説明

自動販売機

【課題】広告画面及び商品販売画面の視認性をそれぞれ向上させることの可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】商品販売画面に表示を切替えるための画面切替用操作領域A2を広告画面上の一部に重なるように表示させ、画面切替用操作領域A2がタッチされると、商品販売画面に表示を切替えるようにしたので、広告画面をLCD14に大きく表示することができるとともに、画面切替用操作領域A2がタッチされたときには商品販売画面をLCD14に大きく表示することができる。従って、広告画面及び商品販売画面の視認性をそれぞれ向上させることができるので、広告による販売促進効果を向上させることができるとともに、商品購入時の操作性も向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば缶入り飲料、紙パック飲料、箱入り菓子等の商品を販売するとともに広告を表示する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機として、広告画面と商品販売画面とを表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、商品販売画面に表示された商品がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品を搬出するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−53628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記表示部には費用面及び設計面等の制約から大型のものを用いることが困難であることが一般的に知られている。
【0004】
しかしながら、前記従来例では、広告画面と商品販売画面とを同時に表示しているので、各画面の表示領域がそれぞれ小さくなることから、利用者が広告及び販売商品を視認することが困難になり、広告による販売促進効果が低下するとともに、商品購入時の操作性も低下させるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広告画面及び商品販売画面の視認性をそれぞれ向上させることの可能な自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、広告画面と商品販売画面とを表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、商品販売画面に表示された商品がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品を搬出するようにした自動販売機において、前記商品販売画面に表示を切替えるための画面切替用操作部を広告画面上の一部に重なるように表示させ、画面切替用操作部がタッチされると、商品販売画面に表示を切替える画面切替手段を備えている。
【0007】
これにより、広告画面上の一部に画面切替用操作部が重なるように表示されることから、広告画面を表示部に大きく表示することが可能となる。また、画面切替用操作部がタッチされると、商品販売画面に表示が切替えられることから、商品販売画面を表示部に大きく表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告画面を表示部に大きく表示することができるとともに、画面切替用操作部がタッチされると商品販売画面を表示部に大きく表示することができるので、広告画面及び商品販売画面の視認性をそれぞれ向上させることができ、広告による販売促進効果を向上させることができるとともに、商品購入時の操作性も向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図11は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の側面断面図、図3は図1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図、図4は広告情報のデータ構造の一例を示す図、図5及び図6は図1に示した自動販売機における商品販売動作の流れを示すフロー図、図7は広告画面を示す図、図8は画面切替用操作部における商品表示の態様を示す図、図9は商品選択前の商品販売画面を示す図、図10は商品選択後の商品販売画面を示す図、図11は商品搬出後の商品販売画面を示す図である。
【0010】
まず、図1及び図2を参照して自動販売機の構造について説明する。ここでの説明では図1の手前側を前、奥側を後、左側を左、右側を右と表記する。
