説明

自動給水装置

【課題】装置全体の大きさをコンパクトにすることにより、多くの便器設置現場に容易に適用することができると共に、定量吐水の精度を向上させることができる自動給水装置を提供する。
【解決手段】本発明の自動給水装置1は、この一次側通水路20の通水を異なる通水方向に差し向けるように圧力室18から延び、洗浄水を便器に吐水する吐水口22が下流側に位置する二次側通水路24と、圧力室内の水圧に応じて二次側通水路を開閉するピストンバルブ26と、二次側通水路を開閉することにより圧力室内の水圧を変化させてピストンバルブを開閉させる電磁弁30と、二次側通水路の水流により回転する発電用羽根車32bを備えた発電機、及び、二次側通水路の水流により回転する流量検知用羽根車34bを備えた流量センサー34を備えた発電ユニット10と、発電用羽根車及び流量検知用羽根車を回転させるための水流を整流させる整流手段36aと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動給水装置に係り、特に、使用者の動作に基づいて便器に洗浄水を自動的に吐水する自動給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の動作に基づいて、水洗大便器又は水洗小便器等の水洗便器に洗浄水を自動的に吐水する自動給水装置として、自動給水装置の一部、又は便器やその周辺に設けられている人体感知センサーが便器の使用者(人体)を感知し、この使用者が便器使用後にセンサーから離れると、自動給水装置に内蔵されている電磁弁が通水路を開放し、水道等の給水源に直結した給水管から供給された洗浄水を便器に定量吐水する、いわゆる、フラッシュバルブ方式の自動給水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の自動給水装置においては、通水路を開閉する電磁弁と、この電磁弁の下流側に設けられ、通水路の水流を利用することにより、電磁弁を作動させるための電力を発電する発電機が自動給水装置本体に内蔵されている。さらに、自動給水装置本体内の電磁弁及び発電機の上流側の通水路には、通水路の水流を利用することにより流量を検知する流量センサーが設けられており、この流量センサーの検知結果に基づいて電磁弁の開閉が調整されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4472312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の自動給水装置においては、便器に設けられた自動給水装置に給水するための給水管がトイレ室の壁裏に配置される等のレイアウト事情や、比較的狭いトイレ室内の便器周囲の限られたスペースに自動給水装置を配置しなければならない等の事情により、自動給水装置について、吐水性能を確保しつつ装置自体の大きさをいかにコンパクトにするかが従来から要請された課題となっている。
【0006】
また、従来の自動給水装置において流量センサーを設けた場合、定量吐水の精度を向上させることができる反面、自動給水装置内に流量センサーを設けるだけのスペースを要し、自動給水装置自体の大きさが、流量センサーを設けていない場合よりも大きくなってしまうため、設置現場によっては、自動給水装置の取り付けが困難となるという問題がある。
【0007】
さらに、流量センサーを設けた自動給水装置自体のコンパクト化を図るには、装置本体内部の給水側の通水路(一次側通水路)から吐水側の通水路(二次側通水路)に至る経路についても、途中で通水方向が変更される等、通水路のレイアウトも複雑なものになる。
【0008】
また、特に、電磁弁が閉弁時の一次側通水路には、比較的高い給水圧がかかっており、通水路のレイアウトが複雑になると、電磁弁の開閉前後における一次側通水路と二次側通水路との圧力変動も大きく、通水路内の水流も乱れがちになるが、このような水流の乱れは、水流を利用することにより流量を検知する流量センサーの検知結果のばらつきをもたらし、定量吐水の精度を低下させてしまうおそれがあるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、装置全体の大きさをコンパクトにすることにより、多くの便器設置現場に容易に適用することができると共に、定量吐水の精度を向上させることができる自動給水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、使用者の動作に基づいて便器に洗浄水を吐水する自動給水装置であって、洗浄水が給水される給水口が上流側に位置し、下流側に圧力室が形成された一次側通水路と、この一次側通水路の通水を異なる通水方向に差し向けるように上記圧力室から延び、洗浄水を便器に吐水する吐水口が下流側に位置する二次側通水路と、上記圧力室内に設けられ、この圧力室内の水圧に応じて上記二次側通水路を開閉する主弁体と、上記圧力室と上記二次側通水路との間の通水路を開閉可能に設けられ、開閉することにより上記圧力室内の水圧を変化させて上記主弁体を開閉させる電磁弁と、上記二次側通水路に設けられ、この二次側通水路を通過する水の流れにより回転する発電用の羽根車を備え、この発電用の羽根車を回転させることにより、上記電磁弁を駆動するための電力を発生させる発電機を備えた発電ユニットであって、この発電機に隣接して設けられ、上記二次側通水路を通過する水の流れにより回転する流量検知用の羽根車を備え、この流量検知用の羽根車を回転させることにより、上記二次側通水路内の吐水の流量情報を検知する流量検知手段を備えた上記発電ユニットと、この発電ユニットの流量検知手段により検知した上記流量情報に基づいて、上記電磁弁の開閉動作を調整し、便器洗浄を制御する制御部と、上記発電用の羽根車及び上記流量検知用の羽根車を回転させるための水流を整流させる整流手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、一次側通水路内の通水を異なる通水方向に差し向ける二次側通水路を設けると共に、流量検知手段を一つの発電ユニット内の発電機に隣接して設けたことにより、流量検知手段を発電ユニットの外部に設けた場合に比べて自動給水装置全体の大きさをコンパクトにすることができ、自動給水装置をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。