説明

自動販売機

【課題】防盗性を向上しつつアタッチメントの保管場所を確保することが可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】前面が開口した本体キャビネット1と、前記本体キャビネット1にヒンジ機構により開閉自在に取付けられた片開き式の外扉2と、前記本体キャビネット1の庫内に引出し自在に格納された商品収納ラックとを備えた自動販売機であって、前記外扉2の上端側を支持するヒンジピンと結合されるヒンジ金具11を本体キャビネット1の天井面に取付け、前記外扉2のヒンジ側背面と前記本体キャビネット1のヒンジ側側壁の前縁との間に形成されたデットスペースDSを商品収納コラムの通路幅を規制する通路規制板やベンド機構の上部フラッパに装着される連結板などのアタッチメントの保管場所とし、前記保管場所に収納ボックス30,31を設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本体キャビネットの庫内に商品収納ラックが引出し自在に収納され、前記商品収納ラックを庫内から引出した状態で紙パック入り飲料,缶入り飲料,瓶入り飲料,ペットボトル入り飲料などの各種商品を補充するようにした自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機に搭載される商品収納ラックに関して、本体キャビネットの庫内に商品収納ラックが引出し自在に収納され、前記商品収納ラックを庫内から引出した状態で紙パック入り飲料,缶入り飲料,瓶入り飲料,ペットボトル入り飲料などの各種商品を補充するようにした商品収納ラックが知られている。この種の商品収納ラックを搭載した自動販売機の構成を図4に示す。図において、1は前面が開口した箱形の断熱筐体としてなる自動販売機の本体キャビネットであり、該本体キャビネット1にはその前面開口を閉塞する片開き式の外扉2が取付けられている。この外扉2は本体キャビネット1の上面に固着されたヒンジ金具11に取付けられたヒンジピン10および本体キャビネット1の基台1bに取付けられたヒンジピン(不図示)により開閉自在に支持されている。前記本体キャビネット1の庫内は、仕切壁1aにより左右に並ぶ複数の商品収納室(この例では2室)に仕切られており、各商品収納室ごとに商品収納ラック4、商品搬出シュータ5および冷却/加熱ユニット(不図示)が上下方向に収設されている。3は庫内前面を閉塞する断熱内扉であり、前記商品搬出シュータ5と商品取出口2aを連係して開口されたフラッパ付きの商品搬出口3aを有する。6は商品収納室内の冷却ユニットと冷凍サイクルを構成する凝縮器,圧縮機などを収納した機械室である。なお、前記外扉2の前面には不図示の硬貨投入口,紙幣投入口,金銭返却レバー,釣銭返却口,商品取出口,ロック付きハンドルなどが設けられている。
【0003】
前記商品収納ラック4の構成を図5に示し、図5は商品収納ラック4を左斜め上面より見た斜視図である。商品収納ラック4は、一側面(右側面)および底面を開放した箱型のラックケース4aの内部に隔壁4bを挟んで前後に商品収納コラム4cを画成し、隔壁4bの下部にベンド機構7を組付けて構成され、各商品収納コラム4cの開放面には積み重ねて収容された商品の脱落を防止する扉体(不図示)を備えている。また、ベンド機構7は周知のように下部フラッパ7aおよび上部フラッパ7bを備え、下部フラッパ7aの上に商品、例えば紙パック入り飲料9a,缶入り飲料9bを積み重ねて収容する。前記ベンド機構7は隔壁4bに内蔵されたベンドモータ(不図示)により下部フラッパ7aおよび上部フラッパ7bを選択的に制御して各商品収納コラム4cに収納された商品を個別に搬出するように構成されている。
なお、図5において、8は商品の高さサイズに応じて上部フラッパ7bを上下方向に移動させて上部フラッパ7bの高さ位置を設定する高さ調節機構であり、また、図には示していないがラックケース4aの前壁および後壁には商品収納コラム4c内に配設された通路幅調整板を、リンク機構を介して商品通路に出没させて商品通路幅を設定する通路幅調整機構が設けられている。
【0004】
図4に示すように前記商品収納ラック4は本体キャビネット1の庫内に引出し自在に格納されている。すなわち、本体キャビネット1の庫内天井にはレールが固定されている一方、商品収納ラック4の上端には前記レールに摺動自在に結合されたスライダが固定され、商品収納ラック4に設けた把手を引っ張ることにより商品収納ラック4を庫内から引出すことができる。前記商品収納ラック4への各種商品の補充は、オペレーターが庫内から商品収納ラック4を引出した上で各商品収納コラム4cの開放面を閉塞している扉体を開放し、この状態で商品、図5の例では紙パック入り飲料9a,缶入り飲料9bを各商品収納コラム4cに装填して積み上げ収容し、扉体を閉じて商品収納ラック4を庫内に格納する。なお、外扉2は本体キャビネット1の庫内における左側の商品収納室に格納された左端の商品収納ラック4を引出すために、図4に示すように90度以上開放されるようにヒンジピン10により支持されており、外扉2を90度以上に開いた状態では外扉2が本体キャビネット1の左端側壁から外方に張り出すので、この種の自動販売機を壁の隅に設置する際には少なくとも外扉2の張り出し寸法だけ隙間を開ける必要がある。
