説明

自動車の内燃エンジンの出口における未処理排ガス流量を測定するCO2追跡方法、及び前述の方法を実施する測定装置

本発明は、自動車(1)の内燃エンジン(1A)の出口で未処理排ガス(3)流量を測定するCO追跡方法に関する。自動車の内燃エンジンの出口で未処理排ガスの流量を測定する本発明のCO追跡方法では、自動車内燃エンジンが起動する前に、測定ライン(20)にCOとNの混合体であるガスの既知の流量を注入して、未処理CO分析器(22)と希釈済みCO分析器(24)を始動させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は総括的に、自動車の内燃エンジンが排出する排ガスの流量の測定に関する。
【0002】
本発明は、特に自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定するCO追跡方法、及び測定のためのCO追跡方法を実施する測定システムに関する。
【0003】
本発明は、中間ステップである排ガス流量の測定において、排ガスの汚染成分の質量を、秒ごとに測定する際に特に効果的に適用できる。
【0004】
背景技術
自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの汚染成分の質量を、CO追跡により測定する際に、二つのタイプの分析が実施できる。
【0005】
エンジンが排出する、未処理排ガスの汚染成分の濃度の全体的な分析を実施することが可能である。この場合、実施する分析は、サンプル抽出用バッグを用いる分析であり、測定サイクルの継続期間全体にわたって行われる。これにより、測定サイクルの全体にわたって、放出する汚染成分の各々の質量を入手することができる。
【0006】
秒ごとに排ガスの汚染成分の質量を分析することが要望される時に、エンジンを調整するため、“モーダル”分析と呼ばれる分析が行われる。
【0007】
秒ごとにエンジンが排出する未処理排ガスの流量を、秒ごとに測定することにより、秒ごとの排ガスの汚染成分の質量を測定することができる。
【0008】
普通は、二つのタイプの測定 −全体的な分析による測定とモーダル分析による測定− を組み合わせて、得た結果を関連づけている。
【0009】
現在、自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定する、このようなCO追跡方法の一つは、次に示すステップを備えている。
− 内燃エンジンの排気ラインが排出する未処理排ガスの流れを、測定ラインで受ける。
− 測定ラインに流れる未処理排ガスの流れにおける未処理CO含有量を、未処理CO分析器を用いて測定する。
− 希釈済みの排ガスの流れを得るために、新鮮な希釈空気の流れを、測定ラインに流れる前述の未処理排ガスの流れに注入する。
− 前述の希釈済み排ガスの流れにおける希釈CO含有量を、希釈済みCO分析器を用いて測定する。
− 前述の希釈済み排ガスの流量を測定する。
− 測定した未処理CO含有量と測定した希釈済みCO含有量との比率に対応した希釈係数を計算する。
− 自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を、希釈済み排ガスの流量の測定結果と希釈係数とから推定する。
【0010】
このような測定方法においては、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器の始動時間は、未処理排ガスの流れ又は希釈排ガスの流れに存在するCO含有量の測定を可能にするために、数秒である必要がある。
【0011】
自動車の内燃エンジンを起動すると、未処理排ガスの第一の流れが排気ラインに放出される。この未処理排ガスの流れは、測定ラインにより排気ラインの下流側に集められる。この流れは次に、未処理CO分析器に到達し、希釈後に、希釈済みCO分析器に到達する。
【0012】
未処理又は希釈済み排ガスの流れが、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器とに達すると、これらは、未処理又は希釈済み排ガスの流れに含まれているCOによって始動する。
【0013】
しかし、この始動段階で、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器には、未処理又は希釈済み排ガスの流れに含まれている未処理及び希釈済みCOに対応する量を計算する時間がない。
【0014】
従って、この方法を用いても、エンジン起動段階の未処理排ガス希釈係数を知ることができない。その結果、値が分かっている希釈済み排ガスの流量から、未処理排ガスの流量を計算で得ることは不可能である。
【0015】
