説明

自動販売機用の訴求情報表示装置

【課題】この発明は、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる自動販売機用の訴求情報表示装置の提供を目的とする。
【解決手段】訴求情報表示装置120の表示部材130の幅方向左右端部と、該表示部材130に連結した左右の側端部材140との連結側端部間を幅方向Aに拡縮する。訴求情報表示装置120の幅方向A全長を横幅が異なる様々な自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節するので、1種類の訴求情報表示装置120を、横幅が異なる全ての自動販売機100の外扉100aに取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機が取り扱う商品の訴求力を高めるために用いられる自動販売機用の訴求情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、例えば飲料や煙草等の商品を販売する自動販売機は、商品収納数や設置場所に応じて様々なサイズの機種が数多く設置されているが、自動販売機を製造するメーカーや機種によって、販売機本体及び外扉の横幅が異なるため、外扉の上部前面に取り付けられる化粧板も、外扉の横幅に対応して複数種製作しなければならず、製作コストが高くなる。また、外扉の横幅が異なる機種が増えるほど、化粧板の枚数も多くなるので、取り扱い及び管理が煩わしくなるという問題があった。
【0003】
上述の化粧板を外扉前面に取り付ける方法として、例えば中央部側部材と、第1端部側部材と、第2端部側部材とからなる自動販売機用化粧板が提案されている(特許文献1参照)。この自動販売機用化粧板は、自動販売機の外扉の前面に着脱自在に取り付けられ、所定の幅方向の長さに形成され、外扉の上部幅方向中央に配置される中央部側部材と、中央部側部材の幅方向両端部に接続され、外扉の幅方向両端側に配置される端部側部材とから分割して構成している。
【0004】
しかし、上述の自動販売機用化粧板は、第1端部側部材の上部幅方向端部に形成した延出部を、中央側部材の幅方向一端に形成した第1嵌合溝に嵌合する。同様に、第2端部側部材の上部幅方向端部に形成した延出部を、中央側部材の幅方向他端に形成した第2嵌合溝に嵌合して接続する構成である。
【0005】
つまり、自動販売機用化粧板は、外扉の横幅と対応する長さに形成しているので、外扉の横幅が異なれば、その外扉の横幅と対応する長さの自動販売機用化粧板を製作しなければならず、横幅が異なる他の外扉には取り付けることが不可能である。そのため、自動販売機用化粧板を、横幅が異なる外扉に対応して複数種製作しなければならず、製作コストが高くなる。また、自動販売機用化粧板の組数も多くなるので、運搬に手間が掛かるだけでなく、取り扱い及び管理が煩わしくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4592651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる自動販売機用の訴求情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、自動販売機が取り扱う商品に関連した訴求情報が表示された表示体を、販売機本体の外扉上部に取り付けるための自動販売機用の訴求情報表示装置であって、前記訴求情報表示装置を、前記外扉の幅方向中央上部に配置される表示部材と、該外扉の幅方向端部に配置される側端部材とで構成し、前記側端部材を、前記表示部材の幅方向端部に対して前記外扉の幅方向と一致する方向に向けて伸縮調節自在に連結した自動販売機用の訴求情報表示装置であることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、訴求情報表示装置を、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる。
【0010】
詳述すると、表示部材と側端部材との連結側端部間を幅方向に拡縮して、訴求情報表示装置の幅方向全長を、例えば1020mm、1160mm、1180mm、1320mm、1380mm等の横幅寸法を有する自動販売機の外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節するので、1種類の訴求情報表示装置を、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる。
【0011】
この結果、訴求情報表示装置を、横幅が異なる全ての自動販売機に対応して複数種製作する必要がなく、1種類の訴求情報表示装置を製作するだけで済むため、汎用性の向上及び製作コストの低減を図ることができる。
また、訴求情報表示装置を最短長さに縮長調節すれば、複数の訴求情報表示装置120の幅方向A全長を略同一長さに揃えることができるので、例えば梱包の統一化や小型化、運送費の削減、在庫管理、保管場所の確保等が向上する。
【0012】
この発明の態様として、前記側端部材を、前記表示部材の幅方向一端側に対して伸縮調節自在に連結した一端側部材と、該表示部材の幅方向他端側に対して伸縮調節自在に連結した他端側部材とで構成することができる。
【0013】
この発明によれば、訴求情報表示装置の伸縮長さが幅方向に延長されるので、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる。
【0014】
詳述すると、表示部材と一端側部材の連結側端部間、表示部材と他端側端部材の連結側端部間を幅方向に拡縮して、訴求情報表示装置の幅方向全長を、横幅が異なる様々な自動販売機の外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節する。
【0015】
これにより、訴求情報表示装置の一端側あるいは他端側のいずれか一方を幅方向に伸縮するよりも、訴求情報表示装置の伸縮長さを幅方向に延長することができ、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができる。
【0016】
この結果、1種類の訴求情報表示装置を、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節することができ、汎用性がさらに向上する。
【0017】
また、この発明の態様として、前記表示部材と前記側端部材との連結側端部間に装着される連結部カバーを備え、前記連結部カバーを、前記表示部材と前記側端部材との連結側端部間と対応する横幅で、該連結側端部間に露出された連結部の前面側が覆われる大きさ及び形状に形成することができる。
【0018】
