自動臨床アナライザで用いる較正溶液システム
装填トレイから較正・品質管理溶液バイアルを取り出し、そしてこれらの溶液バイアルを較正・品質管理溶液サーバにおいて生化学アナライザに格納するようになっているシャトルを使用して較正・精度管理プロトコルを自動的に実施するようになっている生化学アナライザ。さらに、このアナライザは、自動的に、較正・品質管理溶液バイアルの開口部を覆っている蓋を穿刺し、バイアルから或る量の溶液を吸引し、この溶液を検査用キュベットに計量分配し、それによって作業者介入の必要性をなくすようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などのような患者の生物学的流体サンプルを自動的に分析する装置に関する。一層詳しくは、本発明は、生物学的流体を分析するようになっている自動生化学アナライザ内で品質管理手順を実施するときに必要なプロセスを自動化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の診断および治療に関連した数多くの評価分析は、患者の感染部、体液または膿瘍部のサンプルを使用して自動生化学アナライザで実施することができる。一般的に、このような生化学アナライザは、被検物質特異的化学試薬および反応監視手段の組み合わせを使用して、或る特定の被検物質を含むと推測される液体サンプル内のこの特定物質または被検物質の存在または濃度を評価分析または決定する。患者サンプルは、代表的には、管状バイアルに入れ、このバイアルから抽出し、特殊な反応キュベット内で種々の試薬と混ぜ合わせ、インキュベートし、分析して患者の治療の助けとする。代表的な臨床生化学アナライザでは、1つまたはそれ以上の評価分析試薬を別々の時刻に液体サンプルに添加し、このサンプル・試薬溶液を混ぜ合わせ、反応キュベット内でインキュベートする。サンプル・試薬溶液と相互作用する検査用放射線ビームを使用して分析測定、たとえば、濁度または蛍光または吸収の読み取りなどを行ってエンドポイント値またはレート値を確認し、それから被検物質の量を決定することができる。
【0003】
自動生化学アナライザは、周知であり、ほぼ普遍的に、或る種の較正曲線を使用する。この較正曲線は、被検物質の存在に対応して反応監視手段の発生する信号に対する或る既知の被検物質濃度を有する、慎重に調製した溶液内の被検物質濃度と関連している。このような溶液は、「キャリブレータ」または「較正溶液」または「標準溶液」と呼ばれており、或る種の栓で閉じた管状バイアル内に入れてある。既知の予め決めた種々の被検物質濃度を持たせて慎重に調製しておいた多数の較正溶液を用いることによって或る化学アナライザについての完全な較正曲線を確立することは生化学分析業界では通常実務である。これらの較正溶液は一回またはそれ以上の回数評価分析し、その結果生じた反応信号をそれぞれの既知被検物質濃度に対してプロットする。次いで、反応信号と被検物質濃度の関係の正確な反復を生じさせるように選んだいくつかの数学的技術のいずれかを使用して連続較正曲線を作成する。較正曲線の形状は、試薬、被検物質およびアナライザの電気機械設計の複雑な相互作用の影響を受ける。したがって、理論的な被検物質・試薬反応が知られている場合でも、一般的には、数学的な技術を使用して許容できる較正曲線を得る必要がある。完全な較正曲線を確立する際に使用される被検物質濃度の範囲は、代表的には、血液、血清、血漿、尿などのような生物学的サンプル内に見いだされると予想される被検物質濃度の範囲の前後に広がるように選ばれる。ここで、「較正溶液」なる用語は、適切なアナライザ動作を確認はするが、このアナライザ動作を較正しないように使用されるゼロレベル、高レベルの被検物質を代表的に有するいわゆる「品質管理」溶液も含む。
【0004】
報告することができる当たりのコストを減らすよう臨床検査室への圧力が高まっていることにより、自動生化学アナライザの総コストパフォーマンスの向上が絶えず必要である。特に、決まりきったアナライザ較正プロトコルを行う際の作業者介入の必要性を最小限に抑えて全作業コストを減らすことが求められている。作業者介入を最小限に抑えるための積極的な一助は、必要に応じて連続的な較正溶液供給を自動的に行って広範囲にわたるアナライザ較正プロトコルを実施する能力である。
【0005】
問題があるのは、アナライザを較正するためこの業界で使用されている現行の手順では、冷領域から必要な較正溶液を収容しているバイアルを取り出し、代表的にはキャップを外したり、栓を抜いたりすることによって閉じたバイアルなどを開き、較正溶液の一部を吸引し、おそらくは希釈溶液を調製して或る範囲の被検物質濃度を得、いくつかの較正溶液またはすべての較正溶液を検査用キュベットに計量分配することを作業者がしなければならないということである。或る場合には、較正溶液は、それが安定した状態にある有効寿命が短いので、安定性に劣る液体としてよりもむしろより安定した粉末形態で供給される。使用に先立って、粉末状または凍結乾燥させた較正溶液を収容しているバイアルを作業者が開き、或る精密な量の蒸留水または脱イオン水を使用して再水和し、バイアルを再閉鎖してから振り動かし、凍結乾燥させたキャリブレータ全部を溶解させてから較正溶液の一部を吸引する。次いで、検査用キュベットの内容物をアナライザによって評価分析し、その結果を用いて、アナライザが適切な較正状態にあることを確認したり、適切な較正状態を達成するためにアナライザの較正曲線を調節したりする。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、いつ、そして、どの較正溶液をアナライザによって評価すべきかを決定し、較正および品質管理プロトコルを自動的に実施すると共に、適正かつ正確な分析状態にアナライザを維持するのに必要な調節を自動的に実施するようになっているランダム・アクセス生化学アナライザを提供することにある。本発明にとって重要な較正溶液バイアル供給システムは、較正溶液バイアルを装填トレイから取り出し、そしてこれらの溶液バイアルを較正溶液サーバで生化学アナライザに格納する(inventory)容器シャトルを使用する。さらに、アナライザは、自動的に、較正溶液バイアルの開口部を覆っている蓋を穿刺し、或る量の溶液を吸引し、この溶液を検査用キュベットに計量分配して従来必要とされていた作業者介入をなくすようになっている。したがって、このシステムは、較正溶液バイアル装填トレイ、少なくとも1つの較正溶液バイアル・サーバ、および少なくとも1つの較正溶液吸引位置の間で較正溶液バイアルを移動させることによって、多数の異なった較正溶液容器を吸引位置に位置させる融通性を持ったランダム・アクセス較正溶液供給システムとなる。
【0007】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行う以下の詳細な説明からより完全に理解して貰えよう。
図1は、本発明を実施するようになっている自動アナライザの概略平面図である。
図2は、図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
図3は、図1のアナライザの自動アリクォット受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
図4は、図1のアナライザで役に立つアリクォット受け器アレイの斜視図である。
図5は、図1のアナライザで役に立つ多区画式の細長い試薬カートリッジ・較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
図5Aは、図1のアナライザで役に立つ較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
図5Bは、図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの頂平面図である。
図6は、本発明を実施する際に役に立つ較正溶液バイアル管理システムの頂平面図である。
図7は、本発明を実施する際に役に立つ単一の双方向リニア・シャトルの斜視図である。
図8は、本発明を実施する際に役に立つ較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
図9は、図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアと連動する図8の較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【0008】