【0011】
自動販売機本体1は箱形を成し、前面を開口した断熱室1aをその内側に備えている。断熱室1aは断熱性の仕切り板(図示省略)によって左右に並ぶ複数の庫室SRに区分されている。
【0012】
各庫室SR内には、サーペンタイン式ラックから成る商品収納ラック2がそれぞれ配置されている。各商品収納ラック2は前面側上部に商品投入口2aを有し、蛇行状の収納通路2bに缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品Cを横向きで積み重ねた状態で収納している。また、各商品収納ラック2の下部には、収納商品Cを1個宛シュート板3上に落下搬出するための商品搬出機構2cが設けられている。さらに、各庫室SR毎に配置された商品収納ラック2それぞれには、商品Cの有無を収納通路2b単位で検知する売切検知センサ(図示省略)が設けられている。この商品収納ラック2には、サーペンタイン式ラックに限らず、サーペンタイン式ラックと同様に収納商品を1個宛搬出可能な他形式のラックを使用することが可能である。
【0013】
また、各庫室SR内には、その底部から背部にかけてシュート板3とダクト板4が設けられている。シュート板3及びダクト板4下側及び背面側の空間には、冷凍機構成機器のうちの蒸発器5と電熱ヒータ6と冷却・加温空気循環用送風機7等が配置され、ダクト板4の背面側空間はダクトDとして構成されている。さらに、各庫室SR内には、商品収納ラック2内の搬出間近商品の温度を検知する温度センサ(図示省略)が設けられている。
【0014】
断熱室1aの底板1bの下側には機械室MRが設けられており、この機械室MR内には、冷凍機構成機器のうちの凝縮器8、圧縮機9及び膨張手段(図示省略)と排熱用送風機10等が配置されている。
【0015】
また、断熱室1aの前側には、その前面開口を開閉自在に覆う断熱性の内扉11が設けられている。断熱室1aの上下左右の前端部(下側の前端部は底板1bの前端部)と各仕切り板の前端部には、内扉11を閉じた状態で商品収納室(各庫室SR)を気密状態とするためのパッキン(符号無し)が設けられており、各庫室SRは内扉11を閉じた状態で独立した断熱空間となる。さらに、内扉11の下部には、各庫室SRのシュート板3に対応した窓穴11aが複数個形成されており、各窓穴11aには、シュート板3を滑り落ちる商品Cによって押し開けられるフラップドア11bが設けられている。
【0016】
つまり、この自動販売機では、各庫室SRが独立の断熱空間を構成し、しかも、各庫室SRに蒸発器5と電熱ヒータ6が独立して設けられていることから、後述の温度調整用設定器30(図3参照)によって庫室SR毎に冷却と加温と非冷却・加温の3つのモードの何れか1つを任意に選択して実施することができる。
【0017】
外扉12は自動販売機本体1の前面開口に開閉自在に設けられており、この外扉12の表面上部には化粧パネル13が設けられている。この化粧パネル13は、液晶ディスプレイ14の画面を露出するための矩形状窓穴13aと、商品メーカー名や商品名等を文字で表示するための広告部13bを有している。
【0018】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDと言う)14は後述の広告画面及び商品販売画面を構成する静止画像及び動画像をカラー表示するためのもので、その画面が窓穴13aから露出するように化粧パネル13の内側に配置されている。このLCD14は所定サイズと所定解像度、例えば18インチのサイズと1280×1024ピクセルの解像度を有する。このLCD14の代わりに同様の表示を可能とした周知ディスプレイ、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)等を使用することが可能である。
【0019】
図1及び図2における図示を省略したが、LCD14の画面には、画面に利用者がタッチした位置を検知して画面上の座標位置を指定するタッチセンサ33(図3参照)が設けられている。このタッチセンサ33には周知の静電式透明タッチパネルや感圧式透明タッチパネルの他に、赤外線センサを構成する発光部と受光部を矩形枠の上下辺と左右辺に等間隔で配置したもの等が適宜使用できる。
【0020】
また、外扉12の前面には、ロック操作レバー15、硬貨投入口16、返却レバー17、紙幣投入口18、硬貨返却口19、商品取出口20が図1に示すレイアウトで設けられている。因みに、ロック操作レバー15は外扉12内に設けられたロック機構(図示省略)を操作するためのもので、専用キーによって使用可能な状態となる。また、商品取出口20には、手動により開放可能なフラップドア21が設けられ、その内側にはフラップドア11bから排出された商品Cを受容する商品受け板22が設けられている。
