説明

自動販売機

【課題】自動販売機内の収容本数を減らすことなく、また設置ロケーションに柔軟に対応することができる空容器収容ボックス追加装備可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】自動販売機1とは別個に形成され、本体キャビネット5の内部に空容器収容箱が内蔵されている空容器収容ボックス4を設け、前記自動販売機1に隣接して空容器収容ボックス4を追加装備し、前記自動販売機1と前記空容器収容ボックス4とに跨って配設される連結部材7を設け、この連結部材7により自動販売機1と空容器収容ボックス4とを一体的に連結することにより、自動販売機に空容器収容ボックス4を外付けできるので自動販売機内の収容本数を減らすことがなく、また、自動販売機1に隣接して空容器収容ボックス4を追加装備した場合にも自動販売機と空容器収容ボックス4とが一体である態様の外観形状に形成することが可能となるので見栄えを損なうことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は缶飲料、ペットボトル飲料などを販売する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動販売機により販売される缶飲料、ペットボトル飲料などの空容器は、資源の節約や不法投棄による環境汚染防止のために回収される。このような空容器の回収のために通常は、自動販売機の近傍に回収用の空容器入れ専用のごみ箱を設置しているのが一般的である。ところで、空容器内には飲料が付着して残るとともに飲み干さずに棄てられることもあり、棄てられた空容器から残り飲料が流れ出したり、残り飲料によって臭気が発生する。このため、ただ単に空容器を回収するごみ箱を自動販売機の近傍に設置した場合、空容器から流れ出した残り飲料が自動販売機の周囲を汚染したり、虫が群がったり、臭気が漂うおそれがある。そこで、空容器収容ボックスを自動販売機に内蔵した空容器収容ボックス内蔵型自動販売機が提供されている。(例えば、下記先行技術文献に記載の特許文献)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−204308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載された空容器収容ボックス内蔵型自動販売機においては、自動販売機の筐体(箱、箱状または筒状の囲い、およびハウジングを含む)の内部にごみ箱を設け、自動販売機の外扉前面に空容器投入口を設けたものである。
【0005】
しかしながら、この空容器収容ボックス内蔵型自動販売機は、自動販売機筐体内部に
空容器収容ボックスのスペースを確保する必要があり、そのスペース確保のためにはどうしても自動販売機自体の大型化が必要となり、自動販売機を設置する場所にスペース上の制約が生ずることになる。反対に、自動販売機を大型化せずに対応しようとする場合、自動販売機の商品収納庫に収容される商品収容数を少なくして対応せざるを得なく、商品の収容数低減につながる。
【0006】
そのため、空容器収容ボックス内蔵型自動販売機を幅広く提供するには、設置ロケーションに応じて製品幅の異なる空容器収容ボックス内蔵型自動販売機のバリエーションを増やさなくてはならない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、設置ロケーションに柔軟に対応することができ、空容器収容ボックスを追加装備可能な自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、断熱筐体としてなる本体キャビネット内部に販売商品を収容した自動販売機と、この自動販売機とは別個に形成され、本体キャビネットの内部に空容器収容箱が内蔵されている空容器収容ボックスを備え、前記自動販売機に隣接して前記空容器収容ボックスを追加装備可能とし、また前記自動販売機と前記空容器収容ボックスとに跨って配設される連結部材を設け、この連結部材により自動販売機と空容器収容ボックスとを一体的に連結可能としたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る前記連結部材は、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスのそれぞれの本体キャビネット側面の内側に補強部材として設けられている側面補強金にネジで固定することにより、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスを連結可能としたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る前記連結部材は、前記自動販売機の本体キャビネット側面の内側に取り付けられ前記自動販売機の外扉をロックするために設けられた扉ロック板の取り付け用のネジと、共締めによる取り付けを可能としたことを特徴とする。
