説明

自動製パン機

【課題】部品点数の増加及び装置の大型化を抑えるとともに、加熱効率を向上させて、パンの上面と他の面との焼き色の差を少なくすることができる自動製パン機を提供する。
【解決手段】機器本体の内部に設けられ、加熱室1aを形成する有底筒状のヒータケース2と、加熱室1a内に収納され、調理材料を収容する練り容器7と、練り容器7の周囲に設けられたヒータ10と、ヒータケース2の上部開口部を開閉可能な蓋12とを備える自動製パン機であって、蓋12は、加熱室1aに面する内蓋14を有し、内蓋14は、ヒータ10の熱を反射するように加熱室1aに面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製パン工程の途中で、調理材料中にイーストやレーズン等の副材料を自動投入することが可能な家庭用に使用される自動製パン機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動製パン機として、例えば、図5及び図6に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1:特許第3928592号公報、特許文献2:特開2011−010910号公報参照)。図5は、従来の自動製パン機の断面図であり、図6は、その斜視図である。
【0003】
図5及び図6において、従来の自動製パン機は、有底筒状の機器本体101を備えている。機器本体101内には、加熱室101aを形成する有底筒状のヒータケース102が設けられている。ヒータケース102内には、パン生地などの調理材料を収容する練り容器103が着脱自在に取り付けられている。
【0004】
機器本体101の前方上部(図5の左上側)には、種々の電子部品を備える操作部104が設けられている。操作部104は、複数の調理コースから特定の調理コースを選択可能な選択部105と、選択部105で選択された情報などの各種情報を表示する表示部106とを備えている。
【0005】
機器本体101の後方上部(図5の右上側)には、ヒンジ部101bが設けられている。ヒンジ部101bには、ヒータケース102の上部開口部102aを開閉可能な蓋107が回動自在に取り付けられている。蓋107は、内蓋108と、蓋本体109と、外蓋110とを備えている。
【0006】
内蓋108は、加熱室101aに面するように設けられている。蓋本体109には、イーストなどの比較的体積の小さな副材料を収容する副材料容器111と、レーズン、ナッツなどの比較的体積の大きな副材料を収容する副材料容器112とが取り付けられている。副材料容器111及び112は、練り容器103の上方に配置されている。外蓋110は、副材料容器111の上部開口部111a及び副材料容器112の上部開口部112aを開閉可能に取り付けられている。
【0007】
副材料容器112の底壁は、開閉板112bで構成されている。開閉板112bは、副材料容器112に収容された副材料を練り容器103内に投入することができるように回動可能に構成されている。また、開閉板112bは、副材料容器112の下部開口部を塞ぐようにバネ(図示せず)により付勢されている。
【0008】
選択部105又は表示部106の下方には、ソレノイド113が配置されている。ソレノイド113のプランジャ113aは、操作部104の側壁104a及び蓋本体109の側壁109aを貫通し、蓋本体109内へ移動可能に設けられている。開閉板112aは、ソレノイド113のプランジャ113aが蓋本体109内へ移動するとき、プランジャ113aと当接するリンク部材114に押され、バネの弾性力に抗して回転する。これにより、副材料容器112内の副材料が練り容器103内に投入されるようになっている。なお、副材料容器111についても、副材料容器112と同様の機構にて副材料容器111内の副材料が練り容器103内に投入されるようになっている。
【0009】
練り容器103の底部外面には、有底筒状の練り容器台103aが設けられている。練り容器台103aは、ヒータケース102の底面102bに設けられた有底筒状の容器支持台115にバヨネット結合するように構成されている。練り容器台103aが容器支持台115にバヨネット結合することにより、練り容器103が加熱室101a内で支持される。
【0010】
また、加熱室101a内には、ヒータ116が設けられている。ヒータ116は、練り容器103の周囲に設けられている。ヒータ116の発熱部の中央は、セラミック碍子を介してヒータケース102の側面102cに固定されている。
【0011】
前記構成を有する従来の自動製パン機では、ヒータ116は、主として練り容器103を加熱するように設けられているので、練り容器103に直接接しない調理材料の上面は、練り容器103に直接接する調理材料の他の面に比べて加熱されにくい。このため、焼き上がったパンの上面が他の面と比較して焼き色が薄くなりやすいという課題がある。
【0012】
前記課題を改善する自動製パン機が、例えば、特許文献3(特開平5−344932号公報)、特許文献4(特許第2529844号公報)、及び特許文献5(特許第2559585号公報)に開示されている。
【0013】
特許文献3には、主として練り容器を加熱するヒータとは別に、調理材料の上面を加熱するヒータを練り容器の上方に設けた自動製パン機が開示されている。
