説明

自動系外排出・供給搬送システム

【課題】 障害発生時に上流ラインの稼動を止めることなく製品を一時保管自動倉庫に収納し、障害が回復した際に自動倉庫から出庫して最終梱包ラインに供給する、バンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品の自動系外排出・供給搬送システムを提供する。
【解決手段】 排出製品整列ストッパ機構10と、製品移載機構20と、トレー保持交換・ポケット内整列機構30と、トレー移載機構40と、を少なくとも備え、バンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品が供給ベルトコンベア11に載って下流側梱包ラインに送られているときに、その梱包ラインに障害があり停止した場合或は停止させた場合、上流側工程ラインを停止させないで、送られてくる供給ベルトコンベア上の製品を、一時的にライン系外にストックする自動系外排出と、一時的にストックされた製品を供給ベルトコンベアに戻して下流梱包ラインに供給する自動系外排出・供給搬送システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の錠剤シートを複数枚束ねたバンド品またはピロー包装の状態で最終梱包ラインに送られた製品を、一時的に自動倉庫にストックするための自動系外排出及びラインの系外に一時的にストックされた製品を最終梱包ラインに供給する自動系外排出・供給搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、最下流の最終梱包ラインが何らか障害により停止した場合、製品の供給コンベアのバッファーが満杯になった状態で上流の製品製造工程までのラインを停止せざるを得ない問題があった。このような障害は、全体の稼働率を低下させる大きな問題であった。この上流ライン停止を避けるために、流れてくる製品を人手によりコンベア上から取り出し、臨時的にコンテナに並べ、一時保管倉庫に移送していた。
【0003】
しかし、人手による取出し、コンテナ集積、コンテナの積み上げ、移送は、製品そのものに荷重などのストレスを与える恐れがあり、叉、保管までの間に製造場内の塵、異物が混入する恐れがあった。
【0004】
なんといっても、製品の流れに対応するための取出し作業者の配置、ライン復旧後のベルトコンベアへの供給作業者の配置には、人手がかかりすぎる問題があった。
【0005】
従来、工程を搬送する装置を備えた搬送系と、自動倉庫に一時収納して保管する保管系を備えた制御して搬送システムに関しては、特許文献1が提案されている。特許文献1は、半導体のウエハを一時保管自動倉庫から処理装置に搬送するに際して、処理装置が必要とする時間までに届けるよう搬送装置をコントロールする発明である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−34388号公報(第2、3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、医薬品の錠剤シートを複数枚束ねたバンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品の最終梱包ライン入口に配設し、障害が発生した際に上流ラインの稼動を止めることなく製品を一時保管自動倉庫に収納し、最終梱包ラインの障害が回復した際に自動倉庫から出庫して最終梱包ラインに供給する、バンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品の自動系外排出・供給搬送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の自動系外排出・供給搬送システムは、PTPシートを複数枚束ねたバンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品が供給ベルトコンベアに載って下流側梱包ラインに送られているときに、その梱包ラインに障害があり停止した場合或は停止させた場合、上流側工程ラインを停止させないで、送られてくる前記供給ベルトコンベア上の製品を、一時的にライン系外にストックする自動系外排出と、そのライン系外に一時的にストックされた製品を前記供給ベルトコンベアに戻して前記下流梱包ラインにその製品を供給する自動系外排出・供給搬送システムであって、
前記供給ベルトコンベア上の搬送されている製品列を所定ピッチ長で複数P個整列させるため、そのベルトコンベアの下側から電子制御信号により上下移動自在の前記ピッチ長でそのコンベア終端から配置されたP個のストッパ板及び制御信号入力端子と;
前記下流側梱包ラインの停止検出センサーの信号または停止ボタン信号を受信し、前記ベルトコンベア終端に近い第1のストッパ板の入力端子へON信号を送り第1のストッパ板を突出させる第1の製品ストップ手段と、各ストッパ板間に1個ずつ製品が入るように、それぞれの検出センサーのタイミングで第2のストッパ板から第Pのストッパ板まで順次ON信号を送り第Pのストッパ板まで突出させるP個製品ストップ手段とを少なくとも備える制御部と;
からなる排出製品整列ストッパ機構と、
前記供給ベルトコンベアから排出したい製品をm行n列に収納し、その列間隔ピッチが前記所定ピッチ長と同一寸法としてm×n個の製品収納ポケットを設ける製品収納用トレーと;
複数n個(n=<P)の整列製品をエア吸引により同時に引出すn組のエア吸引口と把持機構を設けた排出アームと;
