説明

自動車のカウルグリル

【課題】フロントガラスとの間における異音の発生を効果的に防止可能な自動車のカウルグリルを提供する。
【解決手段】フロントガラス5の前縁上部を覆うモール部11と、フロントガラス5の前縁部を下側から支持する支持爪12とを有し、フロントガラス5の前縁部とボンネット6の後縁部間に配置されるカウルグリル10であって、支持爪12のうちの少なくともフロントガラス5の下面に圧接される部分を、カウルグリル本体10Aよりも低摩擦係数の別部材からなる圧接部材13で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントガラスの前縁部とボンネットの後縁部間に配置されるカウルグリルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラスの前縁部とボンネットの後縁部間には、両者間の隙間を閉鎖するようにカウルグリルが設けられている。カウルグリルの後縁部にはフロントガラスの前縁上部を覆うモール部が車幅方向の略全幅にわたって設けられるとともに、フロントガラスの前縁部を下側から支持する支持爪が車幅方向に設定間隔おきに設けられ、フロントガラスの前縁部はカウルグリルのモール部と支持爪間に保持されるように構成されている。
【0003】
ところで、支持爪はフロントガラスの前縁部の下面に圧接されるが、エンジンの振動や、走行時における路面からの振動により異音が発生して、ユーザーに不快感を与えるという問題があった。
【0004】
そこで、このような異音の発生を防止するため、フロントガラスの下面に圧接される別部材からなる弾性片を支持爪に取り付けて、エンジンの振動や、走行時における路面からの振動に追従して、弾性片が弾性変形するように構成し、該振動により支持爪がフロントガラスの下面から微妙に離間して、素材の弾性によりフロントガラスの下面に打ち付けられることによる異音の発生を防止するように構成した、フロントガラスの取付構造も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−83593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者もフロントガラスとカウルグリル間における異音の発生を防止すべく、各種試験を行なった結果、前記特許文献1記載のように、支持爪がフロントガラスの下面に打ち付けられる異音以外に、支持爪とフロントガラスとの接触面方向への相対移動時のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音があることを見出した。
【0007】
本発明の目的は、フロントガラスとの間における異音の発生を効果的に防止可能な自動車のカウルグリルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自動車のカウルグリルは、フロントガラスの前縁上部を覆うモール部と、フロントガラスの前縁部を下側から支持する支持爪とを有し、フロントガラスの前縁部とボンネットの後縁部間に配置されるカウルグリルであって、前記支持爪のうちの少なくともフロントガラスの下面に圧接される部分を、カウルグリル本体よりも低摩擦係数の別部材からなる圧接部材で構成したものである。
【0009】
このカウルグリルでは、フロントガラスの荷重の一部が支持爪により支持されることになるが、支持爪のうちの少なくともフロントガラスの下面に圧接される部分が、カウルグリル本体よりも低摩擦係数の別部材からなる圧接部材で構成され、フロントガラスに対して支持爪が円滑に摺動できるので、フロントガラスと支持爪間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止でき、カウルグリルとフロントガラス間における異音の発生を効果的に防止できる。しかも、圧接部材をカウルグリル本体とは別部材で構成しているので、カウルグリル本体をポリオレフィン系の合成樹脂材料、特にゴム含有のポリプロピレンやタルク添加のポリプロピレンなどの合成樹脂材料で構成することで、カウルグリル本体の耐環境性や機械的特性を低下させることなく、異音の発生を防止することができる。
【0010】