この発明によれば、訴求情報表示装置の幅方向全長を自動販売機の外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節した際、表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0019】
詳述すると、訴求情報表示装置の幅方向全長を外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節した際、連結側端部間と対応する横幅に形成した連結部カバーを、表示部材と側端部材との連結側端部間に装着して、該表示部材と側端部材との連結側端部間を接続する。
【0020】
これにより、表示部材と側端部材との連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。また、表示部材と側端部材との連結側端部間に生じる段差が解消され、該連結側端部の外面を連なる状態に接続することができる。
【0021】
この結果、表示部材及び側端部材の前面全体を、1つのカバーで覆ったような一体感あるいは意匠感を現出することができる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記表示部材前面に装着される前面カバーを、前記表示部材の前面全体が覆われる大きさ及び形状に形成するとともに、前記前面カバーの一端側及び/又は他端側を幅方向に延長して、前記連結側端部間に露出された前記連結部の前面側が覆われる大きさ及び形状に形成することができる。
【0023】
この発明によれば、1つの前面カバーを表示部材前面に装着するだけで、該表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0024】
詳述すると、訴求情報表示装置の幅方向全長を外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節した際、その伸縮調節によって拡縮された連結側端部間と対応する長さ延長した1つの前面カバーを中表示部材の前面が覆われるように装着して、該カバーの延長側端部にて表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部の前面側を覆い隠す。
【0025】
これにより、1つのカバーを表示部材前面に装着するだけで、表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
この結果、表示部材の前面全体と、伸縮調節によって露出された連結側端部間の連結部前面とを、1つのカバーにて同時に覆うことができる。
【0026】
また、表示部材と側端部材との連結側端部間に、該連結側端部間と対応する横幅のカバーを個々に装着するよりも、カバーの枚数が少なくて済み、取り扱い及び管理が容易となる。また、カバーの装着作業に要する時間が短くなるので、作業性の向上を図ることができる。
【0027】
また、この発明の態様として、前記連結部カバーを、前記外扉の横幅に応じて複数の間隔に拡縮される前記連結側端部間と対応する横幅に形成した複数の連結部カバーで構成することができる。
【0028】
この発明によれば、表示部材と側端部材との連結側端部間に、該連結側端部間と対応する横幅に形成した連結部カバーを装着するだけで、該連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0029】
詳述すると、訴求情報表示装置の幅方向全長を外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節した際、上述の横幅寸法を有する自動販売機の外扉と対応して、横幅が異なる複数の連結部カバーの中から、表示部材と側端部材との連結側端部間と対応する横幅に形成した連結部カバーを1つ選択する。
【0030】
その選択した連結部カバーを、表示部材と側端部材との連結側端部間に装着することにより、該連結側端部間に露出された連結部の前面側を覆い隠すことができる。
【0031】
これにより、複数の中から選択した連結部カバーを表示部材と側端部材との連結側端部間に装着するだけで、該連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。また、表示部材と側端部材との連結側端部間に生じる段差が解消することができる。
【0032】
この結果、表示部材の前面全体と、表示部材と側端部材との連結側端部間とを、1つのカバーで覆ったような一体感あるいは意匠感を現出することができる。
【0033】
また、この発明の態様として、前記前面カバーを、前記外扉の横幅に応じて複数の間隔に拡縮される前記連結側端部間と対応する長さ延長され、前記表示部材の前面全体と前記連結側端部間の連結部前面とが覆われる横幅に形成した複数の前面カバーで構成することができる。
【0034】
この発明によれば、複数の中から選択した1つの前面カバーを装着するだけで、表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0035】
詳述すると、訴求情報表示装置の幅方向全長を外扉の横幅と対応する長さに伸縮調節した際、上述の横幅寸法を有する自動販売機の外扉と対応して、横幅が異なる複数の前面カバーの中から、伸縮調節によって表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部の前面側が覆われる横幅に形成した前面カバーを1つ選択する。
【0036】
その選択した前面カバーを、表示部材の前面全体が覆われるように装着するとともに、該前面カバーの延長側端部にて表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部の前面側を覆い隠す。
【0037】
これにより、複数の中から選択した1つの前面カバーを表示部材前面に装着するだけで、表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部を正面から見えないように覆い隠すことができる。
この結果、表示部材の前面全体と、表示部材と側端部材との連結側端部間に露出された連結部前面とを、1つの前面カバーにて同時に覆うことができる。
【0038】
また、表示部材と側端部材との連結側端部間に、該連結側端部間と対応する横幅の連結部カバーを個々に装着するよりも、使用する全面カバーの枚数が少なくて済み、取り扱い及び管理が容易となる。また、前面カバーの装着作業に要する時間が短くなるので、作業性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、訴求情報表示装置を、横幅が異なる全ての自動販売機の外扉に取り付けることができ、汎用性の向上及び製作コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態の訴求情報表示装置を自動販売機の正面図。
【図2】訴求情報表示装置を取り付けた外扉の上部背面図。
