説明

自動車のハイブリッド部材を製造する方法および当該方法により製造された自動車のハイブリッド部材

【課題】自動車のハイブリッド部材を、コスト面において効率的に実施することができるような製造方法の提供。
【解決手段】以下のステップによる方法で解決される。・ベースボディ1を、三次元に型成形された自動車部材として製造するステップ。・少なくとも一層の繊維材料を準備し、好ましくは二つ以上の層が積層されて樹脂に浸透され、及び/又は樹脂を付勢されるステップ。・繊維材料をプリフォーム部分へ切断するステップ。・ブランク2をプリフォーム3上に載置して加熱するステップ。・ベースボディ1をプリフォーム3上に位置決めするステップ。・ベースボディ1及び/又はプリフォーム3を押付けて、ブランク2をベースボディ1の形状へと形成するステップ。・ブランク2を硬化するステップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の特徴に従う自動車のハイブリッド部材の製造方法に関する。更に、本発明は、本方法により製造された、請求項15の特徴に従う自動車のハイブリッド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造メーカーは、今日、できるだけ材料を節約した車両を製造することを試みている。これら車両は、更に、少ないCO2排出量を有している。燃料節約のためには、様々なアプローチがある。一つには、新しいエンジンジェネレーションが開発される。このエンジンジェネレーションは、同様に維持された出力を、明らかに少ない燃料消費でもって提供する。これは例えば、内燃機関の過給プロセスによって可能とされる。さらに代替として、ハイブリッド自動車が多く使用される。これらハイブリッド自動車は、内燃機関に追加して、電機駆動装置もまた利用する。
【0003】
更にその上、別の可能性、例えば自動車の流れ特性を改善することにおける可能性が存在する。その結果、運転中により良好なCW値によって同様に燃料が節約される。
【0004】
燃料節約の別の可能性は、自動車自体の重量の削減にも存在する。これによって明らかに少ない質量が動かされ、このことは著しい燃料節約ポテンシャルと共に、より少ないCO2排出へと通じる。ここでもまた、一方では軽金属合金を使用し、他方では高高度及び/又は最高高度の鋼をボディ構造に使用することによる様々な可能性が存在する。
【0005】
同様に、繊維強化部材又はハイブリッド部材もまた、よりボディ構造に使用されてきている。これらハイブリッド部材は、金属部分と繊維強化部分から成っている。例えば、エンジンフード、ドア、トランクカバー、フェンダー、又は、ルーフトップ要素や、または他のボディ部分、またはボディ構造部分が、計量部材として製造される。その上、常に開発が続けられる、繊維強化部材の自動製造の為の製造プロセスによって、その製造は経済的にもなってきたので、これらは試作器のみならず、スーパースポーツタイプ車や、上級クラスの自動車にも搭載される。(vorbehalten)そこで今日、繊維強化部材の自動製造の為の可能性を、ミドルクラスの自動車にもまた経済的に利用することが可能である。
【0006】
例えば特許文献1から、軽量部材を製造する方法、または繊維強化構造部材を製造する方法が公知である。この方法においては、強化すべきベース構造要素と、強化要素が互いに連結される。ここでは先ず、強化要素が製造され、そしてベース構造要素が熱せられる。引き続いて、両部材は互いに接合され、プレスされ、そして乾燥される。
【0007】
しかしながら、この製造方法の実施の為には、ベース構造要素の加熱に基づき、製造技術上の観点で本当に高いエネルギーコストが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願第10 2008 039 869 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって本願発明の課題は、先行技術から公知である自動車のハイブリッド部材の製造方法を、特にコスト面において効率的に実施することができるよう改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題は、発明に従い請求項1に記載の特徴を有する自動車のハイブリッド材料の製造方法により解決される。
【0011】
本発明は、更に、請求項15に記載の特徴に従う自動車のハイブリッド部材により解決される。
【0012】
本発明の有利な実施バリエーションは、従属請求項の成分である。
【0013】
金属製のベースボディ及び繊維強化材料から成る強化パッドから成る自動車のハイブリッド部材の製造の為の、本発明に従う方法は、以下の方法ステップにより特徴づけられる。
・ 三次元に型成形された自動車部材としてのベースボディを製造するステップ。
・ 少なくとも一つの層の繊維材料を準備し、好ましくは二つの層を準備し、特に三またはより多くの層の繊維材料を準備し、これら層が互いに積層され、その際、層が樹脂を浸透され、及び/又は樹脂により付勢されるステップ。
・ 繊維材料をプリフォーム部分へ切断するステップ。
