説明

自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法

【課題】本発明は、ダッシュパネルに車載部品を取付ける自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法において、できるだけ、他の車載装置等との干渉を回避して、エンジンルーム内で効率的に車載部品を設置しつつも、コストを掛けることなく車載部品のハーネスの結線作業を容易に行なうことができる自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ECU7の上部を取付ブラケット20に取付けずに、ECU7の上部を、車両外方側に揺動できるように構成することで、組付け作業時に、ECU7のソケット71部分を、一旦車幅方向外方側に移動させて、ブレーキ液タンク61に覆われない位置に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の車載部品取付構造及び車載部品の組付方法に関し、特に、ダッシュパネルの前面に電子制御ユニット等の車載部品を取付ける自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載部品、例えばECU(エンジン・コントロール・ユニット)等の電子制御ユニットを、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルに取付けることが知られている。
例えば、下記特許文献1には、車両衝突時の安全性等を考慮して、ダッシュパネルの前面のフェーエルフィルタ近傍に、金属製の制御ユニット(ABSユニット)を取付ける構造が開示されている。
【0003】
このように、ダッシュパネルの前面に制御ユニットを取付けることで、エンジン等のパワートレイン後方の空間を有効に利用して、車載部品を効率的にエンジンルーム内に設置することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−247027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
もっとも、エンジンルーム内には、エンジンのほか、変速機やブレーキ装置のマスターバック等の大型の車載部品が設置されることから、これらの車載部品との干渉等を考慮して、車載部品をダッシュパネルに取付ける必要がある。
【0006】
また、近年では、デザイン上の要請等により、フロントガラスが車両前方側まで延びるよう設定されることから、フロントガラスの下端部を支持するカウルボックスも、車両前方側に大きく突出することになり、ダッシュパネルの位置よりも車両前方側に位置することが多くなってきている。
【0007】
こうしたなか、作業者が車載部品をダッシュパネルに取付けるに際しては、突出したカウルボックスや大型の車載部品を避けて、車両内方側の奥まった位置で車載部品を組付ける必要がある。このため、組付け作業が極めて困難になるという問題がある。
【0008】
特に、ECU等の電子制御ユニットをダッシュパネルに組付ける場合には、電子制御ユニットをダッシュパネルに組付けた後に、車体側のハーネスと電子制御ユニットを結線する必要があるため、作業者は、車両内方側の奥まった位置で、この結線作業を行なわなければならず、組付け性がより困難になる。
【0009】
こうした結線作業を容易に行なうためには、例えば、ハーネスを二分割で構成して、電子制御ユニット側のハーネスを予め電子制御ユニット側に組みつけておき、別途、電子制御ユニットをダッシュパネルに組付けた後に、電子制御ユニット側のハーネスと車体側のハーネスとを結線する方法が考えられる。
【0010】
しかし、ハーネスを二分割に構成すると、ハーネスの生産コストが高まり、また結線ポイントが増えることで、結線外れのおそれが増加して、車両の走行性能に悪影響を与える可能性もある。
【0011】
そこで、本発明は、ダッシュパネルに車載部品を取付ける自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法において、できるだけ、他の車載装置等との干渉を回避して、エンジンルーム内で効率的に車載部品を設置しつつも、コストを掛けることなく車載部品のハーネスの結線作業を容易に行なうことができる自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の自動車の車載部品取付構造は、車両前部のエンジンルームと車室とを車幅方向且つ上下方向に延びて仕切るダッシュパネルと、該ダッシュパネルの前方側に配設されると共に、ハーネスが接続されるハーネス接続部を有する車載部品と、該車載部品を前記ダッシュパネルに取付ける取付ブラケットとを備え、該取付ブラケットに、ダッシュパネルに取付けた状態で、車載部品のハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動可能とする揺動手段を設けたものである。
【0013】
上記構成によれば、取付ブラケットに設けた揺動手段によって、車載部品のハーネス接続部が車幅方向外方側に揺動するため、ダッシュパネルに車載部品を取付けた状態で、ハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動させることが可能となり、ハーネスを車幅方向外方側で結線することができる。
このため、車載部品の取付位置よりも車幅方向外方側位置において、車載部品とハーネスの結線作業を行なうことができ、作業者は、ハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
なお、車載部品は、ハーネスが結線される電子制御機器であることが望ましく、例えば、ECUやABSユニット等が考えられる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記揺動手段を、少なくとも2つの取付点で所定の揺動軸を構成する車載部品の取付手段で構成したものである。
