説明

自動販売機用サンドイッチ及び食品

【解決手段】容器に詰められた即ち缶詰め又は瓶詰めの清涼飲料などの様な飲料を販売するための従来の構造を備えた自動販売機から個出しできるように包装された食品、主にサンドイッチ、が開示されている。本発明は、異なる食品を組み合わせて1つの包装品として、容器詰め飲料を販売するための従来の構造を備えた自動販売機から個出しできるようにするための手段も開示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機用の食品及び/又は非食品に関し、具体的には、缶詰又は瓶詰め飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から販売できるようにするやり方で包装された食品に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機業界は、主には缶詰め及び瓶詰めの清涼飲料を個出しする構造を備えた自動販売機からの飲料販売により年間数十億ドルの売上高を達成している。大きな数の売上げが、チップス、クッキー、及びキャンディの様なスナック類を個別供給する構造を備えた自動販売機からも発生しており、また、規模は小さいが、コインランドリーの自動販売機用洗濯洗剤の様な、適した場所に設置された非食品類を個出しするための構造を備えた自動販売機からも売上が発生している。
【0003】
自動販売機は、遠隔地方及び比較的人の住んでいない地方を含め、実質的に至る所で見られる。自動販売機は、簡便且つ瞬時の元気回復源を提供するという点で、消費者のニーズを満たしているため、広く普及している。しかしながら、指摘したように、自動販売機は、特定の製品又は製品部類を販売する構造を、及び/又は所与の製品については特定の大きさ又は形状の包装品を販売する構造を備えている。即ち、自動販売機は、アルミニウム缶又はプラスチック瓶の両方ではなくその内の何れかの清涼飲料類を提供する構造を備えている。
【0004】
この様に、清涼飲料個出し用の自動販売機を提供することは消費者の最大の要求を満たしてはいるものの、消費者は、選択した飲料に伴う追加的な食料品目を求めることが多いということが10年以上も前から認知されている。これは、毎日弁当を詰めたりレストランに食事に寄ることが常にできるとは限らないような昨今の慌しい時代には、特に当てはまる。人々は、最寄の自動販売機に出向くことにより、空腹を満たす安価とまではいえないにしろ早くて便利な手段を求める傾向が強くなっている。しかしながら、自動販売機が設置されている全ての場所が、缶詰又は瓶詰め飲料個出し用として1つと、食品個出し用にもう1つ、という具合に複数の自動販売機を設置できる広さがあるわけではないことも認知されている。
【0005】
本発明の発明者の米国特許第6,006,945号には、缶詰清涼飲料販売用の構造を備えた機械から販売するための大きさと従来型の形状に作られた缶にスナック食品や非食料品を詰め込むことが記載されている。第945号特許には、スナック食品の大きさに作られた商品を容器から取り去ることができるようにした容器の構造が更に記載されている。第945号特許では、スナック品又は非食料品を提供するための手段が記載されているが、サンドイッチの様なもっと内容のある食品を、缶詰又は瓶詰飲料販売用の構造を備えた自動販売機から個出しできる大きさに作られた容器で提供できるようにする手段については検討されていない。また、1つの容器から複数の製品を個出しする手段も検討されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、当技術分野では、清涼飲料の様な缶詰又は瓶詰飲料を個出しできる大きさに作られた自動販売機から個出しできる容器詰めサンドイッチを提供できるようにして、消費者が食料品と飲料品の両方を同じ自動販売機から買えるようにし、これにより消費者に対して食料品選択の可能性を拡大できれば好都合である。また、食料品の組み合わせ又は食