・ ブランクをプリフォームの上に載置し、そいてブランクを熱し、その際、ブランクを熱するために、プリフォームが熱せられるか、またはブランクが別体式の熱源により熱せられるステップ。
・ ベースボディを、プリフォーム上に位置するブランクの上に位置決めするステップ。
・ ブランクを、ベースボディ及び/又はプリフォームの押付けにより、ベースボディの形状に形成するステップ。
・ ブランクを硬化するステップ。
【0014】
基本的に、まず、金属製の薄板プレートからベースボディが製造される。ベースボディは、例えば鋼材料から製造されることが可能であり、特に熱間成型法またはプレス硬化法により製造される。しかし、ベースボディは軽金属材料から製造されることも可能である。ベースボディは、特に自動車の構造部材であり、特に有利には、自動車のピラー、特に、自動車のBピラーである。しかしこれは、本発明の枠内で、ルーフピラーであり、またはその他の自動車の部材、例えば長手方向ビーム、横断方向ビーム、ベースプレート、ギアトンネルや、または自動車のカバー、例えばエンジンフード、ドアや類似のものであることが可能である。
【0015】
本発明に係るハイブリッド部材の製造方法の始めに、金属のベースボディは、その最終形状を有している。つまり金属のベースボディは、ハイブリッド部材の製造方法自体によって、もはや変形を受けないか、または本質的でない変形のみを受ける。
【0016】
更に、少なくとも一つの層が繊維材料から、好ましくは二つの互いに積層された層が、特に三つまたはより多くの互いに積層された層が、繊維材料から準備され、その際、層自体が、樹脂を浸透される、及び/又は樹脂により付勢される。その様にして準備された、繊維材料より成る層または繊維材料より成る複数層は、これに引き続いてブランクへと切断される。ブランク自体は、プリフォーム部分であり、これは更なる方法ステップ中において、プリフォーム上に載置され、そしてプリフォーム上で熱せられる。
【0017】
その際、ブランク自体は基本的に、補強パッチの外側の形状寸法に対応している。プリフォーム上でブランクは、例えば熱の影響によって既に軽度の丸みを有しており、よって三次元のプリフォーム形状を有している。引き続いてベースボディは、プリフォームの上に位置するブランクの上に位置決めされる。本発明の枠内において、位置決めとは、かぶせるまたは当接させるまたは載置することであると理解される。自動車のピラーの場合、これらは好ましくは断面においてハット状の構成を有しており、その際、ハット形状は、プリフォーム上に位置するブランクの上にかぶせられる結果、ブランクは、ハット形状の内側に当接するに至る。
【0018】
本発明の更なる方法ステップ中において、ブランクは、ベースボディの形状に合わせて形成される。これは、ベースボディ及び/又はプリフォームを押付けることにより行われる。ここでベースボディは、上側の押付けツールとして、プリフォームは下側の押付けツールとして使用される。ベースボディとブランクの内側自体は、押付けにより互いに接触せしめられ、そしてブランクは、かぶせられた際に既にこれが行われていない限り、ベースボディの表面形状の形状に合わせて形成されるまたは成型される。これに続いて、ブランクは硬化し、そしてこれによってガラス繊維材料からなる補強パッチを形成する。
【0019】
本発明の枠内においてブランクから押付けの際に発生する特に過剰の樹脂自体によって、材料結合的な連結がブランクとベースボディの内側の間で決定的に行われる。樹脂は、ベースボディとブランクの間の接着接続を確立する。しかし本発明の枠内で、接着接続を確立するために、またはその強度をさらに向上させるために、追加的な接着剤がベースボディ内及び/又はブランク上にもたらされることも考えられる。同様に、本発明の枠内で、ベースボディを下塗りによって科学的に前処理することも考えられる。
【0020】
本発明の枠内で、ブランクを熱するために、プリフォーム自体が熱せられるか、またはブランクが別体式の熱源によって熱せられる。まさにここに、本発明の本質的メリットがある、というのは、全部材内への極めて高いエネルギー導入を必要とするという、全てのベースボディが熱せられる必要が無く、プリフォーム自体のみが、またはプリフォーム上に載置されたブランクが、相当する熱装置によって熱せられる必要があるからである。
【0021】
熱装置または熱源は、本発明の枠内では、特に例えば熱放射機であり、特に赤外線放射器であり、しかしまたはホットプレートである。ホットプレートの場合、ホットプレートとブランクの間の接触が行われるので、これに応じて熱移行が行われる。ブランクの唯一の領域のみの意図した加熱によって、本発明に係る自動車のハイブリッド部材の製造方法は、先行技術から公知の方法に対して明らかにコスト面で安価に実施することができる。というのは、より少ないエネルギー流入が方法の実施の間に行われるからであり、及び、製造ラインを構築する調達コストが、加熱ツールのより小さな形状に基づいて明らかに少なくなるからである。
【0022】