同様に、内燃エンジンに対する燃料の注入が停止している段階で、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器は、それ以上CO含有量を測定しないため、非始動状態になる。
【0016】
この場合でもやはり、これらの燃料注入停止段階に対応する、未処理排ガスの希釈係数を計算することはできない。
【0017】
これらのエンジン起動と燃料注入停止の段階において、汚染成分の質量を計算することは、未処理排ガス流量なしでは不可能である。
【0018】
しかし、エンジン起動段階と燃料注入停止段階とで放出する汚染成分の質量を知ることは、特に効果的である。なぜならばこれらの段階において、最大の汚染物放出要素である炭化水素と酸化炭素と窒素酸化物が、最大限に放出されるからである。
【0019】
発明の課題
従来技術の前述の欠点を解決するために、本発明は、自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定する、CO追跡方法を提供するものであり、この方法を用いると、エンジンの起動段階とエンジンに対する燃料注入の停止段階とにおいて、内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定することができる。
【0020】
このために、本発明は、自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定するCO追跡方法であって、次に記す、
− 内燃エンジンの排気ラインが排出する未処理排ガスの流れを、測定ラインで受け、
− 測定ラインに流れる未処理排ガス流の未処理CO含有量を、未処理CO分析器を用いて測定し、
− 新鮮な希釈空気の流れを、希釈済み排ガスの流れを得るために、測定ラインに流れる前述の未処理排ガスの流れに注入し、
− 前述の希釈済み排ガスの流れにおける希釈済みCO含有量を、希釈済みCO分析器を用いて測定し、
− 希釈済み排ガスの流量を測定し、
− 測定した未処理CO含有量と測定した希釈済みCO含有量との比率に対応する、希釈係数を計算し、
− 自動車の内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を、希釈済み排ガスの流量の測定結果と希釈係数とから推定するステップを備えるとともに、
内燃エンジンの起動前に、CO/Nガス混合体の既知の流れを、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器(24)とが始動するように測定ラインに注入する、CO追跡方法が提供されている。
【0021】
従って、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器が事前に始動するので、エンジンの起動段階とエンジンに対する燃料の注入が停止する段階とにおいて、内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を測定することができる。
【0022】
未処理排ガスが排出されて、CO/Nガス混合体が注入されるポイントに達すると、未処理排ガスとこのCO/Nガス混合体が合体し、ガス混合体の流れが形成される。その後、新鮮な希釈空気の流れがガス混合体の流れに注入されて、希釈済みガス混合体の流れが形成される。
【0023】
本発明に基づく方法の一つの優れた特徴は、CO/Nガス混合体の既知の流れが、希釈済みガス混合体の流れが希釈済みCO分析器に達するまで、注入されることである。
【0024】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、前述のCO/Nガス混合体の既知の流れが、内燃エンジンに対する燃料の注入が停止している段階で、注入されることである。
【0025】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、CO/Nガス混合体の既知の流れが、未処理排ガスの流量を測定するプロセスの期間全体にわたって、注入されることである。
【0026】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、CO/Nガス混合体の既知の流れを注入する上流側で、未処理排ガスの汚染成分が、内燃エンジンから出る際に触媒変換器を通過する前後において、分析されることである。
【0027】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、前述の希釈済みガス混合体の流量を測定する前に、希釈済みガス混合体の容積の一部が、測定サイクルの最後で、希釈済みガス混合体の汚染成分を全体的に分析するために、サンプル抽出用バッグに取り出されることである。