また、請求項4に係る前記連結部材は、前記自動販売機及び前記空容器収容ボックスと略同一の高さ寸法とし、断面がコの字形状をなす左右の取付片と、中央の連結片で形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る前記空容器収容ボックスは、前記自動販売機と略同一の高さ寸法とし、本体キャビネット、外扉で構成され、前記本体キャビネット内部には、空容器収容箱が設けてあり、また前記外扉の前面には、空容器投入口を設けてあり、前記空容器投入口から投入された空容器は、前記空容器収容箱に貯蔵させることを可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る自動販売機によれば、断熱筐体としてなる本体キャビネット内部に販売商品を収容した自動販売機と、この自動販売機とは別個に形成され、本体キャビネットの内部に空容器収容箱が内蔵されている空容器収容ボックスとを備え、前記自動販売機に隣接して前記空容器収容ボックスを追加装備してなるものにおいて、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスとに跨って配設される連結部材を設け、前記空容器収容ボックスは前記連結部材により前記自動販売機に併設、連結固定させたことにより、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスがあたかも一体化された態様となり、外観上の見栄え向上に寄与するとともに、空容器収容ボックス付きの環境対応型自動販売機として提供することができる。
【0013】
請求項2、請求項3に係る前記連結部材は、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスそれぞれの本体キャビネット側面の内側に補強部材として設けられている側面補強金にネジで固定することにより取り付け可能である上、前記自動販売機の外扉をロックするために設けられた扉ロック板の取り付け用のネジと、共締めによる取り付けが可能であることから、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスを簡易に併設させることが可能である。
【0014】
また、既に設置されている自動販売機にも前記空容器収容ボックスを併設させることができると共に、設置ロケーションに応じて前記前記空容器収容ボックスを撤去させることも可能である。さらに前記連結部材は、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスそれぞれの前記本体キャビネット側面の内側に補強部材として設けてある側面補強金に被さる態様で取り付けられているため、従来の自動販売機に対し、バール等を用いた外扉のこじあけといった破壊行為に対し、防盗部材としての効果を発揮し、防盗性の向上、犯罪行為の抑止につながる。
【0015】
請求項4に係る前記連結部材は、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスと略同一の高さ寸法とし、断面がコの字形状をなす左右の取付片と、中央の連結片で形成され、前記連結片は、前記自動販売機、前記空容器収容ボックスとの間の隙間を必要最低減の幅に定める。それにより前記自動販売機、前記空容器収容ボックスそれぞれの外扉を開放する際に、互いに干渉することが無い必要な隙間を確保すると共に、併設設置時の幅規制板としての機能を持たせることができる。さらに前記自動販売機と前記空容器収容ボックスを併設する際の左右方向の位置決めが容易に可能となる。さらに、前記取付片を、前記自動販売機、前記空容器収容ボックスそれぞれの本体キャビネットの前面に突き当てて、取り付けることにより、前記自動販売機、前記空容器収容ボックスを併設する際の前後方向の位置決めが容易に可能となり、前記自動販売機、前記空容器収容ボックスがあたかも一体化された態様で併設させることができる。
