説明

自動販売機

【課題】設置場所が限定されず、かつ十分な宣伝効果を発揮することが可能な自動販売機を提供すること。
【解決手段】略箱状の自動販売機本体1の内部に収容された商品を販売する自動販売機において、自動販売機本体1の上部に配設し、かつ表示画面41に情報を表示する表示装置40を備えて成り、この表示装置40は、常態においては表示画面41が水平面を構成する水平姿勢となる一方、必要に応じて表示画面41が自動販売機本体1の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種情報を表示する表示装置を備える自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種情報を表示する表示装置を備える自動販売機として、前面に開口が形成された直方状の自動販売機本体の前面開口を開閉する外扉の前面に、矩形状の表示画面を有する表示装置が配設されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような自動販売機においては、その前面である外扉の前面に配設された表示装置を通じて販売商品のコマーシャル等の各種情報を表示することで、商品の販売促進を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−91768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に提案されているような自動販売機では、その前面に表示装置が設けられているために、設置場所は壁際等に限定されてしまい、しかも前面側にいる人にしか表示内容を伝えられず宣伝効果が十分とはいえなかった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、設置場所が限定されず、かつ十分な宣伝効果を発揮することが可能な自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、略箱状の自動販売機本体の内部に収容された商品を販売する自動販売機において、前記自動販売機本体の上部に配設し、かつ表示画面に情報を表示する表示装置を備えて成り、前記表示装置は、常態においては前記表示画面が水平面を構成する水平姿勢となる一方、必要に応じて前記表示画面が前記自動販売機本体の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、上述した請求項1において、前記表示装置は、自身の前面側端部を固定端とし、かつ背面側端部を自由端として揺動可能に配設したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る自動販売機は、上述した請求項1又は請求項2において、前記表示装置は、操作入力を受け付けるタッチパネル部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動販売機によれば、自動販売機本体の上部に配設し、かつ表示画面に情報を表示する表示装置が、常態においては表示画面が水平面を構成する水平姿勢となるので、外扉の前面に表示画面が設けられた従来の自動販売機のように壁際だけに設置個所が限定されず、種々の個所に設置することが可能となる。しかも、表示装置が必要に応じて表示画面が自動販売機本体の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となるので、遠方からの視認も可能になり、設置環境に応じて各種情報を大勢の人々に提供することができる。従って、設置場所が限定されず、かつ十分な宣伝効果を発揮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である自動販売機をその前方の左側から見た場合を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態である自動販売機の平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態である自動販売機をその前方の左側から見た場合を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示した自動販売機の表示装置の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である自動販売機を示すものであり、図1はその前方の左側から見た場合を示す斜視図、図2はその平面図である。
【0014】
ここで例示する自動販売機は、略箱状の筐体である自動販売機本体1を備えている。かかる自動販売機本体1は、人が上面を見下ろせる程度の高さ寸法を有しており、内部に商品を収容している。
【0015】
このような自動販売機本体1には、陳列部10、取出口20、金銭回収部30及び表示装置40が設けてある。
【0016】
陳列部10は、自動販売機本体1の前面側の上部に配設してあり、内部に商品見本や販売商品を陳列するものである。このような陳列部10は、例えばガラス等の透光性材料から形成されるウィンドウ11により前面及び上面から陳列する商品見本や販売商品を視認可能にしている。
【0017】
取出口20は、自動販売機本体1の前面の中央部に配設してある。この自動販売機本体1の内部より払い出された商品を取り出すための開口である。この取出口20は、フラップドア21により開閉されるものである。これにより、利用者は、フラップドア21を開移動させることで取出口20を開成することができ、これにより購入した商品を取り出すことが可能になる。
【0018】
金銭回収部30は、その前面が自動販売機本体1の前面右側に配設してあり、より詳細には、自動販売機本体1の前面右側に形成された凹部2に収納された形態で配設してある。この金銭回収部30は、自動販売機本体1に対して前方に向けてスライド移動可能となっている。金銭回収部30の上面には、硬貨投入口31や表示部32等が設けてある。硬貨投入口31は、硬貨を投入する部分であり、金銭回収部30の内部に備えたコインメック(図示せず)に連通している。コインメックは、投入された硬貨の真偽と金種とを識別し、金種毎に硬貨を収容するものである。コインメックによって識別できなかった硬貨は、金銭回収部30の前面に設けられた返却口33から返却される。表示部32は、投入金額等を表示するものである。
