説明

自動車の後部車体構造

【課題】後方から衝突する車両の乗り上げを防止し、且つ、衝突エネルギの吸収に必要な車体後部の変形ストロークを確保する。
【解決手段】前後方向に延在する左右のリアサイドフレーム4,5と、両リアサイドフレーム4,5の間において下方へ突出し、スペアタイヤ21を後上がり傾斜状態で収容するスペアタイヤパン14を形成するリアフロアパネル13と、スペアタイヤパン14の前方にて車幅方向に延在し、その左右両端が両リアサイドフレーム4,5に連結されたスペアパンクロスメンバ8およびサスペンションメンバ10(リアクロス部10d)とを備えた自動車のボディ1において、ジャッキアップスチフナ17およびジャッキアップロッド18をスペアタイヤパン14の底面後側中央部14bの下面に接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の後部車体構造に関し、特に、スペアタイヤを車体後部に収容した自動車における後面衝突対策に関する技術に係る。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車にはパンク時に備えてスペアタイヤが搭載されている。乗用自動車においては、スペアタイヤが、リアフロアを下方に突出させたスペアタイヤパンの内部に収容されるか、或いはリアフロアの下面に装着されることが多い。ところで、近年では、剛性を確保しながら軽量化を図り易いモノコック構造が自動車の車体構造として多く採用されている。モノコック構造の自動車のボディは、比較的薄い鋼板を素材とするプレス成型品を組み合わせて構成されるため、スペアタイヤを搭載するスペースを確保しながら後面衝突(以下、単に後突と略称する)に対する強度を確保しなければならない。
【0003】
車体の後突対策として、使用する素材の板厚を厚くして車体強度を高めることも考えられるが、素材の肉厚化は、自動車の重量を増大させ、走行燃費の悪化や運動性能の低下をもたらすことから、できる限り回避することが望ましい。そして、素材を肉厚化させることなく後突に対する強度を確保するために、これまでにも以下に挙げるような種々の提案がなされている。
【0004】
すなわち、左右のリアサイドフレームの間においてスペアタイヤを略水平に収容すべく、リアフロアパネルを下方に突出させてスペアタイヤパンを設け、スペアタイヤパンの前方にサスペンション取付用クロスメンバを設けるとともに、更にその前方にシートキャッチャ用クロスメンバを設け、サスペンション取付用クロスメンバとシートキャッチャ用クロスメンバとで強度の高い変形阻止部を構成させ、スペアタイヤパンを変形許容部として後突時にその後部が下方へ回転移動可能とすることにより、衝突エネルギの吸収を確実に且つ安定的に行わせるようにした自動車の後部車体構造が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、これとは別に、リアフロアパネルを下方に突出させてスペアタイヤパンを設け、スペアタイヤパンよりも前方のリアフロアパネル下面から後方に向けて傾斜板を垂設するとともに、この傾斜板の下端をスペアタイヤパンの前側縦壁に接合して閉断面を形成することにより、後突時において、傾斜板の下端を中心として上方へ回転するモーメントをスペアタイヤパンに作用させ、スペアタイヤパン前壁の前方への移動を防止した後部車体構造が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
更に、別の後部車体構造として、スペアタイヤを略水平に収容するスペアタイヤパンをリアフロアパネルで形成し、スペアタイヤパン下面に、スペアタイヤ固定位置から後方に延びる補強部材を設けることにより、後突時にもスペアタイヤの離脱を防止するとともに、後方側の種々の方向からの荷重に対し、スペアタイヤを効果的に傾斜させるようにしたものが提案されている(特許文献3)。
【特許文献1】特許第3620288号公報
【特許文献2】特開2004−314673号公報
