説明

自動販売機の施開錠システムおよび電気錠

【課題】従来よりもメンテナンス性や汎用性を高めることができる、自動販売機の施開錠システムおよび電気錠を提供する。
【解決手段】施開錠システム10は、自動販売機20の扉21の開放と閉鎖を行うための操作部41と、主として自動販売機20の制御を行う自販機制御部22と、電気を動力源とする電気錠43と、電気錠43の制御を行う電気錠制御部42と、を備える。また、電気錠43は、操作部41に着脱可能であるとともに、自販機制御部22および/または電気錠制御部42からの指令を受信可能な受信部を備え、制御部42、22からの指令により、操作部41による扉21の開放を不能にする施錠状態および操作部41による扉21の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の施開錠システムおよび電気錠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機の扉を施開錠するためのロック装置として、施開錠を電気的に行うように構成したロック装置が広く知られており、例えば、特許文献1には、リモートコントロールキーからID信号(認証情報)を受信した場合に、電気的アクチュエータに解錠信号を与え、電気的アクチュエータによってハンドルレバーをポップアップさせて扉の開閉を可能にするロック装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−56435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のロック装置は、特定の自動販売機とともに開発される専用品が多く、汎用性に乏しいといった問題点があった。また、従来のロック装置は、設置後の電気部品の定期検査などについて十分に配慮した設計とはなっておらず、メンテナンス性が低いといった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、従来よりもメンテナンス性や汎用性を高めることができる、自動販売機の施開錠システムおよび電気錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動販売機の扉の開放と閉鎖を行うための操作部と、主として前記自動販売機の制御を行う自販機制御部と、電気を動力源とする電気錠と、主として前記電気錠の制御を行う電気錠制御部と、を備え、前記電気錠制御部は、前記自販機制御部に電気的に接続可能に構成され、前記電気錠は、前記操作部に着脱可能であるとともに、前記自販機制御部および前記電気錠制御部からの指令を受信可能な受信部を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部からの指令により、前記操作部による前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記操作部による前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されていることを特徴とする、自動販売機の施開錠システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る自動販売機の施開錠システムによれば、従来よりもメンテナンス性や汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る施開錠システム10のシステム構成例である
【図2】自動販売機20とロック装置40の制御部周辺の構成例を示したブロック図である。
【図3】施開錠システム10の動作の流れの一例を示したシーケンスチャートである。
【図4】変形例に係る施開錠システムのシステム構成例である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る自動販売機の施開錠システムについて説明する。
【0010】
<全体構成>
【0011】
図1は、本実施形態に係る施開錠システム10のシステム構成例である。本実施形態に係る施開錠システム10は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続された自動販売機20と管理端末60を有して構成されている。
【0012】
ネットワークNWは、自動販売機20と管理端末60を相互に通信可能にするためのものであり、例えば、インターネット(WAN)、携帯電話網、LANなどを適用することができる。また、ネットワークNWの通信は、有線で行ってもよく、無線で行ってもよい。
【0013】
管理端末60としては、例えば、サーバやPC(パーソナルコンピュータ)などを適用することができる。なお、説明の都合上、ネットワークNWに接続される自動販売機20や管理端末60の台数をそれぞれ1台にしているが、自動販売機20や管理端末60の台数をそれぞれ2台以上にしてもよく、特に、複数台の自動販売機20を1台の管理端末60で管理するように構成すれば、自動販売機20の管理が容易となり、利便性を高めることができる。
【0014】
<自動販売機>
【0015】
次に、自動販売機20について詳細に説明する。自動販売機20は、本体に開閉(開放・閉鎖)自在に支持された前面扉21と、この前面扉21の開放を禁止する施錠状態および前面扉21の開放を許可する開錠状態の一方から他方への切り替えが可能なロック装置40と、を備えている。
【0016】
図2は、自動販売機20とロック装置40の制御部周辺の構成例を示したブロック図である。自動販売機20は、主として自動販売機20全体の制御を行う自販機制御部22と、前面扉21の開閉状態を検知するための扉センサ23と、各種の情報を記憶するための自販機記憶部24と、基準時間を生成するためのタイマ25と、ネットワークNWを介して外部との通信を行うための通信部26と、を有して構成されている。なお、説明の都合上、自動販売機20が備える他の電子部品や機械部品については図示を省略している。
