説明

自動濃縮装置

【課題】残留農薬検査等において必要な、サンプルの濃縮作業と、それに関連する一連の作業の自動化が未だなされていない。
【解決手段】そこで、本発明では、カラム1、サンプル容器2及び溶媒容器3を一次元方向に配置し、その上方において分注用ニードル5を移動可能で、且つ上下方向に昇降可能に構成し、カラムを含む配置よりも下方に濃縮容器6を装着する濃縮用加温装置7と廃液容器8を移動可能に構成し、濃縮容器の上部開口に当接可能な減圧系統の接続ヘッド10を、移動可能で、且つ昇降可能に構成した自動濃縮装置を提案している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒によって食品等のサンプルから抽出した溶媒中の検査対象物質を濃縮する作業と、それに関連する一連の作業を自動化するための自動濃縮装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるポジティブリスト制度の導入により、食品の残留農薬検査の対象が拡大したことから、多数の農薬を対象とする検査を効率良く短期間で行うことが望まれている。
【0003】
残留農薬検査は、例えば「GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)」、「LC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)」等の公定の試験法に規定される手順に従って行われる。この試験法では、ガスクロマトグラフ・質量分析計(GC−MS)や液体クロマトグラフ・質量分析計(LC−MS)等を用いての検査の前処理として、試験溶液を調製する工程においては非常に細かい作業を要するため、自動化が困難である。特に、このような試験溶液の調製工程の各作業の内、濃縮作業と、それに関連する一連の作業を自動化するのが困難であり、従来は、手作業により行うのが一般的となっている。
【0004】
一方、濃縮作業自体を自動的に行う装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に示されるような自動濃縮装置が従来から提案されている。
【0005】
特許文献1は、濃縮容器にガスを導入して濃縮処理を行う自動濃縮装置に関するもので、内部に濃縮する溶液を充填した濃縮容器の上部にガス導入配管とガス排出配管とを設けると共に、濃縮容器の下部に、溶液量を検出する液面センサを設け、更に液面センサが検出する溶液量に基づき、濃縮容器内の溶液量が所定量以下となった場合に、電磁弁を駆動制御してガスが濃縮容器に導入されるのを禁止する濃縮制御装置とを設けた構成である。
【0006】
また特許文献2の自動濃縮装置は、被濃縮液を充填する丸底フラスコ等の濃縮容器を、ウォーターバス等の熱媒浴内に、支持具により回転可能に支持し、濃縮容器の開口部に被濃縮液を供給する配管を接続すると共に、その供給を制御する供給制御手段を設け、さらに、熱媒浴を含めた総重量を測定するロードセル等の重量測定手段を設け、供給制御手段は、前記容器内の被濃縮液の重量が所定の範囲を外れるときには、前記容器内の被濃縮液の重量が所定の範囲内になるように、容器への被濃縮液の供給量を調節しながら自動的に濃縮作業を行うものである。
【特許文献1】特開平6−18512号公報
【特許文献2】特開平11−156101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に挙げた特許文献1、特許文献2の自動濃縮装置は、濃縮容器内に被濃縮液を充填した後の濃縮作業の自動化を図るものであって、濃縮作業の前後の一連の作業、例えば被濃縮液の調製や、濃縮容器への注入等の作業の自動化は想定していない。
【0008】
本発明では、まず濃縮作業と、それに関連する一連の作業を自動化することを目的の一つとするものである。
【0009】
一方、濃縮作業を自動化するには、濃縮容器内の液体の残液量が所定量になった時点で濃縮動作を停止させる必要があり、上記特許文献1、特許文献2にも示されているとおり、濃縮容器内の残液量を検出するための液面センサが必要である。
【0010】
一般に、液面センサとしては、大別すると、接触式と非接触式があるが、接触式ではコンタミ等の取り扱い面で問題があるため、濃縮装置としては非接触式が用いられており、この非接触式の一般的な液面センサとしては、静電容量式と光学式のセンサ等がある。
【0011】
ここで上述したような残留農薬検査においては、食品を溶媒に混ぜ合わたサンプルから残留農薬を採取するため、濃縮作業において濃縮が進むと、結晶化した塩等が濃縮容器の内壁に付着してしまう上に、その付着の仕方はサンプルの違い等によって異なってしまう。
【0012】
このため光学式センサの場合には、付着した塩等により光が散乱したり、遮られて残液量の検知が良好に行えなくなり、また静電容量式センサの場合には、付着した塩等を残液の液面として誤検知してしまう場合がある。