【特許文献3】特開2006−193046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の後部車体構造では、強度の高い変形阻止部によってスペアタイヤの前方への移動が防止され、スペアタイヤが回転移動することで衝突エネルギの吸収も可能であるが、スペアタイヤがその前端を中心にして下方へ回転移動してしまうため、後方から衝突する車両が自車へ乗り上げることを防止することができない虞がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の後部車体構造では、スペアタイヤは後突時にその前端を中心にして上方に立ち上がるため、衝突車両の自車への乗り上げは防止可能であるが、スペアタイヤの前方に閉断面を形成するために、スペアタイヤパンの前方に空間に設けるか、或いはスペアタイヤパンの前壁上部を後方へ突出させる必要がある。スペアタイヤパンの前方に空間的な余裕がある場合には問題ないが、空間的な余裕がなくスペアタイヤパンの前壁上部を後方へ突出させる場合には、スペアタイヤの上方への回転が前壁上部に制限されてしまうため、衝突エネルギの吸収に必要な車体後部の変形ストロークを確保することができない虞がある。また、左右のリアサイドフレームを連結するクロスメンバがないため、オフセット衝突を起こした場合には、衝突荷重を非衝突側のリアサイドフレームに伝達することもできない虞がある。
【0009】
更に、特許文献3に記載の後部車体構造では、水平配置されたスペアタイヤを後突時に回転させて立ち上げることは可能であるが、スペアタイヤが補強部材で固定されており、補強部材とスペアタイヤとの間のリアフロアパネルは後突時においても変形が阻止されるため、スペアタイヤが垂直まで立ち上がることはできない。したがって、衝突エネルギの吸収に必要な車体後部の変形ストロークを確保することができない虞がある。
【0010】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、後方から衝突する車両の乗り上げを防止し、且つ、衝突エネルギの吸収に必要な車体後部の変形ストロークを確保できる後部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、前後方向に延在する左右のリアサイドフレームと、前記両リアサイドフレームの間において下方へ突出し、スペアタイヤを後上がり傾斜状態で収容するスペアタイヤパンを形成するリアフロアパネルと、前記スペアタイヤパンの前方にて車幅方向に延在し、その左右両端が前記両リアサイドフレームに連結されたクロスメンバと、前記スペアタイヤパンの後部下面に接合された補強部材とを備えるように構成する。
【0012】
上記構成を備えた自動車の後部車体構造においては、前記スペアタイヤパンの底面における後部の少なくとも中央部を上方に突出させることにより、前記スペアタイヤを後上がり傾斜状態とするとともに、前記補強部材を前記中央部の下面に接合するように構成する、或いは、前記スペアタイヤパンの後部底面に配置され、その前部が前記スペアタイヤのホイールに沿って前下がりに傾斜したブラケットを更に備えるように構成すると良い。また、これらの構成を備えた自動車の後部車体構造において、前記補強部材を、ジャッキアップスチフナまたはジャッキアップロッドからなるように構成すると良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、クロスメンバによってスペアタイヤの前方移動が阻止され、補強部材が接合されたスペアタイヤパン後部が後突初期には変形することなく前方移動することにより、スペアタイヤパンはZ字状に変形する。そのため、スペアタイヤはその前端を回転中心にして略垂直まで立ち上がる。したがって、立ち上がったスペアタイヤによって衝突車の乗り上げを防止し、クロスメンバを介して衝突荷重を左右のリアサイドフレームに伝達させるとともに、大きな変形ストロークを確保することができる。
【0014】
また、スペアタイヤパン底面の後部を上方に突出させ、その下面に補強部材を接合することにより、後突時に補強部材がスペアタイヤパン前部に乗り上ってスペアタイヤパンを確実にZ字状に変形させることができる。また、その前部がスペアタイヤのホイールに沿って前下がりに傾斜したブラケットをスペアタイヤパンの後部底面に更に備えることにより、衝突の早期にスペアタイヤを立ち上がらせるとともに、ブラケットがタイヤではなくホイールを押し上げるため、より確実にスペアタイヤを立ち上がらせることができる。
【0015】
