説明

自動製パン機

【課題】調理終了後に行う追加調理において、容易に最適な追加調理時間が設定できるように使い勝手を向上した自動製パン機を提供すること。
【解決手段】加熱室1a内に収納され、パンなどの調理材料を収容する着脱可能な練り容器7と、加熱室1a内の温度を検知する温度検知手段12と、練り容器7を加熱する加熱手段と、調理メニューや調理時間、調理開始などの調理情報を入力する選択手段19と、選択手段19により入力した調理情報と温度検知手段12の検知温度に基づき、加熱手段の制御を行う制御手段25とを備え、制御手段25は、調理終了後の温度検知手段12の検知温度が所定温度以上で、かつ特定の調理メニューを選択している場合には、調理終了後に追加の調理時間を設定して調理可能な追加調理機能を有し、追加調理設定時の追加調理時間の設定初期値を調理条件により変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に家庭用に使用される自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭でも簡単にパンを作ることができる自動製パン機がよく用いられるようになってきた。そして、これらの中には使用者のニーズに合わせて、食パンやソフト食パン、フランスパンなどのパンメニューだけでなく、ピザやケーキなどの調理メニューを選択できるものも多くある。この中で特にケーキなどの調理メニューにおいては、材料を多くして大きなケーキを調理しようとしたり、果物や野菜、チョコレートなどの副材料をセットして調理を行うと、生焼けのケーキができてしまうという場合がある。従来この種の自動製パン機は、この生焼けを防ぐために調理終了後の温度が高いときでも特定の調理メニューであれば、焼き上げ工程のみを任意の時間追加して行うことができるように追加調理機能を有している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−190417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、追加調理時間は任意で設定できるが、常に特定の値から調理時間を変更して設定する必要があるなど、設定初期値への配慮がなされていなかった。そのため、使用者は前回のできばえを参考に追加調理時間を設定したい場合でも常に特定の値から設定変更しなければならなかった。また、加熱室内の温度や調理終了からの経過時間など毎回調理条件が異なっているにも関わらず、使用者自身の判断のみで追加調理時間を設定しなければならず、使い勝手の面で課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者が容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるように使い勝手を向上した自動製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は、調理終了後に加熱室内温度を検知する温度検知手段の検知温度が所定温度以上で、かつ特定の調理メニューを選択している場合には、調理終了後に追加の調理時間を設定して調理できる追加調理機能を有し、その追加調理設定時の追加調理時間の設定初期値は調理条件により変更するようにしたものである。これによって、使用者は容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動製パン機は、調理終了後に行う追加調理において、追加調理時間の設定初期値を調理条件により変更することで、使用者は容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における自動製パン機の縦断面図
【図2】本発明の実施の形態1における自動製パン機の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における自動製パン機の表示操作部の正面図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における自動製パン機のケーキを調理する場合の高温プロセス(32℃以上40℃未満)の調理工程図(b)本発明の実施の形態1における自動製パン機のケーキを調理する場合の中温プロセス(26℃以上32℃未満)の調理工程図(c)本発明の実施の形態1における自動製パン機のケーキを調理する場合の低温プロセス(0℃以上26℃未満)の調理工程図
【図5】本発明の実施の形態1における自動製パン機の追加調理設定時の表示操作部の正面図
【図6】(a)本発明の実施の形態1における自動製パン機の追加調理を実施する場合の高温プロセス(32℃以上40℃未満)の調理工程図(b)本発明の実施の形態1における自動製パン機の追加調理を実施する場合の中温プロセス(26℃以上32℃未満)の調理工程図(c)本発明の実施の形態1における自動製パン機の追加調理を実施する場合の低温プロセス(0℃以上26℃未満)の調理工程図
