説明

自動車の前部車体構造

【課題】 外装部材とフロントバンパとを適切な固定力をもって固定しながら、軽衝突時における外装部材等の破損を抑制した自動車の前部車体構造を提供する
【解決手段】 ロアブラケット17は、鋼板プレス成型品で略Z字断面形状を呈するブラケット本体61と、これも鋼板プレス成型品で略U字断面形状を呈する挟持部62とを溶接により一体化してなる。挟持部62は、ブラケット本体61の上壁部61aに接合される第1挟持片62aと、第1挟持片62aと伴にインナパネル22のリブ22aを挟持する第2挟持片62bをと備えている。ロアブラケット17の挟持部62には段付ボルト65とコイルばね66とナット67とからなる左右一対の挟持力付与機構68が設けられており、これら挟持力付与機構68によって挟持部62にフロントガーニッシュ8のリブ22aを挟持する比較的大きな弾性挟持力が付与されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の前部車体構造に係り、外装部材とフロントバンパとを適切な固定力をもって固定しながら、軽衝突時における外装部材等の破損を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
4輪自動車では、フロントバンパの上方中央にフロントガーニッシュを配したものが一般的である(例えば、特許文献1,2参照)。フロントガーニッシュは、走行風をエンジンルームに導入するためのグリルを兼ねるものが多いが、意匠性の向上等を図るべく、ボンネットやヘッドランプに連続する滑らかな曲面を有するものもある。後者のフロントガーニッシュには、例えば、透明な樹脂を素材とするアウタパネル(アウタレンズ)と、前面がメッキされたインナパネルとからなる中空品が存在する。中空のフロントガーニッシュは、ポリカーボネートやガラスのレンズを備えた左右ヘッドランプとの連続性や、インナパネルの前面に装着されたエンブレムがアウタレンズを透過して見えることによる高級感等を有している。
【0003】
一方、乗用車等のボディでは、見栄えの向上や空気抵抗の低減を図るため、ボディパネルと外装部品との間の段差やチリ(隙間)を小さくする傾向がある。上述した中空のフロントガーニッシュの場合、その重量が比較的大きくなることから、フロントバンパとの段差やチリを規定値に収めるためには、フロントガーニッシュの下端とフロントバンパの上端とを固定(締結)することが望ましい。フロントガーニッシュのフロントバンパへの締結方法としては、特許文献1に記載されたボルト締めによるものや、樹脂クリップを用いたもの(特許文献3参照)が公知となっている。
【特許文献1】特開平10−230798号公報
【特許文献2】特開平11−263246号公報
【特許文献3】特許第2725410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したフロントガーニッシュのフロントバンパへの締結方法には、以下に述べるような問題があった。例えば、自動車が他の車両や建造物等に軽衝突した際、車体の前端下方に位置するフロントバンパに衝突荷重が作用し、フロントガーニッシュに対してフロントバンパが後退することがある。この場合、フロントガーニッシュがフロントバンパにボルト締めされていると、フロントガーニッシュあるいはフロントバンパの締結部位が破損することになるため、修理時の部品コストが高額になる。一方、フロントガーニッシュを樹脂クリップによってフロントバンパに締結する方法では、フロントガーニッシュとフロントバンパとを十分な締結力をもって締結することができないため、樹脂クリップの経年劣化が避けられないことも相俟って、走行時にがた付きや異音が発生する虞があった。また、いずれの場合でも、フロントガーニッシュの後部でのボルトのねじ込みやクリップの差し込みが必要となるため、自動車の製造ラインにおける組立工数の増大や組立作業性の低下がもたらされる。