【0021】
次に、図3を参照して図1及び図2に示した自動販売機の制御系構成について説明する。
【0022】
第1制御部23は商品Cの温調及び搬出等を主として制御するためのもので、第2制御部24はLCD14の表示及び外部とのデータ通信等を主として制御するためのものである。両制御部23,24はCPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータから成り、制御上で必要なデータ交換を相互で行うことができる。勿論、第1制御部23と第2制御部24は1台のコンピュータで構成してもよい。なお、第2制御部24は本願請求項でいう画面切替手段を構成している。
【0023】
第1制御部23には、硬貨処理機25、紙幣識別機26、搬出駆動部27、圧縮機駆動部28、ヒータ駆動部29、温度調整用設定器30が接続されている。また、第1制御部23には、各庫室SR毎に配置された商品収納ラック2内の商品Cの有無を収納通路2b単位で検知する売切検知センサ(図示省略)が売切検知部(図示省略)を介して接続され、各庫室SR内の搬出間近商品の温度を検知する温度センサ(図示省略)が温度検知部(図示省略)を介して接続されている。
【0024】
硬貨処理機25と紙幣識別機26は外扉12内に配置されていて、硬貨処理機25は硬貨投入口16を通じて投入された硬貨の真偽識別と計数と貯蔵を行い、投入硬貨の金額に関するデータを第1制御部23に送出する。紙幣識別機26は紙幣投入口18を通じて投入された紙幣の真偽識別と貯蔵を行い、投入紙幣の金額に関するデータを第1制御部23に送出する。
【0025】
搬出駆動部27は、各商品収納ラック2に設けられた商品搬出機構2cの動作、詳しくは商品搬出機構2cに用いられているソレノイド等のアクチュエータの動作を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所定の商品搬出機構2cを動作させて所期の商品搬出を行う。
【0026】
圧縮機駆動部28は、冷凍機を構成する圧縮機9の動作、詳しくは圧縮機9を駆動するためのモータの運転を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所期の圧縮機駆動を行う。
【0027】
ヒータ駆動部29は、各電熱ヒータ6への通電を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所定の電熱ヒータ6への通電を行う。
【0028】
温度調整用設定器30は、先に述べた3つのモードの何れか1つを各庫室SR毎に選択するためのもので、モード選択用の押しボタンスイッチ等を備え、選択されたモードに関するデータを第1制御部23に送出する。
【0029】
第2制御部24には、LCD駆動部31と、座標検出部32と、音声出力部34と、メモリーカードアダプタ(以下MCアダプタと言う)36と、モデム38と、無線通信部40が接続されている。
【0030】
LCD駆動部31は、外扉12に設けられたLCD14の表示を制御するためのもので、第2制御部24からの画像データ及び制御信号に基づいてLCD14を駆動して所期の画像表示を行う。
【0031】
座標検出部32は、タッチセンサ33の検知信号に基づき画面上の座標に関するデータを第2制御部24に送出する。後述する各画面で表示される領域はLCD14の画面上の座標を基準として設定されているので、座標検出部32から第2制御部24に送られるデータによって各種画面においてどの領域が選択されたかを簡単に判断できる。
【0032】
音声出力部34は、第2制御部24からの音声信号及び制御信号に基づいてスピーカ35を駆動して所期の音声出力を行う。このスピーカ35は外扉12内のLCD14の両側に少なくとも1個宛配置されていて、ステレオ方式により立体的な音響効果が得られるようになっている。
【0033】
MCアダプタ36は、メモリーカード(以下MCと言う)37の接続を可能とする。モデム38は公衆電話回線39等を利用して外部サーバ等との間でデータ通信を行うためのものであり、無線通信部40は携帯電話網やPHS電話網等を利用して外部サーバ等との間で無線にてデータ通信を行うためのものである。
【0034】
LCD14に表示され得る静止画像及び動画像等の画像データと文字データやスピーカ35から出力される音声データは、MC37、モデム38を介してのデータ通信、または、無線通信網40を介してのデータ通信によって、第2制御部24が備えるハードディスク等の記憶手段に取り込むことができ、データ更新も任意に行うことができる。
【0035】