【0013】
本発明では、濃縮作業において、濃縮容器内の残液量の検出を、サンプルの種類に影響されずに良好に検出できるようにし、以て、残液量が所定量になった時点で自動的に正確に濃縮の停止を行えるようにすることを目的の一つとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、上述した課題を解決するために、カラム、サンプル容器及び溶媒容器を一次元方向に配置し、この配置よりも上方において、分注用ニードルを、上記一次元方向に移動可能で、且つ上下方向に昇降可能に構成すると共に、上記カラムを含む配置よりも下方において、濃縮容器を装着する濃縮用加温装置と廃液容器を装着する廃液容器支持装置を上記一次元方向に移動可能に構成し、更に、濃縮用加温装置よりも上方において、濃縮容器の上部開口に当接可能な減圧系統の接続ヘッドを、上記一次元方向に移動可能で、且つ昇降可能に構成した自動濃縮装置を提案する。
【0015】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、減圧系統に凝縮器と凝縮液容器を設け、凝縮液容器に液面センサを設けた構成を提案する。
【0016】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、濃縮用加温装置に振動発生手段を設けた構成を提案する。また、この振動発生手段を、濃縮用加温装置の移動手段に構成することを提案する。
【0017】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、接続ヘッドには、上記減圧系統と分岐して切換可能なパージガス供給系統を接続した構成を提案する。
【0018】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、カラムを含む配置に、ニードル洗浄乾燥部を設けた構成を提案する。
【0019】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、カラムが複数配置され、脱水用カラムと脱油用カラムを含む構成を提案する。
【0020】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、分注用ニードルが複数のニードルから構成され、その一部がシャワー孔を有する構成とすることを提案する。
【0021】
また本発明では、上記自動濃縮装置において、濃縮用加温装置が複数配置されている構成を提案する。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、一次元方向に配置したカラム、サンプル容器及び溶媒容器の上方において分注用ニードルを、上記一次元方向に移動可能で昇降可能に構成しており、また下方において濃縮容器を装着する濃縮用加温装置と廃液容器を装着する廃液容器支持装置を、上記一次元方向に移動可能に構成しているため、サンプル容器内のサンプルや溶媒容器内の溶媒をカラムに送液する作業や、カラムを経た液体を所定の濃縮容器や廃液容器に送液する作業、そしてそれらに関連するカラムのコンディショニング、ニードル洗浄乾燥部による分注用ニードルの洗浄、乾燥等の一連の作業を自動化することができる。
【0023】
こうしてカラムを経た液体を濃縮容器に送液した後、接続ヘッドを濃縮容器に当接し、濃縮用加温装置と減圧系統を動作させて自動的に濃縮作業を行うことができる。
【0024】
従って残留農薬検査における試験溶液調製法を実行する場合のように、細かい作業が非常に多く、且つ、人体に影響を及ぼす溶媒、例えば、アセトニトリルやトルエン等の溶媒を使用する必要がある場合においても、濃縮作業及びそれに関連する一連の作業を安全に実行することができる。
【0025】
本発明では、一次元方向に配置したカラム、サンプル容器及び溶媒容器に対して、その下方に濃縮容器を装着する濃縮用加温装置と廃液容器を装着する廃液容器支持装置を、上記一次元方向に移動可能に構成しているため、カラムや濃縮容器等は適数を配置することができ、効率的な濃縮作業を行うことができる。
【0026】
減圧系統に凝縮器と凝縮液容器を設け、凝縮液容器に液面センサを設ければ、この液面センサにより検出した凝縮液容器の液面により、濃縮容器内の残液量を求めることができる。この凝縮液容器の内壁にはサンプルや塩が付着することはないので、適宜の液面センサにより液面を正確に検出することができる。
【0027】
従ってこの液面センサにより検出した凝縮液容器の液面により、濃縮容器内の残液量が所定量になったことを検出して、濃縮作業を自動的に停止することができる。
【0028】
カラムや濃縮容器と同様に、接続ヘッドを含めた減圧系統の各要素を複数構成することにより、効率的な濃縮作業を行うことができる。
【0029】