また、発電用の羽根車及び上記流量検知用の羽根車を回転させるための水流を整流させる整流手段により、一次側通水路を通過した通水が二次側通水路により異なる通水方向に差し向けられて水流が乱れたとしても、整流手段により、発電用の羽根車及び流量検知用の羽根車に供給する水流を整流して安定化させることができる。この結果、発電機による安定した発電を行うことができると共に、流量検知手段による検知結果のばらつきを低減させることができ、定量吐水の精度を向上させることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記整流手段は、上記発電ユニット内の少なくとも上記発電用の羽根車の上流側近傍の流路に設けられ且つ上記上流側近傍の流路を上記発電ユニットの上流側流路よりも狭める絞り部である。
このように構成された本発明においては、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して並列するように発電ユニットの流量検知手段が発電機に隣接して配置されているため、流量検知手段を発電ユニットの外部に設けた場合に比べて自動給水装置全体の大きさをコンパクトにすることができ、自動給水装置をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。また、発電用の羽根車及び流量検知用の羽根車を回転させるための水流を整流させる整流手段として、発電ユニット内の少なくとも発電用の羽根車の上流側近傍の流路に絞り部を設けることにより、発電用の羽根車及び流量検知用の羽根車に供給する水流を整流して安定化させることができる。この結果、発電機による安定した発電を行うことができると共に、流量検知手段による検知結果のばらつきを低減させることができ、定量吐水の精度を向上させることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上記発電ユニットの流量検知手段は、その流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して横方向に並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記絞り部は、更に、上記流量検知手段の流量検知用の羽根車の上流側近傍に設けられている。
このように構成された本発明においては、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して横方向に並列するように流量検知手段が発電機に隣接して配置されているため、発電機の発電用の羽根車と流量検知用の羽根車を通過する水流の流路長さをより短くすることができる。また、絞り部が発電用の羽根車と流量検知用の羽根車の双方の上流側近傍の流路に設けられているため、発電用の羽根車及び流量検知用の羽根車に供給する水流を整流して安定化させることができる。この結果、発電機による安定した発電を行うことができると共に、流量検知手段による検知結果のばらつきを低減させることができ、定量吐水の精度を向上させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列するように上記発電機の下流側に隣接して配置され、上記流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が上記発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ上記流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が上記発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向する。
このように構成された本発明においては、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列するように流量検知手段が発電機の下流側に隣接して配置されているため、絞り部により整流化されて発電機の発電用の羽根車に供給された水流は、発電用の羽根車を通過することにより、さらに整流化された状態で下流側の流量検知用の羽根車の回転軸に供給されるため、流量検知手段による検知結果のばらつきをより効果的に低減させることができ、定量吐水の精度をより効果的に向上させることができる。また、流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向するように配置されているため、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列しているにもかかわらず、発電ユニットの上下方向の厚みをコンパクトにすることができ、自動給水装置をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して斜め下方且つ下流側に並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が上記発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ上記流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が上記発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向する。