【図3】訴求情報表示装置を分離した状態の斜視正面図。
【図4】取付け板を外扉に取り付ける方法の斜視正面図。
【図5】表示部材と側端部材の連結方法の斜視正面図。
【図6】カバーを成形体に装着する方法の斜視正面図。
【図7】幅狭の連結部カバーを連結部に装着する方法の斜視正面図。
【図8】幅広の連結部カバーを連結部に装着する方法の斜視正面図。
【図9】係止孔及び係止爪によるカバーの上端側固定方法の拡大平面図。
【図10】止めピンによるカバーの下端側固定方法の斜視図。
【図11】止めピンを止め孔に挿入する直前の斜視図。
【図12】止めピンを止め孔に挿入した直後の斜視図。
【図13】止めピンを右方向又は左方向へ90度回転した状態の斜視図。
【図14】訴求情報表示装置の一端側を伸縮調節する方法の斜視正面図。
【図15】連結部をカバーにて覆い隠した状態の斜視正面図。
【図16】複数の装飾体を外扉前面に取り付けた状態の斜視正面図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は本実施形態の訴求情報表示装置120を取り付けた自動販売機100の正面図、図2は訴求情報表示装置120を取り付けた外扉100aの上部背面図である。
【0042】
本実施形態の自動販売機用の訴求情報表示装置120は、図1に示すように、自動販売機100における販売機本体100bの前面側開口部に対して左右開閉自在に連結した外扉100aの上部前面に取り付けられる。また、外扉100aの上部前面に取り付ける際、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節する。
【0043】
自動販売機100は、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型、袋型等の商品を販売するものであり、略箱形状で内部に飲料などの商品を多数収納している前面側が開口された販売機本体100bと、販売機本体100bの前面と同じ大きさで前面側開口部を開閉する外扉100aとを備えている。
【0044】
外扉100aの幅方向左端部は、販売機本体100bの幅方向左端側(正面から見て左端)に対してヒンジ107にて左右開閉自在に連結している。
また、外扉100aの上部前面には、自動販売機100が取り扱う商品に酷似した商品見本と、該商品見本に対応する商品選択ボタンとを備えた商品展示部108を設けている。
【0045】
さらに、商品展示部108より下方右側で、外扉100aの中央部右側前面には、紙幣を投入する紙幣投入口と、硬貨を投入する硬貨投入口と、カードを投入するガード投入口とを備えた精算部109と、外扉100aを閉状態に施錠するための施錠部110とを設けている。
【0046】
商品展示部108より下方左側で、外扉100aの中央部左側前面には、上記商品に関連した広告情報が印刷されたポスターやパネル等の広告物を展示するための広告表示部111を設けている。
【0047】
広告表示部111より下方で、外扉100aの下部左側前面には、購入した商品を取り出すための商品取出口112を設けている。また、その商品取出口112の右側前面には、お釣りの硬貨を返却するための硬貨返却口113を設けている。
【0048】
次に、図3〜図14を用いて、本実施形態の訴求情報表示装置120の構造について説明する。
図3は訴求情報表示装置120を分離した状態の斜視正面図、図4は取付け板21を外扉100aに取り付ける方法の斜視正面図、図5は表示部材130と側端部材140の連結方法の斜視正面図、図6は前面カバー23を成形体22に装着する方法の斜視正面図、図7は幅狭の連結部カバー150Vを連結部140Wに装着する方法の斜視正面図、図8は幅広の連結部カバー150Wを連結部140Wに装着する方法の斜視正面図、図9は係止孔22d及び係止爪23bによる前面カバー23の上端側固定方法の拡大平面図である。
【0049】
訴求情報表示装置120は、外扉100aの幅方向中央上部に対して該外扉100aの幅方向Aに配置される表示部材130と、該外扉100aの幅方向左右上部に配置される左右一対の側端部材140と、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に装着される左右一対の連結部カバー150とで構成している。
また、左右の側端部材140は、表示部材130の幅方向両端部に対して前記外扉100aの幅方向Aと一致する方向に向けて伸縮調節自在に連結している。
【0050】
表示部材130は、外扉100aの上部平面と上部前面とで直角を成す前側上部角隅部に沿って該外扉100aの幅方向Aに取り付けられる取付け板21と、取付け板21の前面を覆うように取り付けられる成形体22と、成形体22の上面及び前面、下面を覆うように取り付けられる前面カバー23と、成形体22の前面に取り付けられるロゴ表示体30及び広告表示体40とで構成している。
【0051】
なお、成形体22と、前面カバー23と、ロゴ表示体30と、広告表示体40は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等のプラスチックにて形成している。
【0052】
側端部材140は、上述した前面カバー23の連結側端部外面と連なる外観形状に形成した断面矩形の側端部140Vと、該側端部140Vの連結側端部に形成され幅方向Aに突出する断面コ字状の連結部140Wとで構成している。
【0053】
側端部140Vの連結側端部は、上述した前面カバー23の連結側端部と連なる大きさ及び形状に形成している。例えば前面カバー23の外観形状が滑らかな曲面であれば、側端部140Vの外観形状も滑らかな曲面に形成する。
【0054】
また、側端部材140の連結側端部には、取付け板21と成形体22との対向面間に対して挿入される連結部140Wを連設している。
【0055】
連結部140Wは、側端部140Vの連結側端部上縁に対して水平に連設した上側板部140aと、上側板部140aの前側縁部に対して垂直に連設した前側板部140bと、上側板部140aの後側縁部に対して垂直に連設した後側板部140cとで構成している。
【0056】
また、板部140a〜140cは、上述した取付け板21前面と成形体22後面との間に形成された図示しない空間部に対して挿入が許容される大きさ及び形状及び厚さに形成している。
【0057】
連結部140Wの後側板部140cには、ネジ160の挿通が許容される丸形の孔部140dを上下に所定間隔を隔てて2個形成している。また、後側板部140cが厚み方向に重ね合わされる取付け板21の起立板21bの連結側両端部には、上述した丸孔140d,140dと対応する上下間隔を隔てて、2本の長孔21eを幅方向Aと平行して形成している。
【0058】