【図7】本発明の実施の形態2における自動製パン機の追加調理設定時の温度センサの検知温度と追加調理時間設定初期値の関係図
【図8】本発明の実施の形態3における自動製パン機の追加調理設定時の調理終了からの経過時間と追加調理時間設定初期値の関係図
【図9】本発明の実施の形態5における自動製パン機の調理終了後の表示操作部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、内部に加熱室が設けられた有底筒状の機器本体と、前記機器本体の上部開口部を開閉可能な蓋と、前記加熱室内に収納され、パンなどの調理材料を収容する着脱可能な練り容器と、前記加熱室内の温度を検知する温度検知手段と、前記練り容器を加熱する加熱手段と、調理メニューや調理時間、調理開始などの調理情報を入力する選択手段と、前記選択手段により入力した調理情報と前記温度検知手段の検知温度に基づき、前記加熱手段の制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、調理終了後の前記温度検知手段の検知温度が所定温度以上で、かつ特定の調理メニューを選択している場合には、調理終了後に追加の調理時間を設定して調理可能な追加調理機能を有し、追加調理設定時の追加調理時間の設定初期値を調理条件により変更することにより、使用者は容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0010】
第2の発明は、選択手段により入力した調理情報を記憶する記憶手段を備え、特に、第1の発明において、制御手段を、追加調理時間の設定初期値を前記記憶手段に記憶した前回の追加調理時間とすることにより、使用者は前回のできばえを参考に追加調理時間を設定したい場合でも容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御手段を、追加調理時間の設定初期値を温度検知手段の検知温度に基づき、変更することにより、使用者は加熱室内の温度に関わらず、現在の調理条件から機器が判断した追加調理時間を知ることができるため、それを基に自身の判断を加えることで容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0012】
第4の発明は、調理終了からの経過時間を計測する時間計測手段を備え、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、制御手段を、追加調理時間の設定初期値を時間計測手段により計測した調理終了からの経過時間に基づき、変更することにより、使用者は調理終了からの経過時間に関わらず、現在の調理条件から機器が判断した追加調理時間を知ることができ、それを基に自身の判断を加えることで容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0013】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、制御手段を、特定の調理メニューでの調理終了後の完了動作時に温度検知手段の検知温度が所定温度以上であれば、追加調理を可能とすることにより、追加調理を設定したい時に取消キーなどにより保温などの完了動作を取り消す必要がなく、そのメニューの調理の流れの中での設定となるため、お客様にとって直感的にわかりやすく、容易に追加調理の設定を開始することができるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0014】
第6の発明は、調理メニューなどの各種調理情報を表示する表示手段を備え、特に、第1〜5のいずれか1つの発明において、制御手段を、調理終了後、追加調理可能な場合、その旨を表示するように前記表示手段を制御することにより、使用者は現在の調理条件で追加調理を行うことが可能かどうかを容易に知ることができ、使い勝手を向上することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における自動製パン機の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機の縦断面図であり、図2は、その斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機の表示操作部の正面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機のケーキを調理する場合の調理工程図である。
【0017】