【0028】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、ガス混合流に新鮮な希釈空気の流れを注入するステップ中に、新鮮な希釈空気の容積の一部が、サンプル抽出用バッグに集められることである。
【0029】
本発明に基づく方法の別の優れた特徴は、内燃エンジンが排出する未処理排ガスの流量を計算する際に、対応するサンプル抽出用バッグに取り出す希釈済みガス混合体の容積と、未処理排ガスの汚染成分を分析する分析器と未処理CO分析器とが取り出す未処理排ガスの容積とが、考慮されることである。
【0030】
本発明は、測定のためのCO追跡方法を実施する測定システムにも関しており、
− 内燃エンジンの排気ラインの出口への接続に適した測定ラインと、
− 前述の排気ラインからくる未処理排ガス流の未処理CO含有量を測定するために、測定ライン上に位置する未処理CO分析器と、
− 未処理CO分析器の下流側で測定ラインに新鮮な希釈空気を注入する手段と、
− 希釈済みガス混合体の流れにおける希釈済みCO含有量を測定するために、測定ライン上に位置する、希釈済みCO分析器と、
− 希釈済みガス混合体の流量を測定する手段と、
− 希釈済みガス混合体の流量の測定結果と、未処理CO含有量と希釈済みCO含有量とから、未処理排ガスの流量を測定する手段とを備え、
未処理CO分析器の上流側で、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器とが始動するように、測定ラインにCO/Nガス混合体の既知の流れを注入する手段を備えていることを特徴とする。
【0031】
本発明に基づく未処理排ガスの流量を測定する測定システムの、その他の非限定的で優れた特徴は、次に記すとおりである。
− 未処理排ガスの汚染成分を分析する分析器を備えており、なおかつ、CO/Nガス混合体の流れを注入する手段が、未処理排ガスの汚染成分を分析する、分析器の下流側に設けられており、
− 希釈済みガス混合体の容積の一部の取り出しに適した、少なくとも一つのサンプル抽出用バッグを含み、
− 新鮮な希釈空気を注入する手段の上流側に、新鮮な希釈空気の容積の一部の取り出しに適した、少なくとも一つのサンプル抽出用バッグを含み、
− 前述の自動車の駆動に適した、内燃エンジンが駆動する自動車の受動輪の下方に設けたローラーを含み、
− 排気ラインに接続した自動車の内燃エンジンを受ける手段を含む。
【実施例】
【0032】
非限定的な事例を用いると共に、添付する図面を参照しながら次に記す説明により、本発明の構成と実施方式が明確にされる。
【0033】
図1及び図2は自動車1の内燃エンジン1Aが排出する、未処理排ガス3の流量を測定するCO追跡方法を実施する、測定システム10及び10Aの二つの実施形態を示す。
【0034】
この測定システム10及び10Aは、本形態では触媒変換器5を含む、内燃エンジン1Aの排気ライン2の出口への接続に適した、測定ライン20を備えている。
【0035】
未処理CO分析器22は、前述の排気ライン2から測定ライン20に流れるガス流の未処理CO含有量を測定するために、測定ライン20上に設けられている。
【0036】
更に、未処理CO分析器22の下流側に、測定ライン20に新鮮な希釈空気23Aを注入する手段23が設けられている。
【0037】
前述の注入手段23の後方に、希釈済みCO分析器24が、測定ライン20に流れるガス流の希釈済みCO含有量を測定するために、測定ライン20上に位置している。
【0038】
測定システム10及び10Aの末端と大気4への換気部の前部に、測定ライン20に流れるガスの流量を測定する手段25及び27が設けられている。
【0039】
これらの手段は、ここでは、超音波気管部25及び超音波気管部25の上流側に位置する圧力温度測定手段27とを含む。
【0040】
更に、測定ライン20に流れるガス流の測定と未処理CO含有量と希釈済みCO含有量とから、未処理排ガス3の流量を計算により測定する手段(本例では図示せず)を用いる。
【0041】
有利な点は、本発明によれば、測定システムは、エンジン1Aが起動する前に、未処理CO分析器22と希釈済みCO分析器24とが始動するように、測定ライン20にCO/Nガス混合体30Aの既知の流れを注入する手段30を、未処理CO分析器の上流側に備えていることである。
【0042】
未処理排ガス3が排出されて、CO/Nガス混合体が注入されるポイントに達すると、未処理排ガス3とこのCO/Nガス混合体30Aが合体し、ガス混合流33が形成される。その後、新鮮な希釈空気23Aの流れがガス混合流33に注入されて、希釈済みガス混合流56が形成される。
【0043】
前述の注入手段30は非常に正確なので、測定ラインに注入されるCO/N混合体の流量を確実に把握でき、これにより、後で希釈係数から計算した未処理排ガスの流量から差し引くことが可能である。
【0044】
