説明

自動販売機用フロントカバーおよび取付方法

【課題】本発明は、自動販売機100の外扉100aに容易に着脱することができる自動販売機用フロントカバーとその取付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】片端のヒンジ107により開閉可能な外扉100aの正面に装着される自動販売機用フロントカバーであって、前記外扉100aの前記ヒンジ107近傍の上面と下面を挟み込むように取り付けられる連結金具104と、前記外扉100aの開閉側の側面上端に取り付けられる側面上端金具140と、外扉100a開閉側の側面に取り付けられる1つ以上の側面金具150と、前記連結金具104、前記側面上端金具140、前記側面金具150に固定する左固定部101aと右固定部101bを有するフロントカバー101とを備えた自動販売機用フロントカバーであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば飲料水などを販売する自動販売機の外扉を装飾するような自動販売機用フロントカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ジュースなどの飲料やタバコなどをはじめ様々な商品を手軽に購入できる自動販売機は、その利便性の高さから様々な場所に数多く設置されている。
【0003】
一方で自動販売機は、企業にとって外観に施した塗装や装飾で新商品などをアピールする広告としての役割もある。ところが、一旦、自動販売機が設置されると、外観に施した塗装などは、時間とともにデザイン的にも古くなり、さらに商品サイクルに合わせて変更することが容易ではなかった。
【0004】
そこで商品などの入替わりに伴い自由に変更することができ、インパクトのある装飾などができる着脱可能なフロントカバーがいくつか提案されている(特許文献1参照および特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1では、自動販売機の外扉正面を覆う大きさで接着剤や両面粘着テープにて自動販売機の外扉に取り付けるフロントカバーが提案されている。また、特許文献2では、商品選択ボタンなどを備え、この電気情報等の授受と位置決めと固定とを兼ねた連結手段で自動販売機に取り付けるフロントカバーが提案されている。
【0006】
しかし、特許文献1では、フロントカバーを固定できる強度を有した接着剤や両面粘着テープなどを自動販売機に複数箇所に貼り付ける必要があり、フロントカバー交換の際、自動販売機の外扉に残った接着剤などを清掃する手間や自動販売機の塗装が剥げるなどの問題点がある。
【0007】
また、特許文献2では、フロントカバーに商品選択ボタンや電気情報等の授受する機能が備わっており、フロントカバーが重くかつ交換コストが高くつくという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−65792号公報
【特許文献2】特許第3887831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑み、自動販売機の外扉に容易に着脱することができる自動販売機用フロントカバーとその取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、片端のヒンジにより開閉可能な自動販売機の外扉の正面に装着される自動販売機用フロントカバーであって、前記外扉の前記ヒンジ近傍の上面と下面を挟み込むように取り付けられる連結具と、前記外扉の開閉側の側面上端に取り付けられる側面上端取付具と、外扉の開閉側の側面に取り付けられる1つ以上の側面取付具と、前記連結具、前記側面上端取付具、前記側面取付具に固定する固定部を有するフロントカバー本体とを備えた自動販売機用フロントカバーであることを特徴とする。
【0011】
この発明により、フロントカバー本体は、自動販売機の外扉に加工することなく容易に着脱することができる。また、外扉の開閉を妨げずに外扉正面のほぼ全面の大きさのフロントカバー本体を取り付けることができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記連結具は、前記外扉の上面における前記ヒンジ近傍に取り付けられる上部取付具と、前記上部取付具に連結して前記上部取付具の下方位置の外扉下面に取り付けられる下部取付具とで構成され、前記上部取付具と前記下部取付具を連結する前記上部取付具側の連結部と前記下部取付具側の連結部を略垂直方向に連結して互いに近づく方向へ引きつけて固定する固定手段を備えることができる。
【0013】