【0005】
ところで、自動販売機で販売する商品の種類(容器の形態,容量)は多種多様であり、かつ自動販売機の設置場所,季節などの条件によって販売商品を入れ替えるようにしている。したがって、このような販売の多様化に対応させるには、同一の商品収納ラックを使って通常サイズの紙パック入り飲料,缶入り飲料,瓶入り飲料などの通常サイズ商品のほか、大容量のペットボトル入り飲料などの大形サイズ商品の販売も可能なバリエーション機能が要求される。そのため、同一の商品収納ラックを使い分けて紙パック入り飲料、缶入り飲料、瓶入り飲料などの通常サイズ商品および大容量のペットボトル入り飲料などの大形サイズ商品を販売することができるように改良された自動販売機が知られている(例えば特許文献1)。
【0006】
前記特許文献1における自動販売機に搭載した商品収納ラックの配列について図4を用いて説明すると、図4の左側の商品収納室には通常サイズの紙パック入り飲料9a,缶入り飲料9b(図5参照)に対応した商品収納ラック4(41,41)が2基搭載されている。これに対して右側の商品収納室には、通常サイズ商品およびペットボトル入り飲料商品などの大形サイズ商品を収容,販売できるように大形の商品収納ラック4(42)が1基搭載されている。すなわち、大形の商品収納ラック4(42)は、そのラックケース4aの幅D(図5参照)を、少なくとも通常サイズ商品の2個分に相応した長さに設定するとともに、各商品収納コラム4cに対応するベンド機構として、2個のベンド機構を左右に並べて一体に組合せてなる二連形ベンド機構が装備されている。この二連形ベンド機構は図5に示したベンド機構7を左右に組合せて一体化したものであり、それぞれのベンド機構を個別または同期制御できるように構成されている。また、この二連形ベンド機構には、大容量のペットボトル入り飲料などの大形サイズ商品を販売する場合、それぞれのベンド機構の上部フラッパ7b間を相互に連結するようにした別部品の連結板(不図示)がアタッチメントとして用意されており、該連結板を2個のベンド機構の上部フラッパ7bに装着して上部フラッパ同士を連繋するようにしている。
【0007】
そして、上記構成の商品収納ラック4(42)を使って紙パック入り飲料、缶入り飲料、瓶入り飲料などの通常サイズ商品を販売する場合には、商品収納ラック4(42)を本体キャビネット1の前方へ引出し、二連形ベンド機構ごとに商品収納コラムが左右に区画されるようにアタッチメントとして用意された通路規制板(不図示)をセットしてそれぞれの商品収納コラムに通常サイズ商品を左右2列に振り分けて積み上げ収納する。この状態で販売時には二連形ベンド機構のそれぞれのベンド機構を個別に制御して商品を搬出する。これにより、図4に示した本体キャビネット1の左側の商品収納室に配設した2基の商品収納ラック4(41,41)と同様に通常サイズ商品を商品収納ラック4(42)に収納して販売を行うことができる。
【0008】
一方、通常サイズ商品に代えて大容量のペットボトル入り飲料などの大形サイズ商品を販売する場合には、前記通路規制板を取り外すとともに二連形ベンド機構におけるそれぞれの上部フラッパ7bの間に連結板を装着し、大形サイズ商品を二連形ベンド機構のそれぞれのベンド機構にまたがるように収容して商品収納コラム内に積み上げ収納する。そして、販売時には二連形ベンド機構の各ベンド機構を同期制御して大形サイズ商品を搬出する。
【0009】
【特許文献1】特開2002−183822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した特許文献1に記載された自動販売機においては紙パック入り飲料,缶入り飲料,瓶入り飲料などの通常サイズ商品のほか、大容量のペットボトル入り飲料などの大形サイズ商品の販売も可能なことから販売商品にバリエーションをつけることができる。ところで、アタッチメントとして用意された連結板や通路規制板は販売商品のバリエーションによっては使用されない場合がある。一方、不使用のアタッチメントは季節ごとの商品の入れ替え時や新商品への入れ替え時に使用されることがあることから自動販売機の内部に保管するようにされている。ところが、自動販売機の内部にアタッチメントを保管する場合、自動販売機の内部の空いたスペース(本来アタッチメントを保管する場所ではない)に格納することが多く、オペレーターごとにアタッチメントを保管する場所が異なることからアタッチメントを探すのに手間がかかり、最悪の場合アタッチメントを紛失してしまうという問題を有する。このようなアタッチメントの紛失を防止するために自動販売機の内部にアタッチメントの保管場所を確保して保管することも考えられるが、新たにアタッチメントの格納領域を確保するために設計変更を余儀なくされるという解決すべき課題を有する。