そのうえ、これらの注入手段30は、エンジン1Aの起動後に、均一なガス混合流33を得るために、未処理CO分析器から十分な上流側に取り付けられなければならない。
【0045】
最後に、これらの注入手段30は、排気ライン2の圧力変動に対して敏感に反応してはいけない。
【0046】
汚染成分の濃度を計算するために、測定システム10及び10Aは、触媒変換器5の片側に設けた未処理排ガス3の汚染成分を分析する分析器21を備えており、CO/Nガス混合体30Aの流れを注入する手段30が、これらの汚染成分分析器21の下流側に設けられている。
【0047】
更に、図示した一般的なケースによれば、測定システム10及び10Aは、希釈済みガス混合体56の容積の一部の取り出しに適した、サンプル抽出用バッグ26を備え、また、新鮮な希釈空気23Aの容積の一部の取り出しに適した、少なくとも一つのサンプル抽出用バッグ28を、新鮮な希釈空気23Aを注入する手段23の上流側に備えている。
【0048】
図1に示す本発明の実施形態によれば、測定システム10は、前述の自動車1の駆動に適した内燃エンジン1Aを動力源とした、自動車1の受動輪7の下方に設けたローラー11を備えており、自動車の非駆動輪は自動車のエントレインメントを避けるために更にブロックされている。
【0049】
図2に示す本発明の実施形態によれば、測定システム10Aは、排気ライン2に接続する内燃エンジン1Aを受ける手段を備えている。
【0050】
図1及び図2に示す本発明に基づくシステムの二つの実施形態は、自動車1の内燃エンジン1Aが排出する、未処理排ガス3の流量を測定するCO追跡方法を実施するために効果的に用いられる。
【0051】
この方法によれば、自動車1の内燃エンジン1Aの起動前に、CO/Nガス混合体30Aの既知の流れが、未処理CO分析器22と希釈済みCO分析器24が始動するように、測定ライン20に注入される。
【0052】
COは、未処理CO分析器と希釈済みCO分析器24を飽和しないように、Nと混合される。
【0053】
次に、エンジン1Aは、前述の未処理排ガス3が触媒変換器5を通過した後に、内燃エンジン1Aの排気ライン2が排出する未処理排ガス3の流れを、測定ライン20において受けるように起動される。
【0054】
CO/Nガス混合体30Aの注入ポイントで、未処理排ガス3とこのCO/Nガス混合体30Aが合体すると、ガス混合流33が形成される。
【0055】
このガス混合体33が未処理CO分析器22に達すると、未処理CO分析器22において、測定ライン20に流れる、このガス混合体33の流れにおける未処理CO含有量が測定される。
【0056】
ガス混合流33の未処理COの含有量を測定した後に、新鮮な希釈空気23Aの流れがガス混合流33に注入されるので、測定サイクルの最後における、希釈済みガス混合体の汚染成分に関する全体分析中に、ガス混合体33に実施される測定に及ぼす水分の有害作用が低減される。このようにガス混合体33の流れに新鮮な希釈空気23Aを注入すると、希釈済みガス混合体56の流れが形成される。
【0057】
新鮮な希釈空気23Aの流れが、減速段階、定常速度段階、加速段階から成る前述の駆動サイクルに適応される。
【0058】
その後、前述の希釈済みガス混合体56の流れにおける希釈済みCO含有量が、希釈済みCO分析器24を用いて測定される。
【0059】
次に、前述の希釈済みガス混合体56の流量が、既知の特徴を有した超音波気管部25の上流側の温度と圧力を、測定手段25と27を用いて測定することにより決定される。
【0060】
最後に、測定した未処理CO含有量と測定した希釈済みCO含有量との比率に対応する、希釈係数が計算される。
【0061】
そこで、内燃エンジン1Aが排出する未処理排ガス3の流量を、希釈済みガス混合体56の流量の測定結果と希釈係数とから、推定できる。
【0062】
CO/Nガス混合体30Aの既知の流れを、少なくとも希釈済みガス混合体56の流れが希釈済みCO分析器24に達するまで、注入することに注目すべきである。
【0063】
その後、前述のCO/Nガス混合体30Aの既知の流れが、内燃エンジン1Aに対する燃料の注入の停止を検出するために注入される。
【0064】
エンジン1Aに対する燃料の注入が停止する段階における、CO/Nガス混合体30Aの注入により、燃料注入停止段階における希釈係数の不明瞭性が回避され、エンジン1Aが排出する未処理排ガス56の流量測定時における連続性が保証される。
【0065】
計算を単純にするために、CO/Nガス混合体30Aは、未処理排ガス3の流量を測定するプロセス期間の全体にわたって注入してもよい。
【0066】
汚染成分分析器21は、本形態では主に、酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物及び二酸化炭素である主要な汚染成分の濃度を呈する。