また、ジャッキアップスチフナまたはジャッキアップロッドを補強部材として利用することにより、別部品を接合することによる重量増大および組立工数の増加を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、セダン型乗用車用のボディに本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。なお、説明にあたり、各部材の配置および向きに関する前後左右の方向は、車体の進行方向に対するものとする。
【0017】
≪実施形態の構成≫
図1は実施形態に係る後部車体構造の底面図であり、図2は実施形態に係る後部車体構造の側面図であり、図3は図1中のIII−III断面の概略図である。図1〜図3に示すように、実施形態のボディ1は、フロアフレームとして、車体前後方向に延在する左右一対のサイドシル2,3や、両サイドシル2,3の後端から後方へ延びる左右一対のリアサイドフレーム4,5、両サイドシル2,3の後部を車幅方向に連結するミドルフロアクロスメンバ6、両リアサイドフレーム4,5の中間部4b,5bおよび後部4c、5cを車幅方向にそれぞれ連結するリアフロアクロスメンバ7、スペアパンクロスメンバ8等を有している。
【0018】
左右のリアサイドフレーム4,5は、その前端が左右のサイドシル2,3の後端にラップするようにそれぞれ接続されており、その前部4a,5aは後方へ向けて車幅方向内側且つ上方へ傾斜し、その中間部4b,5bは後方へ向けて略水平からやや下方へ傾斜し、その後部4c,5cは車軸と略平行且つ略水平に延びている。そして、両リアサイドフレーム4,5の後端には、車幅方向に延在するバンパビーム9が接合されている。
【0019】
両リアサイドフレーム4,5の中間部4b,5bの下方には、リンク式のサスペンションアセンブリを構成するサスペンションメンバ10(サブフレーム)が配置されている。サスペンションメンバ10は、どちらもその前端がそれぞれ両リアサイドフレーム4,5の前部4a,5aの後端近傍の下面に連結されるとともに、その後端がそれぞれ両リアサイドフレーム4,5の後部4c,5cの前端近傍の下面に連結された左右のフレーム部10a,10bや、どちらもその左右両端がそれぞれ左右のフレーム部10a,10bに接合され、略同じ高さでそれぞれ車幅方向に延在するフロントおよびリアクロス部10c,10dを備えている。リアクロス部10dは、スペアパンクロスメンバ8の直下に配置されている。
【0020】
また、ボディ1は、フロアパネルとして、左右のサイドシル2,3の上部に接合され、ミドルフロアクロスメンバ6前方の車室の床面を構成するフロントフロアパネル11や、左右のリアサイドフレーム4,5の上部に接合され、ミドルフロアクロスメンバ6後方の車室の床面を構成するミドルフロアパネル12、左右のリアサイドフレーム4,5の上部に接合され、トランクルームの床面を構成するリアフロアパネル13等を有している。リアフロアパネル13は、その後部が下方に突出してスペアタイヤを収容するスペアタイヤパン14を形成している。なお、これら各フレーム部材およびパネル部材は、プレス成型された1枚の鋼板或いは組み合わせた複数の鋼板から形成される。
【0021】
両リアサイドフレーム4,5の両側部には、後輪Wrを収容し、各リアダンパハウジング31,32と一体に形成された左右のホイールハウス33,34が配置されている。両リアダンパハウジング31,32の頂部には、両リアサイドフレーム4,5の中間部4b,5bにそれぞれ連結された左右のリアダンパベース31a,32aが配置され、図示しない左右のリアダンパユニットを支持している。後輪Wrに作用する力はリアダンパユニットおよびリアダンパベース31a,32aを介してボディ1に伝達される。
【0022】
図4は図1中のIV−IV断面図である。図1〜図4に示すように、スペアタイヤパン14では、その底面前部14aが略水平とされるとともに、その底面後側両側部14c,14dが後方へ向けて上方へ傾斜している。また、スペアタイヤパン14では、その底面後側中央部14bが底面前部14aよりも高い位置にて略水平とされ、底面前部14aとの間に底面段差部14eを形成している。
【0023】
スペアタイヤパン14の底面後側中央部14bの下面には、ジャッキアップスチフナ17とジャッキアップロッド18とが接合されている。ジャッキアップスチフナ17は、上方に開口する2つの溝を有するW字状の横断面形状を呈するように所定厚さに成形され、上下方向および前後方向からの荷重に対する剛性が高められている。ジャッキアップロッド18は、2つの溝の間においてジャッキアップスチフナ17の下面に接合されている。ジャッキアップスチフナ17はその後端において屈曲して上方に延出し、リアパネル15に接合されている。ジャッキアップロッド18は、その後端において下側後方に突出するように湾曲し、上方に延出した部分がリアパネル15とジャッキアップスチフナ17とに接合されている。