図1は、図2と共に、本発明を有利に実行できる自動化学アナライザ10の諸要素を概略的に示している。アナライザ10は、キュベット・ポート20を形成した外側キュベット回転コンベヤ14と受け器ポート22を形成した内側キュベット回転コンベヤ16とを支持している反応回転コンベヤ12を含み、外側キュベット回転コンベヤ14と内側キュベット回転コンベヤ16は開放溝18によって分離されている。キュベット・ポート20は、在来の臨床評価分析および免疫測定評価分析のための種々の試薬およびサンプル液を収容している複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。一方、受け器ポート22は、超高感度発光免疫測定専用の試薬を収容している複数の反応受け器25を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、一定方向に段階的または周期的に移動するように回転可能であり、これらの移動は一定の滞留時間によって分離されており、この滞留時間中、回転コンベヤ12は静止状態に留まり、センサ、試薬添加ステーション、混合ステーションなどのコンピュータ制御式評価分析操作デバイス13が、必要に応じて、キュベット24内に収容されている評価分析混合物に作用する。
【0009】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.の販売しているDimension(R)臨床化学アナライザで使用され、コンピュータ・ベースの電気機械管理プログラミングの分野で当業者によって広く使われているような、機械言語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15が実行するソフトウェアによって制御される。コンピュータ15は、アナライザ10内の種々の分析手段17によって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムも実行する。
【0010】
温度制御式保管領域またはサーバ26、27、28が、本発明の譲受人に譲渡された同時係属出願09/949132に記載されているような所与の評価分析を実施するように必要に応じてウェル32内に試薬を収容している、図5に示すような複数の多区画式の細長い試薬カートリッジ30を格納する。試薬カートリッジ30は、試薬容器30を初めてアナライザ10上へ置いたときはいつでも、試薬容器30が新しくて未使用のものか、または、試薬容器30が以前に使用されたものかどうか自動的に決定するセンサ機構31を備えている。サーバ26は、図5A、5Bに示すような、本発明によるアナライザ10によって較正手順で使用されることになっているバイアル30V内に較正溶液または品質管理溶液を入れた較正溶液バイアル・キャリア30Aも格納する。図6に関連して後述するように、サーバ26は、第1の回転コンベヤ26Aを含み、この第1の回転コンベヤ26Aでは、試薬カートリッジ30およびバイアル・キャリア30Aを、吸引・計量分配アーム60によってアクセスできるように第2の回転コンベヤ26Bへ移動させるまで格納することができる。図6は、回転コンベヤ26Aおよび回転コンベヤ26Bが同心の円形で、第1の回転コンベヤ26Aが第2の回転コンベヤ26Bの内側にある有利な実施形態を示している。試薬容器30およびバイアル・キャリア30Aは、それらを後述する往復動位置に自動的に移送するようになっている装填トレイ29内に置くことによって作業者が装填することができる。
【0011】
このアナライザ10において最適評価分析処理量を維持するのに重要なファクタは、入っている試薬を使い切る前にサーバ26、27、28に時機良く試薬容器30を補給する能力である。同様に、入っている溶液を使い切る前にサーバ26に時機良くバイアル30V内の較正溶液を補給し、較正間の時間、または前回の較正以降に実施した評価分析の数、または正常範囲から外れた評価分析結果の数、またはアナライザの性能の変化のいずれに基づくかにかかわらず、必要に応じて較正手順および管理手順を行うことができる能力も重要である。この課題は、使い切る前に較正手順および管理手順で使用する必要な追加の較正溶液を時機良くアナライザ10に与え、それによってアナライザ10の評価分析処理量を連続的に維持することによって解決することができる。
【0012】
評価分析処理量の継続性を維持するために、本発明によって教示するように、コンピュータ15は、特に定めた期間にわたって試薬容器毎、較正バイアル容器毎、品質管理容器毎、評価分析毎、較正基準毎に各試薬容器30で消費されたすべての試薬および各バイアル容器30Aで消費された較正溶液の消費日時と共に、試薬および評価分析化学溶液の消費量を追跡するようにプログラムする。この消費データ、時刻および既に保管領域26内に装填されている試薬容器30および較正バイアル30Vの現在の格納データを使用することで、コンピュータ15は、特に定めた期間にわたる将来の評価分析在庫目録(inventory)需要を決定するように特に定めた期間にわって在庫目録需要分析を行い、試薬容器30および較正バイアル30Vが実際に必要となる前に将来の適切な時機に必要となる試薬容器30および較正バイアル30Vすべてのリストを作業者に表示または発行するようにプログラムする。いくつかの例では、試薬容器30の試薬は、使用前に水和するか希釈しなければならず、このような時間要因も在庫目録需要分析に含まなければならない。前記試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aの作業者による追加により、充分な試薬および較正溶液の供給が確実になり、アナライザ10の将来の必要性を連続的に満たし、アナライザ10を適切な作動状態に維持する。
【0013】
本明細書の読者には明らかなように、特に定めた期間にわたる較正溶液在庫目録需要分析を行うことは、特に定めた期間にわたって平均した在庫目録需要分析を使用することとは対照的に、本発明を実践する際の主要な要因である。ここで発見したのは、評価分析需要装填パターン、したがって、通常の較正プロトコルおよび品質管理プロトコルのための需要パターン、たとえば月曜日のパターンは、たとえば木曜日の需要パターンとは非常に異なる可能性があるということである。さらに、たとえば所与の曜日の需要装填パターンは、以前のいくつかの同じ曜日の需要装填パターンに非常に良く似る可能性が大きいことを発見したのである。特に定められた需要パターンの原則は、或る範囲の社会的な慣例であるいくつかのファクタに起因する。たとえば、代表的には週末のスポーツ競技、および/または休日に多くなる社交行事などに起因する。さらに、効率上の理由で、或る臨床検査室では、週のほぼ中日に評価分析を選ぶ、たとえばPSA検査を行うようにスケジュールを組み、週の早い時期に或る通院患者検査、たとえばグルコース検査を行うようにスケジュールを組む。最後に、或る外科医は、週の始めに或る種の外科手術を行い、週末近くに他のタイプの手術を行うようにスケジュールを組み、手術前患者評価分析の日毎のパターンを異ならせるようにしている。需要パターンにさらに関与するのは、たとえば、検査室が地方コミュニティよりもトラウマが多そうな都市コミュニティで稼働しているかどうか、検査室が医療研究大学で稼働しているかどうか、検査室が小児科病院のような専門病院で稼働しているかどうかなどに応じて、異なった検査室が異なった評価分析需要パターンを持つという事実である。
【0014】
定期的に、たとえば毎日、本発明の教示するように、較正・品質管理溶液消費データは、研究所情報システム(LIS)または病院情報システム(HIS)内に位置する外部コンピュータ・システム、または、遠隔の較正・品質管理バイアル30Aの製造業者のところにある製造業者情報システム(MIS)にも転送される。外部コンピュータ・システムは、この消費データを使用して、バイアル30V内の較正溶液が将来の使用のために局所的在庫目録において確実に利用できるように時機良くバイアル30Vの再注文の必要性を決定する。本発明の好ましい実施形態では、バイアル30Vの消費データは、較正バイアル30Vの製造業者が使用し、製造出荷データと比較して再注文量を決定する。製造業者は、アナライザ10の場所への連続的な供給を確保するように必要に応じてアナライザ10の場所に付加的な較正バイアル30Vを自動的に出荷する。
【0015】