固定手段は、前記連結部間を締上げることができるネジあるいはボルトなどとする。
【0014】
これにより、連結部間を固定手段で固定すると、各連結部の剛性のより連結部が撓みながら前記連結部間が締上げられ、前記連結具は、自動販売機に緩みなく固定することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記上部取付具と前記下部取付具と前記側面取付具は、外扉の背面に引っ掛けて取り付けるフック部を備えることができる。
【0016】
これにより、前記上部取付具と前記下部取付具と前記側面取付具は、容易に外れないように外扉にしっかり固定できる。このため、外扉の開閉時に外れることなく商品補充やメンテナンスを容易に行える。
【0017】
またこの発明の態様として、前記側面上端取付具は、外扉の側面上端に引っ掛けて取り付けるフック部を備えることができる。
【0018】
これにより、フロントカバー本体の外扉の開閉側は、上端の位置決めをすることができ、かつ自重により下方にズレたり落下することを防止することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記フロントカバー本体は、前記フロントカバー本体の左右両側面に固定部を備えることができる。
【0020】
これにより、フロントカバー本体の固定は、横方向から行うことができ着脱作業が容易になる。また、フロントカバー本体は、固定箇所のないフロントカバー本体上部を活かしたインパクトのある装飾をすることができる。
【0021】
この発明は、片端のヒンジにより開閉可能な自動販売機の外扉の正面に装着される自動販売機用フロントカバーであって、連結具を前記外扉の前記ヒンジ近傍の上面と下面を挟み込むように取り付け、側面上端取付具を前記外扉の開閉側の側面上端に取り付け、1つ以上の側面取付具を外扉の開閉側の側面に取り付けて、フロントカバー本体の固定部を前記連結具、前記側面上端取付具、前記側面取付具に固定する自動販売機用フロントカバー取付方法であることを特徴とする。
【0022】
この発明により、作業者は、フロントカバー本体を自動販売機に一人でも容易に取り付けることができる。
【0023】
さらに、フロントカバー本体を交換する場合、連結具や各取付具がそのまま継続して使用できることにより、フロントカバー本体の交換にかかるパーツコストが安価で済む。また、交換前後のフロントカバー本体の横幅が同一であれば連結具の位置調整などが不要であり、フロントカバー本体の交換にかかる時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、自動販売機の外扉に容易に着脱することができる自動販売機用フロントカバーとその取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】各金具の取付状態を示す斜視図。
【図2】外扉の開放状態を示す平面図。
【図3】上部金具および下部金具の上端の外観を示す斜視図。
【図4】下部金具の下端の外観を示す斜視図。
【図5】側面上端金具と側面金具の外観を示す斜視図。
【図6】上部金具と下部金具の取付状態を示す右断面図。
【図7】下部金具とフロントカバーの取付状態を示す平面断面図。
【図8】側面上端金具の側面上端フックの取付状態を示す正面断面図。
【図9】側面上端金具とフロントカバーの取付状態を示す平面断面図。
【図10】側面金具とフロントカバーの取付状態を示す平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、各金具104、140、150の取付状態を示す斜視図であり、図2は、外扉100aの開放状態を示す平面図である。
【0028】
図1に示すように、フロントカバー101は、自動販売機100における外扉100aの正面左端寄りに取り付けた連結金具104と、右側面上端に取り付けた側面上端金具140と、右側面に取り付けた側面金具150とを介して自動販売機100に固定される。
【0029】
自動販売機100は、略箱形状で内部に飲料などの商品が収納されている本体100bと、本体100bの左端正面近傍に設けた略垂直軸のヒンジ107と、本体100bの正面と同じ大きさで左端近傍をヒンジ107に接続した外扉100aとで構成される。
【0030】
このヒンジ107は、本体100bの正面左端より少し本体100bの中央寄りに設けられている。
【0031】
外扉100aは、外扉100aの上部から商品サンプルの陳列棚と陳列した商品に対応する商品選択ボタンとを備えた商品展示窓部108と、その下に紙幣や硬貨を投入する貨幣投入口109と、外扉100aの開閉を施錠する施錠部110と、その下に購入した商品を取り出す商品取出口111と、お釣りの硬貨を受取る硬貨返却口112とで構成される。