上記構成によれば、少なくとも2つの取付点で所定の揺動軸を構成する車載部品の取付手段(例えば、締結ボルトやカシメピン等)によって、揺動手段を構成することにより、部品点数を増加することなく、車載部品を揺動させることができる。
よって、コストアップや重量増加を招くことなく、車載部品とハーネスの結線作業を、容易に行なうことが可能となる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記揺動手段を、取付ブラケットに揺動可能に設けた揺動ブラケットで構成したものである。
上記構成によれば、揺動ブラケットによって揺動手段を構成することで、車載部品を揺動ブラケットに取付けるだけで、車載部品を自由に揺動させることができる。
このため、車載部品の締結ボルト等の取付手段の取付方向を制限されることなく、車載部品を自由に揺動させることができる。
よって、車載部品の組付け性を悪化させることなく、車載部品を揺動させることができ、より車載部品の組付け性を向上することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品の車幅方向内方側に前記ハーネス接続部を設け、該車載部品の車幅方向外方側に略上下方向に延びる揺動軸を設定したものである。
上記構成によれば、車載部品の車幅方向外方側に略上下方向に延びる揺動軸を設定することにより、車載部品を略水平方向に揺動させることができ、車載部品の車幅方向内方側部のハーネス接続部を、車幅方向外方に移動させることができる。
このため、車載部品の車幅方向内側前方のスペースを利用して、車載部品を車幅方向外方側に揺動(傾動)させることができる。
よって、エンジンルーム内の、少ないスペースを有効に利用して、車載部品を効果的に揺動させて、ハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品を、車幅方向内方側が車幅方向外方側に比して前方に位置するように前後方向に傾斜させた状態でダッシュパネルに設置して、前記車載部品の車幅方向内方側に前記ハーネス接続部を設け、該車載部品の下方側に略前後方向に延びる揺動軸を設定したものである。
上記構成によれば、車載部品の下方側に略前後方向に延びる揺動軸を設定することにより、車載部品の上部を左右方向に揺動させることができ、車載部品の車幅方向内方側のハーネス接続部を、車幅方向外方に移動させることができる。
このため、車載部品の上側前方のスペースを利用して、車載部品を車幅方向外方側に揺動させることができる。
よって、エンジンルーム内の少ないスペースを有効に利用して、車載部品を効果的に揺動させて、ハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
【0018】
この発明の一実施態様においては、前記ハーネスに、前記ハーネス接続部に係止固定されるハーネスロック機構を設け、前記揺動手段によって該ハーネスロック機構が車幅方向外方位置から視認できる位置まで車載部品が揺動するように設定したものである。
上記構成によれば、ハーネス結線時には、ハーネスロック機構を車幅方向外方位置から視認できる位置まで車載部品を揺動させることができるため、作業者は、ハーネスロック機構を目視しながら、ハーネス結線時にハーネスロックを行なうことができる。
よって、作業者は、ハーネスロック機構のロック操作を確実に行なうことができ、誤組付けのおそれを解消することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、前記ハーネスロック機構の操作部を、ロック状態とアンロック状態とで異なる位置をとるように構成したものである。
上記構成によれば、ハーネスロック機構の操作部がロック状態とアンロック状態とで異なる位置をとるため、作業者が操作部の位置を視認することで、一目でロックし忘れを確認できる。
よって、ハーネスロック機構のロックし忘れを確実に防止できる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、前記車載部品を、車幅方向に延びるカウルボックスの下方位置で且つ車幅方向外方位置でマスターバックの前方側に配置して、該車載部品の車幅方向内方側にハーネス接続部を備えると共に、前記ハーネス接続部の前方位置に、変速機が配置される構造であって、前記ハーネスをハーネス接続部の前方側に向って配索するとともに、前記ハーネスロック機構を、ハーネス接続部の後方側に位置するように設けたものである。
上記構成によれば、上方がカウルボックス、後方がマスターバック、前方が変速機といった大型の車載部品等に囲まれたエンジンルーム内のデッドスペースに、車載部品を配置することで、車載部品をコンパクトに設置することができる。
また、ハーネスを車両前方側に配索することで、ハーネスロック機構をハーネス接続部の後方側に位置するように設けても、車載部品を揺動させることで、ハーネス接続部とハーネスロック機構を車幅方向外方側から視認することができる。
よって、車載部品を、コンパクトにエンジンルーム内に設置しつつ、ハーネスの配索性の向上と、ハーネスロック機構の視認性の向上を図ることができる。
【0021】
この発明の車載部品の取付方法は、ハーネスが接続されるハーネス接続部を有する車載部品を、取付ブラケットを介して予めダッシュパネルに取付ける取付ステップと、前記取付ブラケットに取付けた車載部品のハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動する揺動ステップと、該揺動した車載部品のハーネス接続部にハーネスを接続する接続ステップと、前記ハーネス接続部にハーネスを接続した車載部品を、元の位置に戻して取付ブラケットに固定する固定ステップとを備える取付方法である。
上記構成によれば、作業者は、車載部品のハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動させて、作業者が作業しやすい車幅方向外方位置で車載部品にハーネスを接続することができる。
