説明

自動試薬分配システムおよび操作方法

【課題】組織染色器のための自動的試薬分配を好適に可能にするシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】染色器(104)は、中央制御部(102)から染色プロトコルを受信する。中央制御部は、複数の染色器を同時に制御し得る。染色器は、中央制御部と通信するスライド識別子上に提供される情報を得る。中央制御部は、特定のスライドに特定の染色プロトコルを適用することを決定する。染色プロトコルは、染色器にダウンロードされ、それによって中央制御部との追加的な通信をなしに、染色器を操作させることが可能になる。ユーザは手動に染色プロトコルを開始し得、または、中央制御部は予定通りに染色器を操作し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2005年2月11に出願された「Automated Reagent Dispensing System and Method of Operation」と題する米国仮特許出願第60/652,432号、および、2005年5月6日に出願された「Automated Reagent Dispensing System and Method of Operation」と題する米国仮特許出願第60/678,682号への優先権を主張し、その各々の内容は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。本出願はまた、2003年8月11日に出願され、そして「Fluid Dispensing Apparatus」と題する同時係属中の米国特許出願第10/639,021号の一部継続出願であり、これは、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、一般に組織サンプル処理システムに関し、特に、試薬分配のシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
組織プロセッサーは、種々のレベルの自動化とともに操作され得、組織学的または病理学の使用のためのヒトまたは動物組織標本を処理する。種々のタイプの化学的試薬が、組織処理の種々のステージで用いられ得、そして種々のシステムが、標本を含む顕微鏡のスライドに試薬を送達するために開発されている。公知の試薬送達システムの例は、小量放出ディスペンサー、試薬バットに手動で注ぐ技術者、または管材を経由して標本プロセッサーと結合されたバルクコンテナを含む。
【0004】
公知のシステムの種々の欠点がある。例えば、技術者が試薬バットに手動で注ぐか、または排出することは、時間を浪費し、そして注ぐ正確さを必要とし、それによって組織処理システムの全体の効率を低減する。別の欠点は、試薬を手動で注ぎ、かつ排出することは粗雑で、溢れ液の清掃および結果としての機器の停止時間を必要とすることである。さらなる欠点は、正確な試薬を選択することが、オペレーターの注意と正確さを必要とし、そして試薬付与の誤りの増加した可能性が存在し、試験の正確さ、および操作効率の減少を生じることである。
【0005】
自動化システムはまた、種々の欠点を提示する。これらのシステムにおいて、試薬は処理の間に選択され、そしてスライドに投与される必要がある。これら試薬は、しばしば、上から重力促進分配によって送達される必要がある。このような送達システムは、特別の試薬ディスペンサーまたはドライバーまたは自動化ピペッティングシステムのような試薬送達のための特別の装置を必要とする。このようなシステムは、試薬類をセットアップおよび分配するために必要な所定量の努力、処理の間の蒸発の可能性または汚染、ならびに多数の試薬の小量を取り扱う際の困難さのような種々の不利益を受ける。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、公知の自動スライド染色システムの不都合な点を大いに緩和する。本発明は、予定通りに複数の染色器(stainer)を同時に操作し得る中央制御部を提供することによって組織処理におけるエラーを減らし、効率を向上させる。中央制御部は、例えば予定に基づいて自動に組織処理を開始するか、または開始イベント条件を受信する後に手動で組織処理を開始する。染色器は、染色器内にあるトレイに置かれたスライド上に提供された組織サンプルの数とタイプを決定する在庫手順を経る。この手順は、バーコードを走査すること、またはそうでなければ、患者、組織、試薬および/または染色器内に提供されたスライドおよび/またはトレイからの他のタイプの情報を取得することを含み得る。
【0007】
染色器は、この情報の全てまたは一部を中央制御部に送信する。好ましくは、中央制御部は、組織サンプルに関する一次試薬情報を少なくとも受信する。一次試薬情報に基づいて、中央制御部は、組織サンプルに適用される染色プロトコルを決定する。染色プロトコルは染色器と通信し、染色器によって記憶される。そして、染色器は、中央制御部から独立して動作し得る。
【0008】
中央制御部は、ユーザが1つ以上の組織処理に関する状態を取得するこトレイポートを作成すること、試薬カートリッジ情報を修正すること、作動するプログラムを選択すること、および他の機能を開始することを可能にする。中央制御部は、また、ユーザが手動に1つ以上の染色器のために組織処理を開始することも可能にする。
【0009】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
試薬を分配する方法であって、該方法は、
自動試薬分配システムの在庫を決定するステップと、
中央制御部から該自動試薬分配システムに処理プログラムをダウンロードするステップと、
該処理プログラムに基づき、且つ該中央制御部からは独立して、該自動試薬分配システムを操作するステップと
を包含する、試薬分配方法。
(項目2)
在庫を決定する上記ステップが、トレイ、試薬カートリッジおよびの廃棄物用コンテナのうちの少なくとも1つに含まれる識別子を走査することを含む、項目1に記載の方法。(項目3)
組織サンプルに基づいて一次試薬を決定するステップと、
該一次試薬に関連する染色プロトコルを決定するステップと、
該染色プロトコルを上記自動試薬分配システムのマニホルド制御部に送信するステップと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目4)
状態レポートを作成するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目5)
コンテナ流体レベルを決定するステップと、
コンテナ状態信号を出力するステップと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目6)
割り込み信号を受信するステップと、
危険状態が存在するかどうかを決定するステップと、
上記処理プログラムの処理を中止するステップと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目7)
試薬を分配するステップと、
少なくとも1つの排出ポートを起動するステップと
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目8)
検査ログを作成するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目9)
ユーザが上記処理プログラムを作成することを可能にするステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目10)
ユーザが上記処理プログラムを修正することを可能にするステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目11)
試薬を分配するためのシステムであって、該システムは、
自動試薬分配システムに含まれる在庫を決定するように構成された在庫モジュールと、
中央制御部から該自動試薬分配システムに処理プログラムをダウンロードするように構成されたダウンロードモジュールと、
該処理プログラムに基づき、該中央制御部からは独立して、該自動試薬分配システムを操作するように構成された操作モジュールと
を備える、試薬分配システム。
(項目12)
上記在庫モジュールが、トレイ、試薬カートリッジおよびの廃棄物用コンテナのうちの少なくとも1つの中身を決定するように構成された、項目11に記載のシステム。
(項目13)
トレイにある一次試薬を決定するように構成された一次試薬決定モジュールと、
該一次試薬に関する染色プロトコルを決定するように構成された染色プロトコルモジュールと、
該染色プロトコルを上記自動試薬分配システムのマニホルド制御部に送信するように構成された染色送信モジュールと
をさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目14)
状態レポートを生成するように構成されたレポート作成モジュールをさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目15)
コンテナ流体レベルを決定するように構成されたコンテナ流体レベル決定モジュールと、
コンテナ状態信号を出力するように構成された信号出力モジュールと
をさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目16)
割り込み信号を受信するように構成された信号受信モジュールと、
危険状態が存在するかどうかを決定するように構成された危険状態モジュールと、
上記処理プログラムの処理を中止するように構成された処理中止モジュールと
をさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目17)
試薬を分配するように構成された分配モジュールと、
少なくとも1つの排出ポートを起動するように構成された起動モジュールと
をさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目18)
検査ログを作成するように構成された検査ログ作成モジュールをさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目19)
ユーザが上記処理プログラムを作成することを可能にするように構成されたイネーブルモジュールをさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目20)
ユーザが上記処理プログラムを修正することを可能にするように構成されたイネーブルモジュールをさらに備える、項目11に記載のシステム。
(項目21)
試薬を分配するためのシステムであって、該システムは、
開始条件を決定するように構成された開始条件検出モジュールと、
該システムの在庫を決定するように構成された在庫モジュールと、
少なくとも1つの染色プロトコルを処理するように構成された染色プロトコル処理モジュールと、
割り込み信号を受信するように構成された割り込み信号受信モジュールと、
少なくとも1つの試薬を分配するように構成された試薬分配モジュールと
を備える、試薬分配システム。
(項目22)
上記開始条件が上記システムのカバーを開けることを含む、項目21に記載のシステム。
【0010】
本発明のこれらの、ならびに他の特徴および利点は、添付の図面と共に本発明の詳細な説明の観点から理解されるでろう。ならびに、添付の図面の参照符号は、全体を通して同等物に参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下のパラグラフにおいて、図面の参照を伴う実施例によって、本発明は詳細に記載される。この記載事項の中で示される好適な実施形態および実施例は、本発明の制限としてではなく、例示として考えられるべきである。ここで使用されるように、「本発明」はここに記載される発明の実施形態の全て、および全ての均等物を意味する。さらに、この明細書を通じての「本発明」の様々な特徴の引用は、全ての請求項の中の実施形態および方法が引用された特徴を含まねばまらないことを意味しない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に従った、自動化された試薬分配システム100の図示(イラストレーション)である。制御コンピュータ102は複数の染色器(stainer;ステイナー)104と通信接続されており、複数の染色器104を制御するために集中化されたユーザーインターフェイスを提供し得る。染色器104は以下に記載するように、生物学的標本をプロセスするために使用され得る。制御コンピュータ102は染色器104と当該分野で公知のあらゆる方法によって通信することを得、例えば制御コンピュータ102は染色器104と高速ハブ106を経由して通信することを得る。高速ハブ106は、分配システム100が複数の染色器104と制御コンピュータ102のような他の構成部品との間で、すばやく情報を伝達することを可能にする。例えば染色器104は染色器に置かれたスライドに適用される染色プロトコルを、データライン108および高速ハブ106-を通じてダウンロードし得る。制御コンピュータ102および染色器104は
