかかり、可動子54が固定子50から抜けることが防止される。
【0026】
[3.シールド部材] 次に、シールド部材7について説明する。
本実施形態の自動演奏ピアノ1は、図4に示すように、各鍵11毎に駆動装置5が設けられ、これら駆動装置5は、図4に示すように、鍵11の配列方向に沿って千鳥に配置されている。
【0027】
そして、このシールド部材7は、各駆動装置5からみて、各駆動装置5が千鳥に配列される方向と、鍵11の配列方向とに配置される隣接する各駆動装置5との間に配置されるように、駆動装置5の間を縫って配置されている。
【0028】
このシールド部材7としては、上述した隣接する駆動装置5間で、互いの可動子54が磁束の影響を受けて動かないように、隣接する可動子54の磁束を遮蔽可能な鉄等の高透磁率の材料が用いられている。
【0029】
[4.効果] 以上のように構成された自動演奏ピアノ1では、以下のような効果を有する。
本実施形態の自動演奏ピアノ1では、駆動装置5の可動子54として永久磁石を用いている。
【0030】
このように可動子54に永久磁石を用いると、図5に示すように、可動子54のストローク量に対する固定子50の駆動力(固定子への通電量)が直線的な関係を示す。そのため、本実施形態の駆動装置5は、打鍵調整を容易に行うことができる。
【0031】
また、本実施形態の駆動装置5は、可動子を固定子で吸着するのではなく、可動子54を固定子50に対して反発させて駆動しているので、本実施形態の駆動装置5は、棚板を削ることなく、棚板に取り付けることができる。
【0032】
次に、本実施形態のように永久磁石を備える駆動装置5を用いた場合、隣接する駆動装置5の可動子54同士が作用し合い、鍵11を揺動するタイミングでないときに、隣接する駆動装置5の可動子54の影響を受けて動き、誤って鍵11を揺動させてしまう可能性がある。
【0033】
しかし、本実施形態のように、各駆動装置5を、鍵11の配列方向に沿って千鳥に配置すれば(図4参照)、各駆動装置5を鍵11の配列方向に配置した場合に比べて、駆動装置5間の距離をかせぐことができるので、隣接する駆動装置5の可動子54から影響を少なくすることができる。
【0034】
また、本実施形態のように、千鳥に配列される方向と、鍵11の配列方向とに配置される隣接する各駆動装置5との間に、磁束を遮蔽するシールド部材7を配置すれば、各駆動装置5において、隣接する駆動装置5の可動子54の影響を受けて、誤って鍵11を揺動させてしまうことを、より効果的に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態の駆動装置5は、可動子54の全てが固定子から抜け出ることを防止する抜止手段として突起51c及び突起54aを備えおり、可動子54がコイル52から抜け出ることを防止できるので、自動演奏ピアノ1の運搬の際に、自動演奏ピアノ1を傾けるなどしても、駆動装置5が機能しなくなることを考慮することなく運搬することができる。
【0036】
(その他の実施形態) (駆動装置) 上記実施形態の駆動装置5を動作させる駆動回路8aとしては、図6(a)に示すように、コイル52に対して並列に接続されたダイオード80と、これらコイル52及びダイオード80に対し直列に接続されたトランジスタ81からなるものを用いてもよい。
【0037】
この場合、ダイオード80は、カソードが電源側を向き、アノードがトランジスタ側を向くように接続される。
また、トランジスタ80は、コレクタがダイオード80のアノード及びコイル52と接続され、エミッタがアースされ、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0038】
この駆動回路8aでは、コントロール部3からトランジスタ80のベースにオン信号を入力すると、トランジスタ80がオンしてコイル52に電流が流れ、駆動装置5の可動子54を動作させて、鍵11を揺動することができる。
【0039】
上記実施形態の駆動装置5を動作させる他の駆動回路8bとしては、図6(b)に示すように、4つのトランジスタ82a〜82dと、2つのダイオード80a〜80bからなるものを用いてもよい。
【0040】
この場合、トランジスタ82aは、コレクタが電源及びダイオード80aのカソード側に接続され、エミッタがダイオード80aのアノード、及び、コイル52の一方の入力端に接続され、ベースがコントロール部3(図2参照)に接続される。
【0041】
トランジスタ82bは、コレクタが電源及びダイオード80bのカソード側に接続され、エミッタがダイオード80bのアノード、及び、コイル52の他方の入力端に接続され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0042】
トランジスタ82cは、コレクタがコイル52の一方の入力端に接続され、エミッタが接地され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
トランジスタ82dは、コレクタがコイル52の他方の入力端に接続され、エミッタが接地され、ベースがコントロール部3(図2参照)と接続される。
【0043】
この駆動回路8bでは、コントロール部3からトランジスタ82a及びトランジスタ82dをオンすると、コイル52の一方の入力端から他方の入力端に電流が流れ、可動子54が固定子50から突出して、鍵11を揺動することができる。
【0044】
一方、コントロール部3からトランジスタ82b及びトランジスタ82cをオンすると、コイル52の他方の入力端から一方の入力端に電流が流れ、突出した可動子54を固定子50に対して引っ込めることができる。
【0045】
そのため、この駆動回路8bを用いると、駆動回路8aのように可動子54を固定子50に収納する動作を自然落下に任せず、この動作をもトランジスタ82a〜82dをオンオフしてコントロールしているので、駆動回路8aを用いた場合に比べ、連打性能が向上する。
【0046】
また、駆動回路8bを用いると水平方向に対して可動子54を移動できる。