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、外装部材とフロントバンパとを適切な固定力をもって固定しながら、軽衝突時における外装部材等の破損を抑制した自動車の前部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、フロントバンパの上方に設置された外装部材と、当該フロントバンパの上部を当該外装部材の下部に固定するためのブラケットとを備えた自動車の前部車体構造であって、前記外装部材の下部に形成され、当該外装部材の後面から後方に突出したリブと、前記ブラケットに形成され、第1および第2の挟持片によって前記リブを後方から弾性挟持する挟持部と、前記挟持部に設けられ、当該挟持部に弾性挟持力を付与する挟持力付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の自動車の前部車体構造において、前記リブは、後方が開放された切欠を有し、前記第1の挟持片は、前記切欠に対応する位置に穿設された第1の貫通孔を有し、前記第2の挟持片は、前記第1の貫通孔より小径で、当該第1の貫通孔に対峙する位置に穿設された第2の貫通孔を有し、前記挟持力付与手段は、前記第1の貫通孔および前記切欠に挿通される大径軸部、当該大径軸部の一端に形成された頭部、および当該大径軸部の他端に形成されて前記第2の貫通孔に挿通される小径ねじ部を有する段付ボルトと、前記第1の挟持片と前記頭部との間で前記大径軸部に外嵌され、当該第1の挟持片を当該頭部から離間させる方向に付勢するコイルばねと、前記小径ねじ部に螺合し、前記第2の挟持片を前記段付ボルトに締結するナットとを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の自動車の前部車体構造において前記ブラケットが前記フロントバンパの上部を保持するバンパ保持部を有し、
前記外装部材と前記フロントバンパとの固定は、当該外装部材と前記バンパ保持部との間に当該フロントバンパの上部を差し込んで行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、挟持力付与手段によって挟持部に付与される弾性挟持力を適切な値に設定することで、外装部材とフロントバンパとをがた付きなく固定しながら、軽衝突時に外装部材からブラケットを脱落させて外装部材の破損を防止できるようになる。また、請求項2の発明によれば、段付ボルトの大径軸部の長さやコイルばねの線径等によって、挟持部に付与される弾性挟持力を任意かつ高精度に設定できる。また、請求項3の発明によれば、外装部材に予めブラケットを取り付けておくことにより、外装部材とブラケットとの間にフロントバンパの上部を差し込むだけで外装部材とフロントバンパと固定されるため、製造ラインにおける組立工数の増大や組立作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を適用した自動車の前部車体構造の一実施形態を詳細に説明する。
図1は実施形態に係る自動車の斜視図であり、図2は図1中II部の展開斜視図であり、図3はフロントガーニッシュ装着部の車両中心における縦断面図であり、図4はフロントガーニッシュとロアブラケットとの結合部を示す展開斜視図であり、図5はフロントガーニッシュへのサイドブラケットの取付状態を示す斜視図であり、図6はフロントガーニッシュへのサイドブラケットの取付状態を示す縦断面図であり、図7および図8は実施形態の作用説明図である。
【0011】
《実施形態の構成》
<全体構成>
図1に示すように、本実施形態は、4ドア乗用車(以下、自動車と記す)に本発明を適用したものである。本実施形態の自動車のボディ1は、鋼板パネル溶接組立によるモノコック構造を採用しており、その前部がフロントバンパ2や左右のフェンダパネル3,4、ボンネット5等により覆われている。フロントバンパ(バンパフェイス)2は、その左右端がホイールアーチ6にまで回り込む形状を呈するとともに、前面下部にエンジンルームに走行風を導入するためのグリル7を備えている。フロントバンパ2の上方には、ボンネット5との間にフロントガーニッシュ8が設置され、フェンダパネル3,4との間に左右のヘッドランプユニット9,10が設置されている。
【0012】
図2に示すように、ボディ1の前部には車体骨格部材であるフロントバルクヘッド11が存在しており、フロントバンパ2や左右のヘッドランプユニット9,10がこのフロントバルクヘッド11に固定されている。フロントバルクヘッド11の前面には左右一対のラジエタアッパマウントブラケット12,13が装着されており、フロントガーニッシュ8は、後面に装着された左右一対のサイドブラケット14,15を介して、これらラジエタアッパマウントブラケット12,13や左右のヘッドランプユニット9,10に固定される。また、フロントガーニッシュ8には、その上部中央寄りにフロントアッパカバー(図2には示さない)を支持する左右一対のアッパブラケット16が取り付けられ、下部中央がロアブラケット(ブラケット)17を介してフロントバンパ2の上部に固定される。
【0013】
<フロントガーニッシュ>
