説明

自動車の側部構造

【課題】フェンダパネルが飛石などによって傷付くことを抑制することができ、かつサイドドアとドア枠との間に位置するハーネスへの外部からのアクセスを抑制することができる自動車の側部構造を提供する。
【解決手段】自動車の側部構造1は、フェンダカバー9を備える。フェンダカバー9は、フェンダパネル7の下部における外側面7gを覆うカバー本体21及びフェンダパネル7の下部におけるサイドドア3に対向する面を覆ってカバー本体21とハーネス19との間を遮蔽しドア枠5の一部を構成するプロテクタ23を有する。カバー本体21は、第1の固定構造27によってフェンダパネル7に固定する。プロテクタ23は、第2の固定構造29によってフェンダパネル7に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の側部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体側部に、サイドドアと、サイドドアが装着されるドア枠と、ドア枠の前縁部に設けられサイドドアを回動可能に支持するヒンジと、ドア枠の前縁部の一部を構成しサイドドアの前方に位置するフェンダパネルと、を備える自動車がある。
【0003】
特許文献1には、サイドドアの下部にサイドプロテクタモールを取り付けた技術が開示されている。この技術では、サイドドアのアウタパネルが飛石などによって傷付くのをサイドプロテクタモールによって抑制できる。
【特許文献1】実開平4−19347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、フェンダパネルに飛石などが当たった場合には、フェンダパネルが傷付いてしまう。この場合、フェンダパネルを交換すれば良いが、その交換にあっては、フェンダパネル全体を交換しなければならないため、手間がかかるという問題がある。
【0005】
ところで、自動車には、サイドドアのドア枠に対するロック/ロック解除を、電動アクチュエータを有するロック装置によって行なうものがある。電動アクチュエータは、サイドドア内に配設されており、サイドドアの外部に配置された制御装置にハーネスを介して接続されている。電動アクチュエータは、制御装置から送信されるドア解除信号を受けてロック解除を行なう。この構造では、ハーネスは、制御装置からドア枠の前縁部を貫通するとともに、サイドドアの前縁部を貫通してフロントサイドドア内に配索される。したがって、ハーネスは、その一部が、サイドドアの前縁部とドア枠の前縁部との間に露出した状態となっている。
【0006】
このようにサイドドアの前縁部とドア枠の前縁部との間に露出した状態のハーネスが窃盗者によって不正にアクセスされて不正なロック解除信号が発せられると、サイドドアのロックが解除されてしまうおそれがある。また、サイドドアの前縁部とドア枠の前縁部との間には、上記ハーネス以外にもサイドドアのウィンドウガラスを開閉(昇降)させるための信号を伝送するハーネス等も配索され、このハーネスに不正にアクセスされてウィンドウガラスが開けられるおそれもある。
【0007】
そこで、本発明は、フェンダパネルが飛石などによって傷付くことを抑制することができ、かつサイドドアとドア枠との間に位置するハーネスへの外部からのアクセスを抑制することができる自動車の側部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自動車の側部構造は、車両前後方向一対の縁部のうち一方の縁部がヒンジによってドア枠に連結されていて、前記ドア枠内に位置するサイドドアと、一部が前記一方の縁部と前記ドア枠との間に位置するハーネスと、前記一方の縁部に車両前後方向で対向する位置で前記ドア枠に車両前後方向で連設されたフェンダパネルと、前記フェンダパネルの下部の外側面を覆うカバー本体及び前記フェンダパネルの下部における前記サイドドアに対向する面を覆って前記カバー本体と前記ハーネスとの間を遮蔽し前記ドア枠の一部を構成するプロテクタを有するフェンダカバーと、前記カバー本体を前記フェンダパネルに固定する第1の固定構造と、前記プロテクタを前記フェンダパネルに固定する第2の固定構造と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フェンダカバーがフェンダパネルを覆っているので、フェンダパネルが飛石などにより傷付くことをフェンダカバーによって抑制することができる。