濃縮用加温装置に振動発生手段を設けて濃縮容器に振動を与えることにより溶媒の蒸発を促進して濃縮作業を効率的に行うことができる。この振動発生手段は、濃縮用加温装置に設けたり、この移動手段に設けたりすることができる。
【0030】
上記接続ヘッドに上記減圧系統と分岐して切換可能なパージガス供給系統を接続した構成とすることにより、濃縮作業を、減圧系統を動作させた状態での減圧方式濃縮から、パージガス供給系統を動作させた状態でのガスパージ方式濃縮に切り換えて行うことができる。
【0031】
濃縮において溶媒を速く蒸発させるための方式としては減圧、加熱、攪拌、ガスパージ方式が一般的であり、この内、濃縮装置においては、速度が一番速い減圧方式が良く利用されている。
【0032】
しかしながら残留農薬検査では、サンプルから非常に微量の農薬を検出しなければならないため、濃縮工程の全てにおいて蒸発速度が速すぎると農薬自体も一緒に蒸発させてしまう恐れがある。
【0033】
これに対して上述したように、当初は減圧系統を動作させた状態での減圧方式の濃縮を行い、次いで残液量が所定量に至ったらパージガス供給系統を動作させた状態でのガスパージ方式に切り換えて濃縮を行うことにより、検出すべき微量の物質を蒸発させずに濃縮に要する時間を短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
次に本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る自動濃縮装置の全体構成を示すもので、符号1はカラム、2はサンプル容器、3は溶媒容器、4はニードル洗浄乾燥部を示すものであり、これらは図中一点鎖線で示す一次元方向Lに配置している。
【0035】
この実施の形態は上述した残留農薬検査における試験溶液調整法に対応させており、カラム1は、無水硫酸ナトリウムを入れた脱水用カラム1aと、グラファイトカーボンとアミノプロピルシリカゲルが積層された脱油用カラム1bとから構成されている。また溶媒容器3は、アセトニトリルを入れた溶媒容器3aと、アセトニトリルとトルエンを3:1で混合した溶媒を入れた溶媒容器3bとから構成されている。更に、ニードル洗浄乾燥部は、洗浄液によるニードル洗浄部4aと、エアブローによるニードル乾燥部4bとから構成されている。
【0036】
上述したカラム1a,1b、サンプル容器2、溶媒容器3a,3b及びニードル洗浄乾燥部4a,4bの一次元方向の配置よりも上方において、分注用ニードル5を、上記一次元方向Lに移動可能で、且つ昇降可能に構成している。移動方向は上記一次元方向Lと同様に一点鎖線で示しており、また昇降方向は二点鎖線で示している。以下、同様に、一次元方向を一点鎖線、上下方向を二点鎖線で示す。
【0037】
この実施の形態において、分注用ニードル5は、下端に開口を構成した分注ニードル5aと下部周囲を開口したシャワーニードル5bとから構成しており、夫々独立して一次元方向Lに移動可能で、且つ上下方向に昇降可能に構成している。尚、分注ニードル5aとシャワーニードル5bは、一次元方向Lの移動に関しては一体に移動可能に構成することができる。
【0038】
次に、上述したカラム1a,1b、サンプル容器2、溶媒容器3a,3b及びニードル洗浄乾燥部4a,4bの一次元方向の配置よりも下方において、濃縮容器6を装着する濃縮用加温装置7と廃液容器8を装着する廃液容器支持装置9を上記一次元方向Lに移動可能に構成している。
【0039】
この実施の形態において、濃縮用加温装置7は2台(7a,7b)構成しており、従ってそれらに2つの濃縮容器6a,6bが装着される構成である。一方、廃液容器支持装置9は1台構成されており、従って1つの廃液容器8が装着される。これらの濃縮用加温装置7a,7b及び廃液容器支持装置9は夫々独立して移動可能に構成する他、一体に移動可能に構成することもできる。尚、符号Rは上記濃縮用加温装置7a,7b及び廃液容器支持装置9が移動する軌道を示すものである。
【0040】
ここで図示は省略しているが、濃縮用加温装置7a,7b、又はそれらの移動機構には、装着された濃縮容器6a,6bを振動させるための振動発生手段を設けている。この実施の形態において、振動発生手段は濃縮用加温装置7a,7bの移動機構により、上記一次元方向Lの振動を濃縮容器6a,6bに付与し、またこの一次元方向Lと直交する水平方向の振動を上記移動機構とは別に設けた振動機構により付与するように構成している。
【0041】
次に、濃縮用加温装置7a,7bよりも上方において、濃縮容器6a,6bの上部開口に当接可能な接続ヘッド10を、上記一次元方向Lに移動可能で、且つ昇降可能に構成している。
【0042】
濃縮容器6a,6bの上部開口と接続ヘッド10の下部には、対応するフランジ部11a,11b,11cを形成しており、濃縮容器6a,6b側のフランジ部11a,11bにはO−リング等のシール材12が装着されている。
【0043】