【0067】
未処理排ガス3の汚染成分は、内燃エンジン1Aの排出部の触媒変換器5を通過する前後において、CO/Nガス混合体30Aの既知の流れを注入する上流側で分析される。
【0068】
未処理CO分析器22と希釈済みCO分析器24が始動するので、未処理排ガス3の様々な汚染成分の質量を秒ごとに計算できる。
【0069】
更に、この方法によれば、前述の希釈済みガス混合体56の流量を測定する前に、希釈済みガス混合体56の容積の一部が、希釈済みガス混合体56の汚染成分の測定の最後で、全体的な分析を行うために、サンプル抽出用バッグ26に取り出される。
【0070】
同様に、前述の未処理排ガス3の流れに新鮮な希釈空気23Aの流れを注入している最中に、新鮮な希釈空気23Aの容積の一部が、サンプル抽出用バッグのこれらの汚染成分の測定濃度から、サイクル全体にわたる汚染成分の質量を全体的に計算するために、サンプル抽出用バッグ28において回収される。
【0071】
内燃エンジン1Aが排出する未処理排ガス3の流量を計算するために、対応するサンプル抽出用バッグ26に取り出される希釈済みガス混合体56の容積と、未処理排ガスの汚染成分を分析する分析器21と未処理CO分析器22とが取り出す未処理排ガス3及び33の容積とが、考慮されている。
【0072】
未処理CO分析器22と希釈済みCO分析器24とが本発明に基づいて始動するので、エンジン1Aの起動段階と、エンジン1Aに対する燃料の注入が停止する段階とにおいて、内燃エンジン1Aが排出する未処理排ガス3の流量を測定できる。
【0073】
従って、未処理排ガス3の流量、未処理排ガス3の汚染成分の全ての濃度、それらの密度、注入済みのCO/N混合体の流量とが分かると、特に、起動段階及び燃料注入停止段階とにおいて、秒ごとに、排ガスの汚染成分の質量を計算することができる。
【0074】
本発明は、図示し説明した実施形態に全く限定されない。むしろ、当業者は、その範囲に合致する変形例を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に基づく第一の実施形態に準じる測定システムの全体図を示す。
【図2】本発明に基づく第二の実施形態に準じる測定システムの全体図を示す

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)の内燃エンジン(1A)が排出する未処理排ガス(3)の流量を測定するCO追跡方法であって、
(a)内燃エンジン(1A)の排気ライン(2)が排出する未処理排ガス(3)の流れを、測定ライン(20)で受け、
(b)測定ライン(20)に流れる未処理排ガス(3)の流れにおける未処理CO含有量を、未処理CO分析器(22)を用いて測定し、
(c)新鮮な希釈空気(23A)の流れを、希釈済み排ガス(56)の流れを得るために、測定ライン(20)に流れる前記未処理排ガス(3)の流れに注入し、
(d)前記の希釈済みガス混合体(56)の流れにおける希釈済みCO含有量を、希釈済みCO分析器(24)を用いて測定し、
(e)希釈済み排ガス(56)の流量を測定し、
(f)測定した未処理CO含有量と測定した希釈済みCO含有量との比率に対応する希釈係数を計算し、
(g)内燃エンジン(1A)が排出する未処理排ガス(3)の流量を、希釈済み排ガス(56)の流量の測定結果と希釈係数とから推定するステップとを含み、
内燃エンジン(1A)の起動前に、CO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを、ステップ(b)及び(d)において用いる未処理CO分析器(22)と希釈済みCO分析器(24)とが始動するように、測定ライン(20)に注入することを特徴とする、自動車(1)の内燃エンジン(1A)が排出する未処理排ガス(3)の流量を測定するCO追跡方法。
【請求項2】
CO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを、希釈済みガス混合体(56)の流れが希釈済みCO分析器(24)に達するまで注入することを特徴とする、請求項1に記載のCO追跡方法。
【請求項3】
前記のCO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを、内燃エンジン(1A)に対する燃料の注入が停止している段階で注入することを特徴とする、請求項1及び2のいずれかに記載のCO追跡方法。
【請求項4】
CO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを、未処理排ガス(3)の流量を測定するプロセスの期間全体にわたって注入することを特徴とする、請求項1及び2のいずれかに記載のCO追跡方法。
【請求項5】