且つ、本発明によれば、フェンダカバーが、カバー本体と、該カバー本体とハーネスとの間を遮蔽するプロテクタとを有することにより、カバー本体が不正に外されても、ドア枠の一部を構成するプロテクタがフェンダパネルに固定された状態を第2の固定構造によって維持できるので、ドア枠とサイドドアとの隙間が広がることを抑制でき、よって、サイドドアとドア枠との間に位置するハーネスへの外部からのアクセスを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図9に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる自動車の側部構造を備える自動車の前部を示す側面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図、図3は、本実施形態にかかる自動車の側部を示す斜視図、図4は、本実施形態にかかるフェンダカバーが取り外された状態のドア枠の前部下部を示す斜視図、図5は、本実施形態にかかるフェンダカバーが取り付けられた状態のドア枠の前部下部を示す斜視図、図6は、本実施形態にかかるフェンダカバーを示す分解斜視図、図7は、本実施形態にかかるフェンダカバーが取り外された状態のフェンダパネルを示す斜視図、図8は、本実施形態にかかるカバー本体が取り外された状態のドア枠の前部下部を示す斜視図、図9は、図8中のB−B線に沿った断面図である。なお、図中、FRは車両前後方向前方を、UPは車両上方を、OUTは車幅方向外方を示している。なお、図2では、ドア枠5とハーネス19の位置を説明のために示している。
【0011】
図1ないし図3に示すように、自動車の側部構造1は、車体2の側部に設けられるサイドドアであるフロントサイドドア3と、このフロントサイドドア3が装着されるドア枠5と、このフロントサイドドア3の前方に配置されたフェンダパネルであるフロントフェンダパネル7と、このフロントフェンダパネル7の後部下部7aを覆うフェンダカバー9と、備えている。
【0012】
ドア枠5は、ボディサイドパネル11と、フロントフェンダパネル7の後縁部7bと、フェンダカバー9とを含んで環状に形成されている。
【0013】
フロントサイドドア3は、図2に示すように、相互に重ねられて接合されたドアアウタパネル13とドアインナパネル15とを有している。フロントサイドドア3は、その車両前後方向一対の縁部(前縁部3a、後縁部3b)のうち一方の縁部である前縁部3aが図3に示すヒンジ17によってドア枠5に連結されていて、ドア枠5内に位置する。ヒンジ17は、フロントサイドドア3を車幅方向に回動可能に支持している。ヒンジ17は、自動車の最外側面近傍の位置においてボディサイドパネル11に取り付けられている。具体的には、ヒンジ17は、ドア枠5の前縁部5aの下部に配置されている。このように、ヒンジ17が自動車の最外側近傍の位置に配置されることで、フロントサイドドア3の回動半径を小さく抑えることができる。
【0014】
フロントサイドドア3は、電動アクチュエータを有するロック装置(図示せず)によってドア枠5に対してロック/ロック解除されるようになっている。電動アクチュエータは、フロントサイドドア3の外部の車体2に配置された制御装置(図示せず)に、図3に示すハーネス19を介して接続されている。そして、図示しない操作ボタンがロック解除操作されると、制御装置がハーネス19を介して電動アクチュエータにロック解除信号を送信し、このロック解除信号を受信した電動アクチュエータがドア枠5に対するフロントサイドドア3のロックを解除するようになっている。
【0015】
ハーネス19の一端部が接続されるロック装置の電動アクチュエータは、フロントサイドドア3内に配設されている。このため、ハーネス19は、制御装置からドア枠5の前縁部5aを貫通するとともに、フロントサイドドア3のヒンジ17側の縁部である前縁部3aを貫通してフロントサイドドア3内に配索されている。詳細には、ハーネス19は、ボディサイドパネル11に形成されたハーネス貫通孔11aおよびフロントサイドドア3に形成されたハーネス貫通孔(図示せず)を貫通している。即ち、ハーネス19は、フロントサイドドア3の前縁部3aおよびドア枠5に亘って配索されて一部がフロントサイドドア3の前縁部3aとドア枠5との間に位置している(図2参照)。本実施形態では、図3に示すように、ハーネス19のうちフロントサイドドア3の前縁部3aとドア枠5の前縁部5aとの間の部分は、ヒンジ17の上方においてヒンジ17近傍に配置されている。ここで、フロントサイドドア3においては、ヒンジ17との連結部がフロントサイドドア3の開閉の際の移動量が最小となるので、ヒンジ17近傍にハーネス19を配索することにより、ハーネス19の余長を短くできる。
【0016】
フロントフェンダパネル7は、図1及び図2に示すように、フロントサイドドア3の前縁部3aと車両前後方向で対向する位置でドア枠5に車両前後方向で連設されて、フロントタイヤTを覆っている。フロントフェンダパネル7は、外側壁部7cと、この外側壁部7cの後縁部から車両内方へ延在した後壁部7dと、この後壁部7dから車両前方へ延出した内壁部7eと、を有している。内壁部7eは、ボディサイドパネル11に溶接されている。後壁部7dは、ドア枠5の前縁部5aの一部を構成している。
【0017】