このため、車載部品の通常の取付位置よりも車幅方向外方側位置において、車載部品とハーネスの結線作業を行なうことができ、作業者は、ハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、車載部品の取付位置よりも車幅方向外方側位置において、車載部品とハーネスの結線作業を行なうことができ、作業者は、ハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
よって、ダッシュパネルに車載部品を取付ける自動車の車載部品取付構造及び車載部品の取付方法において、できるだけ、他の車載装置等との干渉を回避してエンジンルーム内で効率的に車載部品を設置しつつも、コストを掛けることなく車載部品のハーネスの結線作業を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態について、以下、図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の第一実施形態を採用した車両前部のエンジンルーム内の前方斜視図、図2はエンジンルーム上方からの要部斜視図、図3はECU(エンジン・コントロール・ユニット)組付け途中の要部斜視図、図4はECUの取付ブラケットの単品斜視図である。
【0024】
図1に示すように、車両前部のエンジンルームEを構成する車体構造は、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,1と、このフロントサイドフレーム1,1の後端部で上下方向且つ車幅方向に延びてエンジンルームEと車室Cを仕切るダッシュパネル2と、このダッシュパネル2の上方位置で車幅方向に延びるカウルボックス3と、フロントサイドフレーム1,1の車幅方向外方側でエンジンルームE内方側に膨出するホイールハウス4と、ホイールハウス4の中央位置で上下方向に延びるサスタワー5とを備えている。
【0025】
このエンジンルームE内には、右側のフロントサイドフレーム1の内方側に変速機Mを搭載している。この変速機Mは、詳細に図示しないが入出力軸を車幅方向に延びるように設置した、いわゆる横置きタイプの変速機Mである。
【0026】
この変速機Mの車両後方側のダッシュパネル2の前面には、円盤ドラム形状のマスターバック装置6を取り付けている。このマスターバック装置6は、周知のように、ブレーキ装置の倍力装置であり、比較的大きな容積を有する。
【0027】
このマスターバック装置6の斜め前方には、エンジン制御等を行なうECU7を設置している。このECU7は、上下方向を長尺としたボックス形状の構造体であり、内部には、エンジン等を制御する制御基板(図示せず)を収容している。
【0028】
このECU7の車幅方向内方側の側面部には、途中まで車両前方側に延びて途中から後方側に屈曲するハーネス10を結線している。このハーネス10は、その先端部を上下に3つ10a,10b,10cに分岐してECU7に結線するように構成しており、その後方部をまとめて一本にしてダッシュパネル2の貫通穴8を通じて車室C側に配索するように構成している。
【0029】
このハーネス10とECU7の詳細構造について、図2で説明する。
ECU7は、前述のようにマスターバック装置6を避けるように、平面視で車幅方向内方側(図面左側)を車幅方向外方側よりも前方に位置するように傾斜させて設置している。この設置位置は、ダッシュパネル2との間に設けた取付ブラケット20によって規定している。すなわち、この取付ブラケット20は、後述するように前後方向に延びる3つの脚部20A,20B,20C(図4参照)を有しているため、ダッシュパネル2から前方にECU7を離間して位置させることができ、マスターバック装置6の前方位置に位置させることができるのである。
【0030】
また、このECU7は、取付ブラケット20に対して、上部二ヶ所、下部二ヶ所の計四ヶ所で締結固定されるように構成しており、このうち、上部二ヶ所では、ECU7の一側部(前部)を第一締結具31によって、ECU7の他側部(後部)を第二締結具32によって、それぞれ取付ブラケット20の第一フランジ部21と第二フランジ部22に対して締結固定されるように構成している。
【0031】
さらに、ECU7には、前述したようにハーネス10を結線するため、車幅方向内方側側面7aに、ハーネス10の先端に設けたカプラ11と結線されるソケット71を形成している。このソケット71は、四角筒状で形成しており、分岐したハーネス10のカプラ11に対応して上下に3つ並ぶように構成している。
一方、このソケット71の上方位置には、前述のマスターバック装置6のブレーキ液タンク61を配設している。このブレーキ液タンク61は、上方に位置するカウルボックス3を避けるために、車両前方側に大きく突出するように形成されており、ECU7をダッシュパネル2に組付けた状態で、ECU7のソケット71を上方から覆う位置に設置される。
【0032】
こうした位置に、ブレーキ液タンク6が設置されることから、ECU7をダッシュパネル2に組付けた後においては、ECU7のソケット71にハーネス10のカプラ11を差込むことが困難となり、結線作業が困難になる。特に、結線作業時に後述するハーネスロック機構80(図3参照)のロック操作を行なう場合には、作業者は、ハーネスロック機構80を全く目視することができないため、ロック操作が行なえないという問題が生じる。
【0033】
そこで、本実施形態では、図3に示すように、一旦、ECU7を取付けた取付ブラケット20をダッシュパネル2に組付けた後、ECU7だけを車両外方側に揺動できるように構成している。
すなわち、ECU7の上部を取付ブラケット20に取付けずに、ECU7の上部を、車両外方側に揺動できるように構成することで、組付け作業時に、ECU7のソケット71部分を、一旦車幅方向外方側に移動させて、ブレーキ液タンク61に覆われない位置に位置させるのである。
【0034】