接続ヘッド10の上流側は分岐していて、夫々減圧系統13とパージガス供給系統14に接続されており、これらには切換用弁15a,15bが設けられている。
【0044】
そして減圧系統13の上流側には冷却機構を有する凝縮器16と凝縮液容器17が設けられている。凝縮液容器17の上部には真空ポンプ等に連なる減圧部18が設けられており、下部には廃棄用弁19に連なる廃棄部20が設けられている。そして凝縮液容器17の中間部には液面センサ21が設置されており、この液面センサ21は、静電容量式、光学式等適宜である。
【0045】
一方、パージガス供給系統14は上記切換用弁15bを介して図示を省略している窒素ガスボンベ等のパージガス供給源に連なっている。
【0046】
以上の減圧系統13及びパージガス供給系統14並びに接続ヘッド10は、上述したように複数系統設けることができる。
【0047】
符号22はコンピュータシステム等により構成した制御システムであり、この制御システム22は、制御装置23により制御されるニードル操作部24、切換用弁15a,15bを操作する弁操作部25と、上記濃縮用加温装置7a,7bの操作、それらと廃液容器支持装置9の移動機構の操作、振動発生手段の操作等の操作を制御するその他操作部26とから構成しており、これらの操作部を介して後述する自動作業において夫々の要素を制御する。
【0048】
このような構成において、分注用ニードル5を、カラム1、サンプル容器2、溶媒容器3及びニードル洗浄乾燥部4の上方において、上記一次元方向Lに移動し、所定位置で昇降を行うことにより、分注用ニードル5の洗浄乾燥作業、サンプル容器2内のサンプルや溶媒容器3内の溶媒をカラム1に送液する作業等を自動的に行うことができ、またカラム1の下方において濃縮容器6を装着した濃縮用加温装置7又は廃液容器8を装着した廃液容器支持装置9を、上記一次元方向Lに移動して、所定のカラム1の直下に所定の濃縮容器、例えば濃縮容器6aを位置させて、カラム1から濃縮容器6aへの送液を自動的に行えると共に、所定のカラム1の直下に廃液容器8を位置させて、カラム1内に送液されたコンディショニング用溶媒を廃液容器8に回収することにより、カラム1のコンディショニング作業を自動的に行うことができる。
【0049】
こうしてカラム1を経た液体を濃縮容器6aに送液した後、接続ヘッド10を上記一次元方向Lに移動して所定の濃縮容器6aの真上に至らせ、次いで下降して、接続ヘッド10のフランジ部11cを濃縮容器6aの上部のフランジ部11aに当接させて気密的に接続状態とする。尚、接続ヘッド10と濃縮容器6aの位置合わせは、接続ヘッド10のみを移動するのではなく、濃縮容器6a側の移動を併用することもできる。
【0050】
この状態において、減圧系統13の切換用弁15aを開とすると共に、パージガス供給系統14の切換用弁15bを閉とし、減圧系統13の各要素を動作させ、また濃縮用加温装置7a及び振動発生手段を動作させて濃縮作業を行う。
【0051】
濃縮用加温装置7aによる加温と、減圧系統13による減圧と、振動発生手段により付与される振動とにより、濃縮容器6a内の溶媒が蒸発して、減圧系統13に回収されるので、濃縮容器6a内の液体は次第に濃縮されて行く。
【0052】
減圧系統13に回収された溶媒の蒸気は、凝縮器16において冷却されて凝縮し、その凝縮液は凝縮液容器17に次第に溜まって行く。
【0053】
凝縮液容器17に溜まった液体量は、濃縮容器6a内からの溶媒の蒸発量に一致するので、凝縮液容器17内に溜まった液体の液面により濃縮容器6a内の残液量を求めることができる。そして凝縮液容器17の内壁にはサンプルや塩が付着することはないので、適宜の液面センサ21により液面を正確に検出することができる。
【0054】
従ってこの液面センサ21により検出した凝縮液容器17の液面により、濃縮容器6a内の残液量が所定量になったことを検出して、濃縮作業を自動的に正確に停止することができる。
【0055】
ここでカラム1から濃縮容器6に送液する液体の量を、常時一定量として設定すれば、濃縮容器6内の残液量が所定量になったことを、凝縮液容器17の同一の液面により検出することができるので、制御が容易となる。
【0056】
そして、この実施の形態においては、以上に説明した減圧系統13を動作させた濃縮により、濃縮容器6内の残液量が所定量に至った時点で動作を自動的に停止し、この後、更にガスパージ式の濃縮を行って乾固をおこなうことができる。
【0057】
即ち、減圧式の濃縮作業の後にガスパージ式の濃縮作業を行う場合には、その手順を上述した制御装置23に設定すると、上述したように濃縮容器6a内の残液量が所定量に至った時点で自動的に濃縮が停止し、減圧系統13の切換用弁15aが閉となると共に接続ヘッド10が上昇して、接続ヘッド10のフランジ部11cと濃縮容器6aのフランジ11aとの間に適宜の空間が形成される。
【0058】