このように構成された本発明においては、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して斜め下方且つ下流側に並列するように流量検知手段が発電機に隣接して配置されているため、絞り部により整流化されて発電機の発電用の羽根車に供給された水流は、まず、発電用の羽根車を通過することにより、さらに整流化された状態で下流側の流量検知用の羽根車の回転軸に供給されるため、流量検知手段による検知結果のばらつきをより効果的に低減させることができ、定量吐水の精度をより効果的に向上させることができる。また、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して斜め下方且つ下流側に並列していることに加えて、流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向するように配置されているため、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列している場合よりも、発電ユニットの上下方向の厚みをよりコンパクトにすることができ、自動給水装置をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対してほぼ同一の軸線上で対向するように上記発電機に隣接して配置され、上記整流手段は、上記発電ユニット内の上記流量検知用の羽根車及び上記発電用の羽根車の上流側近傍の流路に設けられ且つ上記上流側近傍の流路の大きさが上記発電ユニットの上流側流路の大きさよりも狭くなるように設定した絞り部である。
このように構成された本発明においては、流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対してほぼ同一の軸線上で対向するように流量検知手段が発電機に隣接して配置されているため、流量検知用の羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列している場合よりも、発電ユニットの上下方向の厚みをコンパクトにすることができ、自動給水装置をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の自動給水装置によれば、装置全体の大きさをコンパクトにすることにより、多くの便器設置現場に容易に適用することができると共に、定量吐水の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態による自動給水装置が適用された水洗大便器を示す概略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による自動給水装置の内部構造を示す正面断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って見た断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿って見た断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図である。
【図9】本発明の第4実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って見た断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図である。
【図12】本発明の第5実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面により、本発明の第1実施形態による自動給水装置を説明する。
図1は本発明の第1実施形態による自動給水装置が適用された水洗大便器を示す概略図であり、図2は本発明の第1実施形態による自動給水装置の内部構造を示す正面断面図であり、図3は図2のIII−III線に沿って見た断面図である。
【0019】
まず、図1に示すように、符号1は、本発明の第1実施形態による自動給水装置を示している。この自動給水装置1は、トイレ室内に設置された水洗大便器2の上方に設けられ、上流側端部が水道等の給水源(図示せず)と連通する給水栓4から下流側に延びる給水管6に接続された自動給水装置本体8と、この自動給水装置本体8の下方(下流側)に設けられた発電ユニット10を備えている。
なお、本実施形態の自動給水装置1においては、一例として、水洗大便器に設けた形態について説明するが、水洗大便器の代わりに水洗小便器に設けてもよい。
【0020】
また、発電ユニット10の下方(下流側)には、断水等で給水側が負圧となったときに、便器2側からの汚水が上流側(自動給水装置1側)に逆流するのを防ぐバキュームブレーカ12が設けられている。
さらに、バキュームブレーカ12の下方(下流側)には、配管14が下方に延びるように接続されており、この配管14の下流側に位置する下端部は、水洗大便器2の便器本体2aの後方側上端部に接続されている。
【0021】
つぎに、図2に示すように、自動給水装置本体8は、洗浄水が給水される給水口16が上流側に位置し且つ下流側に圧力室18が形成された一次側通水路20と、この一次側通水路20の通水を異なる通水方向に差し向けるように圧力室18から下方に延び、洗浄水を下流側(便器側)に吐水する吐水口22が下流側に位置する二次側通水路24を備えている。
【0022】
また、自動給水装置本体8の圧力室18内には、ピストンバルブ26が設けられ、このピストンバルブ26は、圧力室18内の水圧に応じて上下動し、圧力室18の下流側の二次側通水路24の入口24aを開閉する主弁体として機能するようになっている。
【0023】
さらに、圧力室18と二次側通水路24とを連通させる通水路28には、電磁弁30が設けられ、この電磁弁30が通水路28の入口28aを開閉することにより、圧力室18内の水圧が変化してピストンバルブ26が上下動し、二次側通水路24の入口24aを開閉するようになっている。
【0024】
つぎに、自動給水装置本体8の下流側に設けられている発電ユニット10は、発電機32と流量センサー34を備えており、これらの発電機32と流量センサー34は、発電ユニット10の内部にほぼ上下方向に延びる通水路36を形成する発電ユニットケーシング10a内に互いに隣接して配置されている。