前記の画像データ、文字データ及び音声データには、後述する広告画面時の表示画像、表示文字及び出力音声や、商品販売画面時の表示画像(販売可能商品それぞれに対応した複数の商品画像を含む)、表示文字及び出力音声等が含まれる。
【0036】
また、第2制御部24の記憶手段には、広告画面に表示される複数の広告情報が記憶されている。各広告情報は、図4に示すように広告ID、画像データ、音声データ、広告イメージ、広告背景色、後述の画面切替用操作領域A2(以下領域A2と言う)の表示位置及び商品コードから構成されている。
【0037】
広告IDは広告情報を識別するためのものであり、各広告情報毎にそれぞれ異なるIDが付与されている。広告イメージは、広告する商品やサービスのイメージを表すためのものであり、例えば冷房機器の広告には「涼しい」というイメージを表す値が格納され、暖房機器の広告には「暖かい」というイメージを表す値が格納されている。広告背景色は広告画像の背景色を表すためのものであり、例えば「白色」や「赤色」等を示す値が格納されている。領域A2の表示位置は、該広告情報が広告画面に表示されたときの領域A2の表示位置を表すためのものであり、領域A2の表示位置を示す座標が格納されている。商品コードは自動販売機の販売商品を識別するためのものであり、商品収納ラック2に収納される商品毎にそれぞれ付与されている。なお、各広告情報の広告イメージ、広告背景色、領域A2の表示位置及び商品コードは広告作成時に任意に設定することができる。
【0038】
因みに、第2制御部24の記憶手段に記憶されている各商品画像は、所定のサイズ及び解像度を有するLCD14において実サイズで表示可能なサイズ(横ピクセル×縦ピクセル数)で作成されている。
【0039】
次に、図5〜図11を参照して図1及び図2に示した自動販売機における商品販売動作について説明する。
【0040】
自動販売機の電源を入れると、図7に示す広告画面がLCD14に表示される(ステップS1)。
【0041】
この広告画面には、広告情報の画像データを表示するための広告領域A1と、商品販売画面に表示を切替えるための領域A2と、領域A2に表示される販売商品の商品画像に代えて他の販売商品の商品画像を表示するための商品切替用操作領域A3(以下領域A3と言う)が設定されている。領域A2及び領域A3は、広告領域A1上の一部に重なるように表示されている。また、領域A3は、上下方向に三角形及び逆三角形を配置して形成されており、領域A2の近傍に表示されている。
【0042】
広告画面表示時には、第2制御部24の記憶手段に記憶されている広告情報を読出し、該広告情報の内容に応じて領域A2の表示設定を行う(ステップS2,S3)。領域A2の表示設定について具体的に説明すると、まず、広告情報に格納された領域A2の表示位置に応じて領域A2の表示位置を移動する。例えば図4の広告ID0001に対応する広告を広告画面に表示するときには、領域A2を図7において実線で示す位置に表示させ、図4の広告ID0002に対応する広告を広告画面に表示するときには、領域A2を図7において破線で示す位置に表示させる。なお、領域A2の表示位置が指定されていない場合には、所定位置(例えば座標X0 ,Y0 )に領域A2を表示させる。
【0043】
ここで、領域A2の表示内容について図8を参照して説明する。図8(a)に示すように、領域A2の中央には、ステップS2で読出した広告情報の商品コードに対応する販売商品の画像が縮小サイズで表示されることにより、広告の内容に応じた商品を領域A2に表示するようになっている。また、領域A2の下地A2aには、広告背景色とは異なる色が使用されることにより、広告の内容に応じて領域A2の表示態様を変更するようになっている。さらに、縮小サイズの商品画像SDIの上下両端には、他の販売商品の商品画像の一部が縮小サイズで表示されることにより、利用者が他の販売商品の存在を認識することができるようになっている。なお、ステップS2で読出した広告情報に商品コードが指定されていない場合には、所定の販売商品の商品画像が縮小サイズで表示される。また、広告背景色が指定されていない場合には、所定の色(例えば白色)を下地A2aに用いてもよい。
【0044】
前記のように領域A2の表示設定がなされたときに、ステップS2で読出した広告情報の画像データ及び音声データを再生する(ステップS4)。
【0045】
次に、広告画面において画面切替用操作領域A2が利用者にタッチされたときには、広告画面を図9に示す商品販売画面に切替える(ステップS5,S6)。
【0046】
この販売画面には、複数の商品サンプル表示領域B1〜B30と、自動販売機の稼動状態を販売中か準備中の何れかにより表示するための稼動状態表示領域B31と、硬貨投入口16及び紙幣投入口18を通じて投入された金額を表示するための投入金額表示領域B32と、商品情報表示領域B33と、広告表示画面に戻すためのリターン領域B34が図9に示すレイアウトで設定されている。