料品と非食料品との組み合わせを、十分な食事となるほどの食品として消費者が1つの自動販売機から買えるようにする方式で包装された、容器詰め製品として提供できれば更に好都合である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、サンドイッチ又は同種の食料品の範疇に入る食料品の容器詰め製品が、清涼飲料、牛乳、ジュース、又は他の食用液体の様な、容器詰め飲料を販売するための構造を備えた自動販売機からの個出し用として提供されている。容器詰め食料品は、更に、チップス、ナッツ、クッキー、キャンディ、ヨーグルト、プディングの様なスナック品目の範疇に入る他の食料品と、又はスナック用としての他の各種製品と、又は非食料品目と、直列(tandem)配置包装品として組み合わせてもよい。
【0008】
本発明は、消費者が1台の自動販売機からもっと内容のある食料品を選択できるようにすることを目的としている。本発明の或る態様では、容器詰めサンドイッチ又はサンドイッチ類の製品は、同じ大きさの容器に入った液体飲料を個出しするための構造を備えた自動販売機から販売できる大きさ及び形状に作られている。即ち、例えば第1の実施形態では、サンドイッチ又はサンドイッチ状製品は、12オンス(約340g)アルミニウム缶に包装されており、12オンスアルミニウム缶の清涼飲料又は他の飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から個出しできるようになっている。
【0009】
同様の実施形態では、サンドイッチ又はサンドイッチ状製品は、20オンス(約567g)プラスチック瓶の様な瓶詰飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から個出しすることができる大きさ及び形状に作られた容器に包装されている。12オンスアルミニウム缶及び20オンスプラスチック瓶が、自動販売機で販売可能な清涼飲料及び他の飲料の現在のところ最も普及している容器の大きさ及び形状の二大代表であるが、サンドイッチ又はサンドイッチ状製品の容器の大きさと特定の形状は、本発明によれば、主に飲料販売用の構造を備えた機械から販売可能であれば、どの様な適した大きさ、形状、又は寸法でもよく、目的は1台の自動販売機から消費者に食料品と飲料を提供することである。
【0010】
更に、本発明によれば、異種の食料品同士、又は食料品と非食料品は、全体の大きさと寸法が、缶や瓶又は他の従来から知られている容器に入った清涼飲料の様な飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から個出しするのに適している、直列配置容器詰包装品として提供されている。例えば、直列配置容器は、サンドイッチ又はサンドイッチ状製品を入れることができる大きさに作られた主容器部分と、主容器部分に取り外し可能に固定され且つポテトチップ又はコーンチップ、ナッツ、クッキー、キャンディ、ヨーグルト、ゼリー、プディングなどの様な一人前サイズのスナック型製品を入れる大きさに作られた二次容器部分と、を備えた構造とすることができる。しかしながら、直列配置容器の全体の大きさと寸法は、一例として12オンスアルミニウム缶又は20オンス瓶の何れかに凡そ等しい。
【0011】
ここで説明している容器詰め食料品は、特に、消費者が1台の自動販売機から販売可能な多種多様な食料の選択肢を持てるように、液体飲料を個出しする構造を備えた自動販売機から販売することを目的に提供されている。しかしながら、従来から知られているように、そのような容器詰め製品は、厳密には自動販売機を介して市販される必要はなく、アルミニウム缶詰め飲料及びプラスチック又はガラス製の瓶に入った飲料が食料品店又は小売店の棚で市販されているのとほぼ同じように、小売店の棚から市販されてもよい。本発明は、そのような容器の販売だけに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】サンドイッチ製品が詰め込まれた従来の大きさの自動販売機用清涼飲料容器を備えている、本発明の第1の実施形態の一部仮想線による斜視図である。
【図2】従来の大きさの自動販売機用清涼飲料容器にサンドイッチとスナック製品が一緒に包装された、本発明の第2の実施形態の、部分破断斜視図である。
【図3】サンドイッチ製品とスナック製品を別々のユニットに包装し、それを合体させて、缶詰又は瓶詰清涼飲料販売用の構造を備えた従来の自動販売機から個出しできるようにした、本発明の第3の実施形態の分解斜視図である。