【0014】
特許文献4及び特許文献5には、加熱室内の空気をファンにより吸込み、当該空気をファンヒータにより加熱して、加熱室内に吐出することにより、加熱室内を均熱化するようにした自動製パン機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第3928592号公報
【特許文献2】特開2011−010910号公報
【特許文献3】特開平5−344932号公報
【特許文献4】特許第2529844号公報
【特許文献5】特許第2559585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献3の自動製パン機では、調理材料の上面を加熱するヒータを別途設けるため、部品点数が増加する。このため、制御システムが複雑化するとともに、製造コストが増加する。
【0017】
また、特許文献4及び5の自動製パン機では、ファン及びファンヒータを収容するファンケーシングを設けるスペースを加熱室外に別途確保する必要があり、装置が大型化する。また、ファン及びファンヒータを別途設けるため、特許文献3の自動製パン機と同様に、部品点数が増加する。このため、制御システムが複雑化するとともに、製造コストが増加する。また、特許文献4及び5の自動製パン機では、加熱室全体の空気を循環させて均熱化するため、熱損失が大きく、加熱効率が悪い。
【0018】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、部品点数の増加及び装置の大型化を抑えるとともに、加熱効率を向上させて、パンの上面と他の面との焼き色の差を少なくすることができる自動製パン機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記従来の課題を解決するために、本発明によれば、機器本体の内部に設けられ、加熱室を形成する有底筒状のヒータケースと、
前記加熱室内に収納され、調理材料を収容する練り容器と、
前記練り容器の周囲に設けられたヒータと、
前記ヒータケースの上部開口部を開閉可能な蓋と、
を備える自動製パン機であって、
前記蓋は、前記加熱室に面する内蓋を有し、
前記内蓋は、前記ヒータの熱を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、自動製パン機を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる自動製パン機によれば、部品点数の増加及び装置の大型化を抑えるとともに、加熱効率を向上させて、パンの上面と他の面との焼き色の差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる自動製パン機の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる自動製パン機の斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる自動製パン機の断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる自動製パン機の断面図である。
【図5】従来の自動製パン機の断面図である。
【図6】従来の自動製パン機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第1態様によれば、機器本体の内部に設けられ、加熱室を形成する有底筒状のヒータケースと、
前記加熱室内に収納され、調理材料を収容する練り容器と、
前記練り容器の周囲に設けられたヒータと、
前記ヒータケースの上部開口部を開閉可能な蓋と、
を備える自動製パン機であって、
前記蓋は、前記加熱室に面する内蓋を有し、
前記内蓋は、前記ヒータの熱を反射するように前記加熱室に面する面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、自動製パン機を提供する。
【0023】
本発明の第2態様によれば、前記内蓋は、前記練り容器内に収容された調理材料の上面に向けて前記ヒータの熱を反射する形状に形成されている、第1態様に記載の自動製パン機を提供する。
【0024】
本発明の第3態様によれば、前記ヒータは、赤外線を放射し、
前記内蓋は、前記赤外線を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、第1又は第2態様に記載の自動製パン機を提供する。
【0025】
本発明の第4態様によれば、前記ヒータは、放射線を放射し、
前記内蓋は、前記放射線を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、第1又は第2態様に記載の自動製パン機を提供する。
【0026】
本発明の第5態様によれば、副材料を収納する副材料容器であって、前記内蓋の一部を貫通するように前記蓋に取り付けられ、前記副材料が前記練り容器内に投入されるように底壁の少なくとも一部が開閉可能に構成された副材料容器と、
前記副材料容器の上部開口部を開閉可能に塞ぐ容器蓋と、
をさらに備え、