白抜きの矢印で示す入力レーン36Aおよび出力レーン36Bを有する双方向送入・送出サンプル・チューブ移送システム34は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,571,934号に記載されているような磁気駆動システムを使用して、検査しようとしている試料液を収容する個々の送入サンプル・チューブ40を移送し、液体サンプル採取アリクォッタ38の下にあるサンプル・チューブ・ラック42内に装填する。サンプル・チューブ40に入っている試料液は、在来のバーコードリーダを使用して、このサンプル・チューブに付けたバーコード記号を読み取ることによって特定され、例えば患者の身元、実施されるべき検査、サンプル・アリクォットがアナライザ10内に保持されることになっているかどうか、その場合どのくらいの期間保持するかを決定する。また、サンプル・チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ40およびラック42の位置を確認、制御、追跡することも普通の実務である。
【0016】
或る量のサンプル流体がラック42上のすべてのサンプル流体チューブ40から吸引されて、サンプル採取アリクォッタ38によってアリクォット受け器44Vに計量分配された後、成功した評価分析結果が得られるまでラック42はバッファ・ゾーンに保持してもよい。サンプル流体ラック42がサンプル採取ゾーンまたはバッファ・ゾーンに保持されているかどうかに関係なく、バッファ・ゾーンと組み合わせた往復動機構43がサンプル流体ラック42を出力レーン36B上へ置く。出力レーン36Bは、磁気駆動システムと共に、サンプル流体チューブ40を収容しているラック42を、出力レーン36Bの終端に向かって、作業者が容易にアクセス可能であってラック42をアナライザ10から取り出すのが便利であるアナライザ10の正面領域まで移動させる。
【0017】
サンプル流体チューブ40に入っている試料液は、在来のバーコードリーダを使用して、このサンプル流体チューブに付けたバーコード記号を読み取ることによって特定され、例えば患者の身元、実施されるべき検査、サンプル流体アリクォットがアナライザ10内に保持されることになっているかどうか、その場合どのくらいの期間保持するかを決定する。また、サンプル流体チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数のバーコードリーダを使用してサンプル流体チューブ40およびサンプル流体チューブ・ラック42の位置を確認、制御、追跡することも普通の実務である。
【0018】
図6に示すアリクォット受け器アレイ移送システム50は、アリクォット受け器アレイ保管・計量分配モジュール51と、図1に示すように、反応回転コンベヤ12に接近して設置したサンプル流体吸引・計量分配アーム54の下方に多数のアリクォット受け器アレイ・トラック57内のアリクォット受け器アレイ44を双方向移動させるようになっている多数のリニア駆動モータ52とを含む。サンプル流体吸引・計量分配アーム54は、コンピュータ15によって制御され、在来の液体プローブ54Pを使用してトラック53内のサンプル採取位置に位置した個々の受け器44Vから制御した量のサンプル流体を吸引し、次いで、液体プローブ54Pが計量分配位置に移動するようになっており、この計量分配位置において、適切な量の吸引サンプル流体がキュベット・ポート20にある1つまたはそれ以上のキュベット24に計量分配され、アナライザ10が検査を行う。サンプル流体が反応キュベット24に計量分配された後、在来の移行手段が、必要に応じて、アリクォット受け器アレイ移送システム50、環境室48、廃棄領域(図示せず)間でアリクォット受け器アレイ44を移動させる。
【0019】
それぞれ在来の液体プローブ60P、61P、62Pを含む多数の吸引・計量分配アーム60、61、62は、独立して装着してあり、それぞれのサーバ26、27、28と外側キュベット回転コンベヤ14との間を移動できる。プローブ60P、61P、62Pは、試薬添加位置で指定の評価分析を行うのに必要な試薬を適切な試薬カートリッジ30にあるウェル32から吸引する在来の機構を含む。プローブ60P、61P、62Pは、次いで、計量分配位置まで移動させられ、そこで、外側キュベット回転コンベヤ14にあるキュベット・ポート20に収容されたキュベット24に試薬を計量分配する。多数の試薬カートリッジ30が、サーバ26、27、28内に制御環境状態で格納されている。同様に、多数の較正溶液バイアル30Vが、サーバ26内に制御環境状態において格納され、これらに吸引・計量分配アーム60が必要に応じてアクセスして、必要に応じて較正・品質管理プロトコルを行い、アナライザ10を適切な作動状態に維持することができる。アナライザ10の高い評価分析処理量を維持する際に重要な要因は、必要な較正溶液および制御溶液の入っている多種多様なバイアル30Vを格納し、試薬保管領域26A、26B内で多数の較正・品質管理プロトコルを実施し、次いで、プローブ60Pがアクセスできるように、吸引・計量分配位置へこれらのバイアルをランダムに迅速に移送する能力である。
【0020】
図6は、図7と共に、バイアル・キャリア30Aをシャトル72下方の装填位置に自動的に位置させるモータ駆動式レーキ73を有する装填トレイ29からバイアル・キャリア30Aを取り出すようになっている単一の双方向リニア・シャトル72を示している。バイアル30Vは、在来のバーコード状のしるしおよび装填トレイ29近くに設けたバーコードリーダ41を使用してそこに入っている較正溶液、管理溶液のタイプが識別され、そして隔壁32Sで密閉される。コンピュータ15は、バイアル・キャリア30Aがアナライザ10内に移送されるにつれて、キャリア内に支えられたあらゆるバイアル30Vの位置を追跡するようにプログラムしてある。試薬容器シャトル72が図7に示すように単一のバイアル・キャリア30Aを移送している例では、シャトル72は、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願通し番号第10/623,311号に記載されているように、使用時に往復駆動ベルト72Bに生じる可能性のある長さ変化を補正するか、または急激な方向転換中に駆動ベルト72Bに生じる可能性のある張力変化を補正し、それにより、該駆動ベルト72Bが摩耗したときでもバイアル・キャリア30Aがその意図した位置に正確に位置できるように設計した自動テンショナ72Gを含む。テンショナ72Gの使用時、モータ72Mはコンピュータ15によって制御されて、時計回りおよび反時計回りの方向に駆動ベルト72Bを循環させ、バイアル・キャリア30Aを回転コンベヤ26のスロット内に位置させる。図7において、駆動ベルト72Bには、エッジ・ガイド72Cによってバイアル・キャリア30Aが取り付けてあり、その結果、較正溶液または品質管理溶液のバイアル30Vを収容しているバイアル・キャリア30Aが、双頭矢印で示す方向に沿って双方向に往復動することができる。したがって、シャトル72は、バイアル・キャリア30Aをサーバ26内のスロット内に配置し、これらのバイアル・キャリア30Aをサーバ26内の2つの同心の回転コンベヤ26A、26Bのいずれかに配置するようになっている。シャトル72は、2つの同心の回転コンベヤ26A、26B間でバイアル・キャリア30Aを移動させるようにもなっている。円弧状双頭矢印で示すように、回転コンベヤ26Aは左右両方向に回転してそこに配置されたバイアル・キャリア30Aのうち任意特定のものを試薬吸引アーム60下方に置くことができる。
【0021】
図6の試薬容器シャトル27S、28Sは、図7に示すキャリア・シャトル72と設計が類似している。試薬吸引アーム60、61、62は点線で示してあり、これは回転コンベヤ26Bおよび試薬容器トレイ27T、28Tのそれぞれに格納された試薬容器30の面より手前に位置していることを表している。前述の説明から明らかなように、シャトル72は、試薬容器装填トレイ29、試薬容器トレイ27T、28T、回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30を移動させることもできる。さらに、シャトル27S、28Sは、試薬容器トレイ27T、28T内の試薬容器30を適切な吸引位置へ(または、シャトル72下方の装填位置へ)移動させることができ、試薬用回転コンベヤ26A、26Bは、任意の試薬容器30を試薬吸引アーム60下方に置くことができ、ランダム・アクセス式試薬供給システムとなる。
【0022】
本発明を実施するに際して役に立つ吸引・計量分配アーム60およびプローブ60Pは、図8に示すように、水平方向駆動部要素60H、垂直方向駆動部要素60V、洗浄モジュール要素60W、洗浄マニホルド要素60Mからなり、表1に記載する主機能を有する。水平方向駆動部要素60Hおよび垂直方向駆動部要素60Vは、代表的には、コンピュータ制御のステップ・モータまたはリニア・アクチュエータであり、コンピュータ15によって制御されて精密に制御された運動を行う。