【図4】サンドイッチ製品とスナック製品が別々の容器に包装され、容器全体が自動販売機用20オンス清涼飲料容器とほぼ同じ大きさになっている、本発明の第4の実施形態の分解斜視図である。
【図5】飲料とスナック製品を1包装単位として組み合わせたものを示している、本発明の第3の実施形態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は、本発明を実施するに当たって現時点で考えられる最良の形態を示している。
図1は、容器12に入れられたサンドイッチ又はサンドイッチ状製品10を備えている本発明の第1の実施形態を示している。容器12は、一般には筒状部14であってよい食料品封入部13、筒状部14の一方の端を閉鎖している底部16、筒状部14の反対側の端を閉鎖している上部18を備えている。容器12の上部18には、上部18を筒状部14から取り外して容器12の内部22にアクセス(access)できるようにする開口機構20が設けることができる。しかしながら、以下に説明するように、他の開口機構を採用してもよい。
【0014】
図1に示すように、容器12は、12オンスアルミニウム飲料缶の形状寸法に近似している高さ寸法24と形状(即ち筒状)を有しているので、12オンス(約340g)アルミニウム飲料缶を販売する構造を備えた自動販売機に入れてそこから個出しする(dispense)のに適している。実際には、容器12は、アルミニウム製でもよいし、適していれば、プラスチック、厚紙、ブリキ、又は他の適した材料の様な、何か適当な材料で製作してもよい。なお、容器12は、容器及びその内容物の重量を同様の大きさ及び形状に作られた飲料缶の重量に近似させるために、重り要素(図示せず)を備えた構造にして、自動販売機から容易に販売できるようにしてもよい。
【0015】
ここで言う「サンドイッチ又はサンドイッチ状」製品は、一般に、パン又はパン状要素と、好ましくは、肉、チーズ、魚、野菜、ピーナッツバター、及びゼリーの様なあらゆる種類の詰め物、又はそれらの組み合わせとを備えているあらゆる種類の複合食品を示唆又は包含するものである。「サンドイッチ又はサンドイッチ状」製品という用語の使用は、2枚の食パンの間に詰め物を挟んだ従来から知られている種類のサンドイッチに限定されず、例えば、トルティーヤ(例えば、トルティーヤラップ(wrap))、ピタパン、バンズ、ベーグル、又は一般に詰め物を封入するのに適しているその他考えられるパン状材料又は代替物から作られた製品を含むものとする。
【0016】
しかしながら、サンドイッチ状製品は、ベーグルの様な必ずしも直接に詰め物を伴ってはいないパン状製品を含んでいてよい。本発明の容器詰め製品は、パン状製品と共に使用するための詰め物を提供することを意図しており、その場合、その様な詰め物が包装及び容器詰め過程でパン状製品に必ず直接接触しているか否かは問題ではない。従って、例えば、本発明の容器は1つ又はそれ以上のベーグルを備えたサンドイッチ状製品を含むことができ、後で説明するように、クリームチーズの様な詰め物は、別のユニットとして容器に入れて提供し、消費者が容器を開けてからベーグルの上に塗るようにしてもよい。
【0017】
一例として、図1に示すサンドイッチ製品10は、外側パン材料26と内側の詰め物28を備えている。サンドイッチ製品10は、容器12に入れるのに適していれば、どの様な方法で形成されていてもよい。例えば、サンドイッチ製品10は、詰め物(例えば、マヨネーズで和えたツナ)を筒状に成形された調理済みパン材料26内に配置して容器12の中に入れる、従来の方法で形成し、次いで従来より知られている方法で容器12を密閉してもよい。
【0018】
もしくは、サンドイッチ製品10は、調理済みの肉製品(例えば、ソーセージ)の様な詰め物28を未調理のパン状材料26(即ち、未調理又は一部調理済みのパン生地)内に配置して、詰め物28と未調理又は一部調理済みパン材料26とのこの組み合わせを加熱可能な容器12に入れて、容器12を密閉し、パン材料26を調理するのに十分な時間容器を加熱することにより、サンドイッチ製品10を製造してもよい。一例として、頃合いに料理された状態まで実質的に調理されたピタパンを事前成形して適切な大きさにしたものに、トマトソースのようなこってりとしたベースに挽いたソーセージを混ぜ合わせたものを詰める。詰め物をしたピタパン食を、ブリキ又は他の適当な金属又は合金で作られた容器に入れて、既知の方法で容器を密封する。次いで、ピタパンと詰め物が十分に調理さ