前記圧接部材が、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のいずれかの合成樹脂材料からなるものを採用することが好ましい実施の形態である。このような合成樹脂材料で圧接部材を構成することで、圧接部材の摩擦係数を低く設定して、フロントガラスの下面に対する滑りを良好にして、フロントガラスと支持爪間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止できるので好ましい。
【0011】
前記圧接部材の摩擦係数が0.5以下であることが好ましい実施の形態である。圧接部材の摩擦係数をこのような数値に設定することで、フロントガラスの下面に対する滑りを良好にして、フロントガラスと支持爪間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止できるので好ましい。圧接部材の摩擦係数は、できるだけ低く設定することが好ましく、0.2以下に設定することがより好ましい。
【0012】
前記圧接部材が、静摩擦係数と動摩擦係数の差が小さい材料、耐摩耗性材料、自己潤滑性材料、高速滑り性材料、摩擦音・摩擦振動を発生しない材料のいずれかで構成されることも好ましい実施の形態である。圧接部材の物性をこのように設定することで、フロントガラスの下面に対する滑りを良好にし、フロントガラスと支持爪間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止できるので好ましい。
【0013】
前記カウルグリル本体に圧接部材が嵌合固定される取付部を形成し、圧接部材と取付部とで支持爪を構成することが好ましい実施の形態である。このように、圧接部材を嵌合固定によりカウルグリルに機械的に固定すると、安価に且つ確実に圧接部材をカウルグリルに取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自動車のカウルグリルによれば、フロントガラスの荷重の一部が支持爪により支持されることになるが、支持爪のうちの少なくともフロントガラスの下面に圧接される部分が、カウルグリル本体よりも低摩擦係数の別部材からなる圧接部材で構成され、フロントガラスに対して支持爪が円滑に摺動できるので、フロントガラスと支持爪間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止でき、カウルグリルとフロントガラス間における異音の発生を効果的に防止できる。しかも、圧接部材をカウルグリル本体とは別部材で構成しているので、カウルグリル本体をポリオレフィン系の合成樹脂材料、特にゴム含有のポリプロピレンやタルク添加のポリプロピレンなどの合成樹脂材料で構成することで、カウルグリル本体の耐環境性や機械的特性を低下させることなく、異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】カウルグリル付近の自動車の縦断面図
【図2】カウルグリルの斜視図
【図3】支持爪及び圧接部材の(a)は斜視図、(b)は分斜視図、(c)は(a)のIII-III線断面図
【図4】他の支持爪及び圧接部材の(a)は斜視図、(b)は分斜視図、(c)は(a)のIV-IV線断面図
【図5】他の支持爪及び圧接部材の(a)は斜視図、(b)は分斜視図、(c)は(a)のV-V線断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、自動車の前後左右を基準に前後左右を定義して説明する。
図1に示すように、自動車のエンジンルーム1と車室2との境界部には上下方向に延びるダッシュパネル(ダッシュロアパネル)3が車体の略全幅にわたって設けられ、エンジンルーム1と車室2とはダッシュパネル3により区画されている。ダッシュパネル3の上端部には車体の略全幅にわたって延びる閉断面状のダッシュアッパパネル4が接合されている。このダッシュアッパパネル4は、フロントパネル4Aとリアパネル4Bとによって閉断面状に構成されているが、剛性調整のために開口部4aが適所に形成され、フロントガラス5の前縁部はダッシュアッパパネル4の上端部に支承されている。
【0017】
ダッシュアッパパネル4の下端部にはボンネット6の後端部の下側まで延びるカウルフロントパネル7が連結され、このカウルフロントパネル7は、ダッシュアッパパネル4の下端部から前方へ略水平に延びた後、前方斜め上側へ向けて傾斜状に延びる本体部7aと、本体部7aの前端上部から前方へ延びるフランジ部7bとを備え、車体の略全幅にわたって設けられている。カウルフロントパネル7とダッシュアッパパネル4とにより車幅方向に延びる有底のカウル空間Sが形成され、このカウル空間S内に導入された雨水等は、カウル空間Sから路面へ向けて排出されるように構成されている。