フロントフェンダパネル7の後部下部7aには、図4に示すように、フェンダカバー9によって覆われるカバー装着部7fが形成されている。フロントフェンダパネル7の外側面7gのうちフェンダカバー9に覆われない部分は、車体外側面(意匠面)を構成する一方、外側面7gのうちフェンダカバー9に覆われる部分であるカバー装着部7fの外側面7gは、フェンダカバー9が車体外側面を構成するため、車体外側面を構成しない。
【0018】
フェンダカバー9は、図5ないし図9に示すように、樹脂製のカバー本体21と、樹脂製のプロテクタ23と、を有している。これらカバー本体21とプロテクタ23とは、別体であり、樹脂製の連結部25によって相互に連結されている。
【0019】
カバー本体21は、フロントフェンダパネル7の下部における外側面7gを覆っており車体外側面を構成している。詳しくは、カバー本体21は、フロントフェンダパネル7のカバー装着部7fの外側面7gを覆う側壁部21aと、この側壁部21aの前縁部から車両内方に延在する前壁部21bと、側壁部21aの後縁部から車両内方に延在する後壁部21cと、底壁部21dと、を有している。後壁部21cには、プロテクタ23が装着される切欠部21eが形成されている。
【0020】
プロテクタ23は、フロントフェンダパネル7の下部におけるフロントサイドドア3に対向する面(後壁部7dの後面)を覆ってフロントサイドドア3に対向しドア枠5の一部を構成している。詳しくは、プロテクタ23は、ヒンジ17の車両前方に位置し、ヒンジ17と対面している。プロテクタ23は、フロントフェンダパネル7の後壁部7dの後面に重複される基壁部23aと、この基壁部23aの車幅方向外側の縁部からフロントサイドドア3の先端部に向かって屈曲形成されてカバー本体21とハーネス19との間を遮蔽するように設けられた斜壁部23bと、を有している。かかる形状のプロテクタ23は、図2に示すように、フロントサイドドア3の回動軌跡aの外側に位置している。
【0021】
連結部25は、図6に示すように、プロテクタ23に設けられた上下一対の爪部25aと、カバー本体21の後壁部に設けられ爪部25aを係止する上下一対の第1の係止孔部25bとを有して構成されている。
【0022】
かかる構造のフェンダカバー9は、カバー本体21とプロテクタ23とが連結部25よって連結された状態で、フロントフェンダパネル7に取り付けられる。
【0023】
カバー本体21は、図6及び図8に示すように、第1の固定構造27によってフロントフェンダパネル7に固定されている。第1の固定構造27は、カバー本体21の側壁部の裏面に形成された複数(図では1つだけが図示されている)のクリップ27aと、フロントフェンダパネル7に設けられた複数の第2の係止孔部27bとを有して構成されている。
【0024】
プロテクタ23は、図8及び図9に示すように、第2の固定構造29によってフロントフェンダパネル7に固定されている。第2の固定構造29は、フェンダパネルに一体に設けられた雌ねじ部としてのナット29aと、頭部29bがプロテクタ23およびフロントサイドドア3の間に位置した状態でナット29aに螺合する雄ねじ体であるボルト29cと、を有して構成されている。ナット29aは、フロントフェンダパネル7の後壁部7dの前面に溶接29dによって固定されている。ボルト29cは、プロテクタ23に形成された第1のボルト挿通孔29eと、フロントフェンダパネル7に形成された第2のボルト挿通孔29fとを貫通してナット29aに螺合しており、このボルト29c、ナット29aによって、プロテクタ23がフロントフェンダパネル7に締結されている。本実施形態では、この第2の固定構造29よりも連結部25の方が脆弱に形成されている。
【0025】
以上説明した本実施形態の自動車の側部構造1では、フェンダカバー9がフロントフェンダパネル7を覆っているので、フロントフェンダパネル7が飛石などにより傷付くことをフェンダカバー9によって抑制することができる。
【0026】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、フェンダカバー9が、カバー本体21と、該カバー本体21とハーネス19との間を遮蔽するプロテクタ23とを有することにより、窃盗者によって第1の固定構造27による固定が解除されカバー本体21が不正に外されても、ドア枠5の一部を構成してカバー本体21とハーネス19との間を遮蔽するプロテクタ23がフロントフェンダパネル7に固定された状態を第2の固定構造29によって維持できるので、ドア枠5とフロントサイドドア3との隙間Sが広がることを抑制できる。よって、フロントサイドドア3とドア枠5との間に位置するハーネス19への外部からのアクセスを抑制することができ、ひいては自動車が盗難されることを抑制することができる。
【0027】
また、本実施形態の自動車の側部構造1にあっては、プロテクタ23をフロントフェンダパネル7から取り外すには、第2の固定構造29による固定を解除する必要があるので、プロテクタ23の取り外しに時間を要し、ハーネス19に不正にアクセスするまでにかかる時間を長くすることができる。したがって、不正行為の続行を抑制することができる。