【0016】
請求項5に係る空容器収容ボックスは、空容器収容ボックス本体をなす本体キャビネットと、外扉で構成されており、本体キャビネットの内部に設けてある空容器収容箱は、天井面が開放した板金製の収容箱本体と、前記本体キャビネットに取り付けられている蓋体で構成し、前記蓋体が前記収容箱本体の天井面を覆うことで、前記収容箱本体に収容されている空容器が前記収容箱本体から溢れ出すのを防止することができる。
【0017】
また前記空容器収容ボックスは、前記連結部材を介してネジで固定することにより併設させるため、前記自動販売機、前記空容器収容ボックスは個別に製品として提供することができる。また前記連結部材はネジで共締め可能であるため、併設、撤去が可能であると同時に、他の自動販売機への併設も可能である。さらに設置場所の制約がある場合は、製品幅の小さい自動販売機への空容器収容ボックスの併設を行なったり、設置場所の制約が少ないロケーションにおいては、大容量の自動販売機や製品幅の大きい多セレクションの自動販売機に併設させることも可能である。それにより、併設の汎用性が大幅に向上するとともに、空容器収容ボックス付き自動販売機を提供するにあたり、設置ロケーションへの対応に応じるべく、製品幅違いのバリエーションを揃えておく必要もない。
【0018】
さらに、自動販売機と空容器収容ボックスを併設することにより、空容器の回収をスムーズに行なうことができるため、自動販売機により販売された缶飲料、ペットボトル飲料などの空容器を資源の節約や不法投棄による環境汚染防止に役立てることができる。また自動販売機への販売商品の補充する際に、空容器を回収する際の利便性が良くなり、ルート効率の向上にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である空容器収容ボックスに連結部材を介して併設した自動販売機の全体外観図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態である自動販売機と空容器収容ボックスに連結部材を介して併設した状態をあらわす上面図である。
【図3】図3は、自動販売機と空容器収容ボックスが連結部材を介して併設された状態を上面から見た自動販売機、空容器収容ボックス及び、連結部材を示した詳細断面図である。
【図4】図4は、自動販売機と空容器収容ボックスに連結部材を取り付ける過程を示した状態図である。
【図5】図5は、自動販売機と空容器収容ボックス両方の外扉を開いた状態を示す全体外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施の形態である自動販売機1は連結部材7を介して、空容器収容ボックス4が追加装備されている。
【0022】
本実施の形態における自動販売機1は、缶飲料やペットボトル飲料などの商品を販売するもので、自動販売機本体をなす本体キャビネット2を有している。本体キャビネット2は、複数の比較的板厚の大きな鋼板からなる外箱の内部にウレタンフォームの断熱ボードを配設することによって断熱筐体として構成したもので、前面が外部に通じて開口した直方状をなしている。本体キャビネット2の内部には、図5に示すように、商品収容庫8があり、複数の商品収容ラック9が配置してある。前記商品収容ラック9の下部には、前面側に向けて傾斜させることで、前記商品収容ラック9から払い出された販売商品を搬出する搬出シュータ10が設けてある。また、そして搬出シュータ10の下方部には図示しない熱交換器が配設してあり、該熱交換器により、前記商品収容ラック9に収容した販売商品を所望の冷却温度、あるいは加熱温度に維持することが可能である。
【0023】
また図5に示すように、本体キャビネット2において、商品収容庫8の前面側には、内扉11が設けてある。内扉11は、本体キャビネット2の前面開口を開閉するためのものであり、本体キャビネット2の前面を覆う態様で鋼板と断熱ボードの組み合わせによって構成してある。前記内扉11は、本実施の形態では、商品収容ラック9への商品投入口から上側を覆う上部内扉11aと、上部内扉11aの下端から、下側の搬出シュータ10までを覆う下部内扉11bとからなり、下部内扉11bには搬出シュータ10を介して搬出される販売商品を外部に送出するためのフラッパ付き搬出口34が設けられている。
【0024】