【0018】
カウルフロントパネル7の上方には、カウルグリル10が車体の略全幅にわたって設けられている。このカウルグリル10は、図1〜図3に示すように、フロントガラス5の前縁上部を覆うモール部11と、フロントガラス5の前縁部を下側から支持する支持爪12とを有し、フロントガラス5の前縁部とボンネット6の後縁部間に配置され、支持爪12のうちの少なくともフロントガラス5の下面に圧接される部分を、カウルグリル本体10Aよりも低摩擦係数の圧接部材13で構成し、カウルグリル本体10Aの下面側に圧接部材13が嵌合固定される取付部14を形成し、圧接部材13と取付部14とで支持爪12を構成したものである。
【0019】
カウルグリル10の後縁上部にはフロントガラス5の前縁上部を覆う平板状のモール部11が形成され、後縁下部にはフロントガラス5の前縁部を下側から支持する略L字状の支持爪12が設定間隔おきに形成され、フロントガラス5の前縁部はモール部11と支持爪12間に保持されている。なお、支持爪12の個数は、本実施の形態では9個に設定したが、9個以外の任意の個数に設定することも可能である。
【0020】
カウルグリル本体10Aの前後方向の途中部には倒立V字状の突出部15が車幅方向に形成され、突出部15の前側の傾斜部とこの傾斜部の前側に連なる部分には多数の貫通孔を形成してなるグリル部16が形成され、このグリル部16を通じて空調用エアがカウル空間Sへ導入できるように構成されている。
【0021】
カウルグリル本体10Aにおける突出部15の前側には一段段上げしたダム部17が形成され、突出部15とダム部17間には溝部18が形成されている。ダム部17の上面には図示外のシール部材が取付けられ、ボンネット6を閉じた状態で、ボンネット6の裏面側のボンネットレインフォースメント6aが、このシール部材に圧接されて、エンジンルーム1内への雨水等の浸入が防止される。
【0022】
ボンネット6の後縁部は突出部15の頂部よりもやや車体後方に配置され、突出部15の前側への雨水や異物の侵入が防止され、ダム部17の前縁部にはスリット17aが形成されている。
【0023】
カウルグリル本体10Aの後縁部には平板状のフランジ部19が形成され、カウルグリル本体10Aのフランジ部19は、カウルフロントパネル7のフランジ部7bの上側に重ね合わせて、ファスナーなどの固定具20にて結合されている。
【0024】
カウルグリル本体10Aは、車幅方向に連続する一体部材で構成することもできるし、車幅方向の途中部において分割して、2個或いはそれ以上の個数の分割体に分割構成することもできる。分割構成する場合には、カウルグリル本体10Aを成形するための金型として、小型なものを採用することが可能となり、カウルグリル10の製作コストを低減できるので好ましい。カウルグリル本体10Aを構成する合成樹脂材料としては、耐環境性や機械的強度を考慮して、ポリオレフィン系の合成樹脂材料、特にゴム含有のポリプロピレンやタルク添加のポリプロピレンなどを好適に採用できる。
【0025】
支持爪12は、カウルグリル本体10Aに一体的に形成した取付部14と、取付部14に機械的に嵌合固定されて、フロントガラス5の下面に圧接される圧接部材13とで構成されている。圧接部材13は、カウルグリル本体10Aよりも低摩擦係数の素材からなり、カウルグリル本体10Aとは別部材で構成され、フロントガラス5との滑り性を良くすることで、エンジン振動や走行時における路面からの振動により、フロントガラス5と圧接部材13とが相対移動しても、フロントガラス5と支持爪12間のスティックスリップ現象によるビビリ音や擦れ音などの発生を効果的に防止できるように構成されている。
【0026】