【0011】
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、防盗性を向上しつつアタッチメントの保管場所を確保することが可能な自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために請求項1にかかる自動販売機は、前面が開口した本体キャビネットと、前記本体キャビネットにヒンジ機構により開閉自在に取付けられた片開き式の外扉と、前記本体キャビネットの庫内に引出し自在に格納されるとともに商品を収容する商品収納ラックとを備えた自動販売機において、前記外扉の上端側を支持するヒンジピンと結合されるヒンジ金具を前記本体キャビネットの天井面に取付け、前記外扉のヒンジ側背面と前記本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁との間に形成されたデットスペースをアタッチメントの保管場所としたことを特徴とする。
【0013】
この場合、保管場所にアタッチメントの収納ボックスを設けることができ(請求項2)、 収納ボックスは本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁に固着することができる(請求項3)。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自動販売機によれば、外扉の上端側を支持するヒンジピンと結合されるヒンジ金具を前記本体キャビネットの天井面に取付け、外扉のヒンジ機構をいわゆる内ヒンジ方式を採用することにより防盗性を向上、すなわち、図4に示したいわゆる外ヒンジ方式ではヒンジピンが外部に位置していることから悪戯され易いのに対して、ヒンジピンが外部に露出していない内ヒンジ方式により防盗性を向上しつつ、内ヒンジ方式により外扉を開放した場合にも外扉が本体キャビネットの側壁から張り出すことのない構造とすることによって本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁と外扉のヒンジ側背面との間にデッドスペースを形成することができる。したがって、このデッドスペースをアタッチメントの収納場所として利用することができ、従来装置のようにアタッチメントの保管場所を探す煩雑さやアタッチメントが紛失してしまうおそれを無くすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す自動販売機の斜視図、図2は図1の外扉の上端側を支持するヒンジ機構を示す要部拡大図、図3は本体キャビネットおよび外扉のヒンジ側の要部平面断面図である。なお、図において、図4,図5と同一のものには同一の符号を付してその説明は省略する。
【0016】
図1において、1で再び本体キャビネットを示し、この実施例では本体キャビネット1の左端側に外扉2がヒンジ結合されている。外扉2は厚板鋼板からなる上部補強金21,左補強金22,底面補強金23および右補強金24のそれぞれの端部同士を溶接により固着して四角枠体を形成し、この四角枠体の前面側に薄板鋼板からなる上枠25,左枠26,右枠27および中間枠28を固着するとともに中間枠28の下方領域には一枚の薄板鋼板からなる前面枠29を固着して形成されている。外扉2の上部領域に配設される透明パネルPは前記上枠25,左枠26,右枠27および中間枠28により取付けられ、下方領域の前面枠29には商品取出口2aに加えて不図示の硬貨投入口,紙幣挿入口,釣銭返却口などが開けられている。なお、本体キャビネット1の庫内には図4で示した従来装置と同様の商品収納ラック4が格納されているが、図1では本体キャビネット1の庫内前面が断熱内扉3により閉塞されているので、商品収納ラック4は断熱内扉3に隠れて見えない。また、外扉2の上端側のヒンジピン10は本体キャビネット1の天井面に固着されたヒンジ金具11に支持され、下端側のヒンジピン10は本体キャビネット1の基台1bに固着されている。
【0017】