れて合体するまで、容器を350°F(約175℃)まで10分間加熱する。
【0019】
これまでに説明した種類のサンドイッチ製品は、そのまま容器12に入れてもよいし、又は容器12を密閉する前にプラスチック封包物(enclosure)のような包体(wrapper)に入れてもよい。サンドイッチ製品10を直接容器12に入れる場合は、容器の内側に適切な被覆を設けることが望ましいか又は必要である。食料品用容器を製造している業界の当業者であれば、その様な使用に適切な被覆の種類に関して知識が豊富であろう。
【0020】
これまでに説明したサンドイッチ製品は、製品回転率が高い交通量の多い地域での販売に適している所定の保存期間を有することが知られている。換言すると、その様なサンドイッチの保存期間は、使用される材料及びサンドイッチ製品の水分にもよるが約5日から凡そ3週間までである。一般に、水分が少ないと、製品の保存期間は長くなる。
【0021】
本発明に使用するのに最も適する製品は、ナティック研究開発工学センター(Natick Research Development and Engineering Center)において米軍により最近開発された低水分長期保存サンドイッチ製品である。長期保存サンドイッチ製品は、「機動性に優れた軍用食」を意味するMERCとして知られている。MERCは、保存期間を3年までにするために開発されたものであり、調理も他の準備も必要ないことから、機動性に優れ、素早く食べられる。MERCは、栄養豊富に且つ保存料を少なく又は一切使用せずに開発されている。代表的なMERCはどの様に作られるかについて、次の実施例で説明する。
実施例1
無菌室環境において、生肉製品(例えば、牛肉、鶏肉、豚肉、又は魚肉)を、サンドイッチに使用するのに望ましい大きさの小片にするが、ここで肉製品は既知の方法により随意的にマリネードに漬けてもよい。次いで、病原体を殺すのに十分な温度(即ち150°F(約65℃)から300°F(約147℃)の間)で肉製品を調理する。肉製品は、既知の方法で病原菌を調べる。次いで、随意的に、調理した肉を、病原体を殺すのに十分な温度(例えば、120°F(約48℃))に調理済みのバーべキューソースの様なソースと混ぜ合わせる。小麦粉、硫酸カルシウム、蔗糖エステル、グリセリン、カプセル化ソルビン酸、キサンタンガム、及びカプセル化ラクトンを含むパン生地成分を一体に混ぜ合わせて寝かせる。次に、パン生地を平らな矩形に成形して、そこにポケットを形成する。室温まで冷ました肉混合物をパン製品のポケットに入れて、できたサンドイッチを約1時間放置する。次いで、できたサンドイッチを内部温度が160°F(約70℃)から190°F(約87℃)の間になるまで焼く。次いで、包装してもよい温度である室温までサンドイッチを冷ます。
【0022】
上記実施例1により調製されたサンドイッチを、容器詰め飲料を販売する構造を備えている自動販売機から個出しすることができる大きさに作られた容器12(図1、図3、又は図4)に入れるのに適した寸法を有するように成形する。容器12を既知の方法で密封して、サンドイッチ製品10を容器12に封入する。
【0023】
図2に示す本発明の別の実施形態では、容器詰め飲料を販売する構造を備えている自動販売機から個出しするための容器12の寸法24(例えば、高さと円周)を維持しつつ、容器12に異種の食品類が詰め込まれている。この様に、一例ではあるが、容器12は、筒状部14、筒状部14を密封する底部16、及び、上部18を備えている。上部18は、その全部又は一部を筒状部14から分離させて容器12の内部22にアクセスできるようにするやり方で筒状部14に取り付けられている。上部18を筒状部14から取り外すために、開口機構20が設けられている。
【0024】
図2の実施形態では、サンドイッチ製品10は、容器12の全内部容積22よりも小さい容積内に収まる寸法に小さくされている。例えば、サンドイッチ製品10は、容器12の高さ24の3分の2を満たす大きさに作ることができる。この実施形態では、サンドイッチ製品10は、一例として、更に透明のプラスチック包体30に入れられたものとして示されている。しかしながら、先に指摘したように、サンドイッチ製品10は、最初に包体30に入れることをせずにそのまま容器内に入れるのが適当又は適切な場合もある。
