説明

自動販売機および自動販売機用の保温材

【課題】自動販売機の内部に容易に収納することができ、また、自動販売機に対する保温材の配設作業や交換作業を少ない手間や時間で行える自動販売機およびこのような自動販売機用の保温材を提供する。
【解決手段】冷却状態を保持する保冷材および加温状態を維持する蓄熱材のうちの少なくとも一方からなる保温材Bが設けられ、この保温材Bは、商品収納搬送路11に収納可能な形状に構成されている。この構成により、保温材Bを商品収納搬送路11に収納することができる。また、商品収納搬送路11は商品を収納し易いよう構成されているので、商品Aに代えて保温材Bを収納する場合でも、少ない手間や時間で容易に商品収納搬送路11に収納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動販売機に関し、特に、節電するために、自動販売機の内部に保冷材や蓄熱材を配設可能に構成した自動販売機、およびこのような自動販売機用の保温材に関する。
【背景技術】
【0002】
夏季の日中などの時間帯には、工場や会社、家庭などでの使用する電力が極めて多くなって、電力の需要が電力会社の発電能力(供給能力)に近づくことがあるため、自動販売機において前記時間帯などで節電することが望ましい。
【0003】
これに対処するものとして、自動販売機において、自動販売機内部に、いわゆるコールド商品を冷却するに適した冷却状態を保持する保冷材(蓄冷材とも称される)やいわゆるホット商品を加温するに適した加温状態を保持する蓄熱材を配設することが、特許文献1や特許文献2等で提案されている。特許文献1では、自動販売機本体の内壁面に前記保冷材や蓄熱材を貼り付けた構成が開示されている。また、特許文献2では、いわゆるサーペンタイン式の自動販売機において、サーペンタイン形状の商品収納搬送路を構成する板状の湾曲面の外側に、保冷材や蓄熱材を貼り付けている構成が開示されている。
【0004】
このように、自動販売機の内部に保冷材や蓄熱材(以下、保温材と称する)を配設することで、節電のために冷凍サイクルなどの冷却装置を停止させたり、ヒータなどの加熱装置を停止させたりしても、ある程度の冷却温度や加温温度を維持することができて、電力の需要が多くなるなどの時間帯において節電することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−291491号公報
【特許文献2】実開平6−25976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2の構成を採用しようとしても、前記保温材を配設する場所である自動販売機本体の内壁面や板状の湾曲面の外側は、予め、保温材を配設するために設けられているスペースではない。したがって、保温材を配設するために部品の取り外しや組み付け作業が必要になるなど、極めて多くの手間や時間がかかるという課題があった。また、保温材を取り付けるための専用の取付部品が必要になって製造コストの増加も招いていた。
【0007】
また、保温材を、粘着テープなどを用いて前記各場所に貼り付けていた場合には、粘着テープの貼り付け場所への水分の侵入などによって、保温材が剥がれる可能性が高い。そして、保温材が剥がれてしまった場合には、極めて多くの手間や時間をかけて保温材を貼り付け直さなければならなかった。例えば、サーペンタイン形状の奥側の商品収納搬送路を構成する板状の湾曲面の外側に貼り付けた保温材を貼り付け直そうとする場合には、商品収納搬送路が設けられている商品収納部などを分解しなければならず、極めて多くの手間や時間がかかっていた。
【0008】
さらに、商品の変更や、保温材の使用期限への到達などのために、保温材を交換したり、廃棄したりしようとしても、この際にも多くの手間や時間がかかってしまう課題もある。
【0009】
本発明は上記課題などを解決するもので、自動販売機の内部に容易に収納することができ、また、自動販売機に対する保温材の配設作業や交換作業を少ない手間や時間で行える自動販売機およびこのような自動販売機用の保温材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、商品を収納、搬送する(商品投入口を有する)商品収納搬送路と、自動販売機本体内を冷却する冷却装置および加温する加温装置のうちの少なくとも一方の調温装置と、商品を前記商品収納搬送路から商品取出口側へ搬出する搬出装置と備えた自動販売機であって、冷却状態を保持する保冷材および加温状態を維持する蓄熱材のうちの少なくとも一方からなる保温材が設けられ、この保温材は、前記商品収納搬送路に収納可能な形状に構成されていることを特徴とする。