【0019】
また、金銭回収部30の前面には、紙幣挿入口34が設けてある。紙幣挿入口34は、紙幣を挿入する開口であり、金銭回収部30の内部に備えた紙幣識別装置(図示せず)に連通している。紙幣識別装置は、挿入された紙幣の真偽と金種とを識別して収容するものであり、この紙幣識別装置によって識別できなかった紙幣は、紙幣挿入口34から返却される。
【0020】
表示装置40は、自動販売機本体1の上部に形成された凹部3に嵌め込まれた形態で配設してある。この表示装置40は、表示画面41とタッチパネル部42とを備えて構成してある。表示画面41は、矩形状の形態を成しており、販売商品のコマーシャル等の各種情報を表示するものである。タッチパネル部42は、表示画面41を囲繞する態様で該表示画面41の周縁部に配設してある。このタッチパネル部42は、操作入力を受け付ける入力手段である。
【0021】
このような表示装置40は、図3に示すように、自身の前面側端部40aを固定端とし、後面側端部40bを自由端として揺動可能に配設してある。これにより、表示装置40は、常態においては、図1及び図2に示すように表示画面41が水平面を構成する水平姿勢となる一方、必要に応じて揺動することにより、図3に示すように表示画面41が自動販売機本体1の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となることができる。
【0022】
かかる表示装置40を揺動可能に配設する構成として種々の形態を取り得るが、その一例を述べると次のようになる。表示装置40は、図4に示すように、左右両側部の前端部分において側方に向けて突出する軸状部43を有しており、これら軸状部43が自動販売機本体1の上部に形成された図示せぬ支持孔に挿通することで、該軸状部43の軸心回りに揺動可能に配設してある。そして、必要に応じて表示装置40を傾斜姿勢に保持するための保持部材を、該表示装置40の所定個所に設けるようにしてもよい。
【0023】
以上説明したような本実施の形態である自動販売機においては、表示装置40は、常態においては、表示画面41が水平面を構成する水平姿勢となるので、外扉の前面に表示画面が設けられた従来の自動販売機のように壁際だけに設置個所が限定されず、種々の個所に設置することが可能となる。しかも、上記表示装置40が必要に応じて揺動することにより表示画面41が自動販売機本体1の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となるので、遠方からの視認も可能になり、設置環境に応じて各種情報を大勢の人々に提供することができる。従って、本実施の形態である自動販売機によれば、設置場所が限定されず、かつ十分な宣伝効果を発揮することができる。
【0024】
上記自動販売機では、表示装置40が、表示画面41を囲繞する態様で該表示画面41の周縁部にタッチパネル部42を配設しているので、水平姿勢となる場合には、前方、後方、左方及び右方の4方向からの操作を受け付けることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0025】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態では、表示装置40は、自動販売機本体1に対して揺動可能に配設してあったが、本発明では、表示装置は、揺動可能に設ける必要はなく、常態においては表示画面が水平面を構成する水平姿勢となる一方、必要に応じて表示画面が自動販売機本体の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となることができれば、その配設形態については特に限定されない。
【0026】
また、上述した実施の形態では、表示装置40のタッチパネル部42は、矩形状の表示画面41の周縁部に設けてあったが、本発明においては、タッチパネル部は、表示画面の周縁部に設ける必要はなく、種々の個所に設けることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 自動販売機本体
2 凹部
3 凹部
10 陳列部
11 ウィンドウ
20 取出口
21 フラップドア
30 金銭回収部
31 硬貨投入口
32 表示部
33 返却口
34 紙幣挿入口
40 表示装置
40a 前面側端部
40b 後面側端部
41 表示画面
42 タッチパネル部
43 軸状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱状の自動販売機本体の内部に収容された商品を販売する自動販売機において、
前記自動販売機本体の上部に配設し、かつ表示画面に情報を表示する表示装置を備えて成り、
前記表示装置は、常態においては前記表示画面が水平面を構成する水平姿勢となる一方、必要に応じて前記表示画面が前記自動販売機本体の上面より所定角度だけ傾斜した傾斜姿勢となることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記表示装置は、自身の前面側端部を固定端とし、かつ後面側端部を自由端として揺動可能に配設したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記表示装置は、操作入力を受け付けるタッチパネル部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−190271(P2012−190271A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53392(P2011−53392)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】