【0047】
各商品サンプル表示領域B1〜B30の中央には、販売可能商品を示す商品画像が縮小サイズでそれぞれ表示されている。この縮小サイズの商品画像SDIは、第2制御部24の記憶手段に記憶されている商品画像を70%〜30%に相似縮小したものである。
【0048】
また、各商品サンプル表示領域B1〜B30に表示された縮小サイズの商品画像SDIの下側には商品価格を示す数字が表示され、縮小サイズの商品画像SDIの上側には商品の冷却・加温状態を示すCOLDまたはHOTの温調文字が表示されている。この温調文字は商品価格と隣接して表示してもよい。温調文字がCOLDの場合には温調文字またはその下地にブルー系の寒色が使用され、温調文字がHOTの場合には温調文字またはその下地にレッド系の暖色が使用される。縮小サイズの商品画像SDIと温調文字との間には任意の設定により新商品やキャンペーン等のアイコンを表示することができる。また、商品が冷却中または加温中で販売に適さない状態にあるときには、商品価格の表示エリアに冷却中または加温中の文字を表示することができる。
【0049】
ここで、前記商品サンプル表示領域B1〜B30の表示設定の流れを簡単に説明する。まず、商品を各商品収納ラック2の収納通路2bに収納し、この後に収納商品に対応する商品コードを第1制御部23に接続可能なリモコンまたは第1制御部23と無線通信可能なハンディターミナルによって入力し、次に、商品コードを各商品サンプル表示領域B1〜B30に割り当てる操作を行う。各商品コードに対応した商品画像は第2制御部24に予め記憶されているので、商品コードの入力により所定の縮小サイズの商品画像SDIとその商品価格が各商品サンプル表示領域B1〜B30に表示される。また、温調文字は温度調整用設定器30で設定された内容に準じて表示される。新商品やキャンペーン等のアイコンを表示する場合には、予め用意されたアイコン群の中から所定のアイコンを選択した後にアイコンを表示すべき商品サンプル表示領域を選択すればよい。
【0050】
商品販売画面切替後に硬貨または紙幣の投入があったときには、今現在の投入金額で購入可能な商品を視覚によって容易に確認できるように、購入可能商品の縮小サイズの商品画像SDIが表示された商品サンプル表示領域の枠や商品価格等を点滅させるかその表示色を変えるようにする。或いは、購入可能商品の縮小サイズの商品画像SDIを浮き上げる処理を行って、購入可能商品と購入不可能商品との差別化を図る。
【0051】
商品販売画面表示時には、商品選択がなされたか否か、即ち、複数の商品サンプル表示領域B1〜B30の何れか1つに利用者がタッチしたか否かを判別する(ステップS7)。
【0052】
商品選択がなされたときには、図10に示すように商品情報表示領域B33に選択商品の商品画像を実サイズで表示して商品アピールを行う。先に述べたように、第2制御部24の記憶手段に記憶されている商品画像は所定のサイズ及び解像度を有するLCD14において実サイズ表示可能なサイズで作成されているため、選択商品の商品画像をそのまま商品情報表示領域B33に表示すれば該商品画像は実サイズの商品画像RSIとなる。また、同じ商品情報表示領域B33に選択商品の商品説明CE、例えば内容量やカロリーや効能等を縦スクロールや横スクロールや静止状態で表示して更なる商品アピールを行う(ステップS8)。
【0053】
この後は投入金額が商品価格以上であるか否かを判別する(ステップS9)。
【0054】
ステップS9で投入金額が商品価格に満たないと判別された場合、例えば投入金額がいくらか不足している場合や硬貨または紙幣の投入がこの段階でない場合にはステップS7に移行する。つまり、ステップS8における実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示は、投入金額が商品価格以上で商品選択がなされるまでは、商品選択操作に基づいて行われることになる。換言すれば、利用者は所望商品の実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示を任意に行うことで、これら表示から商品に係わる情報、或いは、購買決定を行うに必要な情報を適宜入手することができる。
【0055】
因みに、ステップS9において投入金額がいくらか不足している場合には、必要に応じて投入金額が不足しています等のメッセージを、投入金額が商品価格に達するまで縦または横等のスクロールや静止状態で表示するようにしてもよい。
【0056】