より具体的に説明すると、発電機32は、発電ユニット10の通水路36における上流側(自動給水装置本体8側)に配置され、流量センサー34は、発電ユニット10の通水路36における発電機32よりも下流側に配置されている。すなわち、発電機32が上流側に位置し、流量センサー34が下流側に位置するように、両者32,34が発電ユニット10という一つのユニットの中に一体的に組み込まれている。
【0025】
図2及び図3に示すように、発電機32は、ほぼ円筒状の外枠を形成するケーシング32aと、このケーシング32a内に回転可能に収容された発電用羽根車32bを備え、ケーシング32aは、発電ユニットケーシング10a内の上方に内蔵され且つ発電用羽根車32bの回転軸32cが前後方向に延びるように配置されている。
また、ケーシング32aの上流側の外周の一部には、所定の幅でケーシング32aの長手方向に延びる細長形状のスリット32dが形成されている。このスリット32dは、ケーシング32aの流入孔として機能するようになっており、自動給水装置本体8の二次側通水路24から発電ユニット10の通水路36に流れ込み、ケーシング32aのスリット32dから内部に流入した水流が、発電用羽根車32bの羽根32eに当たることにより、発電用羽根車32bが回転して発電が行われるようになっている。
さらに、発電機32により発電された電力は、蓄電手段であるコンデンサ38に蓄電され、コントローラ40による電磁弁30の開閉制御等に使用されるようになっている。
【0026】
流量センサー34は、発電機32と同様に、ほぼ円筒状の外枠を形成するケーシング34aと、このケーシング34a内に回転可能に収容された流量検知用羽根車34bを備えている。
また、流量センサー34のケーシング34aは、流量検知用羽根車34bの回転軸34cが発電機32の発電用羽根車32bの回転軸32cに対して上下方向に並列するように、発電機32の下方且つ下流側に隣接して配置されている。さらに、流量検知用羽根車34bの回転軸34cの基端側B2は、発電用羽根車32bの回転軸32cの先端側H1と上下方向に対向しており、流量検知用羽根車34bの回転軸34cの先端側H2は、発電用羽根車32bの回転軸32cの基端側B1と上下方向に対向している。
【0027】
また、ケーシング34aの上流側の外周の一部には、所定の幅でケーシング34aの長手方向に延びる細長形状のスリット34dが形成されている。
このスリット34dは、ケーシング34aの流入孔として機能するようになっており、発電ユニット10の通水路36の発電機32の区間から下流側に流出した水流が、ケーシング34aのスリット34dからケーシング34aの内部に流入し、流量検知用羽根車34bの羽根34eに当たると、流量検知用羽根車34bが回転し、この回転数がカウンター(図示せず)により検知されるようになっている。
【0028】
さらに、流量センサー34は、発電ユニット10の通水路36内の水流により回転する羽根車34bの回転数をパルスとして出力し、この出力した信号がコントローラ40に送信され、コントローラ40に内蔵されている演算回路(図示せず)によって、瞬間パルス数や積算パルス数が算出され、発電ユニット10の通水路36を通過する吐水の流量として換算されるようになっている。
【0029】
つぎに、発電ユニットケーシング10a内の通水路36における発電機32のケーシング32aのスリット32dの上流側近傍の流路には、発電ユニット10よりも上流側に位置する二次側通水路24の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部36aが設けられている。この絞り部36aは、発電ユニット10の上流側の二次側通水路24から絞り部36aを経て、発電機32のケーシング32aのスリット32dから発電用羽根車32bに流入する水流の流れを整流する手段として機能するようになっている。
【0030】
同様に、発電ユニットケーシング10a内の通水路36における流量センサー34のケーシング34aのスリット34dの上流側近傍の流路には、発電機32よりも下流側で且つ流量センサー34よりも上流側に位置する通水路36の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部36bが設けられている。この絞り部36bは、発電機32よりも下流側で且つ流量センサー34よりも上流側の通水路24から絞り部36bを経て、流量センサー34のケーシング34aのスリット34dから流量検知用羽根車34bに流入する水流の流れを整流する手段として機能するようになっている。
【0031】
なお、本実施形態では、一例として、発電ユニットケーシング10a内の通水路36において、発電機32と流量センサー34のそれぞれの上流側近傍に絞り部36a,36bをそれぞれ設けた形態について説明するが、通水路36の通水が発電機32を通過することにより十分に整流された状態で流量センサー34に供給される場合には、通水路36の絞り部36bを省略してもよく、少なくとも発電機32のケーシング32aのスリット32dの上流側近傍に設けられた絞り部36aのみでも適用可能である。
【0032】
つぎに、自動給水装置本体8の一部には、水洗大便器2の使用者を感知する人体感知センサー42(図1及び図2参照)が配置されている。
自動給水装置1が水洗大便器2に吐水を行う前の状態は、電磁弁30とピストンバルブ26が閉弁し、一次側通水路20及び圧力室18内が給水で満たされ、所定の一次水圧で止水された状態となるようになっている。そして、使用者が水洗大便器2に近づくと、人体感知センサー42が使用者を感知し、便器使用後、使用者が人体感知センサー42から離れると、人体感知センサー42が非検知状態となり、この非検知状態を示す信号がコントローラ40に送信されるようになっている。
さらに、この人体感知センサー42から送信された信号を受信したコントローラ40により、電磁弁30を開弁させる指令信号が電磁弁30に送信され、この指令信号を受信した電磁弁30が所定時間開弁する制御が行われるようになっている。
【0033】