更に本発明の枠内において、特に有利には、ブランクが40℃から130℃の間、好ましくは50℃から120℃の間、特に70℃から90℃の間の加熱温度に熱せられる。ここで、最も流布している先行技術より公知の繊維材料、例えばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維(Basaltfasern)、または金属繊維のような繊維材料は、樹脂と結びついて、押付け過程と、これに続く硬化過程を実施するための最善の状態が達成される。
【0023】
本発明の枠内で、プリフォームを150℃から180℃の間の温度、好ましくは160℃から170℃の間の温度に熱することも考えられる。これにより、プリフォーム上に載置されたブランクが、ブランクの内部で上述した温度を達成される。
【0024】
更に好ましくは、プリプレグ材量が、互いに重なり合い積層され、これよりブランクが製造される。プリブレグ材は、特に、樹脂塗布を省略するというメリットを有する。すでにプリプレグ材ないに保持されている樹脂の活性化は、熱流入により実現される。
【0025】
更に本発明の枠内で、ブランクをプリフォーム上で熱した後、加熱温度に保持するか、またはブランクが再度熱されるということが考えられる。これによって有利な方法で、既にブランク及びベースボディから形成されたハイブリッド部材への相応する熱流入を確実なものとし、これに引き続く後処理の際に、部材内の残留熱が保持されるということが可能である。再度のまたは複数回の加熱によって、段階的な形状形成または、ブランク内における樹脂の段階的な活性化及び/又は硬化が可能である。
【0026】
更に、本発明の枠内において、ベースボディをブランクに押付けた後に、これによって製造されるハイブリッド部材が再度熱せられるか、またはブランクが形成される領域が、保持温度に保持されるということが可能である。これに対応して、上述したメリットがここでもまた生じる。
【0027】
本発明の枠内で、更に、ハイブリッド材料が別体式のプレスツールに搬送され、そしてブランクとベースボディが補足的にプレスされる。プレスツール内への搬送は、その際、ブランクをベースボディの形状に形成した直後に既に行われ、その際、形成の後の移行期間に、ブランク内に存在する樹脂の部分硬化が行われる。
【0028】
本発明の枠内で、ハイブリッド材料はプレスツール内で120℃から200℃の間、好ましくは150℃から170℃の間の温度でプレスされる。上述した温度領域でのプレスによって、ベースボディ内に向かってのブランクの形成性と、これに引き続く硬化過程の間の最善の状態が確立される。さらにプレスの際に、場合によっては発生するブランクとベースボディの間の空気含有が絞り出される。その結果、ブランクとベースボディの間の均一な接続または接着層が補償される。
【0029】
更に好ましくは、ブランクをベースボディと安全にプレスするために、プレスツールは10分より短い保持時間の間、特に6分より短い、そして極めて有利には5分より短い保持時間の間、しかし少なくとも1秒の間、閉じた状態で保持される。ブランクとベースボディの間の個々の繊維層及び/又は最適に塗布された接着剤の硬化ステップに応じて、特に短いサイクルタイムが実現されることが出来る。例えば、プリフォームへの押付けの後に、ブランクによる補強パッチの最終輪郭が得られることが可能であり、その際、補強パッチとベースボディの間に存在する接着剤は未だ硬化されていない。プレス過程によって、その後、最終的に均一な接着層が形成され、および熱の影響によって相応して硬化が行われる。
【0030】
本発明の枠内にて、更に、全ハイブリッド部材が保持プロセスの間に180℃までの温度に熱せられることが考えられる。
【0031】
本発明の更に有利な実施形においては、プレスツール内への挿入の際に、分離フィルム及び/又は密閉フィルムがブランクとプレスツールの間に配置される。分離フィルムによって、第一に、過剰に噴出した接着剤及び/又は過剰に噴出した樹脂が、プレスツールおよびハイブリッド部材及び/又は補強パッチの接着に行うということが回避される。分離フィルムは、1回用フィルム又は追加捨てフィルムであるか、又は、部材上に引き続いて留まる結果、補強パッチからベースボディへの移行領域において追加的な腐食防止が補償されるというフィルムということもある。本発明の枠内にて、更に代替的に、密閉フィルムを用いることも可能である。この密閉フィルムは、分離フィルムと反対に主として密閉機能を果たす。その際、本発明の枠内において密閉機能とは、意図した領域をフリーに保つ結果、ここで樹脂及び/又は接着剤が密閉すべき領域の表面の汚染を行わないという可能性をいう。本発明の枠内にて、例えば、この領域に他の部材が形状結合的に及び/又は材料結合的に連結されることが考えられる。例えばこれは、溶着接続が確立される領域、例えばドアヒンジ(Tuerfangband)のような、形状結合的な組立が行われる領域である。
【0032】
特に自動車ピラーの製造の場合、本発明の枠内で、ベースボディを、プリフォーム上に存在するブランクにかぶせるのではなく、プリフォーム上に存在する熱せられたブランクをベースボディ内へと成形するということもまた考えられる。この場合、ベースボディは、下部ツールの機能を果たし、プリフォームは上部ツールの機能を果たす。しかし、先行するステップまたは後続するステップは、同様に実施される。