また、本発明の自動販売機用の保温材は、自動販売機の内部に配設され、商品を冷却するに適した冷却状態に自動販売機の内部を保持する保冷材、または商品を加温するに適した加温状態に自動販売機の内部を保持する蓄熱材からなる自動販売機用の保温材であって、自動販売機に設けられた商品収納搬送路に収納可能な形状に構成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、保温材を商品収納搬送路に収納することができる。また、商品収納搬送路は商品を収納し易いよう構成されているので、商品に代えて保温材を収納する場合でも、少ない手間や時間で容易に商品収納搬送路に収納することができる。また、保温材を取り付けるための専用の取付部品を必要としない。また、保温材をサーペンタイン形状の商品収納搬送路を構成する板状の湾曲面の外側などに貼り付けた場合のように、保温材が剥がれるなどの不具合を生じることが無いので、これによる、保温材の貼り付け直し作業を行わなくて済む。
【0012】
また、本発明は、保温材が、搬出装置により搬出できる形状に形成されていることを特徴とする。この構成によれば、搬出装置を用いて、保温材を容易に商品取出口側へ搬出することができる。したがって、保温材を交換したり、廃棄したりしようとする際には、搬出装置を用いて、少ない手間や時間で能率的に自動販売機から搬出することができる。
【0013】
また、本発明は、保温材が、商品と同様な形状に形成されていることを特徴とする。この構成によれば、保温材を商品と同様に扱うことができるので、保温材の商品収納搬送路への収納作業や、保温材の商品取出口側への搬出作業を商品と同様に極めて少ない手間や時間で容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、保温材を商品収納搬送路に収納可能な形状に構成することにより、保温材を商品収納搬送路に収納することができる。そして、自動販売機では、商品収納搬送路は商品を収納し易いよう構成されているので、商品に代えて保温材を収納する場合でも、少ない手間や時間で容易かつ能率的に保温材を商品収納搬送路に収納することができる。また、保温材を取り付けるための専用の取付部品を必要としないので、これによる製造コストの増加を生じない。また、保温材が剥がれて貼り付け直すなどの不具合を生じることがない。さらに、保温材を収納する商品収納搬送路を選択することを自由に行えるので、効果的に保温できる商品収納搬送路に収納するなど、保温材の収納位置を調整することも可能となる。
【0015】
また、保温材を搬出装置により搬出できる形状に形成することで、保温材を交換したり、廃棄したりしようとする際に、搬出装置を用いて、少ない手間や時間で能率的に自動販売機から搬出することができる。
【0016】
さらに、保温材を商品と同様な形状に形成することで、保温材を商品と同様に扱うことができるので、保温材の商品収納搬送路への収納作業や、保温材の商品取出口側への搬出作業を商品と同様に極めて少ない手間や時間で容易に行うことができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動販売機の全体縦断面図である。
【図2】同自動販売機の外扉を開けた状態の斜視図である。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ自動販売機用の保温材を示す図である。
【図4】(a)〜(d)はそれぞれ自動販売機用の保温材を配設する商品収納搬送路を簡略的に示す自動販売機の平面断面図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ自動販売機用の保温材の変形例を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る自動販売機の、外扉を開けた状態の斜視図である。
【図7】同他の実施の形態に係る自動販売機の商品収納搬送路の縦断面図である。
【図8】同他の実施の形態に係る自動販売機を概略的に示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機を、図面に基づき説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