その排出アームを移動・回転させる回転軸に支持され電子制御により所定位置へ移行する排出アーム移動機構と;
その排出アームのn組のエア吸引口にn個の製品を同時に吸引し、前記コンベア上から取り出し、そのアームを移動機構により前記製品収納用トレーの第1行目の各列n個収納ポケットに製品を降下挿入する手段を第m行までm回繰返しm×n個を収納するポケット収納手段を少なくとも備える制御部と;
からなる製品移載機構と;
中心回転軸と、その軸方向にそって形成された溝を一端が上下スライドする、その軸に対して対称な位置に配置される2本の支持レバーと、その支持レバーの他端に前記製品収納用トレーが回転自在に保持され、その軸の周りに回転する第1及び第2の保持台と;
前記保持台が回転して前記供給ベルトコンベアに最接近したときはその保持台が水平になり、その反対側にある保持台は所定角度でもっとも傾斜するように前記回転軸の外周に沿って設けた傾斜カムレールと;
その傾斜カムレールに乗り前記支持レバーの一端をスライドさせるカムフォロアと;
前記製品移載機構により製品収納トレーのポケットすべてに製品が移された時は、その制御部の発信するポケット・フル信号を受信して、その中心回転軸を180度回転させトレーを傾斜させるトレー保持台交換及びポケット内製品整列手段とを少なくとも備える制御部と;
からなるトレー保持交換・ポケット内整列機構と、
前記製品収納トレーを複数Q枚積載できるトレー積載パレットと;
前記保持台の製品満杯のトレーを空のトレーと交換するため、そのトレーの対向する2隅に設けられ、電子制御のエアシリンダにより把持用回転板を回転させてトレーを把持するトレー把持アームと;
そのアームを移動回転させる回転軸に支持され電子制御により所定位置へ行こうするトレーアーム移動機構と;
前記トレー保持交換・ポケット内整列機構による保持台の交換回転終了信号を受信して予め第1の所定位置に設置したトレーの無い空のトレー積載パレットへ満杯トレーを積み重ねると共に、製品の無い空トレーを予め第2の所定位置に設置した空トレー積載パレットから一枚の空トレーをトレー把持アームで把持して空の保持台へ移行させるトレー積載手段とを少なくとも備える制御部と;
からなるトレー移載機構と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0009】
また、一時的に前記ライン系外にストックするため、前記製品収納トレー及びそのトレーを積載した前記トレー積載パレットに、それぞれユニークな通し番号が付され、そのトレー積載パレットに割当てられた倉庫座標位置に電子制御により出庫・入庫が管理される自動倉庫と;
その自動倉庫の出入り口から複数の所定位置へトレー積載パレットを移動させまたは複数の所定位置から前記出入り口へトレー積載パレットを移動させる2組の水平移動ローラコンベアと、そのコンベア終端に設けられ水平移動ローラコンベア間を移動させるエアシリンダーによるパレット移行機構と;
前記第1の所定位置のトレー積載パレットへ満杯トレーを積重ねてQ枚に達すると共に、第2の所定位置のトレー積載パレットは空トレーが無くなれば、トレー移載機構部の制御部はパレット移行指定信号を発信し、その信号を受信して、第1の所定位置にある製品満杯トレーを前記水平移動ローラコンベアにより自動倉庫の出入口へ移行させ;
所定の座標位置へストックさせる製品トレーストック手段と;
第2の所定位置のパレットを第1の所定位置へ水平移動ローラコンベア及びパレット移行機構により移動させると共に、自動倉庫から空トレーをQ枚積重ねたトレー積載パレットを出入口へ移送させ、パレット移行機構及び水平移動ローラコンベアにより第2の所定位置へ移行させる空トレー補給手段と;を少なくとも備える制御部と;
からなるパレット倉庫収納機構を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造ラインの下流側ラインに障害が突然発生しても、自動的にその障害を検出して停止信号を発信するか、或は下流側ラインを停止させたいとき停止ボタンを押下して停止信号を発信して、上流側ラインを停止させることなく、上流側から流れてくる製品を一時的にライン系外に保留するストック作業と、その復帰作業を自動的に行うことができる。
【0011】
このため、全体の稼働率を低下させることなく、且つ人手による取出し、コンテナ積上げ、倉庫への移送作業などによる作業手間をなくし、さらに、製品へのストレス、保管期間中の塵、異物混入などを防止することができる。
【0012】
また、ストックに自動倉庫を用いれば、さらに作業の省力化と共に、排出・供給のスピードアップ、並びに保管容積の縮減、保管製品のロットなど製造日と時間などの個別識別を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の自動系外排出・供給搬送システム100の最良の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の自動系外排出・供給搬送システム100の構成を示す平面図である。
【0014】
図1において100aは、自動系外排出・供給搬送システム100の配置範囲と、そのシステムに必要な機構を配設した共通架台を示す。
【0015】
共通架台100aの左側には、その上流の製品製造工程で製造された製品1が流れてくる上流側ベルトコンベア110がある。右側には、その製品1に添付文書、お知らせシート(カード)などを添付集積してカートナーに挿入・梱包する工程を行う下流側梱包ラインへ製品1を流出させる下流側ベルトコンベア120がある。