また図1に示すように、外扉3は、本体キャビネット2の前面開口を覆う態様で、内扉11よりも板厚の大きい鋼板によって堅牢に構成してある。外扉3は、本体キャビネット2の左端側でヒンジ結合された片開き式の扉であり、その上部領域の前面は、ディスプレイウィンドウ12及び選択ボタン13が設けてあり、その下部領域の前面は、商品取出口14が設けてある。さらに前記外扉3の右側前面側には、硬貨投入口15、紙幣挿入口16、一体表示器17、硬貨返却口18、外扉3の右端側(反ヒンジ側)に配設された扉ロック装置を構成するロックハンドル19が設けてある。前記外扉3における硬貨投入口15、紙幣挿入口16に対応する後面側には、硬貨処理機35、紙幣処理機36などが設けてある。前記ディスプレイウィンドウ12は、収容した商品に応じた図示しない商品見本を利用者に視認させるための透明窓である。前記選択ボタン13は、利用者が購入商品を選択するための押しボタンスイッチであり、ディスプレイウィンドウ12を通じて視認される前記商品見本毎に用意してある。
【0025】
また、前記商品取出口14は、商品収容ラック9、搬出シュータ10、下部内扉11bの搬出口34を介して搬出された商品を利用者が受け取るための開口である。前記硬貨投入口15は、利用者が硬貨を投入するための開口である。この硬貨投入口15通じて投入された硬貨は、硬貨処理機35においてその金種が識別されて収容される。前記紙幣挿入口16は、利用者が紙幣を挿入するための開口である。この紙幣挿入口16を通じて挿入された紙幣は、紙幣処理機36において識別される。また前記紙幣挿入口16は、紙幣処理機36において識別できなかった紙幣を返却するための機能も有している。前記一体表示器17は、貨幣の投入金額、販売中であるか否か、釣り銭があるか否かなどの各種情報を利用者に表示するためのものである。前記硬貨返却口18は、硬貨処理機35において識別できなかった硬貨、あるいは釣り銭となる硬貨を利用者に返却するための開口である。ロックハンドル19は、外扉3を本体キャビネット2にロックまたはロックを解除する扉ロック装置を構成し、キー操作によりポップアップして旋回可能な状態となり、このポップアップした前記ロックハンドル19を回動させることにより外扉3に設けた図示しないスライダが上方へ移動し、本体キャビネット2における正面視右側側壁の前端から前方に突出する側面補強金30に取り付けられたロック板20(図3参照)との嵌合が解除されることにより、ロックが解除され、外扉3を開放するものである。なお、前記側面補強金30は本体キャビネット2の外箱を補強するために予め備えられているものであり、本体キャビネット2の正面視左側側壁にも同様の側面補強金31が取付けられている。
【0026】
次に空容器収容ボックス4について説明する。空容器収容ボックス4は、空容器収容ボックス本体をなす本体キャビネット5と、外扉6で構成されている。本体キャビネット5は、複数の鋼板を組み合わせることによって構成したもので、前面が外部に通じて開口した直方状をなし、自動販売機1の本体キャビネット2と略同一の高さに形成されている。図5に示すように、本体キャビネット5の内部は、中央付近に設けられた仕切板22によって、上下2つの空間領域に区分けされている。その下部領域24には、空容器収容箱25が設けてある。上部領域23は、空きスペースとして形成され、自動販売機1への補充用の販売商品、商品ケースなどを保管する保管スペースとして利用可能である。上部領域23及び下部領域24の前面側には、前記上部領域23、前記下部領域24を断熱・気密するための内扉は設けられていない。前記外扉6は、本体キャビネット5の右端側でヒンジ結合された片開き式の扉であり、その上部前面は、ディスプレイウィンドウ28及び選択ボタン29が設けてある。また、外扉6の前面中央より下方付近に、空容器投入口21が設けてある。空容器投入口21は、缶飲料、ペットボトル飲料の容器を内部へ投入することが可能な大きさに形成されている。空容器投入口21には、その背面に密着するように図示しない開閉蓋が設けられている。開閉蓋は、その上部の左右両端を図示しないピンなどで軸支することにより、回動可能に配設され、かつピンに挿入された図示しない付勢バネにより、常時、空容器投入口21を閉塞するように構成されている。そうすることにより、空容器内に、飲み残しなどで残存している飲料による臭気が、空容器収容ボックス4の外部へ漏れ出すことを防止している。
【0027】
