説明

自動車の物入れ

【課題】 臭いのする物を運搬する際に、車室内に持ち込まずに、車室内に臭いが充満することを防ぐことを目的とする。
【解決手段】 自動車1のドア2aに物入れ5を設ける。この物入れ5は、その開口6を車室外に連通している。そして、その開口6に蓋7を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のドア又はボディの一部に設けられ、開口が車室外に有する物入れに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用の自動車は人を運ぶ目的以外に、物を運搬するために利用されている。特に主婦が買物のために利用するが、購入する商品により、強い臭い(刺激臭い)を発する物がある。例えば、タクワン等の漬物や、キムチ、ねぎ類などを運ぶと、狭い車室内に充満するのみならず、その臭いが車室内や空調装置内に付着して何日も取れず不快な思いをすることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この対策として、乗用の自動車では、車外に載せて運ぶことが出来れば良いが、現実には、そのような場所が無いので不本意ながら車室内に入れて運んでいた。従来例を検索して見ても、このような対策を目的とする発明は発見できず、特許文献1のように、車両用ドアにポケットがあるにすぎず、このドアポケットは車室外に開口しているから、ここに入れれば、臭いは車室内に充満することになる。
【特許文献1】実開平7−5946号公報
【0004】
このため、この発明は、臭いのする物を自動車により運搬する際に、車室内に臭いが充満することを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、この発明に係る自動車の物入れは、自動車のドア又はボディの一部に物入れを設け、この物入れは、その開口を車室外側に形成すると共に、その開口に開閉用の蓋を有していることにある(請求項1)。このため、強い臭いや刺激臭を持つ商品を車室外から蓋を開けて物入れに収納しておけば、不快な臭いは車室内に持ち込まず、車室内を不快な臭いでの汚染が防がれる。
【0006】
物入れの蓋には空気孔を設けるようにすれば(請求項2)、車外への排出のみならず、物入れ内の温度の上昇を防ぐことができる。また取っ手を設けるようにすれば(請求項3)、蓋の開閉を容易とするし、また、鍵を設けるようにしても良い(請求項4)。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、この発明によれば、物入れが車外に開口しているから、不快な臭いの商品が入っても車室外に排出され、車室内に持ち込まれず、車室内を臭いで汚染させることをなくすことができる(請求項1)。物入れの開口に設けられる蓋に空気孔を持つことから、空気の流れを持たせ、物入れ内の温度の上昇を防ぐことができる(請求項2)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、自動車1が示され、内部に乗用の車室を持ち、前席と後席を持つもので、車両の側面に人間の出入用のための4枚のドア(前席側及び後席側)2a、2bと荷物用のリア側のドア3をボディ11に有している。
【0009】
前席側のドア2aは、窓部分4aと本体部分4bとより成り、この本体部分4bには、窓ガラスなどを収納するための機器やドアロック装置などが設けられると共に、安全性を考慮して所定の厚みを有している。このため、ドア本体部分4bにスペースが存在するため、通常は室内側にドアポケットなるものが設けられている。
【0010】
また、前席側のドア2aの本体部分4bにあって、図1乃至図3に示す物入れ5が設けられている。この物入れ5は、本体部分4bの厚みを利用しているため、それ程大きな容積を持つものではなく、その開口6が車室外に連通するように構成され、その開口6に蓋7が下方の軸支点8を介して開閉自在となっている。
【0011】
この蓋7は、取っ手9と空気孔10とを有し、前記空気孔10により空気の流れが生じて車外空気との入れ換えが行われる。また、この蓋7は軸支点8を介して開閉自在な構成ではあるが、スライドするような構造にしても良いことは勿論である。また安全のため、蓋1つに鍵を設けても良い。
【0012】
図4には、リア側のドア3に物入れ5を設けた実施例が示され、その構造は前席側のドア2aに設けられた物入れ5と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略している。なお、図示しないが、ボディ11に物入れ5を設けるようにしても良いことは勿論であり、構成も前述した例と同様にあれば良い。
【0013】
上述の構成において、本願発明の物入れ5は、その開口6が車室外側に形成されていることから、運搬すべき商品を蓋7を開いて車外から収納でき、商品から発せられる臭いは、開口6から車室外へ排出され、車室内に入り込まず、臭いの汚染が防がれる。またドア2に物入れ5を形成することは、余裕あるスペースの利用や、ドアにおける設計変更にも比較的に行われやすいために実施例として採用しやすい利点となっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施例が採用された自動車の斜視図である。
【図2】前席側のドアに設けられた物入れの説明図である。
【図3】物入れを備えたドアの縦断面図である。
【図4】リア側のドアに設けられた物入れの説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 自動車
2a、2b 前席側ドア、後席側ドア
3 リア側ドア
4b 本体部分
5 物入れ
6 開口
7 蓋
8 軸支点
9 取っ手
10 空気孔
11 ボディ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドア又はボディの一部に物入れを設け、この物入れは、その開口を車室外側に形成すると共に、その開口に開閉用の蓋を有していることを特徴とする自動車の物入れ。
【請求項2】
前記蓋には空気孔を有していることを特徴とする請求項1記載の自動車の物入れ。
【請求項3】
前記蓋には取っ手を有していることを特徴とする請求項1記載の自動車の物入れ。
【請求項4】
前記蓋には鍵を有していることを特徴とする請求項1記載の自動車の物入れ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−248790(P2009−248790A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100098(P2008−100098)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(591149469)
【Fターム(参考)】