説明

自動販売機

【課題】二台を背中合わせに設置する場合に一方と他方とを簡単に連結できる自動販売機を提供すること。
【解決手段】前面が開口した箱型の本体キャビネット1と、本体キャビネット1の両側面にそれぞれ装着され、二台の本体キャビネット1を背中合わせに設置した場合に一方と他方とが連結される一対の側面パネル2,3を備えたので、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、一方の自動販売機の本体キャビネット1の側面に装着された側面パネル2と他方の自動販売機の本体キャビネット1の側面に装着された側面パネル3とが連結される。結果、一方の自動販売機と他方の自動販売機とが簡単に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、単体で壁際に設置されたり、横並びで壁際に設置されたりすることが多い(たとえば、特許文献1参照)。また、イベント広場やショッピングモールのように設置制限が少ない優良なロケーションでは、二台の自動販売機を背中合わせに設置できる場合もある。この場合には、自動販売機の倒伏を防止するために一方の自動販売機と他方の自動販売機とを連結しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−55793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二台の自動販売機を連結した状態で運搬することできない。このため、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、設置場所において連結する必要がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、二台を背中合わせに設置する場合に一方と他方とを簡単に連結できる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、箱型の本体キャビネットと、前記本体キャビネットの両側面にそれぞれ装着され、二台の本体キャビネットを背中合わせに設置した場合に一方と他方とが連結される一対の側面パネルとを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記一対の側面パネルの一方は後面に上下方向に延びる係止孔を有する一方、前記一対の側面パネルの他方は後面に上下方向に摺動可能であって、前記二台の本体キャビネットを背中合わせに設置した場合に前記係止孔に係止される係止片を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる自動販売機は、本体キャビネットの両側面にそれぞれ装着され、二台の本体キャビネットを背中合わせに設置した場合に一方と他方とが連結される一対の側面パネルを備えたので、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、一方の自動販売機の本体キャビネットの側面に装着された側面パネルと他方の自動販売機の本体キャビネットの側面に装着された側面パネルとが連結される。結果、一方の自動販売機と他方の自動販売機とが簡単に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である自動販売機を示す斜視図である。
【図2−1】図2−1は、側面パネル後縁部の取付構造を説明するための拡大斜視図である。
【図2−2】図2−2は、側面パネル前縁部の取付構造を説明するための拡大斜視図である。
【図3】図3は、背面パネルを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図4】二台の自動販売機を連結する手順を示す概念図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態である自動販売機を二台組み合わせて設置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる自動販売機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機を示す斜視図であって、外扉を取り外した状態を示した図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施の形態である自動販売機は、本体キャビネット1を有している。本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることにより堅牢に構成したもので、前面が開口した箱型形状を有している。本体キャビネット1の左側縁部には、外扉(図示せず)が支承可能である。左側縁部に支承された外扉は、本体キャビネット1の前面開口を覆うに十分な大きさを有している。外扉は、本体キャビネットと同様に、複数の鋼板を適宜組み合わせることにより堅牢に構成してある。
【0013】
本体キャビネット1の左側面と右側面とには、それぞれ側面パネル2,3が装着可能であって、本体キャビネット1の側面と背面とが交差する角部には、図2−1に示すように、取付金具4が取り付けてある。取付金具4は、本体キャビネット1の角部から後方域に断面コの字状となる凸部42が突出するように形成してあり、その側面には、上下一対となるスリット(係止孔)41が設けてある。スリット41は、それぞれ上下方向に延びる細長い矩形の孔であり、後述する係止片24が縁部に係止される。一方、本体キャビネット1の側面前縁部には、図2−2に示すように、上下一対となる貫通孔11が設けてある。
【0014】
図1に示すように、側面パネル2,3には、本体キャビネット1の左側面に装着される左側面パネル2と、本体キャビネット1の右側面に装着される右側面パネル3とがある。左側面パネル2の外観と右側面パネル3の外観とは左右対称であって、左側面パネル2と右側面パネル3とで対をなしている。
【0015】
側面パネル2,3は、自動販売機の外観を変更することにより商品の販売を促進することを目的としたもので、本体キャビネット1の側面全域を覆うに十分な大きさを有している。側面パネル2,3は、本体キャビネット1の前縁から後縁に向けて延在しており、本体キャビネット1の前縁に面一となる前面21,31と、取付金具4の凸部42と面一となる後面22,32とを有している。
【0016】
また、側面パネル2,3は、前縁から後縁に向けて少しずつふくらみを帯びた流線形をなすように形成してあり、後面22,32は前面21,31の幅の数倍の幅を有している。また、側面パネル2,3の上面は板材23,33で塞いである。
【0017】
また、図2−1に示すように、側面パネル2,3の後縁内側部には、上下一対となる係止片24が設けてある。係止片24は、後面22,32と平行であって、上述したスリット41に挿通させた状態で側面パネル2,3を下方に移動させることにより、上述したスリット41の縁部に係止される。
【0018】
また、図2−2に示すように、側面パネル2,3の前縁内側には、折返25が延在している。折返25には、上下一対となるネジ孔26が設けてあり、上述した貫通孔11を挿通したネジSが留められる。
【0019】
また、上述した取付金具4には、背面パネル5が取り付け可能となっている。背面パネル5は、商品を冷やすことによって生じた熱(排熱)を排出するためのもので、図3に示すように、本体キャビネット1の背面を覆うに十分な大きさを有している。この背面パネル5は、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合に取り付けられ、本体キャビネット1と背面パネル5との間には排熱流路が画成される。そして、商品を冷やすことによって生じた熱(排熱)は排熱流路を通って本体キャビネット1の上方域に排出される。