【0023】
【表1】
【0024】
図9は、プローブ60Pを、普通の構成の内外面を有し、洗浄マニホルド60Mによって支持された在来型の中空の液体担持用ボアとして示してあり、洗浄マニホルド60Mは、中空空気チューブ70によって三方向弁71に接続してある。プローブ60Pは、好ましくは、隔壁30Sを貫いて挿入するときに摩擦を減らすように設計したテーパ付きの先端を有し、いくつかのねじ状コネクタ(図示せず)を用いるか、または、溶接するかすることで洗浄マニホルド60Mに連結してもよい。弁71は、場合に応じて、空気チューブ70を(1)大気通気チューブ74および空気供給源75に接続した通気弁73に接続したり、(2)中空空気チューブ77によってピストン型シリンジ・ポンプ76接続したりするように作動可能である。在来の空気圧力測定トランスデューサ78が、ポンプ76と弁71との間で中空空気チューブ79によって空気チューブ77に接続してある。
【0025】
図9は、プローブ60Pを、バイアル30Vの隔壁30Sを穿刺し、バイアル30Vに入っている較正溶液または品質管理溶液内に位置した状態で示している。レベル検知手段、たとえば周知の容量性信号を使用するレベル検知手段を使用してプローブ60Pが確実に液体に没するようにすると良い。ピストン76が起動すると、それが動く距離がコンピュータ15によって制御され、制御した量の較正溶液または品質管理溶液がプローブ60P内に吸引される。このプロセス中、弁71は、通気チューブ72には閉じているが、空気チューブ77および空気チューブ70には開いている。弁71は、場合に応じて、大気通気チューブ74に接続される通気弁73に空気チューブ70を接続するように作動可能である。バイアル30Vからの較正溶液または品質管理溶液の吸引が完了した後、洗浄マニホルド60Mが、垂直方向駆動部60Vによって上昇し、プローブ60Pが回転コンベヤ14のポート20に支持された1つのキュベット24に較正溶液または品質管理溶液を計量分配することができるように水平方向駆動部60Hによって位置決めされる。図9は、洗浄マニホルド60Wを、中空液体搬送チューブ81によって接続したフラッシュ弁82を含むものとしても示している。フラッシュ弁82は、中空液体チューブ83によって液体搬送チューブ81を加圧すすぎ洗い水源84に接続するように作動可能である。
【0026】
この説明から当業者には明らかなように、回転コンベヤ26A、26Bが任意のバイアル・キャリア30Aを吸引アーム60下方に位置させる能力との組み合わせでシャトル72がバイアル・キャリア30Aを装填トレイ29とサーバ26A、26Bとの間で移動させる能力と、吸引・計量分配アーム60およびプローブ60Pが閉じたバイアル30Vから溶液にアクセスできる能力とにより、融通性のあるランダム・アクセス・バイアル・キャリア30A供給システムを得ることができ、必要に応じてキュベット24に多数の異なった較正溶液を供給し、自動的に較正プロトコルを実施すると共に、作業者介入の必要なしにアナライザを適切で精密な分析状態に維持するように必要に応じて調節を行える。
【0027】
本発明が広範囲にわたる利用、応用の余地があることは当業者であれば容易に理解するべきである。ここに開示したもの以外の本発明の多くの実施形態および適用ならびに多くの変更、修正および同等の配置が、本発明の実質または範囲から逸脱することなく本発明およびその前記の説明から明らかであり、また、合理的に示唆されている。
【0028】
したがって 、本発明を特定の実施形態に関して詳しくここに説明してきたが、この開示が本発明の例示に過ぎず、単に発明の完全な可能性のある開示を行う目的のためにのみなされたものであることは了解されたい。前述の開示は、本発明を限定することを意図したり、そう解釈されるべきものではなく、または、任意他の実施形態、適用、変更、修正、同等の配置を排除することを意図したり、そう解釈されるべきものではなく、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を実施するようになっている自動アナライザの概略平面図である。
【図2】図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
【図3】図1のアナライザの自動アリクォット受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
【図4】図1のアナライザで役に立つアリクォット受け器アレイの斜視図である。
【図5】図1のアナライザで役に立つ多区画式の細長い試薬カートリッジ・較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
【図5A】図1のアナライザで役に立つ較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
【図5B】図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの頂平面図である。
【図6】本発明を実施する際に役に立つ較正溶液バイアル管理システムの頂平面図である。
【図7】本発明を実施する際に役に立つ単一の双方向リニア・シャトルの斜視図である。
【図8】本発明を実施する際に役に立つ較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【図9】図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアと連動する図8の較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿、血清、血漿、脳脊髄液などのような患者の生物学的流体サンプルを自動的に分析する装置に関する。一層詳しくは、本発明は、生物学的流体を分析するようになっている自動生化学アナライザ内で品質管理手順を実施するときに必要なプロセスを自動化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の診断および治療に関連した数多くの評価分析は、患者の感染部、体液または膿瘍部のサンプルを使用して自動生化学アナライザで実施することができる。一般的に、このような生化学アナライザは、被検物質特異的化学試薬および反応監視手段の組み合わせを使用して、或る特定の被検物質を含むと推測される液体サンプル内のこの特定物質または被検物質の存在または濃度を評価分析または決定する。患者サンプルは、代表的には、管状バイアルに入れ、このバイアルから抽出し、特殊な反応キュベット内で種々の試薬と混ぜ合わせ、インキュベートし、分析して患者の治療の助けとする。代表的な臨床生化学アナライザでは、1つまたはそれ以上の評価分析試薬を別々の時刻に液体サンプルに添加し、このサンプル・試薬溶液を混ぜ合わせ、反応キュベット内でインキュベートする。サンプル・試薬溶液と相互作用する検査用放射線ビームを使用して分析測定、たとえば、濁度または蛍光または吸収の読み取りなどを行ってエンドポイント値またはレート値を確認し、それから被検物質の量を決定することができる。
【0003】
自動生化学アナライザは、周知であり、ほぼ普遍的に、或る種の較正曲線を使用する。この較正曲線は、被検物質の存在に対応して反応監視手段の発生する信号に対する或る既知の被検物質濃度を有する、慎重に調製した溶液内の被検物質濃度と関連している。このような溶液は、「キャリブレータ」または「較正溶液」または「標準溶液」と呼ばれており、或る種の栓で閉じた管状バイアル内に入れてある。既知の予め決めた種々の被検物質濃度を持たせて慎重に調製しておいた多数の較正溶液を用いることによって或る化学アナライザについての完全な較正曲線を確立することは生化学分析業界では通常実務である。これらの較正溶液は一回またはそれ以上の回数評価分析し、その結果生じた反応信号をそれぞれの既知被検物質濃度に対してプロットする。次いで、反応信号と被検物質濃度の関係の正確な反復を生じさせるように選んだいくつかの数学的技術のいずれかを使用して連続較正曲線を作成する。較正曲線の形状は、試薬、被検物質およびアナライザの電気機械設計の複雑な相互作用の影響を受ける。したがって、理論的な被検物質・試薬反応が知られている場合でも、一般的には、数学的な技術を使用して許容できる較正曲線を得る必要がある。完全な較正曲線を確立する際に使用される被検物質濃度の範囲は、代表的には、血液、血清、血漿、尿などのような生物学的サンプル内に見いだされると予想される被検物質濃度の範囲の前後に広がるように選ばれる。ここで、「較正溶液」なる用語は、適切なアナライザ動作を確認はするが、このアナライザ動作を較正しないように使用されるゼロレベル、高レベルの被検物質を代表的に有するいわゆる「品質管理」溶液も含む。