図1及び図2において、本第1の実施の形態における製パン機は、内部に加熱室1aが設けられた有底筒状の樹脂製の機器本体1を備えている。機器本体1の下部には、シャーシ2が取り付けられている。シャーシ2には、駆動部の一例であるモータ3と、容器支持台4とが取り付けられている。
【0018】
モータ3は、プーリやベルトなどを含む伝達機構5を介して、容器支持台4に回転可能に支持されたコネクタ下6に回転力を与える。コネクタ下6は、練り容器7の下部に回転可能に支持されたコネクタ上8と係合可能に構成されている。練り容器7は、加熱室1a内に収納され、パン、ケーキ、餅などの調理材料を収容する着脱可能な容器である。また、練り容器7は、コネクタ下6とコネクタ上8とが係合することで容器支持台4上に取り付けられる一方、コネクタ下6とコネクタ上8との係合が外されることで加熱室1aから取り外し可能である。
【0019】
コネクタ上8は、練り容器7の底壁から上方に向けて突出するように取り付けられている。コネクタ上8の先端部には、練り容器7内に収容された調理材料を混錬するための練り羽根9が着脱可能に取り付けられている。練り羽根9は、モータ3の回転力が伝達機構5に伝達され、コネクタ下6及びコネクタ上8が回転することで回転駆動する。
【0020】
練り容器7の上端部には、図1に示すように、練り容器7の上部開口部よりも上方に突出する把手取付部7aが少なくとも2箇所設けられている。これらの把手取付部7aには、貫通孔が設けられており、当該貫通孔に略半円弧状の把手7bが回動可能に取り付けられている。これにより、練り容器7の着脱及び持ち運びが容易になっている。
加熱室1aには、練り容器7を加熱する加熱手段の一例であるヒータ11と、加熱室1a内の温度を検知する温度検知手段の一例である温度センサ12とが設けられている。ヒータ11は、容器支持台4上に取り付けられた練り容器7の下部を、隙間を空けて包囲するように配置されている。ヒータ11としては、例えば、シーズヒータを用いることができ
る。温度センサ12は、加熱室1a内の平均的な温度を検知することができるように、ヒータ11から少し離れた位置に配置されている。
【0021】
機器本体1の上部には、機器本体1の上部開口部を開閉可能な蓋13が回動可能に取り付けられている。蓋13は、蓋本体14と、外蓋15とを備えている。蓋本体14には、レーズン、ナッツなどの副材料を収納する副材料容器16と、イーストを収納するイースト容器17とが取り付けられている。副材料容器16とイースト容器17とは、練り容器7の上方に配置されている。
【0022】
副材料容器16は、着脱可能に構成され、着脱を容易にするため凹状の摘み部16aを備えている。副材料容器16の底壁は、副材料容器16に収容された副材料を練り容器7内に投入することができるように、蓋本体14の底壁14aに対して回動可能に取り付けられた開閉板16bで構成されている。開閉板16bは、ソレノイド18に接続され、ソレノイド18が駆動することにより開放される。また、イースト容器17の底壁は、イースト容器17に収容されたイーストを練り容器7内に投入することができるように、蓋本体14の底壁14aに対して回動可能に取り付けられた開閉弁17aで構成されている。開閉弁17aは、ソレノイド(図示せず)に接続され、当該ソレノイドが駆動することにより開放される。
【0023】
外蓋15は、副材料容器16及びイースト容器17の上部開口部を開閉可能に取り付けられている。外蓋15の副材料容器16と対応する位置には、樹脂などの断熱部材で構成された副材料容器蓋15aが取り付けられている。副材料容器蓋15aの外周部には、パッキン15bが取り付けられている。
【0024】
機器本体1の上部には、図3に示すように調理メニューや調理時間を選択するボタンを備えた選択手段19と、選択手段19で選択された情報などの各種情報を表示する表示手段20と、調理情報などの各種情報を報知する報知手段(図示せず)と、室温を検知する室温検知手段の一例である室温センサ21とが設けられている。選択手段19は、各種動作の開始又は停止、タイマー設定なども行うことができるように構成されている。調理メニューには、例えば、食パンメニュー、ピザ生地メニュー、うどんメニュー、ケーキメニューなどが含まれる。表示手段20に表示する情報には、選択手段19にて選択した調理メニューや調理が終了する時刻、異常発生などが含まれる。報知手段が報知する情報には、選択手段19による選択受付や調理終了、異常発生などが含まれる。
【0025】