【0017】
自販機制御部22は、CPU、レジスタ、入出力端子などを備えたマイクロコンピュータなどによって構成される。この例では、自販機制御部22には、扉センサ23、自販機記憶部24、タイマ25、通信部26が接続されているとともに、後述する電気錠制御部42が通信線を介して相互に通信可能に接続されている。なお、自販機制御部22は、既存の自動販売機に内蔵されているマイクロコンピュータなどを流用することが好ましいが、施開錠システム10専用のマイクロコンピュータを新たに備えてもよい。
【0018】
扉センサ23は、前面扉21が開放状態および閉鎖状態のいずれの状態にあるかを検知することが可能で、例えば、前面扉21が開放状態にある場合には、自販機制御部22に向けて第1の信号(例えば、ハイレベル信号)を出力し、前面扉21が閉鎖状態にある場合には、自販機制御部22に向けて第2の信号(例えば、ローレベル信号)を出力するように構成されている。これにより、自販機制御部22は、扉センサ23を介して前面扉21の開閉状態を検知することが可能となっている。
【0019】
自販機記憶部24は、ROM、RAM、HDD(ハードディスク)、DVDなどの記憶手段によって構成される。自販機記憶部24には、自販機制御部22が実行する制御プログラムや、制御プログラムの実行中に生成される変数などのほか、後述する履歴情報(認証結果、電気錠43の開錠日時、電気錠43の施錠日時などの情報)が記憶される。
【0020】
タイマ25は、ハードウェアタイマやソフトウェアタイマなどによって構成される。タイマ25は、自販機制御部22によって予め設定された基準時間(例えば、1秒)ごとに、自販機制御部22に対してタイマ割込み信号を出力することが可能に構成されている。自販機制御部22は、タイマ割込み信号の入力ごとにカウントアップを行うことによって日時を計測し、現在の日時を特定することが可能となっている。なお、この例では、タイマ25を自販機制御部22と別体としたが、自販機制御部22がハードウェアタイマを内蔵している場合には、当該ハードウェアタイマを適用してもよい。
【0021】
通信部26は、通信I/Fのハードウェアや通信制御プログラム(ソフトウェア)などによって構成される。通信部26は、ネットワークNWから受信した通信データを自販機制御部22に送信したり、自販機制御部22から外部に対して通信データの送信要求があった場合に当該通信データをネットワークNWを介して外部送信するためのものである。
【0022】
<ロック装置>
【0023】
次に、ロック装置40について詳細に説明する。ロック装置40は、前面扉21に回動可能に設けられた棒状のハンドルレバー41と、ロック装置40全体を制御するための電気錠制御部42と、ハンドルレバー41に対して着脱可能に配置され、かつハンドルレバー41の回動を禁止することが可能な電気錠43と、各種の情報を記憶するためのロック装置記憶部44と、を有して構成されている。
【0024】
電気錠制御部42は、CPU、レジスタ、入出力端子などを備えたマイクロコンピュータなどによって構成される。この例では、電気錠制御部42には、電気錠43、ロック装置記憶部44が接続されているとともに、上述の自販機制御部22が通信線を介して相互に通信可能に接続されている。なお、この例では、自販機制御部22とは別に電気錠制御部42を設けたが、自販機制御部22および電気錠制御部42のいずれか一方のみによって電気錠43を制御するように構成してもよく、この場合、自販機制御部22と電気錠制御部42の間を接続する通信線は不要である。また、電気錠制御部42は、自販機制御部22と電気的に接続され、自販機制御部22が出力する信号を入力可能に構成され、自販機制御部22からの情報を受け取ることができればよく、相互に通信可能な構成に限定されない。
【0025】
電気錠43は、自販機制御部22および電気錠制御部42からの制御信号を受信可能な受信部(例えば、入力端子)を備えたソレノイドなどを適用することができ、自販機制御部22または/および電気錠制御部42から施錠指令を受信した場合に(例えば、施錠指令を示すハイレベルの信号が入力された場合に)、ハンドルレバー41を回動不能にして前面扉21の開放を禁止する施錠状態に移行し、電気錠制御部42から開錠指令を受信した場合に(例えば、開錠指令を示すローレベルの信号が入力された場合に)、ハンドルレバー41を回動可能にして前面扉21の開放を許可する開錠状態に移行する。
【0026】
ロック装置記憶部44は、ROM、RAM、HDD(ハードディスク)、DVDなどの記憶手段によって構成される。ロック装置記憶部44には、ロック装置22が実行する制御プログラムや、制御プログラムの実行中に生成される変数などのほか、後述する認証情報(ロック装置40を制御する権限を有しているか否かの情報)などが記憶される。なお、この例では、ロック装置40にロック装置記憶部44を設けたが、ロック装置記憶部44に記憶する情報を自販機記憶部24に記憶するように構成し、ロック装置40には記憶手段を設けないように構成してもよい。このような構成とすれば、ロック装置40の構成を簡易にすることができ、部品点数やコストの削減が可能となる。
【0027】
<施開錠システムの動作>
【0028】
次に、図3を用いて、施開錠システム10の動作について詳細に説明する。なお、同図は、施開錠システム10の動作の流れの一例を示したシーケンスチャートである。
【0029】