【0032】
連結金具104は、外扉100aのヒンジ107近傍の上面と下面を挟み込むように取り付けた上部金具120と下部金具130とで構成される。
【0033】
側面上端金具140は、外扉100aの右側面上端に取り付けられ、前端にフロントカバー101が固定される。
【0034】
側面金具150は、外扉100aの右側面に略鉛直方向に等間隔に取り付けられ、前端にフロントカバー101が固定される。
【0035】
フロントカバー101は、アクリルなどの樹脂部材により略長方形に形成され、外扉100aの商品展示窓部108と、貨幣投入口109と、施錠部110と、商品取出口111と、硬貨返却口112に対応する位置に開口を設けている。また、フロントカバー101の左側面には下部金具130に固定する左固定部101aを設けて、右側面には側面上端金具140と側面金具150に固定する右固定部101bを設けている。なお、フロントカバー101の背面には、商品展示窓部108に対応する開口の下部と、商品取出口111に対応する開口の上部に両面粘着テープ113が貼り付けられている。
【0036】
さらに、図2に示すように、フロントカバー101は、外扉100aの全開時に本体100bの左側面と干渉しないよう外扉100aより横幅を小さくし、フロントカバー101の左側面が外扉100aのヒンジ107より外扉100aの中央寄りになる大きさに形成されている。なお、フロントカバー101の右側面は、外扉100aと右側面とほぼ同一面上で固定されている。
【0037】
これにより、外扉100aの開閉を妨げることがなく、商品の補充やメンテナンスを行うことができる。また、自動販売機100に隣接するほかの自動販売機や自動販売機100の周囲を覆うように設置された化粧パネルなどにも干渉しないようにすることができる。
【0038】
次に、図3〜図4を用いて連結金具104について説明する。図3は、上部金具120および下部金具130の上端の外観を示す斜視図であり、図4は、下部金具130の下端の外観を示す斜視図である。
【0039】
図3に示すように、上部金具120は、板状の金属部材を屈曲加工して形成されており、主に外扉100aの上面に当接する上部フック121と、主に外扉100aの正面に当接する上部連結部122とが直角に連なる形状に形成されている。
【0040】
上部フック121は、外扉100aの上面に略水平に載置されて外扉100aの上面の厚みと同程度の奥行きを有する上面載置部121aと、上面載置部121aの後方で略直角に下方へ屈曲した上部背面掛止部121bとが設けられている。
【0041】
上部連結部122は、上面載置部121aの前端から鉛直下方へ屈曲した上部正面当接部122aと、上部正面当接部122aの左右両端からそれぞれ前方へ略直角に屈曲した鉛直な2つの上部側壁部122bと、上部正面当接部122aの下端から前方へ略直角に屈曲した上部水平板部122cと、上部水平板部122cの前端から鉛直下方へ屈曲した垂直部122eとが設けられている。なお、上部水平板部122cには、ネジ114を鉛直方向に挿通するネジ孔122dが設けられている。
【0042】
垂直部122eの正面には、板状の金属部材を屈曲加工して形成された接続ガイド123が固定されている。この接続ガイド123は、垂直部122eより上下方向に長く垂直部122eの正面に溶着される正面ガイド部123aと、正面ガイド部123aの左右両端からそれぞれ後方へ略直角に屈曲した2つの側方ガイド部123bとで形成されている。
【0043】
また、下部金具130は、板状の金属部材を屈曲加工して形成されており、主に接続ガイド123に当接する下部連結部131と、主に外扉100aの正面に当接する下部固定部132とが直角に連なる形状に形成され、さらに、図4に示すように、主に外扉100aの下面に当接する下部フック133が下部固定部132の下端と直角に連なる形状に形成されている。
【0044】
下部連結部131は、垂直部122eと同幅で接続ガイド123の正面ガイド部123aに当接して緩挿する起立部131aと、起立部131aの下端から後方へ略直角に屈曲した下部水平板部131bとが設けられている。なお、下部水平板部131bには、ネジ114を鉛直方向に係止するネジ孔131cが設けられている。
【0045】
下部固定部132は、下部水平板部131bの後端から略鉛直下方方向に屈曲し外扉100aの下端まで延びた下部正面当接部132aと、下部正面当接部132aの左右両端から前方に略直角に屈曲した2つの下部側壁部132bとが設けられている。なお、下部側壁部132bの左側には、略水平方向からフロントカバー101を固定するネジ孔132cが略垂直方向に等間隔に4箇所設けられている。