また、機器本体1には、図2に示すように、製パン機の持ち運びを容易にするためのハンドル22と、先端に差込プラグ23を備えた電源コード24と、各部の駆動を制御する制御手段25とが設けられている。制御手段25は、内部に記憶手段(図示せず)を有し、前回調理を行った時の情報や複数の調理メニューに対応する調理プロセスを記憶している。調理プロセスとは、練り、ねかし、発酵、焼成などの各調理工程を順に行うにあたって、各調理工程においてヒータ11の通電率、制御温度、練り羽根9の回転速度、ソレノイドの駆動タイミングなどが予め決められている調理の手順のプログラムをいう。制御手段25は、選択手段19に設けられたメニューボタンにて選択された特定の調理メニューに対応する調理プロセスと温度センサ12の検知温度とに基づいて、モータ3、ヒータ11、開閉板18を開放するソレノイド18、及び開閉弁を開放するソレノイド(図示せず)の駆動を制御する。さらに制御手段25は、調理時の室温に応じた調理プロセスも各メニュー毎に複数記憶しており、調理開始時に室温センサ21により検知した室温に適した調理プロセスを選択して調理を行う機能を有している。
【0026】
次に、前記のように構成された本第1の実施の形態における自動製パン機を用いてケーキを製造するときの手順及び動作の一例について、図4を参照しながら説明する。なお、
自動製パン機の各種動作は制御手段25の制御の下に行われる。
【0027】
まず、使用者は、練り羽根9をコネクタ上8に取り付けるとともに、薄力粉、卵、砂糖、水などの材料を練り容器7内に入れる。その後、当該練り容器7を容器支持台4上にセットし、蓋13を閉じる。
【0028】
次いで、使用者は、メニューボタンにて複数の調理メニューからケーキメニューを選択した後、選択手段19に設けられたスタートボタンを押圧するなどして、調理の開始を指示する。なお、使用者によっては、材料を練り容器7内に入れる前に調理メニューの選択を行う場合もあるが、調理開始の指示を行わなければ、動作になんら影響はない。この時、室温センサ21の検知温度が20℃の場合は、図4の調理プロセス(C)の低温プロセスで調理を開始する。調理が始まると、まず、図4に示すように練り羽根9の回転により練り容器7内の材料を混錬する練り工程を行う。
【0029】
練り工程では、制御温度30℃を維持するために温度センサ12の検知温度が30℃より低い場合には制御手段25からヒータ11への通電を通電率10%で行い、高い場合にはヒータ11への通電を停止して練り容器7の温度を一定に制御する。
【0030】
練り工程で20分が経過すると、次にケーキを焼き上げるための焼成工程を60分間行う。まず、温度センサ12の検知温度が100℃までは制御手段25からの
ヒータ11への通電率を100%にして行う。その後、140℃までは通電率を90%とし、最後に135℃より低い場合には60%の通電率、高い場合には30%の通電率で焼き上げを行う。以上の制御を行い、ケーキ調理が終了する。
【0031】
調理が終了すると、報知手段により使用者に調理が終了したことを知らせ、完了動作を行う。ここでは、調理が終了した旨を報知手段により報知した後も表示手段20に継続して表示して使用者に知らせると共に、でき上がった調理物を急激に冷まさないようにするための保温動作を行う。ちなみに、パン生地など選択した調理メニューによっては、保温動作を行わない場合もある。この時、焼き上がったケーキを見て、もう少し焼きを追加したい場合は、選択手段19に設けられた取消ボタンを押圧して、完了動作を終了させてからメニューボタンによりケーキメニューを選択する。ここで、制御手段25は、温度センサ12の検知温度が所定温度(本実施の形態では40℃)以上であり、かつ追加調理可能な特定の調理メニュー(本実施の形態ではケーキ)を選択していると認識すれば、ケーキの焼き上げ工程だけを行う追い焼き調理を行うことができる。この場合、図5に示すように表示手段20に選択メニューと追加調理時間を表示する。この時、前回追加調理を行った時の調理時間を記憶手段から読み込み、その時間を追加調理設定時の設定初期値として表示する(本実施の形態では10分)。追加調理時間を初期値から変更する時は、選択手段19に設けられた分ボタンを押圧するなどして、所望の時間に変更すればよい。そして、スタートボタンを押圧すると、ケーキの焼き上げだけの追い焼き調理を開始する。
【0032】
しかし、上記説明したケーキの調理が終了して長い間(例えば60分以上)放置してから取消ボタンにより完了動作を終了させた後、メニューボタンによりケーキメニューを選択すると、温度センサ12の検知温度が所定温度(本実施の形態では40℃)未満に低下しているので、ケーキを最初から調理する設定になる。したがって、この状態でスタートボタンを押圧すると、先ほどのケーキの調理プロセスの最初から調理を開始することになる。
【0033】
このように、制御手段25は、温度センサ12の検知温度によって、ケーキを最初から調理するのか、焼成工程だけを追加する追い焼き調理を行うのかを判断して決定する機能を有している。
【0034】