ハードウェアまたは無線を経由して通信するように構成され得ることが認識されるべきであり、例えば、システムは、上述したように、データライン108を使用し得、データラインは現状の電線または光ファイバであり得る。さらに、構成部品は、BLUETOOTH(Bellevue,WashingtonのBluetooth SIG,Inc.の登録商標)、またはその他全ての無線技術、などの無線周波数通信を使用することなどの、無線により通信し得る。
【0013】
制御コンピュータ102はまた1つ以上のローカルデータベース110と通信し得、その結果として、データはローカルデータベースへ、または、から移送され得る。例えば、ローカルデータベース110は、染色器104によって実行されるように設計された、複数の染色プロトコルを貯蔵し得る。染色器104によって実行される染色プロトコルは、以下にさらに記載されるように、染色器の中で使用されるスライドおよび/またはトレイと関連する識別子(すなわち、バーコード、無線周波数識別装置(RFID)、など)から得られる情報にう7づいて選択され得る。制御コンピュータ102は染色器104から受信した識別データを処理し得、ローカルデータベース110から染色プロトコルを取り込み得、染色プロトコルを染色器104に送信し得る。さらに制御コンピュータ102は、染色器104から受信した、レポートおよび/またはステータス情報などの情報の貯蔵のために、ローカルデータベース110を使用し得る。
【0014】
制御コンピュータ102はまた、1つ以上のリモートデータベース112および/またはサーバー114と通信し得る。制御コンピュータ102はリモートデータベース112と直接に、またはラボラトリ情報システム(LIS)であり得る、サーバー114を通じて通信し得る。制御コンピュータ102はサーバー114とネットワーク116を経由して通信し得る。上記のように、サーバー114はリモートデータベース112と通信し得る。サーバー114およびリモートデータベース112は、ローカルデータベース110と同様の方法で染色器104によって使用される染色プロトコルを提供するために、またはローカルデータベース110によって提供されるプロトコルを補うために使用され得る。
【0015】
自動化された試薬分配システム100は、任意ではあるが、1台以上のプリンタ118を含み得る。プリンタ118は、図示されるように制御コンピュータ102と直接、または染色器104と直接通信し得る。さらに、染色器104はそれぞれ染色器の中に一体化されたまたは別置きの専用のプリンタ118を有し得、または複数の染色器104が1台以上のプリンタを共有し得る。
【0016】
自動化された試薬分配システム100はまた、システムの構成部品(すなわち、顕微鏡のスライド、トレイ、試薬コンテナ、などに上に)に含まれ得る識別子を読み取るための手動操作またはデスクトップのスキャナ120を含み得る。識別子を翻訳することができるあらゆる種類のスキャナ120が使用され得る。例えば、スキャナ120はRFIDスキャナ、2Dまたは3Dバーコードスキャナ、または当該分野で公知の全ての種類のスキャナであり得る。スキャナ120は制御コンピュータ102または染色器104と直接通信し得、それぞれの構成部品は専用のスキャナを有し得る。
【0017】
システムはまた、無停電電源装置122によって給電され得る。無停電電源装置122は、中断された試験を無効にし得る一般的な電源喪失に対するシステムの脆弱性を制限するために使用され得る。このような電源の中断はまた、組織サンプルを使用不可能とし、追加の標本を採取することを必要とする、結果をもたらし得る。電源装置122は自動化された試薬分配システム100の全ての構成部品に給電するために使用され得る。
【0018】
図1において制御コンピュータ102は複数の染色器104とネットワークされて示されているが、自動化された試薬分配システム100の中の上記記載された全てのほかの構成部品に追加して、染色器は単独のユニットとして搭載されたコンピュータと結合され得ることが、認識されるべきである。このような組み合わせは、より少ない体積の生物学的標本を処理するために使用され得る、コンパクトな、独立の(stand−alone)ユニットを提供し得る。
【0019】
図2および図3を参照することにより、自動化された試薬分配システム100における使用に適合した染色器104が示される。染色器104は一般的に、ハウジング224、流体分配装置226および複数のトレイ支持ステーション228を含む。染色器104は、それぞれが保持トレイ230によって支持される複数の生物学的標本が、効率的に処理され得るように構成される。ハウジング224は流体分配装置226およびトレイ支持面228を支持し、その内部に生物学的標本の処理が含まれる、囲いを提供する。
【0020】
流体分配装置226は、複数の流体分配カ−トリッジ234が取り付けられ得る、複数のステーション232を含む。ステーション232は、複数の流体分配カートリッジ234を選択的にアクチュエータアセンブリ238に隣接するように位置決めする、取り付けのための開口236を含み、アクチュエータアセンブリは、流体分配カートリッジ234の中に一体化され得る流体分配器340から、二次試薬または脱ワックス液などの流体の所望の量の放出をトリガーするために使用される。複数の流体分配カートリッジを含む流体分配装置の例が、米国特許出願シリアル番号、第10/639,021号に記載されており、その内容の全てが、本明細書中で参考として援用される。代替案としては、米国特許番号、第5,338,358号に記載されているシステムのような、チューブを使用する、またはピペットを使用する流体分配システムが使用され得る。
【0021】
保持トレイ230はトレイ支持ステーション228の上に置かれ、図示されるように顕微鏡スライド、および/または標本コンテナを保持するように構成され得る。図3に示されるように、保持トレイ230は一般的に流体分配装置226の下方に、246、247、248の並びに配置される。結果として、システムは流体をカートリッジ234から所望の保持トレイ230のドリップ面233に届けるために、重力を利用し得る。トレイ230は標本支持プラトー231を含み得、それは立ち上がった側壁によって形どられ、流体の入口および出口それぞれ237および239を含み得る。顕微鏡スライドがトレイ230の上に置かれるとき、それは立ち上がった側壁によって支持され、それ故にプラトー231とスライドとの間には隙間が形成される。以下に記載するように、流体が隙間を流れることによって、標本は流体に露出され得る。トレイ230はまた、試薬を含むゲルまたは固体を保持するために、試薬凹部235を含み得る。
【0022】
好ましくは、流体分配装置226および保持トレイ230は、相互に可動であり、その結果として、カートリッジ234は任意の所望のトレイ230にも流体を分配するように位置決めされ得ることが、好ましい。流体分配装置226および保持トレイ230の可動性に関する、任意の組み合わせも使用し得る。例えば、流体分配装置226および保持トレイ230の両方が可動であり得、または一方のみが可動で他方が固定であり得る。
【0023】
アクチュエータアセンブリ238は任意ではあるが、複数のアクチュエータ242、243、244を含み、これらは保持トレイ230のそれぞれの並び246、247、248の上に流体を選択的に分配するために使用され得る。図示された実施形態において、分配アクチュエータ242は、並び246の中に露出した保持トレイ230の上に流体を分配するために構成され、分配アクチュエータ243は、並び247の中に露出した保持トレイ230の上に流体を分配するために構成され、そして分配アクチュエータ244は、並び248の中に露出した保持トレイ230の上に流体を分配するために構成される。もちろん、同業者によって理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数のアクチュエータおよび/またはスライド保持トレイでも採用され得る。
【0024】
染色器104の作動の例において、流体分配装置226は回転し、個別のカートリッジ234はアクチュエータアセンブリ238のアクチュエータ242、243、244に隣接するように選択的に位置決めされる。代替案としては、アクチュエータがそれぞれのカートリッジ234に隣接するように位置決めされ得、その結果、流体分配装置226はアクチュエータアセンブリ238に対して回転する必要がない。アクチュエータアセンブリ238は制御された量の流体を放出するために、カートリッジ234をトリガーする、任意の作動装置でもあり得る。好ましくは、流体分配装置226は保持トレイ230に対して移動および回転の両方が可能で、その結果として、個別のカートリッジ234が任意の保持トレイ230の上に選択的に位置決めされ得ることが、好ましい。カートリッジ234が選択された保持トレイ230の上に位置決めされた後に、保持トレイ230の上に制御された量の流体を放出するために、アクチュエータアセンブリ238がカートリッジ234をトリガーする。
【0025】
好ましい一実施形態において、流体分配装置226は、カートリッジ234がアクチュエータアセンブリ238に対して回転するように支持部材350へ結合され得る。アクチュエータアセンブリ238は、選択的に流体分配カートリッジ234の下で、支持部材350に固定的に取り付けられ得る。好ましくは、支持部材350は、カートリッジ234がトレイ230に対して回転および平行移動のいずれも可能であるように、水平に平行移動され得る。このようにして、任意のカートリッジ234が、任意の保持トレイ230の上方に選択的に配置され得る。
【0026】
保持トレイ230は、好ましくはトレイ支持ステーション228に、バネ加重された加熱/冷却パッド352上に実装され得、それによって保持トレイ230と、その関連するスライドおよび/または試薬コンテナとに対して、選択的および/または個別の加熱ならびに/または冷却を提供する。また、加熱/冷却パッド352は、独立的にプラトー領域またはプラテン領域ならびに凹部領域を加熱することができる。一実施形態において、各トレイ230は、保持トレイ230を特定の所望の温度に維持する、対応する加熱および/または冷却要素352を有する。一代替実施形態において、各保持トレイ230に対し2以上の加熱および/または冷却要素が存在し得る。
【0027】
染色器104は、選択的に、バルク流体供給コンテナ354と、廃棄流体コンテナ356と、1つ以上の流体送達マニホルド358とを含む。供給コンテナ354は、顕微鏡用スライドまたは標本コンテナと、各保持トレイ230のプラテンまたはプラトー231との間のギャップをリンスまたはフラッシュするための液体(たとえば水)を保持するため
に使用され得る。流体送達マニホルド358は、好ましくは、流体入口ポートおよび導管358を通して、供給コンテナ354から供給される流体の流れを保持トレイ230へ方向付けるための、弁およびスイッチ(図示せず)を備える。さらに、この流体送達マニホ
ルド358は、過剰の流体および廃棄材料の流れを、マニホルド358の流体排出ポートおよび導管から排液コンテナ356内へと方向付けるための弁およびスイッチ(図示せず
)を備える。
【0028】
染色器104は、さらに、保持トレイ230あるいは試薬スライドまたはコンテナに含まれた識別子を走査する走査装置(図示せず)を含み得る。走査装置は、たとえば流体分配装置226に結合され得、その結果、保持トレイ230上にある流体分配装置226としての識別子から読まれ得る情報は、保持トレイ230上で変換される。走査装置は、試薬カートリッジのステーション232が、操作装置と関連して動き得るように構成され得る。カートリッジ234上に含まれ得る識別子はまた、走査装置によって読み取られ得る。
【0029】