圧接部材13を構成する合成樹脂材料としては、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のいずれかの合成樹脂材料を採用することができる。また、ポリアセタールやポリアミドでは、固体潤滑剤、潤滑油などの潤滑剤を添加したものを好適に採用でき、またフッ素系樹脂は一般にスティックスリップ現象が小さいので好適である。固体潤滑剤としては、フッ素樹脂粉、ポリエチレン粉、黒鉛、二硫化モリブデンなどを挙げることができ、潤滑油としては機械油、シリコーンオイル等を挙げることができる。圧接部材13の摩擦係数は、フロントガラス5との擦れ音を効果的に防止するため、できるだけ低く設定することが好ましく、0.5以下、好ましくは0.2以下に設定することになる。一般に、軽負荷条件での摺動を伴う機構部品に用いられる合成樹脂材料のうち、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)は、摩擦係数が低く、自己潤滑性を有するのでフロントガラスとの摩擦係数を0.5以下に設定することができる。また、このような材料は摩擦係数が低く動摩擦係数と静摩擦係数差が小さいために、スティックスリップ現象を起さないので、フロントガラスと滑りが生じた場合に不快なびびり音が生じないことにより異音の発生を抑えることができる。さらにこれらの材料は、耐摩耗性が高いので部材としての耐久性を高めることができる。
【0027】
取付部14に対する圧接部材13の取付構造30は、両者が相対移動しないように強固に固定可能な取付構造であれば、任意の取付構造を採用することができる。ただし、ビスや接着剤などで取り付けることも可能であるし、カウルグリル本体10Aの成形時に2色成形により圧接部材13をカウルグリル本体10Aと一体的に設けることも可能であるが、取付作業が煩雑になったり、製作コストが高くなったりするので、機械的な嵌合構造により取り付けることが好ましい。
【0028】
圧接部材13の取付構造30としては、次のような機械的な嵌合構造による、取付構造30A〜30Cを好適に採用できる。ただし、例示した以外の取付構造を採用することも可能である。
【0029】
(1)第1の取付構造30Aについて説明すると、図3に示すように、カウルグリル本体10Aに一体的に形成される取付部14として、カウルグリル本体10Aから下方へ延びる基部31と、基部31の下端部から後方延びる支持部32と、支持部32の両側下部に形成した切欠部33とを有する取付部14Aが設けられている。また、カウルグリル本体10Aとは別部材からなる圧接部材13として、細長い長方形状の平板部35と、平板部35の両端部から下方へ延びる1対のアーム部36と、両アーム部36の下端部から内側へ突出する爪部37とを有する断面コ字状の圧接部材13Aが設けられている。
【0030】
圧接部材13Aは、アーム部36が支持部32の両側に配置されるように、支持部32に対して上側から嵌合され、爪部37を支持部32の切欠部33に係合させることによって、取付部14Aに対して相対移動不能に固定されている。カウルグリル10は、圧接部材13Aを取付部14Aに固定して、支持爪12を組立てた状態で、車体に組み付けられ、車体に組み付けた状態で、フロントガラス5の前縁部の下面が圧接部材13Aの平板部35の上面に摺動自在に圧接されて、カウルグリル10のモール部11と支持爪12間にフロントガラス5の前縁部が保持されるように構成されている。
【0031】
(2)第2の取付構造30Bについて説明すると、図4に示すように、カウルグリル本体10Aに一体的に形成される取付部14として、カウルグリル10から下方へ延びる基部41と、基部41の下端部から後方へ延びる支持部42と、支持部42の上部と一側部とにわたって延びる側面視倒立T字状の切欠部43とを有する取付部14Bが設けられている。また、カウルグリル本体10Aとは別部材からなる圧接部材13として、正方形や円形などの形状の平板部45と、平板部45の中央部から下方へ延びる脚部46と、脚部46の下端部から前後両側へ延びる係止部47とを有する断面コ字状の圧接部材13Bが設けられている。
【0032】
圧接部材13Bは、平板部45が上側に配置されるように脚部46及び係止部47を支持部42の切欠部43に側方より嵌合させ、係止部47と平板部45間に支持部42の上部を挟持することで、取付部14Bに対して相対移動不能に固定されている。カウルグリル10は、圧接部材13Bを取付部14Bに固定して、支持爪12を組立てた状態で、車体に組み付けられ、車体に組み付けた状態で、フロントガラス5の前縁部の下面が圧接部材13Bの平板部45の上面に摺動自在に圧接されて、カウルグリル10のモール部11と支持爪12間にフロントガラス5の前縁部が保持されるように構成されている。
【0033】