【0024】
スペアタイヤパン14の底面後側中央部14bの上面には、スペアタイヤ21の後部を支持するブラケット19が接合されている。スペアタイヤ21は鉄製のホイール21aと合成ゴム製のタイヤ21bとから構成され、図3に示すように、ブラケット19の前部は、ホイール21aのディスク部に面接触するように、前下がりに傾斜する形状を呈している。スペアタイヤ21は、タイヤ21bの前部がスペアパンクロスメンバ8のすぐ後方に配置された状態でスペアタイヤパン14の底面前部14aに支持され、ホイール21aの後部がブラケット19に支持され、ホイール21aのセンターボアがその下方のスペアタイヤパン14の底面前部14aに接合されたスペアタイヤアンカー20にボルトで固定されることにより、後上がりに傾斜した状態でスペアタイヤパン14内に収容されている。
【0025】
ミドルフロアパネル12の上方には、図示しないシートキャッチャを介してリアシート22が設置されている。一方、ミドルフロアパネル12の下方には、サスペンションメンバ10のフロントクロス部10cとミドルフロアクロスメンバ6との間に燃料タンク23が配置されている。また、リアフロアパネル13の下方であって、サスペンションメンバ10のフロントおよびリアクロス部10c,10d間の上方位置には、燃料タンク23に接続され、収容する活性炭で蒸発燃料を吸着するキャニスター24が配置されている。
【0026】
≪実施形態の作用効果≫
次に、後突時における後部車体構造の作用について説明する。自動車(自車)が走行中あるいは停車中に、ボディ1の後面に車両が衝突する(すなわち、後面衝突が起きる)ことがある。衝突荷重が比較的小さな場合には、ボディ1は、バンパビーム9が荷重を左右のリアサイドフレーム4,5に伝達して荷重を受け止めるが、衝突荷重が大きくなるにつれて、バンパビーム9が変形することにより、更にはボディ1の後部すなわち左右のリアサイドフレーム4,5およびリアフロアパネル13が変形することにより、衝突荷重を吸収して乗員に作用する衝撃を緩和するようになっている。
【0027】
ところが、サスペンションメンバ10の上方にはキャニスター24が、サスペンションメンバ10の前方には燃料タンク23が配置され、燃料タンク23の上方にはリアシート22が配置されているため、後突によってこれらが損傷を受けることがないように、サスペンションメンバ10およびスペアパンクロスメンバ8より前方のボディ1の強度は高く設計される。
【0028】
以下に、後突時における後部車体構造の変形について、図5を参照しながら説明する。なお、図5中、(a)は衝突初期を、(b)は衝突中期を、(c)は衝突後期を示している。(a)に示すように、先ず衝突初期には、バンパビーム9が変形してリアパネル15やジャッキアップスチフナ17、ジャッキアップロッド18を前方へ移動させる。この際、スペアパンクロスメンバ8より前方は強度が高いため、後上がりの傾斜状態に設置されたスペアタイヤ21はスペアパンクロスメンバ8に接した前端を中心にして後部が上方へ回転するようにして立ち上がり、スペアタイヤパン14が変形することによって衝撃荷重が吸収される。
【0029】
より詳しくは、スペアタイヤパン14の底面後側中央部14bは、強度の高いジャッキアップスチフナ17およびジャッキアップロッド18(補強部材)が接合されているために変形せず、屈曲した底面段差部14eが折れ曲がって変形する。すると、前方が前下がりに傾斜したブラケット19も底面後側中央部14bとともに前方移動するため、スペアタイヤ21の後部が上方へ押し出され、スペアタイヤアンカー20から離脱する。フリーになったスペアタイヤ21は前端がスペアパンクロスメンバ8によって移動規制されるため、また、ブラケット19によって上方へのモーメントを受けているため、スペアパンクロスメンバ8とリアパネル15とに挟まれることなく立ち上がる。
【0030】