図1、図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る自動販売機1は、前面が開口した略箱型の自動販売機本体2と、この自動販売機本体2の前面箇所に開閉自在に取り付けられた外扉3とを備えている。自動販売機本体2には、商品Aを収納する庫内4を断熱的に形成する商品収納庫5が設けられている。庫内4は冷凍サイクルの庫内熱交換器(または蒸発器)7やヒータ(図示せず)などにより内部空気が冷却または加温されることで、商品Aが冷却または加温され、いわゆるコールド商品(冷却商品)やホット商品(加温商品)などの調温された商品Aを当該自動販売機1で販売するよう構成されている。商品収納庫5の前面は、断熱機能を有する内扉6により開閉される。なお、図1、図2における8は、自動販売機本体2において商品収納庫5の下方に配設されて、外気が自由に流通する庫外(庫外空間)で、冷凍サイクルの庫外熱交換器9や圧縮機10などが配設されている。また、庫内4の空気を介して商品Aを間接的に調温(冷却・加温)する冷却装置および加温装置は、前記冷凍サイクルで両者とも構成したり、これに代えて、前記冷凍サイクルで冷却装置を構成し、ヒータにより加温装置を構成したりするが、これに限るものではない。
【0020】
図1、図2は、いわゆるサーペンタイン式の自動販売機1を示しており、庫内4の上部から中央部にかけて、商品Aを蛇行状に積み上げるなどして商品Aを収納し、順次下方に搬送する商品収納搬送路11が、前後および左右に複数列配設されてなる、商品収納部(いわゆる商品ストッカ)12が設けられている。商品収納部12の上前端部(商品収納搬送路11の上前端部でもある)には、商品Aを補充する際に商品収納搬送路11へ商品Aを投入する商品投入口11aが設けられ、また、最前列以外の商品収納搬送路11には、商品投入口11aから奥側に斜め下方に傾斜する傾斜導入路11bが設けられ、傾斜導入路11bの奥端部が、商品収納搬送路11の上下に蛇行しながら延びる上下収納搬送路部分の上端部に接続されている。さらに、商品収納部12の下部には、商品収納搬送路11の下端部に臨んで、商品収納搬送路11を通って下方に搬送されてきた商品Aを1つずつ下方へ払い出す搬出装置13がそれぞれ設けられている。また、商品収納部12の下方には、商品収納部12から排出された(払い出された)商品Aを、外扉3の下部に設けられた商品取出口14に案内するシュート15が配設され、このシュート15には調温された空気を通す通気用の孔(図示せず)が多数形成されている。なお、図2、図4において簡略的に示すように、庫内4は断熱性を有する仕切壁17により左右に複数(2つまたは3つなど)の商品収納部12に区切られており、各商品収納部12毎に、個別に冷却または加温設定される。
【0021】
また、自動販売機1の内部(例えば、外扉3の裏面など)には、制御部(図示せず)が設けられているとともに、自動販売機1の係員などが入力操作するための入力部(テンキーなど)16aと表示部16bとを備えた入力表示装置16が配設されている。前記制御部により自動販売機1の各種の制御動作が行われるが、さらに、この自動販売機1では、入力表示装置16から所定の入力操作を行うことで、指定した商品収納搬送路11に収納されている商品Aを連続的に商品取出口14に払い出すテスト排出モードなどが設けられている。
【0022】
上記構成に加えて、本実施の形態に係る自動販売機1では、コールド商品を冷却するに適した冷却状態を保持する保冷材、またはホット商品を加温するに適した加温状態を保持する蓄熱材が、商品Aと同様な形状などで構成されている。なお、前記保冷材または前記蓄熱材を保温材Bと称す。ここで、前記保冷材は、周囲温度が一定以下のとき周囲から熱を奪われて自身は物理的(例えば液層から固相に変化する)及び若しくは化学的に変化するとともに前記周囲温度が一定以上になったとき周囲から熱を吸収して自身は復元しながら(例えば固相から液層に変化しながら)周囲を冷却する。また、前記蓄熱材は、周囲温度が一定以上のとき周囲の熱を吸収して自身は物理的および若しくは化学的に変化して(例えば固相から液層に変化して)蓄えた熱を前記周囲温度が一定以下になったとき放出して自身は復元しながら(例えば液層から固相に変化しながら)周囲を加熱する。
【0023】
保温材Bは、図3(a)に示すように、例えば、缶容器の商品Aと同様な円柱形状とされているが、図3(b)に示すように、PETボトルの商品Aと同じPETボトルの容器に保温材料(保冷材料や蓄熱材料)を充填したものを用いてもよい。また、略太缶の直径でPETボトルの高さと同じ長さを有する円柱形状としてもよく、これによれば、保冷容量や蓄熱容量を大きめにすることが可能となる。
【0024】
また、保温材Bとしては、収納される商品収納部12の冷温状態に対応させた保冷材または蓄熱材が選択されるとともに、保温材Bを収納する商品収納搬送路11が任意に決められて収納される。そして、この保温材Bを収納した商品収納搬送路11については、予め入力表示装置16を操作するなどして、例えば売切状態または準備中状態に設定して、保温材Bが商品Aと誤って販売されないように設定される。
【0025】