ロック装置40を外部から制御する場合には、まず最初に、管理端末60からネットワークNWを介して自動販売機20の通信部26に認証情報(例えば、ID情報、パスワード情報、生体情報など)を送信する(S1)。認証情報を受信した自動販売機20の通信部26は、自販機制御部22を介して電気錠制御部42に認証情報を送信する(S2)。認証情報を受信したロック制御部42は、ロック装置記憶部44に予め記憶している認証情報と受信した情報が一致しているか否かを判定し(S3)、認証情報が一致していると判定した場合には認証OKを示す情報を、また、認証情報が一致しなかった場合には認証NGを示す情報を、それぞれ自販機制御部22に送信する(S4)。認証情報の結果を受信した自販機制御部22は、当該結果を通信部26およびネットワークNWを介して管理端末60に送信した後(S5)、自販機記憶部24に、当該結果を現在の日時とともに関連付けして記憶する(S6)。また、この際に、自販機制御部22は、扉センサ23から入力する信号を確認し、前面扉21の状態(開放状態または閉鎖状態)を通信部26およびネットワークNWを介して管理端末60に送信した後、自販機記憶部24に、当該状態を現在の日時とともに関連付けして記憶するようにしてもよい。
【0030】
また、ロック装置40に開錠日時や施錠日時を予め設定する場合には、管理端末60からネットワークNWを介して自動販売機20の通信部26に開錠日時や施錠日時を送信する(S7)。開錠日時や施錠日時を受信した自動販売機20の通信部26は、開錠日時や施錠日時を自販機記憶部24に記憶する(S8)。次に、自販機制御部22は、タイマ25から入力されるタイマ割込み信号に基づいて現在の日時を更新しながら、当該日時が自販機記憶部24に記憶されている開錠日時や施錠日時と一致しているか否かを定期的に監視する(S9)。そして、現在の日時と、自販機記憶部24に記憶されている開錠日時が一致した場合には、電気錠制御部42に対して開錠指令を送信し(S10)、現在の日時と、自販機記憶部24に記憶されている施錠日時が一致した場合には、電気錠制御部42に対して施錠指令を送信する(S11)。
【0031】
一方、電気錠制御部42は、開錠指令を受信した場合には、電気錠43を開錠状態に設定してハンドルレバー41の回動を可能にし(S12)、施錠指令を受信した場合には、電気錠43を施錠状態に設定してハンドルレバー41の回動を不能にする(S13)。次に、電気錠制御部42は、現在の電気錠43の状態(開錠状態または施錠状態)を自販機制御部22に送信する(S14)。電気錠43の状態を受信した自販機制御部22は、当該状態を現在の日時とともに自販機記憶部24に履歴情報として各々を関連付けして記憶する(S15)。例えば、24:00に電気錠43を施錠状態にした場合には、24:00という時間情報と、電気錠43を施錠状態にしたことを示す情報を関連付けして記憶する。
【0032】
また、ロック装置40の履歴情報を取得する場合には、管理端末60からネットワークNWおよび自動販売機20の通信部26を介して自販機制御部22に履歴情報を要求する(S16)。履歴情報の要求を受信した自販機制御部22は、自販機記憶部24から該当する履歴情報を読み出し、自動販売機20の通信部26およびネットワークNWを介して管理端末60に履歴情報を送信する(S17)。また、自販機制御部22は、扉センサ23から入力する信号を定期的に確認し、前面扉21の状態(開放状態または閉鎖状態)を現在の日時とともに関連付けして自販機記憶部24に記憶するようにしてもよい。このような構成とすれば、前面扉21の状態を定期的に監視することができ、防犯性をさらに高めることが可能となる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る自動販売機の施開錠システム10は、自動販売機の扉(例えば、前面扉21)の開放と閉鎖を行うための操作部(例えば、ハンドルレバー41)と、主として前記自動販売機(例えば、自動販売機20)の制御を行う自販機制御部(例えば、自販機制御部22)と、電気を動力源とする電気錠(例えば、電気錠43)と、前記電気錠の制御を行う制御部(例えば、電気錠制御部42)と、を備え、前記電気錠制御部は、前記自販機制御部に電気的に接続可能に構成され、前記電気錠は、前記操作部に着脱可能であるとともに前記自販機制御部および前記電気錠制御部からの指令を受信可能な受信部(例えば、入力端子)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部からの指令により、前記操作部による前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記操作部による前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されていることを特徴とする、自動販売機の施開錠システムである。
【0034】
本実施形態に係る自動販売機の施開錠システム10によれば、既存の自動販売機が備える操作部や自販機制御部に対して、電気錠や電気錠制御部を着脱することができるため、従来よりもメンテナンス性や汎用性を高めることができる。また、既存の自動販売機が備えるリソース(CPU、メモリ、タイマなど)を利用することが可能となるため、低コストでシステム開発を行うことができる上に、電気錠制御部の小型化や低コスト化が実現できる。
【0035】
また、前記操作部は、前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能な、電力を動力源としない機械錠を含み、前記電気錠は、前記機械錠に着脱可能であるとともに、前記機械錠による前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記機械錠による前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されていてもよい。
【0036】
このような構成とすれば、すでに機械錠を備えている自動販売機にも容易に対応することができるため、汎用性をさらに高めることができる。
【0037】