(b)に示すように、衝突中期には、バンパビーム9およびリアパネル15が更に前方移動するため、スペアタイヤパン14の底面前部14aと底面後側中央部14bとがZ字状を形成するように変形する。この際、ジャッキアップスチフナ17および底面後側中央部14bは、底面前部14aに乗り上げるように変形するため、その前部は上方へと移動する。
【0031】
更に(c)に示すように、衝突後期には、スペアタイヤ21が略垂直まで立ち上がり、折れ曲がったジャッキアップスチフナ17等とスペアパンクロスメンバ8との間に挟まれ固定される。したがって、衝突した自動車が自車へ乗り上げてリアシート22に座った乗員に被害が生じることが防止される。また、ボディ1の後部が確実かつ所望の変形ストロークをもって前後方向に変形するため、所望の衝突エネルギを吸収することができる。更に衝突荷重が大きな場合であっても、荷重を受けたスペアタイヤ21は、スペアパンクロスメンバ8およびサスペンションメンバ10の双方に支持され、荷重を左右のリアサイドフレーム4,5に確実に伝達するため、燃料タンク23および乗員への損傷を最小限に食い止めるとこができる。
【0032】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、スペアタイヤパンの前方にスペアパンクロスメンバとサスペンションメンバとを車体が備えているが、いずれか一方のみを備えていてもよく、或いは、スペアタイヤパンの前方に直接リアフロアクロスメンバを設けてもよい。また、補強部材としてジャッキアップスチフナ等を利用せずに、専用のスチフナを設けてもよく、或いは補強部材をリアパネルと一体に形成する形態とすることも可能である。更にこれら変更の他、各部材の具体的形態等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態に係る後部車体構造の底面図
【図2】実施形態に係る後部車体構造の側面図
【図3】図1中のIII−III断面の概略図
【図4】図1中のIV−IV断面図
【図5】実施形態に係る後部車体構造の後突時の変形を示す模式図
【符号の説明】
【0034】
1 ボディ
4,5 リアサイドフレーム
8 スペアパンクロスメンバ
10 サスペンションメンバ
10a,10b 左右のフレーム部
10c,10d フロントおよびリアクロス部
13 リアフロアパネル
14 スペアタイヤパン
14a 底面前部
14b 底面後側中央部
14c,14d 底面後側両側部
17 ジャッキアップスチフナ(補強部材)
18 ジャッキアップロッド(補強部材)
19 ブラケット
20 スペアタイヤアンカー
21 スペアタイヤ
21a ホイール
21b タイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延在する左右のリアサイドフレームと、
前記両リアサイドフレームの間において下方へ突出し、スペアタイヤを後上がり傾斜状態で収容するスペアタイヤパンを形成するリアフロアパネルと、
前記スペアタイヤパンの前方にて車幅方向に延在し、その左右両端が前記両リアサイドフレームに連結されたクロスメンバと、
前記スペアタイヤパンの後部下面に接合された補強部材と
を備えたことを特徴とする自動車の後部車体構造。
【請求項2】
前記スペアタイヤパンは、その底面における後部の少なくとも中央部が上方に突出し、
前記補強部材が前記中央部の下面に接合されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の後部車体構造。
【請求項3】
前記スペアタイヤパンの後部底面に配置され、その前部が前記スペアタイヤのホイールに沿って前下がりに傾斜したブラケットを更に備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の後部車体構造。
【請求項4】
前記補強部材が、ジャッキアップスチフナまたはジャッキアップロッドであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自動車の後部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−184491(P2009−184491A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26143(P2008−26143)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】