ここで、本発明の原理に基づくスライド保持トレイ230の製造方法を、図4を参照して説明する。ボックス400として概略的に示すように、第1のステップは保持トレイ230を作製することを含む。好ましい一実施形態によれば、保持トレイ230は、所望の構造形を形成するために、注入式塑造法による高分子材料から作製される。しかしながら、当業者によって理解されるように、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の作製プロセスが用いられ得、あるいは所望の構造特徴を達成することができる、選択された材料が用いられ得る。たとえば、射出成形、機械加工、真空/加圧成形、ダイカスト等、任意の既知の技術もを利用して、保持トレイ230は構成され得る。さらに、高分子材料および金属材料を含む、当技術において既知の任意の材料が使用され得る。たとえば、トレイの材料は、ウレタン、ポリウレタン、アセタール、ステンレススチール、アルミニウム等を含み得る。
【0030】
次のステップは、ボックス410によって示すような試薬凹部235(図2に示されている)へ所望の量の試薬を分配することを含む。たとえば、試薬を含むゲルマトリックスの所定量は、凹部の底面にある穴を介して挿入され得、あるいは代替的に、このような試薬は上から挿入することができる。ゲルマトリックスの例としては蒸留水、界面活性剤を有する蒸留水、緩衝液等が含まれる。
【0031】
凹部は、充填後にシールされ得る。ボックス420として概略的に示すように、次のステップは凹部をシールすることを含む。たとえば、凹部は当技術において既知の任意の方法でシールされ得る。その凹部は、テープまたは溶解可能な材料等の別のシール材を用いることによってシールされ得る。溶解可能な材料は、試薬含有マトリックスの溶解によって凹部がオープンになることを可能にすることができる。適所に試薬を保持することができ、気化および/または流体のフローロスを低減することが可能な任意の形状のシールが選択され得る。たとえば、上記のように、機械的なシールが適用され得る。
【0032】
試薬が試薬凹部に充填されて凹部がシールされた後、ボックス430によって示すような支持トレイに識別子が添付され得る。識別子は、特定の生物学的標本の位置および処理を追跡するために使用され得る。さらに、識別子は、生物学的標本を保持トレイの凹部に含まれている試薬試薬と関連づけるために使用され得る。その結果、試薬の特定の処理が実行され得る。識別子は、さらに、標本、要求された手順、および/または、要求する医者についての情報を含み得る。当業者よって認識されるように、任意のタイプの識別子は、たとえば2次元または3次元のバーコード、RFID装置、走査可能なマイクロチップ等のように使用され得る。
【0033】
手順を開始する前に、保持トレイ上の標本は、システム内に含まれている染色器に装填される。図5に示すように、システムに保持トレイを装填する処理が図示のように実行され得る。第1のステップにおいて、ボックス510によって示すように、染色器のハウジング上のカバーが開かれる。次に、ボックス520として概略的に示すように、生物学的標本を含むスライドまたは試薬を保持する試薬コンテナが選択される。スライドまたは試薬コンテナが選択された後、ボックス530によって示すように、組織タイプあるいは診断医あるいは病理学者の指示、所定の手順に基づいて、あるいは任意のその他の方法で、試薬のプロトコルが決定され得る。次いで、トレイは、ボックス540によって示すように、選択された試薬プロトコルに基づいて選択され得る。上記のように、保持トレイは試薬含有マトリックスを予め充填されているため、トレイはある試薬プロトコルに特定のものであり得る。したがって、好ましくは、トレイは選択された試薬プロトコルと一致するように選択される。次いで、ボックス550によって示すように、スライドまたは試薬コンテナは、選択されたトレイに載せられ得る。保持トレイを通って流れる流体に試薬がさらされることを促進するために、スライドは、保持トレイ上に裏を向けて配置され得る。スライドまたはコンテナが保持トレイに載せられた後、保持トレイはボックス560によって示すように、自動システムに含まれる染色器あるいはその他の処理装置へ装填され得る。
【0034】
スライドを選択するステップと、試薬プロトコルを決定するステップと、トレイを選択するステップと、スライドをトレイの上に配置するステップと、トレイを染色器上に配置するステップとは、ボックス570によって示すように染色器のトレイ容量が満たされるまで反復され得る。たとえば、一実施形態において、本システムの染色器は図2に示すように24(24)のトレイ容量を有し得る。最後に、所望の試薬が全て染色器に装填され
た後、ボックス580によって示すように、オペレータはカバーを閉じ得る。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態に基づく全体的なシステム手順を概略的に示す。ボックス600として概略的に示した開始のステップにおいて、ユーザアカウントが作成される。ユーザアカウントの作成に関連する画面の例を図7〜図8に示す。ユーザアカウントは、図7に示すユーザセットアップ画面を通じてユーザID700、名前710およびパスワード720を確立することにより作成され得る。ユーザアカウントはそれぞれ認証レベル730を割り当てられ得る。このような認証レベル730は、たとえば、開発者、サービス、管理者、オペレータなどを含み得る。各認証レベル730は、システムの使用に対して許可される異なる特権を有し得る。
【0036】
また、ユーザを設定する管理者は、ユーザが各種操作を実行する能力を、手動で制限し得る。たとえば、管理者は、ユーザがプログラムを編集することまたは手動操作を行なうことを禁止し得る。図8に示すように、管理者は機能選択画面を通じてユーザの各種操作へのアクセスを制限し得る。管理者は、特定の機能に関連するチェックボックス800を選択すること等によって特定のユーザがアクセスを有し得る機能を選択することができる。
図示したように、管理者はプログラムの編集、トレイ試薬、カートリッジ試薬、バルク溶液情報テーブルワークリストおよび在庫へのユーザの能力を制御し得る。管理者はさらに、ユーザに対し、手動操作、インポートデータまたはエクスポートデータ、アーカイブ情報、インターネットへのリンク、実行レポート、計画レポート、を入力する能力、あるいはシステムの欠陥、バーコード形式、溶液ボトル、廃棄ボトル、モジュール名、プリンタ、メンテナンス計画、を設定する能力を制御し得る。これは、チェックボックス、ラジオボタン、トグルスイッチ、または、所望の機能に近いその他の選択可能な特徴を選択することによって実行され得る。機能の任意の組合せが選択され得る。
【0037】
ユーザアカウントを作成した後に、図6のボックス610として概略的に示すように、ユーザはログインし得る。ユーザに、図9に示すようなログイン画面が提示され得る。ユーザは、自動システムにログインするために、図6の、ユーザアカウントが作成されたステップ600において選択された、ユーザ名710およびパスワード720を入力し得る。
【0038】
次に、ユーザは、図6のボックス620によって示すように、パスワードを変更するように、選択または要求され得る。そのステップでは、パスワード変更リクエストが受け取られたかどうか判断するための決定がシステムによってなされる。パスワード変更リクエストが受け取られている場合、図10に示す変更パスワード画面は、ボックス630として概略的に示すようなユーザに提示され得る。
【0039】
ユーザがアカウントを作成した後、システムセットアップ画面を介してシステムのプレファレンスを編集し得る。図11は、本発明の一実施形態に基づく、最初のシステムセットアップの間にユーザに提示され得る画面1100を示す。画面1100は、ユーザが特定のシステムセットアップに名前を割り当てることを可能にする、名前選択1110を含み得る。ユーザがシステムプレファレンスを割り当てることを可能にするために、1つ以上のプレファレンスセクション1120が提供され得る。たとえば、ユーザはプレファレンスセクション1120によって実行モード(自動スタート/手動スタート)、外部バー
コードリーダのステータス(有効化されている/無効化されている)、言語(英語、ドイツ語、日本語、イタリア語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、またはその他の言語)、短い日付の形式(M/d/yyyy、MM/dd/yy、yy/MMM/DD、dd−MMM−yy、M/d/yy、MM/DD/yyyy、およびyyyy−MM−dd)、長い日付形式(dddd MMMM dd yyyy、ddd dd MMMM yyyy)、自動中断選択のステータス(有効化されている/無効化されている)、期限切れのワークリストのタイムリミット(第1の警告(時間))、タイムリミットの反復間隔(時間))、ならびに使用期限切れの警告を割り当てることが可能であり得る。
【0040】
また、コンタクト情報セクション1130は、ユーザが名前、電話番号、電子メールアドレス、ウェブサイト、あるいは販売、顧客サポート、または、システムに関連する他の人物に関するその他の情報のようなコンタクト情報を入力することを可能にするために提供され得る。また、ユーザが設定を保存し画面1100から出ることを可能にするために、選択可能な機能キー1140が提示され得る。
【0041】
パスワードを変更した後、またはパスワード変更リクエストが受け取られていない場合、図6のボックス640として概略的に示すようなメイン制御画面がユーザに対して提示され得る。初期化手順は、試薬が染色器に装填された後に実行され得、そのため、標本および試薬情報はシステムによって収集されてメイン制御画面において提示され得る。プロトコルの処理と関連する初期化手順の例を図12に示す。ボックス1210によって示すように、開始条件が検出され、保持トレイおよび試薬カートリッジ、およびコンテナの棚卸をすることを含み得る。開始条件は、たとえば、自動試薬分配システムに含まれる染色器のハウジング上のカバーを閉じること、制御コンピュータからスタート信号を受け取ること、あるいはその他の条件であり得る。開始条件が検出されない場合、自動試薬分配システムは、開始条件が検出されるまで開始条件が検出されるかどうか絶えずチェックし得る。
【0042】
開始条件を検出した後に、在庫手順は、ボックス1220として概略的に示したように実行され得る。在庫手順は、図13に示す走査手順を含み得る走査手順は、システムのステータスを決定するために自動試薬分配システムにおいて提供されるトレイおよびカートリッジを全て走査する。ボックス1310として概略的に示すように、自動試薬分配システムに対する試薬カルーゼルはホームポジションに位置する。ホームポジションには、0(0)、あるいは開始、すなわちカルーゼルが各走査手順を開始する位置が好適である。
開始位置は、カートリッジの回転開始位置に加え、スライドに対するカルーゼルの位置に対応し得る。たとえば、開始位置は、図2に示すカルーゼルの位置に対応し得る。カルーゼルは、ボックス1320として概略的に示すように、各トレイによって移動する。上記のように、カルーゼルは、ボックス1330として概略的に示す各トレイに関連する識別子を走査する、走査装置を含み得る。このことによって、システムはどのトレイが標本を含むかを決定することができる。トレイ識別子を走査した後に、カルーゼルはホームポジション(ボックス1340)へ戻る。
【0043】
次いで、ボックス1350として概略的に示すように、試薬カートリッジに関連する識別子が走査される。試薬カートリッジを走査することによって、システムは、各試薬カートリッジの中にある試薬のタイプおよび量を示し得る。決定は、各試薬カートリッジ(ボ
ックス1360)に対するカートリッジ状態に関してなされる。決定は、カートリッジ内に含まれる試薬の特定のタイプと、カートリッジのパーセント量などで示されるカートリッジにおける試薬の量(たとえばカートリッジは75パーセント満たされている)を示し得る。
【0044】
分配された試薬の量の履歴を維持することは、カートリッジ内に存在する試薬の量に関する決定をなすことをさらに補助し得る。たとえば、ある実施形態において、カートリッジは試薬に対して100ミリリットルの容量を有し得、ある実施形態においては、試薬が自動試薬分配システムを用してカートリッジから分配されるたびに1ミリリットルの試薬が分配される。試薬がカートリッジから25回分配されたことを履歴が示す場合、75ミリリットル(あるいは75パーセント)の試薬がカートリッジに残る。カートリッジ状態