これにより、作業者は、ECU7のソケット71部分を目視しながら、ハーネス10のカプラ11をソケット71を差込み、ハーネスロック機構80をロック操作することができ、ECU7とハーネス10の結線作業を行なうことができる。
【0035】
図4で、この取付ブラケット20の詳細構造について説明する。取付ブラケット20は、ECU7の後方側に位置する略長方形のプレート状の本体部25と、この本体部25の上部中央で後方側に延びる第一脚部20Aと、本体部25の一側部(前部)で後方側に延びる第二脚部20Bと、本体部25の他側部(後部)で後方側に延びる第三脚部20Cと、を備えている。
【0036】
前述の本体部25には、上部にECU7の上部を締結固定する第一フランジ部21と、第二フランジ部22とを設け、下部にECU7の下部を締結固定する第三フランジ部23と、第四フランジ部24とを設けている。
【0037】
第一フランジ部21は、本体部25と略直角をなすように前方に折曲形成しており、第二フランジ部22は、本体部25からそのまま上方に延びるように形成している。第一フランジ部21には、前述の第一締結具31をスライド差込みを可能とする横方向に延びる切欠き溝26を形成している。一方、第二フランジ部22には、第二締結具32を締結固定する締結穴27を形成している。
【0038】
第三フランジ部23と第四フランジ部24は、共に本体部25と略直角をなすように縦壁状に折曲形成しており、ECU7の下部を、第三フランジ部23と第四フランジ部24で挟み込む形に形成している。
【0039】
また、この第三フランジ部23と第四フランジ部24には、それぞれに回動穴28,29を形成しており、この回動穴28,29を挿通する横方向に延びる第三締結具33と第四締結具34によって、ECU7の下部を締結固定している。
【0040】
この実施形態では、この第三締結具33と第四締結具34を、同一線上に位置するように設定することで、略前後方向に延びるECU7の揺動軸L1を構成している。これにより、ECU7を取付ブラケット20に取付けた状態で、破線に示すように、揺動軸L1廻りにECU7を車幅方向外方側に揺動させることができる。
【0041】
このように取付ブラケット20を構成することで、前述したように、ECU7の組付け作業の途中において、ECU7を車幅方向外方側に揺動させて、ハーネス10のカプラ11(図3参照)をECU7のソケット71(図3参照)に差込むことができる。
【0042】
図5及び図6で、ハーネスロック機構について説明する。図5はハーネスロック機構の全体模式図、図6はハーネスロック機構のロック操作を説明する模式図で、(a)が第一段階、(b)が第二段階を示した図である。
【0043】
ハーネスロック機構80は、カプラ11に設けたロックレバー81とソケット71に設けた係止溝82とを備えて構成している。
まず、ロックレバー81は、カプラ11の側面に回動支点83を介して枢支されており、その一端に係合フック84を設け、他端に押圧操作部85を設けている。また、係合フック84周辺の一端部分86を、他の部分よりも一段低くカプラ11側に位置するように形成している。
【0044】
一方、ソケット71の係止溝82は、ソケット71の壁部71aから一段高く形成した、段部87の側端87aに略凹状に形成している。またソケット71の壁部71aは、カプラ11の側面よりやや上方に位置するように設定している。
【0045】
なお、ソケット71の内部には、周知のように、カプラ11側の結線端子(図示せず)に電気的に接続される複数の結線端子(図示せず)を設けており、この結線端子によって、ECU7内部の制御基板(図示せず)と連絡されて、他の車載機器とECU7が電気信号のやりとり等を行なうように構成している。
【0046】
こうして構成したハーネスロック機構80は、カプラ11を矢印に示すように、ECU7のソケット71に差込んだ後に、ロック操作することで、この結線状態をロックする。
【0047】
次に、図6によって、ハーネスロック機構80のロック操作を説明する。
まず、(a)の第一段階(アンロック状態)で、ロックレバー81は、ハーネス10の位置と反対側に位置しており、このロックレバー81の位置でカプラ11をソケット71に差込む。
【0048】
この差込んだ状態で、ロックレバー81の一段低くなった一端部分86がソケット71の壁部71aに乗り上がるため、この状態でロックレバー81の押圧操作部85を押圧してロックレバー81を矢印方向に回動させる。
【0049】
次に、(b)の第二段階(ロック状態)に示すように、ロックレバー81の係合フック84がソケット71の係止溝82に係合するまでロックレバー81を回動させる。これにより、ロックレバー81がソケット71に係合して、ハーネス10とソケット71の結線状態がロックされる。
このロックレバー81のロック位置は、ロックレバー81の一端部分86がソケット71の壁部71aに付勢力で保持されることで維持される。このロックレバー81の位置が維持されることで、ロックレバー81の係合フック84とソケット71の係止溝82との係合関係が保持され、ハーネスロック機構80は完全にロックされる。
【0050】
このように、ハーネスロック機構80をロックすることで、ハーネス10のカプラ11と、ECU7のソケット71の結線状態を完全にロックすることができ、車両走行中等に、ハーネス10に外乱が作用して、抜け方向に荷重が作用したとしても、カプラ11とソケット71の結線状態が外れることはなく、カプラ11の外れといった不具合を解消できる。
【0051】
もっとも、この模式図にも示すように、ロックレバー81の位置は、構造上ハーネス10の位置と反対側に位置させるしかないため、本実施形態のように、ハーネス10を車両前方側に向けて配索する場合には、必然的にロックレバー81は、ソケット71の車両後方側に位置させるしかなく、ロック操作が困難にならざるを得ない。
【0052】
また、この模式図に示すように、このハーネスロック機構80は、ロックレバー81の位置がロック状態(b)とアンロック状態(a)とで異なるように構成している。このため、作業者は、ロックレバー81の位置を目視することで、一目でハーネスロック機構80のロック状態とアンロック状態とを確認することができる。