【0016】
それらの上流側ベルトコンベア110と下流側ベルトコンベア120の間に排出製品整列ストッパ機構10を配置する。ここで、11は、下流側梱包ラインが障害なく稼動しているときは、上流側ベルトコンベア110から製品1の列を下流側ベルトコンベア120へ流す通常の供給ベルトコンベアである。
【0017】
下流側梱包ラインで、障害が発生し、下流側ベルトコンベア120が自動停止したり、強制停止ボタン押下による障害信号が発生すれば、前記供給ベルトコンベア11は、製品整列ベルトコンベア11となる。すなわち排出製品整列ストッパ機構10の制御部10aは、その障害信号を受信し、以下のようにストッパ板を突出させて、製品1を整列させる。整列完了すれば直ちに終了信号を後述する製品移載機構20へ発信する。
【0018】
その詳細は、図2の説明で後述するが、製品1の流れに対しストッパ板11−1、11−2・・・・11−Pを製品整列ベルトコンベア11の下から突出させて停止させる。そのP枚のストッパ板11−Pは予め所定ピッチ長Lで設置しておく。
【0019】
所定ピッチ長Lは、製品を収納するトレー21(図4参照)のポケット23の列の配列ピッチと合わせて、効率よく製品を移載するようにする。
【0020】
前記製品移載機構20の制御部20aは、製品n(n=<p)個が整列したとき、その終了信号を受信し、製品移載機構20を稼動させて移載動作を開始する。図1に一点鎖線で示した製品移載機構20の動作範囲は、中心軸20zを中心としたアーム22の回転移動範囲である。
【0021】
図1に示した実施例では、排出製品整列ストッパ機構10により、ストッパ板11−1,11−2、11−3、11−4で、製品1がそれぞれ停止されて、所定ピッチ長Lで整列した4個の製品を、4組の吸引口22aを備えたアーム22により吸引して移動させ、5行4列のトレー21(図4参照)へ1行ずつ移載させ、それを5回繰り返し、トレー21の5行のポケット列へ製品1を移載する例を示している。
【0022】
製品整列ベルトコンベア11から製品移載機構20により製品1が取出されて移載されるトレー21は、予めトレー保持交換・ポケット内整列機構30のトレー保持台31、32に搭載しておく。
【0023】
トレー保持交換・ポケット内整列機構30は、その中心軸30zに対して、対象の位置に支持レバー31a、32aにより、それぞれ第1のトレー保持台31、第2のトレー保持台32が支持され、製品整列ベルトコンベア11から取出した製品1がトレー21を満杯にすると、前記製品移載機構20の制御部20aは、そのトレー・フル信号を発信し、トレー保持交換・ポケット内整列機構30の制御部30aがその信号を受信し、中心軸30zを回転させて、第1及び第2のトレー保持台を交換すると共に、その制御部30aは交換回転信号を後述するトレー移載機構40へ送信する。
【0024】
予め、トレー保持台32には、製品1が入れられていない空のトレー21を搭載して置くので、製品が満杯となったトレー21を搭載したトレー保持台31と回転して位置が交換されたとき、直ちに、製品積載用の所定位置にセットされる。尚、トレー保持交換・ポケット内整列機構30の詳細については図3を参照して後述する。
【0025】
次に、トレー移載機構40は、満杯となったトレー21をパレット41へ移して積み重ね、一方、そのトレー21が取除かれた保持台32へ空のトレー21を移す。
【0026】
トレー移載機構40の制御部40aは、前記制御部30aからの交換回転信号を受信し、予め定めた第1の所定位置に、トレー21が積まれていない空のパレット41をセットし、第2の所定位置に製品が入れられていない空のトレー21を複数Q段重ねた空トレーパレット41をセットしておき、前記交換回転信号を受信する度毎に製品満杯のトレー21を第1の所定位置のパレット41へ積重ねる指令をトレー移載機構40へ出力し、
その指令によりトレー移載機構40が中心軸40zの回りに回転する多関節アーム45により第1の所定位置のパレット41へ製品満杯のトレー21を移送して積重ねる。
【0027】
さらに続いて、トレー移載機構40は、第2の所定位置の空トレーが積載されたパレット41から1枚の空のトレー21を把持して、空のトレー保持台31又は32へ載せる。尚、図1に一点鎖線で示したトレー移載機構40の動作範囲は、中心軸40zを中心とした回転移動範囲である。
【0028】
トレー移載機構40の動作をQ回繰返すと、第1の所定位置のパレット41にはQ枚の満杯のトレー21が積み重ねられ、パレット21の積載容量がなくなり、一方、第2の所定位置のパレット41はQ枚の空のトレー21がなくなった状態となる。制御部40aは、このQ枚処理完了の信号を発信し、パレット倉庫収納機構50へ送信する。
【0029】
パレット倉庫収納機構50は、自動倉庫51と2台の水平移動ローラコンベア52a、52bと、それらの水平移動ローラコンベア52の端部でエアシリンダー53aにより一方の水平移動ローラコンベアから他方の水平移動ローラコンベアに移行させるローラコンベア間のパレット移行機構53とからなる。
【0030】
自動倉庫51は、一時的にライン系外にストックする製品を管理するため、空のトレー21及び製品を収納したトレー21を積載したパレット41にそれぞれユニークな通し番号が付され、そのパレットに割り当てられた倉庫座標位置の関連表のメモリーファイルを基にコンピュータによる電子制御によりそれぞれの入庫・出庫が管理される倉庫である。
【0031】