なお、本実施形態の自動給水装置1においては、水洗大便器2の使用者の動作を検知する動作検知手段の一例として、人体感知センサー42が自動給水装置1の一部に組み込まれた形態について説明するが、他の動作検知手段の形態として、トイレ室内の水洗便器周辺の壁に手をかざすと感知するセンサーを設けてもよいし、タッチスイッチやタッチボタンのようなものを採用し、これらに使用者が触れたり又は押したりすることにより、動作を検知させるようにしてもよい。
【0034】
つぎに、図2を参照し、本実施形態の自動給水装置の動作(作用)について説明する。
まず、使用者が便器使用後に人体感知センサー42から離れると、人体感知センサー42が非検知状態となり、この非検知状態を示す信号がコントローラ40に送信される。そして、この人体感知センサー42から送信された信号を受信したコントローラ40は、電磁弁30を開弁させる指令信号を電磁弁30に送信すると、電磁弁30の開弁動作が開始する。
【0035】
つぎに、自動給水装置1においては、電磁弁30が開弁すると、圧力室18内の水が電磁弁30を介して通水路28から二次側通水路24へ流れ込む。そして、圧力室18内のほとんどの水が二次側通水路24へ流れ込むと、圧力室18内に水圧が掛からなくなるため、一次側通水路20側からの給水圧(一次圧力)によってピストンバルブ26が上方に押し上げられ、ピストンバルブ26が二次側通水路24の入口24aを開放する。
そして、上流側の給水管6から下流側の圧力室18に向かってほぼ水平方向に流れる一次側通水路20内の給水が、ピストンバルブ26を介して二次側通水路24へ流れ込んでほぼ下方に流れる。すなわち、給水管6から圧力室18にかけてほぼ水平方向に流れる一次側通水路20の通水は、圧力室18を経て二次側通水路24へ流れ込むことにより、一次側通水路20の通水方向(ほぼ水平方向)とは異なる通水方向(下方)に差し向けられた後、自動給水装置本体8の二次側通水路24の下流側に位置する発電ユニット10の通水路36に流れ込む。
【0036】
自動給水装置本体8の二次側通水路24から発電ユニット10の通水路36内に流れ込んだ通水は、通水路36の絞り部36aによって発電ユニット10の上流側の流路よりも流路が絞られた状態で、主として発電機32のケーシング32aのスリット32dからケーシング32a内に流入し、比較的整流された流れとなる。
発電機32のケーシング32a内に流れ込んだ比較的整流された通水は、発電用羽根車32bの羽根32eに当たり、発電用羽根車32bの回転軸32cを回転させ、発電機32による発電が行われる。この発電機32によって発電された電力は、コンデンサ38に蓄電された後、コントローラ40や電磁弁30の作動に使用される。
【0037】
つぎに、発電機32を通過した発電ユニット10の通水路36の通水は、通水路36の絞り部36bによって発電機32よりも下流側で且つ流量センサー34よりも上流側の通水路24よりも流路が絞られた状態で、ケーシング34aのスリット34dからケーシング34aの内部に流入し、発電機32を通過した直後の流れよりもさらに整流された流れとなる。
流量センサー34のケーシング34a内に流れ込んだ通水は、流量検知用羽根車34bの羽根34eに当たり、流量検知用羽根車34bの回転軸34cを回転させ、この回転数がカウンター(図示せず)により検知される。そして、この流量検知用羽根車34bの回転数がパルスとして出力され、この出力信号がコントローラ40に送信され、コントローラ40に内蔵されている演算回路(図示せず)によって、瞬間パルス数や積算パルス数が算出され、発電ユニット10の通水路36を通過する吐水の流量として換算される。
流量センサー34を通過した通水は、配管14内を流れ、水洗大便器2の便器本体2aに吐水される。
【0038】
上述した本発明の第1実施形態による自動給水装置1によれば、一次側通水路20内の通水を異なる通水方向に差し向ける二次側通水路24を設けたことに加えて、流量センサー34と発電機32の2つに機器を互いに隣接して一つの発電ユニット10の発電ユニットケーシング10a内に設けたことにより、流量センサー34を発電ユニット10の外部に設けた場合に比べて、自動給水装置1の全体の大きさをコンパクトにすることができ、自動給水装置1をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【0039】
また、本実施形態による自動給水装置1によれば、発電用羽根車32b及び流量検知用羽根車34bを回転させるための発電ユニットケーシング10a内の通水路36の水流を整流させる整流手段である発電ユニットケーシング10a内の通水路36の絞り部36a,36bが、発電機32のケーシング32aのスリット32dと流量センサー34のケーシング34aのスリット34dのそれぞれの上流側近傍の流路に設けられているため、発電用羽根車32b及び流量検知用羽根車34bに供給する水流を十分に整流して安定化させることができる。この結果、発電機32による安定した発電を行うことができると共に、流量センサー34による検知結果のばらつきを低減させることができ、定量吐水の精度を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態による自動給水装置1によれば、流量センサー34の流量検知用羽根車34bの回転軸34cが発電機32の発電用羽根車32bの回転軸32cに対して、上下方向に並列するように、発電機32の下方且つ下流側に隣接して配置されているため、発電ユニットケーシング10a内の通水路36の絞り部36aにより整流化されて発電機32の発電用羽根車32bに供給された水流は、発電用羽根車32bを通過して通水路36の絞り部36bを通過することにより、さらに整流化された状態で下流側の流量検知用羽根車34bの回転軸34cに供給される。この結果、流量センサー34による検知結果のばらつきをより効果的に低減させることができ、定量吐水の精度をより効果的に向上させることができる。