【0020】
図4に示すように、左側面パネル2の後面には上下一対となるスリット27が設けてあり、右側面パネル3の後面には上下一対となるスリット37が設けてある。左側面パネル2に設けたスリット27と右側面パネル3に設けたスリット37とは同一の高さ、同一の形状で形成してある。したがって、本体キャビネット1に側面パネル2,3を取り付けた二台の自動販売機を背中合わせに設置した場合に左側面パネル2に設けたスリット27と右側面パネル3に設けたスリット37とは重なることになる。
【0021】
スリット27,37は、細長い矩形の孔であり、左側面パネル2に設けたスリット27からは後述する係止爪71が突出し、右側面パネル3に設けたスリット37にはこの係止爪71が進入する。
【0022】
また、左側面パネル2の後部内側面には、連結部材取付金具6が取り付けてある。連結部材取付金具6は、後述する連結部材7を摺動可能に取り付けるためのもので、連結部材7が摺動する平坦面が左側面パネル2の後部内方域に突出するように形成してあり、上下方向に沿って延在している。具体的には、図に示すように、平面視コの字状となる凸部と凸部に連なる脚部とを有しており、脚部が左側面パネル2の内側面に取り付けられている。
【0023】
連結部材7は、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合に、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2と、他方の自動販売機の本体キャビネットに取り付けられた右側面パネル3とを連結するためのもので、上述した連結部材取付金具6に摺動可能に取り付けられている。連結部材7は上下方向に延びる板状体であって、一方の側面に上下一対となる係止爪71が形成してある。係止爪71は、上述したように、左側面パネル2の後面に設けたスリット27から突出している。
【0024】
図4(a)に示すように、係止爪71は鉤状に形成してあり、その下面は先端から基端に向けて漸次低くなるように傾斜している。また、係止爪71の基端には、左側面パネル2の後面22と右側面パネル3の後面32とが入り込む溝が形成してある。このため、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合に、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2と、他方の自動販売機に取り付けられた右側面パネル3とが接近すると、図4(b)(c)に示すように、係止爪71の傾斜に沿って連結部材7が上方に移動する。そして、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2の後面22と他方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた右側面パネル3の後面32とが密着すると、図4(d)に示すように、連結部材7が下方に移動し、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2と他方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた右側面パネル3とが連結される。
【0025】
上述した本発明の実施の形態である自動販売機は、本体キャビネット1に側面パネル2,3を装着することにより、自動販売機の外観が変更される。また、図5に示すように、本体キャビネット1に側面パネル2,3が装着された二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、一方の自動販売機の左側面パネル2と他方の自動販売機の右側面パネル3とが連結され、一方の自動販売機の右側面パネル3と他方の自動販売機の左側面パネル2とが連結される。この結果、一方の自動販売機と他方の自動販売機とが連結されことになる。
【0026】
なお、連結に際しては、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2の後面22と他方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた右側面パネル3の後面32とを密着させ、一方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた右側面パネル3の後面32と他方の自動販売機の本体キャビネット1に取り付けられた左側面パネル2との後面22とを密着させるだけでよい。
【0027】
上述した本発明の実施の形態である自動販売機は、本体キャビネット1の両側面にそれぞれ装着され、二台の本体キャビネット1を背中合わせに設置した場合に一方と他方とが連結される一対の左側面パネル2と右側面パネル3とを備えたので、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、一方の自動販売機の本体キャビネット1の側面に装着された側面パネル2(3)と他方の自動販売機の本体キャビネット1の側面に装着された側面パネル3(2)とが連結される。結果、一方の自動販売機と他方の自動販売機とが簡単に連結される。
【0028】
また、二台の自動販売機を背中合わせに設置する場合には、取付金具4に背面パネル5を取り付けるので、本体キャビネット1と背面パネル5との間には排熱流路が画成され、商品を冷やすことによって生じた熱(排熱)を本体キャビネット1の上方域に排出される。
【0029】
また、側面パネル2,3の後面は、本体キャビネット1に取り付けた取付金具4の凸部42と面一となるので、二台の自動販売機を背中合わせに設置した場合であっても、一方の自動販売機の側面パネル2(3)と他方の自動販売機の側面パネル3(2)との間に隙間が生じることがない。
【符号の説明】
【0030】
1 本体キャビネット
11 貫通孔
2 左側面パネル
22 後面
24 係止片
25 折返
26 ネジ孔
27 スリット
3 右側面パネル
32 後面
37 スリット
4 取付金具
41 スリット
42 突出面
5 背面パネル
6 連結部材取付金具
7 連結部材
71 係止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型の本体キャビネットと、
前記本体キャビネットの両側面にそれぞれ装着され、二台の本体キャビネットを背中合わせに設置した場合に一方と他方とが連結される一対の側面パネルと
を備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記一対の側面パネルの一方は後面に上下方向に延びる係止孔を有する一方、前記一対の側面パネルの他方は後面に上下方向に摺動可能であって、前記二台の本体キャビネットを背中合わせに設置した場合に前記係止孔に係止される係止片を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−191826(P2011−191826A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55117(P2010−55117)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】