【0033】
本発明の構成要素は、更に、金属のベースボディ及び繊維強化材料から成るパッチから成る自動車のハイブリッド部材である。これは、少なくとも一つの上述した特徴に従う方法により製造される点に特徴を有する。自動車のハイブリッド部材は、先行技術より公知のハイブリッド材料に対して、製造コスト面で安価であり、より高度の正確性を有する。そして、それによってより、従来の方法で製造された自動車のハイブリッド部材よりも良好な硬度性能またはクラッシュ性能を有している。
【0034】
上述した特徴は、互いに任意に組み合わせることができ、その際、本発明の枠愛を離れることなく、これに伴う効果を奏する。
【0035】
本発明のさらなる利点、特徴、特性および観点は、以下の説明に含まれる。有利な実施形は、簡略的に表された図に表現されている。これらは、本発明を容易に理解するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ベースボディおよび形状形成する前の状態のブランク
【図2】ベースボディ及び形状形成されたブランク
【図3】本発明に係る製造方法の簡略的流れ
【0037】
図中において、同様または類似の部材には同一の符号を付している。繰り返しの説明は、簡単のため省略する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、断面図として表されたベースボディ1を、その下に存在するブランク2と共に表す。ブランク2は、プリフォーム3上に載置されている。ブランク2の外側の形状寸法は、ここでは例示的に幅4により表され、その際、製造する補強パッチ10の形状寸法に合致している。ベースボディ1は、断面において、基本的にハット状の形状を有しており、この形状は、底ウェブ5、これに付属する脚部6及び脚部6に接続しているフランジ7より形成されている。その際、プリフォーム3は、形成面8でもってベースボディ1の内側9に基本的に一致している。ブランク2が、ここで表されているように、プリフォーム3上に載置されると、更なるベースボディ1の沈下により相応して、ブランク2がベースボディ1内へと形成または成型される。
【0039】
図2では、ブランクがすでにベースボディ1内へと成形されているので、これは企保本的に製造される補強パッチ10に相当している。
【0040】
図3には、本発明に係る製造方法の簡略的シーケンスが示されている。まず、位置aの領域に備蓄繊維層または既に繊維層から製造されたブランク2が準備される。これらは、符号bの領域のマニピュレータによって加熱装置11へと送られる。ここでは、それは例えば熱放射器12であるか、またはホットプレート13であって、これらの上にブランク2が載置される。これに続いて符号dの領域において、別のマニピュレータにより、暖められたブランク2がプリフォーム3上に載置される。
【0041】
本発明の枠内において、ブランク2を直接プリフォーム3上で加熱する、及び/又はプリフォーム3自体を加熱するということが可能である。ベースボディ1は、引き続いてプリフォーム3上に位置どり沈下されるので、ブランク2はベースボディ1内へと成形される。これに引き続くマニピュレータ操作において、符号eの領域内で、そのようにしてブランク2とベースボディ1から予製造されたハイブリッド部材が、別のマニピュレータによってプレス14へと搬送される。そして、プレス14内で相応にプレスを行われる。製造方法中に、またはプレス過程の後に既にブランク2は硬化し、それによってベースボディ1上または内に位置する補強パッチ10を形成する。
【0042】
本発明の枠内において、プリフォーム3を図3eに従い回転可能に形成することもまた可能である。プリフォーム3は、これによってその独自の軸に関して回転されることができ、例えば、ここに表されたベースボディ1としてのBピラー内へと押し込まれる。本発明の枠内で、更に、プリフォーム3内自体にアクティブな要素を設けることもまた可能である。例えば、それは押し出し機構である。この押し出し機構が、押し込まれた繊維ブランクをプリフォーム3の表面から押圧により開放し、そしてその後ベースボディ1は、押圧されたブランクと共にマニピュレータにより取り出されることができ、そしてプレス14内へと搬送されることが可能である。本発明の枠内で、アクティブな要素は、能動的に走行可能な分割部材(Spalte)であることも可能である。この分割部材は、ベースボディ1を、ブランク2を載置されたプリフォーム3に載せた後、ベースボディ1の内側側面内への押付け又は成型又はなでつけ(einstreifen)を可能とする。
【符号の説明】
【0043】
1 - ベースボディ
2 - ブランク
3 - プリフォーム(Vorform)
4 - 幅
5 - 底ウェブ
6 - 脚部
7 - フランジ
8 - 形成面
9 - 内側
10 - 補強パッチ
11 - 加熱装置
12 - 熱放射器
13 - ホットプレート