【0046】
また、図4に示すように、下部フック133は、下部正面当接部132aの下端から後方へ略直角に屈曲し、外扉100aの下面の厚みと同程度の奥行きを有する下部平面部133aと、下部平面部133aの後端から上方へ略直角に屈曲した下部背面掛止部133bとが設けられている。
【0047】
次に、図5を用いて側面上端金具140と、側面金具150について説明する。図5の(A)は、側面上端金具140を示す斜視図であり、図5の(B)は、側面金具150の外観を示す斜視図である。
【0048】
図5の(A)に示すように、側面上端金具140は、板状の金属部材を屈曲加工して形成され、主に外扉100aの側面上端に当接する側面上端フック141と、主に外扉100aの側面に当接する側面当接部142とが直角に連なる形状に形成されている。さらに、主に外扉100aの背面に当接する背面掛止部143が側面当接部142の後端に直角に連なる形状に形成され、また、フロントカバー101を挟持して固定する挟持部144が側面当接部142の前端に形成されている。
【0049】
背面掛止部143は、外扉100aの背面に略鉛直に当接し、外扉100aの背面の凸幅とほぼ同じ横幅を有している。
【0050】
側面当接部142は、背面掛止部143の右端から略直角に前方へ屈曲し外扉100aの側面の厚みと同程度の奥行きを有する。
【0051】
側面上端フック141は、側面当接部142の上端から略直角に左方向へ屈曲し外扉100aの上面に略水平に載置されて外扉100aの厚みより奥行きが小さく、かつ外扉100aの側面上端部にかかる程度の横幅を有する上端載置部141aと、上端載置部141aの左端から略鉛直下方へ屈曲した上端掛止部141bとが設けられている。
【0052】
挟持部144は、側面当接部142の前端から前方に延びる金属部材を上下方向に3分割して3つの短冊状の部材に形成されている。さらに、挟持部144は、中央の部材が側面当接部142の前端からフロントカバー101の板厚とほぼ同じ横幅で右方向に略L字に突設した側面固定部144aと、側面固定部144aの上下部材が上下部材の奥行き中央付近で左方向に緩やかに略L字に突設した2つの保持部144bとで形成されている。なお、側面固定部144aには、略水平方向からネジ116(図9参照)を挿入してフロントカバー101を固定するネジ孔144cが設けられている。
【0053】
また、図5の(B)に示すように、側面金具150は、板状の金属部材を屈曲加工して形成され、主に外扉100aの背面に当接する側面フック151と、主に外扉100aの側面に当接する側面当接部152とが直角に連なる形状に形成され、さらにフロントカバー101を挟持して固定する挟持部153が側面当接部152の前端に連なる形状に形成されている。
【0054】
側面フック151は、外扉100aの背面に略鉛直に当接し、外扉100aの背面の凸の幅とほぼ同じ横幅を有する背面当接部151aと、背面当接部151aの左端から略直角に前方へ屈曲した背面掛止部151bとが設けられている。
【0055】
側面当接部152は、背面当接部151aの右端から略直角に前方へ屈曲し外扉100aの厚みと同程度の奥行きを有する。
【0056】
挟持部153は、側面当接部152の前端から前方に延びる金属部材を上下方向に3分割して3つの短冊状の部材に形成されている。さらに、挟持部153は、中央の部材が側面当接部152の前端からフロントカバー101の板厚とほぼ同じ横幅で右方向に略L字に突設した側面固定部153aと、側面固定部153aの上下部材が上下部材の奥行き中央付近で左方向に緩やかに略L字に突設した2つの保持部153bとで形成されている。なお、側面固定部153aには、略水平方向からネジ116(図10参照)を挿入してフロントカバー101を固定するネジ孔153cが設けられている。
【0057】
このような構成のフロントカバー101の取付構造において、図6〜図10を用いて、フロントカバー101の取付方法について説明する。
【0058】
図6は、上部金具120と下部金具130の取付状態を示す右断面図であり、図7は、下部金具130とフロントカバー101の取付状態を示す平面断面図であり、図8は、側面上端金具140の側面上端フック141の取付状態を示す正面断面図であり、図9は、側面上端金具140とフロントカバー101の取付状態を示す平面断面図であり、図10は、側面金具150とフロントカバー101の取付状態を示す平面断面図である。
【0059】