図5に示すように、本体キャビネット5の内部の下部領域24に敷設されている空容器収容箱25は、天井面が開放した板金製の収容箱本体26と、前記本体キャビネット5に取り付けられている蓋体27で構成され、前記蓋体27は、前記収容箱本体26の天井面を覆い、空容器が前記収容箱本体26から溢れ出すのを防止するために設けられている。収容箱本体26は、複数の板金部品を接合することにより形成され、また、空容器を収容、回収するための図示しないビニール袋を上部から被せるために、天井面のみが開口している。また、前記蓋体27は、上記空容器投入口21から投入された缶飲料、ペットボトル飲料の空容器が前記収容箱本体26に貯留するように前面部のみが開口している。
【0028】
上記したように、外扉6の上部は、ディスプレイウィンドウ28及び選択ボタン29が設けてある。これは、図示しない商品見本を空容器収容ボックス4にも展示させることにより、併設させる自動販売機において、その設置場所の制約などにより、製品幅が小さい小型自動販売機との併設を想定し、収容コラム数に対し、選択ボタンが不足する場合に利用できるため、併設する自動販売機のバリエーションに柔軟に対応できる。なお、選択ボタン29を追加する必要がない場合には選択ボタン29を削除してディスプレイウィンドウ28を取り付けて、その内部を新商品の宣伝用ポスターやさまざまな広告を掲示させることで、販促スペースとして利用することも可能である。
【0029】
さて、自動販売機1に空容器収容ボックス4を追加装備するために設けた連結部材7について、図2〜図4を用いて説明する。図2に示すように、連結部材7は、自動販売機1と空容器収容ボックス4に跨って設けられる。前記連結部材7は鋼板製になり、図3に示すように、その断面がコの字形状をなす左右の取付片71,72と、中央の連結片73で形成されている。
【0030】
連結部材7の高さ寸法は自動販売機1の本体キャビネット2と空容器収容ボックス4の本体キャビネット5と略同一の高さ寸法を有している。なお、前記連結部材7の一方の取付片71には前記本体キャビネット2から前方に突出する側面補強金30(図3参照)が貫通する貫通孔(不図示)が形成されているものである。前記連結部材7のコ字状の取付片71は、自動販売機1の本体キャビネット2における正面視右側側壁の前縁に嵌合する大きさ、すなわち、本体キャビネット3の外箱の厚さ寸法およびこの外箱の前面内側に溶接結合された側面補強金30の外箱からの高さ寸法に略一致する幅を有している。また前記連結部材7の一方の取付片72には前記本体キャビネット5から前方に突出する側面補強金31(図3参照)が貫通する貫通孔(不図示)が形成されているものである。前記連結部材7のコ字状の取付片72は、空容器収容ボックス4の本体キャビネット5における正面視左側側壁の前縁に嵌合する大きさ、すなわち、本体キャビネット5の外箱の厚さ寸法およびこの外箱の前面内側に溶接結合された側面補強金31の外箱からの高さ寸法に略一致する幅を有している。
【0031】
この連結部材7は次記のように自動販売機1と空容器収納ボックス4との間に跨って取付けられる。すなわち、図3に示すように、上記連結部材7の一方の取付片71が、上記本体キャビネット2の右側側壁の前縁(側面補強金30と本体キャビネット2の外箱)に、他方の取付片72が、上記本体キャビネット5の左側側壁の前縁(側面補強金31と本体キャビネット5の外箱)に被さる態様で自動販売機1、空容器収容ボックス4との間に跨るように敷設する。
【0032】
そして、図3に示すように、前記連結部材7は、自動販売機1と空容器収容ボックス4それぞれの本体キャビネット2、5の前面内側に溶接結合された側面補強金30、31に、複数のネジ32、33により締結固定されている。
【0033】
この場合、上記連結部材7の中央にある連結片73は、自動販売機1と、空容器収容ボックス4との間の隙間を必要最低減の幅に定める機能を有する。すなわち、連結片73は、自動販売機1、空容器収容ボックス4それぞれの外扉3,6を開放する際に、互いに干渉することが無い必要な隙間を確保するために必要な幅として形成し、併設設置時の幅規制板としての機能を持たせる。これにより、自動販売機1、空容器収容ボックス4を併設する際の、左右方向の位置決めが容易に可能となる。
【0034】
さらに、上記連結部材7の取付片71の内壁面71a、取付片72の内壁面72aを、自動販売機1と空容器収容ボックス4それぞれの本体キャビネット2、本体キャビネット5の前面に突き当てて、ネジ32、33で固定させる取り付け方法とすることにより、自動販売機1、空容器収容ボックス4を併設する際の、前後方向の位置決めが容易に可能となり、自動販売機1、空容器収容ボックス4があたかも一体化された態様で併設させることができる。