【0025】
容器12には仕切り部材32を配置して、容器12の内部22を、異種の食品類を収納する2つの区画に分割している。仕切り部材32は、摩擦嵌合(friction fit)などで仕切り部が容器12内に確実に保持されるように、容器12の円周方向の寸法又は形状に近似した円周方向の寸法又は周辺形状を有しているのが好ましい。しかしながら、仕切り部材32は、適当な装置又は手段を用いたどの様な方法で所定の位置に保持されていてもよい。仕切り部材32は、例えば、使用者が仕切り部材32を容器12から取り外してサンドイッチ製品10にアクセスできるようにするプルタブ(図示せず)を備えた構成であってもよい。
【0026】
仕切り部材32は、別の食料品36を配置することができる第2区画34を提供する。図では、一例として、第2区画34にポテトチップが層状に詰め込まれている。しかしながら、第2区画34に入れられる食料品36は、限定するわけではないが、ナッツ、コーンチップ、プレッツェル、クッキー、キャンディ、ヨーグルト、プディング、又はゼリーなどを含め、適していればどの様な数の品目でもよい。食料品36は、図2に示すように、補助的に包むこと無く第2区画に入れてもよいし、専用の包体又は包装要素(例えば、プラスチック包体、紙コップ、プラスチックカップなど)に包装されていてもよい。
【0027】
使用時、消費者は、第2区画34の食料品36にアクセスするために設けられている開口機構20を使って、容器12の上部18を取り外す。次いで、仕切り部材32を取り外して、第1区画38のサンドイッチ製品10にアクセスする。サンドイッチ製品10を上部18に近いほうの区画に入れて、他方の食料品36を容器12の底部16に隣接している区画に入れ、消費者が最初にサンドイッチ製品10にアクセスし、次いで他方の食料品36にアクセスすることができるようにすることも等しく適切である。
【0028】
なお、ここで、図面に示している開口機構20は、引き揚げて引っぱると金属の上部18が金属の筒状部14から裂けて上部18を容器12から取り外すことのできる、従来から知られている金属製のプルタブとして示されていることを指摘しておく。この型式の開口機構は、例示にすぎない。上部18を構成し、上部18を容器12から取り外して内部22にアクセスできるようにするのに、他にも既知の各種装置を採用することができ、限定するわけではないが、可撓性を備えた箔(foil)のプルタブを有する箔上部、容器12の外周又は周辺上部を取り巻いて密封するプラスチックの蓋、上部18を筒状部14の上縁に対して密閉する紙又はプラスチックのプルストリング(pull string)又はリボンなどが挙げられる。採用される上部18の型式及び開口機構は、図示のものに限定されない。
【0029】
更に図1の仮想線に示すように、容器12には、容器12の筒状部14を裂いて、筒状部14を容器12の上部18と底部16から部分的又は全体的に切り離して、容器12の内部22にアクセスできるようにするプルタブを備えた開口機構39が設けられていてもよい。この様な開口機構は、厚紙、プラスチック、及び軽量アルミニウムを含め、容器12の製造材料となる各種材料に設けることができる。少なくとも2つの区画を並べて配置した容器でも同様の開口機構39を採用することができ、その場合には、筒状部14が裂かれると、容器を二枚貝のように開くことができるようになる。
【0030】
図3に示す、本発明の更に別の実施形態では、分離可能な区画40、42を、容器12全体が1つのユニットとして販売されるように一体に接合して成る容器12が提供されている。この様に、分離可能な区画40、42のそれぞれの高さ寸法44、46を組み合わせた全高は、その様な大きさ及び寸法の飲料容器を個出しする構造を備えた自動販売機から販売することのできる飲料容器詰め飲料の寸法に近似している。
【0031】