【0004】
報告することができる当たりのコストを減らすよう臨床検査室への圧力が高まっていることにより、自動生化学アナライザの総コストパフォーマンスの向上が絶えず必要である。特に、決まりきったアナライザ較正プロトコルを行う際の作業者介入の必要性を最小限に抑えて全作業コストを減らすことが求められている。作業者介入を最小限に抑えるための積極的な一助は、必要に応じて連続的な較正溶液供給を自動的に行って広範囲にわたるアナライザ較正プロトコルを実施する能力である。
【0005】
問題があるのは、アナライザを較正するためこの業界で使用されている現行の手順では、冷領域から必要な較正溶液を収容しているバイアルを取り出し、代表的にはキャップを外したり、栓を抜いたりすることによって閉じたバイアルなどを開き、較正溶液の一部を吸引し、おそらくは希釈溶液を調製して或る範囲の被検物質濃度を得、いくつかの較正溶液またはすべての較正溶液を検査用キュベットに計量分配することを作業者がしなければならないということである。或る場合には、較正溶液は、それが安定した状態にある有効寿命が短いので、安定性に劣る液体としてよりもむしろより安定した粉末形態で供給される。使用に先立って、粉末状または凍結乾燥させた較正溶液を収容しているバイアルを作業者が開き、或る精密な量の蒸留水または脱イオン水を使用して再水和し、バイアルを再閉鎖してから振り動かし、凍結乾燥させたキャリブレータ全部を溶解させてから較正溶液の一部を吸引する。次いで、検査用キュベットの内容物をアナライザによって評価分析し、その結果を用いて、アナライザが適切な較正状態にあることを確認したり、適切な較正状態を達成するためにアナライザの較正曲線を調節したりする。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、いつ、そして、どの較正溶液をアナライザによって評価すべきかを決定し、較正および品質管理プロトコルを自動的に実施すると共に、適正かつ正確な分析状態にアナライザを維持するのに必要な調節を自動的に実施するようになっているランダム・アクセス生化学アナライザを提供することにある。本発明にとって重要な較正溶液バイアル供給システムは、較正溶液バイアルを装填トレイから取り出し、そしてこれらの溶液バイアルを較正溶液サーバで生化学アナライザに格納する(inventory)容器シャトルを使用する。さらに、アナライザは、自動的に、較正溶液バイアルの開口部を覆っている蓋を穿刺し、或る量の溶液を吸引し、この溶液を検査用キュベットに計量分配して従来必要とされていた作業者介入をなくすようになっている。したがって、このシステムは、較正溶液バイアル装填トレイ、少なくとも1つの較正溶液バイアル・サーバ、および少なくとも1つの較正溶液吸引位置の間で較正溶液バイアルを移動させることによって、多数の異なった較正溶液容器を吸引位置に位置させる融通性を持ったランダム・アクセス較正溶液供給システムとなる。
【0007】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行う以下の詳細な説明からより完全に理解して貰えよう。
図1は、本発明を実施するようになっている自動アナライザの概略平面図である。
図2は、図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
図3は、図1のアナライザの自動アリクォット受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
図4は、図1のアナライザで役に立つアリクォット受け器アレイの斜視図である。
図5は、図1のアナライザで役に立つ多区画式の細長い試薬カートリッジ・較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
図5Aは、図1のアナライザで役に立つ較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
図5Bは、図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの頂平面図である。
図6は、本発明を実施する際に役に立つ較正溶液バイアル管理システムの頂平面図である。
図7は、本発明を実施する際に役に立つ単一の双方向リニア・シャトルの斜視図である。
図8は、本発明を実施する際に役に立つ較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
図9は、図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアと連動する図8の較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【0008】
図1は、図2と共に、本発明を有利に実行できる自動化学アナライザ10の諸要素を概略的に示している。アナライザ10は、キュベット・ポート20を形成した外側キュベット回転コンベヤ14と受け器ポート22を形成した内側キュベット回転コンベヤ16とを支持している反応回転コンベヤ12を含み、外側キュベット回転コンベヤ14と内側キュベット回転コンベヤ16は開放溝18によって分離されている。キュベット・ポート20は、在来の臨床評価分析および免疫測定評価分析のための種々の試薬およびサンプル液を収容している複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。一方、受け器ポート22は、超高感度発光免疫測定専用の試薬を収容している複数の反応受け器25を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、一定方向に段階的または周期的に移動するように回転可能であり、これらの移動は一定の滞留時間によって分離されており、この滞留時間中、回転コンベヤ12は静止状態に留まり、センサ、試薬添加ステーション、混合ステーションなどのコンピュータ制御式評価分析操作デバイス13が、必要に応じて、キュベット24内に収容されている評価分析混合物に作用する。
【0009】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.の販売しているDimension(R)臨床化学アナライザで使用され、コンピュータ・ベースの電気機械管理プログラミングの分野で当業者によって広く使われているような、機械言語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15が実行するソフトウェアによって制御される。コンピュータ15は、アナライザ10内の種々の分析手段17によって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムも実行する。
【0010】
温度制御式保管領域またはサーバ26、27、28が、本発明の譲受人に譲渡された同時係属出願09/949132に記載されているような所与の評価分析を実施するように必要に応じてウェル32内に試薬を収容している、図5に示すような複数の多区画式の細長い試薬カートリッジ30を格納する。試薬カートリッジ30は、試薬容器30を初めてアナライザ10上へ置いたときはいつでも、試薬容器30が新しくて未使用のものか、または、試薬容器30が以前に使用されたものかどうか自動的に決定するセンサ機構31を備えている。サーバ26は、図5A、5Bに示すような、本発明によるアナライザ10によって較正手順で使用されることになっているバイアル30V内に較正溶液または品質管理溶液を入れた較正溶液バイアル・キャリア30Aも格納する。図6に関連して後述するように、サーバ26は、第1の回転コンベヤ26Aを含み、この第1の回転コンベヤ26Aでは、試薬カートリッジ30およびバイアル・キャリア30Aを、吸引・計量分配アーム60によってアクセスできるように第2の回転コンベヤ26Bへ移動させるまで格納することができる。図6は、回転コンベヤ26Aおよび回転コンベヤ26Bが同心の円形で、第1の回転コンベヤ26Aが第2の回転コンベヤ26Bの内側にある有利な実施形態を示している。試薬容器30およびバイアル・キャリア30Aは、それらを後述する往復動位置に自動的に移送するようになっている装填トレイ29内に置くことによって作業者が装填することができる。
【0011】