【0053】
次に、ECU7のダッシュパネル2への組付け方法について、図7に示すフローチャートを利用して説明する。
【0054】
まず、S1で、ダッシュパネル2に組付ける前に、ECU7を予め取付ブラケット20に取付ける。具体的には、ECU7の下部を、取付ブラケット20の第三フランジ部23と第四フランジ部24に、第三締結具33と第四締結具34を介して取付ける。このとき、ECU7自体が取付ブラケット20に対して揺動するように、第三締結具33と第四締結具34は緩やかに締結する。なお、この第三締結具33と第四締結具34の代わりに、カシメピンで、ECU7を取付ブラケット20に取付けてもよい。
【0055】
次に、S2で、取付ブラケット20を、ダッシュパネル2に締結固定する。この締結固定は、前述の第一脚部〜第三脚部20A,20B,20Cの先端に設けた取付部20Aa,20Ba,20Ca(図4参照)を、図示しないスタッドボルトとナットを用いて、ダッシュパネル2に締結して行なう。
【0056】
その次に、S3で、ECU7を車幅方向外方側に揺動する。具体的には、ECU7の上部を、車幅方向外方側にやや傾斜させるように移動させて、ECU7を傾斜させる(図2参照)。
【0057】
そして、次に、S4でハーネス10をECU7に結線する。この結線作業では、ハーネス10のカプラ11をECU7のソケット71に差込み、ハーネスロック機構80をロック操作することで行なう。
【0058】
その後、S5で、ECU7を元の位置に戻す、具体的には、ECU7の上部を車幅方向内方側に揺動させて、取付ブラケット20側にECU7を戻す。このとき、第一フランジ部21の切欠き溝26に、ECU7に仮締めした第一締結具31をスライド係合すれば、取付ブラケット20とECU7の位置関係を確実に規定することができる。
【0059】
最後に、S6で、ECU7を取付ブラケット20に最終固定する。具体的には、ECU7の上部を第一締結具31と第二締結具32を介して取付ブラケット20に固定する。前述のように、切欠き溝26と第一締結具31を使ってECU7の位置を規定すれば、エンジンルームE内の奥まった位置で、この固定作業を行っても、比較的容易に作業を行うことができる。
【0060】
以上の組付け方法をとることで、作業者は、ECU7とハーネス10の結線作業を、目視しながら容易且つ確実に行なうことができる。
【0061】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について詳述する。
この実施形態では、取付ブラケット20をダッシュパネル2に取付けた状態で、ECU7だけを、車幅方向外方側に揺動可能となるように構成している。
これにより、ECU7のソケット71を車幅方向外方側に移動させることができ、この状態で、ハーネス10を車幅方向外方側で結線することができる。
このため、作業者は、目視をしながら、ハーネス10の結線作業を容易に行なうことができる。
よって、ダッシュパネル2にECU7を取付ける自動車の車載部品取付構造において、できるだけ、他の車載装置等との干渉を回避して、エンジンルームE内で効率的にECU7を設置しつつも、コストを掛けることなくECU7のハーネス10の結線作業を容易に行なうことができる。
【0062】
また、この実施形態では、第三フランジ部23と第四フランジ部24の少なくとも2つのフランジと第三締結具33と第四締結具34で、ECU7の揺動軸L1を構成するようにしている。
これにより、別途部品点数を増加することなく、ECU7を揺動させることができる。
よって、コストアップや重量増加を招くことなく、ECU7とハーネス10の結線作業を、容易に行なうことが可能となる。
【0063】
また、この実施形態では、ECU7を、車幅方向内方側が車幅方向外方側に比して前方に位置するように傾斜させた状態でダッシュパネル2に取付けて、ECU7の下部に略前後方向に延びる揺動軸L1を設定している。
これにより、ECU7の上部を車幅方向外方側に揺動させることができ、ECU7の車幅方向内方側側面7aのソケット71を、車幅方向外方に移動させることができる。
このため、ECU7の上部前方のスペースを有効利用して、ECU7を車幅方向外方側に揺動させることができる。例えば、本実施形態のように、変速機Mが搭載され、変速機Mの後部がECU7の下部前方に位置する場合には、ECU7の下部を前方に揺動させることができないため、特に有効である。
【0064】
よって、エンジンルームE内の少ないスペースを有効に利用して、ECU7を効果的に揺動させて、作業者にハーネス10の結線作業を容易に行なわせることができる。
【0065】
また、この実施形態では、ハーネス10のカプラ11にハーネスロック機構80を設け、このハーネスロック機構80が、カプラ11をソケット71に結線した状態で、車幅方向外方位置から視認できる位置まで、ECU7を揺動させるように設定している(図3参照)。
これにより、ハーネス10の結線作業時には、確実にハーネスロック機構80を車幅方向外方位置から視認できるため、作業者は、ハーネスロック機構80を目視しながら、操作することができる。
よって、作業者は、ハーネスロック機構80のロック操作を確実に行なうことができ、誤組付けのおそれを解消することができる。
【0066】
また、この実施形態では、ハーネスロック機構80のロックレバー81を、ロック状態とアンロック状態とで異なる位置をとるように構成している。
これにより、ロックレバー81がロック状態とアンロック状態とで異なる位置をとるため、作業者がロックレバー81の位置を視認することにより、一目でロックし忘れを確認できる。
よって、ハーネスロック機構80のロックし忘れを確実に防止できる。
【0067】