前記容器蓋は、前記ヒータの熱を反射するように前記底壁と対向する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、第1〜4態様のいずれか1つに記載の自動製パン機を提供する。
【0027】
本発明の第6態様によれば、前記ヒータケースの少なくとも一部が、前記内蓋に向けて前記ヒータの熱を反射する形状に形成されている、第1〜5態様のいずれか1つに記載の自動製パン機を提供する。
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。
【0029】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる自動製パン機の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる自動製パン機の断面図であり、図2は、その斜視図である。
【0030】
図1及び図2において、本第1実施形態にかかる自動製パン機は、有底筒状の機器本体1を備えている。機器本体1の内部には、加熱室1aを形成するヒータケース30が設けられている。機器本体1の下部には、シャーシ2が取り付けられている。シャーシ2には、駆動部の一例であるモータ3と、有底筒状の容器支持台4とが取り付けられている。
【0031】
モータ3は、プーリやベルトなどを含む伝達機構5を介して、容器支持台4に回転可能に支持されたコネクタ下6に回転力を与える。コネクタ下6は、練り容器7の底部に回転可能に支持されたコネクタ上8と係合可能に構成されている。
【0032】
練り容器7は、加熱室2a内に収納され、パン生地、ケーキ、餅などの調理材料を収容する容器である。練り容器7の底部外面には、筒状の練り容器台7aが設けられている。練り容器台7aは、容器支持台4とバヨネット結合するように構成されている。練り容器台7aと容器支持台4とがバヨネット結合する際、コネクタ下6とコネクタ上8とが係合し、練り容器7が加熱室1a内で支持される。一方、練り容器台7aと容器支持台4とのバヨネット結合が外された際、コネクタ下6とコネクタ上8との係合が外れ、練り容器7を加熱室1aから取り外すことが可能になる。
【0033】
コネクタ上8は、練り容器7の底壁から上方に向けて突出するように取り付けられている。コネクタ上8の先端部には、練り容器7内に収容された調理材料を混錬するための練り羽根9が着脱可能に取り付けられている。練り羽根9は、モータ3の回転力が伝達機構5に伝達され、コネクタ下6及びコネクタ上8が回転することで回転駆動する。
【0034】
練り容器7の周囲には、ヒータ10が設けられている。ヒータ10は、容器支持台4上に取り付けられた練り容器7に対して、所定の隙間を空けて包囲するように配置されている。ヒータ10としては、例えば、シーズヒータを用いることができる。ヒータ10の発熱部の中央は、セラミック碍子(図示せず)を介してヒータケース30の側面30aに固定されている。
【0035】
また、加熱室1aには、加熱室1a内の温度を検知する温度センサ11が設けられている。温度センサ11は、加熱室1a内の平均的な温度を検知することができるように、ヒータ10から少し離れた位置に配置されている。
【0036】
機器本体1の後方上部(図1の右上側)には、ヒンジ部1bが設けられている。ヒンジ部1bには、ヒータケース30の上部開口部30bを開閉可能な蓋12が回動可能に取り付けられている。蓋12は、内蓋13と、蓋本体14と、外蓋15とを備えている。
【0037】
内蓋13は、加熱室1aに面するように設けられている。内蓋13は、ヒータ10の熱を反射するように加熱室1aに面する表面に鏡面処理を施した金属材料(例えば、アルミニウムやステンレスなど)で構成されている。例えば、ヒータ10が赤外線を放射するヒータである場合、内蓋13は、当該赤外線を反射する金属材料で構成される。また、ヒータ10が放射線を放射するヒータである場合、内蓋13は、当該放射線を反射する金属材料で構成される。また、内蓋13は、練り容器7内に収容された調理材料の上面に向けてヒータ10の熱を反射する形状に形成されている。
【0038】
蓋本体14には、レーズン、ナッツなどの比較的体積の大きな副材料を収容する副材料容器16と、イースト、スパイスなどの比較的体積の小さな副材料を収容する副材料容器17とが、内蓋13の一部を貫通するように取り付けられている。副材料容器16及び17は、練り容器7の上方に配置されている。
【0039】
外蓋15は、副材料容器16の上部開口部16a及び副材料容器17の上部開口部17
aを開閉可能に取り付けられている。外蓋15の副材料容器16と対応する位置には、樹脂などの断熱部材で構成された副材料容器蓋15aが取り付けられている。副材料容器蓋15aの外周部には、パッキン15bが取り付けられている。
【0040】
副材料容器16は、着脱可能に構成され、着脱を容易にするため凹状の摘み部16bを備えている。副材料容器16の底壁は、副材料容器16に収容された副材料を練り容器7内に投入することができるように、内蓋13に対して回動可能に取り付けられた開閉板16cで構成されている。開閉板16cは、副材料容器16の下部開口部を塞ぐようにバネ(図示せず)により付勢されている。また、開閉板16cの加熱室1aに面する表面は、内蓋13と同様に、ヒータ10の熱を反射するように鏡面処理を施した金属材料(例えば、アルミニウムやステンレスなど)で構成されている。