14 - プレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属のベースボディ(1)と繊維強化材料の補強パッチ(10)によって自動車のハイブリッド部材を製造するための方法において以下の方法ステップを有することを特徴とする方法。
・ ベースボディ(1)を、三次元に型成形された自動車部材として製造するステップ。
・ 少なくとも一層の繊維材料を準備し、好ましくは二つ、特に三つ又はより多くの層の繊維材料を準備し、これら層が積層され、その際、層が樹脂を浸透され、及び/又は樹脂を付勢されるステップ。
・ 繊維材料をプリフォーム部分へ切断するステップ。
・ ブランク(2)をプリフォーム(3)上に載置し、そしてブランク(2)を熱し、その際、ブランク(2)を熱するために、プリフォーム(3)が熱されるか、またはブランク(2)が別の熱源によって熱せられるステップ。
・ ベースボディ(1)をプリフォーム(3)上に位置するブランク(2)の上へと位置決めするステップ。
・ ベースボディ(1)及び/又はプリフォーム(3)を押付けることにより、ブランク(2)を、ベースボディ(1)の形状へと形成するステップ。
・ ブランク(2)を硬化するステップ。
【請求項2】
別体式の熱源として、熱放射器(12)、好ましくは赤外線放射器が使用されること、またはホットプレート(13)が使用されること、その際、ホットプレート(13)がブランクに載置されること、またはブランク(2)がホットプレート(13)に載置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ブランク(2)が、40℃から130℃の間、好ましくは50℃から120℃の間、そして特に70℃から90℃の間の加熱温度に、熱せられることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
プリフォーム(3)が、150℃から180℃の間の温度、好ましくは160℃から170℃の間の温度に熱せられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ブランク(2)として、プリプレグ材ストリップからなる積層物が使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ブランク(2)が、プリフォーム(3)上で熱せられた後、加熱温度に保持されること、またはブランク(2)が再度熱せられることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
ベースボディ(1)をブランク(2)に押付けた後、そのようにして製造されたハイブリッド材料が再度熱せられるか、またはブランク(2)が形成される領域が、保持温度に保持されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ハイブリッド部材が、別体式のプレスツール内に搬送され、およびブランク(2)及びベースボディ(1)がプレスされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ハイブリッド材料が、120℃から200℃の間の温度、好ましくは150℃から170℃の間の温度でプレスされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プレスツールが10分より短い保持時間の間、特に6分より短い保持時間の間、そして特に好ましくは5分より短い保持時間の間、しかしながら少なくとも1秒の間、閉じた状態で保持されることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
ハイブリッド部材が、製造プロセスの間、180℃までの温度に熱せられることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
プレスツール内に装入する際に、分離フィルム及び/又は密閉フィルムが、ブランク(2)とプレスツールの間に位置していることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
プレスツール内の温度が、時間にとともに変更可能な温度プロフィルにより変更されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ブランク(2)がベースボディ(1)内に成型されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
金属製のベースボディ(1)と繊維強化材料から成る補強パッチ(10)から成る自動車のハイブリッド部材において、請求項1から14のすくなくとも一つに記載の方法に従い製造されることを特徴とする自動車のハイブリッド部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−95140(P2013−95140A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236454(P2012−236454)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】