【0028】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、プロテクタ23とカバー本体21とは、別体であり、プロテクタ23とカバー本体21とは、連結部25によって連結されている。したがって、ユーザがカバー本体21を交換する際には、連結部25の連結を外すことにより、プロテクタ23を取り外すことなくカバー本体21だけを交換することができるので、カバー本体21の交換作業を容易に行なうことができる。一方、窃盗者が、第1の固定構造27の固定を解除してフェンダカバー9を取り外そうとしてカバー本体21を無理やり引っ張った場合には、連結部25が破損し、カバー本体21だけが取り外されて、プロテクタ23は第2の固定構造29によって固定状態が維持され、ドア枠5とフロントサイドドア3との隙間Sが広がることを抑制でき、フロントサイドドア3とドア枠5との間に位置するハーネス19への外部からのアクセスを抑制することができる。つまり、カバー本体21の交換容易性と、ハーネス19への外部からのアクセスの抑制とを両立することができる。
【0029】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、プロテクタ23とカバー本体21とが、連結部25によって連結されていることにより、プロテクタ23の位置決め精度の向上を図ることができるので、プロテクタ23とフロントサイドドア3との干渉を抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、第2の固定構造29は、フロントフェンダパネル7に固定された雌ねじ部としてのナット29aと、頭部29bがプロテクタ23およびフロントサイドドア3の間に位置した状態でナット29aに螺合する雄ねじ体であるボルト29cと、を有する。したがって、ボルト29cの頭部29bへのアクセスを抑制できるので、プロテクタ23が不正に外されることを抑制することができる。
【0031】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、ヒンジ17近傍にハーネス19が配索されるとともに、プロテクタ23は、ヒンジ17の車両前方に位置し、ヒンジ17と対面している。したがって、プロテクタ23によって、ハーネス19への不正なアクセスを一層効果的に抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態の自動車の側部構造1では、フェンダカバー9のカバー本体21とプロテクタ23とが共に樹脂製であることにより、フェンダカバー9の全体的な質感が統一されるので、フェンダカバー9の見栄えを向上することができる。また、プロテクタ23が樹脂製であるので、フロントサイドドア3のガタツキにより、フロントサイドドア3がプロテクタ23に干渉した場合であってもフロントサイドドア3が傷付くことを抑制することができる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態を図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態にかかる自動車の側部構造を示す水平断面図である。なお、第1の実施形態と同じ部分は、同一符号で示し説明も省略する。
【0034】
本実施形態は、自動車の側部構造1のフェンダカバー109が第1の実施形態に対して異なる。本実施形態のフェンダカバー109は、樹脂製であり、プロテクタ23とカバー本体21とが第2の固定構造29よりも脆弱な脆弱部109aを介して一体成形されている。脆弱部109aは、プロテクタ23とカバー本体21との間に形成された溝である。
【0035】
このような構成において、窃盗者が、第1の固定構造27の固定を解除してフェンダカバー109を取り外そうとしてカバー本体21を無理やり引っ張ると、脆弱部109aが破損し、カバー本体21だけが取り外されて、プロテクタ23は第2の固定構造29によって固定状態が維持される。よって、ドア枠5とフロントサイドドア3との隙間Sが広がることを抑制でき、フロントサイドドア3とドア枠5との間に位置するハーネス19への外部からのアクセスを抑制することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。例えば、ハーネス19は、フロントサイドドア3のロック/ロック解除用のものに限るものではなく、例えば、フロントサイドドア3のウィンドウガラス(図示せず)の開閉(昇降)用など自動車に設けられるハーネスであれば良い。この場合もハーネスが不正にアクセスされることをプロテクタ23によって抑制することができる。
【0037】
また、ヒンジ17は、上下に2つ以上設けてもよい。この場合、例えば、プロテクタ23をヒンジ間に配置してもよい。