また、流量検知用羽根車34bの回転軸34cの基端側B2が発電用羽根車32bの回転軸32cの先端側H1と上下方向に対向し、且つ流量検知用羽根車34bの回転軸34cの先端側H2が発電用羽根車32bの回転軸32cの基端側B1と上下方向に対向するように配置されているため、流量検知用羽根車34bの回転軸34cが発電機32の発電用羽根車32bの回転軸32cに対して上下方向に並列しているにもかかわらず、発電ユニット10の上下方向の厚みをコンパクトにすることができ、自動給水装置1をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【0041】
つぎに、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態による自動給水装置を説明する。
図4は本発明の第2実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図であり、図5は図4のV−V線に沿って見た断面図である。ここで、図4及び図5において、上述した本発明の第1実施形態による自動給水装置の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0042】
図4及び図5に示すように、本発明の第2実施形態による自動給水装置101においては、発電ユニット110流量センサー134のケーシング134aが、流量検知用羽根車134bの回転軸134cが発電機132の発電用羽根車132bの回転軸132cに対して横方向に並列するように、発電機132に隣接して配置されている構成が第1実施形態の自動給水装置の構成と異なっている。
【0043】
また、流量検知用羽根車134bの回転軸134cの基端側B102は、発電用羽根車132bの回転軸132cの先端側H101と水平方向に対向しており、流量検知用羽根車134bの回転軸134cの先端側H102は、発電用羽根車132bの回転軸132cの基端側B101と水平方向に対向している。
【0044】
さらに、発電ユニットケーシング110a内の通水路136における発電機132のケーシング132aのスリット132dの上流側近傍の流路には、発電ユニット110よりも上流側に位置する二次側通水路24の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部136aが設けられている。この絞り部136aは、発電ユニット110の上流側の二次側通水路24から絞り部136aを経て、発電機132のケーシング132aのスリット132dから発電用羽根車132bに流入する水流の流れを整流すると共に、流量センサー134のケーシング134aのスリット134dから流量検知用羽根車134bに流入する水流の流れを整流する手段として機能するようになっている。
【0045】
上述した本発明の第2実施形態による自動給水装置101によれば、流量検知用羽根車134bの回転軸134cが発電機132の発電用羽根車132bの回転軸132cに対して横方向に並列するように、流量センサー134が発電機132に隣接して配置されているため、発電機132の発電用羽根車132bと流量センサー134の流量検知用羽根車134bを通過する水流の流路長さをより短くすることができる。
また、発電ユニットケーシング110a内の通水路136の発電機132のケーシング132aのスリット132dの上流側近傍に設けられた絞り部136aにより、発電用羽根車132bと流量検知用羽根車134bの双方に供給する水流を整流して安定化させることができるため、発電機132による安定した発電を行うことができると共に、流量センサー134による検知結果のばらつきを低減させることができ、定量吐水の精度を向上させることができる。
【0046】
つぎに、図6及び図7を参照して、本発明の第3実施形態による自動給水装置を説明する。
図6は本発明の第3実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図であり、図7は本発明の第3実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図である。ここで、図6及び図7において、上述した本発明の第1及び第2実施形態による自動給水装置の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0047】
図6及び図7に示すように、本発明の第3実施形態による自動給水装置201においては、流量検知用羽根車234bの回転軸234cが発電機232の発電用羽根車232bの回転軸232cに対して上下方向に並列するように、流量センサー234が発電機132の下方且つ下流側に隣接して配置されている構成が第1実施形態の自動給水装置の構成と共通している。
しかしながら、流量検知用羽根車234bの回転軸234cの基端側B202が、発電用羽根車232bの回転軸232cの基端側B201と上下方向に対向し、流量検知用羽根車234bの回転軸234cの先端側H202が、発電用羽根車232bの回転軸232cの先端側H201と上下方向に対向している構成が第1実施形態の自動給水装置の構成と異なっている。
【0048】
さらに、発電ユニットケーシング210a内の通水路236における発電機232のケーシング232aのスリット232d及び流量センサー234のケーシング234aのスリット234dのそれぞれの上流側近傍の流路には、発電ユニット210よりも上流側に位置する二次側通水路24の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部236a,236bがそれぞれ整流手段として設けられている。
【0049】
上述した本発明の第3実施形態による自動給水装置201によれば、流量センサー234の流量検知用羽根車234bの回転軸234cが発電機232の発電用羽根車232bの回転軸232cに対して、上下方向に並列するように、発電機232の下方且つ下流側に隣接して配置されているため、発電ユニットケーシング210a内の通水路236の絞り部236aにより整流化されて発電機232の発電用羽根車232bに供給された水流は、発電用羽根車232bを通過して整流化される。そして、通水路236の絞り部236bを通過することにより、さらに整流化された状態で下流側の流量検知用羽根車234bの回転軸234cに供給される。この結果、流量センサー234による検知結果のばらつきをより効果的に低減させることができ、定量吐水の精度をより効果的に向上させることができる。