また、この実施形態では、ECU7を、車幅方向に延びるカウルボックス3の下方位置で且つ車幅方向外方位置で、マスターバック装置6の前方側に配置して、ECU7の前方には、変速機Mが配置される構造であって、ハーネス10をソケット71の前方側に向って配索して、ハーネスロック機構80のロックレバー80をソケット71の後方側に位置するように設定している。
これにより、上方がカウルボックス3、後方がマスターバック装置6、前方が変速機Mといった大型の車載機器等に囲まれたエンジンルームE内のデッドスペースに、ECU7を配置することで、ECU7をエンジンルームE内にコンパクトに設置することができる。また、ハーネス10を車両前方側に配索することで、ハーネスロック機構80をソケット71の後方側に位置するように設けても、ECU7を揺動させることで、作業者は、ソケット71とハーネスロック機構80を車幅方向外方側から視認することができる。
よって、ECU7を、コンパクトにエンジンルームE内に設置しつつ、ハーネス10の配索性の向上を図り、ハーネスロック機構80の視認性の向上も図ることができる。
【0068】
また、この発明のECU7の組付け方法は、ECU7を、取付ブラケット20を介して予めダッシュパネル2に取付ける取付ステップ(S2)と、取付ブラケット20に取付けたECU7を車幅方向外方側に揺動する揺動ステップ(S3)と、その揺動したECU7のソケット71にハーネス10を接続する接続ステップ(S4)と、ソケット71にハーネス10を接続したECU7を、元の位置に戻して取付ブラケット20に固定する固定ステップ(S5,S6)とを備えている。
これにより、作業者は、ECU7のソケット71を車幅方向外方側に揺動させて、作業者が作業しやすい車幅方向外方位置でハーネス10を接続することができる。
このため、ECU7の通常の取付位置よりも車幅方向外方側位置において、ハーネス10の結線作業を行なうことができ、作業者は、ハーネス10の結線作業を容易に行なうことができる。
【0069】
なお、本実施形態では、第三フランジ部23と第四フランジ部24との二ヶ所でECU7を支持して揺動するように構成したが、例えば、第三フランジ部23の一ヶ所でECU7を支持して揺動するように構成してもよい。
【0070】
次に、第二実施形態について、図8によって説明する。図8は、図4に対応する取付ブラケットの単品斜視図である。第一実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、他の構成要素については、第一実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0071】
この実施形態では、ECU7の揺動軸L2を、ECU7の車幅方向外方側で上下方向に延びるように設定している。
具体的には、取付ブラケット120の車幅方向外方位置に形成する第二フランジ部122と第四フランジ部124を、共に車両前方側に水平方向に延びるように構成して、この第二フランジ部122と第四フランジ部124の回転穴127,129に対して、上下方向から第二締結具132と第四締結具134とをそれぞれ挿通して、この第二締結具132と第四締結具134とによって、上下方向に延びる揺動軸L2を構成するようにしている。
【0072】
このように、上下方向に延びる揺動軸L2を、ECU7の車幅方向外方側に設定した場合でも、第一実施形態と同様に、ECU7を車幅方向側に揺動することができる。
【0073】
すなわち、破線で示すECU7のように、揺動軸L2廻りにECU7を水平方向に揺動させることにより、取付ブラケット120に対してECU7を車幅方向外方側に移動させることができ、ECU7の車幅方向内方側側面7aを車幅方向外方側に移動させることができるのである。
【0074】
このため、この実施形態においても、一旦取付ブラケット120をダッシュパネル2に組付けた後、ECU7だけを車幅方向外方側に揺動させた上で、ハーネス10を結線することができる。
【0075】
ECU7にハーネス10を結線した後は、前述の第一実施形態と同様に、ECU7を取付ブラケット120側に回動させて元の位置に戻し、取付ブラケット120に第一締結具131と第三締結具133によって締結固定する。
【0076】
この場合も、第三フランジ部123に設けた切欠き溝126と、仮締めした第三締結具33によって、ECU7の位置を規定できるようにしている。
【0077】
以上のように、この実施形態では、ECU7の車幅方向外方側に略上下方向に延びる揺動軸L2を設定している。
これにより、ECU7を略水平方向に揺動させることができ、ECU7の車幅方向内方側側面7aを、車幅方向外方側に移動させることができる。
このため、ECU7の車幅方向内側前方のスペースを利用して、ECU7を車幅方向外方側に揺動(傾動)させることができる。例えば、ECU7の車幅方向外側前方のスペースが充分に確保できない場合には、有効にスペースを利用できる。
よって、エンジンルームE内の、少ないスペースを有効に利用して、ECU7を効果的に揺動させて、ハーネス10の結線作業を容易に行なうことができる。
その他の作用効果については、第一実施形態と同様である。
【0078】
次に、第三実施形態について、図9、図10により説明する。図9は図4に対応する取付ブラケットの単品斜視図、図10は取付ブラケットの単品平面図である。同一構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、他の構成要素については、第一実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0079】
この実施形態では、取付ブラケット220に、取付ブラケット220に対して揺動する揺動プレート221を設けて、この揺動プレート221にECU7を固定するように構成したものである。
【0080】
揺動プレート221は、図10に示すように、取付ブラケット220の本体部25と同様の長方形状のプレート材で構成しており、取付ブラケット220の第二フランジ部22に対応する位置に、上方に延びる固定フランジ部222を形成して、第三フランジ部23、第四フランジ部24に対応する位置に、縦方向に折曲形成した左右のヒンジフランジ部223,224を形成している。