図3に示す容器12は、第2区画42と面積が等しいか、又は図3に示すように第2区画よりも面積が小さい、第1区画40を備えている。第1区画40は、筒状部48、底部50、及び開口機構54によって筒状部48から切り離すことのできる上部52、を備えている。第1区画には、第2区画42に入っている食料品58とは異なる食料品56が入っている。同じく、第2区画42は、筒状部60、底部62、及び開口機構66によって筒状部60から切り離すことのできる上部64、を備えている。区画40、42は、それぞれ先に説明したような異なる開口機構を備えた構造であってもよいことを指摘しておく。
【0032】
第1区画40は、例えば、第1区画40と第2区画42に押しつけられる向きに配置された接着面70を有する紙又はプラスチックリボンタブ68の様な何らかの適した手段で、第2区画42に分離可能に接合されている。リボンタブ68は、図示のように第1区画40と第2区画42の両方に接触する大きさに作られており、構造体を一体に接合する。リボンタブ68を区画40、42の円周部付近から剥がすと、2つの区画40、42は互いから分離して、それぞれの内容物にそれぞれの開口機構54、66を通してアクセスされる。リボンタブ68は、2つの区画40、42の外周回りに装着するものとして描かれているが、接着性リボンタブ68は、両区画40、42に対して長手方向に走らせてもよいし、2つ以上のリボンタブ68が両区画40、42に接触するように設けられてもよい。他の適切な装置を使用して、第1区画40を第2区画42に切り離し可能なやり方で接続してもよい。
【0033】
図4と図5は、清涼飲料(代表的には分量20オンス(約567g))を自動販売機から個出しするのに現在広く普及しているガラス又はプラスチック瓶の大きさと寸法に概ね近似する構造を備えた代わりの実施形態の容器80を示している。図示の容器80は、ガラス又はプラスチック瓶の容器を個出しする構造を備えた自動販売機からそのような瓶と共に販売することのできる、サンドイッチ製品を含む食料品を入れる構造に作られている。従って、消費者は、1台の自動販売機から、飲料と非飲料食料品の両方を選択することができる。
【0034】
図示の実施形態の容器80は、概略、厳密には筒状ではなく軸方向断面(即ち、容器80の長軸を通る断面)が考えられるあらゆる形状又は寸法を有する食料品封入部13を備えている。一例として示しているように、容器80は概ね砂時計状の形状をしている。この実施形態では、容器80は、壁部84、閉鎖された底部86、開口した上部88を有する主食料品封入部82を備えており、これら壁部84、底部86及び上部88の全てによって、図4ではサンドイッチ状製品10として示される食料品92を受け入れることができる大きさの内部空間90が画定されている。
【0035】
容器80は、さらに、何らかの適切なやり方で主食料品封入区画82に固定可能な蓋94を備えている。例えば、主食料品封入区画82は、ねじが切られた頸部領域(neck
region)96を有し、蓋94は、上記ねじ部に噛み合うねじが切られた帯領域98を有しており、蓋94を主食料品封入区画82に対してねじ込んだり外したりできるようになっている。蓋94は、例えばサンドイッチ状製品10が主食料品封入区画82に配置されたときに、サンドイッチ状製品10が蓋94の空間内に広がって、サンドイッチ状製品10を容器80から取り出し易くすることができる様に、中空の空間を備えている。
【0036】
或いは、図4に示すように、蓋94は、例えば取り外し可能な仕切り部材102によって主食料品封入区画82から分離可能にされた内部空間100を有してもよい。この様に、蓋94の内部空間100は、異種の食料品104を中に保持するための、容器80の別区画として採用してもよい。一例として示すと、蓋94の中に入れられた食料品104は、積み重ねたポテトチップである。しかしながら、異種の食料品104は、先に説明した食料品目の内の何れであってもよく、限定するわけではないが、風味のよいスナック製品、ナッツ、ポテト又はコーンチップ、プレッツェル、クッキー、クラッカー、キャンディ、ゼリー状のデザート、クリームチーズなどの乳製品ベースのデザート又は香辛料を挙げることができる。
【0037】
図5は、本発明の別の実施形態を示しており、この実施形態では、容器80の主食料品封入区画82にはミルクの様な液体飲料製品が充填されているが、考えられるあらゆる飲料製品を使用することができる。蓋94の内部空間100は、仕切り部材102によって主食料品封入区画82から分離されており、ここには異種の食料品104、図示の実施例ではクッキー、が充填されている。この様に、容器詰め飲料及び主には清涼飲料を個出しする自動販売機から、消費者は、一例として、ミルクとクッキーの容器詰めを選択して購入することができる。