上記構成において、電力のピーク時の前まで、冷却装置や加温装置(冷凍サイクルやヒータなど)を稼動させて保温材Bを含めた商品A(すなわち、庫内4)を冷却または加温する一方、電力のピーク時には、前記冷却装置や加温装置を停止させる。これにより、電力のピーク時の自動販売機1の電力を少なめに抑えることができて節電できる。また、前記冷却装置や加温装置を停止させている際には、保温材Bにより、庫内4が冷却または加温され、冷却に適した温度に保持されたり、加温に適した温度に保持されたりする。
【0026】
上記構成によれば、保温材Bを、商品収納搬送路11に収納することができる。すなわち、商品収納搬送路11は商品Aを収納し易いよう構成されているので、商品Aに代えて保温材Bを収納する場合でも、少ない手間や時間で容易に商品収納搬送路11に収納することができ、保温材Bの充填作業も容易かつ迅速に行うことができる。また、保温材Bを取り付けるための専用の取付部品を必要としないので、その分だけ費用も節約できる。また、保温材をサーペンタイン形状の商品収納搬送路を構成する板状の湾曲面の外側などに貼り付けた場合のように、保温材が剥がれるなどの不具合を生じることが無いので、これによる、保温材の貼り付け直し作業を行わなくて済む。
【0027】
また、保温材Bは、搬出装置13により搬出できる形状に形成されている。したがって、保温材Bを排出したい場合には、入力表示装置16を操作して搬出装置13を稼動させ、対応する商品収納搬送路11に対して、例えば商品を搬出するテスト排出モードなどを実行させる。これにより、保温材Bを容易かつ迅速に商品取出口14に排出することができ、その際の手間や時間も最小限に抑えながら能率的に自動販売機1から搬出(排出)することができる。これにより、保温材Bを交換したり、廃棄したりしようとする際に、搬出装置13を用いて能率的に自動販売機1から搬出することができる。つまり、保温材Bは、商品Aと同形状であってもよいが、これに限るものではなく、商品収納搬送路11への充填(供給)および商品収納搬送路11からの搬出が支障なく行える形状であればよい。これにより、必要に応じて、容易に商品収納搬送路11への充填および搬出を行うことができる利点がある。
【0028】
また、保温材Bが、商品Aと同様な形状に形成されている作用効果としては、保温材Bを商品Aと同様に扱うことができる利点がある。これにより、保温材Bの商品収納搬送路11への収納作業や、保温材Bの商品取出口14側への搬出作業を商品Aと同様に極めて少ない手間や時間で容易に行うことができる。
【0029】
さらに、上記構成によれば、保温材Bの商品収納搬送路11への収納場所として、任意の商品収納搬送路11に収納可能である利点がある。図4(a)〜(d)は、保温材Bの商品収納搬送路11への収納場所を簡略的に示すための自動販売機の平面図である。図4(a)〜(c)に簡略的に示すように、同じ商品収納部12における、平面視して、最前列や最後列(図4(a))、あるいは左端列や右端列(図4(b))、または最前列、最後列、左端列および右端列(図4(c))などに保温材Bを収納することが好ましい。このような配置で収納させることで、全ての商品Aが保温材Bの内側に配置されることになって、適した温度に保持する時間をより長めに維持することが可能となる。なお、図4(d)に示すように、保温材Bと商品Aとが前後左右に(または前後のみ或いは左右のみ)交互になるように配設してもよく、これによれば商品Aを適温に保つ時間をさらに長く維持することができる。さらに、商品収納搬送路11における上下方向の収納量についても任意に調整できるので、適温に維持したい時間に応じて保温材Bの商品収納搬送路11への収納数を調整してもよい。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、保温材Bの量や配置も自由に行うことができて蓄熱量や保冷量を自由に調整できる利点もある。なお、例えば、保冷材としては凝固点が6℃のものを用いればよく、これにより潜熱を利用して保冷時間を良好に延ばすことができる。しかし、これに限るものではなく、他の凝固点温度の材料を用いてもよく、これにより商品の冷却温度として好ましい温度帯の潜熱を利用して良好に冷却することができる。また、蓄熱材としては例えば、凝固点が52℃のものを用いればよく、これにより潜熱を利用して蓄熱時間を良好に延ばすことができるが、これに限るものではない。
【0031】
また、上記のように(図3(b)参照)、PETボトルの商品Aと同じPETボトルの容器に保温材料を充填したものを用いることができる。これによれば、商品Aと同じ形状の保温材Bを容易かつ安価に製作することができて、かつ良好な強度を有するため、保温材Bが破損することを防止できて信頼性も良好に維持できる。なお、PETボトル以外の商品Aの容器を用いてもよい。