本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0047】
可動子に鉄心を用いた駆動装置の場合、図7(a)に示すように、時間経過とともにコイルに流す駆動電流を大きくしていくと、可動子と固定子との距離、及び、コイルの巻回数その他の影響により、図7(b)に示すように、所定時間が経過したときに、可動子が急速にストロークする。
【0048】
しかし、本実施形態のように、可動子54に永久磁石を用いた駆動装置5の場合、図7(c)に示すように、時間に対して正比例した距離、可動子54がストロークする。
このことは、本実施形態の駆動装置5が、電流値を変化させると、可動子54が電流値に応じた速度でストロークすることを示している。
【0049】
そのため、本実施形態の駆動装置5を用いると、強弱を付けて鍵11を揺動することができる。
次に、上記実施形態では、可動子54に永久磁石を有するものを用い、固定子50にコイル52を備える駆動装置5について説明したが、可動子としてコイル、固定子として永久磁石を用いたものとしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、駆動装置5を用いて鍵11を揺動するようにしたが、この駆動装置5を用いてウィッペン15やハンマー23を動作させてもよい。
また、上記実施形態では、可動子54として、全体が永久磁石からなるものを用いたが、図8に示すように、可動子54としては、上部を鉄540で構成し、下部を永久磁石541で形成してもよい。
【0051】
また、可動子54の最下部には、クッション材542を設けてもよい。このクッション材542を設けると、可動子54が降りてくるときに棚板に当たって雑音が発生することを防止することができる。クッション材542は、発砲ウレタン・スポンジ等で構成するとよい。
【0052】
クッション材542と永久磁石541との間の部分で、突起54aを構成する部分543は、鉄材で構成するとよい。
次に、上記実施形態では、図4に示すように、駆動装置5間に磁束を遮蔽するシールド材7を配置したが、図9に示すように、このシールド材7に代えて、コイル52の外周を覆う鉄製のシールド材55を設けてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…自動演奏ピアノ、3…コントロール部、5…駆動装置、7…シールド部材、11…鍵、12…キャプスタンスクリュー、13…ウイッペンフレンジ、14…ウイッペンレール、15…ウイッペン、16…レギュレチングボタン、17…ジャック、18…シャンクローラ、19…シャンクフレンジ、20…シャンクレール、21…ハンマシャンク、23…ハンマ、25…弦、31…記憶部、32…操作パネル、50…固定子、51…コイル巻回体、51a…ボディ部、51b…ツバ部、51c…突起、52…コイル、54…可動子、54a…突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鍵と、
前記鍵毎に設置され、押鍵されて揺動する前記鍵の動作を、弦を打弦する動作に変換するアクションと、
前記鍵毎に設置され、楽音データに従って前記鍵を揺動させる駆動手段と
を備える自動演奏ピアノにおいて、
前記駆動手段は、
前記楽音データに従って励磁されるコイルを有する固定子と、
励磁された前記コイルから磁力を受けて移動し、前記鍵を揺動させる永久磁石を有する可動子と、
を備えることを特徴とする自動演奏ピアノ。
【請求項2】
請求項1に記載の自動演奏ピアノにおいて、
前記各駆動手段は、前記鍵の配列方向に沿って千鳥に配置され、
前記各駆動手段からみて、前記千鳥に配列される方向と、前記鍵の配列方向とに配置される隣接する前記各駆動手段との間に、前記永久磁石の磁束を遮蔽するシールド部材を配置したこと特徴とする自動演奏ピアノ。
【請求項3】
請求項1,2のいずれか1項に記載の自動演奏ピアノにおいて、
前記可動子は、
少なくとも一部が、前記コイルが形成する筒内に挿入可能な大きさに形成され、かつ、前記コイルの中心軸上を、該中心軸に沿って移動可能に設置されており、
前記駆動手段は、
前記可動子の全てが前記固定子から抜け出ることを防止する抜止手段を備える
ことを特徴とする自動演奏ピアノ。
【請求項1】
複数の鍵と、
前記鍵毎に設置され、押鍵されて揺動する前記鍵の動作を、弦を打弦する動作に変換するアクションと、
前記鍵毎に設置され、楽音データに従って前記鍵を揺動させる駆動手段と
を備える自動演奏ピアノにおいて、
前記駆動手段は、
前記楽音データに従って励磁されるコイルを有する固定子と、
励磁された前記コイルから磁力を受けて移動し、前記鍵を揺動させる永久磁石を有する可動子と、
を備えることを特徴とする自動演奏ピアノ。
【請求項2】
請求項1に記載の自動演奏ピアノにおいて、
前記各駆動手段は、前記鍵の配列方向に沿って千鳥に配置され、
前記各駆動手段からみて、前記千鳥に配列される方向と、前記鍵の配列方向とに配置される隣接する前記各駆動手段との間に、前記永久磁石の磁束を遮蔽するシールド部材を配置したこと特徴とする自動演奏ピアノ。
【請求項3】
請求項1,2のいずれか1項に記載の自動演奏ピアノにおいて、
前記可動子は、
少なくとも一部が、前記コイルが形成する筒内に挿入可能な大きさに形成され、かつ、前記コイルの中心軸上を、該中心軸に沿って移動可能に設置されており、
前記駆動手段は、
前記可動子の全てが前記固定子から抜け出ることを防止する抜止手段を備える
ことを特徴とする自動演奏ピアノ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−215669(P2012−215669A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79908(P2011−79908)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
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