【0038】
また、サイドドアとして後縁部をヒンジに回動支持されるリアサイドサイドドアを採用し、フェンダパネルとしてリアフェンダパネルを採用しても良い。
【0039】
また、雌ねじ部は、ナット29aに限ることなく、フェンダパネル7における第2のボルト挿通孔29fの周面に雌ねじを形成することで実現しても良く、該構造でも雌ねじ部である雌ねじがフェンダパネルに一体となる。また、雄ねじ体は、ボルト29cに限ることなく、頭部を有する各種のねじであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動車の側部構造1を備える自動車の前部を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる自動車の側部を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるフェンダカバーが取り外された状態のドア枠の前部下部を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるフェンダカバーが取り付けられた状態のドア枠の前部下部を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるフェンダカバーを示す分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるフェンダカバーが取り外された状態のフェンダパネルを示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるカバー本体が取り外された状態のドア枠の前部下部を示す斜視図である。
【図9】図8中のB−B線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる自動車の側部構造を示す水平断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 自動車の側部構造
2 車体
3 フロントサイドドア(サイドドア)
3a 前縁部(一方の縁部)
5 ドア枠
7 フロントフェンダパネル(フェンダパネル)
9 フェンダカバー
17 ヒンジ
19 ハーネス
21 カバー本体
23 プロテクタ
25 連結部
27 第1の固定構造
29 第2の固定構造
29a ナット(雌ねじ部)
29b 頭部
29c ボルト(雄ねじ体)
109a 脆弱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部に設けられたドア枠と、
車両前後方向一対の縁部のうち一方の縁部がヒンジによって前記ドア枠に連結されていて、前記ドア枠内に位置するサイドドアと、
前記一方の縁部および前記ドア枠に亘って配索されて一部が前記一方の縁部と前記ドア枠との間に位置するハーネスと、
前記一方の縁部に車両前後方向で対向する位置で前記ドア枠に車両前後方向で連設されたフェンダパネルと、
前記フェンダパネルの下部の外側面を覆うカバー本体及び前記フェンダパネルの下部における前記サイドドアに対向する面を覆って前記カバー本体と前記ハーネスとの間を遮蔽し前記ドア枠の一部を構成するプロテクタを有するフェンダカバーと、
前記カバー本体を前記フェンダパネルに固定する第1の固定構造と、
前記プロテクタを前記フェンダパネルに固定する第2の固定構造と、
を備えることを特徴とする自動車の側部構造。
【請求項2】
前記プロテクタと前記カバー本体とは、別体であり、
前記プロテクタと前記カバー本体とは、第2の固定構造よりも脆弱な連結部によって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車の側部構造。
【請求項3】
前記プロテクタと前記カバー本体とは、第2の固定構造よりも脆弱な脆弱部を介して一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車の側部構造。
【請求項4】
前記第2の固定構造は、前記フェンダパネルに一体に設けられた雌ねじ部と、頭部が前記プロテクタおよび前記サイドドアの間に位置した状態で前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ体と、を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の自動車の側部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−90846(P2009−90846A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264245(P2007−264245)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】