そして、上記ケーキの追い焼き調理を開始すると、制御手段25は図6に示す前回調理した調理プロセスである低温プロセスを実行して調理が行われる。すなわち、調理開始時の室温センサ21の検知温度によって調理プロセスを決定しようとしても、追い焼き調理開始時は室温センサ21周辺の温度も高くなっているため、正確な温度を検知できず、正しい調理プロセスの選択ができないので、制御手段25は直前に行った調理プロセスを記憶しておき、同じ調理プロセスを選択する。ここでは、焼き上げ工程のみの調理となり、設定した時間(本実施の形態では10分)だけ行われる。10分間の調理が終了すると、報知手段により使用者に追い焼きの調理が終了したことを知らせる。
【0035】
以上のように、本発明の第1の実施の形態における自動製パン機においては、追加調理設定を行う時の追加調理時間の設定初期値を前記記憶手段に記憶した前回の追加調理時間とすることにより、使用者は前回のできばえを参考に追加調理時間を設定したい場合でも容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0036】
なお、本実施の形態での調理プロセスの時間や温度などは、本体構成によって決まるもので、この数値に限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における自動製パン機の全体構成について説明する。図7は、本発明の実施の形態2における自動製パン機の追加調理設定時の温度センサ12の検知温度と追加調理時間設定初期値の関係図である。
【0038】
本第2の実施の形態における自動製パン機が、前記第1の実施の形態における自動製パン機と異なる点は、追加調理設定を行う時の追加調理時間の設定初期値を温度検知手段の一例である温度センサ12の検知温度に基づき、変更するようにした点である。制御手段25は、ケーキ調理終了後、追加の調理設定を行う時に温度センサ12の検知温度によって、図7に示すように追加調理時間設定初期値を変更して表示手段20に表示する。
【0039】
以上のように、本発明の第2の実施の形態における自動製パン機においては、追加調理時間の設定初期値を温度検知手段の検知温度に基づき、変更することにより、使用者は加熱室1a内の温度に関わらず、現在の調理条件から機器が判断した追加調理時間を知ることができるため、それを基に自身の判断を加えることで容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0040】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態における自動製パン機の全体構成について説明する。図8は、本発明の実施の形態3における自動製パン機の追加調理設定時の調理終了からの経過時間と追加調理時間設定初期値の関係図である。
【0041】
本第3の実施の形態における自動製パン機が、前記第1の実施の形態における自動製パン機と異なる点は、追加調理設定を行う時の追加調理時間の設定初期値を時間計測手段により計測した調理終了からの経過時間に基づき、変更するようにした点である。制御手段25は、調理終了後の経過時間を計測する時間計測手段(図示せず)を有し、ケーキ調理終了後、追加の調理設定を行う時に時間計測手段により計測した調理終了からの経過時間によって、図8に示すように追加調理時間設定初期値を変更して表示手段20に表示する。
【0042】
以上のように、本発明の第3の実施の形態における自動製パン機においては、追加調理
時間の設定初期値を時間計測手段により計測した調理終了からの経過時間に基づき、変更することにより、使用者は調理終了からの経過時間に関わらず、現在の調理条件から機器が判断した追加調理時間を知ることができ、それを基に自身の判断を加えることで容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0043】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態における自動製パン機の全体構成について説明する。本第4の実施の形態における自動製パン機が、前記第1の実施の形態における自動製パン機と異なる点は、特定の調理メニューでの調理終了後の完了動作時に温度検知手段の検知温度が所定温度以上であれば、追加調理を可能とするようにした点である。制御手段25は、ケーキ調理終了後、保温動作をしている時であっても温度センサ12の検知温度が所定温度(本実施の形態では40℃)以上であれば、メニューボタンを押圧すると、追加調理の設定を開始するよう制御する。
【0044】
以上のように、本発明の第4の実施の形態における自動製パン機においては、特定の調理メニューでの調理終了後の完了動作時に温度検知手段の検知温度が所定温度以上であれば、追加調理を可能とすることにより、追加調理を設定したい時に取消キーなどにより保温などの完了動作を取り消す必要がなく、そのメニューの一連の調理の流れの中での設定となるため、お客様にとって直感的にわかりやすく、容易に追加調理の設定を開始することができるようになり、使い勝手を向上することができる。