この状態においてパージガス供給系統14の切換用弁15bが開となって、パージガス供給源からのパージガス、例えば窒素ガスが接続ヘッド10から濃縮容器6a内に噴出し、濃縮容器6a内の液体の溶媒の蒸発が促進されて濃縮を進行することができる。
【実施例1】
【0059】
次に本発明の自動濃縮装置により、残留農薬検査における試験溶液調整法の手順の一部を自動化した実施例を具体的に説明する。
【0060】
即ち、上述した「GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)」には、試験溶液調整法が次のように規定されている。尚、下記文中の対象個所には、便宜的に下線や符号を付している。
「4.試験溶液調製法
1)抽出
(1)穀類、豆類及び種実類の場合
試料10.0gに水20 mLを加え、15分間放置する。
これにアセトニトリル50 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトニトリル20 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。得られたろ液を合わせ、アセトニトリルを加えて正確に100
mLとする。
抽出液20 mLを採り、塩化ナトリウム10g及び0.5 mol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)20 mLを加え、10分間振とうする。静置した後、分離した水層を捨てる。…A
オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(1,000
mg)にアセトニトリル10 mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに上記のアセトニトリル層を注入し、さらに、アセトニトリル2mLを注入して、全溶出液を採り、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、ろ液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。残留物にアセトニトリル及びトルエン(3:1)混液2mLを加えて溶かす。
(2)果実、野菜、ハーブ、茶及びホップの場合
果実、野菜及びハーブの場合は、試料20.0gを量り採る。茶及びホップの場合は、試料5.00gに水20 mLを加え、15分間放置する。
これにアセトニトリル50 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトニトリル20 mL加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。得られたろ液を合わせ、アセトニトリルを加えて正確に100
mLとする。
抽出液20 mLを採り、塩化ナトリウム10g及び0.5 mol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)20 mLを加え、振とうする。静置した後、分離した水層を捨てる。アセトニトリル層に無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、ろ液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。残留物にアセトニトリル及びトルエン(3:1)混液2mLを加えて溶かす。
2)精製
グラファイトカーボン/アミノプロピルシリル化シリカゲル積層ミニカラム(500 mg/500 mg)に、アセトニトリル及びトルエン(3:1) 混液10 mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、アセトニトリル及びトルエン(3:1)混液20 mLを注入し、全溶出液を40℃以下で1mL以下に濃縮する。これにアセトン10 mLを加えて40℃以下で1mL以下に濃縮し、再度アセトン5mLを加えて濃縮し、溶媒を除去する。残留物をアセトン及びn-ヘキサン(1:1)混液に溶かして、正確に1mLとしたものを試験溶液とする。」
【0061】
この実施例は、抽出工程の「(1)穀類、豆類及び種実類の場合」における下線部分から、「2)精製」の下線部分に至る作業の自動化を図るものであり、各作業の流れを、図1〜図10の動作図と、図11〜図14の工程流れ図を参照して説明する。
【0062】
まず図11はサンプルの脱水手順を示すもので、まず工程S1では作業員により準備作業を行う。即ち、準備作業として、上記規定中のAの作業後におけるアセトニトリル層の溶液をサンプルとしてサンプル容器2に入れ、また溶媒容器3aにアセトニトリルを入れると共に、溶媒容器3bにアセトニトリルとトルエンを3:1で混合した溶媒を入れて所定位置にセットする。また無水硫酸ナトリウムを入れた脱水用カラム1aと、グラファイトカーボンとアミノプロピルシリカゲルが積層された脱油用カラム1bを所定位置にセットする。