前記パレット移行機構53は、図1に示すようにパレット41を制御部40aの指令により所定位置へパレットを矢印の方向(時計回りの方向)へ移動させ、自動倉庫51側は、その入庫・出庫指令を受けてパレット41を前記メモリーファイルを参照し、出入口51aから入庫する座標位置までパレット41を移動させるか或は、出庫させる座標位置から出入口51aまでパレット41を移動させる。
【0032】
出入り口51aまで出庫したパレット41は矢印に沿って移動され、入庫させたいパレット41も、矢印方向に移動させられて出入り口51aに運ばれる。図9はパレット41の移動方向を説明した図である。
【0033】
前記第1の所定位置は第1の水平移動ローラコンベア52aの右端にあり、第2の所定位置は、第2の水平移動ローラコンベア52bの中央にある。
【0034】
第1の所定位置は、トレー移載機構40のアーム43により満杯のトレー21をトレー保持交換・ポケット内整列機構30の保持台31(又は32)から取出し、積載するパレット41が置かれる位置である。
【0035】
第2の所定位置は、満杯のトレー21が取出されたトレー保持交換・ポケット内整列機構30の保持台31(又は32)に補充するための空のトレー21が積載された補充用のパレット41を配置しておく位置である。第1及び第2の所定位置は、いずれもトレー移載機構40の動作範囲円内にある。(図1のトレー移載機構40の動作範囲を示す円を参照)
【0036】
以上の動作をQ回行い、第1の所定位置のパレット41にトレー21がQ枚積み重ねられ、第2の所定位置のトレー21が取出されてなくなれば、自動的制御部40aの指令によりに水平移動ローラコンベア52とローラコンベア間パレット移動機構53が、それぞれのパレット41を図1に示すように矢印の方向(時計回りの方向)へ移行させる。
【0037】
結局、第1の所定位置にある製品が満杯のトレー21がQ枚積載されたパレット41は水平移動して自動倉庫51へ入庫され、第2の所定位置の空トレーがすべて取出された空のパレット41は、水平移動ローラコンベア52と、ローラコンベア間パレット移動機構53により移動され第1の所定位置まで運ばれて停止する。さらに、第2の所定位置へ自動倉庫51から空のトレーをQ枚積重ねたパレット41を出庫して移動させる指令を出す。
【0038】
図9を参照して第1のローラコンベア52aと第2のローラコンベア52bについて詳細に説明する。52cはそれぞれの第1、第2のローラコンベア52a、52bのローラを示す。ローラ52cは、図9に示す矢印の方向へ駆動回転する。ただし、自動倉庫の出入口51aでは、出入りの方向により指令によりいずれかの方向に駆動回転する。
【0039】
ローラコンベア間パレット移動機構53は、それぞれ水平移動ローラコンベア52の両端に配置され、53aはエアシリンダーを示し、制御部50aの指令によりパレット41を所定位置へ移動させるに際して、必要に応じてエアシリンダー53aをエアで駆動し、ローラ間パレット移動機構53の上にあるパレット41を隣接のローラコンベアへ移動させる。尚、ローラコンベア間パレット移動機構53の駆動はエアに限るものではなく、さらに正確な位置決めのための電動スライド機構を備えてもよい。
【0040】
以下、前述した各機構について図を参照してさらに詳細に説明する。図2は、排出製品整列ストッパ機構10の構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【0041】
この図では、製品1を4個、所定ピッチ長Lで整列させる場合を示している。上流側ベルトコンベア110から製品1は前記ピッチ長Lより充分長い間隔で流れてくるが、下流側の梱包ライン工程の障害での自動停止、或は強制的に停止させた場合は、その下流側ベルトコンベア120の制御部からのコンベア停止信号を排出製品整列ストッパ機構10の制御部10aが受信し、先ず図2の流れ方向の最前列にある第1のストッパ板11−1を供給ベルトコンベア(製品搬送ベルトコンベア)11の下側から突出して製品1を停止させる。すなわち、制御部10aは前記信号を受信すると先ずストッパ板11−1の入力端子11aに信号を送り、その電子制御信号で上下移動機構11bを駆動してストッパ板11−1を上に突出させる。
【0042】
製品1を整列させる供給ベルトコンベア11において、製品1を停止させる位置の両側には図2(a)に示すようにそれぞれ2連の発光部11Pと受光部11Qが設けられており、ストッパ板11−1を上に突出させる信号を送った制御部10aは、直ちにそのストッパ板11−1直後にある受光部11Qの2連の受光信号を受信する。上流側の受光部11Qの出力が0となり下流側の受光部出力があれば製品1は第1のストッパ板11−1に到達したとみなし、直ちに第2のストッパ板11−2を突出する信号を送る。
【0043】
同様にして、そのストッパ板11−2の直後にある受光部11Qの出力を受信し、以下繰返して結局製品4個を所定ピッチLで整列させる。
【0044】
図3は、トレー保持交換・ポケット内整列機構30の構造を示す側面図である。支持台30yにトレー保持交換・ポケット内整列機構30の中心軸30zが固定され、動力伝達部33bを介してモータ33cで駆動する。
【0045】
その中心軸30zの外周に沿って円筒状の傾斜レールカム33aが支持台30yにネジ留めされ固定されている。
【0046】