前記外扉2の上端側のヒンジ機構を図2に示す。図2において、11はヒンジ金具であり、このヒンジ金具は図2の(b)に示すように本体キャビネット1の天井面への固着部11aと、後述するヒンジピンが挿通する軸孔11cが形成された軸受部11bとからなり、軸受部11bには前記外扉2の左枠26における縁部の回動軌跡と一致するように形成された逃がし溝11dが形成されている。一方、外扉2の天面補強金21は側面断面が略Z状に形成され、その上側脚片にヒンジピン10が溶接により堅固に固着されるとともに中間脚にヒンジ金具11の軸受部11bが挿通する切欠211が形成されている。なお、外扉2の下側のヒンジピン10(図1参照)は従来装置と同様に本体キャビネット1の基台1bに固着され、このヒンジピン10に外扉2の底面補強金23に形成した軸孔を挿通して下端側のヒンジ機構が構成されている。
【0018】
前記ヒンジ金具11は前記外扉2に設けたヒンジピン10にその軸受部11bに形成した軸孔11cを挿通した状態で外扉2に仮固定され、外扉2を本体キャビネット1に組付ける際に本体キャビネット1の天井面に固着される。外扉2の本体キャビネット1への組付けは、外扉2の左端(ヒンジ側)を本体キャビネット1の左端(ヒンジ側)に沿わせるように持ち上げた後、外扉2の底面補強金23に予め形成された軸孔(不図示)に本体キャビネット1の基台1b(図1参照)に固着されたヒンジピン10を挿通し、次いで外扉2に設けた上端側のヒンジピン10に仮固定されたヒンジ金具11の固着部11aを本体キャビネット1の天井面にボルトにより固着する。このようにヒンジ金具11を本体キャビネット1の天井面に固着することによって外扉2が内ヒンジ方式により本体キャビネット1にヒンジ結合され、外扉2は上下のヒンジピン10を中心に開閉する。
【0019】
図1に戻り、30,31は本体キャビネット1におけるヒンジ側の側壁の前縁に取付けた収納ボックスであり、この収納ボックス31,32は外扉2の背面と本体キャビネット1におけるヒンジ側の側壁の前縁との間に形成されたデッドスペースDSに配設されている。この外扉2の背面と本体キャビネット1におけるヒンジ側の側壁の前縁との間に形成されたデッドスペースを図3に示し、図3において、101は本体キャビネット1のヒンジ側の側壁を構成する外箱であり、この外箱101には補強金具102,103が固着されるとともに前記外箱101の内側にウレタンフォームからなる断熱ボード104が配設されている。なお、図3において、3は本体キャビネット1に固着されたヒンジ3aを中心に開閉する断熱内扉であり、この断熱内扉3は補強金具103に固着されたガスケット105と当接して庫内を密閉するように構成されている。図3から明らかなように、外扉2の背面と本体キャビネット1におけるヒンジ側の側壁の前縁との間にはデッドスペースDSが形成されている。そして、前記デッドスペースDSに収納ボックス30(31)を配設し、前記デッドスペースDSをアタッチメントの保管場所として利用している。前記収納ボックス30(31)は図1にも示すように上面が開放した中空四角柱状に形成され、補強金具103にボルトにより固着されている。
【0020】
ここで、外扉2の背面と本体キャビネット1におけるヒンジ側の側壁の前縁との間のデッドスペースDSは次のようにして形成されたものである。すなわち、外扉2のヒンジ機構を外ヒンジ方式とした従来(図4)における本体キャビネット1は庫内に格納される商品収納ラックに応じた寸法に定め、外扉2は閉じた状態で本体キャビネット1のヒンジ側側壁の外面と外扉2のヒンジ側端縁の面とが同一平面上に位置するように定めて構成していることから、当該外扉2を開放した際には(商品収納ラック4を引き出す際に前記外扉2が邪魔とならないように)外扉2が本体キャビネット1から張り出させるという思想に基づいている。かかる点、外扉2のヒンジ機構として防盗性を考慮した内ヒンジ方式を採用した本発明においては、外扉2が本体キャビネット1のヒンジ側側壁から殆ど張り出すことがないことから、従来と同一寸法の本体キャビネットを使用すると外扉2を開放した際に当該外扉2が本体キャビネット1の内側にまで入り込み、庫内の間口が狭まってしまう。そこで、外扉2を開放した場合にも外扉2により庫内の間口が狭まることがないように本体キャビネット1の横幅を広げたのである。このように本体キャビネット1の横幅を広げたことにより、本体キャビネット1から商品収納ラック4を引き出す間口に加えてアタッチメントの保管場所となるスペース(すなわち、本体キャビネット1のヒンジ側側壁の前面)が確保される。なお、従来(図4)において、本体キャビネット1の横幅をただ単に広げて外扉2を開けた際に外扉2が本体キャビネット1から張り出さないように構成した場合、外扉2を閉じた際に本体キャビネット1(のヒンジ側)が外扉2よりも外側に突出した状態となることから見栄えを損なうこととなる。かかる点、本発明においては、本体キャビネット1の横幅を広げた場合にも外扉2を閉じた状態では外扉2のヒンジ側端縁と本体キャビネット1のヒンジ側側壁の外面が同一平面上に位置するので見栄えを損なうことがない。
【0021】