【0081】
また、周囲4ヶ所には、ECU7を固定する固定穴225…を形成して、ECU7を締結具(図示せず)等で固定するように構成している。
【0082】
左右のヒンジフランジ部223,224と、第三フランジ部23と第四フランジ部24とは、それぞれヒンジピン230,230によって連結されており、このヒンジピン230,230によって、略前後方向に延びる揺動軸L3を構成するように設定している。
【0083】
また、固定フランジ部222には、第二締結具32を挿通させて締結固定するための締結穴226を形成している。
【0084】
なお、その他の取付ブラケット220の構造については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0085】
この第三実施形態では、図9に示すように、予め、揺動プレート221に対してECU7を固定しておき、取付ブラケット220をダッシュパネル2に取り付けた後に、揺動プレート221とECU7を、下部の揺動軸L3廻りに揺動させることで、ECU7を車幅方向外方側に移動させるようにしている。
【0086】
このため、この実施形態でも、前述の実施形態と同様に、ハーネス10の結線作業の際に、ECU7だけを揺動して容易に結線作業を行なうことができる。特に、本実施形態の場合には、揺動プレート221を設けているため、ECU7の取付ブラケット220に対する取付方向等が制限されることなくなる。また、平板状の揺動プレート221に、単にECU7を固定するだけでよいため、ECU7も汎用タイプのものを用いることができ、ECU7自体のコストも削減できる。
【0087】
以上のように、この実施形態では、取付ブラケット220に、揺動プレート221を設けてECU7を揺動するように構成している。
これにより、ECU7を揺動プレート221に取付けるだけで、ECU7を自由に揺動させることができる。
このため、ECU7の締結具(図示せず)の取付方向を制限されることなく、ECU7を自由に揺動させることができる。
よって、ECU7の組付け性を悪化させることなく、ECU7を揺動させることができ、よりECU7の組付け性を向上することができる。
その他の作用効果については、第一実施形態と同様である。
【0088】
次に、第四実施形態について、図11、図12により説明する。図11は取付ブラケットの単品斜視図、図12は取付ブラケットの単品平面図である。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、他の構成要素については、第一実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0089】
この実施形態も、取付ブラケット320に、ECU7を固定する揺動プレート321を設けたものである。この実施形態では、揺動プレート321の揺動軸L4を、車幅方向外方側に上下方向に延びるように設定して、揺動プレート321とECU7を、水平方向に揺動するように構成している。
【0090】
揺動プレート321は、図12に示すように、取付ブラケット320の本体部25と同様の長方形状のプレート材で構成しており、取付ブラケット320の第一フランジ部121に対応する位置に、上方に延びる固定フランジ部322を形成し、第二フランジ部122、第四フランジ部124に対応する位置に、水平方向に折曲形成した上下のヒンジフランジ部323,324を形成している。また、取付ブラケット320の第三フランジ部123に対応する位置に、縦方向に折曲形成した案内フランジ部325を形成している。
【0091】
また、周囲4ヶ所には、第三実施形態と同様に、ECU7を固定する固定穴325…を形成して、ECU7を締結具(図示せず)等で固定するように構成している。
【0092】
上下のヒンジフランジ部323,324と、第二フランジ部122と第四フランジ部124とは、第三実施形態と同様に、それぞれ、上下方向に延びるヒンジピン330,330によって連結しており、このヒンジピン330,330によって、上下方向に延びる揺動軸L4を構成するようにしている。また、固定フランジ部322には、第一締結具31を挿通させて締結固定するための固定穴326を形成し、案内フランジ部325には、第三フランジ部123の切欠き溝126に対応する固定穴326を形成している。
【0093】
なお、その他の取付ブラケット320の構造については、第二実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
この第四実施形態においても、予め、図11に示すように揺動プレート321に対してECU7を固定しておき、取付ブラケット320をダッシュパネル2に取り付けた後に、揺動プレート321とECU7を、揺動軸L4廻りに揺動させることで、ECU7の車幅方向内方側側面7aを、車幅方向外方側に移動させることができる。
【0095】
このため、この実施形態でも、前述の実施形態と同様に、ハーネス10の結線の際に、ECU7を揺動して容易に結線作業を行なうことができる。また、第三実施形態と同様に、揺動プレート321を設けているため、ECU7の取付ブラケット320に対する取付方向等が制限されることもない。また、平板状の揺動プレート321に単にECU7を固定するだけでよいため、ECU7も汎用タイプのものを用いることができ、ECU7の自体の生産コストを削減できる。
【0096】
特に、本実施形態では、上下方向に延びる揺動軸L4で、ECU7と揺動プレート321を揺動させるため、ECU7の車幅方向外方側の前方位置に揺動スペースがない場合であっても、効率的にECU7を揺動させることができる。
【0097】
その他の作用効果については、第三実施形態と同様である。
【0098】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の車載部品は、実施形態のECU7に対応し、
以下、同様に
ハーネス接続部は、ソケット71に対応し、