図6に示すように、上部金具120は、外扉100aの上面に上部フック121を引っ掛けて取り付ける。このとき上部金具120は、外扉100aの開放側である右端を基準にフロントカバー101の横幅に合わせて取付位置を決定する。
【0060】
さらに下部金具130は、起立部131aを接続ガイド123に差し込みながら、上部金具120の下方位置の外扉100aの下面に下部フック133を引っ掛けて取り付ける。そして、上部連結部122と下部連結部131とをネジ114で仮締めする。
【0061】
次に、連結金具104がフロントカバー101内に収まるようにフロントカバー101を被せ、下部側壁部132bの左側外面がフロントカバー101の左内側面に当接するように連結金具104の横方向の位置を微調整する。このとき、フロントカバー101の右側面が外扉100aの右側面とほぼ同一平面であることを確認する。その後、一旦フロントカバー101を外して、上部金具120と下部金具130とをネジ114で本締めする。
【0062】
これにより、連結金具104は、横方向に自在に位置を調整することができ、かつ外扉100aに加工することなく外扉100aに固定することができる。さらに、離間している上部水平板部122cと下部水平板部131bとをネジ114で締上げることにより、上部金具120と下部金具130とが略垂直方向に連結して互いに近づく方向に引きつけて外扉100aを挟持することで、連結金具104は、ガタつくことなくしっかりと外扉100aに固定される。
【0063】
次に、フロントカバー101の両面粘着テープ113(図1参照)を剥がして、外扉100aに被せる。さらに、図7に示すように、フロントカバー101の左固定部101aと下部側壁部132bの左側壁とをネジ115で固定する。
【0064】
次に、図8に示すように、外扉100aの背面から差し込むようにして外扉100aの側面上端に側面上端金具140の側面上端フック141を引っ掛ける。このとき、図9に示すように、側面上端金具140の側面固定部144aと保持部144bとの間に、フロントカバー101の右側面上端を挟み込みながら、側面上端金具140の背面掛止部143が外扉100aの背面に当接するまで側面上端金具140を差し込む。その後、フロントカバー101の右固定部101bと側面固定部144aとをネジ116で固定する。
【0065】
これにより、フロントカバー101は、外扉100aの右上端の位置が決定し、自重で下方にズレ落ちることを防止できる。
【0066】
次に、図10に示すように、側面フック151が外扉100aの背面に引っ掛るように側面金具150を外扉100aの背面から差し込む。このとき、側面固定部153aと保持部153bとの間にフロントカバー101の右側面を挟み込みながら、背面当接部151aが外扉100aの背面に当接するまで側面金具150を差し込む。その後、フロントカバー101の右固定部101bと側面固定部153aとをネジ116で固定して、フロントカバー101を外扉100aに固定する作業を完了する。
【0067】
このようにして、フロントカバー101は、自動販売機100の外扉100aに加工をほどこすことなく容易に取り付けることができる。また、作業者がフロントカバー101を自動販売機100の外扉100aに一人でも容易に取り付けることができる取付方法を実現できる。
【0068】
また、外扉100aの開閉を妨げずに外扉100aにおける正面のほぼ全面の大きさのフロントカバー101を取り付けることができる。さらに、フロントカバー101の固定を横方向から行うことにより、フロントカバー101は、着脱作業が容易になり、かつ固定箇所のないフロントカバー101の上部を活かしたインパクトのある装飾をすることもできる。
【0069】
また、上部金具120の上部フック121と、下部金具130の下部フック133と、側面金具150の側面フック151により、上部金具120と下部金具130と側面金具150は、容易に外れないように外扉100aにしっかり固定できる。このため、外扉100aの開閉時に外れることなく商品補充やメンテナンスを容易に行える。
【0070】
また、フロントカバー101を交換する際、各金具は、そのまま継続して使用することができる。さらに、フロントカバー101の横幅が同一であれば、連結金具104の位置調整が不要である。従って、フロントカバー101の交換にかかるパーツコストや工数を短縮することができる。
【0071】
なお、本実施例では両面粘着テープ113を使用したが、フロントカバー101の固定は、下部金具130、側面上端金具140および側面金具150にネジ115、116にて固定しているので、両面粘着テープ113ではなく外扉100aの傷付き防止にクッション部材や緩衝ゴム部材、あるいはマグネットなどを使用してもよい。
【0072】