図3に示すように、フロントガーニッシュ8は、透明なポリカーボネートを素材とするアウタレンズ21と、前面が蒸着メッキされたポリプロピレンを素材とするインナパネル22とからなる中空品であり、図1に示すように、アウタレンズ21の外面がボンネット5や左右のヘッドランプユニット9,10に滑らかに連続している。インナパネル22の前面中央部にはエンブレム23が取り付けられており、外部からはアウタレンズ21を透過してこのエンブレム23が見える。
【0014】
アウタレンズ21とインナパネル22とは嵌め込みによって組み立てられており、その接合部がブチルゴム等のシール材(図3中に黒塗りで示す)24によってシールされている。図4にも示すように、インナパネル22の下部後面にはリブ22aが後方に向けて水平に突設されており、このリブ22aに後方が開放された左右一対の切欠22bが所定の間隔をもって形成されている。
【0015】
<アッパブラケット>
アッパブラケット16は、略L字断面形状を呈する薄鋼板のプレス成型品であり、その下端がタッピングスクリュー31によってインナパネル22の上部後面に締結され、その上面にフロントアッパカバー32がタッピングスクリュー31によって締結されている。
【0016】
<ロアブラケット>
図3,図4に示すように、ロアブラケット17は、鋼板プレス成型品で略Z字断面形状を呈するブラケット本体61と、これも鋼板プレス成型品で略U字断面形状を呈する挟持部62とを溶接によって一体化したものである。ブラケット本体61は、挟持部62がその上面に接合される上壁部61aと、フロントバンパ2をその上面で保持する下壁部(バンパ保持部)61bとを備えている。なお、ブラケット本体61には、曲げ剛性を高めるべく、その外周縁に下向きのフランジ61cが形成されている。
【0017】
一方、挟持部62は、ブラケット本体61の上壁部61aに接合される第1挟持片62aと、第1挟持片62aと伴にインナパネル22のリブ22aを挟持する第2挟持片62bとを備えており、第2挟持片62bの前端にはフロントガーニッシュ8のリブ22aの挿入を容易にする折り曲げ部62cが設けられている。
【0018】
ブラケット本体61の上壁部61aと挟持部62の第1挟持片62aとには、リブ22aの左右の切欠22bに対応する位置に、比較的大径の第1貫通孔63が穿設されている。また、挟持部62の第2挟持片62bには、左右の第1貫通孔63に対峙する位置に、比較的小径の第2貫通孔64がそれぞれ穿設されている。
【0019】
<挟持力付与機構>
図3,図4に示すように、ロアブラケット17の挟持部62には段付ボルト65とコイルばね66とナット67とからなる左右一対の挟持力付与機構68が設けられており、これら挟持力付与機構68によって挟持部62にフロントガーニッシュ8のリブ22aを挟持する比較的大きな弾性挟持力が付与されている。
【0020】
段付ボルト65は、第1貫通孔63に挿通される大径軸部65aと、大径軸部65aの一端に形成された頭部65bと、大径軸部65aの他端に形成されて第2貫通孔64に挿通される小径ねじ部65cとを有している。また、コイルばね66は、挟持部62の第1挟持片62aと頭部65bとの間で大径軸部65aに外嵌し、組立状態(図3)においてブラケット本体61の上壁部61a(すなわち、第1挟持片62a)を段付ボルト65の頭部65bから離間させる方向(すなわち、上方)に付勢する。そして、ナット67は、段付ボルト65の小径ねじ部65cにねじ込まれ、段付ボルト65と第2挟持片62bとを締結する。
【0021】
フロントバンパ2は、図3に示すように、フロントガーニッシュ8とロアブラケット17との間に前方から差し込まれており、その係合部2aがロアブラケット17の下壁部61bに保持されることにより、その上端がフロントガーニッシュ8の下端と一定の間隙Sをもって対峙する。なお、フロントガーニッシュ8とフロントバルクヘッド11の間には、コンデンサ33とラジエタ34とが設置されている。
【0022】
<サイドブラケット>
図5,図6に示すように、左側のサイドブラケット14は、樹脂(例えば、ポリプロピレン)を素材とする上下方向に長い射出成型品であり、5本のスクリュー41によってインナパネル22の後面に締結されている。サイドブラケット14の上部には、右側に比較的厚肉のラジエタアッパマウント側係止部42が後方に突設され、中央に比較的薄肉のカバー側係止部43が後方に向けて突設されている。また、サイドブラケット14の左端には、その上部および下部に樹脂製のクリップ44が取り付けられている。サイドブラケット14の左右端には、後方に向けてフランジ45,46がそれぞれ突設されている。なお、右側のサイドブラケット15と左側のサイドブラケット14とは、その形状や取付形態が全く対称となっている。