すなわち、連結部140Wの後側板部140cを、取付け板21の起立板21bに対して厚み方向に重ね合わせ、後側板部140cの孔部140dと起立板21bの長孔21eとを連通した後、ネジ160を、連結板162を介して孔部140d及び長孔21eに厚み方向に挿通し、ナット161を、孔部140d及び長孔21eに挿通したネジ160の突出側端部に螺合して、ネジ160及びナット161により幅方向Aに対して伸縮調節自在に連結している。
【0059】
上述のように表示部材130と側端部材140を連結した後、表示部材130の幅方向両端部に連結した左右一対の側端部材140を幅方向Aに水平移動して、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、例えば1020mm、1160mm、1180mm、1320mm、1380mm等の横幅を有する5種類の自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節する。
【0060】
この後、表示部材130と側端部材140とを、ネジ160及びナット161により締付け固定すれば、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに固定することができる。
【0061】
連結部カバー150は、例えば1020mm、1160mm、1180mm、1320mm、1380mm等の横幅を有する5種類の自動販売機100の外扉100aと対応して、横幅が異なる5種類の連結部カバー150V,150W…で構成している。
【0062】
連結部カバー150V,150W…は、横幅が異なる自動販売機100の外扉100aと対応して、該外扉100aの幅方向Aに拡縮される表示部材130と側端部材140との連結側端部間と対応する横幅に形成している。また、連結側端部間に露出された連結部140Wの上下面及び前面が覆われる大きさ及び形状で、かつ、幅方向Aから見て略断面C形状に形成している。
【0063】
また、連結部カバー150V,150W…の上面側後端部と下面側後端部には、連結部140Wの上面側後縁部と下面側後縁部に係止される爪部150a,150aをそれぞれ形成している。
【0064】
表示部材130の取付け板21は、図3、図4に示すように、外扉100aの前側上部角隅部に対して上部平面に沿って水平載置される金属製の載置板21aと、該載置板21aの後端側を上方に向けて垂直に折り曲げて形成した起立板21bと、該載置板21aの前端側を下方に向けて垂直に折り曲げて形成した垂下板21cとで構成している。
【0065】
垂下板21cの下端側中央部には、展示部4の前側上縁部に形成した係止孔4aと対応して、該係止孔4aに対して係止される係止爪21dを形成している。また、起立板21bの後面側下端部には、後述する取付け金具24を長手方向に対して所定間隔を隔てて取り付け可能に設けている(図2参照)。
【0066】
起立板21bの上端側前縁部には、後述する成形体22の上端側後縁部を固定するための止め具26を取り付け可能に設けている。また、垂下板21cの下端側前縁部には、後述する成形体22の下端側後縁部を固定するための止め具26を取り付け可能に設けている(図5参照)。
【0067】
上述の取付け板21を外扉100aに固定する場合、垂下板21cの係止爪21dを展示部4の係止孔4aに係止して、載置板21aを外扉100aの前側上部平面に水平載置する。また、起立板21bを、外扉100aの後側上部角隅部に固定した後述する取付け金具24の起立片24bに対してネジ25にて固定する。
【0068】
取付け金具24は、外扉100aの後側上部角隅部に対して上部平面に沿って水平載置される水平片24aと、水平片24aの後端側を上方に向けて垂直に折り曲げて形成した起立片24bと、水平片24aの前端側を下方に向けて垂直に折り曲げて形成した垂下片24cとで構成している(図2、図4参照)。
【0069】
取付け金具24の水平片24aは、外扉100aの後側上部角隅部の上部平面に水平載置する。また、起立片24bは、外扉100aの前側上部角隅部の上部平面に載置した取付け板21の起立板21bに対してネジ25にて固定する。また、垂下片24cは、外扉100aの後側上部角隅部の上部背面に対してネジ25にて固定する。
【0070】
成形体22は、図3、図5に示すように、取付け板21の前面全体(前面及び上下面、両側面)を覆う大きさ及び形状に正面から見て略矩形に形成している。また、成形体22の前面側中央部には、後述するロゴ表示体30と広告表示体40を重ね合わせたまま収容が許容される凹状の収容部22aを形成している。
【0071】
収容部22aは、ロゴ表示体30と広告表示体40を重ね合わせたまま収容が許容される大きさ及び形状、深さに、該成形体22の前面に沿って長さ方向に形成している。また、収容部22aの両側前面には、ロゴ表示体30の両側縁部に形成した係止溝30aと対応して、広告表示体40の両側縁部に連設した係止片40aの差し込みが許容される凹状の受け部22aZを形成している。
【0072】
収容部22aの上側縁部と両側縁部からなる前側周縁部には、柔軟性を有する合成ゴム製のパッキン22bを、後述する前面カバー23の窓部23aの上側縁部と両側縁部からなる内側周縁部と対向して取り付けている。また、収容部22aの下側縁部と対応するパッキン22bの下側縁部間には、該収容部22aの内部と外部を連通する通路22cを形成している。
【0073】
成形体22の上端側後縁部は、前記取付け板21の起立板21bの上端側前縁部を覆う大きさ及び形状に形成している。また、成形体22の上端側後縁部には、後述する前面カバー23の係止爪23bが後方より係止される係止孔22dを長手方向に対して所定間隔を隔てて形成している。さらにまた、係止孔22dは、成形体22の上端側後縁部を上方に向けて凸状に変形して形成している(図7〜図9参照)。
【0074】
成形体22の下端側後縁部は、前記取付け板21の垂下板21cの下端側前縁部を覆う大きさ及び形状に形成している。また、成形体22の下端側後縁部には、後述する止めピン27が抜止めされる丸形状の止め孔22eを形成している。
【0075】
止め孔22eは、後述する止めピン27の上側部材28の上端側係止部28bよりも大径に形成され、該係止部28bが垂直方向に対して挿入が許容される大きさ及び形状に形成している。また、止め孔22eの対向縁部には、係止部28bの対向外周面に突出した一対の突出片28cの通過が許容される溝部22fを形成している(図11参照)。
また、止め孔22eの上面側対向縁部には、突出片28cの先端側下面に突出した凸部28dが係合される凹部22gを形成している。
【0076】
上述の成形体22を取付け板21に固定する場合、成形体22の上端側後縁部を、外扉100aに取り付けた取付け板21の起立板21bの上端側前縁部に重ね合わせて止め具26で固定する。また、成形体22の下端側後縁部を取付け板21の垂下板21cの下端側前縁部に重ね合わせて止め具26で固定する。