【0041】
また、機器本体1の前方上部(図1の左上側)には、ソレノイド18と、種々の電子部品を備える操作部19とが設けられている。ソレノイド18のプランジャ18aは、操作部19の側壁19c及び蓋本体14の側壁14aを貫通し、蓋本体14内へ移動可能に設けられている。開閉板16cは、ソレノイド18のプランジャ18aが蓋本体14内へ移動するとき、プランジャ18aと当接するリンク部材18bに押され、バネの弾性力に抗して回転する。これにより、副材料容器16内の副材料が練り容器7内に投入されるようになっている。なお、副材料容器17についても、副材料容器16と同様の機構にて副材料容器17内の副材料が練り容器7内に投入されるようになっている。
【0042】
操作部19は、複数の調理コースから特定の調理コースを選択可能な選択部19aと、選択部19aで選択された情報などの各種情報を表示する表示部19bとを備えている。選択部19は、各種動作の開始又は停止、タイマー設定なども行うことができるように構成されている。
【0043】
また、機器本体1には、本自動製パン機の持ち運びを容易にするためのハンドル21と、先端に差込プラグ22を備えた電源コード23と、各部の駆動を制御する制御部24とが設けられている。制御部24には、複数の調理コースに対応する調理シーケンスが記憶されている。調理シーケンスとは、練り、ねかし、発酵、焼成などの各調理工程を順に行うにあたって、各調理工程においてヒータ10の通電時間、温調温度、練り羽根9の回転速度、ソレノイド18の駆動タイミングなどが予め決められている調理の手順のプログラムをいう。制御部24は、選択部19にて選択された特定の調理コースに対応する調理シーケンスと温度センサ11の検知温度とに基づいて、モータ3、ヒータ7、ソレノイド18などの駆動を制御する。
【0044】
本第1実施形態にかかる自動製パン機によれば、内蓋13が鏡面処理を施した金属材料で構成されているので、ヒータ10の熱を練り容器7内の調理材料の上面に効率良く供給することができる。また、内蓋13が練り容器7内に収容された調理材料の上面に向けてヒータ10の熱を反射する形状に形成されているので、ヒータ10の熱を練り容器7内の調理材料の上面に一層効率良く供給することができる。また、赤外線や放射線などの熱線を反射する金属材料で内蓋13を構成することで、従来の自動製パン機では十分に利用されていなかったヒータ10から発生する赤外線や放射線などの熱線を練り容器7内の調理材料の上面に供給することができる。これにより、加熱効率を向上させて、焼き上がったパンの上面と他の面との焼き色の差を一層少なくすることができる。また、本第1実施形態にかかる自動製パン機によれば、調理材料の全体に熱を効率良く供給することができるので、調理時間の短縮を図ることも可能である。
【0045】
また、本第1実施形態にかかる自動製パン機によれば、ヒータ10とは別のヒータ等を設ける必要がないので、部品点数の増加及び装置の大型化を抑えることができる。
【0046】
また、本第1実施形態にかかる自動製パン機によれば、開閉板16cの加熱室1aに面する表面も鏡面処理を施した金属材料で構成されているので、当該表面でヒータ10の熱を練り容器7内の調理材料の上面に一層効率良く供給することができる。なお、副材料容器17も開閉板16cと同様の構成であることが好ましいことは言うまでもない。
【0047】
なお、内蓋13は、加熱室1aに面する表面が鏡面処理を施した金属材料で構成されていればよく、内蓋13の全体を当該金属材料で構成する必要はない。例えば、従来の内蓋の加熱室に面する表面に、別途鏡面処理を施した金属材料を設けるようにしてもよい。この場合、当該金属材料の分だけの部品点数が増加することになるが、ヒータ及び当該ヒータの取付部品等を必要とする従来の構成に比べて、部品点数の増加を抑えることができる。
【0048】
また、内蓋13の金属材料としては、ステンレス等の熱伝導率が低く、保温性が高いものを用いることが好ましい。これより、加熱効率を一層向上させることができる。なお、内蓋13の金属材料としてステンレスを用いた場合には、強度、耐食性にも優れるという利点がある。
【0049】
また、内蓋13の蓋本体14に面する表面には、断熱材が設けられることが好ましい。これにより、内蓋13の熱が蓋本体14側に放出されることを抑えることができ、保温性を高めることができる、また、結果的に、内蓋13から練り容器7内の調理材料の上面に供給される熱量を増加させることができる。
【0050】
また、内蓋13の鏡面処理が施された金属材料を、防汚機能の高い光触媒材料で被覆するようにしてもよい。これにより、油脂などが内蓋13に付着することにより鏡面反射効果が低下することを抑制することができる。
【0051】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態にかかる自動製パン機の断面図である。本第2実施形態にかかる自動製パン機が前記第1実施形態にかかる自動製パン機と異なる点は、副材料容器16の上部開口部16aに容器蓋16dが設けられ、当該容器蓋16dの開閉板16cと対向する表面が鏡面処理を施した金属材料で構成されている点である。
【0052】