【0023】
ラジエタアッパマウント側係止部42には、その先端側にボルト孔47が穿設されており、ボルト48によってラジエタアッパマウントブラケット12に締結されている。また、カバー側係止部43の先端側には、その先端側にボルト孔49が穿設されており、タッピングスクリュー31によってフロントアッパカバー32が締結されている。そして、上部および下部のクリップ44には、ヘッドランプユニット9側のステー9a,9bがそれぞれ嵌着されている。
【0024】
本実施形態のサイドブラケット14では、ラジエタアッパマウント側係止部42の基部にノッチ51が形成されている。また、上部のクリップ44の取付部位およびカバー側係止部43の下方には、3つのノッチ52〜54と2つの貫通孔55,56とが形成されている。更に、下部のクリップ44の直上には、貫通孔57が穿設されるとともに、左右のフランジ45,46にそれぞれノッチ58,59が形成されている。
【0025】
《実施形態の作用》
自動車の製造時、フロントバンパ2は、フロントガーニッシュ8や左右のヘッドランプユニット9,10の装着後に組み付けられる。本実施形態では、フロントバンパ2の組み付けにあたり、フロントバンパ2の中央部が前方からフロントガーニッシュ8とロアブラケット17との間に水平に差し込まれ、その係合部2aがロアブラケット17の下壁部61bに係合/保持される。
【0026】
フロントバンパ2がフロントガーニッシュ8とロアブラケット17との間に差し込まれる際、フロントバンパ2との摩擦によってロアブラケット17には後方への荷重(すなわち、ロアブラケット17の挟持部62をフロントガーニッシュ8のリブ22aから引き抜く荷重)が作用する。しかしながら、本実施形態では、挟持力付与機構68によって挟持部62に比較的大きな弾性挟持力が付与されているため、フロントバンパ2の組み付け時に挟持部62(すなわち、ロアブラケット17)がリブ22aから脱落することはない。なお、挟持力付与機構68では、コイルばね66の付勢力(すなわち、圧縮量)を段付ボルト65の大径軸部65aの長さによって規制できるため、挟持部62に付与する弾性挟持力の設定が容易かつ正確に行える。
【0027】
一方、自動車は、走行時あるいは停車時に他の車両や路上の障害物等と衝突することがある。衝突時において、フロントバンパ2やフロントガーニッシュ8には、衝突対象物や衝突部位等に応じて、方向や大きさの異なる様々な衝突荷重が作用する。
【0028】
図7は、他の車両との軽衝突により、フロントガーニッシュ8がフロントアッパカバー32に対して小さく後退し、フロントバンパ2がフロントガーニッシュ8に対して大きく後退した状態を示している。この場合、アッパブラケット16は、薄鋼板を素材としているために衝突荷重により容易に変形し、フロントガーニッシュ8およびフロントアッパカバー32の破損が防止される。
【0029】
また、ロアブラケット17は、フロントバンパ2を介して後方に所定値以上(挟持部62の弾性挟持力に打ち勝つ程度)の衝突荷重が作用すると、挟持部62の弾性挟持力に打ち勝ってフロントガーニッシュ8のリブ22aから脱落し、これにより、フロントガーニッシュ8やロアブラケット17の破損が防止される。
【0030】
一方、図8に示すように、フロントガーニッシュ8がヘッドランプユニット9およびフロントアッパカバー32に対して後方に移動すると、サイドブラケット14が、上部においてはノッチ51〜54で破断し、下部においてはノッチ58,59で破断し、これにより、フロントガーニッシュ8の破損が防止される。
【0031】
本実施形態では、このような構成を採ったことにより、破損/変形したサイドブラケット14,15やアッパブラケット16を交換するだけで、フロントガーニッシュ8やロアブラケット17をそのまま使用することが可能となり、修理時の部品コストを低く抑えることが可能となった。
【0032】
また、本実施形態では、インナパネル22側にサイドブラケット14,15や、アッパブラケット16、ロアブラケット17が取り付けられているため、従来装置のようなシール材24へのストレスが生じなくなり、フロントガーニッシュ8の中空部への雨水や塵埃の侵入が抑制された。また、サイドブラケット14,15や、アッパブラケット16、ロアブラケット17は、アウタレンズ21やインナパネル22と別部品であるため、それらの設計自由度が高くなり、フロントガーニッシュ8の取付剛性の向上も図ることができた。そして、自動車の製造時においては、フロントバンパ2の中央部を前方からフロントガーニッシュ8とロアブラケット17との間に水平に差し込むだけで、フロントガーニッシュ8とフロントバンパ2とが固定されるため、組立の作業性の向上や作業工数の低減を図ることができた。