【0077】
上述のロゴ表示体30と広告表示体40は、収容部22aよりも一回り小さく、該収容部22aに対して収容が許容される大きさ及び形状に形成している。また、ロゴ表示体30の前面には、ロゴ情報の一例として「○○Drink」を表示している。また、広告表示体40の前面には、広告情報の一例として「△△Coffee」を表示している。
【0078】
なお、収容部22aには、プレート状のロゴ表示体30を、ロゴ情報の一例である「○○Drink」が印刷された表面を外扉100aの前面と対応する方向に向けて、例えば両面粘着テープ、接着剤、ネジ等の固定手段にて固定している。
【0079】
前面カバー23は、図3、図6に示すように、成形体22の前面全体(前面及び上下面、両側面)を覆う大きさ及び形状に前面から見て略矩形に形成している。また、前面カバー23の前面側中央部には、成形体22の収容部22aと対応して該収容部22aに収容されたロゴ表示体30のロゴ情報或いは広告表示体40の広告情報の読み取りが許容される透明な窓部23aを形成している。
【0080】
前面カバー23の上端側後縁部には、前記成形体22の係止孔22dに対して後方より係止される係止爪23bを幅方向Aに対して所定間隔を隔てて形成している(図7〜図9参照)。また、前面カバー23の下端側後縁部には、成形体22の止め孔22eに対して係止される止めピン27を取り付けている(図10、図11参照)。
【0081】
止め具26は、取付け板21と成形体22の上端側対向縁部及び下端側対向縁部に形成した孔部に挿通される下側部材26aと、孔部に挿通される下側部材26aを孔部よりも大径に拡張する上側部材26bとで構成している(図5参照)。
【0082】
上述の止め具26を用いて、成形体22を取付け板21に取り付ける場合、下側部材26aを、取付け板21と成形体22の上端側対向縁部及び下端側対向縁部に形成した孔部に挿通する。
【0083】
次に、上側部材26bを、下側部材26aの軸中心部に形成された挿入孔(図示せず)に圧入し、下側部材26aの先端部を孔部よりも大径に拡張して抜止めする。
これにより、取付け板21と成形体22の上端側対向縁部及び下端側対向縁部を固定することができる。
【0084】
次に、図10〜図13を用いて、上述した止めピン27の構造について説明する。図10は止めピン27による前面カバー23の下端側固定方法の斜視図、図11は止めピン27を止め孔22eに挿入する直前の斜視図、図12は止めピン27を止め孔22eに挿入した直後の斜視図、図13は止めピン27を右方向又は左方向へ90度回転した状態の斜視図である。
【0085】
止めピン27は、前面カバー23の下端側後縁部に形成した保持孔23cを介して互いに連結される上側部材28と下側部材29とで構成している。
上側部材28は、前記止め孔22eに対して挿入が許容される外径寸法に形成した中空の軸部28aと、軸部28aの上端側に形成した前記止め孔22eよりも小径の係止部28bとで構成している。
【0086】
係止部28bの対向外周面には、一対の突出片28cを、前記止め孔22eの溝部22fと対応して径方向に向けて突出している。また、突出片28cは、止め孔22eの上面側周縁部に対して係止される長さに形成している。さらにまた、突出片28cの先端側下面には、凹部22gに対して係合される凸部28dを形成している。
【0087】
下側部材29は、上側部材28の軸部28aに対して軸方向に抜止め固定される爪付きの軸部29aと、軸部29aの下端側に形成した前記止め孔22eよりも大径の回動操作部29bとで構成している。
【0088】
上述の止めピン27は、前面カバー23の保持孔23cを介して、上側部材28の軸部28aに対して下側部材29の軸部29aを下方から差込んで一体的に組み付ける。また、上側部材28の突出片28cを、前記保持孔23cよりも上方に突出し、下側部材29の回動操作部29bを、前記保持孔23cよりも上方に突出した状態に組み付ける。
これにより、止めピン27を、前面カバー23の保持孔23cに対して上下動可能で、かつ、軸芯回りに水平回転可能に取り付けられる(図11、図12参照)。
【0089】
上述の前面カバー23を、成形体22の上面、前面、下面を覆うように取り付ける場合、前面カバー23に取り付けた止めピン27を、成形体22に形成した止め孔22eと対向させる。この後、止めピン27を、図示しない開閉治具により軸芯回りに回動操作して、上側部材28の突出片28cを止め孔22eの溝部22fに対して挿入が許容される向き及び角度に回転停止する。
このまま、止めピン27を押し上げて、成形体22の止め孔22eに対して下方から垂直に挿入する(図11、図12参照)。
【0090】
上側部材28の突出片28cを止め孔22eよりも上方に突出した後、止めピン27を軸芯回りに右方向又は左方向へ90度回動操作して、上側部材28の突出片28cが止め孔22eの上面側周縁部に対して係止される角度に回動する。
【0091】
また、突出片28cの凸部28dを止め孔22eの凹部22gに係合して、上側部材28の突出片28cが止め孔22eの溝部22fに対して抜き取り不可となる向き及び角度に回転停止する(図13参照)。
これにより、成形体22と前面カバー23とが開放不可に固定され、前面カバー23を、成形体22の上面、前面、下面を覆うように取り付けることができる。
【0092】
また、止めピン27を右方向又は左方向へ90度回動操作して、突出片28cの凸部28dを止め孔22eの凹部22gから抜け出させるとともに、上側部材28の突出片28cを止め孔22eの溝部22fに対して抜き取りが許容される向き及び角度に回転操作する(図12参照)。
【0093】
すると、止めピン27が自重下降によって成形体22の止め孔22eから抜き取られ、上側部材28の突出片28cが止め孔22eよりも下方に落下する。
これにより、止めピン27による固定が解除され、前面カバー23を、成形体22から簡単に取り外すことができる。
【0094】
次に、訴求情報表示装置120を、自動販売機100の外扉100a上部に取り付ける方法を説明する。
先ず、ネジ160及びナット161を緩め方向に回動操作して、表示部材130と左右一対の側端部材140との固定を解除した後、左右の側端部材140を幅方向Aに水平移動して、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節する(図6〜図8参照)。
【0095】
左右の側端部材140を、外扉100aの幅方向左右上部に配置される位置に伸縮調節した後、ネジ160及びナット161を締付け方向に回動操作して、表示部材130と左右一対の側端部材140とを固定することにより、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに固定する。
【0096】