を決定した後、カートリッジ状態信号は、どのタイプの試薬がどのくらいカートリッジ内に保存されているかに関する指示と共にユーザへ提供するために出力される(ボックス1370)。この例として、多数の分配が各カートリッジの最大として設定される。各分配によって、機械的またはソフトウェアカウンタが増加し、いったん最大数に達するか、超過すると、置換信号または他の標識子が提供される。さらなる例において、カートリッジ消耗信号が提供され、システムはその信号を、それ以上カートリッジを使用することを要求せず、交換を要求するものと理解する。代替的に、カートリッジを使用し続けることが可能であるが、新しいカートリッジが取り付けられるべきであるとオペレータに通知する警告が提供される。さらなる例として、各カートリッジに対する分配の最大数は、あらかじめコンピュータメモリにおいてプログラムされるか、代替的に、カートリッジラベル上の判読可能な(機械または人間によって)標識子に示されている。異なるカートリッジあるいは特定のカートリッジ上の異なる分配容積に対しては、異なる分配最大数を設定することができる。
【0045】
カートリッジが空だという決定またはカートリッジは所定の染色プロセスを実行するために不十分な試薬の量を含んでいるという決定がなされる場合、自動試薬分配システムはボックス1380として概略的に示すようなオーバーライド信号または交換信号を待ち得る。オーバーライド信号は、カートリッジ状態にかかわらず染色プロセスを続行することをユーザが所望している、ということを示す。交換信号は、試薬の量が不十分な1つ以上のカートリッジが満たされたか交換されたことを示す。さらに、システムは、バルク溶液コンテナおよび廃棄コンテナが、再び満たされるか、空にされるか、交換されることを要求するかどうか判断するために、バルク溶液コンテナおよび廃棄コンテナを走査し得る。
【0046】
図14に示す、初期化プロセスの別の実施形態において、ボックス1410として概略的に示す初期化手順の最初のステップは、開始イベント(上記)が検出されたかどうかを決定することである。開始イベントが検出されていない場合、自動試薬分配システムは、開始イベントが検出されたかどうか絶えずチェックし得る。開始イベントが検出された後、自動試薬分配システムは、自動試薬分配システム(以上にさらに詳細に説明した)のステータスを決定するためにトレイを走査し得る(ボックス1415)。ボックス1420として概略的に示すように、トレイを走査する間に得られた情報に基づいてリストシーケンスが生成され得る。
【0047】
走査装置が、ボックス1425として概略的に示すようにホームポジションにまだ位置特定されていない場合、自動試薬分配システムの走査装置はホームポジションへ戻される。次いで、走査装置はカートリッジを走査する(ボックス1430)。存在するカートリッジの数、およびカートリッジ内に存在する試薬が何かを決定するために、カートリッジが走査される。カートリッジを走査した後、走査装置はボックス1435として概略的に示すようにホームポジションに戻され得る。次いで、自動試薬分配システムにおいて提供されるコンテナは、コンテナの数、およびどの試薬が存在するかを決定するために走査される(ボックス1440)。
【0048】
ボックス1445として概略的に示すように、コンテナのスキャンに基づいて、各コンテナが許容できる流体のレベルを有するかどうかに関して決定がなされる。各コンテナにおける流体のレベルが許容可能であると判断された場合、たとえば自動試薬分配システムの制御装置に対して、準備完了信号が出力され得る(ボックス1450)。準備完了信号は、自動の試薬分配システムが動作する準備ができており、染色プロトコルが実行されることを示す(ボックス1455)。
【0049】
どのコンテナの流体のレベルも許容可能ではないという決定がなされた場合、ボックス1460として概略的に示すように、コンテナ状態信号が出力され得る。次いで、自動試薬分配システムは、オーバーライド信号または交換信号を待ち得る。これについては図6を参照して以上にさらに詳細に説明した。
【0050】
在庫手順の間に収集される情報は、1つ以上のデータベースにローカルにあるいは外部に保存され得る。データベースは、ユーザがデータを入力・編集することを可能にする画面を介してフォーマットされ得る。図15は、スライド情報テーブルを設定するためにユーザ対して提示され得る画面1500を示す。画面1500は、ユーザがスライド情報テーブルに名前を割り当てることを可能にする名前フィールド1510と、ユーザがスライド情報テーブルの記述を入力することを可能にする記述フィールド1520とを含み得る。たとえば、患者情報を特定のスライドと関連づけるテーブルが作成され得る。さらに、医者の情報を特定のスライドと関連づけるテーブルが作成され得る。組織タイプ、標本収集の日付、および/または処理プロトコルにおけるステップを実行した日付等、追跡のために有用である任意の情報がテーブルに記録され得るということを理解されたい。また、ユーザがスライド情報テーブルを保存し画面1500を出ることを可能にするために、選択可能な機能キー1530が提示され得る。
【0051】
図16は、本発明の一実施形態に基づく、ユーザがスライドバーコードフォーマットを設定するために提示され得る画面1600を示す。画面1600は、スライドバーコードに割り当てられた数を示す数フィールド1610と、ユーザがバーコードに長さを割り当てることを可能にする長さフィールド1620と、ユーザがバーコードにデータ形式を割り当てることを可能にするデータ形式フィールド1630とを含み得る。また、ユーザがスライドバーコード形式を保存し画面1600を出るために、選択可能な機能キー1640が提示され得る。
【0052】
上述したように、システムが在庫手順を実行した後、主制御画面を介して、集められた情報を表示し得る。主制御画面1700、1800の例は、図17および図18において個々に示される。主制御ウィンドウは、好ましくは、自動試薬分配システムの、実質的な、図式的なレプリカを表示する。例えば、画面1700は、カートリッジの円形的なグラフ表示、および保持トレイの配列を含む。画面1800はまた、バルク溶液廃棄物ボトルの容量の例図を提供する。代替的に、主制御画面1800は、図18において示されるように、自動試薬分配システムに含まれる、保持トレイのみを表示し得る。理解すべきことは、両方の画面が利用可能であり得、ユーザが、画面上に含まれるボタン1710、トグルスイッチ、または他のセレクタを使用して、好ましい表示を選択し得ることである。
【0053】
主制御画面は、好ましくは、どのトレイおよびどのカートリッジが使用中であるのか、利用可能な試薬の量、集められた廃棄物の量、自動試薬分配システムの動作の一時停止、動作からトレイ/カートリッジを追加/削除、および他の所望される機能を、ユーザに表示させ得る。主制御画面はまた、好ましくは、実行されている染色プロトコルの状態、または最後に実行された染色プロトコルの状態を提供する。関連する識別子を走査することによって得られた、トレイおよび/またはスライド情報などのような追加的な情報がまた、表示され得る。
【0054】
在庫手順が完了すると、自動試薬分配システムは、ボックス1130として概略的に示されるように、制御部から命令シーケンスを受信し得る。命令シーケンスは、スライド上またはコンテナに含まれる標本に与えられた一つ以上の染色プロセスを規定し、保持トレイ上に提供される。上述したように、染色プロセスは、特定期間、それぞれの標本に与えられる、それぞれの試薬のタイプおよび量を識別する。
【0055】
図6において示されるシステムを使用するプロセスの間、ボックス650として概略的に示されるように、プログラムを実行するための要求が受信されているかどうかに関して、決定がなされる。ユーザは、図17および図18において示されるように、主制御画面を介して、そのような要求をし得る。主制御画面を使用し、ユーザは、一つ以上の事前にプログラムされたルーチンおよび/または手動の操作が実行されることを要求し得る。
【0056】
スライド情報が走査された後、主制御画面を介して表示される。ユーザが、集められた情報を手動で編集できる表示が、ユーザに提示され得る。図19は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、スライド情報を編集させ得るように提示され得る、画面1900の例図である。画面1900は、スライド識別子1910を含み得る。スライド識別子1910は、特定のスライドの名前または他のIDを表示するために使用され得る。画面1900はまた、一つ以上の入力領域1920を含み得る。入力領域1920は、特定のスライドに関する情報を、ユーザに編集/入力させ得る。入力領域1920は、例えば、患者、医者、テーブル情報などを含み得る。画面1900はまた、特定のスライドに関連するトレイを識別するために、トレイ識別子1930およびトレイ試薬識別子1940を含み得る。ファンクションキー1950はまた、例えば、ユーザに、入力された情報を保存させ得るために提供され得、画面1900を終了させ得る。
【0057】
図20は、本発明の一実施形態に従い、スライド情報テーブルを編集するために、ユーザに提示され得る、画面2000を示す。画面2000は、一つ以上の編集領域2020を含む、編集セクション2010を含み得る。編集領域2020は、例えば、入力番号、省略名、および詳細などのスライド情報を、ユーザに編集させ得る。一つ以上のスライドの、入力番号、省略名、および詳細を識別する情報セクション2030がまた、提供され得る。一つ以上の選択可能なファンクションキー2040は、様々な機能を実行するために使用され得る。例えば、ユーザは、ファンクションキー2040を使用して、スライド情報テーブルを追加、編集、削除、またはプリントし得、あるいは、画面2000を終了させ得る。
【0058】
実行プログラム要求を受信した後、自動試薬分配システムは、ボックス660として概略的に示され、図12においてさらに詳述されたように、プログラム要求を実行する。図12において示されたように、命令シーケンスを受信する(ステップ1230)上で、染色プロトコルは、ボックス1240として概略的に示されるように、自動試薬分配システムによって実行される。
【0059】
染色プロトコルが実行される間に、ボックス1250によって示されるように、自動試薬分配システムは、割り込み信号が受信されたかどうかを決定する。割り込み信号は、例えば、自動試薬分配システムのカバーを開くこと、制御部から受信されたコマンド、または他のイベントによって生じ得る。割り込み信号が受信されると、自動試薬分配システムは、ボックス1260として概略的に示されるように、処理を停止する。次いで、リジューム処理信号が受信されるかどうか(ボックス1270)に関する決定がなされる。レジューム処理信号が受信されない場合、自動試薬分配システムは、処理を継続して引きとめておく(ボックス1260)。レジューム処理信号が受信される場合、しかしながら、自動試薬分配システムは、ボックス1240によって概略的に示されるように、染色プロトコルを継続的に実行する。
【0060】
割り込み信号が受信されない場合、ボックス1280によって示されるように、処理が完了しているかどうかに関する決定がなされる。処理は、自動試薬分配システムにおいて提供される組織サンプルのそれぞれに対して、全ての染色プロトコルを完了することを含み得る。処理が完了していない場合、自動試薬分配システムは、ボックス1240として概略的に示されるように、染色プロトコルを継続的に実行する。ボックス1260として概略的に示されるように、処理が完了したという決定がなされた場合、処理完了信号が制御部に出力され得(ボックス1290)、自動試薬分配システムが処理を停止する。
【0061】
図21は、本発明の一実施形態に従う、割り込みイベント手順をさらに詳細に示す。割り込み信号が受信されている(ボックス2110として概略的に示される)かどうかに関する決定がなされる。割り込み信号が受信された場合、ボックス2120として概略的に示されるように、危険な状態が存在するかどうかに関する決定がなされる。危険な状態は、例えば、関連する有毒ガスを有する試薬が分配されたことなどであり得る。ユーザが有毒ガスと接触した場合、ユーザは健康を損ない得る。危険な状態が存在するという決定がなされた場合、ボックス2130として概略的に示されるように、危険プロセスが完了し得る。カルーゼルまたは他の試薬カートリッジホルダは、次いで、ボックス2140として概略的に示されるように、元の位置に移動する。ユーザは、自動試薬分配システムの内部へのアクセスがイネーブルされる(ボックス2150)。ユーザは、例えば、自動試薬分配システムのカバーが開かないようにする、ロックまたは他のメカニズムを解除することによって、アクセスをイネーブルし得る。