この傾斜レールカム33aは左側が最も高く、右側が最も低い高さとされている。左側には水平に支持されている第1のトレー保持台31があり、その上にはトレー21(水平)が搭載されている。31aはその支持レバーであり、その支持レバー31aの下端は接続部材を介して軸方向の縦溝を上下自在なカムフォロア31bにつながっている。このため、カムフォロア31bは付勢スプリング31dにより傾斜したレールカム33a上で下方へ押し付けられている。この状態で第1のトレー保持台31が水平となるような傾斜レールカム33aの高さにしてある。
【0047】
右側には、傾斜して支持されている第2のトレー保持台32があり、その上にはトレー21(傾斜)が搭載されている。支持レバー32aの下端は接続部材を介して軸方向の縦溝を上下自在のカムフォロア32bにつながれている。このカムフォロア32bは付勢スプリング32dにより傾斜レールカム33a上で下方へ押し付けられている。前述したように右側の傾斜カムレール33aの高さは最も低いので、この状態での第2のトレー保持台32は傾斜する。この実施の形態では傾斜角度は水平に対して30度としてある。
【0048】
よって、第1のトレー保持台31に搭載されているトレー21がそのポケット(例えば5行4列の場合は20個)が製品で満杯となれば、制御部30aは回転軸30zを回転させてその満杯のトレー21を載せた第1のトレー保持台31がその反対側の位置にくると、前記傾斜レールカム33aの作用により傾斜し、従って、それに搭載されているトレー21が傾斜し、その中のポケット23に1個ずつ入っている製品1はそのポケット23の長辺の低いほうへ寄せられて整列する。
【0049】
図4は、5行4列のポケットを設けたトレー21の構造を示す平面図である。図4に示すトレー21のポケット23の一つに、整列していない製品1を具体的に示したが、このトレー保持台31が傾斜する動きによりポケット23の長辺の低いほうへ寄せられて整列する。
【0050】
以上のように、ポケット23内の一方に整列させることにより、障害が回復した時に一時ストックしていた製品1を下流の梱包ラインへ戻すためにトレー21のポケット23から製品1を取出して供給ベルトコンベア11に戻す際に、吸引口22を製品1の上面に完全に当てることができなくなるような不規則配列をなくすることができる。
【0051】
図4に示すトレーは5行4列にポケットを配置した例である。4列のポケット配列のピッチ長をLに合わせることにより、製品移載機構20のアーム22による製品移載作業を効率よく行うことができる。
【0052】
図7は製品移載機構20のアーム22の構造を示す正面図である。この実施例は4組のエア吸引口付アーム22を示す。図において25は多関節アーム接続部、22aは吸引口を示す。
【0053】
吸引口22aは2個1組で一つの製品1を吸上げる。22bは吸引口22aの上下移動機構を示し、製品整列ベルトコンベア11から整列された製品1をトレー21へ吸引して移送する。これに対して、トレー21から製品1を取出し、供給ベルトコンベア11に移送する際に製品1の側面両側から挟むようにして取出すのが把持機構23bである。トレー21のポケット23内には、把持機構23bのために製品チャックプレート爪挿入部23aが設けられている。このように、トレー21からの取出しを把持機構23bで行うことにより、保管中の製品のバンドが緩んでいたり、トレーの片側に寄ることがあっても確実に取出しが行われる。
【0054】
図5は、トレー移載機構40の構造を示す側面図である。図において100aは本システムの共通架台を示し、42はトレー移載機構40の設置架台を示す。この設置架台42は、第1のローラコンベア52aをまたいで設置されている。52bは第2のローラコンベア、30は前記トレー保持交換・ポケット内整列機構を示す。
【0055】
40zは、設置架台42上に設けられたトレー移載機構40の中心軸で、その中心軸40zには1組の多関節アーム43が設けられ。その多関節アーム43の先端部にはトレー着脱機構44が取付けられている。多関節アーム43の動作範囲を鎖線円で示す。
【0056】
図6は、トレー着脱・把持機構44の構造を示す図で、(a)は前面図、(b)は平面図である。図6(a)において、中心上部の45は多関節アーム接続部であり、その多関節アーム接続部45を中心軸としてトレー着脱・把持機構44が構成されている。
【0057】
トレー着脱・把持機構44の上段のアーム43の方形状板の両端には、それぞれ電子制御シリンダー44cと、その水平方向移動により回転揺動する爪揺動機構44aと、その回転揺動によりトレー21の側面を支持する爪44bとが設けられている。
【0058】
図6(b)は、トレー21を把持している状態を示し、トレー着脱・把持機構44はトレー21の上部に移動し、左右端に爪揺動機構44aと爪部材44b及び電子制御シリンダー44cを示している。
【0059】
また、46はトレー21の対向する2角隅を挟んで把持するトレーコーナー把持機構である。このトレーコーナー把持機構46にもそれぞれ両端にエアシリンダーがありそのシリンダーによりトレー21の角隅に両方向から圧力をかけて押えるようにする。
【0060】
以上のようにして、トレー移載機構40は、トレー21を移載する際に、揺動、或は不安定な動きが生じないようにしており、トレー21の4隅の凹部の中にパレット41に設けられたトレー積載用位置決め棒41a(図8参照)に容易に挿入されてトレー21がガイドされ積重さねられるようにする。
【0061】
次に、自動系外排出・供給搬送システム100の動作を説明する。
【0062】