また、所定の基準時間を計測可能なタイマ(例えば、タイマ25)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記タイマが計測する基準時間に基づいて算出した時間情報(例えば、現在の日時)が第1の時間情報(例えば、予め設定した開錠日時)と一致した場合に前記電気錠を前記開錠状態に移行させ、前記基準日時に基づいて算出した時間情報が第2の時間情報(例えば、予め設定した施錠日時)と一致した場合に前記電気錠を前記施錠状態に移行させてもよい。
【0038】
このような構成とすれば、施開錠の時間を予め設定することによって施開錠を適切な時間に自動的に行うことが可能となるため、従来よりも利便性を高めつつ、優れた防犯性を確保することができる。
【0039】
また、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠が所定時間(例えば、10分)以上、前記開錠状態にある場合には、前記基準日時に基づいて算出した時間情報が第2の時間情報と一致したか否かに関わらず、前記電気錠を前記施錠状態に移行させてもよい。
【0040】
このような構成とすれば、仮に第2の時間情報が設定されていなくても、電気錠が開放状態になり続けることを回避することができ、防犯性を、より高めることができる。
【0041】
また、情報を記憶することが可能な記憶部(例えば、自販機記憶部24)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠を前記開錠状態に移行させたことを示す情報と前記第1の時間情報を前記記憶部に関連付けして記憶するとともに、前記電気錠を前記施錠状態に移行させたことを示す情報と前記第2の時間情報を前記記憶部に関連付けして記憶してもよい。
【0042】
このような構成とすれば、電気錠の施開錠に関する履歴情報を記憶することができ、不正行為の有無などを事後的に分析することができる。
【0043】
また、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、予め定められた認証情報(例えば、パスワード情報)と、取得した認証情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にのみ、前記電気錠を前記開錠状態または前記施錠状態に移行可能としてもよい。
【0044】
このような構成とすれば、不正に電気錠の開錠を行うような行為を未然に防止することができ、防犯性を高めることができる。
【0045】
また、前記自動販売機外部との通信が可能な通信部(例えば、通信部26)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記第1の時間情報、前記第2の時間情報、および前記認証情報のうちの少なくとも一つの情報を前記通信部を介して外部から取得してもよい。
【0046】
このような構成とすれば、自動販売機に出向いて各種情報を設定するような手間が省け、利便性を向上させることができる。
【0047】
また、前記電気の電力が所定値以上であるか否かを判定する電力判定手段を備え、前記電力判定手段によって前記電力が前記所定値未満であると判定された場合に、前記電気錠を前記開錠状態に移行させ、前記機械錠による前記扉の施開錠のみを可能としてもよい。
【0048】
このような構成とすれば、電気錠が動作しない状態でも機械錠によって扉の施開錠状態を切り換えることができるため、利便性を高めることができる。
【0049】
前記扉の開放と閉鎖が検知可能な扉センサ(例えば、扉センサ23)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠が前記施錠状態にあり、かつ前記扉の開放を検知した場合には、前記扉が開放されたことを前記通信部を介して外部に報知してもよい。
【0050】
このような構成とすれば、不正に扉が開放されたことを遠隔地からでも確認することができ、防犯性をさらに高めることができる。
【0051】
また、前記自動販売機外部との通信が可能な通信部(例えば、通信部26)を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記記憶部に記憶されている情報を前記通信部を介して外部に出力可能であってもよい。
【0052】
このような構成とすれば、電気錠の施開錠に関する履歴情報などを印刷したり表示することが可能となり、不正行為の有無の確認などを容易に行うことができる。
【0053】
また、上記実施形態では、自販機制御部22に対する各種指令を、管理端末60からネットワークNWおよび通信部26を介して送信する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、管理端末60が行っていた指令(例えば、開錠日時や施錠日時の送信)を、自販機記憶部24に予め記憶した制御プログラムに基づいて自販機制御部22が実行してもよい。また、管理端末60が行っていた指令(例えば、開錠日時や施錠日時の送信)を、ロック装置記憶部44に予め記憶した制御プログラムに基づいて電気錠制御部42が実行してもよい。さらに、このような制御プログラムを、管理端末60からネットワークNWおよび通信部26を介して書き換え可能としてもよい。
【0054】
また、管理端末60は、PCやサーバなどに限定されず、携帯電話やPDAなどの携帯端末でもよい。
【0055】
また、タイマ25を自動販売機20側に設けたが、ロック装置40側に設けてもよい。
【0056】
なお、本発明に係る、自動販売機の施開錠システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る施開錠システムは、各種の自動販売機に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
NW ネットワーク
10 施開錠システム
20 自動販売機
21 前面扉
22 自販機制御部
24 自販機記憶部
26 通信部
40 ロック装置
41 ハンドルレバー
42 電気錠制御部
43 電気錠