【0062】
自動化試薬分配システムは、次いで、ボックス2160として概略的に示されるように、レジューム信号が受信されたかどうかを決定する。レジューム信号は、上記したように、カバーを閉じることによって、または制御部によって出力されるコマンドによって、生じ得る。レジューム信号が受信されない場合、自動試薬分配システムは、カートリッジカルーゼルまたはカートリッジホルダを元の位置に配置し続ける(ボックス2140)。しかしながら、レジューム信号が受信された場合、自動試薬分配システムは、ボックス2170として概略的に示されるように、染色プロトコルを回復する。
【0063】
別の実施形態において、プロセスは、完全に自動化され得る。図11は、本発明の一実施形態に従い、自動化試薬分配システムによって実行され得る、完全に自動化された手順を概略的に示す。初期のステップとして、自動化された染色手順を実行するために要求されるステップを規定する、スクリプトまたは処理プログラムは、制御部からダウンロードされる。このステップは、ボックス2210として概略的に示される。ダウンロードスクリプトは、上記したように、スライドに関係される識別子を走査することによって得られる情報に基づき得る。ボックス2220として概略的に示されるように、スライドに与えられた一次試薬は決定される。一次試薬情報はまた、スライドに関連する識別子から得られ得る。特定のスライドに与えられる一つ以上の染色プロトコルは、ボックス2230として概略的に示されるように、識別された一次試薬に基づいて決定される。決定された染色プロトコルは、次いで、ボックス2240として概略的に示されるように、マニホルド制御部へ送信される。マニホルド制御部は、カートリッジに取り付けられたカルーゼル、およびカートリッジから試薬を分配することを制御する。自動試薬分配システムは、次いで、ボックス2250として概略的に示されるように、プロトコルを実行する。
【0064】
一つ以上の状態レポートは、自動試薬分配システムから、例えば、ボックス2260によって示されるように、パーソナルコンピュータまたは他の制御部などの中央制御部に、送信され得る。状態レポートは、例えば、周期的に、自動で、または、中央制御部を使用するユーザによって手動で、送信され得る。状態レポートを受信すると、中央制御部は、ボックス2270によって概略的に示されるように、レポートを表示し得る。
【0065】
翻って図6を参照して、ボックス670によって示されるように、ユーザは、受信されたプログラム要求を作成または修正することを選択し得る。ユーザが、一つ以上の手動の操作が実行されることを要求する場合、ボックス680によって示されるように、システムは動作を作成または修正することをイネーブルし、図23において示されるように、手動の操作表示がユーザに提示される。ユーザが開始し得る手動の操作は、例えば、全てのラインをフラッシュする2310、選択されたラインをフラッシュする2320、選択された溶液をポンプする2330、バーコード読取り機を実行する2340、プリンタをテストする2350などを含み得る。画面はまた、手動の操作要求をユーザに送信できるようにする、ファンクションキー2360を提示し得る。動作要求がシステムによって受信された後、ユーザは、ボックス690および図6の参照番号695によって示されるように、システムが受信された要求を表示することを選択し得る。
【0066】
本発明に従い、組織サンプルを処理する方法は、様々なステップを含み得る。一実施形態において、本発明に従い、スライド保持トレイを用いた組織サンプルを処理する方法は、図24において示される。ボックス2400として概略的に示されるように、初期ステップは、そこに含まれるゲルまたは試薬のタイプに基づいて、スライド保持トレイを選択することを含む。もちろん、個々のトレイ内に含まれるゲル(すなわち、試薬)のタイプは、組織サンプルに対して実行されるテストのタイプに依存する。言い換えれば、スライド保持トレイを選択する初期ステップは、組織サンプルに対して実行されるテストのタイプを決定するステップを含み得る。
【0067】
ボックス2410として概略的に示されるように、次なるステップは、必要に応じて、スライドまたはトレイの上のバーコードを読み取ることを含む。注意すべきは、そのようなステップは必要ではなく、代替的には、スライドデータは読み取られず、または入力もされず、あるいは、スライドデータは手動で入力され得ることである。ボックス2420として概略的に示されるように、次なるステップは、トレイからシールを剥がすことを含み、それによって、凹部および試薬を露出させる。ボックス2430を参照して、次なるステップは、トレイ上にスライドを配置することを含む。好ましくは、スライドは、組織サンプルがスライドとプラテンとの間に置かれるように配置される。ボックス2440として概略的に示されるように、次なるステップは、必要に応じて、バネ荷重された熱/冷却パッドの上に、スライド保持トレイを配置することを含む。
【0068】
ボックス2450として概略的に示されるように、次なるステップは、試薬(すなわちゲル)マトリックスを液化することを含む。このステップは、マトリックスを加熱し、融解生成物を形成するステップを含み得る。代替的には、マトリックスは、溶媒において可溶性であり得、それは、溶解するために凹部に加えられる。このように、マトリックスを液化するステップは、代替的には、溶媒を使用して、ゲルを溶解するステップを含み得る。ボックス2460を参照して、次なるステップは、ドリップ表面を介して、プラテンとスライドとの間で、液化された試薬マトリックスを、ギャップまたは反応チャンバへと流すことを含む。このステップは、重力の助けを借りて、完遂し得る。
【0069】
ボックス2470を参照し、次なるステップは、必要に応じて、続く組織処理ステップのために組織サンプルを準備するために、洗浄液を用いてギャップをフラッシュすることを含む。ボックス2480として概略的に示されるように、次なるステップは、必要に応じて、流体物分配装置から、非一次試薬を、保持トレイのドリップ表面へ分配することを含む。最後に、ボックス2490を参照して、次なるステップは、フルイド・リターン導管を介して、廃棄物および過剰の流体物を、廃棄物貯蔵所へ引き込むことを含む。
【0070】
さらに図24を参照して、ボックス2410、2420、および2430によって示されるステップは、本発明の範囲から逸れることなく、任意の順序にて実行され得る。追加的に、トレイ上のバーコードを読み取るステップ(ボックス2410)は、必要に応じて、トレイ上のスライドを配置するステップの後に実行され得(ボックス2430)、これらのステップのいずれかが、消去され得る。さらに、トレイからシールを剥がすステップ(ボックス2420)は、そこに含まれるゲルのタイプに基づいて、トレイを選択する初期ステップの後、任意の時間に実行され得る(ボックス2400)。
【0071】
図25は、処理手順に関連されたサブステップの別の実施形態を図示する。図25に示された実施形態に従い、ボックス2510として概略的に示されるように、処理手順は、試薬を分配することを含む。これは、例えば、バルクコンテナから試薬カートリッジへ、試薬を分配することを含む。バルクコンテナは、追加的な試薬を有するカートリッジを供給するために使用され得る。バルクコンテナは手動で操作し得るので、バルクコンテナからカートリッジへ試薬を受け渡すのに、ユーザの介入が要求される。これは、例えば、供給ラインまたは他の導管を介して、バルクコンテナからカートリッジへ、試薬を移行させる、スイッチメカニズムまたは他のメカニズムを操作することによってなされ得る。代替的には、自動試薬分配システムは、自動的にカートリッジを充填し得る。これは、初期化手順に関連して、上記されたような走査手順の後で実行され得る。例えば、走査手順は、図26において示されるようなスクリーンを介して、試薬を要求する一つ以上のカートリッジを識別し得る。自動試薬分配システムは、適切なバルクコンテナから試薬をカートリッジへ移行させることによって、カートリッジの充填を開始し得る。これは、ポンプまたは他の既知のメカニズムを使用して実行され得る。
【0072】
処理手順はまた、ボックス2520として概略的に示されるように、カートリッジからの試薬を分配することを含む。試薬は、例えば、ポンプを使用して、カートリッジから分配され得る。カートリッジは、ソレノイドによって作動されるポンプを用いて提供され得る。特定の試薬が分配されることを要求される場合、自動試薬分配システムは、信号をソレノイドに送信することによって、そのカートリッジに関連するソレノイドを作動させる。ソレノイドはポンプを押し、試薬の所定量をカートリッジから分配させる。好ましくは、試薬は、所望の時間に、染色プロトコルに従い、分配される。
【0073】
自動試薬分配システムはまた、ボックス2530として概略的に示されるように、トレイ試薬コンテナ、または凹部から、試薬を分配し得る。
【0074】
処理手順が完了すると、トレイに関連する排出ポートは、ボックス2540として概略的に示されるように、作動され得る。排出ポートは、例えば、トレイに提供された穴であり得る。真空状態がトレイに適用され得、トレイに配置された試薬を廃棄物導管に吸い込まさせる。本発明の実施形態に従い、廃棄物は、有害な廃棄物、有害でない廃棄物に分けられ得、それぞれ個々の廃棄コンテナへ向かう。
【0075】
システムはまた、図12において示されるように、検査ログ手順を実行させ得る。実施形態において、検査ログ手順は、ボックス2710に概略的に示されるように、スライド上に提供される識別子から、情報を走査、または別の方法において得ることによって開始され得る。識別子は、上記されたように、バーコードまたは他の識別子であり得る。識別子の走査から得られた情報に基づいて、識別子を有するスライドは、ボックス2720によって示されるように、特定のトレイに関連され得る。情報の様々な部分は、ボックス2730に示されるように、検査ログにおけるトレイに格納され得、関連され得る。例えば、どの処理が、いつ、どの患者に、実行されたかの記録は、スライド、トレイおよび処理プロトコル情報に基づいて維持され得る。検査ログは、ボックス2740として概略的に示されるように、データベースにおいて格納され得る。
【0076】
図28から68を参照し、システムの使用全体に渡り、ユーザに提示され得る様々な任意のスクリーンが以下に記載される。図28は、本発明の実施形態に従い、ユーザにプログラムを選択させることが可能なように提示され得る画面2800の図である。画面2800は、一つ以上の選択可能な領域2810を含み得る。選択可能な領域2810は、例えば、トレイ試薬識別子、トレイ試薬省略名、プログラム識別子、および、プログラム省略名に関連する情報を含み得る。選択可能な領域2810は、プログラム識別子またはプログラム省略名を用いた特定のプログラム、あるいは、トレイ試薬識別子またはトレイ試薬省略名を用いた特定のトレイに関連するプログラムを、ユーザに選択させることが可能であり得る。プログラムを選択する上で、そのプログラムに関連する情報は、情報セクション2820にて提示され得る。情報セクション2820は、例えば、プログラムの詳細およびプログラム作成者の名前などを含み得る。他の情報もまた提示され得る。画面2800はまた、一つ以上の選択可能なファンクションキー2830を含み得る。ファンクションキー2830は、例えば、新たなプログラムを作成し、デフォルトのプログラムとして特定のプログラムをセットし、特定のプログラムを編集/削除し、画面2800を終了させるために使用され得る。
【0077】
図29は、本発明の一実施形態に従い、ユーザにプログラムを作成/編集させることができるように提示され得る画面2900を示す。画面2900は、プログラムに関する情報を提供するプログラム情報セクション2910を含み得る。情報は、例えば、トレイ試薬識別子、トレイ試薬名、プログラム識別子、プログラム省略名、プログラム名、作成者、編集者、プログラムの詳細、作成日時、および、最終編集日時を含み得る。画面2900はまた、マクロセクション2920を含み得る。マクロセクション2920は、マクロ識別子、および、作成または削除されるプログラムに関連するマクロ名を含み得る。マクロセクション2920はまた、関連するマクロを編集することができる、選択可能な編集マクロ機能を含み得る。
【0078】