尚、説明を明確にするため、トレーを積載していないパレットを空パレットA、空のトレーを複数積載したパレットをトレー積載パレットB、トレー保持交換・ポケット内整列機構30とその制御部30aをトレー交換ロボットC、排出製品整列ストッパ機構10とその制御部10aを合わせてストッパ機構D、製品移載機構20とその制御部20aを合わせて製品移載ロボットE、トレー移載機構40とその制御部40aを合わせてトレー移載ロボットFと、符号を付して説明する。
【0063】
先ず、異常待機状態とするため、以下の準備を行って待機する。
【0064】
(1)自動倉庫51から、トレー21を積載していないパレット(空パレットA)を出庫してエレベータで下ろす。
【0065】
(2)Aを製品積載トレーの積載位置である第1の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。
【0066】
(3)次に、空のトレー21を複数積載したパレット41(トレーパレットB)を出庫してエレベータで下ろす。
【0067】
(4)Bをトレーの積載位置である第2の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。
【0068】
(5)トレー移載ロボットFが、Bから空のトレー21をトレー交換ロボットCのトレーの保持台32(C2位置)に移送し載置する。
【0069】
(6)トレー交換ロボットCが回転し、トレーの保持台32を製品載置の水平な所定位置C1に配置する。一方のトレーが乗っていないトレーの保持台31が手前C2に回ってくる。
【0070】
(7)トレー移載ロボットFが、Bから空のトレーをトレー交換ロボットCのトレーの保持台31(C2位置)に移送し載置する。
保持台31、32は、トレー交換ロボットCの回転により、180度反転した位置C1、C2に移動する。以上の作業で待機状態となる。
【0071】
(8)最終梱包ラインの異常発生、排出システム始動の指令である異常信号を受信すれば、製品整列ベルトコンベア11のストッパ機構Dが稼動を開始する。
【0072】
(9)ストッパ機構Dは、流れてくる製品1を検知し、製品整列ベルトコンベア11の下からストッパ板11−1から11−Pを突き上げて、製品1を一定間隔で複数個(3〜4個)並べる。
【0073】
(10)ストッパ機構Dの整列信号を受けて、製品移載ロボットEが整列された複数個の製品1を把持して、トレー21の収納ポケット23に移載する。このとき製品移載ロボットEは、載置されているトレーが何列何行かを判断して動く。
【0074】
(11)トレー21のポケット23が満杯になると、トレー交換ロボットCが、回転して製品1の詰まったトレー21を傾斜させて、ポケット23内の片隅に整列させ、一方の空のトレー21の保持台31を水平な所定位置C1にセットする。
【0075】
(12)トレー移載ロボットFは、トレー交換ロボットCからの信号で、C2位置にあるその保持台32から、製品1が満載されたトレー21を把持して、第1の所定位置に移送して空パレットAに積載する。
【0076】
(13)次に、トレー移載ロボットFは、空トレー21が積まれたパレットがある第2の所定位置から、空のトレー21を把持してC2の位置の空いた保持台32に、移載する。(9)から(13)を繰返す。
【0077】
(14)第1の所定位置に置かれた空のパレットAに、製品を満載したトレー21が所定段数積載されたら、水平移動ローラコンベア52が、そのパレット41を自動倉庫の出入り口51aまで送り、エレベータで自動倉庫51に庫入する。
【0078】
(15)同時に、空のトレーが全部、使われて空となった第2の所定位置に置かれたパレット41は、第1の所定位置へ水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。
【0079】
(16)次に、空のトレー21を複数積載したパレット41(トレーパレットB)を出庫してエレベータで下ろす。
【0080】
(17)Bをトレーの積載位置である第2の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。
【0081】
(18)ここで、ストッパ機構Dは、排出中止の信号の有無を検出し、無ければ(9)に戻り排出作業を継続する。排出中止の信号があれば、ストッパ機構D、トレー移載ロボットFの作業を中止する。
【0082】
次に、上流側製造工程が停止している際に、下流側梱包ラインに自動倉庫51にストックされた製品1を供給する動作の流れ、いわゆる排出された製品の供給について説明する。
【0083】
(19)自動倉庫51から、トレー21を積載していないパレット(空パレットA)を出庫してエレベータで下ろす。続いて、Aを第1の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。((1)、(2)と同じ動作である)
【0084】
(20)自動倉庫51から製品1を満載したトレー21を積載したパレット41を出庫してエレベータで下ろす。
【0085】
(21)そのパレット41を第2の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。
【0086】
(22)次に、トレー移載ロボットFは、第2の所定位置にあるパレット41から製品が満載されたトレー21を把持して、空けられた保持台32(C2位置)に移送して載置する。
【0087】
(23)トレー移載ロボットFの信号を受けて、トレー交換ロボットCが回転し、トレーの保持台32を水平な所定位置C1に配置する。一方の空トレーが乗ったトレーの保持台31が手前C2に回ってくる。