【0045】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態における自動製パン機の全体構成について説明する。図9は、本発明の実施の形態5における自動製パン機の調理終了後の表示操作部の正面図である。
【0046】
本第5の実施の形態における自動製パン機が、前記第1の実施の形態における自動製パン機と異なる点は、調理終了後、追加調理可能な場合、その旨を表示手段20に表示するようにした点である。制御手段25は、ケーキ調理終了後、完了動作である保温動作中に温度センサ12の検知温度が所定温度(本実施の形態では40℃)以上の場合には、図9に示すように表示手段20に「追加調理可能」と表示する。使用者は、この表示が出ている間に選択手段19に設けられた取消ボタンを押圧して、完了動作を終了させてからメニューボタンによりケーキメニューを選択すれば、追加調理の設定を行うことができる。
【0047】
以上のように、本発明の第5の実施の形態における自動製パン機においては、調理終了後、追加調理可能な場合、その旨を表示するように表示手段20を制御することにより、使用者は現在の調理条件で追加調理を行うことが可能かどうかを容易に知ることができ、使い勝手を向上することができる。
【0048】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明における自動製パン機は、使用者が容易に自身の望む最適な追加調理時間に設定できるようになるため、特に、一般に家庭用に使用される製パン機として有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 機器本体
1a 加熱室
7 練り容器
11 ヒータ
12 温度センサ(温度検知手段)
13 蓋
19 選択手段
20 表示手段
25 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に加熱室が設けられた有底筒状の機器本体と、
前記機器本体の上部開口部を開閉可能な蓋と、
前記加熱室内に収納され、パンなどの調理材料を収容する着脱可能な練り容器と、
前記加熱室内の温度を検知する温度検知手段と、
前記練り容器を加熱する加熱手段と、
調理メニューや調理時間、調理開始などの調理情報を入力する選択手段と、
前記選択手段により入力した調理情報と前記温度検知手段の検知温度に基づき、前記加熱手段の制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、調理終了後の前記温度検知手段の検知温度が所定温度以上で、かつ特定の調理メニューを選択している場合には、調理終了後に追加の調理時間を設定して調理可能な追加調理機能を有し、追加調理設定時の追加調理時間の設定初期値を調理条件により変更するようにした自動製パン機。
【請求項2】
選択手段により入力した調理情報を記憶する記憶手段を備え、
制御手段は、追加調理時間の設定初期値を前記記憶手段に記憶した前回の追加調理時間とするようにした請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
制御手段は、追加調理時間の設定初期値を温度検知手段の検知温度に基づき、変更するようにした請求項1または2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
調理終了からの経過時間を計測する時間計測手段を備え、
制御手段は、追加調理時間の設定初期値を時間計測手段で計測した調理終了からの経過時間に基づき、変更するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【請求項5】
制御手段は、特定の調理メニューでの調理終了後の完了動作時に温度検知手段の検知温度が所定温度以上であれば、追加調理を可能とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動製パン機。
【請求項6】
調理メニューなどの各種調理情報を表示する表示手段を備え、
制御手段は、調理終了後、追加調理可能な場合、その旨を表示するように前記表示手段を制御する請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動製パン機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−42835(P2013−42835A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181234(P2011−181234)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】