画面2900はまた、サイクル数セクション2930、変動セクション2940、および待機時間セクション2950を含み得る。サイクル数セクション2930は、ユーザに、プログラムを実行するための、最小、最大、および/またはデフォルトのサイクル数を示すことができる。変動セクション2940は、プログラム内での、ユーザに、最小、最大、および/またはデフォルトの変動数を示すことができる。待機時間セクション2950は、ユーザに、プログラムのための、最小、最大、および/またはデフォルトの待機時間を示すことができる。待機時間は、秒、分、時間、または他の任意の増加にて示され得る。マクロセクション2920、サイクル数セクション2930、変動セクション2940、および待機時間セクション2950は、個々に、それに関連されるファンクションキー2960をそれぞれ有し得る。ファンクションキー2960は、個々に、マクロセクション2920、サイクル数セクション2930、変動セクション2940、および待機時間セクション2950の一つ以上に入力された情報を、ユーザに、追加/編集/全てクリア/削除/やり直し、をさせることが可能であり得る。
【0079】
画面2900はまた、情報セクション2970およびプログラムタイプセクション2980を含み得る。情報セクション2970は、そのプログラムに関連する情報を含み得る。その情報は、例えば、ステップ、機能、試薬、待機時間、プラテン温度、および変動を含み得る。プログラムタイプセクション2980は、ユーザに、実行するための特定のプログラムを選択させることが可能であり得る。ユーザは、特定のプログラムをデフォルトプログラムとして使用するために選択し得るか、または、ワークリストを展開している間にプログラムをユーザに選択させることができる。
【0080】
図30は、本発明の一実施形態に従い、マクロを選択するために、ユーザに提示され得る画面3000を図示する。画面3000は、特定のマクロに対する識別子および名前を示す、識別子領域3010およびネーム領域3020を含み得る。一つ以上の選択可能なファンクションキー3030は、様々な機能を実行するために使用され得る。例えば、ユーザは、ファンクションキー3030を使用して、マクロを作成、編集、または削除し得、あるいは、画面3000を終了させ得る。
【0081】
図31は、本発明の一実施形態に従い、マクロを作成/編集するために、ユーザに提示され得る、画面3100を図示する。画面3100は、複数のデータ領域3110を含み得、特定のマクロに関する情報をユーザに入力または編集させることが可能である。データ領域3110は、例えば、マクロ識別子、マクロ名、修正、試薬A、試薬B、廃棄物ボトル識別子、最小サイクル、最大サイクル、デフォルトサイクル、変動、緊急置換溶液名、緊急置換溶液温度、延長されたインキュベーション、最短待機時間、最長待機時間、デフォルト待機時間、最低保持温度、最高保持温度、およびデフォルト保持温度を含み得る。
【0082】
データ領域3110はまた、マクロに関連するそれぞれの試薬が提供され得る。試薬情報に関するデータ領域3110は、カートリッジ試薬識別子、カートリッジ試薬省略名、バルク溶液識別子、およびバルク溶液省略名に関する情報を提供し得る。他の情報はまた、例えば、ステップ順序回数、アクション、単位数、プラテン温度、ペレット凹部温度、サイクルステップ、臨界ファクタ、および時間などが、データ領域3110に提供され得る。
【0083】
データ領域3110の一つ以上に関する追加的な情報を提供する情報セクション3120が提供され得る。選択可能であるファンクションキー3130はまた、ユーザに、特定のマクロを、作成/編集/削除/保存させ、入力された情報をやり直し/クリアさせ、および、画面3100を終了させ得るために、提示され得る。
【0084】
図32は、本発明の一実施形態に従い、モジュールネームをセットアップするために、ユーザに提示し得る。画面3200は、モジュールに割り当てられたモジュール識別子を示すモジュール識別領域3210を含み得る。ユーザによるモジュールの名前の割り当てが可能なネームフィールド3220が、提供され得る。選択可能なファンクションキー3240はまた、ユーザに、モジュール情報を保存させることができ、画面3200を終了させ得る。
【0085】
図33において示されるように、ユーザは、特定のコマンドを入力するために、送信コマンド画面を使用し得る。ユーザは、コマンドを入力し得、特定のコマンドに関する自動試薬分配システムから、応答状態を受信し得る。
【0086】
図34は、本発明の一実施形態に従い、トレイ試薬を選択させるために、ユーザに提示され得る画面3400を示す。画面3400は、特定のトレイ試薬のための識別子および名前を指示する、識別子領域3410およびネーム領域3420を含み得る。一つ以上の選択可能なファンクションキー3430は、様々な機能を実行するために使用され得る。例えば、ユーザは、ファンクションキー3430を使用してトレイ試薬を、作成、編集、または削除し得、あるいは、画面3400を終了させ得る。
【0087】
図35から図36は、本発明の一実施形態に従い、個々にトレイ試薬を作成および編集するために、ユーザに提示され得る画面3500、3600を示す。画面3500、3600は、特定のトレイ試薬に関する情報を、ユーザが入力または編集し得る複数のデータ領域3510、3610を含み得る。データ領域3510、3610は、例えば、トレイ試薬識別子、トレイ試薬名、トレイ試薬省略名、抗体タイプ、抗体源、クローン、希釈度、一次前処置、インキュベーション時間、検出システム、危険レベル、廃棄物タイプ、安定性、価格、在庫目録、最低在庫量、および、最終受信日付などを含み得る。
【0088】
一つ以上のデータ領域3510、3610に関する追加的な情報を提供する情報セクション3520、3620が提供され得る。選択可能なファンクションキー3530、3630はまた、ユーザに、特定のトレイ試薬を保存させ得るために提示され得、画面3500、3600を終了させ得る。さらに、トレイ試薬カテゴリセレクタ3540、3640もまた提供され得る。トレイ試薬カテゴリセレクタ3540、3640は、ユーザに、トレイ試薬が、ベーシックなトレイ試薬なのか、ユーザの定義したトレイ試薬なのかを示すことが可能である。
【0089】
図37は、本発明の一実施形態に従い、カートリッジ試薬を選択するために、ユーザに提示され得る画面3700を示す。画面3700は、特定のカートリッジ試薬のための、識別子および名前を示す、識別子領域3710およびネーム領域3720を含み得る。一つ以上の選択可能なファンクションキー3730は、様々な機能を実行するために使用され得る。例えば、ユーザは、ファンクションキー3730を使用して、カートリッジ試薬を作成、編集、または削除し得、あるいは、画面3700を終了させ得る。
【0090】
図38から図39は、本発明の一実施形態に従い、個々に、カートリッジ試薬を作成および編集するために、ユーザに提示され得る画面3800、3900を示す。画面3800、3900は、特定のカートリッジ試薬に関する情報を、ユーザによっての入力または編集可能な、複数のデータ領域3810、3910を含み得る。データ領域3810、3910は、例えば、カートリッジ識別子、名前、省略名、試薬タイプ、試薬ソース、危険レベル、廃棄物タイプ、生産コード、パッケージ、安定性、オンボード安定性、価格、在庫目録、最低在庫数、および、最終受信日付などを含み得る。
【0091】
一つ以上のデータ領域3810、3910に関する追加的な情報を提供する情報セクション3820、3920が提供され得る。選択可能なファクションキー3830、3930はまた、ユーザに、特定のカートリッジ試薬を保存させることができるように提示され得、画面3800、3900を終了させ得る。さらに、カートリッジ試薬カテゴリセレクタ3840、3940もまた、提供され得る。カートリッジ試薬カテゴリセレクタ3840、3940は、カートリッジ試薬がベーシックカートリッジ試薬なのか、ユーザの定義したカートリッジ試薬であるのかを、ユーザに示すことが可能である。
【0092】
図40は、本発明の一実施形態に従い、バルク溶液を選択するために、ユーザに提示され得る画面4000を示す。画面4000は、特定のバルク溶液のための識別子および名前を示す識別子領域4010およびネーム領域4020を含み得る。一つ以上の選択可能なファンクションキー4030は、様々な機能を実行するために使用され得る。例えば、ユーザは、ファンクションキー4030を使用して、バルク溶液を、作成、編集、削除し得、または、画面4000を終了させ得る。
【0093】
図41から図42は、本発明の一実施形態に従い、バルク溶液を作成および編集するために、ユーザに提示され得る画面4100、4200を示す。画面4100、4200は、特定のバルク溶液に関する情報を、ユーザに入力または編集させ得る複数のデータ領域4110、4210を含み得る。データ領域4110、4210は、例えば、溶液識別子、名前、省略名、溶液タイプ、危険レベル、廃棄物タイプ、生産コード、パッケージサイズ、安定性、価格、在庫目録、最低在庫数、および、最終受信日付を含み得る。
【0094】
一つ以上のデータ領域4110、4210に関する追加的な情報を提供する情報セクション4120、4220が提供され得る。選択可能なファンクションキー4130、4230は、ユーザに特定のバルク溶液を保存させることができるように提示され得、画面4100、4200を終了させ得る。さらに、バルク溶液カテゴリセレクタ4140、4240がまた、提供され得る。バルク溶液カテゴリセレクタ4140、4240は、ユーザに、バルク溶液がベーシックバルク溶液であるのか、ユーザの定義したバルク溶液なのかを示すことができる。
【0095】
図43は、本発明の一実施形態に従い、バルク溶液ボトルをセットアップするために、ユーザに提示され得る画面4300を示す。画面4300は、バルク溶液ボトルに割り当てられた識別子を示す、ボトル識別領域4310を含み得る。バルク溶液識別領域4320は、ユーザに、バルク溶液ボトルに格納されたバルク溶液の識別子を示すことができるように提供され得る。バルク溶液省略名領域4330は、ユーザに、バルク溶液の省略名を示すことができるように提供され得る。ソース領域4340は、ユーザに、バルク溶液のソースを示すことができるように提示され得る。要領領域4350は、ユーザに、バルク溶液ボトルの容量(例えばリットルなど)を示すことができるように提示され得る。選択可能なファンクションキー4360は、ユーザに、バルク溶液ボトル情報を保存させ得るように提示され得、画面4300を終了させ得る。
【0096】
図44は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、廃棄物ボトルをセットアップするために提示され得る画面4400を示す。画面4400は、廃棄物ボトルに割り当てられた識別子を示す、ボトル識別領域4410を含み得る。廃棄物ボトル識別領域4420は、廃棄物ボトルに格納された廃棄物のタイプのための識別子を、ユーザに示すことができるように、提供され得る。廃棄物タイプ領域4430は、廃棄物ボトルに格納された廃棄物のタイプを、ユーザに示すことができるように提供され得る。配置領域4440は、ユーザに、廃棄物ボトルの位置を示すことができるように、提供され得る。要領領域4450は、ユーザに、廃棄物ボトルの容量(例えばリットルなど)を示すことができるように提示され得る。選択可能なファンクションキー4460はまた、ユーザに、バルク溶液ボトル情報を保存することができるように提示され得、画面4400を終了させ得る。
【0097】
図45は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、ワークリストを作成することができるように提示され得る画面4500を示す。画面4500は、作成されたワークリストを識別する名前などのような、ワークリスト識別子4510を含み得る。テーブル4520は、スライド情報4530およびトレイ情報4540を提供する、セクション、行、列などを含み得る。スライド情報4530は、例えば、スライド情報を含み得る。トレイ情報4540は、例えば、トレイ試薬ID、トレイ試薬省略名、プログラムID、プログラム省略名、および、トレイ情報4540の全てまたは一部が変化したかどうかなどを含み得る。スライド情報4530およびトレイ情報4540の他のタイプもまた提供され得る。
【0098】