次に、上述のように伸縮調節した訴求情報表示装置120を外扉100aの上部前面に固定する場合、4枚の取付け金具24を、外扉100aの後側中央上部角隅部及び後側左右上部角隅部に対して幅方向Aに所定間隔を隔ててネジ25にて予め固定しておく。
【0097】
この後、訴求情報表示装置120の取付け板21を外扉100aの前側上部平面に水平載置して、取付け板21を、外扉100aの後側上部角隅部に配置した取付け金具24に対してネジ25にて固定する。
【0098】
また、左右の側端部材140を外扉100aの幅方向左右上部に配置して、側端部材140の背面側を、外扉100aの後側左右上部角隅部に配置した取付け金具24に対してネジ25にて固定する(図2、図4参照)。
【0099】
すなわち、訴求情報表示装置120を、自動販売機100の外扉100a上部に固定する際、表示部材130の幅方向左右端部と、該幅方向左右端部に連結した左右の側端部材140との連結側端部間を幅方向Aに拡縮する。
【0100】
訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、例えば1020mm、1160mm、1180mm、1320mm、1380mm等の横幅が異なる様々な自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節するので、1種類の訴求情報表示装置120を、横幅が異なる全ての自動販売機100の外扉100aに取り付けることができる(図1参照)。
【0101】
つまり、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節して該外扉100aの上部前面に取り付けるので、訴求情報表示装置120を、横幅が異なる全ての自動販売機100に対応して複数種製作する必要がなく、1種類の訴求情報表示装置120を製作するだけで済むため、汎用性の向上及び製作コストの低減を図ることができる。
【0102】
また、訴求情報表示装置120を最短長さに縮長調節すれば、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を略同一長さに揃えることができるので、例えば梱包の統一化や小型化、運送費の削減、在庫管理、保管場所の確保等が向上する。
【0103】
上述のように訴求情報表示装置120を伸縮調節した際、表示部材130と側端部材140との連結側端部間の間隔が狭ければ、該連結側端部間と対応する横幅に形成した幅狭の連結部カバー150Vを、該連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側に装着する(図7参照)。
【0104】
また、表示部材130と側端部材140との連結側端部間の間隔が広ければ、該連結側端部間と対応する横幅に形成した幅広の連結部カバー150Wを、該連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側に装着する装着する(図8参照)。
【0105】
なお、連結部カバー150V,150Wは、上下後端部の爪部150aを連結部140Wの上下後縁部に係止して、連結部カバー150V,150Wを連結部140Wの前面側に取り付ける。
この結果、表示部材130の連結側左右端部と、左右の側端部材140の連結側端部との間に露出された連結部140Wを正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0106】
次に、図14を用いて、訴求情報表示装置120の一端側を伸縮調節する他の例を説明する。図14は訴求情報表示装置120の左側端部を伸縮調節する方法の斜視正面図である。
【0107】
詳述すると、表示部材130の一端側(左側端部)に連結した左側の側端部材140を幅方向Aに水平移動させて、表示部材130と側端部材140との連結側端部間を幅方向Aに拡縮することにより、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、自動販売機100の外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節する。
【0108】
これにより、前記実施形態のように訴求情報表示装置120の左右両端を伸縮調節するのに比べて伸縮長さが短くなるも、1種類の訴求情報表示装置120を、横幅が異なる複数の自動販売機100の外扉100aに取り付けることができる。
【0109】
したがって、前記実施形態と同様に、訴求情報表示装置120を、横幅が異なる全ての自動販売機100に対応して複数種製作する必要がなく、1種類の訴求情報表示装置120を製作するだけで済むため、汎用性の向上及び製作コストの低減を図ることができる。
【0110】
訴求情報表示装置120を伸縮調節した際、表示部材130と側端部材140との連結側端部間の間隔が狭ければ、該連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側に、該連結側端部間と対応する横幅に形成した幅狭の連結部カバー150Vを装着する。
【0111】
また、連結側端部間の間隔が広ければ、該連結側端部間と対応する横幅に形成した幅広の連結部カバー150Wを装着する。
この結果、連結側端部間に露出された連結部140Wを正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0112】
なお、上述の実施例では、左側の側端部材140を幅方向Aに伸縮する例を説明したが、表示部材130の他端側(右側端部)に連結した右側の側端部材140を幅方向Aに伸縮調節自在に設けてもよい。
【0113】
次に、図15を用いて、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節した際、表示部材130の前面に装着される1つの前面カバー23にて、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140Wを覆い隠す他の方法を説明する。
図15[a][b]は連結部140Wを前面カバー23V,23Wにて覆い隠した状態の斜視正面図である。
【0114】
前面カバー23は、例えば1020mm、1160mm、1180mm、1320mm、1380mm等の横幅を有する5種類の自動販売機100の外扉100aと対応して、横幅が異なる5種類の前面カバー23V,23W…で構成している。
【0115】
前面カバー23V,23W…は、表示部材130の前面全体が覆われる大きさ及び形状に形成するとともに、該前面カバー23V,23W…の左右両端を幅方向Aに延長して、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側が覆われる大きさ及び形状に形成している。
【0116】
また、前面カバー23V,23W…の左右両端は、5種類の外扉100aの横幅と対応して、表示部材130と側端部材140との連結側端部間の間隔と対応する長さに延長している。