【0038】
ここで使用する「異種の食料品」という用語は、食料品が同一でない(例えば、両方共がピーナッツというわけではない)という意味を含むことを意図するものである。しかしながら、「異種の食料品」には、類似の性質、特徴、種類、食品群、又は他の区別できる項目に属する食料(液体を含む)も含まれる。例えば、ここに説明した容器の別々の区画は、共にナッツが入っていてもよいが、一方の区画には他方の区画とは異なる種類のナッツが入っている(例えば、ピーナッツとカシューナッツ)。同様に、各区画には、スナック食料として特徴付けられるが異なる性質の2つの品目、例えばポテトチップとコーンチップが入っていてもよいし、味を付けてないポテトチップが一方の区画に、風味の付いたポテトチップが他方の区画に入っていてもよい。
【0039】
同様に、両区画は共に液体が入っていてもよいが、種類や性質が異なる液体であってよい(例えば、一方の区画にはミルク、他方の区画にはソーダ、又は、一方の区画には或る量のアルコール、他方の区画には混ぜ合わせるものを入れて、カクテルができるようにする)。また、本発明は、飲料を販売する構造を備えた自動販売機から個出しできる大きさと寸法に作られた1つの容器に、食料品と非食料品の両方を入れたものを個出しすることを含んでいる。一例を挙げると、一方の区画にはキャラメルポップコーンの様なスナック製品が入っており、他方の区画には景品が入っている。
【0040】
本発明の容器では、一方の区画には食料品を詰め、他方の区画はこの食料品を食べるための台所用具又は他の品物を入れることができる寸法に作ってもよい。また、容器の両区画に、共に、異種の非食料又は非食料品が入っていてもよい(例えば、一方の区画にはシャンプー、他方の区画にはコンディショナー、又は、一方の区画にはトランプ、他方の区画にはプレイ用のチップ)。ここで言う「非食料」又は「非食料品」製品又は品目は、個人に対して実用性があるものであって、容器や景品通知装置(prize notification device)などを販売するのを助けるために容器内に配置される重りのような非実用的な品目は含まないものとする。
【0041】
なお、ここで説明し図示した容器は、2つの分離された区画を備えていることも指摘しておく。しかしながら、容器全体が容器詰め飲料を販売する構造を備えた自動販売機から個出しされる大きさと形状に作られている限り、1つの容器に3つ以上の区画を設けることも、本発明の範囲内に含まれる。
【0042】
本発明は、消費者に多様な食料品、又は食料品や非食料品を、1台の自動販売機、即ち容器詰め飲料を販売する構造を備えた自動販売機から提供することを主な目的としている。しかしながら、本発明のもう1つの目的は、小売店又は食料品店の棚からも入手できる、1つ又はそれ以上の食料品を容器入りで提供するための、手軽で便宜的な手段を提供して、消費者が、例えばピクニック、キャンプ、ハイキング、又は遠出の様な屋外活動のために包装された容器詰め食料品を購入できるようにすることである。従って、当業者には理解できるように、各種食料品を保持し、その様な容器からの食料品にアクセスするための、ここに説明し図示した各容器に対して変更を加えることができる。従って、ここで説明し図示した容器又は方法に対して行った言及は、一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせであって、
容器詰め飲料を販売する構造を備えた自動販売機から個出しされる大きさと形状に作られた自動販売機で販売可能な容器であって、食料品封入部と、上部と、底部と、前記食料品封入部の内部にアクセスするための開口機構とを有する容器と、
前記容器内に入れられた少なくとも2つの異種の食料品と、を備えている、自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項2】