このアナライザ10において最適評価分析処理量を維持するのに重要なファクタは、入っている試薬を使い切る前にサーバ26、27、28に時機良く試薬容器30を補給する能力である。同様に、入っている溶液を使い切る前にサーバ26に時機良くバイアル30V内の較正溶液を補給し、較正間の時間、または前回の較正以降に実施した評価分析の数、または正常範囲から外れた評価分析結果の数、またはアナライザの性能の変化のいずれに基づくかにかかわらず、必要に応じて較正手順および管理手順を行うことができる能力も重要である。この課題は、使い切る前に較正手順および管理手順で使用する必要な追加の較正溶液を時機良くアナライザ10に与え、それによってアナライザ10の評価分析処理量を連続的に維持することによって解決することができる。
【0012】
評価分析処理量の継続性を維持するために、本発明によって教示するように、コンピュータ15は、特に定めた期間にわたって試薬容器毎、較正バイアル容器毎、品質管理容器毎、評価分析毎、較正基準毎に各試薬容器30で消費されたすべての試薬および各バイアル容器30Aで消費された較正溶液の消費日時と共に、試薬および評価分析化学溶液の消費量を追跡するようにプログラムする。この消費データ、時刻および既に保管領域26内に装填されている試薬容器30および較正バイアル30Vの現在の格納データを使用することで、コンピュータ15は、特に定めた期間にわたる将来の評価分析在庫目録(inventory)需要を決定するように特に定めた期間にわって在庫目録需要分析を行い、試薬容器30および較正バイアル30Vが実際に必要となる前に将来の適切な時機に必要となる試薬容器30および較正バイアル30Vすべてのリストを作業者に表示または発行するようにプログラムする。いくつかの例では、試薬容器30の試薬は、使用前に水和するか希釈しなければならず、このような時間要因も在庫目録需要分析に含まなければならない。前記試薬容器30および較正バイアル・キャリア30Aの作業者による追加により、充分な試薬および較正溶液の供給が確実になり、アナライザ10の将来の必要性を連続的に満たし、アナライザ10を適切な作動状態に維持する。
【0013】
本明細書の読者には明らかなように、特に定めた期間にわたる較正溶液在庫目録需要分析を行うことは、特に定めた期間にわたって平均した在庫目録需要分析を使用することとは対照的に、本発明を実践する際の主要な要因である。ここで発見したのは、評価分析需要装填パターン、したがって、通常の較正プロトコルおよび品質管理プロトコルのための需要パターン、たとえば月曜日のパターンは、たとえば木曜日の需要パターンとは非常に異なる可能性があるということである。さらに、たとえば所与の曜日の需要装填パターンは、以前のいくつかの同じ曜日の需要装填パターンに非常に良く似る可能性が大きいことを発見したのである。特に定められた需要パターンの原則は、或る範囲の社会的な慣例であるいくつかのファクタに起因する。たとえば、代表的には週末のスポーツ競技、および/または休日に多くなる社交行事などに起因する。さらに、効率上の理由で、或る臨床検査室では、週のほぼ中日に評価分析を選ぶ、たとえばPSA検査を行うようにスケジュールを組み、週の早い時期に或る通院患者検査、たとえばグルコース検査を行うようにスケジュールを組む。最後に、或る外科医は、週の始めに或る種の外科手術を行い、週末近くに他のタイプの手術を行うようにスケジュールを組み、手術前患者評価分析の日毎のパターンを異ならせるようにしている。需要パターンにさらに関与するのは、たとえば、検査室が地方コミュニティよりもトラウマが多そうな都市コミュニティで稼働しているかどうか、検査室が医療研究大学で稼働しているかどうか、検査室が小児科病院のような専門病院で稼働しているかどうかなどに応じて、異なった検査室が異なった評価分析需要パターンを持つという事実である。
【0014】
定期的に、たとえば毎日、本発明の教示するように、較正・品質管理溶液消費データは、研究所情報システム(LIS)または病院情報システム(HIS)内に位置する外部コンピュータ・システム、または、遠隔の較正・品質管理バイアル30Aの製造業者のところにある製造業者情報システム(MIS)にも転送される。外部コンピュータ・システムは、この消費データを使用して、バイアル30V内の較正溶液が将来の使用のために局所的在庫目録において確実に利用できるように時機良くバイアル30Vの再注文の必要性を決定する。本発明の好ましい実施形態では、バイアル30Vの消費データは、較正バイアル30Vの製造業者が使用し、製造出荷データと比較して再注文量を決定する。製造業者は、アナライザ10の場所への連続的な供給を確保するように必要に応じてアナライザ10の場所に付加的な較正バイアル30Vを自動的に出荷する。
【0015】
白抜きの矢印で示す入力レーン36Aおよび出力レーン36Bを有する双方向送入・送出サンプル・チューブ移送システム34は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,571,934号に記載されているような磁気駆動システムを使用して、検査しようとしている試料液を収容する個々の送入サンプル・チューブ40を移送し、液体サンプル採取アリクォッタ38の下にあるサンプル・チューブ・ラック42内に装填する。サンプル・チューブ40に入っている試料液は、在来のバーコードリーダを使用して、このサンプル・チューブに付けたバーコード記号を読み取ることによって特定され、例えば患者の身元、実施されるべき検査、サンプル・アリクォットがアナライザ10内に保持されることになっているかどうか、その場合どのくらいの期間保持するかを決定する。また、サンプル・チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ40およびラック42の位置を確認、制御、追跡することも普通の実務である。
【0016】
或る量のサンプル流体がラック42上のすべてのサンプル流体チューブ40から吸引されて、サンプル採取アリクォッタ38によってアリクォット受け器44Vに計量分配された後、成功した評価分析結果が得られるまでラック42はバッファ・ゾーンに保持してもよい。サンプル流体ラック42がサンプル採取ゾーンまたはバッファ・ゾーンに保持されているかどうかに関係なく、バッファ・ゾーンと組み合わせた往復動機構43がサンプル流体ラック42を出力レーン36B上へ置く。出力レーン36Bは、磁気駆動システムと共に、サンプル流体チューブ40を収容しているラック42を、出力レーン36Bの終端に向かって、作業者が容易にアクセス可能であってラック42をアナライザ10から取り出すのが便利であるアナライザ10の正面領域まで移動させる。
【0017】
サンプル流体チューブ40に入っている試料液は、在来のバーコードリーダを使用して、このサンプル流体チューブに付けたバーコード記号を読み取ることによって特定され、例えば患者の身元、実施されるべき検査、サンプル流体アリクォットがアナライザ10内に保持されることになっているかどうか、その場合どのくらいの期間保持するかを決定する。また、サンプル流体チューブ・ラック42上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数のバーコードリーダを使用してサンプル流体チューブ40およびサンプル流体チューブ・ラック42の位置を確認、制御、追跡することも普通の実務である。
【0018】
図6に示すアリクォット受け器アレイ移送システム50は、アリクォット受け器アレイ保管・計量分配モジュール51と、図1に示すように、反応回転コンベヤ12に接近して設置したサンプル流体吸引・計量分配アーム54の下方に多数のアリクォット受け器アレイ・トラック57内のアリクォット受け器アレイ44を双方向移動させるようになっている多数のリニア駆動モータ52とを含む。サンプル流体吸引・計量分配アーム54は、コンピュータ15によって制御され、在来の液体プローブ54Pを使用してトラック53内のサンプル採取位置に位置した個々の受け器44Vから制御した量のサンプル流体を吸引し、次いで、液体プローブ54Pが計量分配位置に移動するようになっており、この計量分配位置において、適切な量の吸引サンプル流体がキュベット・ポート20にある1つまたはそれ以上のキュベット24に計量分配され、アナライザ10が検査を行う。サンプル流体が反応キュベット24に計量分配された後、在来の移行手段が、必要に応じて、アリクォット受け器アレイ移送システム50、環境室48、廃棄領域(図示せず)間でアリクォット受け器アレイ44を移動させる。
【0019】