【0035】
また、自動販売機1、空容器収容ボックス4の間に敷設されている連結部材7が、自動販売機1の前縁と外扉3背面との間の合わせ目に位置しており、その合わせ目の隙間を塞ぐことから本体キャビネット2の前縁と外扉3背面との合わせ目に、バール等の工具を用いて強引に外扉をこじあける破壊行為に対し、防盗部材としての役目をはたし、防盗性向上、視覚的な犯罪行為抑止効果につなげることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように本発明に係る自動販売機は、個々の機材を連結部材を用いることにより併設固定ができるため、缶・ペット自動販売機以外のさまざまな自動販売機に有用である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・自動販売機、2・・・本体キャビネット、3・・・外扉、 4・・・空容器収容ボックス、5・・・本体キャビネット、6・・・外扉、7・・・連結部材、71、72・・・取付片、71a、72a・・・内壁面、73・・・連結片、8・・・商品収容庫、9・・・商品収容ラック、10・・・搬出シュータ、11・・・内扉、12・・・ディスプレイウィンドウ、13・・・選択ボタン、14・・・商品取出口、15・・・硬貨投入口、16・・・紙幣挿入口、17・・・一体表示器、18・・・硬貨返却口、19・・・ロックハンドル、20・・・ロック板、21・・・空容器投入口、22・・・仕切板、23・・・上部領域、24・・・下部領域、25・・・空容器収容箱、26・・・収容箱本体、27・・・蓋体、28・・・ディスプレイウィンドウ、29・・・選択ボタン、30、31・・・側面補強金、32、33・・・固定ネジ、34・・・搬出口、35・・・硬貨処理機、36・・・紙幣処理機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱筐体としてなる本体キャビネット内部に販売商品を収容した自動販売機と、この自動販売機とは別個に形成され、本体キャビネットの内部に空容器収容箱が内蔵されている空容器収容ボックスとを備え、前記自動販売機に隣接して空容器収容ボックスを追加装備してなるものにおいて、
前記自動販売機と前記空容器収容ボックスとに跨って配設される連結部材を設け、この連結部材により自動販売機と空容器収容ボックスとを一体的に連結してなることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記連結部材は、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスのそれぞれの前記本体キャビネット側面の内側に補強部材として設けられている側面補強金にネジで固定することにより、前記自動販売機と前記空容器収容ボックスを連結可能としたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記連結部材は、前記自動販売機の本体キャビネット側面の内側に取り付けられ前記自動販売機の外扉をロックするために設けられた扉ロック板の取り付け用のネジと共締めすることにより取り付け可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の連結部材。
【請求項4】
前記連結部材は、前記自動販売機及び前記空容器収容ボックスと略同一の高さ寸法とし、断面がコの字形状をなす左右の取付片と、中央の連結片で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動販売機。
【請求項5】
前記空容器収容ボックスは、前記自動販売機と略同一の高さ寸法とし、本体キャビネット、外扉で構成され、前記本体キャビネット内部には、空容器収容箱が設けてあり、また前記外扉には、空容器投入口が設けてあり、前記空容器投入口から投入された空容器は、前記空容器収容箱に貯蔵させることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−69052(P2012−69052A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215217(P2010−215217)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】