画面4500はまた、選択された場合、所望される機能を実行する、選択可能なファンクションキー4550を含み得る。キー4550は、ユーザに、スライドの詳細を表示させ、プログラム変数を調整させ、入力を削除させ、ワークリストをプリントさせ、およびワークリストを閉じさせ得る。キー4550は、テーブル4520において提供される情報に関連して使用され得る。例えば、ユーザは、特定のスライドに関連する情報を選択し得る。この選択は、情報がある行がハイライトされることによって示され得る。ユーザは、次いで、選択された情報に関連する特定の機能を実行するために、キー4550の一つを選択し得る。例えば、ユーザは、特定のスライドに関する情報を選択し得、そのスライドに関連する情報を削除するように選び得る。ユーザは、次いで、そのスライドに関する情報を削除するために、削除入力キー4550を選択する。必要に応じて、ユーザは、選択された情報が削除される、というユーザからの確認を要求する、確認要求メッセージとともに提示され得る。
【0099】
ユーザはまた、後に、特定のプログラムを開始するために選択し得る。ユーザは、これを達成するために、遅延スタート機能を使用し得る。ユーザが、後に、特定のプログラムを開始することを所望する場合、ユーザは、図46に示されるように、遅延開始表示とともに提示され得る。ユーザは、同日に、二日後に、または三日後等に、プログラムを実行するために選択し得る。
【0100】
図47は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、自動プリントスケジュールをセットアップするために提示され得る画面4700を示す。画面4700は、自動プリントセクション4710のタイムフレームを含み得る。自動プリントセクション4710のタイムフレームは、ユーザによっての、その週の一日、開示時間、終了時間、休暇の選択可能にさせ得る。ユーザは、例えば、その週の指定された日に隣接するチェックボックスを選択することによって、自動的にスケジュールをプリントするために、その週の一日以上の日を選択し得る。ユーザはまた、例えば、プルダウンメニューにリストされた時間を選択することによって、開始時間および終了時間を選択し得る。
【0101】
画面4700はまた、レポート領域4720、スケジュール領域4730、日にち領域4740、間隔領域4750、時間領域4760を含み得る。レポート領域4720は、特定のレポートをプリントするために、自動的に予定するレポートのリストを提供し得る。例えば、ユーザは、期限を過ぎたワークリスト、作業量の統計、生産期限の警告、期限調整、実行履歴、および他のレポートなどのレポートを自動的にプリントするために選択し得る。スケジュール領域セクション4730は、プルダウンメニュー、ラジオボタン、チェックボックス、または特定のレポートの予定された自動プリントをイネーブルまたはディセーブルするために、他の選択可能なオプションを提供し得る。日にち領域4740、間隔領域4750、および時間領域4760はまた、ユーザに、特定のレポートを自動的にプリントするための、日にち、間隔、および時間を選択させることができる。選択可能なファンクションキー4770は、ユーザに、自動プリントスケジュールを保存することができるように提示され得、画面4700を終了させ得る。
【0102】
図48は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、スケジュールメンテナンスをセットアップするために、提示され得る画面4800を示す。画面4800は、ユーザに、スケジュールメンテナンスをセットアップするための一つ以上のタスクを選択させることができる、タスク領域4810を含み得る。タスクは、例えば、全てのラインをフラッシュする、選択されたラインをフラッシュする、選択された溶液にポンプする、などを含み得る。スケジュールメンテナンス領域4820は、特定のタスクのためのスケジュールメンテナンスをイネーブルまたはディセーブルするために提供され得る。日にち領域4830は、タスクを実行するその週の一日を、ユーザに選択させ得るように提供され得る。間隔領域4840は、タスクを実行する間隔を、ユーザに示させることができるように提供され得る。時間領域4850は、タスクを実行する時間を示すために提供され得る。選択可能なファンクションキー4860はまた、ユーザに、スケジュールメンテナンスを保存させることができるように提示され得、画面4800を終了させ得る。
【0103】
図49は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、自動プリントスケジュールの休暇を選択させることができるように提示され得る画面4900を示す。画面4900は、休暇を指定するために、ユーザに、特定日を選択させることができるカレンダー表示4910を含み得る。ユーザによって選択された休暇は、休暇リスト4920において提示され得る。休暇を追加および削除する方法に関する命令4930はまた、画面4900において提示され得る。選択可能なファンクションキー4940はまた、ユーザに、休暇リストを保存させることができるように提示され得、画面4900を終了させ得る。
【0104】
ユーザはまた、デバックコマンドが実行されること、および、応答データが特定の位置に保存されることを要求し得る。ユーザは、図50において示されるように、デバックシステム表示を使用して、デバックコマンドが実行されるように要求し得る。デバックコマンドは、例えば、システムレポート、エラー状態レポート、主プロセスメモリダンプ、従プロセスメモリダンプなどを含み得る。
【0105】
図51から図52を参照し、バルク溶液ボトルおよび廃棄物溶液ボトルの状態を示すスクリーンが表示され得る。スクリーンは、通常、ボトルIDなどの、ボトルに関する情報を示す。それらはまた、必要に応じて、溶液または廃棄物のタイプを示し得る。追加的に、それらは、例えばグラフ形状において、容量に関する情報を提供し得る。
【0106】
図53は、本発明の一実施形態に従い、プログラムレポートを作成するために、ユーザに提示され得る画面5300を示す。画面5300は、プログラム識別子セクション5310およびプログラム省略名セクション5320を含み得る。プログラム識別子セクション5310およびプログラム省略名セクション5320は、ユーザがプログラムレポートを作成またはプリントし得る、プログラム識別子および省略名のリストを提供し得る。プログラム識別子および省略名のリストは、ソートオプション5330を使用して、識別子および名前によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー5340はまた、ユーザに、一つ以上のプログラムレポートを作成またはプリントさせることができるように提示され得、画面5300を終了させ得る。
【0107】
図54は、本発明の一実施形態に従い、プログラムレポートをセットアップするために、ユーザに提示され得る画面5400を示す。画面5400は、ユーザによって作成されたプログラムレポートにおいて提供された情報をカスタマイズするために使用され得る。画面5400は、一つ以上のデータ領域を含む、プログラムデータ領域セクション5410を含み得る。ユーザは、そのプログラムデータ領域セクション5410において、プログラムレポートをカスタマイズするために選択し得る。例えば、プログラムデータ領域セクション5410は、ユーザに、レポートに含まれる特定の情報を選択させ得る、選択可能なオプションを含み得る。情報は、例えば、プログラム識別子、プログラム名、プログラム省略名、プログラムの詳細、作成日時、最終修正日時、作成者、および修正者などを含み得る。
【0108】
画面5400はまた、レポートに含まれ得るステップデータに関する一つ以上の領域を含む、ステップデータ領域セクション5420を含み得る。ステップデータは、例えば、ステップ順序回数、試薬/一次抗体/プローブ、時間、プラテン温度、ペレット凹部温度、および臨界ファクタを含み得る。選択可能なファンクションキー5430はまた、ユーザに、セットアップされたプログラムレポートを復元または保存させることができるように提示され得、画面5400を終了させ得る。
【0109】
図55は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、マクロレポートを作成することができるように、提示され得る画面5500を示す。画面5500は、マクロ識別子セクション5510およびマクロネームセクション5520を含み得る。マクロ識別子セクション5510およびマクロネームセクション5520は、マクロ識別子およびマクロネームのリストを提供し得、ユーザはプリントまたはマクロレポートを作成し得る。マクロ識別子およびマクロネームのリストは、ソートオプション5530を用いて、識別子および名前によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー5540はまた、ユーザに、一つ以上のマクロレポートを作成またはプリントすることができるように、提示され得、画面5500を終了させ得る。
【0110】
図56は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、マクロレポートをセットアップするために提示され得る画面5600を示す。画面5600は、ユーザによって作成されたマクロレポートにおいて提供された情報をカスタマイズするために使用され得る。画面5600は、ユーザがマクロレポートをカスタマイズするために選択し得る一つ以上のデータ領域を含む、マクロデータ領域セクション5610を含み得る。例えば、マクロデータ領域セクション5610は、ユーザに、レポートにおいて含まれる特定の情報を選択させ得る、選択可能なオプションを含み得る。情報は、例えば、マクロ識別子、マクロネーム、修正回数、生産コード、試薬の位置、試薬、廃棄物ボトル識別子、最低サイクル数、最高サイクル数、デフォルトサイクル数、最短待機時間、最長待機時間、最低保持温度、最高保持温度、デフォルト保持温度、延長されたインキュベーション、緊急置換溶液、および緊急置換溶液温度を含み得る。
【0111】
画面5600はまた、レポートに含まれ得るステップデータに関する一つ以上の領域を含む、ステップデータ領域セクション5620を含み得る。ステップデータは、例えば、ステップ順序回数、時間、プラテン温度、ペレット凹部温度、臨界ファクタ、およびサイクルステップ(オン/オフ)を含み得る。選択可能なファンクションキー5630はまた、ユーザに、セットアップされたマクロレポートを復元または保存することが出来るように提示され得、画面5600を終了させ得る。
【0112】
図57は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、一次抗体およびプローブレポートを作成することができるように提示され得る画面5700を示す。画面5700は、抗体/プローブ識別子セクション5710、抗体/プローブ省略名セクション5720、および、抗体/プローブ名セクション5730を含み得る。抗体/プローブ識別子セクション5710、抗体/プローブ省略名セクション5720、および、抗体/プローブ名セクション5730は、抗体/プローブ識別子のリスト、抗体/プローブ省略名のリスト、抗体/プローブ名のリストを提供し得、ユーザは、一次抗体/プローブレポートを作成し得る。抗体/プローブ識別子、抗体/プローブ省略名、および抗体/プローブ名の各リストは、ソートオプション5740を使用して、識別子、省略名、名前によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー5750はまた、ユーザに、一つ以上の一次抗体/プローブレポートを作成できるように提示され得、画面5700を終了させ得る。
【0113】
図58は、本発明の一実施形態に従い、ユーザに、一次抗体/プローブレポートをセットアップすることができるように提示され得る画面5800を示す。画面5800は、ユーザによって作成された一次抗体/プローブレポートにおいて提供された情報をカスタマイズするために使用され得る。画面5800は、ユーザが一次抗体/プローブレポートをカスタマイズするために選択し得る一つ以上のデータ領域を含む、抗体およびプローブデータ領域セクション5810を含み得る。例えば、抗体/プローブデータ領域セクション5810は、レポートに含まれる特定の情報をユーザに選択させ得る選択可能なオプションを含み得る。情報は、例えば、抗体識別子、名前、省略名、抗体タイプ、抗体源、クローン、希釈度、一次前処置、インキュベーション、時間、検出システム、MSDS、危険レベル、廃棄物タイプ、生産コード、安定性、価格、在庫目録、最終受信日付、および、最低在庫数などを含み得る。選択可能なファンクションキー5820はまた、ユーザに、セットアップされた一次抗体およびプローブを復元または保存させ得るように提示され得、画面5800を終了させ得る。