また、外扉100aの傷付き防止の為、各金具の外扉100aとの当接面に、例えば、ウレタンゴムやスポンジゴム等のクッション部材を貼り付けてもよい。
【0073】
また、フロントカバー101は、下部金具130、側面上端金具140および側面金具150にネジ115、116で固定するのではなく、例えば、自動車の内外装品の固定に使用されるようなアンカークリップで固定してもよい。
【0074】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の自動販売機の外扉は、実施形態の外扉100aに対応し、
以下同様に、
フロントカバー本体は、フロントカバー101に対応し、
固定部は、左固定部101a、右固定部101bに対応し、
連結具は、連結金具104に対応し、
固定手段は、ネジ114に対応し、
上部取付具は、上部金具120に対応し、
下部取付具は、下部金具130に対応し、
上部取付具側連結部は、上部連結部122に対応し、
下部取付具側連結部は、下部連結部131に対応し、
側面上端取付具は、側面上端金具140に対応し、
側面取付具は、側面金具150に対応し、
外扉の背面に引っ掛けて取り付けるフック部は、上部フック121、下部フック133、側面フック151に対応し、
外扉の側面上端に引っ掛けて取り付けるフック部は、側面上端フック141に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
この発明は、飲料水など商品を陳列して販売する自動販売機のフロントカバーに適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
100…自動販売機
100a…外扉
101…フロントカバー
101a…左固定部
101b…右固定部
104…連結金具
107…ヒンジ
114…ネジ
120…上部金具
121…上部フック
122…上部連結部
130…下部金具
131…下部連結部
133…下部フック
140…側面上端金具
141…側面上端フック
150…側面金具
151…側面フック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
片端のヒンジにより開閉可能な自動販売機の外扉の正面に装着される自動販売機用フロントカバーであって、
前記外扉の前記ヒンジ近傍の上面と下面を挟み込むように取り付けられる連結具と、
前記外扉の開閉側の側面上端に取り付けられる側面上端取付具と、
外扉の開閉側の側面に取り付けられる1つ以上の側面取付具と、
前記連結具、前記側面上端取付具、前記側面取付具に固定する固定部を有するフロントカバー本体とを備えた
自動販売機用フロントカバー。
【請求項2】
前記連結具は、
前記外扉の上面における前記ヒンジ近傍に取り付けられる上部取付具と、
前記上部取付具に連結して前記上部取付具の下方位置の外扉下面に取り付けられる下部取付具とで構成され、
前記上部取付具と前記下部取付具を連結する前記上部取付具側の連結部と前記下部取付具側の連結部を略垂直方向に連結して互いに近づく方向へ引きつけて固定する固定手段を備えた
請求項1に記載の自動販売機用フロントカバー。
【請求項3】
前記上部取付具と前記下部取付具と前記側面取付具は、
外扉の背面に引っ掛けて取り付けるフック部を備えた
請求項1または請求項2に記載の自動販売機用フロントカバー。
【請求項4】
前記側面上端取付具は、
外扉の側面上端に引っ掛けて取り付けるフック部を備えた
請求項1に記載の自動販売機用フロントカバー。
【請求項5】
前記フロントカバー本体は、
前記フロントカバー本体の左右両側面に固定部を備えた
請求項1に記載の自動販売機用フロントカバー。
【請求項6】
片端のヒンジにより開閉可能な自動販売機の外扉の正面に装着される自動販売機用フロントカバーであって、
連結具を前記外扉の前記ヒンジ近傍の上面と下面を挟み込むように取り付け、
側面上端取付具を前記外扉の開閉側の側面上端に取り付け、
1つ以上の側面取付具を外扉の開閉側の側面に取り付けて、
フロントカバー本体の固定部を前記連結具、前記側面上端取付具、前記側面取付具に固定する
自動販売機用フロントカバー取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−14551(P2012−14551A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151843(P2010−151843)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(391034765)中井銘鈑株式会社 (29)
【Fターム(参考)】