(3)第3の取付構造30Cについて説明すると、図5に示すように、カウルグリル本体10Aに一体的に形成される取付部14として、カウルグリル本体10Aから下方へ延びる基部51と、基部51の後面に設けた平板状の縦壁部52と、縦壁部52の上下両側に配置した角孔状の係止孔53及び両係止孔53間に設けた丸孔からなる位置決め孔54とを有する取付部14Cが形成されている。また、カウルグリル本体10Aとは別部材からなる圧接部材13として、フロントガラス5の下側へ延びる支持部55と、支持部55の基部に設けた固定部56と、固定部56から前方へ突出状に設けた上下1対の爪部57と、両爪部57間において固定部56に前方へ突出状に設けた位置決めピン58とを有する側面視略L字状の圧接部材13Cが設けられている。
【0034】
圧接部材13Cは、上下の爪部57を取付部14の縦壁部52の係止孔53にそれぞれ嵌合させるとともに、位置決めピン58を位置決め孔54に嵌合させて、固定部56を取付部14Cの縦壁部52に重ね合わせることで、取付部14Cに対して相対移動不能に固定されている。カウルグリル10は、圧接部材13Cを取付部14Cに固定して支持爪12を組立てた状態で車体に組み付けられ、車体に組み付けた状態で、フロントガラス5の前縁部の下面が圧接部材13Cの支持部55の上面に摺動自在に圧接されて、カウルグリル10のモール部11と支持爪12間にフロントガラス5の前縁部が保持されるように構成されている。
【符号の説明】
【0035】
1 エンジンルーム 2 車室
3 ダッシュパネル 4 ダッシュアッパパネル
4A フロントパネル 4B リアパネル
4a 開口部 5 フロントガラス
6 ボンネット 6a ボンネットレインフォースメント
7 カウルフロントパネル 7a 本体部
7b フランジ部
10 カウルグリル 10A カウルグリル本体
11 モール部 12 支持爪
13 圧接部材 14 取付部
15 突出部 16 グリル部
17 ダム部 17a スリット
18 溝部 19 フランジ部
20 固定具 30 取付構造
13A 圧接部材 14A 取付部
30A 取付構造 31 基部
32 支持部 33 切欠部
35 平板部 36 アーム部
37 爪部
13B 圧接部材 14B 取付部
30B 取付構造 41 基部
42 支持部 43 切欠部
45 平板部 46 脚部
47 係止部
13C 圧接部材 14C 取付部
30C 取付構造 51 基部
52 縦壁部 53 係止孔
54 位置決め孔 55 支持部
56 固定部 57 爪部
58 位置決めピン S カウル空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスの前縁上部を覆うモール部と、フロントガラスの前縁部を下側から支持する支持爪とを有し、フロントガラスの前縁部とボンネットの後縁部間に配置されるカウルグリルであって、
前記支持爪のうちの少なくともフロントガラスの下面に圧接される部分を、カウルグリル本体よりも低摩擦係数の別部材からなる圧接部材で構成した、
ことを特徴とする自動車のカウルグリル。
【請求項2】
前記圧接部材が、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のいずれかの合成樹脂材料からなる請求項1記載の自動車のカウルグリル。
【請求項3】
前記圧接部材の摩擦係数が0.5以下である請求項1又は2記載の自動車のカウルグリル。
【請求項4】
前記圧接部材が、静摩擦係数と動摩擦係数の差が小さい材料、耐摩耗性材料、自己潤滑性材料、高速滑り性材料、摩擦音・摩擦振動を発生しない材料のいずれかで構成される請求項1〜3のいずれか1項記載の自動車のカウルグリル。
【請求項5】
前記カウルグリル本体に圧接部材が嵌合固定される取付部を形成し、圧接部材と取付部とで支持爪を構成した請求項1〜4のいずれか1項記載の自動車のカウルグリル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−11605(P2011−11605A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156513(P2009−156513)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000107619)スターライト工業株式会社 (62)
【Fターム(参考)】