【0063】
次いで工程S2において自動実行をスタートすると、工程S3では、廃液容器支持装置9を動作させて廃液容器8としての試験管を脱水用カラム1aの直下に移動する。
【0064】
次いで工程S4では、分注ニードル5aをニードル洗浄乾燥部4に移動させ、洗浄部4aにおいて洗浄した後、乾燥部4bにおいて乾燥させる。
【0065】
次いで工程S5では、分注ニードル5aを溶媒容器3aの直上に移動し、下降して溶媒Aを分注する。
【0066】
次いで工程S6では、分注ニードル5aを脱水用カラム1aの直上に移動し、下降して脱水用カラム1aの上部開口に装着して溶媒Aを送液する。溶媒Aは脱水用カラム1a内を通り、下部開口から滴下して試験管8に回収される。この工程により、脱水用カラム1aのコンディショニングが行われる。尚、ここまでの工程の推移を図2中に二点鎖線、破線により模式的に示している。
【0067】
次いで工程S7では、濃縮用加温装置7aを移動して濃縮容器6aを脱水用カラム1aの直下に移動する。
【0068】
次いで工程S8では、分注ニードル5aをニードル洗浄乾燥部4に移動させ、洗浄部4aにおいて洗浄した後、乾燥部4bにおいて乾燥させる。
【0069】
次いで工程S9では分注ニードル5aをサンプル容器2の直上に移動し、下降してサンプルの分注が行われる。
【0070】
次いで工程S10では分注ニードル5aを脱水用カラム1aの直上に移動し、下降して脱水用カラム1aの上部開口に装着してサンプルを送液する。サンプルは脱水用カラム1a内を通り、下部開口から滴下して濃縮容器6aに回収される。この工程により、サンプルの脱水処理が行われる。尚、ここまでの工程の推移を図3中に二点鎖線、破線により模式的に示している。
【0071】
次いで工程S11ではシャワーニードル5bをニードル洗浄乾燥部4に移動させて洗浄乾燥を行った後、ステップS12において図4に示すようにシャワーニードル5bを溶媒容器3aの直上に移動し、下降して溶媒Aの分注が行われる。次いで、工程S13では図5に示すようにシャワーニードル5bをサンプル容器2の直上に移動し、下降して溶媒Aをサンプル容器2内に送液する。シャワーニードル5bからの溶媒Aの送液は下部周囲に構成した開口から横方向に噴出して行われるので、溶媒Aはサンプル容器2の内壁に付着したサンプルを洗浄して収集することができる。
【0072】
以上の工程S8から工程S18は、予め設定された所定回数繰り返し行われることにより、所定量のサンプルを脱水用カラム1aを経て濃縮容器6a内に送液することができる。
【0073】
図12はサンプルの濃縮手順を示すもので、この濃縮手順は結合子Aに示すように、図11の手順に続いて行われる手順である。
【0074】
まず工程S14では、接続ヘッド10のみ、又は接続ヘッド10及び濃縮用加温装置7aを移動させて、接続ヘッド10のフランジ部11cを濃縮容器6aの上部のフランジ部11aに当接させて気密的に接続状態とする。
【0075】
次いで工程S15では、減圧系統13の切換用弁15aを開とすると共に、パージガス供給系統14の切換用弁15bを閉とし、減圧系統13の各要素を動作させ、また濃縮用加温装置7a及び振動発生手段を適宜動作させて濃縮作業を行う。
【0076】
工程S16では、凝縮液容器17内に溜まった液体の液面を液面センサ21により検出することにより、濃縮容器6a内の残液量を求める。この工程において、液面センサ21により検出した凝縮液容器17の液面により、濃縮容器6a内の残液量が所定量になったことを検出した場合には、濃縮作業を自動的に停止して、次の工程S17に移行する。工程S14〜工程S16の動作は図6により模式的に示している。
【0077】
即ち、工程S17においては、濃縮容器6a内の残液量が所定量に至った時点で自動的に濃縮が停止し、減圧系統13の切換用弁15aが閉となると共に接続ヘッド10が上昇して、接続ヘッド10のフランジ部11cと濃縮容器6aのフランジ11aとの間に適宜の空間が形成される。
【0078】
次いで工程S18においては、図7に示すように、パージガス供給系統14の切換用弁15bが開となって、パージガス供給源からのパージガス、例えば窒素ガスが接続ヘッド10から濃縮容器6a内に噴出し、濃縮容器6a内の液体の溶媒の蒸発が促進されて濃縮を進行することができる。
【0079】
工程S18においては、濃縮用加温装置7aによる加温動作、振動発生手段による振動付与動作、パージガスの供給における時間やタイミングを適宜に設定することができる。
【0080】
次に図13はサンプルの精製手順を示すもので、この精製手順は結合子Bに示すように、図12の手順に続いて行われる手順である。尚、以下の説明においては、例えば、ニードル洗浄乾燥部4における動作や、分注ニードル5aの移動、下降動作等の自明の動作については説明を省略する。
【0081】