本第2実施形態にかかる自動製パン機によれば、開閉板16cが開放されている場合でも、容器蓋16dの開閉板16cと対向する表面により、ヒータ10の熱を反射することができる。これにより、ヒータ10の熱を練り容器7内の調理材料の上面に一層効率良く供給することができる。この構造は、開放された開閉板16cを閉塞位置に戻す機構がない自動製パン機に特に有用である。なお、副材料容器17も同様の構造であることが好ましいことは言うまでもない。
【0053】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態にかかる自動製パン機の断面図である。本第3実施形態にかかる自動製パン機が前記第1実施形態にかかる自動製パン機と異なる点は、ヒータケース30の底壁30cが内蓋13に向けてヒータ10の熱を反射する形状に形成されている点である。に
【0054】
本第3実施形態にかかる自動製パン機によれば、ヒータケース30の底壁30cによりヒータ10の熱を内蓋13に集めることができるので、練り容器7内の調理材料の上面に供給される熱量を多くすることができる。これにより、加熱効率を向上させることができる。
【0055】
なお、本第3実施形態では、ヒータケース30の底壁30cを、内蓋13に向けてヒータ10の熱を反射する形状に形成したが、本発明はこれに限定されない。ヒータケース30の一部を内蓋13に向けてヒータ10の熱を反射する形状に形成すればよい。
【0056】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明にかかる自動製パン機は、部品点数の増加及び装置の大型化を抑えるとともに、加熱効率を向上させて、パンの上面と他の面との焼き色の差を少なくすることができるので、家庭用のみならず様々な自動製パン機に有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 機器本体
1a 加熱室
1b ヒンジ部
2 シャーシ
3 モータ
4 容器支持台
5 伝達機構
6 コネクタ下
7 練り容器
7a 練り容器台
8 コネクタ上
9 練り羽根
10 ヒータ
11 温度センサ
12 蓋
13 内蓋
14 蓋本体
14a 側壁
15 外蓋
16、17 副材料容器
16a 上部開口部
16b 摘み部
16c 開閉板
16d 容器蓋
18 ソレノイド
18a プランジャ
18b リンク部材
19 操作部
19a 選択部
19b 表示部
19c 側壁
30 ヒータケース
30a 側面
30b 上部開口部
30c 底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体の内部に設けられ、加熱室を形成する有底筒状のヒータケースと、
前記加熱室内に収納され、調理材料を収容する練り容器と、
前記練り容器の周囲に設けられたヒータと、
前記ヒータケースの上部開口部を開閉可能な蓋と、
を備える自動製パン機であって、
前記蓋は、前記加熱室に面する内蓋を有し、
前記内蓋は、前記ヒータの熱を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、自動製パン機。
【請求項2】
前記内蓋は、前記練り容器内に収容された調理材料の上面に向けて前記ヒータの熱を反射する形状に形成されている、請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
前記ヒータは、赤外線を放射し、
前記内蓋は、前記赤外線を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、請求項1又は2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
前記ヒータは、放射線を放射し、
前記内蓋は、前記放射線を反射するように前記加熱室に面する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、請求項1又は2に記載の自動製パン機。
【請求項5】
副材料を収容する副材料容器であって、前記内蓋の一部を貫通するように前記蓋に取り付けられ、前記副材料が前記練り容器内に投入されるように底壁の少なくとも一部が開閉可能に構成された副材料容器と、
前記副材料容器の上部開口部を開閉可能に塞ぐ容器蓋と、
をさらに備え、
前記容器蓋は、前記ヒータの熱を反射するように前記底壁と対向する表面に鏡面処理を施した金属材料で構成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動製パン機。
【請求項6】
前記ヒータケースの少なくとも一部が、前記内蓋に向けて前記ヒータの熱を反射する形状に形成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動製パン機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−63244(P2013−63244A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−65212(P2012−65212)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】