前記自動販売機で販売可能な容器は、複数の分離された区画を備えており、前記分離された区画は、それぞれ、異種の食料品を入れておくことができる大きさに作られている、請求項1に記載の自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項3】
前記自動販売機で販売可能な容器は、可動仕切り部材によって複数の区画に分離されている1つの食料品封入部を備えている、請求項2に記載の自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項4】
前記自動販売機で販売可能な容器は、複数の分離可能な区画を備えており、前記区画の各々は、食料品封入部と、底部と、前記区画の各々の内部にアクセスするための開口機構とを備えている、請求項2に記載の自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項5】
前記異種の食料品の少なくとも1つは飲料であり、もう1つはクッキーである、請求項4に記載の自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項6】
前記異種の食料品の少なくとも1つは飲料である、請求項1に記載の自動販売機で販売可能な食料品の組み合わせ。
【請求項7】
自動販売機で販売可能な容器に入っている食料品の組み合わせを、容器詰め飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から個出しするための方法であって、
容器詰め飲料を販売する構造を備えた自動販売機から個出しされる大きさと形状に作られた自動販売機で販売可能な容器であって、食料品封入部、上部、底部、及び前記食料品封入部の内部にアクセスするための開口機構、を有する容器を用意する工程と、
前記自動販売機で販売可能な容器に少なくとも2つの異種の食料品を詰め込む工程と、
前記少なくとも2つの異種の食料品を詰め込んだ自動販売機で販売可能な容器を、容器詰め飲料を販売するための構造を備えた自動販売機に入れる工程と、
自動販売機から販売する際に、消費者が少なくとも2つの異種の食料品を詰め込んだ自動販売機で販売可能な容器を選択することができるようにする選択機構を提供する工程と、を備える方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つの異種の食料品の一方は飲料であり、前記少なくとも2つの異種の食料品のもう一方は非飲料である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
自動販売機で販売可能な製品の組み合わせであって、
容器詰め飲料を販売するための構造を備えた自動販売機から個出しされる大きさと形状に作られた自動販売機で販売可能な容器であって、食料品封入部と、上部と、底部と、前記食料品封入部の内部にアクセスするための開口機構とを有する容器と、
前記容器内に入れられた少なくとも2つの異種の製品と、を備えている、自動販売機で販売可能な製品の組み合わせ。
【請求項10】
前記少なくとも2つの異種の製品の一方は食料品である、請求項9に記載の自動販売機で販売可能な製品の組み合わせ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの異種の製品の一方は非食料品である、請求項10に記載の自動販売機で販売可能な製品の組み合わせ。
【請求項12】
前記少なくとも2つの異種の製品は、両方共、実用的な非食料品である、請求項9に記載の自動販売機で販売可能な製品の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−216108(P2011−216108A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151009(P2011−151009)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【分割の表示】特願2007−505118(P2007−505118)の分割
【原出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(506320406)キャンドウィッチ・フード・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】