【0032】
また、上記実施の形態では、保温材Bが商品Aと同様な形状である場合や、搬出装置13により搬出できる形状に形成されている場合を述べたが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、図5(a)や(b)に簡略的に示すように、保温材B同士を連結材Cで連結された保温材Bで保温材B1を構成したり、保温材B2自体が長尺である構成としたりしてもよい。この場合には、長尺の保温材B1、B2が商品投入口11aを通して、商品収納搬送路11に導入できる形状であればよい。そして、その長尺の保温材B1、B2の端部に設けた連結材Cなどを、商品投入口11aから少し突出するように残した状態で商品収納搬送路11に配設すれば、この保温材B1、B2を取り出す場合でも、前記突出した端部(連結材Cなど)を持って、商品投入口11aから引き出して排出することが可能である。
【0033】
また、上記の実施の形態ではいわゆるサーペンタイン式の自動販売機1の場合を述べたが、これに限るものではなく、図6〜図8に示すような、商品受け台56の上に商品A1を直積み状態で収納するいわゆる直積み式の自動販売機50において、同様に、商品A1と同様な形状、例えば紙パック式の商品A1と同様な長方体形状の保温材B3を用いてもよい。この直積み式の自動販売機50では、外扉3や内扉6を開けた状態で、商品収納部12が前後に出退自在とされている。そして、手前に引き出した商品収納部12から、商品A1の傾倒を防止する開閉扉55を開けて、横向きで商品A1を補充するよう構成されている。したがって、商品A1と同様な形状の保温材B3を横から、商品収納部12の商品収納搬送路11に容易に充填することができる。また、商品収納搬送路11に対して商品A1を横から充填する構造であるので、商品A1よりも高い保温材B3を用いることも可能であり、このような高い(すなわち保温量が大きい)保温材B3でも容易かつ支障なく商品収納搬送路11に充填することができ、前記開閉扉55を開けることで、商品収納搬送路11からの取り出しも容易に行うことができる。また、上記実施の形態では、サーペンタイン式の自動販売機1や直積み式の自動販売機50の場合を述べたが、これ以外の形式の自動販売機に対しても良好に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1、50 自動販売機
2 自動販売機本体
3 外扉
4 庫内
5 商品収納庫
6 内扉
7 庫内熱交換器
8 庫外
9 庫外熱交換器
10 圧縮機
11 商品収納搬送路
11a 商品投入口
11b 傾斜導入路
12 商品収納部
13 搬出装置
14 商品取出口
15 シュート
16 入力表示装置
17 仕切壁
55 開閉扉
A、A1 商品
B、B1、B2、B3 保温材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収納、搬送する商品収納搬送路と、自動販売機本体内を冷却する冷却装置および加温する加温装置のうちの少なくとも一方の調温装置と、商品を前記商品収納搬送路から商品取出口側へ搬出する搬出装置と備えた自動販売機であって、冷却状態を保持する保冷材および加温状態を維持する蓄熱材のうちの少なくとも一方からなる保温材が設けられ、この保温材は、前記商品収納搬送路に収納可能な形状に構成されていることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
保温材が、搬出装置により搬出できる形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
保温材が、商品と同様な形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
【請求項4】
自動販売機の内部に配設され、商品を冷却するに適した冷却状態に自動販売機の内部を保持する保冷材、または商品を加温するに適した加温状態に自動販売機の内部を保持する蓄熱材からなる自動販売機用の保温材であって、自動販売機に設けられた商品収納搬送路に収納可能な形状に構成されていることを特徴とする自動販売機用の保温材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89146(P2013−89146A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231200(P2011−231200)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】