【0117】
詳述すると、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節した際(図15[a][b]参照)、横幅が異なる5種類の前面カバー23V,23W…の中から、伸縮調節によって表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側が覆われる横幅に形成した前面カバー23V,23Wを1つ選択する。
【0118】
その前面カバー23V,23Wを、表示部材130の前面全体が覆われるように装着するとともに、該前面カバー23V,23Wの延長側左右端部にて表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140Wの前面側を覆い隠す。
【0119】
これにより、訴求情報表示装置120の伸縮調節と対応して、5種類の中から選択した前面カバー23V,23Wを表示部材130前面に装着するだけで、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140Wを正面から見えないように覆い隠すことができる。
【0120】
この結果、表示部材130の前面全体と、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に露出された連結部140W前面とを、1つの前面カバー23にて同時に覆うことができる。
【0121】
また、表示部材130と側端部材140との連結側端部間に、該連結側端部間と対応する横幅の連結部カバーを個々に装着するよりも、使用する前面カバー23の枚数が少なくて済み、取り扱い及び管理が容易となる。また、前面カバー23の装着作業に要する時間が短くなるので、作業性の向上を図ることができる。
【0122】
次に、図16を用いて、前記横幅が異なる全ての自動販売機100の外扉100aに対して、前記実施形態の訴求情報表示装置120と、複数の装飾体103〜106とを取り付ける他の例を説明する。
図16は複数の装飾体103〜106を外扉100aの前面に取り付けた状態の斜視正面図である。
【0123】
上述の装飾体103〜106は、前記実施形態の訴求情報表示装置120の幅方向左端側下面に接続され、外扉100aの幅方向左端側前面に取り付けられる長尺側部装飾体103と、上端部装飾体102の幅方向右端側下面に接続され、外扉100aの幅方向右端側前面に取り付けられる短尺側部装飾体104と、商品展示部108と商品取出口112との間であって外扉100aの中央部前面に取り付けられる中央部装飾体105と、商品取出口112より下方で外扉100aの下部前面に取り付けられる下端部装飾体106とで構成している。
【0124】
訴求情報表示装置120を構成する左側の側端部材140の幅方向左端側前面には、長尺側部装飾体103の上端部と合致する大きさ及び形状の開口部102gを形成している。
【0125】
長尺側部装飾体103は、外扉100aの左端側前面よりも幅広(あるいは略同等幅)に形成され、商品展示部108の幅方向左端側前面の一部が覆われる幅に形成している。また、外扉100aの前面より前方に突出する凸状の横断面形状に形成し、外扉100aの上端から下端に至る縦方向と略同一長さに形成するとともに、上端側から下端側に向けて徐々に幅広となる滑らかな曲線にプラスチックにて形成している。
【0126】
短尺側部装飾体104は、外扉100aの右端側前面よりも幅広に形成され、商品展示部108の幅方向右端側前面の一部が覆われる幅に形成している。
また、外扉100aの前面より前方に突出する凸状の横断面形状に形成し、商品展示部108の縦方向と略同一長さに形成するとともに、上端側から下端側に向けて同一幅にプラスチックにて形成している。
【0127】
中央部装飾体105は、商品展示部108と、精算部109と、施錠部110と、広告表示部111と、商品取出口112とを避けて、外扉100aの中央部前面(正面から見て左側に寄った中央部前面)に対して取り付けが許容される大きさ及び形状にプラスチックでプレート状に形成している。
【0128】
中央部装飾体105の上側縁部は、商品展示部108の下端側縁部と対応する横幅に形成している。また、中央部装飾体105の下側縁部は、商品取出口112の幅方向両端部よりも幅狭に形成している。また、中央部装飾体105の左右縁部は、上端側から下端側に向けて徐々に幅狭となる滑らかな曲線(正面から見て左寄りの曲線)に形成している。
【0129】
中央部装飾体105の右端側前面には、精算部109の前面全体の露出が許容され、精算部109の上下縁部と左側縁部とが取り囲まれる大きさ及び形状の右側開口部105aを形成している。
また、中央部装飾体105の左端側前面には、広告表示部111の前面全体の露出が許容され、該広告表示部111の上下縁部と右側縁部とが取り囲まれる大きさ及び形状の左側開口部105bを形成している。
【0130】
下端部装飾体106は、商品取出口112を避けて、外扉100aの下部前面(正面から見て左側に寄った下部前面)に対して取り付けが許容される大きさ及び形状にプラスチックでプレート状に形成している。
【0131】
下端部装飾体106の上側縁部は、中央部装飾体105の下側縁部と連続する横幅に形成している。また、下端部装飾体106の左右縁部は、上端側から下端側に向けて徐々に幅狭となる滑らかな曲線(正面から見て左寄りの曲線)に形成している。
【0132】
なお、長尺側部装飾体103及び短尺側部装飾体104の表面は、外扉100aの地色(例えば赤色)と対応する配色に着色している。また、短尺側部装飾体104の表面に、自動販売機100が取り扱う商品の販売イメージと対応する例えば文字や絵、模様、自然の風景等を印刷するか、取り扱う商品に関連した広告情報を印刷してもよい。
【0133】
次に、横幅が異なる全ての自動販売機100の外扉100aに対して、前記実施形態の訴求情報表示装置120と、装飾体103〜106とを組み合わせて取り付ける方法を説明する。
先ず、訴求情報表示装置120の幅方向A全長を、外扉100aの横幅と対応する長さに伸縮調節して該外扉100aの上部前面に取り付ける。
【0134】
次に、長尺側部装飾体103の背面側上部を、図示しない上部係止具を用いて外扉100aの上部外側天井面に係止する。また、長尺側部装飾体103の背面側下部を、図示しない下部係止具を用いて外扉100aの下部外側底面に係止する。
【0135】
これにより、長尺側部装飾体103を、商品展示部108の幅方向左端側前面の一部が覆われるとともに、外扉100aの左端側前面が覆われるように取り付ける。
【0136】
また、長尺側部装飾体103の上端部を、左側の側端部材140の開口部102gに挿入して、該長尺側部装飾体103を訴求情報表示装置120の幅方向左端側に対して連続するように配置する。