ステップS9で投入金額が商品価格以上であると判別された場合には、選択商品が収納されている商品収納ラック2の商品搬出機構2cを動作させて商品搬出を行う(ステップS11)。
【0057】
商品搬出完了後は、図11に示すように、商品情報表示領域B33の実サイズの商品画像RSI及び商品説明CEの表示をクリアし、商品販売画面を広告画面に戻す。
【0058】
なお、投入金額が商品価格以上であるときには、ステップS7における最初の商品選択に基づいてステップS11の商品搬出が行われることになるため、ステップS8における実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示は瞬間的なものとなる。これを嫌う場合には、ステップS9の後で図10に破線で示す購入決定領域B35を商品情報表示領域B33に表示するとともに、図5に破線で示す購入決定の有無を判別するステップS10を設けるとよい。このようにすれば、購入決定領域B35に利用者がタッチするまでは実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示を継続させて、購入決定領域B35に利用者がタッチしたタイミングで商品搬出を行うことができる。
【0059】
一方、図7に示した広告画面において領域A2ではなく、同画面で上下方向に配置された領域A3のうち上方の領域A3がタッチされたときには、図8(b)に示すように領域A2の下端側に表示された他の販売商品の縮小サイズの商品画像SDIが上方にスクロールして領域A2の中央に表示される。また、下方の領域A3がタッチされたときには、図8(c)に示すように領域A2の上端側に表示された他の販売商品の縮小サイズの商品画像SDIが下方にスクロールして領域A2の中央に表示される(ステップS12,S13)。そして、前記スクロール処理がなされた後に、ステップS5に移行する。
【0060】
また、図7に示した広告画面に表示された広告の再生が完了した場合には、他の広告情報を読出しを行い、完了していない場合には、ステップS5に移行する(ステップS14)。
【0061】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、商品販売画面に表示を切替えるための画面切替用操作領域A2を広告画面上の一部に重なるように表示させ、画面切替用操作領域A2がタッチされると、商品販売画面に表示を切替えるようにしたので、広告画面をLCD14に大きく表示することができるとともに、画面切替用操作領域A2がタッチされたときには商品販売画面をLCD14に大きく表示することができる。従って、広告画面及び商品販売画面の視認性をそれぞれ向上させることができるので、広告による販売促進効果を向上させることができるとともに、商品購入時の操作性も向上させることができる。
【0062】
また、広告の内容に応じて画面切替用操作領域A2の表示位置を移動するようにしたので、広告の強調部分に領域A2が重なった状態で表示されることを確実に防止することができる。これにより、広告を自由にレイアウトすることが可能となり、販促効果の向上を図ることができる。
【0063】
さらに、広告の内容に応じて画面切替用操作領域A2の表示態様を変更するようにしたので、広告画面において領域A2を広告から際立たせることができ、利用者が円滑に商品購入を行うことができる。
【0064】
さらにまた、販売商品のうち一部の商品を画面切替用操作領域A2に表示するようにしたので、利用者が広告を見ながら購入可能商品を容易に視認することができる。
【0065】
また、広告の内容に応じた商品を画面切替用操作領域A2に表示するようにしたので、広告を見た利用者が想起し易い販売商品を領域A2に表示させることができ、販売商品の販促効果を向上させることができる。
【0066】
さらに、画面切替用操作領域A2に表示される販売商品に代えて他の商品を表示するための商品切替用操作領域A3を画面切替用操作領域A2の近傍に表示させ、商品切替用操作領域A3がタッチされると、他の販売商品を画面切替用操作領域A2に表示するようにしたので、利用者は広告を見ながら他の販売商品の存在を認識することができる。
【0067】
さらにまた、画面切替用操作領域A2の上下両端に他の販売商品の一部を表示するようにしたので、利用者に他の販売商品の存在を通知することができ、他の販売商品の販売機会を確保することができる。
【0068】