【0088】
(24)製品移載ロボットEは、製品1が積載されたC1の位置にあるトレー21から製品1を一列ずつ吸引把持して供給ベルトコンベア11に移送して供給する。
【0089】
(25)一方、前記(24)の作業の間に、トレー移載ロボットFが、トレーの保持台31(C2位置)から空のトレー21を第1の所定位置のパレット41に移送し積載する。
【0090】
(26)次に、トレー移載ロボットFは、第2の所定位置にあるパレット41から製品が満載されたトレー21を把持して、空けられた保持台31(C2位置)に移送して載置しておく。
【0091】
(27)(24)の作業の終了信号によりトレー交換ロボットCが回転し、製品1を満載したトレーの保持台を所定位置C1に配置する。
【0092】
(28)以上の作業を(22)から繰り返し、第2の所定位置にある製品満杯のトレー21が無くなれば、第1の所定位置に積重さねられた空のトレー21を積載したパレット41を水平移行ローラコンベア52で自動倉庫51へ送り、空になった第2の所定位置のパレットを第1の所定位置に移動させる。
【0093】
(29)(20)と同様に、自動倉庫51から製品1を満載したトレー21を積載したパレット41を出庫してエレベータで下ろす。
【0094】
(30)そのパレット41を第2の所定位置まで水平移動ローラコンベア52及びローラコンベア間パレット移動機構53で移動させる。(22)からの作業を繰返す。
【0095】
以上の作業は、自動倉庫51内の制御部が製品1を搭載したパレット41が無くなった信号を送るまで続けられる。
【0096】
本発明においては、排出製品整列ストッパ機構10と製品移載機構20を用いて供給ベルトコンベア11上に製品を整列させて製品収納用トレー21に移載しているが、供給ベルトコンベア11上を流れてくる製品をカメラで画像認識させて、認識した製品を把持して製品収納用トレー21に移載する画像認識対応ロボットを用いることによって、これらの機能を置き換えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の自動系外排出・供給搬送システム100の構成を示す平面図である。
【図2】排出製品整列ストッパ機構10の構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】トレー保持交換・ポケット内整列機構30の構造を示す側面図である。
【図4】5行4列のポケットを設けたトレーの構造を示す平面図である。
【図5】トレー移載機構40の構造を示す側面図である。
【図6】トレー着脱・把持機構44の構造を示す図で,(a)は前面図、(b)は平面図である。
【図7】製品移載機構20のアーム22の構造を示す正面図である。
【図8】パレットの構造を示す斜視図である。
【図9】パレット41の移動方向を説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
1 製品
10 排出製品整列ストッパ機構
10a 制御部
11b 上下移動機構
11 供給ベルトコンベア(製品整列ベルトコンベア)
11−1〜11−P ストッパ板
11a 停止信号受信端子
11m モータ
11n コンベア駆動機構
11p 発光部
11q 受光部
20 製品移載機構
20a 制御部
20z 中心軸
20y エア供給口
21 製品収納用トレー(トレー)
22 エア吸引口付アーム:(n組)
22a 吸引口
22b エア口移動機構
23 ポケット
23b エア把持機構
23a 製品チャックプレート爪挿入部
25 多関節アーム接続部
30 トレー保持交換・ポケット内整列機構
30a 制御部
30y 支持台
30z 中心軸
31 第1のトレー保持台
31a 支持レバー
31b カムフをロア
31c トレー支持棒
31d スプリング
32 第2のトレー保持台
32a 支持レバー
32b カムフをロア
32c トレー支持棒
32d スプリング
33 回転軸
33a 傾斜レールカム:(回転軸外周に沿うカム)
33b 動力伝達部(トランスミッタ)
33c モータ
40 トレー移載機構
40a 制御部
40y エア供給口
40z 中心軸
41 トレー積載パレット(パレット)
41a トレー積載用位置決め棒
41b 基板
42 設置架台
43 トレー把持・着脱付アーム(先端部)
44 トレー着脱・把持機構
44a 爪揺動機構
44b 爪部材
44c 電子制御シリンダー
50 パレット倉庫収納機構
50a 制御部
51 自動倉庫
51a 出入り口
52 水平移動ローラコンベア
52a 第1のローラコンベア
52b 第2のローラコンベア
52c ローラ
53 ローラコンベア間パレット移動機構
53a エアシリンダー
100 自動系外排出・供給搬送システム
100a 共通架台
110 上流側ベルトコンベア
120 下流側ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTPシートを複数枚束ねたバンド掛け状態の製品またはピロー包装された製品が供給ベルトコンベアに載って下流側梱包ラインに送られているときに、その梱包ラインに障害があり停止した場合或は停止させた場合、上流側工程ラインを停止させないで、送られてくる前記供給ベルトコンベア上の製品を、一時的にライン系外にストックする自動系外排出と、そのライン系外に一時的にストックされた製品を前記供給ベルトコンベアに戻して前記下流梱包ラインにその製品を供給する自動系外排出・供給搬送システムであって、