【0050】
つぎに、図8〜図10を参照して、本発明の第4実施形態による自動給水装置を説明する。
図8は本発明の第4実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図であり、図9は本発明の第4実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図であり、図10は図9のX−X線に沿って見た断面図である。ここで、図8〜図10において、上述した本発明の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態による自動給水装置の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0051】
図8〜図10に示すように、本発明の第4実施形態による自動給水装置301においては、発電ユニット310の流量センサー334が発電機332の下流側に隣接して配置されている構成が第1及び第3実施形態による自動給水装置の構成と共通している。
しかしながら、流量検知用羽根車334bの回転軸334cが発電機332の発電用羽根車332bの回転軸332cに対して斜め下方且つ下流側に並列するように、流量センサー334が発電機332に隣接して配置され、流量検知用羽根車334bの回転軸334cの基端側B302が発電用羽根車332bの回転軸332cの先端側H301と対向し、且つ流量検知用羽根車334bの回転軸334cの先端側H302が発電用羽根車332bの回転軸332cの基端側B302と対向している構成が第1及び第2実施形態による自動給水装置の構成と異なっている。
【0052】
さらに、発電ユニットケーシング310a内の通水路336における発電機332のケーシング332aのスリット332d及び流量センサー334のケーシング334aのスリット334dのそれぞれの上流側近傍の流路には、発電ユニット310よりも上流側に位置する二次側通水路24の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部336a,336bがそれぞれ整流手段として設けられている。
【0053】
上述した本発明の第4実施形態による自動給水装置301によれば、流量検知用羽根車334bの回転軸334cが発電機332の発電用羽根車332bの回転軸332cに対して斜め下方且つ下流側に並列するように、流量センサー334が発電機332に隣接して配置されているため、発電ユニットケーシング310a内の通水路336の絞り部336aにより整流化されて発電機332の発電用羽根車332bに供給された水流は、発電用羽根車332bを通過して整流化される。そして、通水路336の絞り部336bを通過することにより、さらに整流化された状態で下流側の流量検知用羽根車334bの回転軸334cに供給される。この結果、流量センサー334による検知結果のばらつきをより効果的に低減させることができ、定量吐水の精度をより効果的に向上させることができる。また、第1及び第3実施形態による自動給水装置のように流量検知用羽根車の回転軸が発電機の発電用羽根車の回転軸に対して上下方向に並列している場合よりも、発電ユニット310の上下方向の厚みをよりコンパクトにすることができ、自動給水装置301をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【0054】
つぎに、図11〜図13を参照して、本発明の第5実施形態による自動給水装置を説明する。
図11は本発明の第5実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面図であり、図12は本発明の第5実施形態による自動給水装置の発電ユニットを示す正面断面図であり、図13は図12のXIII−XIII線に沿って見た断面図である。ここで、図11〜図13において、上述した本発明の第1〜第4実施形態による自動給水装置の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0055】
図11〜図13に示すように、本発明の第5実施形態による自動給水装置401においては、発電ユニット410における流量センサー434の流量検知用羽根車434bの回転軸434cが発電機432の発電用羽根車432bの回転軸432cに対してほぼ同一の軸線上に配置され、両回転軸432c,434cの先端同士が互いに対向するように、流量センサー434が発電機432に隣接して配置されている構成が、上述した第1〜第4実施形態による自動給水装置の構成と異なっている。
【0056】
さらに、発電ユニットケーシング410a内の通水路436における発電機432のケーシング432aのスリット432d及び流量センサー434のケーシング434aのスリット434dのそれぞれの上流側近傍の流路には、発電ユニット410よりも上流側に位置する二次側通水路24の流路の大きさよりも小さくなるように流路を狭める絞り部436aが整流手段として設けられている。
【0057】