【0137】
次に、短尺側部装飾体104の左側縁部を、商品展示部108の前面側右側縁部に係止する。また、短尺側部装飾体104の右側縁部を、図示しない取付け金具を用いて外扉100aの右側縁部に係止する。
【0138】
これにより、短尺側部装飾体104を、商品展示部108の幅方向右端側前面の一部が覆われるとともに、外扉100aの右端側前面が覆われるように取り付ける。
【0139】
また、短尺側部装飾体104の上端部を、上端部装飾体102の幅方向右端側下面に近接あるいは当接して、上端部装飾体102の右端側に対して連続するように配置する。
【0140】
中央部装飾体105は、図示しない両面粘着テープを用いて商品展示部108と商品取出口112との間であって、外扉100aの中央部前面が覆われるように正面から貼着する。
また、下端部装飾体106は、図示しない両面粘着テープを用いて商品取出口112より下方であって、外扉100aの下部前面が覆われるように正面から貼着する。
【0141】
中央部装飾体105の上側縁部を、長尺側部装飾体103と短尺側部装飾体104の間と対応する商品展示部108の下端側縁部に沿わせて、中央部装飾体105と下端部装飾体106とを、正面から見て右側上方から左側下方に向けて徐々に幅狭となる滑らかな曲線(正面から見て左寄りの曲線)に連続して配置する。
【0142】
これにより、商品展示部108より下方の外扉100aの中央部前面から下部前面の範囲に、正面から見て右上から左下に向けて徐々に幅狭となる滑らかな連続するデザインの左寄り曲線を現出することができる。
【0143】
つまり、外扉100aの横幅に応じて、長尺側部装飾体103と、短尺側部装飾体104と、中央部装飾体105と、下端部装飾体106とを所定の位置に配置するので、横幅が異なる全ての自動販売機100の外扉100aに取り付けることができる。
【0144】
なお、長尺側部装飾体103の表面に、例えば地色(例えば赤色)と対比する白色のラインを、長尺側部装飾体103の上端側から下端側に向けて滑らかな曲線に印刷してもよい。
また、長尺側部装飾体103に印刷したラインと連続して、白色に着色したパーツを左側の側端部材140の前面に装着してもよく、白色のラインを、長尺側部装飾体103の上端側から左側の側端部材140の上面側に連続して現出することができる。
【0145】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の表示体は、実施形態のロゴ表示体30と、広告表示体40に対応し、
以下同様に、
一端側部材は、左側の側端部材130に対応し、
他端側部材は、右側の側端部材130に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0146】
本実施形態では、左右の側端部材140を左右均等に伸縮調節する例を説明したが、左側あるいは右側の側端部材140のみを幅方向Aに伸縮調節してもよい。
また、連結部カバー150V,150Wに形成した上下爪部150aを連結部140Wの上下後縁部に係止して、連結部カバー150V,150Wを連結部140Wの前面側に取り付けるが、例えば止め具26やネジ、あるいは、両面粘着テープ、マグネット等の固定手段にて着脱可能に取り付けてもよい。
【0147】
また、側端部材140を、取付け金具24及びネジ25にて外扉100aの幅方向左右上部に固定するが、ネジ160及びナット161の締付け力にてこていしてもよい。他の固定方法として、例えば凸部と凹部とを互いに係合するか、ボールを窪み部に係合する等の位置規制手段によって複数の伸縮位置に規制してもよい。
【符号の説明】
【0148】
A…幅方向
100…自動販売機
100a…外扉
100b…販売機本体
120…訴求情報表示装置
130…表示部材
140…側端部材
140d…孔部
140V…側端部
140W…連結部
150,150V,150W…連結部カバー
160…ネジ
161…ナット
21…取付け板
21e…長孔
22…成形体
22d…係止孔
23,23V,23W…前面カバー
23b…係止爪
24…取付け金具
26…止め具
27…止めピン
30…ロゴ表示体
40…広告表示体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機が取り扱う商品に関連した訴求情報が表示された表示体を、販売機本体の外扉上部に取り付けるための自動販売機用の訴求情報表示装置であって、
前記訴求情報表示装置を、
前記外扉の幅方向中央上部に配置される表示部材と、該外扉の幅方向端部に配置される側端部材とで構成し、
前記側端部材を、前記表示部材の幅方向端部に対して前記外扉の幅方向と一致する方向に向けて伸縮調節自在に連結した
自動販売機用の訴求情報表示装置。
【請求項2】
前記側端部材を、
前記表示部材の幅方向一端側に対して伸縮調節自在に連結した一端側部材と、該表示部材の幅方向他端側に対して伸縮調節自在に連結した他端側部材とで構成した
請求項1に記載の自動販売機用の訴求情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部材と前記側端部材との連結側端部間に装着される連結部カバーを備え、
前記連結部カバーを、
前記表示部材と前記側端部材との連結側端部間と対応する横幅で、該連結側端部間に露出された連結部の前面側が覆われる大きさ及び形状に形成した
請求項1又は2に記載の自動販売機用の訴求情報表示装置。
【請求項4】
前記表示部材前面に装着される前面カバーを備え、
前記前面カバーを、
前記表示部材の前面全体が覆われる大きさ及び形状に形成するとともに、
前記前面カバーの一端側及び/又は他端側を幅方向に延長して、前記連結側端部間に露出された連結部の前面側が覆われる大きさ及び形状に形成した
請求項1又は2に記載の自動販売機用の訴求情報表示装置。
【請求項5】
前記連結部カバーを、
前記外扉の横幅に応じて複数の間隔に拡縮される前記連結側端部間と対応する横幅に形成した複数の連結部カバーで構成した
請求項3に記載の自動販売機用の訴求情報表示装置。
【請求項6】
前記前面カバーを、
前記外扉の横幅に応じて複数の間隔に拡縮される前記連結側端部間と対応する長さ延長され、前記表示部材の前面全体と前記連結側端部間の連結部前面とが覆われる横幅に形成した複数の前面カバーで構成した
請求項4に記載の自動販売機用の訴求情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−88889(P2013−88889A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226513(P2011−226513)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(391034765)中井銘鈑株式会社 (29)
【Fターム(参考)】