前記供給ベルトコンベア上の搬送されている製品列を所定ピッチ長で複数P個整列させるため、そのベルトコンベアの下側から電子制御信号により上下移動自在の前記ピッチ長でそのコンベア終端から配置されたP個のストッパ板及び制御信号入力端子と;
前記下流側梱包ラインの停止検出センサーの信号または停止ボタン信号を受信し、前記ベルトコンベア終端に近い第1のストッパ板の入力端子へON信号を送り第1のストッパ板を突出させる第1の製品ストップ手段と、各ストッパ板間に1個ずつ製品が入るように、それぞれの検出センサーのタイミングで第2のストッパ板から第Pのストッパ板まで順次ON信号を送り第Pのストッパ板まで突出させるP個製品ストップ手段とを少なくとも備える制御部と;
からなる排出製品整列ストッパ機構と、
前記供給ベルトコンベアから排出したい製品をm行n列に収納し、その列間隔ピッチが前記所定ピッチ長と同一寸法としてm×n個の製品収納ポケットを設ける製品収納用トレーと;
複数n個(n=<P)の整列製品をエア吸引により同時に引出すn組のエア吸引口と把持機構を設けた排出アームと;
その排出アームを移動・回転させる回転軸に支持され電子制御により所定位置へ移行する排出アーム移動機構と;
その排出アームのn組のエア吸引口にn個の製品を同時に吸引し、前記コンベア上から取り出し、そのアームを移動機構により前記製品収納用トレーの第1行目の各列n個収納ポケットに製品を降下挿入する手段を第m行までm回繰返しm×n個を収納するポケット収納手段を少なくとも備える制御部と;
からなる製品移載機構と;
中心回転軸と、その軸方向にそって形成された溝を一端が上下スライドする、その軸に対して対称な位置に配置される2本の支持レバーと、その支持レバーの他端に前記製品収納用トレーが回転自在に保持され、その軸の周りに回転する第1及び第2の保持台と;
前記保持台が回転して前記供給ベルトコンベアに最接近したときはその保持台が水平になり、その反対側にある保持台は所定角度でもっとも傾斜するように前記回転軸の外周に沿って設けた傾斜カムレールと;
その傾斜カムレールに乗り前記支持レバーの一端をスライドさせるカムフォロアと;
前記製品移載機構により製品収納トレーのポケットすべてに製品が移された時は、その制御部の発信するポケット・フル信号を受信して、その中心回転軸を180度回転させトレーを傾斜させるトレー保持台交換及びポケット内製品整列手段とを少なくとも備える制御部と;
からなるトレー保持交換・ポケット内整列機構と、
前記製品収納トレーを複数Q枚積載できるトレー積載パレットと;
前記保持台の製品満杯のトレーを空のトレーと交換するため、そのトレーの対向する2隅に設けられ、電子制御のエアシリンダにより把持用回転板を回転させてトレーを把持するトレー把持アームと;
そのアームを移動回転させる回転軸に支持され電子制御により所定位置へ行こうするトレーアーム移動機構と;
前記トレー保持交換・ポケット内整列機構による保持台の交換回転終了信号を受信して予め第1の所定位置に設置したトレーの無い空のトレー積載パレットへ満杯トレーを積み重ねると共に、製品の無い空トレーを予め第2の所定位置に設置した空トレー積載パレットから一枚の空トレーをトレー把持アームで把持して空の保持台へ移行させるトレー積載手段とを少なくとも備える制御部と;
からなるトレー移載機構と、を少なくとも備えることを特徴とする自動系外排出・供給搬送システム。
【請求項2】
一時的に前記ライン系外にストックするため、前記製品収納トレー及びそのトレーを積載した前記トレー積載パレットに、それぞれユニークな通し番号が付され、そのトレー積載パレットに割当てられた倉庫座標位置に電子制御により出庫・入庫が管理される自動倉庫と;
その自動倉庫の出入り口から複数の所定位置へトレー積載パレットを移動させまたは複数の所定位置から前記出入り口へトレー積載パレットを移動させる2組の水平移動ローラコンベアと、そのコンベア終端に設けられ水平移動ローラコンベア間を移動させるエアシリンダーによるパレット移行機構と;
前記第1の所定位置のトレー積載パレットへ満杯トレーを積重ねてQ枚に達すると共に、第2の所定位置のトレー積載パレットは空トレーが無くなれば、トレー移載機構部の制御部はパレット移行指定信号を発信し、その信号を受信して、第1の所定位置にある製品満杯トレーを前記水平移動ローラコンベアにより自動倉庫の出入口へ移行させ;
所定の座標位置へストックさせる製品トレーストック手段と;
第2の所定位置のパレットを第1の所定位置へ水平移動ローラコンベア及びパレット移行機構により移動させると共に、自動倉庫から空トレーをQ枚積重ねたトレー積載パレットを出入口へ移送させ、パレット移行機構及び水平移動ローラコンベアにより第2の所定位置へ移行させる空トレー補給手段と;を少なくとも備える制御部と;
からなるパレット倉庫収納機構を備えることを特徴とする自動系外排出・供給搬送システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−302419(P2007−302419A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132965(P2006−132965)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(390029090)靜甲株式会社 (30)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】