なお、外扉2のヒンジ機構として防盗性を考慮した内ヒンジ方式を採用した本発明においては扉2を開放した場合にも外扉2により庫内の間口が狭まることがないように本体キャビネット1の横幅を広げて自動販売機の横幅寸法が大きく形成されているが、その設置面積は外扉2のヒンジ機構として外ヒンジ方式を採用している従来の自動販売機と同等である。これは、外扉2のヒンジ機構として外ヒンジ方式を採用している従来の自動販売機においては外扉2を開放した際、外扉2が本体キャビネット1のヒンジ側側壁から張り出すことからこの自動販売機を設置する場合、隣接する自動販売機との間に前記張り出し寸法だけ間隔を空けて配置せねばならない。一方、外扉2のヒンジ機構として防盗性を考慮した内ヒンジ方式を採用した本発明における自動販売機においては外扉2を開放した際にも外扉2が本体キャビネット1から張り出すことがないので隣接する自動販売機との間に隙間を設ける必要がない。したがって、外扉2のヒンジ機構として内ヒンジ方式を採用した本発明における自動販売機においては外扉2のヒンジ機構として外ヒンジ方式を採用している従来の自動販売機の設置面積と同等の設置面積を占有するのみである。
【0022】
前述したように、前面が開口した本体キャビネット1と、前記本体キャビネット1にヒンジ機構により開閉自在に取付けられた片開き式の外扉2と、前記本体キャビネット1の庫内に引出し自在に格納されるとともに商品を収容する商品収納ラック4とを備えた自動販売機において、前記外扉2の上端側を支持するヒンジピン10と結合されるヒンジ金具11を前記本体キャビネット1の天井面に取付け、前記外扉2のヒンジ側背面と前記本体キャビネット1のヒンジ側側壁の前縁との間に形成されたデットスペースDSをアタッチメントの保管場所としたことにより、使用されないアタッチメント、例えば商品収納コラムの通路幅を規制する通路規制板やベンド機構の上部フラッパに装着される連結板などを前記保管場所に設置した収納ボックス31,32に収容して保管することができる。これにより従来装置のようにアタッチメントの保管場所を探す煩雑さやアタッチメントが紛失してしまうおそれを無くすことが可能となる。
【0023】
なお、前述した実施の形態においてはアタッチメントして商品収納コラムの通路幅を規制する通路規制板やベンド機構の上部フラッパに装着される連結板について説明したが、自動販売機に常備しなければならない種々の付属品を保管することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態を示す自動販売機の斜視図
【図2】図1の自動販売機における上端側のヒンジ機構を示し、(a)は上端側のヒンジ機構の要部拡大図、(b)はヒンジ金具の平面図
【図3】図1に示した外扉のヒンジ側背面と本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁との間に形成されるデッドスペースを説明するための平面図
【図4】商品収納ラックを備えた自動販売機の従来例を示す斜視図
【図5】図4の商品収納ラックの構造を示す斜視図
【符号の説明】
【0025】
1 本体キャビネット
2 外扉
3 内扉
4 商品収納ラック
4a ラックケース
4b 仕切壁
4c 商品収納コラム
10 ヒンジピン
11 ヒンジ金具
30,31 収納ボックス
DS デッドスペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した本体キャビネットと、前記本体キャビネットにヒンジ機構により開閉自在に取付けられた片開き式の外扉と、前記本体キャビネットの庫内に引出し自在に格納されるとともに商品を収容する商品収納ラックとを備えた自動販売機において、
前記外扉の上端側を支持するヒンジピンと結合されるヒンジ金具を前記本体キャビネットの天井面に取付け、前記外扉のヒンジ側背面と前記本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁との間に形成されたデットスペースをアタッチメントの保管場所としたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
保管場所にアタッチメントの収納ボックスを設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
収納ボックスは前記本体キャビネットのヒンジ側側壁の前縁に固着されていることを特徴とする請求項2に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−269146(P2008−269146A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109426(P2007−109426)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】