取付手段は、第三フランジ部23,第四フランジ部24,第三締結具33,第四締結具34,第二フランジ部122,第四フランジ部124,第二締結具132,第四締結具134に対応し、
揺動ブラケットは、揺動プレート221,揺動プレート321に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車の車載部品の取付構造及び取付け方法に適用する実施形態を含むものである。
取付ける車載部品は、ECUに限定されるものではなく、例えばABSユニット、TRCユニット、ATユニットなど、他の車載部品等とハーネスを介して電気信号の送受信を行なう車載部品であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第一実施形態の車両前部のエンジンルーム内の前方斜視図。
【図2】エンジンルーム上方からの要部斜視図。
【図3】ECU組付け途中の要部斜視図。
【図4】ECUの取付ブラケットの単品斜視図。
【図5】ハーネスロック機構の全体模式図。
【図6】ハーネスロック機構のロック操作を説明する模式図で、(a)第一段階、(b)第二段階の図。
【図7】ECUの組付け方法のフローチャート。
【図8】第二実施形態の取付ブラケットの単品斜視図。
【図9】第三実施形態の取付ブラケットの単品斜視図。
【図10】第三実施形態の取付ブラケットの単品平面図。
【図11】第四実施形態の取付ブラケットの単品斜視図。
【図12】第四実施形態の取付ブラケットの単品平面図。
【符号の説明】
【0100】
M…変速機
2…ダッシュパネル
3…カウルボックス
6…マスターバック装置
7…ECU
71…ソケット
10…ハーネス
11…カプラ
20,120,220,320…取付ブラケット
28…第三フランジ部
29…第四フランジ部
33…第三締結具
34…第四締結具
122…第二フランジ部
124…第四フランジ部
132…第二締結具
134…第三締結具
221…揺動プレート
321…揺動プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車載部品取付構造において、
車両前部のエンジンルームと車室とを車幅方向且つ上下方向に延びて仕切るダッシュパネルと、
該ダッシュパネルの前方側に配設されると共に、ハーネスが接続されるハーネス接続部を有する車載部品と、
該車載部品を前記ダッシュパネルに取付ける取付ブラケットとを備え、
該取付ブラケットに、ダッシュパネルに取付けた状態で、車載部品のハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動可能とする揺動手段を設けた
自動車の車載部品取付構造。
【請求項2】
前記揺動手段を、少なくとも2つの取付点で所定の揺動軸を構成する車載部品の取付手段で構成した
請求項1記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項3】
前記揺動手段を、取付ブラケットに揺動可能に設けた揺動ブラケットで構成した
請求項1記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項4】
前記車載部品の車幅方向内方側に前記ハーネス接続部を設け、
該車載部品の車幅方向外方側に略上下方向に延びる揺動軸を設定した
請求項1〜3いずれか記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項5】
前記車載部品を、車幅方向内方側が車幅方向外方側に比して前方に位置するように前後方向に傾斜させた状態でダッシュパネルに設置して、
前記車載部品の車幅方向内方側に前記ハーネス接続部を設け、
該車載部品の下方側に略前後方向に延びる揺動軸を設定した
請求項1〜3いずれか記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項6】
前記ハーネスに、前記ハーネス接続部に係止固定されるハーネスロック機構を設け、
前記揺動手段によって該ハーネスロック機構が車幅方向外方位置から視認できる位置まで車載部品が揺動するように設定した
請求項1〜5いずれか記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項7】
前記ハーネスロック機構の操作部を、ロック状態とアンロック状態とで異なる位置をとるように構成した
請求項6記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項8】
前記車載部品を、車幅方向に延びるカウルボックスの下方位置で且つ車幅方向外方位置でマスターバックの前方側に配置して、
該車載部品の車幅方向内方側にハーネス接続部を備えると共に、
前記ハーネス接続部の前方位置に、変速機が配置される構造であって、
前記ハーネスをハーネス接続部の前方側に向って配索するとともに、
前記ハーネスロック機構を、ハーネス接続部の後方側に位置するように設けた
請求項6又は7記載の自動車の車載部品取付構造。
【請求項9】
自動車の車載部品の取付方法であって、
ハーネスが接続されるハーネス接続部を有する車載部品を、取付ブラケットを介して予めダッシュパネルに取付ける取付ステップと、
前記取付ブラケットに取付けた車載部品のハーネス接続部を車幅方向外方側に揺動する揺動ステップと、
該揺動した車載部品のハーネス接続部にハーネスを接続する接続ステップと、
前記ハーネス接続部にハーネスを接続した車載部品を、元の位置に戻して取付ブラケットに固定する固定ステップとを備える
車載部品の取付方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−149815(P2008−149815A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338280(P2006−338280)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】