まず工程S19においては、シャワーニードル5bをニードル洗浄乾燥部4に移動して洗浄・乾燥を行い、次いで工程S20において、図8の一点鎖線、二点鎖線により模式的に示すように、シャワーニードル5bにより溶媒容器3bの溶媒Bを分注する。
【0082】
次いで、工程S21において、図8の実線で示すように、シャワーニードル5bを濃縮容器6aに移動して、濃縮容器6a内に溶媒Bを送液する。このように濃縮容器6a内にはシャワーニードル5bからの溶媒Bが横方向に噴出して送液されるので、溶媒Bは濃縮容器6aの内壁に付着したサンプルを洗浄して、効率的に収集することができる。
【0083】
次いで工程S22では、廃液容器8としての試験管を脱油用カラム1bの直下に移動し、工程S23では、分注ニードル5aをニードル洗浄乾燥部4に移動させて洗浄・乾燥を行う。
【0084】
次いで工程S24では、分注ニードル5aを溶媒容器3bの直上に移動し、下降して溶媒Bを分注する。
【0085】
次いで工程S25では、分注ニードル5aを脱油用カラム1bの直上に移動し、下降して脱油用カラム1bの上部開口に装着して溶媒Bを送液する。溶媒Bは脱油用カラム1b内を通り、下部開口から滴下して試験管8に回収される。この工程により、脱油用カラム1bのコンディショニングが行われる。
【0086】
次いで工程S26では濃縮容器6bを脱油用カラム1bの直下に移動し、次いで工程S27では、分注ニードル5aをニードル洗浄乾燥部4に移動させ、洗浄・乾燥させる。
【0087】
次いで工程S28では、図9に示すように分注ニードル5aを濃縮容器6aの直上に移動し、下降して濃縮容器6a内のサンプルの分注が行われる。
【0088】
次いで工程S29では分注ニードル5aを脱油用カラム1bの直上に移動し、下降して脱油用カラム1bの上部開口に装着してサンプルを送液する。図10に示すようにサンプルは脱油用カラム1b内を通り、下部開口から滴下して濃縮容器6bに回収される。この工程により、サンプルの脱油処理、例えば、GC−MSを使用して分析する際の妨害物質である色素成分、夾雑物等を除去することができる。
【0089】
次いで工程S30ではシャワーニードル5bをニードル洗浄乾燥部4に移動させて洗浄乾燥を行った後、ステップS31においてシャワーニードル5bを溶媒容器3bの直上に移動し、下降して溶媒Bの分注が行われ、次いで、工程S32ではシャワーニードル5bを濃縮容器6aの直上に移動し、下降して図8に示すように溶媒Bを濃縮容器6b内に送液する。上述したようにシャワーニードル5bからの溶媒Bの送液は横方向に噴出して行われるので、溶媒Bは濃縮容器6aの内壁に付着したサンプルを洗浄して収集することができる。
【0090】
以上の工程S27から工程S32は、予め設定された所定回数繰り返し行われることにより、濃縮容器6b内のサンプルの所定量を脱油用カラム1bを経て濃縮容器6b内に送液することができる。
【0091】
図14は濃縮容器6aから脱油用カラム1bを介して濃縮容器6bに送液されたサンプルの濃縮手順を示すもので、この濃縮手順は結合子Cに示すように、図13の手順に続いて行われる手順である。この手順、即ち、工程S33〜工程S7は濃縮容器6b内のサンプルについて濃縮が行われることを除いて、その手順は、濃縮容器6a内のサンプルについて濃縮が行われる工程S14〜工程S18と同様であるので、重複する説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の自動濃縮装置は、以上の通り、残留農薬検査における試験溶液調製法を実行する場合のように、細かい作業が非常に多く、且つ、人体に影響を及ぼす溶媒、例えば、アセトニトリルやトルエン等の溶媒を使用する必要がある場合においても、濃縮作業及びそれに関連する一連の作業を安全に実行することができるものであり、いわゆるポジティブリスト制度の導入により、食品の残留農薬検査の対象が拡大していることに関連し、多数の農薬を対象とする検査を効率良く短期間で行うことができることから、産業上の利用可能性が極めて高いものである。
【0093】
特に本発明では、減圧系統に凝縮器と凝縮液容器を設け、凝縮液容器に液面センサを設けることにより、この液面センサにより検出した凝縮液容器の液面により、濃縮容器内の残液量を求めることができ、そして、この凝縮液容器の内壁にはサンプルや塩が付着することはないので、適宜の液面センサにより液面を正確に検出することができるという格別なる特徴がある。
【0094】
更に本発明では、濃縮作業を、減圧系統を動作させた状態での減圧方式濃縮から、パージガス供給系統を動作させた状態でのガスパージ方式濃縮に切り換えて行うことができるので、当初は減圧系統を動作させた状態での減圧方式の濃縮を行い、次いで残液量が所定量に至ったらパージガス供給系統を動作させた状態でのガスパージ方式に切り換えて濃縮を行うことにより、検出すべき微量の物質を蒸発させずに濃縮に要する時間を短縮できるという格別なる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る自動濃縮装置の構成を概念的に示す説明図である。