【0033】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態は中空のフロントガーニッシュを備えた自動車に本発明を適用したものであるが、中実のフロントガーニッシュを備えた自動車や、グリルを有するフロントガーニッシュを備えた自動車にも当然に適用できる。また、上記実施形態ではロアブラケットを薄鋼板の溶接構造品としたが、樹脂製としてもよいし、一体のプレス成形品としてもよいし、製造や組付の誤差を吸収すべく別体としてもよい。また、上記実施形態ではフロントバンパに水平なリブを形成したが、垂直なリブや円弧状のリブを形成するようにしてもよい。更に、挟持力付与機構の具体的構成やロアブラケットの具体的形状等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態に係る自動車の斜視図である。
【図2】図1中II部の展開斜視図である。
【図3】フロントガーニッシュ装着部の車両中心における縦断面図である。
【図4】フロントガーニッシュとロアブラケットとの結合部を示す展開斜視図である。
【図5】フロントガーニッシュへのサイドブラケットの取付状態を示す斜視図である。
【図6】フロントガーニッシュへのサイドブラケットの取付状態を示す縦断面図である。
【図7】実施形態の作用説明図である。
【図8】実施形態の作用説明図である。
【符号の説明】
【0035】
2 フロントバンパ
2a 係合部
8 フロントガーニッシュ
17 ロアブラケット(ブラケット)
22a リブ
22b 切欠
61 ブラケット本体
61b 下壁部(バンパ保持部)
62 挟持部
62a 第1挟持片
62b 第2挟持片
63 第1貫通孔
64 第2貫通孔
65 段付ボルト
65a 大径軸部
65b 頭部
65c 小径ねじ部
66 コイルばね
67 ナット
68 挟持力付与機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントバンパの上方に設置された外装部材と、当該フロントバンパの上部を当該外装部材の下部に固定するためのブラケットとを備えた自動車の前部車体構造であって、
前記外装部材の下部に形成され、当該外装部材の後面から後方に突出したリブと、
前記ブラケットに形成され、第1および第2の挟持片によって前記リブを後方から弾性挟持する挟持部と、
前記挟持部に設けられ、当該挟持部に弾性挟持力を付与する挟持力付与手段と
を備えたことを特徴とする自動車の前部車体構造。
【請求項2】
前記リブは、後方が開放された切欠を有し、
前記第1の挟持片は、前記切欠に対応する位置に穿設された第1の貫通孔を有し、
前記第2の挟持片は、前記第1の貫通孔より小径で、当該第1の貫通孔に対峙する位置に穿設された第2の貫通孔を有し、
前記挟持力付与手段は、
前記第1の貫通孔および前記切欠に挿通される大径軸部、当該大径軸部の一端に形成された頭部、および当該大径軸部の他端に形成されて前記第2の貫通孔に挿通される小径ねじ部を有する段付ボルトと、
前記第1の挟持片と前記頭部との間で前記大径軸部に外嵌され、当該第1の挟持片を当該頭部から離間させる方向に付勢するコイルばねと、
前記小径ねじ部に螺合し、前記第2の挟持片を前記段付ボルトに締結するナットと
を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項3】
前記ブラケットが前記フロントバンパの上部を保持するバンパ保持部を有し、
前記外装部材と前記フロントバンパとの固定は、当該外装部材と前記バンパ保持部との間に当該フロントバンパの上部を差し込んで行われることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の前部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−69825(P2007−69825A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261138(P2005−261138)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】