CO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを注入する上流側で、未処理排ガス(3)の汚染成分を、内燃エンジン(1A)から出る際に触媒変換器(5)を通過する前後において分析することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のCO追跡方法。
【請求項6】
ステップ(e)の前に、希釈済みガス混合体(56)の容積の一部を、希釈済みガス混合体(56)の汚染成分を測定するために、サンプル抽出用バッグ(26)に取り出すことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のCO追跡方法。
【請求項7】
ステップ(c)において、新鮮な希釈空気(23A)の容積の一部を、サンプル抽出用バッグ(28)に集めることを特徴とする、請求項6に記載のCO追跡方法。
【請求項8】
ステップ(g)を行う際に、対応するサンプル抽出用バッグ(26)に取り出す希釈済みガス混合体(56)の容積と、未処理排ガスの汚染成分を分析する分析器(21)と未処理CO分析器(22)とが取り出す未処理排ガス(3、33)の容積とを、考慮することを特徴とする、請求項6及び7のいずれかに記載のCO追跡方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の測定のためのCO追跡方法を実施する測定システム(10; 10A)であって、
− 内燃エンジン(1A)の排気ライン(2)の出口との接続に適した測定ライン(20)と、
− 前記排気ライン(2)からくる未処理排ガス(3)の流れにおける未処理CO含有量を測定するために、測定ライン(20)上に位置する未処理CO分析器(22)と、
− 未処理CO分析器(22)の下流側で測定ライン(20)に新鮮な希釈空気(23A)を注入する手段(23)と、
− 希釈済みガス混合体(56)の流れにおける希釈済みCO含有量を測定するために、測定ライン(20)上に位置する希釈済みCO分析器(24)と、
− 希釈済みガス混合体(56)の流量を測定する手段(25、27)と、希釈済みガス混合体(56)の流量の測定結果と、未処理CO含有量と希釈済みCO含有量とから、未処理排ガス(3)の流量を測定する手段とを備え、
未処理CO分析器(22)の上流側で、未処理CO分析器(22)と希釈済みCO分析器(24)とが始動するように、測定ライン(20)にCO/Nガス混合体(30A)の既知の流れを注入する手段(30)を備えていることを特徴とする、前記の測定システム。
【請求項10】
未処理排ガス(3)の汚染成分を分析する分析器(21)を備え、CO/Nガス混合体(30A)の流れを注入する手段(30)が未処理排ガス(3)の汚染成分を分析する分析器(21)の下流側に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の測定システム(10; 10A)。
【請求項11】
希釈済みガス混合体(56)の容積の一部を取り出すのに適した、少なくとも一つのサンプル抽出用バッグ(26)を含んでいることを特徴とする、請求項9及び10のいずれかに記載の測定システム(10; 10A)。
【請求項12】
新鮮な希釈空気(23A)を注入する手段(23)の上流側に、新鮮な希釈空気(23A)の容積の一部を取り出すのに適した、少なくとも一つのサンプル抽出用バッグ(28)を含んでいることを特徴とする、請求項11に記載の測定システム(10; 10A)。
【請求項13】
自動車(1)の駆動に適した内燃エンジン(1A)を動力源とする、前記自動車(1)の受動輪(7)の下方に設けたローラー(11)を含んでいることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の測定システム(10; 10A)。
【請求項14】
排気ライン(2)に接続した自動車(1)の内燃エンジン(1A)を受けいれる手段を含んでいることを特徴とする、請求項10〜13の何れかに記載の測定システム(10; 10A)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−534949(P2008−534949A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503559(P2008−503559)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050268
【国際公開番号】WO2006/103368
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(503041797)ルノー・エス・アー・エス (286)
【Fターム(参考)】