なお、上記実施形態は本発明の一具体例に過ぎず、本発明が上記実施形態のみに限定されることはない。例えば、前記実施形態では、広告情報の商品コードに応じた商品の画像を画面切替用領域A2に表示するものを示したが、広告情報の広告イメージに応じた商品の画像を領域A2に表示してもよい。例えば、広告情報の広告イメージに「涼しい」を表す値が格納されていた場合には、販売商品のうち冷却された商品を抽出して、その商品の画像を表示するようにしてもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、画面切替用操作領域A2の上下両端に他の販売商品の一部を表示するものを示したが、領域A2の左右両端に他の販売商品の一部を表示するようにしてもよい。また、領域A2の上下方向の一端または左右方向の一端に他の販売商品の一部を表示するようにしてもよい。
【0070】
さらに、前記実施形態では、商品切替用操作領域A3がタッチされたときに画面切替用操作領域A2に表示される商品を他の商品に代えるものを示したが、領域A2に表示させる商品を常に所定方向(例えば上方向)にスクロールさせて代えるようにしてもよい。
【0071】
さらにまた、前記実施形態では、画面切替用操作部として領域A2を設けたものを示したが、他にも自動販売機を表すアイコン等を画面切替用操作部として用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動販売機の正面図
【図2】図1に示した自動販売機の側面断面図
【図3】図1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図
【図4】広告情報のデータ構造の一例を示す図
【図5】図1に示した自動販売機における商品販売動作の流れを示すフロー図
【図6】図1に示した自動販売機における商品販売動作の流れを示すフロー図
【図7】広告画面を示す図
【図8】画面切替用操作部における商品表示の態様を示す図
【図9】商品選択前の商品販売画面を示す図
【図10】商品選択後の商品販売画面を示す図
【図11】商品搬出後の商品販売画面を示す図
【符号の説明】
【0073】
14…LCD、24…第2制御部、33…タッチセンサ、A2…画面切替用操作領域、A3…商品切替用操作領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告画面と商品販売画面とを表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、商品販売画面に表示された商品がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品を搬出するようにした自動販売機において、
前記商品販売画面に表示を切替えるための画面切替用操作部を広告画面上の一部に重なるように表示させ、画面切替用操作部がタッチされると、商品販売画面に表示を切替える画面切替手段を備えた
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記画面切替手段を、広告の内容に応じて画面切替用操作部の表示位置を移動するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
前記画面切替手段を、広告の内容に応じて画面切替用操作部の表示態様を変更するように構成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機。
【請求項4】
前記画面切替手段を、販売商品のうち一部の商品を画面切替用操作部に表示するように構成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の自動販売機。
【請求項5】
前記画面切替手段を、広告の内容に応じた商品を画面切替用操作部に表示するように構成した
ことを特徴とする請求項4記載の自動販売機。
【請求項6】
前記画面切替手段を、画面切替用操作部に表示される販売商品に代えて他の商品を表示するための商品切替用操作部を画面切替用操作部の近傍に表示させ、商品切替用操作部がタッチされると、他の販売商品を画面切替用操作部に表示するように構成した
ことを特徴とする請求項4または5記載の自動販売機。
【請求項7】
前記画面切替手段を、画面切替用操作部の上下方向少なくとも一端または左右方向少なくとも一端に他の販売商品の一部を表示するように構成した
ことを特徴とする請求項6記載の自動販売機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−40749(P2008−40749A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213524(P2006−213524)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【出願人】(393010570)TIS株式会社 (10)
【Fターム(参考)】