上述した本発明の第5実施形態による自動給水装置401によれば、発電ユニット410における流量センサー434の流量検知用羽根車434bの回転軸434cが発電機432の発電用羽根車432bの回転軸432cに対してほぼ同一の軸線上に配置され、両回転軸432c,434cの先端同士が互いに対向するように、流量センサー434が発電機432に隣接して配置されているため、第1及び第3実施形態による自動給水装置1,201のように流量検知用羽根車の回転軸が発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列している場合、第2実施形態による自動給水装置101のように流量検知用羽根車134bの回転軸134cが発電機132の発電用羽根車132bの回転軸132cに対して横方向に並列している場合、及び第4実施形態による自動給水装置301のように、流量検知用羽根車334bの回転軸334cが発電機332の発電用羽根車332bの回転軸332cに対して斜め下方且つ下流側に並列している場合よりも、発電ユニット410の上下方向の厚みをコンパクトにすることができ、自動給水装置401をより多くの便器設置現場に容易に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 自動給水装置
2 水洗大便器
2a 便器本体
4 給水栓
6 給水管
8 自動給水装置本体
10 発電ユニット
10a 発電ユニットケーシング
12 バキュームブレーカ
14 配管
16 給水口
18 圧力室
20 一次側通水路
22 吐水口
24 二次側通水路
24a 二次側通水路の入口
26 ピストンバルブ(主弁体)
28 通水路
30 電磁弁
32 発電機
32a ケーシング
32b 発電用羽根車
32c 発電用羽根車の回転軸
32d スリット
32e 羽根
34 流量センサー(流量検知手段)
34a ケーシング
34b 流量検知用羽根車
34c 流量検知用羽根車の回転軸
34d スリット
34e 羽根
36 通水路
36a 絞り部
36b 絞り部
38 コンデンサ
40 コントローラ(制御部)
42 人体感知センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の動作に基づいて便器に洗浄水を吐水する自動給水装置であって、
洗浄水が給水される給水口が上流側に位置し、下流側に圧力室が形成された一次側通水路と、
この一次側通水路の通水を異なる通水方向に差し向けるように上記圧力室から延び、洗浄水を便器に吐水する吐水口が下流側に位置する二次側通水路と、
上記圧力室内に設けられ、この圧力室内の水圧に応じて上記二次側通水路を開閉する主弁体と、
上記圧力室と上記二次側通水路との間の通水路を開閉可能に設けられ、開閉することにより上記圧力室内の水圧を変化させて上記主弁体を開閉させる電磁弁と、
上記二次側通水路に設けられ、この二次側通水路を通過する水の流れにより回転する発電用の羽根車を備え、この発電用の羽根車を回転させることにより、上記電磁弁を駆動するための電力を発生させる発電機を備えた発電ユニットであって、この発電機に隣接して設けられ、上記二次側通水路を通過する水の流れにより回転する流量検知用の羽根車を備え、この流量検知用の羽根車を回転させることにより、上記二次側通水路内の吐水の流量情報を検知する流量検知手段を備えた上記発電ユニットと、
この発電ユニットの流量検知手段により検知した上記流量情報に基づいて、上記電磁弁の開閉動作を調整し、便器洗浄を制御する制御部と、
上記発電用の羽根車及び上記流量検知用の羽根車を回転させるための水流を整流させる整流手段と、
を有することを特徴とする自動給水装置。
【請求項2】
上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記整流手段は、上記発電ユニット内の少なくとも上記発電用の羽根車の上流側近傍の流路に設けられ且つ上記上流側近傍の流路を上記発電ユニットの上流側流路よりも狭める絞り部である請求項1記載の自動給水装置。
【請求項3】
上記発電ユニットの流量検知手段は、その流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して横方向に並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記絞り部は、更に、上記流量検知手段の流量検知用の羽根車の上流側近傍に設けられている請求項2記載の自動給水装置。
【請求項4】
上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して上下方向に並列するように上記発電機の下流側に隣接して配置され、上記流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が上記発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ上記流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が上記発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向する請求項2記載の自動給水装置。
【請求項5】
上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対して斜め下方且つ下流側に並列するように上記発電機に隣接して配置され、上記流量検知用の羽根車の回転軸の基端側が上記発電用の羽根車の回転軸の先端側と対向し且つ上記流量検知用の羽根車の回転軸の先端側が上記発電用の羽根車の回転軸の基端側と対向する請求項2記載の自動給水装置。
【請求項6】
上記発電ユニットの流量検知手段は、上記流量検知用の羽根車の回転軸が上記発電機の発電用の羽根車の回転軸に対してほぼ同一の軸線上で対向するように上記発電機に隣接して配置され、上記整流手段は、上記発電ユニット内の上記流量検知用の羽根車及び上記発電用の羽根車の上流側近傍の流路に設けられ且つ上記上流側近傍の流路の大きさが上記発電ユニットの上流側流路の大きさよりも狭くなるように設定した絞り部である請求項1記載の自動給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−207501(P2012−207501A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75753(P2011−75753)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】