【図2】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を他の局面において概念的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図6】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図7】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図8】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図9】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図10】本発明に係る自動濃縮装置の構成と工程の動作を更に他の局面において概念的に示す説明図である。
【図11】本発明に係る自動濃縮装置の動作の実施例を示す工程流れ図である。
【図12】本発明に係る自動濃縮装置の動作の実施例を示す他の局面の工程流れ図である。
【図13】本発明に係る自動濃縮装置の動作の実施例を示す更に他の局面の工程流れ図である。
【図14】本発明に係る自動濃縮装置の動作の実施例を示す更に他の局面の工程流れ図である。
【符号の説明】
【0096】
1 カラム
1a 脱水用カラム
1b 脱油用カラム
2 サンプル容器
3(3a,3b) 溶媒容器
4 ニードル洗浄乾燥部
4a 洗浄部
4b 乾燥部
5 分注用ニードル
5a 分注ニードル
5b シャワーニードル
6(6a,6b) 濃縮容器
7(7a,7b) 濃縮用加温装置
8 廃液容器(試験管)
9 廃液容器支持装置
10 接続ヘッド
11a,11b,11c フランジ部
12 シール材
13 減圧系統
14 パージガス供給系統
15a,15b 切換用弁
16 凝縮器
17 凝縮液容器
18 減圧部
19 廃棄用弁
20 廃棄部
21 液面センサ
22 制御システム
23 制御装置
24 ニードル操作部
25 弁操作部
26 その他操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラム、サンプル容器及び溶媒容器を一次元方向に配置し、この配置よりも上方において、分注用ニードルを、上記一次元方向に移動可能で、且つ上下方向に昇降可能に構成すると共に、上記カラムを含む配置よりも下方において、濃縮容器を装着する濃縮用加温装置と廃液容器を装着する廃液容器支持装置を上記一次元方向に移動可能に構成し、更に、濃縮用加温装置よりも上方において、濃縮容器の上部開口に当接可能な減圧系統の接続ヘッドを、上記一次元方向に移動可能で、且つ昇降可能に構成したことを特徴とする自動濃縮装置。
【請求項2】
減圧系統に凝縮器と凝縮液容器を設け、凝縮液容器に液面センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項3】
濃縮用加温装置に振動発生手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項4】
振動発生手段は、濃縮用加温装置の移動手段に構成したことを特徴とする請求項3に記載の自動濃縮装置。
【請求項5】
接続ヘッドには、上記減圧系統と分岐して切換可能なパージガス供給系統を接続したことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項6】
カラムを含む配置に、ニードル洗浄乾燥部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項7】
カラムが複数配置され、脱水用カラムと脱油用カラムを含むことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項8】
分注用ニードルが複数のニードルから構成され、その一部がシャワー孔を有する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。
【請求項9】
濃縮用加温装置が複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動濃縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−98064(P2009−98064A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271404(P2007−271404)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000138200)株式会社モリテックス (120)
【Fターム(参考)】