【0114】
図59は、本発明の一実施形態に従い、二次試薬レポートを作成するためにユーザに提示され得る画面5900を示す。画面5900は、二次試薬識別子セクション5910、二次試薬省略名セクション5920、および二次試薬名セクション5930を含み得る。二次試薬識別子セクション5910、二次試薬省略名セクション5920、および二次試薬名セクション5930は、二次試薬識別子、省略名、名前のリストを提供し得、ユーザは二次試薬レポートを作成またはプリントし得る。二次試薬識別子、省略名、名前のリストは、ソートオプション5940を使用して、識別子、省略名、名前によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー5950はまた、一つ以上の二次試薬レポートを作成またはプリントすることができるように、ユーザに提示され得、画面5900を終了させ得る。
【0115】
図60は、本発明の一実施形態に従い、二次試薬レポートをセットアップするために、ユーザに提示され得る画面6000を示す。画面6000は、ユーザによって作成された二次試薬レポートにおいて提供された情報をカスタマイズするために使用され得る。画面6000は、ユーザが二次試薬レポートをカスタマイズするために選択し得る一つ以上のデータ領域を含む二次試薬データ領域セクション6010を含み得る。例えば、二次試薬データ領域セクション6010は、レポートに含まれる特定の情報を、ユーザに選択させ得る選択可能なオプションを含み得る。情報は、例えば、試薬識別子、試薬名、試薬省略名、試薬タイプ、試薬ソース、MSDS、危険レベル、廃棄物タイプ、生産コード、パッケージサイズ、安定性、オンボード安定性、価格、在庫目録、最終受信日付、および最低在庫数などを含み得る。選択可能なファンクションキー6020は、ユーザに、セットアップされた二次試薬レポートを復元または保存させるように、提示され得、画面6000を終了させ得る。
【0116】
図61は、本発明の一実施形態に従い、バルク溶液レポートを作成するために、ユーザに提示され得る画面6100を示す。画面6100は、バルク溶液識別子セクション6110、バルク溶液省略名セクション6120、およびバルク溶液名セクション6130を含み得る。バルク溶液識別子セクション6110、バルク溶液省略名セクション6120、およびバルク溶液名セクション6130は、個々に、バルク溶液識別子、省略名、名前のリストを提供し得、ユーザは、バルク溶液レポートを作成またはプリントし得る。バルク溶液識別子、省略名、名前のリストは、ソートオプション6140を使用して、個々に、識別子、省略名、名前によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー6150はまた、一つ以上のバルク溶液レポートを、ユーザに作成またはプリントさせ得るように提示され得、画面6100を終了させ得る。
【0117】
図62は、本発明の一実施形態に従い、バルク溶液レポートをセットアップすることができるように、ユーザに提示され得る、画面6200を示す。画面6200は、ユーザによって作成されたバルク溶液レポートにおいて提供された情報をカスタマイズするために使用され得る。画面6200は、ユーザがバルク溶液レポートをカスタマイズするために選択し得る、一つ以上のデータ領域を含む、バルク溶液データ領域セクション6210を含み得る。例えば、バルク溶液データ領域セクション6210は、レポートに含まれる特定の情報を、ユーザに選択させ得る、選択可能なオプションを含み得る。情報は、例えば、バルク溶液識別子、バルク溶液名、バルク溶液省略名、バルク溶液タイプ、MSDS、危険レベル、廃棄物タイプ、生産コード、パッケージサイズ、安定性、価格、在庫目録、最終受信日付、および、最低在庫数などを含み得る。選択可能なファンクションキー6220はまた、ユーザに、セットアップされたバルク溶液レポートを復元または保存できるように提示され得、画面6200を終了させ得る。
【0118】
図63は、本発明の一実施形態に従い、廃棄物ボトルレポートを作成するために、ユーザに提示され得る画面6300を示す。画面6300は、モジュール識別子セクション6310を含み得る。モジュール識別子セクション6310は、ユーザがモジュールレポートを作成またはプリントし得る、モジュール識別子のリストを提供し得る。モジュール識別子のリストは、ソートオプション6320を使用して、識別子によってソートされ得る。選択可能なファンクションキー6330はまた、ユーザに、一つ以上のモジュールレポートを作成またはプリントさせ得るように、提示され得、画面6300を終了させ得る。
【0119】
最後に、図64において示されるように、上で記載された任意のレポートを、手動でプリントすることを可能にするスクリーンが、ユーザに提示され得る。スクリーンは、ユーザが作成するために選択し得るレポート6410のリストを、ユーザに提供する。ユーザによって選択されたレポートのリストもまた提示される(6420)。最後に、ユーザに、特定のレポートを開かせ、レポートをプリントさせ、レポートを削除させ、またはスクリーンを終了させ得ることができるファンクションキー6430が提供され得る。
【0120】
このように、自動試薬分配システムおよびその方法が提供されたことを確認した。当業者は、本発明が、様々な実施形態および好ましい実施形態とは異なる形態にて実施され得ることを理解されたい。本発明は、図面において表されるが、図示のためという目的のみであって、本発明を限定する目的ではなく、本発明は、請求項によってのみ限定されるものである。本記載において検討された特定の実施形態の均等物は、本発明をも実施し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明に従う自動試薬分配システムの概略である。
【図2】本発明に従う1つ以上のスライド保持トレーを使用するのに最適な組織処理システムの上面図である。
【図3】図1の組織処理システムの一部分の側面図である。
【図4】本発明に従う保持トレーの制作方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明に従うトレーへの積荷手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に従う全システム手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に従うユーザアカウント作成に関する画面である。
【図8】本発明に従うユーザアカウント作成に関する画面である。
【図9】本発明に従うユーザログインに関する画面である。
【図10】本発明に従うユーザパスワードの変更に関する画面である。
【図11】本発明に従うシステムセットアップに関する画面である。
【図12】本発明に従う開始手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明に従う走査手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明に従う在庫手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明に従うスライド情報表セットアップに関する画面である。
【図16】本発明に従うバーコードフォーマットセットアップに関する画面である。
【図17】本発明に従うメイン制御ウィンドの画面である。
【図18】本発明に従うメイン制御ウィンドの画面である。
【図19】本発明に従うスライド情報の訂正に関する画面である。
【図20】本発明に従うスライド情報表の訂正に関する画面である。
【図21】本発明に従う割り込みイベント手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明に従う全体的な手順を示すフローチャートである。
【図23】本発明に従う手動作動に関する画面である。
【図24】本発明に従うスライド保持トレーを使用する方法を示すフローチャートである。
【図25】本発明に従う動作プロトコルのサブステップを示すフローチャートである。
【図26】本発明に従うカートリッジ情報を見ることに関する画面である。
【図27】本発明に従う検査ログイン手順を示すフローチャートである。
【図28】本発明に従うプログラムの選択に関する画面である。
【図29】本発明に従うプログラムの作成/訂正に関する画面である。
【図30】本発明に従うマクロの選択に関する画面である。
【図31】本発明に従うマクロの作成/訂正に関する画面である。
【図32】本発明に従うモジュール情報セットアップに関する画面である。
【図33】本発明に従うコマンドの送信に関する画面である。
【図34】本発明に従うトレー試薬の選択に関する画面である。
【図35】本発明に従う新しいトレー試薬の追加に関する画面である。
【図36】本発明に従うトレー試薬の訂正に関する画面である。
【図37】本発明に従うカートリッジ試薬の選択に関する画面である。
【図38】本発明に従う新しいカートリッジ試薬の追加に関する画面である。
【図39】本発明に従うカートリッジ試薬の訂正に関する画面である。
【図40】本発明に従うバルク溶液の選択に関する画面である。
【図41】本発明に従う新しいバルク溶液の追加に関する画面である。
【図42】本発明に従うバルク溶液の訂正に関する画面である。
【図43】本発明に従うバルク溶液ボトルセットアップに関する画面である。
【図44】本発明に従う廃棄物ボトルセットアップに関する画面である。
【図45】本発明に従うユーザアカウントの作成に関する画面である。
【図46】本発明に従う遅延開始に関する画面である。
【図47】本発明に従う自動プリントスケジュールのセットアップに関する画面である。
【図48】本発明に従う予定されたメンテナンスのセットアップに関する画面である。
【図49】本発明に従う休みのセットアップに関する画面である。
【図50】本発明に従うシステムのデバッグに関する画面である。
【図51】本発明に従うバルク溶液ボトル情報を見ることに関する画面である。
【図52】本発明に従う廃棄物ボトル情報を見ることに関する画面である。
【図53】本発明に従うプログラムレポートの作成に関する画面である。
【図54】本発明に従うプログラムレポートのセットアップに関する画面である。
【図55】本発明に従うマクロレポートの作成に関する画面である。
【図56】本発明に従うマクロレポートのセットアップに関する画面である。
【図57】本発明に従う一次抗体/プローブに関する画面である。
【図58】本発明に従う一次抗体/プローブのセットアップに関する画面である。
【図59】本発明に従う二次試薬レポートの作成に関する画面である。
【図60】本発明に従う二次試薬レポートの作成に関する画面である。
【図61】本発明に従うバルク溶液レポートの作成に関する画面である。
【図62】本発明に従うバルク溶液レポートのセットアップに関する画面である。
【図63】本発明に従う廃棄物ボトルレポートの作成に関する画面である。
【図64】本発明に従うレポートを見ることに関する画面である。
【符号の説明】
【0122】
100 試薬分配システム
102 制御コンピュータ
104 染色器
230 保持トレイ
234 試薬カートリッジ
356 廃棄物用コンテナ
358 マニホルド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書および図面に記載の方法およびシステム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【公開番号】特開2008−203277(P2008−203277A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141687(P2008−141687)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【分割の表示】特願2006−34571(P2006−34571)の分割
【原出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(504462571)サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】