それぞれ在来の液体プローブ60P、61P、62Pを含む多数の吸引・計量分配アーム60、61、62は、独立して装着してあり、それぞれのサーバ26、27、28と外側キュベット回転コンベヤ14との間を移動できる。プローブ60P、61P、62Pは、試薬添加位置で指定の評価分析を行うのに必要な試薬を適切な試薬カートリッジ30にあるウェル32から吸引する在来の機構を含む。プローブ60P、61P、62Pは、次いで、計量分配位置まで移動させられ、そこで、外側キュベット回転コンベヤ14にあるキュベット・ポート20に収容されたキュベット24に試薬を計量分配する。多数の試薬カートリッジ30が、サーバ26、27、28内に制御環境状態で格納されている。同様に、多数の較正溶液バイアル30Vが、サーバ26内に制御環境状態において格納され、これらに吸引・計量分配アーム60が必要に応じてアクセスして、必要に応じて較正・品質管理プロトコルを行い、アナライザ10を適切な作動状態に維持することができる。アナライザ10の高い評価分析処理量を維持する際に重要な要因は、必要な較正溶液および制御溶液の入っている多種多様なバイアル30Vを格納し、試薬保管領域26A、26B内で多数の較正・品質管理プロトコルを実施し、次いで、プローブ60Pがアクセスできるように、吸引・計量分配位置へこれらのバイアルをランダムに迅速に移送する能力である。
【0020】
図6は、図7と共に、バイアル・キャリア30Aをシャトル72下方の装填位置に自動的に位置させるモータ駆動式レーキ73を有する装填トレイ29からバイアル・キャリア30Aを取り出すようになっている単一の双方向リニア・シャトル72を示している。バイアル30Vは、在来のバーコード状のしるしおよび装填トレイ29近くに設けたバーコードリーダ41を使用してそこに入っている較正溶液、管理溶液のタイプが識別され、そして隔壁32Sで密閉される。コンピュータ15は、バイアル・キャリア30Aがアナライザ10内に移送されるにつれて、キャリア内に支えられたあらゆるバイアル30Vの位置を追跡するようにプログラムしてある。試薬容器シャトル72が図7に示すように単一のバイアル・キャリア30Aを移送している例では、シャトル72は、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願通し番号第10/623,311号に記載されているように、使用時に往復駆動ベルト72Bに生じる可能性のある長さ変化を補正するか、または急激な方向転換中に駆動ベルト72Bに生じる可能性のある張力変化を補正し、それにより、該駆動ベルト72Bが摩耗したときでもバイアル・キャリア30Aがその意図した位置に正確に位置できるように設計した自動テンショナ72Gを含む。テンショナ72Gの使用時、モータ72Mはコンピュータ15によって制御されて、時計回りおよび反時計回りの方向に駆動ベルト72Bを循環させ、バイアル・キャリア30Aを回転コンベヤ26のスロット内に位置させる。図7において、駆動ベルト72Bには、エッジ・ガイド72Cによってバイアル・キャリア30Aが取り付けてあり、その結果、較正溶液または品質管理溶液のバイアル30Vを収容しているバイアル・キャリア30Aが、双頭矢印で示す方向に沿って双方向に往復動することができる。したがって、シャトル72は、バイアル・キャリア30Aをサーバ26内のスロット内に配置し、これらのバイアル・キャリア30Aをサーバ26内の2つの同心の回転コンベヤ26A、26Bのいずれかに配置するようになっている。シャトル72は、2つの同心の回転コンベヤ26A、26B間でバイアル・キャリア30Aを移動させるようにもなっている。円弧状双頭矢印で示すように、回転コンベヤ26Aは左右両方向に回転してそこに配置されたバイアル・キャリア30Aのうち任意特定のものを試薬吸引アーム60下方に置くことができる。
【0021】
図6の試薬容器シャトル27S、28Sは、図7に示すキャリア・シャトル72と設計が類似している。試薬吸引アーム60、61、62は点線で示してあり、これは回転コンベヤ26Bおよび試薬容器トレイ27T、28Tのそれぞれに格納された試薬容器30の面より手前に位置していることを表している。前述の説明から明らかなように、シャトル72は、試薬容器装填トレイ29、試薬容器トレイ27T、28T、回転コンベヤ26A、26B間で試薬容器30を移動させることもできる。さらに、シャトル27S、28Sは、試薬容器トレイ27T、28T内の試薬容器30を適切な吸引位置へ(または、シャトル72下方の装填位置へ)移動させることができ、試薬用回転コンベヤ26A、26Bは、任意の試薬容器30を試薬吸引アーム60下方に置くことができ、ランダム・アクセス式試薬供給システムとなる。
【0022】
本発明を実施するに際して役に立つ吸引・計量分配アーム60およびプローブ60Pは、図8に示すように、水平方向駆動部要素60H、垂直方向駆動部要素60V、洗浄モジュール要素60W、洗浄マニホルド要素60Mからなり、表1に記載する主機能を有する。水平方向駆動部要素60Hおよび垂直方向駆動部要素60Vは、代表的には、コンピュータ制御のステップ・モータまたはリニア・アクチュエータであり、コンピュータ15によって制御されて精密に制御された運動を行う。
【0023】
【表1】
【0024】
図9は、プローブ60Pを、普通の構成の内外面を有し、洗浄マニホルド60Mによって支持された在来型の中空の液体担持用ボアとして示してあり、洗浄マニホルド60Mは、中空空気チューブ70によって三方向弁71に接続してある。プローブ60Pは、好ましくは、隔壁30Sを貫いて挿入するときに摩擦を減らすように設計したテーパ付きの先端を有し、いくつかのねじ状コネクタ(図示せず)を用いるか、または、溶接するかすることで洗浄マニホルド60Mに連結してもよい。弁71は、場合に応じて、空気チューブ70を(1)大気通気チューブ74および空気供給源75に接続した通気弁73に接続したり、(2)中空空気チューブ77によってピストン型シリンジ・ポンプ76接続したりするように作動可能である。在来の空気圧力測定トランスデューサ78が、ポンプ76と弁71との間で中空空気チューブ79によって空気チューブ77に接続してある。
【0025】
図9は、プローブ60Pを、バイアル30Vの隔壁30Sを穿刺し、バイアル30Vに入っている較正溶液または品質管理溶液内に位置した状態で示している。レベル検知手段、たとえば周知の容量性信号を使用するレベル検知手段を使用してプローブ60Pが確実に液体に没するようにすると良い。ピストン76が起動すると、それが動く距離がコンピュータ15によって制御され、制御した量の較正溶液または品質管理溶液がプローブ60P内に吸引される。このプロセス中、弁71は、通気チューブ72には閉じているが、空気チューブ77および空気チューブ70には開いている。弁71は、場合に応じて、大気通気チューブ74に接続される通気弁73に空気チューブ70を接続するように作動可能である。バイアル30Vからの較正溶液または品質管理溶液の吸引が完了した後、洗浄マニホルド60Mが、垂直方向駆動部60Vによって上昇し、プローブ60Pが回転コンベヤ14のポート20に支持された1つのキュベット24に較正溶液または品質管理溶液を計量分配することができるように水平方向駆動部60Hによって位置決めされる。図9は、洗浄マニホルド60Wを、中空液体搬送チューブ81によって接続したフラッシュ弁82を含むものとしても示している。フラッシュ弁82は、中空液体チューブ83によって液体搬送チューブ81を加圧すすぎ洗い水源84に接続するように作動可能である。
【0026】
この説明から当業者には明らかなように、回転コンベヤ26A、26Bが任意のバイアル・キャリア30Aを吸引アーム60下方に位置させる能力との組み合わせでシャトル72がバイアル・キャリア30Aを装填トレイ29とサーバ26A、26Bとの間で移動させる能力と、吸引・計量分配アーム60およびプローブ60Pが閉じたバイアル30Vから溶液にアクセスできる能力とにより、融通性のあるランダム・アクセス・バイアル・キャリア30A供給システムを得ることができ、必要に応じてキュベット24に多数の異なった較正溶液を供給し、自動的に較正プロトコルを実施すると共に、作業者介入の必要なしにアナライザを適切で精密な分析状態に維持するように必要に応じて調節を行える。
【0027】
本発明が広範囲にわたる利用、応用の余地があることは当業者であれば容易に理解するべきである。ここに開示したもの以外の本発明の多くの実施形態および適用ならびに多くの変更、修正および同等の配置が、本発明の実質または範囲から逸脱することなく本発明およびその前記の説明から明らかであり、また、合理的に示唆されている。
【0028】