44 ロック装置記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の扉の開放と閉鎖を行うための操作部と、
主として前記自動販売機の制御を行う自販機制御部と、
電気を動力源とする電気錠と、
前記電気錠の制御を行う電気錠制御部と、を備え、
前記電気錠制御部は、前記自販機制御部に電気的に接続可能に構成され、
前記電気錠は、前記操作部に着脱可能であるとともに、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部からの指令を受信可能な受信部を備え、前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部からの指令により、前記操作部による前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記操作部による前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されていることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記操作部は、前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能な、電力を動力源としない機械錠を含み、
前記電気錠は、前記機械錠に着脱可能であるとともに、前記機械錠による前記扉の開放を不能にする施錠状態および前記機械錠による前記扉の開放を可能にする開錠状態のいずれかの状態に移行可能に構成されていることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、予め定められた認証情報と、取得した認証情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にのみ、前記電気錠を前記開錠状態または前記施錠状態に移行可能とすることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
所定の基準時間を計測可能なタイマを備え、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記タイマが計測する基準時間に基づいて算出した時間情報が第1の時間情報と一致した場合に前記電気錠を前記開錠状態に移行させ、前記基準日時に基づいて算出した時間情報が第2の時間情報と一致した場合に前記電気錠を前記施錠状態に移行させることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠が所定時間以上、前記開錠状態にある場合には、前記基準日時に基づいて算出した時間情報が前記第2の時間情報と一致したか否かに関わらず、前記電気錠を前記施錠状態に移行させることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項6】
請求項4または5において、
情報を記憶することが可能な記憶部を備え、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠を前記開錠状態に移行させたことを示す情報と前記第1の時間情報を前記記憶部に関連付けして記憶するとともに、前記電気錠を前記施錠状態に移行させたことを示す情報と前記第2の時間情報を前記記憶部に関連付けして記憶することを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかにおいて、
前記自動販売機外部との通信が可能な通信部を備え、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記第1の時間情報、前記第2の時間情報、および前記認証情報のうちの少なくとも一つの情報を前記通信部を介して外部から取得することを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項8】
請求項2において、
前記電気の電力が所定値以上であるか否かを判定する電力判定手段を備え、
前記電力判定手段によって前記電力が前記所定値未満であると判定された場合に、前記電気錠を前記開錠状態に移行させ、前記機械錠による前記扉の施開錠のみを可能とすることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記扉の開放と閉鎖が検知可能な扉センサを備え、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記電気錠が前記施錠状態にあり、かつ前記扉の開放を検知した場合には、前記扉が開放されたことを外部に報知することを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項10】
請求項6において、
前記自動販売機外部との通信が可能な通信部を備え、
前記自販機制御部または/および前記電気錠制御部は、前記記憶部に記憶されている情報を前記通信部を介して外部に出力可能であることを特徴とする、自動販売機の施開錠システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の自動販売機の施開錠システムに用いられることを特徴とする電気錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−67535(P2012−67535A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214700(P2010−214700)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000131038)株式会社オプナス (51)
【出願人】(595135774)ダイドードリンコ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】