したがって 、本発明を特定の実施形態に関して詳しくここに説明してきたが、この開示が本発明の例示に過ぎず、単に発明の完全な可能性のある開示を行う目的のためにのみなされたものであることは了解されたい。前述の開示は、本発明を限定することを意図したり、そう解釈されるべきものではなく、または、任意他の実施形態、適用、変更、修正、同等の配置を排除することを意図したり、そう解釈されるべきものではなく、本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を実施するようになっている自動アナライザの概略平面図である。
【図2】図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
【図3】図1のアナライザの自動アリクォット受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
【図4】図1のアナライザで役に立つアリクォット受け器アレイの斜視図である。
【図5】図1のアナライザで役に立つ多区画式の細長い試薬カートリッジ・較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
【図5A】図1のアナライザで役に立つ較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの斜視図である。
【図5B】図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアの頂平面図である。
【図6】本発明を実施する際に役に立つ較正溶液バイアル管理システムの頂平面図である。
【図7】本発明を実施する際に役に立つ単一の双方向リニア・シャトルの斜視図である。
【図8】本発明を実施する際に役に立つ較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【図9】図5Aの較正溶液・管理溶液バイアル・キャリアと連動する図8の較正溶液吸引・計量分配システムの概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正及び品質管理プロトコルを自動的に実施するようになっている生化学アナライザであって、
多数の較正バイアル・キャリア内に支持され、蓋で閉ざされた複数の較正溶液バイアルであり、アナライザに格納された較正溶液バイアルと;
該バイアルのいずれか1つを吸引位置へ移動させるための自動シャトルと;
該バイアルを閉じている蓋を自動的に穿刺するようになっているプローブと;
所定量の溶液を該バイアルから吸引し、その溶液を検査用キュベットに計量分配することができる吸引手段と;
を含むアナライザ。
【請求項2】
較正手順および管理手順が、較正と較正の間の時間経過に基づくか、または前回の較正以降に行った評価分析の数に基づくか、または正常範囲から外れた評価分析結果の数に基づいて自動的に行われる、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項3】
さらに、特に定めた期間にわたってバイアル毎に各バイアルから消費されるすべての液体の消費日時と共に較正溶液消費量を追跡するようになっている、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項4】
バイアルは、制御した環境サーバ内部に格納され、吸引・計量分配アームによってアクセスし、必要に応じて較正プロトコルを行ってアナライザを適切な作動状態に維持することができる、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項5】
シャトルが、装填トレイ、少なくとも1つのサーバ、少なくとも1つの回転コンベヤ間でバイアルを移動させることによってアナライザ内の異なった位置に異なったバイアルを位置決めするようになっている双方向リニア・シャトルである、請求項2に記載のアナライザ。
【請求項6】
装填トレイが、バイアルをリニア・シャトル下方に自動的に位置させるようになっているモータ駆動式レーキを含む、請求項3に記載のアナライザ。
【請求項7】
第1および第2の同心の回転コンベヤを有し、第1の回転コンベヤが第2の回転コンベヤの内側にあり、リニア・シャトルが、第1および第2の同心の試薬用回転コンベヤ間でバイアルを移動させるようになっている、請求項4に記載のアナライザ。
【請求項8】
さらに、複数の反応キュベットを受け入れるようにキュベット・ポートを形成した反応回転コンベヤを含み、吸引・計量分配アームが、較正溶液を回転コンベヤのバイアルから吸引し、そして較正溶液を反応キュベットに計量分配するように作動できる、請求項5に記載のアナライザ。
【請求項1】
較正及び品質管理プロトコルを自動的に実施するようになっている生化学アナライザであって、
多数の較正バイアル・キャリア内に支持され、蓋で閉ざされた複数の較正溶液バイアルであり、アナライザに格納された較正溶液バイアルと;
該バイアルのいずれか1つを吸引位置へ移動させるための自動シャトルと;
該バイアルを閉じている蓋を自動的に穿刺するようになっているプローブと;
所定量の溶液を該バイアルから吸引し、その溶液を検査用キュベットに計量分配することができる吸引手段と;
を含むアナライザ。
【請求項2】
較正手順および管理手順が、較正と較正の間の時間経過に基づくか、または前回の較正以降に行った評価分析の数に基づくか、または正常範囲から外れた評価分析結果の数に基づいて自動的に行われる、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項3】
さらに、特に定めた期間にわたってバイアル毎に各バイアルから消費されるすべての液体の消費日時と共に較正溶液消費量を追跡するようになっている、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項4】
バイアルは、制御した環境サーバ内部に格納され、吸引・計量分配アームによってアクセスし、必要に応じて較正プロトコルを行ってアナライザを適切な作動状態に維持することができる、請求項1に記載のアナライザ。
【請求項5】
シャトルが、装填トレイ、少なくとも1つのサーバ、少なくとも1つの回転コンベヤ間でバイアルを移動させることによってアナライザ内の異なった位置に異なったバイアルを位置決めするようになっている双方向リニア・シャトルである、請求項2に記載のアナライザ。
【請求項6】
装填トレイが、バイアルをリニア・シャトル下方に自動的に位置させるようになっているモータ駆動式レーキを含む、請求項3に記載のアナライザ。
【請求項7】
第1および第2の同心の回転コンベヤを有し、第1の回転コンベヤが第2の回転コンベヤの内側にあり、リニア・シャトルが、第1および第2の同心の試薬用回転コンベヤ間でバイアルを移動させるようになっている、請求項4に記載のアナライザ。
【請求項8】
さらに、複数の反応キュベットを受け入れるようにキュベット・ポートを形成した反応回転コンベヤを含み、吸引・計量分配アームが、較正溶液を回転コンベヤのバイアルから吸引し、そして較正溶液を反応キュベットに計量分配するように作動できる、請求項5に記載のアナライザ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2007−537448(P2007−537448A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513266(P2007−513266)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/016243
【国際公開番号】WO2005/111628
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(500029718)デイド・ベーリング・インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】DADE BEHRING INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/016243
【国際公開番号】WO2005/111628
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(500029718)デイド・ベーリング・インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】DADE BEHRING INC.
【Fターム(参考)】
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